説明

ウェハを収容するウェハポケットのディスペンサ及びウェハポケットの綴り

本発明の目的は、ウェハ状の薬剤の安全な服用を確実にすること、ディスペンサから薬剤を簡単に取り出せるようにすること及び、ディスペンサ1を簡単に補充できるようにすることである。この目的で、ディスペンサ1及びディスペンサ1に挿入することができるウェハポケットのアッセンブリ100を提案する。ウェハは、ウェハポケット20の中に包装されている。本発明に係るディスペンサ1は、複数のウェハポケット20を収納する。ディスペンサ1は、収容室9と少なくとも1つの保持要素19と、ウェハポケット20を1つずつ排出するための少なくとも1つの排出開口部5とから構成され、ウェハポケット20はディスペンサ1から排出方向Aに排出することができる。本発明によれば、少なくとも1つのウェハポケット20は,それぞれウェハを収容する1つのウェハ部21と、ウェハ部21が取り出されたときにディスペンサ1の中に残留する、少なくとも1つのウェハポケット20の少なくとも1つの残留部24から構成される。ウェハ部21は、排出方向Aに対して平行な拡張要素29を有する少なくとも1つの所与の分離線28.1、28.2を介して、少なくともいずれかの部分で、少なくとも1つの残留部24と接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハを収容するウェハポケットのディスペンサ及びかかる複数のウェハポケットからなる綴りに関する。かかるディスペンサは、例えば、ウェハ状の薬品や菓子類、具体的にはホルモン剤、より具体的には避妊薬又はホルモン補充療法の提供、鎮痛薬又はニコチンの展示物などに使用される。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェハ状の薬品又は菓子類は、一次包装を施されて、すなわち、ウェハが外部の湿気や空気に触れないようにし、かつ保存できるように、2枚の密閉フィルム、具体的にはキャリアフィルム及びカバーフィルム、すなわち外フィルム及び内フィルムの間に入れて包まれ密閉又は溶着されて提供されてきた。ウェハは、密閉フィルムを引き裂いて開け一次包装から取り出され、通常口腔から服用される。このために、密閉フィルムを互いに切り離すか引き裂いてウェハが取り出される。
【0003】
特許文献1に、かかる活性物質が入ったフィルムのための包装体が開示されている。この包装体はキャリア層とカバー層を有し、後者に切り離し可能につながっている。前記特許文献に開示された包装体に固有のデザインにおいて、この包装体は互いにペアになって対向して配置され、かつ1つの繋ぎ目部によって互いに分割された2つの面エリアを有し、前記配置内ではカバー層はキャリア層につながれていない。その結果、互いに分離され全面が囲まれた、前記フィルムをペアで入れるための2つのスペースが形成される。さらに、前記繋ぎ目部にキャリア層がカバー層につながっていない付属的な面エリアが存在し、その結果全周が囲まれた空洞のスペースが形成されている。そして、繋ぎ目部にミシン目のラインがある。このダブル包装体の繋ぎ目部内の付属的な面エリアが引き裂き開封するための手がかりを形成し、包装された材料を収容することを意図した面エリアに比較して、引き裂き開封の手がかりを形成するために必要な表面が少なくなるように形成されている。付属的な面エリアのミシン目のラインがこの面エリアの方向に延びている。ミシン目のラインのところにキャリア層及びカバー層に切り込みを作り、これを更に引き裂くことによって、上記付属的な面エリアがほぼ半分ずつ2つに分割される。包装体の2つの層が引き裂かれた結果、引き裂き開封するための手がかりとして使える自由端が形成され、結果として引き裂き開封するための手がかりが作られる。
【0004】
特許文献2に、ウェハを包装するための他の実施例が開示されている。上記記載の包装体はウェハのための第1の面エリアを有し、この第1の面エリアはキャリアフィルム及びカバーフィルムによって全周を囲まれその中に密閉又は溶着されている。この包装体は、第2の面エリアを有し、ここではキャリア層は、カバーフィルムに連結されていない。さらに、少なくとも部分的に第2の面エリアの内部まで延びるミシン目のラインがあり、このミシン目は、キャリア層及びカバー層の両方に施されている。ミシン目による切り込みにより、カバー層に持つための手がかりとして使える自由端を作る効果がえられ、キャリア層からカバー層を手で取り除くことができる。
【0005】
また、これらの一次包装は、容易に二次包装に利用することができる。
【0006】
