説明

ウェットティッシュ包装体の収納容器

【課題】高揮発性の薬剤等を含むウェットティッシュが、乾燥してしまうことを防止し、長期間にわたり良好に保管可能な、密封性に優れたウェットティッシュ包装体の収納容器を提供する。
【解決手段】複数のウェットティッシュを個包装したウェットティッシュ包装体の収納容器において、該収納容器は、前記ウェットティッシュを取り出すための取出口を有する容器本体と、前記取出口を開閉自在な蓋体とを有し、前記蓋体若しくは前記容器本体に形成された環状突起と、前記容器本体若しくは前記蓋体に形成された環状樹脂と、が互いに当接することにより、前記容器本体の取出口を密閉するウェットティッシュ包装体の収納容器であって、前記環状突起が、前記環状樹脂の外方かつ上方のコーナー部分に、当接することにより、前記容器本体の密閉性を向上したことを特徴とする、ウェットティッシュ包装体の収納容器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のウェットティッシュを収容するウェットティッシュ包装体の収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェットティッシュの収納容器10としては、図11(a)に示すように、円筒状に巻かれたウェットティッシュ30を容器本体Aに収容し、開閉自在な蓋体Bを有する蓋部Cを容器本体Aへと取り付けてなる、ウェットティッシュ収納容器10が知られている。(例えば、特許文献1)
【0003】
このような容器Aは、ウェットティッシュ使用時において、図11(b)に示すように、蓋体Bを開き、蓋部Cに形成された取出口Dよりウェットティッシュ30の先端部分をつまみ順次引き出す構成である。しかしながら、ウェットティッシュ30の乾燥を防止するために、取出口Dを極力小さく形成して容器本体Aの密封性を高める必要があり、ウェットティッシュ30を小さな取出口Dから取り出し難いという問題がある。
【0004】
特に、消毒用に高揮発性のアルコール等を含ませたウェットティッシュ30では、たとえ、小さな取出口Dであってもアルコールが蒸発してしまうため、完全に密封された環境でウェットティッシュ30を保管する必要がある。
【0005】
このため、図12(a)に示すように、耐透過性の優れた積層フィルムを用いてウェットティッシュを個包装したウェットティッシュ包装体20が知られている。(例えば、特許文献2)
このようなウェットティッシュ包装体20は、ウェットティッシュ30の使用時において、図12(b)に示すように、取出口21のフィルムシート23を引き剥がして、ウェットティッシュ30を取り出し、再び、取出口21へとフィルムシート23を貼り付けることにより、ウェットティッシュ30を完全に密封して乾燥を防ぐ構成である。
【0006】
しかしながら、前記フィルムシート23を、取出口21の周囲に形成された粘着テープ22により貼り合せた簡単な構成であり、数回の開封操作により粘着テープ22の粘着力が弱まるため、取出口21を塞ぐフィルムシート23が剥がれやすく密封性が低下しやすいという欠点がある。
【0007】
このような欠点を解消するため、ウェットティッシュ包装体20の取出口21に、図13(a)に示すような、蓋部Cを取り付けた包装体が開示されている。(例えば、特許文献3)
【0008】
しかしながら、このような蓋部Cを取り付けた包装体20は、図13(b)に示すように、取出口を含む包装体20の一部分を覆う構成であり、積層フィルム等で構成される包装体20と、熱可塑性樹脂からなる蓋部Cとの間に隙間が生じてしまう恐れがある。さらには、蓋体Bを単に閉じるだけでは、蓋体Bと蓋部Cの枠部分との間に隙間が生じやすく、前記隙間を通してアルコール等が蒸発してしまう恐れがある。
【0009】
【特許文献1】特開2007−217054号公報
【特許文献2】特許第3372692号公報
【特許文献3】特許第3706141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、主に、複数のウェットティッシュを収容するウェットティッシュ包装体の収納容器に関し、高揮発性のアルコール等を含むウェットティッシュが、乾燥してしまうことを防止し、長期間にわたり良好に保管可能な、密封性に優れたウェットティッシュ包装体の収納容器を提供することを課題とする。また、ウェットティッシュを取り出しやすく構成し、ウェットティッシュの包装体を簡単に取り替え可能に構成することで、使用性に優れかつ環境に優しいウェットティッシュ包装体の収納容器を提供することを課題とする。さらには、収納容器に収納自在なフックを形成することにより、使用性のみならずディスプレイ効果をも向上した収納容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、本発明の請求項1記載の発明は、複数のウェットティッシュを個包装したウェットティッシュ包装体の収納容器において、該収納容器は、前記ウェットティッシュを取り出すための取出口を有する容器本体と、前記取出口を開閉自在な蓋体とを有し、
