ウイルスベクター
【課題】有用且つ安全なウイルスベクターの提供。
【解決手段】revの不在下でパッケージングに利用可能なゲノムRNA又はその機能的等価物のレベルが増大するように、内部調節エレメントの上流に第1のヌクレオチド配列を含むマルチシストロン性レトロウイルスベクターゲノム。ウイルスLTRに機能しうる形で連結されたヌクレオチド配列を含有し、前記ヌクレオチド配列が内部調節エレメントの上流であるベクターゲノム。前記ヌクレオチド配列が内部プロモーター又はIRESの上流であり、revの不在下、パッケージングに利用可能なゲノムRNAのレベルを増大する。
【解決手段】revの不在下でパッケージングに利用可能なゲノムRNA又はその機能的等価物のレベルが増大するように、内部調節エレメントの上流に第1のヌクレオチド配列を含むマルチシストロン性レトロウイルスベクターゲノム。ウイルスLTRに機能しうる形で連結されたヌクレオチド配列を含有し、前記ヌクレオチド配列が内部調節エレメントの上流であるベクターゲノム。前記ヌクレオチド配列が内部プロモーター又はIRESの上流であり、revの不在下、パッケージングに利用可能なゲノムRNAのレベルを増大する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルスLTRの下流で、かつプロモーターの上流に異種オープン・リーディング・フレーム(ORF)又はその一部を含み、前記プロモーターが少なくとも1つの下流NOIの発現を制御するマルチシストロン性レンチウイルスベクターゲノム。
【請求項2】
異種ORFが、LTRに機能しうる形で連結している、請求項1に記載のベクター。
【請求項3】
補助遺伝子rev又はその機能的等価物をコードする核酸配列が、前記補助遺伝子が機能的補助タンパク質をコードできないように破壊されているか、又はベクターゲノムから除外されており、かつトランスで供給されていない、請求項1又は2に記載のベクター。
【請求項4】
異種ORFが、レポーター部分又は選択可能マーカーである請求項1〜3のいずれかに記載のベクター。
【請求項5】
異種ORFが、モジュレーター遺伝子をコードする、請求項1〜3のいずれかに記載のベクター。
【請求項6】
モジュレーター遺伝子が、TetR等のテトラサイクリン抑制因子、及びtTA又はrtTA等のテトラサイクリン調節トランス活性化因子から選択される請求項5に記載のベクター。
【請求項7】
テトラサイクリン抑制因子が、哺乳動物細胞における発現にコドン最適化されている請求項6に記載のレンチウイルスベクター。
【請求項8】
ベクターが、非霊長類レンチウイルスベクターである、請求項1〜7のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項9】
ベクターが、HIV−1、HIV−2、SIV、FIV、BIV、EIAV、CEV、CAEV、MVV、又はビスナレンチウイルスからなるグループから選択される、請求項1〜7のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項10】
ベクターが、中央ポリプリントラクト(cPPT)配列を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項11】
ベクターが、転写後調節エレメント、又は翻訳エレメントを含む請求項1〜10のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項12】
ベクターが、ATGモチーフを有するgagパッケージングシグナルを含み、かつ前記ATGモチーフがATTGモチーフである、請求項1〜11のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項13】
ベクターが、ウイルスプロモーター又は真核生物プロモーターの配列を有する3’U3領域を含む、請求項1〜12のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項14】
ウイルスプロモーター又は真核生物プロモーターが野生型プロモーターである、請求項13に記載のレンチウイルスベクター。
【請求項15】
ウイルスプロモーターが、EIAV又はMLV U3領域である、請求項14に記載のレンチウイルスベクター。
【請求項16】
レンチウイルスベクターが、自己不活型レンチウイルスベクターである、請求項1〜15のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項17】
ベクターゲノムが、2、3又は4シストロン性である、請求項1〜16のいずれかに記載のベクター。
【請求項18】
システムが、請求項1〜17のいずれかに記載のベクターゲノム、Gag及びPolタンパク質、並びにenvタンパク質又はそれらの機能的代替物を含むベクターの成分をコードする核酸配列のセットを含む、レンチウイルス由来ベクター粒子を生産するためのレンチウイルスベクター生産システム。
【請求項19】
核酸配列のセットが、(i)ベクターゲノム、(ii)Gag及びPol、及び(iii)Envをコードする3つのDNA構築物を含む、請求項18に記載の生産システム。
【請求項20】
補助遺伝子rev又は機能的代替物をコードする核酸配列が、前記補助遺伝子が機能補助タンパク質をコードできないように破壊されているか、又はベクターゲノムから除去されており、トランスで供給されていない請求項18又は19に記載の生産システム。
【請求項21】