例えば、特許文献3に複数のウェハを収容する束状のフィルムポケットを収納し提供するためのディスペンサが記載されている。このフィルムポケットは、大きな表面を有するキャリアフィルムと小さなカバーフィルムで構成され、その結果キャリアフィルムはカバーフィルムの一端からはみ出ている。このディスペンサは、少なくとも二つに区切られた筺体から成り、束状の複数のフィルムポケットの両端が両側の内壁に対向して位置し、一方、カバーフィルムの端部から突き出る関係するキャリアフィルムの端部が前側の内側端部に位置する。複数のフィルムポケットは、スプリングの力で筺体の上部内側に押し付けられている。筺体の前上部に、フィルムポケットのパーツとウェハを排出するための2つのスリットを有する。2つのスリットの間に1つのブレードが配置され、その上に、カバーフィルムの前端の手前に空間を置いて、最上部のキャリアフィルムが乗る。さらに、最上部のフィルムポケットをディスペンサの外へ搬送するための回転式の搬送要素が、最上部のフィルムポケットの上に乗っている。搬送中にこの刃によってキャリアフィルムがカバーフィルムから引き剥がされが、このとき、ウェハはカバーフィルムに張り付いている。2つのフィルムは、2つのスリットを通って別々に排出される。
【0007】
さらに、特許文献4に、複数の小袋からなるマルチパックが開示されている。このマルチパックは、少なくとも1つの活性物質を含むウェハを収容する密閉された小袋を有し、ウェハは、密閉された小袋にそれぞれ密閉して保存される。密閉された小袋は束ねられてマルチパックとされ、所定の区切り綴じ目によって切り離し可能に取り付けられている。密閉された各小袋は、引き裂き開封部の境界となる所定の区切り綴じ目を有する。つまみ片が引き裂き開封部に連結されている。つまみ片を引くと、引き裂き開封部が開き、活性物質を含んだ製品が露出する。更につまみ片を引くと、所定の区切り綴じ目が分離する。マルチパックにまとめられた状態で、個々の密閉された小袋は、小袋を貫通して延在する2つの貫通開口部を貫通する2つのピンで保持されるか、又は形状嵌合又は圧入嵌合等の方法で固定される。マルチパックは、例えば、片開き式、スライド式又は取り外し式蓋を有する四角い箱でも良い。
【0008】
上記のウェハ用の一次包装及び二次包装は複雑であり、従って製造には相当な費用が必要である。また、ウェハポケットが個々に二次包装に入れられるか(特許文献3)、二次包装に固定的に連結される(特許文献4)ので、不便である。これにより、第1のケースの場合は、二次包装はユーザ又は製造業者によってウェハポケットが個々に充填されるか、第2のケースの場合は、ウェハポケットが前もって充填された二次包装が製造業者によって提供されることが必要である。従って、ユーザは空になった二次包装を捨てるか、製造業者に返して補充をしてもらう必要がある。しかしながら、例えば、予め決められた薬事療法を守るために複数のウェハポケットを特定の順序で順番に二次包装に充填する必要がある場合には、ユーザがウェハポケットを二次包装に充填することは問題がある。この時、充填過程で過ちが生じた場合、厳格に定められた順序でウェハを服用することに悪影響を与える恐れがある。上記の問題は、複数のウェハポケットを二次包装に取付けるようにすれば解決することができる。しかしながら、ウェハポケットがなくなった後に二次包装を捨てることは、不必要な廃棄物を生み、さらに新しい二次包装をその都度提供する必要があるので望ましくない。別の選択肢、すなわち二次包装を製造業者に返して補充する方法も、相当な輸送費が生じるので不都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2006 041 921号明細書
【特許文献2】独国特許第10 2004 047 447号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第101 59 746号明細書
【特許文献4】独国特許第10 2006 022 198号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2008 014 533号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、可能な限り少ない輸送費と材料費で、決まった方法で二次包装にウェハポケットを補充する方法であって、厳密に決められた手順で二次包装にポケットを補充し、薬品の服用療法が厳密に実施されるようにすることを目的とする。さらに、ウェハポケットが二次包装から容易に取り出せるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、請求項1に記載されたウェハを収容するウェハポケット用のディスペンサ、2つ以上のウェハポケットからなり互いに繋がれて束をなす特許請求項19に記載のウェハポケットの綴り、及び特許請求項25に請求するディスペンサの使用により達成される。本発明の好適な実施例は、各従属クレームにて開示される。