前記蓋体若しくは前記容器本体に形成された環状突起と、前記容器本体若しくは前記蓋体に形成された環状樹脂と、が互いに当接することにより、前記容器本体の取出口を密閉するウェットティッシュ包装体の収納容器であって、
前記環状突起が、前記環状樹脂の外方かつ上方のコーナー部分に、当接することにより、前記容器本体の密閉性を向上したことを特徴とする、ウェットティッシュ包装体の収納容器である。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、前記蓋体若しくは前記容器本体の前記環状突起は、少なくとも2つの環状突起を有し、前記蓋体の閉封時、前記2つの前記環状突起が、前記容器本体若しくは前記蓋体に形成された環状突起を挟みつつ当接することにより、容器本体の密閉性をさらに向上したことを特徴とする、ウェットティッシュ包装体の収納容器である。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、前記環状樹脂は、断面視において略矩形状を有することを特徴とする、ウェットティッシュ包装体の収納容器である。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、前記容器本体の底部が、開閉自在に形成されることを特徴とする、ウェットティッシュ包装体の収納容器である。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、前記容器本体に、該容器本体を吊り下げ可能なフックを形成するとともに、前記フックを前記容器本体へと収納自在に形成したことを特徴とする、ウェットティッシュ包装体の収納容器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1記載の発明は、複数のウェットティッシュを個包装したウェットティッシュ包装体の収納容器において、該収納容器は、前記ウェットティッシュを取り出すための取出口を有する容器本体と、前記取出口を開閉自在な蓋体とを有し、前記蓋体若しくは前記容器本体に形成された環状突起と、前記容器本体若しくは前記蓋体に形成された環状樹脂と、が互いに当接することにより、前記容器本体の取出口を密閉するウェットティッシュ包装体の収納容器であって、前記環状突起が、前記環状樹脂の外方かつ上方のコーナー部分に、当接することにより、前記容器本体の密閉性を向上したことを特徴とするから、容器本体の密封性を高め、長期間にわたりウェットティッシュの乾燥を確実に防止することが可能である。
【0017】
また、請求項2記載の発明は、前記蓋体若しくは前記容器本体の前記環状突起は、少なくとも2つの環状突起を有し、前記蓋体の閉封時、前記2つの前記環状突起が、前記容器本体若しくは前記蓋体に形成された環状突起を挟みつつ当接することにより、容器本体の密閉性をさらに向上することが可能である。
【0018】
また、請求項3記載の発明は、前記環状樹脂は、断面視において略矩形状を有することを特徴とするから、容器本体の密閉性を高めるために、複雑な断面形状を有する環状樹脂を用いる必要がなく、低コストな略矩形状の環状樹脂を使用することが可能である。
【0019】
また、請求項4記載の発明は、前記容器本体の底部が、開閉自在に形成されることを特徴とするから、容器本体の密閉性を高めつつウェットティッシュの包装体を簡単に交換することが可能である。
【0020】
また、請求項5記載の発明は、前記容器本体に、該容器本体を吊り下げ可能なフックを形成するとともに、前記フックを前記容器本体へと収納自在に形成したことを特徴とするから、前記フックを形成して、ウェットティッシュ包装体の収納容器を、吊り下げて陳列することが可能であり、また、前記フックを収納することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係るウェットティッシュ包装体の収納容器10(収納容器10)の一例としては、図1(a)に示すように、ウェットティッシュの包装体20を内部に収容した容器本体1と、該容器本体1の上面中央に形成されたウェットティッシュ30を取り出すための取出口3を密閉するための蓋体2とからなり、該蓋体2は、ヒンジ4を介して容器本体1に取り付けられている。
【0022】