粒子が由来するレトロウイルスの補助遺伝子vpr、vif、tat、及びnef、又は類似補助遺伝子の少なくとも1つをコードする核酸配列も、前記補助遺伝子が機能的補助タンパク質をコードできないように破壊されているか、又はシステムから除去されている請求項18〜20のいずれかに記載の生産システム。
【請求項22】
Gag及びPolをコードする核酸配列がコドン最適化されている、請求項18〜21のいずれかに記載の生産システム。
【請求項23】
請求項18〜22のいずれかに記載のシステムにおいて使用するDNA構築物であって、請求項1〜17のいずれかに記載のパッケージ可能なRNAベクターゲノムをコードするDNA構築物。
【請求項24】
請求項23に記載のDNA構築物、及び請求項19〜22のいずれかに記載のGag及びPolをコードするDNA構築物を含むDNA構築物のセット。
【請求項25】
Env又はその機能的代替物をコードするDNA構築物をさらに含む請求項20に記載のDNA構築物のセット。
【請求項26】
請求項23〜25のいずれかに記載の核酸配列のセット又はDNA構築物のセットを宿主細胞に導入するステップと、レトロウイルスベクター粒子を得るステップとを含むレトロウイルスベクター粒子の調製方法。
【請求項27】
請求項18〜26のいずれかに記載のシステム又は方法により生産されるレトロウイルスベクター粒子。
【請求項28】
請求項1〜17のいずれかに記載のRNAベクター、Gag及びPolタンパク質、並びにEnvタンパク質、又はその機能的代替物を含むレトロウイルス由来ベクター粒子。
【請求項29】
請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25のいずれかに記載のDNA構築物で形質導入された細胞。
【請求項30】
医療に用いる、請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25のいずれかに記載のDNA構築物、又は請求項29に記載の細胞。
【請求項31】
薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、請求項1〜17のいずれかに記載のベクター、請求項18〜22のいずれかに記載のシステム、請求項27又は28に記載の粒子、又は請求項29に記載の細胞を含む医薬組成物。
【請求項32】
必要としている標的部位にNOIを送達する薬剤の調製のための、請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25いずれかに記載のDNA構築物、又は請求項29に記載の細胞の使用。
【請求項33】
医療に用いる、請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25のいずれかに記載のDNA構築物、又は請求項29に記載の細胞の形態である送達システム。
【請求項1】
ウイルスLTRの下流で、かつプロモーターの上流に異種オープン・リーディング・フレーム(ORF)又はその一部を含み、前記プロモーターが少なくとも1つの下流NOIの発現を制御するマルチシストロン性レンチウイルスベクターゲノム。
【請求項2】
異種ORFが、LTRに機能しうる形で連結している、請求項1に記載のベクター。
【請求項3】
補助遺伝子rev又はその機能的等価物をコードする核酸配列が、前記補助遺伝子が機能的補助タンパク質をコードできないように破壊されているか、又はベクターゲノムから除外されており、かつトランスで供給されていない、請求項1又は2に記載のベクター。
【請求項4】
異種ORFが、レポーター部分又は選択可能マーカーである請求項1〜3のいずれかに記載のベクター。
【請求項5】
異種ORFが、モジュレーター遺伝子をコードする、請求項1〜3のいずれかに記載のベクター。
【請求項6】
モジュレーター遺伝子が、TetR等のテトラサイクリン抑制因子、及びtTA又はrtTA等のテトラサイクリン調節トランス活性化因子から選択される請求項5に記載のベクター。
【請求項7】
テトラサイクリン抑制因子が、哺乳動物細胞における発現にコドン最適化されている請求項6に記載のレンチウイルスベクター。
【請求項8】
ベクターが、非霊長類レンチウイルスベクターである、請求項1〜7のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項9】
ベクターが、HIV−1、HIV−2、SIV、FIV、BIV、EIAV、CEV、CAEV、MVV、又はビスナレンチウイルスからなるグループから選択される、請求項1〜7のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項10】
ベクターが、中央ポリプリントラクト(cPPT)配列を含む、請求項1〜9のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項11】
ベクターが、転写後調節エレメント、又は翻訳エレメントを含む請求項1〜10のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項12】
ベクターが、ATGモチーフを有するgagパッケージングシグナルを含み、かつ前記ATGモチーフがATTGモチーフである、請求項1〜11のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項13】
ベクターが、ウイルスプロモーター又は真核生物プロモーターの配列を有する3’U3領域を含む、請求項1〜12のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項14】