【0012】
以下、特定の構成要素に関して、単数形で言及する。例えば、保持要素、収容スペース、ウェハポケットのウェハ部、ウェハポケットの残留部、ウェハポケットの所定の仕切り線、ウェハポケットのミシン目区分、ウェハポケットのくぼみ、取り出し開口部等。さらに、別途言及がない限り個々のケースに応じて複数でも言及する。すなわち、例えば複数の保持要素、複数の収容スペース、複数のウェハポケットのウェハ部、複数のウェハポケットの残留部、複数のウェハポケットの所定の仕切り線、複数のウェハポケットのミシン目区分、複数のウェハポケットのくぼみ、複数の取り出し開口部等。
【0013】
本発明に係るウェハを収容するウェハポケットのためのディスペンサは、供給スペース、少なくとも1つのウェハポケットのための少なくとも1つの保持要素、及び1つのウェハポケットをディスペンサから取り出し方向へ取り出すための少なくとも1つの取り出し開口部を有する。本発明に係わる一方法として、少なくとも1つのウェハポケットは、ウェハを収容するウェハ部と、少なくとも1つのウェハポケットの少なくとも1つの残留部を有し、前記残留部はウェハ部が取り出されたとき、ディスペンサの中に残る。さらにウェハ部は、少なくとも幾つかの箇所で、ディスペンサからウェハポケットの取り出し方向に対して平行に延びる拡張要素を有する少なくとも1つの所定の仕切り線を介して、少なくとも1つの残留部と接続する。
【0014】
このように、複数のウェハポケットが、ディスペンサの中で互いに束状につながれ、ディスペンサに収容されて、取り出すために取り出し方向に引き裂くことによって、束から容易に分離することができる。ウェハポケットを消費してなくなると、新しい束をディスペンサに挿入することができ、残留部が残っている保持要素を手で取り外し、ウェハポケットの束を有する新しい保持要素を挿入することができる。ウェハ部を取り出した後ディスペンサの内部に残る残留部を有するウェハ部が、少なくとも幾つかの箇所に、ディスペンサからウェハポケットの取り出し方向に対して平行に伸びる拡張要素所定の仕切り線を介して連結されることによって、容器からウェハポケットの取り出しが非常に容易に行うことができる。その結果、取り出し方向の張力により、ウェハ部が少なくとも1つの残留部から容易に分離することができる。これにより、使用者の操作が容易になる。
【0015】
ウェハポケットをディスペンサから取り出す方向と平行に延びる所定の仕切り線の拡張要素は、所定の仕切り線の方向を定める要素であり、―少なくとも所定の仕切り線の1セクションの1部―これは、取り出し方向に対して平行かつ直角な方向に、所定の仕切り線の方向に対して直角に分解すると現れる。従って、仮に、所定の仕切り線が取り出し方向に対して、0°〜90°の角度で延びる場合、所定の仕切り線は、取り出し方向に対して平行に伸びる拡張要素と、取り出し方向に対して直角に伸びる拡張要素の両方の要素を持つことになる。所定の仕切り線と取り出し方向の間の角度が0°の場合は、所定の仕切り線は、取り出し方向に対して平行な拡張要素のみを持つ。この場合、拡張要素の絶対値は、所定の仕切り線の長さと同じ大きさになる。仮に、所定の仕切り線と取り出し方向の間の角度が90°とすると、所定の仕切り線は、取り出し方向に直角な拡張要素のみを有し、取り出し方向に対して平行な拡張要素はないこととなる。従って、これは本発明に係るものではない。取り出し方向に対する所定の仕切り線の角度は、好ましくは0°、すなわち、所定の仕切り線は取り出し方向に対して平行に伸びる。角度が0°より小さい場合、例えば、75°以下、少なくとも幾つかの箇所で、45°以下であることが好ましい。
【0016】
ウェハ部と少なくとも1つの残留部の間の所定の仕切り線は、取り出し方向に対して平行な拡張要素を有するので、ウェハポケットに張力が取り出し方向にかけられると、ウェハポケットのウェハ部は少なくとも1つのウェハポケットの残留部から容易に分離することができる。これにより、容器からウェハポケットを容易に取出すことができる。ウェハ部が、取り出し方向に対して平行な拡張要素を持つ少なくとも1つの所定の仕切り線を介して、少なくとも1つの残留部のみに接続している場合は、特に好適である。この場合、ウェハ部と残留部の間には、取り出し方向に対して平行な方向を決める要素を持つ所定の仕切り線はない。