本発明の収納容器10は、図1(b)に示すように、前記蓋体2の閉封時において、蓋体2(若しくは前記容器本体1)に形成された環状突起7と、前記容器本体1(若しくは前記蓋体2)に形成された環状樹脂6とが、互いに当接することにより、容器本体1の取出口3を密閉する構成であって、特に、後述する、前記蓋体2の環状突起7が、前記環状樹脂6の外方部分かつ上方部分に当接することにより、容器本体1を強固かつ確実に密閉することが可能である。
【0023】
これにより、アルコール等の高揮発性の消毒液を含ませたウェットティッシュ30であっても、長期間にわたりウェットティッシュ30の乾燥を強固かつ確実に防止することが可能である。
【0024】
以下に、本発明の収納容器10の詳しい構成について説明する。
まず、本発明の収納容器10に収納するウェットティッシュ包装体20(包装体20)は、図2(a)(b)に示すように、複数のウェットティッシュ30が折りたたまれ、かつ次のウェットティッシュ30に挟みこまれた状態で、積層フィルムからなる包装体20により密封されている。
【0025】
包装体20の上面には、最上段のウェットティッシュ30をつまみ出すための、略円形状の開口21が形成されており、最上段のウェットティッシュ30を取り出すと、次のウェットティッシュ30の先端部分が、前記取出口3から僅かに突出するため、順次ウェットティッシュ30を連続して取り出すことが可能である。
【0026】
特に、個々のウェットティッシュ30には、揮発性のアルコール等が含まれており、常に湿った状態で密封されている。そして、前記開口21の周囲に形成された粘着テープ22を介して、前記開口21を閉封するためのシート状の初期開封シート23を貼着することにより、ウェットティッシュ包装体20を密封している。
【0027】
よって、ウェットティッシュ30使用時において、後述する、包装体20の初期開封シート23を取り除き、ウェットティッシュの包装体20を、本発明の収納容器10に収納することにより、初期開封シート23を開封除去した後も、ウェットティッシュ30が乾燥することなく、好適に前記包装体20を保管、使用することが可能である。
【0028】
次に、このようなウェットティッシュの包装体20を収納するための、本発明の収納容器10について説明する。
まず、本発明のウェットティッシュ包装体20の収納容器10は、図3に示すように、開閉自在な蓋体2と、前記ウェットティッシュ包装体20を収容する容器本体1と、からなり、容器本体1の底部5は、ヒンジ4を介して開閉自在に構成されている。
【0029】
そして、前記容器本体1の底部5は、底部5の縁からヒンジ4を介して連設された可動片15の先端部分に形成された掛止片13が、容器本体1に形成された掛止溝14へと、掛止することで、前記底部5を前記容器本体1へとロックすることが可能である。また、前記蓋体2は、蓋体2の先端部分に形成された掛止片11が、容器本体1に形成された掛止溝12へと、掛止することで、前記蓋体2を前記容器本体1へとロックすることが可能である。
【0030】
特に、容器本体1の前記取出口3の周囲には、複数の環状突起8、8'が形成されており、内側の前記環状突起8と外側の前記環状突起8'との間の窪み部分へと、環状樹脂6が挿入される(図中点線)。
【0031】
他方、前記蓋体2には、複数の環状突起7、7'が形成されており、後述する、蓋体2の閉封時において、蓋体2の環状突起7が、容器本体1の前記環状樹脂6の外方かつ上方部分へと当接することにより、容器本体1の取出口3を強固に密閉することが可能である。
【0032】
よって、蓋体2の閉封時において、図4に示すように、蓋体2の環状突起7が、容器本体1の環状突起8、8'の間の窪みに挿入された環状樹脂6の上方かつ外方部分へと当接することにより、環状樹脂6のコーナー部分が湾曲して、環状突起7と密着することとなる。特に、環状樹脂6の外方には僅かな隙間9が形成されており、環状樹脂6のコーナー部分が外方へと湾曲することが可能である。
【0033】
特に、蓋体2の環状突起7と、容器本体の環状樹脂6とが当接して、環状樹脂を湾曲(変形)させることにより、環状突起7と環状樹脂6とが強固に密着するため、容器本体1の取出口3を密閉することが可能である。よって、環状樹脂6と、該環状樹脂6を挟む環状突起との間には、僅かな隙間9を形成することが望ましい。
【0034】
このように、前記環状突起7が、環状樹脂6の上方部分かつ外方部分のコーナーへと当接することにより(図中丸印)、環状樹脂6のコーナー部分が湾曲した状態で前記環状突起7と密着するため、高い密閉性を奏することが可能である。よって、矩形の断面を有する環状樹脂6を用いる簡単な構成により、高い密閉性を有する収納容器10を低コストで製造することが可能である。
【0035】