ウイルスプロモーター又は真核生物プロモーターが野生型プロモーターである、請求項13に記載のレンチウイルスベクター。
【請求項15】
ウイルスプロモーターが、EIAV又はMLV U3領域である、請求項14に記載のレンチウイルスベクター。
【請求項16】
レンチウイルスベクターが、自己不活型レンチウイルスベクターである、請求項1〜15のいずれかに記載のレンチウイルスベクター。
【請求項17】
ベクターゲノムが、2、3又は4シストロン性である、請求項1〜16のいずれかに記載のベクター。
【請求項18】
システムが、請求項1〜17のいずれかに記載のベクターゲノム、Gag及びPolタンパク質、並びにenvタンパク質又はそれらの機能的代替物を含むベクターの成分をコードする核酸配列のセットを含む、レンチウイルス由来ベクター粒子を生産するためのレンチウイルスベクター生産システム。
【請求項19】
核酸配列のセットが、(i)ベクターゲノム、(ii)Gag及びPol、及び(iii)Envをコードする3つのDNA構築物を含む、請求項18に記載の生産システム。
【請求項20】
補助遺伝子rev又は機能的代替物をコードする核酸配列が、前記補助遺伝子が機能補助タンパク質をコードできないように破壊されているか、又はベクターゲノムから除去されており、トランスで供給されていない請求項18又は19に記載の生産システム。
【請求項21】
粒子が由来するレトロウイルスの補助遺伝子vpr、vif、tat、及びnef、又は類似補助遺伝子の少なくとも1つをコードする核酸配列も、前記補助遺伝子が機能的補助タンパク質をコードできないように破壊されているか、又はシステムから除去されている請求項18〜20のいずれかに記載の生産システム。
【請求項22】
Gag及びPolをコードする核酸配列がコドン最適化されている、請求項18〜21のいずれかに記載の生産システム。
【請求項23】
請求項18〜22のいずれかに記載のシステムにおいて使用するDNA構築物であって、請求項1〜17のいずれかに記載のパッケージ可能なRNAベクターゲノムをコードするDNA構築物。
【請求項24】
請求項23に記載のDNA構築物、及び請求項19〜22のいずれかに記載のGag及びPolをコードするDNA構築物を含むDNA構築物のセット。
【請求項25】
Env又はその機能的代替物をコードするDNA構築物をさらに含む請求項20に記載のDNA構築物のセット。
【請求項26】
請求項23〜25のいずれかに記載の核酸配列のセット又はDNA構築物のセットを宿主細胞に導入するステップと、レトロウイルスベクター粒子を得るステップとを含むレトロウイルスベクター粒子の調製方法。
【請求項27】
請求項18〜26のいずれかに記載のシステム又は方法により生産されるレトロウイルスベクター粒子。
【請求項28】
請求項1〜17のいずれかに記載のRNAベクター、Gag及びPolタンパク質、並びにEnvタンパク質、又はその機能的代替物を含むレトロウイルス由来ベクター粒子。
【請求項29】
請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25のいずれかに記載のDNA構築物で形質導入された細胞。
【請求項30】
医療に用いる、請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25のいずれかに記載のDNA構築物、又は請求項29に記載の細胞。
【請求項31】
薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、請求項1〜17のいずれかに記載のベクター、請求項18〜22のいずれかに記載のシステム、請求項27又は28に記載の粒子、又は請求項29に記載の細胞を含む医薬組成物。
【請求項32】
必要としている標的部位にNOIを送達する薬剤の調製のための、請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25いずれかに記載のDNA構築物、又は請求項29に記載の細胞の使用。
【請求項33】
医療に用いる、請求項27又は28に記載のレトロウイルスベクター粒子、又は請求項23〜25のいずれかに記載のDNA構築物、又は請求項29に記載の細胞の形態である送達システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図17c】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2010−263904(P2010−263904A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144625(P2010−144625)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【分割の表示】特願2003−564256(P2003−564256)の分割
【原出願日】平成15年2月3日(2003.2.3)
【出願人】(504237935)オックスフォード バイオメディカ (ユーケー) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【分割の表示】特願2003−564256(P2003−564256)の分割
【原出願日】平成15年2月3日(2003.2.3)
【出願人】(504237935)オックスフォード バイオメディカ (ユーケー) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
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