【0017】
本発明の好適な一実施例においては、2つの所定の仕切り線があり、該所定の仕切り線はミシン目区分である。
【0018】
本発明の更に好適な一実施例において、少なくとも1つの所定の仕切り線が取り出し方向に対して平行に伸びる。
【0019】
本発明の更に好適な一実施例において、ウェハ部は、幾つかの箇所で、少なくとも1つの所定の仕切り線を介して、更にウェハポケットの少なくとも1つのくぼみを介して少なくとも1つの残留部と接する。
【0020】
本発明の更に好適な一実施例において、少なくとも1つの保持要素は、ウェハポケットの貫通開口部と係合し、少なくとも1つの保持要素内の少なくとも1つのウェハポケットを固定する目的を持つ少なくとも1つの保持リベットを有する。
【0021】
本発明の更に好適な一実施例において、少なくとも1つのウェハポケットを保持する保持要素は、ディスペンサ内に取り外し可能に取付けられる。
【0022】
本発明の更に好適な一実施例において、少なくとも1つの所定の仕切り線は、ウェハ部と少なくとも1つの残留部の間のそれぞれ1つの繋ぎ目部により形成される。
【0023】
後者の場合、少なくとも1つの保持要素が、ウェハポケットのそれぞれの残留部を収容する収容スペースを形成し、供給スペースから前記収容スペースを区切る少なくとも1つの壁を有し、各壁に供給スペースに通じる少なくとも1つの連結開口部を有する場合、この連結開口部を通して少なくとも1つの収容スペースの中に少なくとも1つのウェハポケットが伸展し、連結開口部の領域に繋ぎ目部が位置するので、特に好適である。
【0024】
本発明に係るウェハポケットの綴りは、2つ以上の、好ましくは28ないし30個の互いに束状に連結されたウェハポケットからなる。後者の本発明の他の実施例において、それぞれのウェハポケットの残留部が少なくとも1つの保持要素の収容スペースの中に伸展し、そこに保持され、具体的には、形がぴったり合うことによって、ウェハポケットは保持要素の中に固定される。少なくとも1つの保持要素は、好ましくはウェハポケットのそれぞれの残留部を収容する収容スペースを形成する壁を有し、壁の中に位置する少なくとも1つの連結開口部を有し、その連結開口部を通してウェハポケットがそれぞれの収容スペースの中に伸展する。収容スペースの中に伸展するウェハポケットのそれぞれの残留部は、連結開口部を介してウェハポケットのそれぞれのウェハ部に接続する。それぞれ、連結開口部の領域に繋ぎ目部がある。
【0025】
本発明に係るウェハポケットの綴りは、本発明に係るディスペンサに入って使用に供される。このため、ディスペンサは、上に規定する少なくとも1つの保持要素を有し、それによって複数のウェハポケットが束状に保持される。その結果、複数のウェハポケットがディスペンサの中に束状に保持される。ウェハポケットが取付けられた保持要素は、ディスペンサに入れられ、具体的にはディスペンサに取付けられる。保持要素は、好ましくはウェハポケットが使い切って無くなった時に、ディスペンサから保持要素を再度取り外せるように、切り離し可能に取付けられる。ウェハポケットが消費されると、ウェハポケットの束を取り除いた後、新しいウェハポケットの束がディスペンサに保持要素によって取付けることができる。
【0026】
ウェハポケットの綴りは保持要素によって区切られるので、ディスペンサに導入され取付けることができるので、ウェハポケットの綴りは、ディスペンサとは別個に取り扱うことができる。具体的には、製造、貯蔵、処理、及びユーザに手渡しをすることができる。最終的には、ユーザはこの綴りを個別に取り扱うことができ、例えば、ディスペンサに自分で挿入することができ、あるいは、綴りを使用する前に一時保管することができる。従って、綴りの製造過程で固定されたウェハポケットの順序は、各取り扱い過程でも維持される。従って、個々のウェハポケットは、不注意に順序が変えられる可能性はない。従って、例えば、ウェハポケットに異なったマークが付いていても、ユーザは容易に予め決められた薬事療法を遵守することができる。この順序がない場合でも、ウェハポケットの束の製造過程で一度設定されれば、ユーザによる不正な取り扱いやユーザの手元に届くまでの過程での変更を防ぐことができる。更に、ウェハポケットの束の中にウェハポケットがあるかどうか、順序等は残っているウェハポケットの残留部によって必要なときはいつでも確認することができる。
【0027】