特に、蓋体2の前記環状突起7は、図5(a)に示すように、内外の2つの環状突起7、7'を有しており、蓋体2の閉封時において、容器本体1の環状突起8'を挟み込んで当接することにより、それぞれの環状突起が互いに接する2箇所において、高い密閉性を奏することが可能である。
【0036】
これにより、内側の環状突起7と環状樹脂6との当接箇所と、内側および外側の環状突起7、7'と容器本体の環状突起8との2つの当接箇所との、計3点の当接箇所(図中丸印部分)で容器本体1を強固かつ確実に密閉することが可能である。よって、ウェットティッシュに高揮発性のアルコールが含まれる場合でも、ウェットティッシュが乾燥することなく、長期間にわたりウェットティッシュを保管することが可能である。
【0037】
前記蓋体2若しくは前記容器本体1に形成された、前記環状突起7,8と前記環状樹脂6との位置関係は、特に限定されるものではなく、蓋体2若しくは容器本体1の環状突起7、8が、環状樹脂6の外方かつ上方のコーナー部分へと当接することで、環状樹脂6を隙間方9へと変形せしめ、環状突起7、8と環状樹脂6とが密着する構成であればよい。
【0038】
例えば、図5(b)に示すように、蓋体2の環状突起7が、容器本体の環状突起8と環状樹脂6との2点で接し、さらには、蓋体2の環状突起7'と容器本体の環状突起8'とが接することにより、計3点の当接箇所で、容器本体1を強固に密閉する構成であってもよい。
【0039】
また、前記環状樹脂6は蓋体2に形成してもよく、図6(a)に示すように、容器本体1の環状突起8が、蓋体の環状樹脂6のコーナー部分に当接し、かつ蓋体の環状突起7'に当接することにより、容器本体を強固に密閉することが可能である。
【0040】
さらには、図6(b)に示すように、容器本体の環状突起8'が、蓋体2の環状樹脂6のコーナー部分に当接し、かつ、容器本体の2つの環状突起8、8'が、蓋体2の環状突起7を挟みつつ当接することにより、計3点の当接箇所(図中丸印)で、容器本体1をさらに強固に密閉する構成であってもよい。
【0041】
このように、本発明のウェットティッシュ包装体の収納容器10は、前記蓋体2若しくは前記容器本体1に形成された環状突起6と、前記容器本体1若しくは前記蓋体2に形成された環状樹脂6と、が互いに当接することにより、前記容器本体1の取出口3を密閉するウェットティッシュ包装体20の収納容器10であって、前記環状突起7(環状突起8)が、前記環状樹脂6の外方かつ上方のコーナー部分に、当接することにより、前記環状樹脂を変形せしめ、容器本体1の密封性を高めることが可能であり、長期間にわたりウェットティッシュ30の乾燥を防止することが可能である。
【0042】
また、前記蓋体2若しくは容器本体1の前記環状突起7(環状突起8)は、少なくとも2つの環状突起7、7'(8、8')を有し、前記蓋体2の閉封時、前記2つの前記環状突起7、7' (8、8')が、前記容器本体1若しくは前記蓋体2に形成された環状突起8'(環状突起7')を挟み込んで当接することにより、容器本体1の密閉性をさらに向上することが可能である。さらに、前記環状樹脂6は、断面視において略矩形状を有することで、複雑な断面形状を有する環状樹脂6を用いる必要がなく、低コストな略矩形状の環状樹脂6を使用することが可能である。
【0043】
次に、本発明のウェットティッシュ包装体の収納容器10は、密閉性を高めた上記構成に加え、使用性やディスプレイ性を向上することが可能である。
【0044】
例えば、図7に示すように、前記容器本体1の底部5が、ヒンジ4を介して開閉自在に構成するとともに、底部5の縁部分にヒンジ4を介して形成された可動片15の掛止片13を、容器本体1に形成された掛止溝14へとロックする構成であってもよく、ウェットティッシュの交換時において、図7(a)に示すように、可動片15を手前方へと倒して底部5と容器本体1とのロックを解除した後、図7(b)に示すように、容器本体1を持ち上げることにより、ウェットティッシュ包装体20を容易に交換することが可能である。よって、使用性に優れかつ環境に優しいウェットティッシュ包装体の収納容器10を提供することが可能である。
【0045】
さらには、図8に示すように、前記容器本体1に、該容器本体1を吊り下げ可能なフック16をヒンジ4を介して形成することにより、前記フック16を前記容器本体1へと収納自在とすることが可能である。
【0046】
この場合、図8(a)に示すように、容器本体1の底部5に形成されたフック16を収納するための窪み18へと、フック16が折り込まれた状態で、窪みに形成された掛止片17によりフック先端の内側部分が掛止されている。
【0047】