更に、本発明は、ユーザはディスペンサと一緒にウェハポケットの束を受取る必要はなく、またディスペンサの中に取付けた状態で受取る必要はない、という利点を提供する。その代わりに、ウェハポケットが互いにつながれたウェハポケットの束が個別にユーザに届けば十分である。束のウェハポケットをつなぐことによって、その順序が取り扱い中に変更されることを防ぐことができる。従って、ディスペンサは繰り返し使用することができる、すなわち、ユーザは、ウェハポケットが使ってなくなった場合でもディスペンサを廃棄する必要はなく、ディスペンサを製造業者に返す必要もない。後者の場合は、運送のために相当な労力を伴う。
【0028】
ウェハポケットは、通常キャリアフィルムとカバーフィルム、あるいは内側フィルムと外側フィルムからなる。カバーフィルムすなわち外側フィルムは、好ましくはカバーフィルムすなわち外側フィルムの側端に沿って延びるひも状の接続によって、例えば、ボンド又は溶着等でキャリアフィルムすなわち内側フィルムと接続される。さらに、特に好適な実施例において、キャリアフィルムすなわち内側フィルムとカバーフィルムすなわち外側フィルムは、少なくとも一方のエッジに突き出る、ともに連結されていないタブを有してもよい。これにより、2つのフィルムを容易に把持できるので、その中に入っているウェハを取り出すためにウェハポケットの開口部を引っ張って開くことが極めて簡単にできるようになる。ウェハは、接続によって形成される領域に、キャリアフィルムすなわち外側フィルムとカバーフィルムすなわち内側フィルムの間に好ましくは気密及び防湿により包囲される。フィルムポケットは、前記ウェハが入るので、デザインによりウェハ部分の高さが大きくなることはない。
【0029】
本発明に係るディスペンサは、好ましくは、厳密な薬事療法に従って服用することが望ましい、あるいは必要な医薬ウェハ保管及び提供する目的で使用することができる。
【0030】
本発明に係るディスペンサは、通常、ベースパーツとカバーパーツとからなる。これらの2つのパーツは、具体的には、それぞれ半分ずつの外殻の形で作られ、これらを接合することによって供給スペースを形成する。2つのパーツは、具体的には、摩擦によるロック、非積極的ロック又は積極的ロック等の方法で互いに接合してもよい。例えば、カバーパーツは、ベースパーツの上に嵌め留具をかけてもよい。使用中は、ディスペンサの中にあるウェハポケットの束が落下しないように、2つのパーツは互いにしっかりと接合を維持する必要があるが、保持要素を使ってディスペンサにウェハポケットの束を補充できるように、カバーパーツは容易に取り外し(分離)できる必要がある。2つのパーツは、好ましくはディスペンサが基本的に長方形になるように成形されるが、例えば、人間工学又は設計基準に影響され、例えば側面の握りくぼみ又は握りの凹凸その他のパターン及び/又は丸み及び/又は面取りをした辺部及び角部などに影響される。
【0031】
ディスペンサが使用されるときは、ウェハを収容するウェハポケットの束が入っている。この束は、少なくとも1つの保持要素により一緒に保持される。このユニットは、保持要素と、保持要素によって保持されるウェハポケットの束からなる。ウェハポケット又は残留部が不正に又は偶然に脱落することがないように、保持要素が例えば、保持用部品の蓋により密封されることが好ましい。保持要素は、摩擦ロック、非積極的ロック又は積極的ロック等の方法でしっかりと接合される。具体的には取り外し可能な方法で、このユニットが容易に挿入でき、ウェハポケットが使用してなくなったときには、該保持要素が再び容易に取り外しできるように、ディスペンサに取り付けられる。この目的で、当業者に周知の適当なスナップ式接合又は例えば面ファスナー又は、例えば、保持要素が付いた単なる仕切りケースを用いても良い。あるいは例えば、保持要素はディスペンサのくぼみ又は仕切りの中に押し込み、摩擦によるロック接合がなされても良い。いずれにせよ、必要なときに保持要素を取り外し可能に保持する適当な装置をディスペンサの内部に施す。
【0032】
ウェハポケットの束を保持する保持要素は、好ましくはウェハポケットが保持要素から個々に取り外せるような方法でディスペンサの中に挿入される。このために例えば、最上部のウェハポケットが主に伸展する方向に対して平行に引きはがされて保持要素から分離されるようなアレンジが選択されることが特に好ましい。従って、本発明の好都合な一実施例においては、具体的には、ディスペンサの内側の端の部分に保持要素を取り付けることにより、ウェハポケットを横方向に引くことによって保持要素から切り離され、ひき続いてウェハポケットをディスペンサから取り出すことができる。ウェハポケットを引き裂いて束から分離する方向は、ウェハポケットがディスペンサから取り出される方向と同じ方向であることが好ましい。このため、ディスペンサにおいては、ウェハポケットがディスペンサから取り出される方向に取り出し方向を限定することができる。