そして、フック16の使用時には、フック16の先端部分をつまんで手前方へと引き出すことで、フック16と掛止片17とのロックが解除され、フック16がヒンジ4を介して回動し、図8(b)に示すように、外方へと突出したフック16を簡単に形成することが可能である。
【0048】
よって、収納容器10の前記フック16を取り出して、図9(a)に示すように、S字フックやスタンド等の吊り下げ用部材19へと、収納容器10を吊り下げた状態で使用することが可能であり、さらには、図9(b)に示すように、複数の収納容器を陳列した状態で販売することが可能である。このように、収納容器10に収納自在なフック16を形成することにより、使用性のみならずディスプレイ効果をも向上した収納容器を提供することが可能である。
【0049】
以上のように、本発明のウェットティッシュ包装体の収納容器10は、高揮発性のアルコール等を含むウェットティッシュ30が乾燥してしまうことを防止し、長期間にわたり良好に保管可能な密封性に優れたウェットティッシュ包装体の収納容器10を提供することが可能である。さらには、ウェットティッシュ30を取り出しやすく構成し、ウェットティッシュ包装体20を簡単に取り替え可能に構成することで、使用性に優れかつ環境に優しいウェットティッシュ包装体の収納容器10を提供することが可能である。さらには、収納容器10に収納自在なフック16を形成することにより、使用性のみならずディスプレイ効果をも向上した収納容器を提供することが可能である。
【0050】
なお、上述したウェットティッシュ包装体の収納容器10を構成する容器本体1および蓋体2は、いずれも熱可塑性樹脂を用いたインジェクション成形により得られるが、熱可塑性樹脂として耐熱性のあるPP、PS、PC、PET等を用いて成形するのが好ましい。
【0051】
また、前記収納容器10は、該容器10の強度を高めるべく、容器本体1および蓋体2に強度補強用のリブ40(補強リブ40)を設けることが望ましい。この場合、図10(a)に示すように、容器本体1の天面や側面、また、図10(b)に示すように、底部5の長手方向に沿って、凸形状の補強リブ40を形成することにより、長方形の収納容器10が撓むことを防ぎ、容器本体1および底部5の強度が向上するため、蓋体2や底部5の度重なる開閉操作による収納容器10の変形を防ぎ、長期間にわたって収納容器10を良好に利用することが可能である。さらには、収納容器10の強度を高めることにより、容器本体1と底部5とを強固に密閉することが可能であり、収納容器10の密閉性をさらに向上することが可能である。
【0052】
前記ウェットティッシュ30の素材としては、例えば、水溶解性のものが用いられるが、その他不織布、紙、ガーゼ等の繊維素材やシート状の発泡体、または紙ベースの軟質材料を用いてもよい。またウェットティッシュ30に含浸させる液体としては、アルコール等を含んだ殺菌液、消毒液、洗浄液等や、化粧水・乳液等の化粧品類が挙げられる。
【0053】
また、前記ウェットティッシュの包装体20の素材としては、外側から順に、延伸ポリエステル(PET)/未延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)コートPET/CPP、無機物(例えば酸化ケイ素(SiOx)等)蒸着PET/CPP、PVDC/CPP、PET/ポリエチレン(PE)/CPP、延伸ポリプロピレン(OPP)/CPP、PVDCコートOPP/CPP、無機物(例えば酸化ケイ素(SiOx)等)蒸着OPP/CPP、延伸ナイロン(ON)/CPP、等が挙げられ、さらに、アルミ箔を蒸着することにより高バリア性を付与してもよい。
【0054】
前記環状樹脂6としては、通常のゴムパッキンを用いればよく、前記ゴムパッキンの一例としては、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ポリウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。
【0055】
特に、オレフィン系ゴムに分類されエチレンとプロピレン及び架橋用のジエンモノマーを使用した3元共重合体である、前記エチレンプロピレンゴム(EPDM)は、揮発性のアルコール等による膨潤等の影響を受けにくく、さらには天然ゴムと比較してアレルギー耐値が良好であって、太陽光によるクラック等が生じにくいため、長期間良好かつ安全に使用することが可能である。
【0056】
また、前記環状樹脂6としては、前記ゴムパッキンのみならず樹脂パッキンを用いてもよく、前記樹脂パッキンの一例としては、四フッ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。他方、シリコーンゴム(VMQ)はアルコール透過性があるため、ウェットティッシュに揮発性のアルコール等を含ませる場合には、前記環状樹脂6としてシリコーン系のゴムは望ましくない。
【0057】
また、前記環状樹脂6は、前記環状突起7,8が当接した際に、良好に変形する程度の硬度を有することが望ましく、前記環状樹脂6のゴム硬度(JIS K 6253 デュロメータ タイプAに準拠するゴム硬度であって、A−は「タイプAデュロメータ硬さ試験で測定した硬度」を表す)としては、A20〜40、好ましくはA23〜30であり、さらに好ましくはA25の硬度である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明のウェットティッシュ包装体の収納容器の一例を示す図である。(a)収納容器の開封時を示す図である。(b)収納容器の密閉時を示す図である。
【図2】ウェットティッシュ包装体の一例を示す図である。(a)ウェットティッシュ包装体の一例を示す一部切断説明図である。(a)ウェットティッシュ包装体の断面を示す説明図である。
【図3】本発明のウェットティッシュ包装体の一例を示す説明図である。
【図4】本発明のウェットティッシュ包装体を示す一部切断説明図(上)および一部拡大説明図(下)である。
【図5】(a)(b)本発明のウェットティッシュ包装体の一例を示す一部断面図である。
【図6】(a)(b)本発明のウェットティッシュ包装体の一例を示す一部断面図である。
【図7】本発明のウェットティッシュ包装体の一例を示す説明図である。(a)底部の閉封時を示す図である。(b)底部の開封時を示す図である。
【図8】本発明のウェットティッシュ包装体の一例を示す説明図である。(a)フックの収納時を示す図である。(b)フックの取出し時を示す図である。
【図9】(a)(b)本発明のウェットティッシュ包装体の使用例を示す説明図である。
【図10】本発明のウェットティッシュ包装体の一例を示す説明図である。
【図11】従来の容器を示す説明図である。
【図12】従来の容器を示す説明図である。
【図13】従来の容器を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1 容器本体
2 蓋体
3 取出口
4 ヒンジ
5 底部
6 環状樹脂
7、7' 環状突起
8,8' 環状突起
9 隙間
10 ウェットティッシュ包装体の収納容器(収納容器)
11 掛止片
12 掛止溝
13 掛止片
14 掛止溝
15 可動片
16 フック
17 掛止片
18 フック収納部(窪み)
19 吊り下げ用部材
20 ウェットティッシュ包装体(包装体)
21 開口
22 粘着テープ
23 初期開封シート
30 ウェットティッシュ
40 補強リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウェットティッシュを個包装したウェットティッシュ包装体の収納容器において、該収納容器は、前記ウェットティッシュを取り出すための取出口を有する容器本体と、前記取出口を開閉自在な蓋体とを有し、
前記蓋体若しくは前記容器本体に形成された環状突起と、前記容器本体若しくは前記蓋体に形成された環状樹脂と、が互いに当接することにより、前記容器本体の取出口を密閉するウェットティッシュ包装体の収納容器であって、
前記環状突起が、前記環状樹脂の外方かつ上方のコーナー部分に、当接することにより、前記容器本体の密閉性を向上したことを特徴とする、ウェットティッシュ包装体の収納容器。
【請求項2】
前記蓋体若しくは前記容器本体の前記環状突起は、少なくとも2つの環状突起を有し、前記蓋体の閉封時、前記2つの前記環状突起が、前記容器本体若しくは前記蓋体に形成された環状突起を挟みつつ当接することにより、容器本体の密閉性をさらに向上したことを特徴とする、請求項1記載のウェットティッシュ包装体の収納容器。
【請求項3】
前記環状樹脂は、断面視において略矩形状を有することを特徴とする、請求項1乃至2記載のウェットティッシュ包装体の収納容器。
【請求項4】
前記容器本体の底部が、開閉自在に形成されることを特徴とする、請求項1乃至3記載のウェットティッシュ包装体の収納容器。
【請求項5】
前記容器本体に、該容器本体を吊り下げ可能なフックを形成するとともに、前記フックを前記容器本体へと収納自在に形成したことを特徴とする、請求項1乃至4記載のウェットティッシュ包装体の収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−115383(P2010−115383A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291710(P2008−291710)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】