【0033】
本発明の具体的な第1の好適な実施例においては、ウェハポケットは、保持要素の少なくとも1つの保持リベットがこれを貫通して係合できる開口部を有し、これによりウェハポケットが保持要素によって保持される。これにより、複数のウェハポケットの束がしっかりと取付けられる。この開口部は、円形もしくは楕円形に設計されてもよい。いずれにせよ、開口部の形状は、少なくとも1つの保持リベットの断面によって好適に決まり、複数のウェハポケットが少なくとも1つの保持リベットによりしっかり保持される一方、縦方向に容易にスライドできるように、その形状が決められる。さらに、保持要素は、ウェハポケットの束にすなわちウェハポケットの残留部の束に上方から又は下方からプレスする締め具を有しても良く、あるいは保持要素の構成要素であってもよい。このようにして、残留部は確実に保持要素から外れないように保持される。
【0034】
好ましくは、2つの所定の仕切り線を施し、これによってウェハ部は少なくとも1つの残留部に連結される。あるいは、ウェハポケットにくぼみを施し、これを介してウェハ部と残留部を互いに連結させてもよい。残留部の側のウェハ部の境界部分は、少なくとも1つの開口部によって形成し、これを通じて、少なくとも1つの保持リベットが係合してもよい。従って、この特に好適な実施例においては、ウェハ部と少なくとも1つの残留部は、2つの所定の仕切り線によってのみ連結している。これらは容易に切り離すことができる。
【0035】
他の実施例において、少なくとも1つの収容スペースを供給スペースから隔てている壁は、以下のように実現することができる。すなわち、具体的には、ウェハポケットにウェハポケットの取り出し方向に張力がかかると、ウェハポケットのウェハ部が少なくとも1つの収容スペースに伸展しているウェハポケットの残留部から切り離され、ディスペンサから取り出せるようにする。このことにより、ウェハポケットをディスペンサから容易に取出すことができる。
【0036】
このため、ディスペンサの中のそれぞれの収容スペースと供給スペースの間の連結開口部は、収容スペースに伸展する残留部からウェハ部が容易に分離できる形状とされる。これらの開口部は、ウェハポケットの取り出し方向と平行な少なくとも1つの要素を有する方向に延在することが好ましい。それぞれの連結開口部の延在方向は、連結開口部の境界をくぎる壁の境界によって限定される。具体的には、連結開口部は取り出し方向に対して平行であってもよく、又は取り出し方向に対して0°でない角度であってもよい。例えば、取り出し方向に対して0°より大きい角度、好ましくは20°以上、更に好ましくは30°以上であって、かつ、90°以下、具体的には、75°以下、更に45°以下が好ましい。
【0037】
供給スペースから少なくとも1つの収容スペースを隔てている壁が、少なくとも1つの収容スペースに伸展する残留部を分離する切込みツールの形で実現されると特に好適である。切込みツールの切込み効果により、収容スペースに残留する残留部からウェハ部を容易に切り離すことができる。その結果、ウェハを収容するウェハポケットの部分が小さな張力で保持要素から切り離すことができ、従ってディスペンサからウェハポケットを取り出すことができる。
【0038】
具体的には、壁に、容器からウェハポケットの取り出し方向に、切り込み刃として作用する切り込み端をもたせることもできる。このため、この壁をウェハポケットの取り出し方向に対して平行に配置し、この壁の切り込み端を取り出し方向に対向するように向け、かつ取り出し方向に直角に配置する。このため、端部に向かって1ないし2つの斜角をなすことによって、この壁は切り込み端にカッターを形成する。最上部のウェハポケットに張力をかけることによって、このカッターが、壁の連結開口部の領域に位置するウェハポケットの繋ぎ目部に切り込み、前記カッターの切り込み効果によって、ウェハポケットの繋ぎ目部分を容易に切り裂くこととなる。
【0039】
壁は取り出し方向に対して平行に直線的に延在することが望ましい。あるいは、取り出し方向に対して0°より大きい角度、好ましくは20°以上、更に好ましくは30°以上、かつ、90°以下、具体的には75°以下、更に好ましくは45°以下が望ましい。
【0040】
更に他の実施例において、少なくとも1つの収容スペースを供給スペースから隔てる壁は、連結開口部の領域に、繰り返し穴を形成してもよい。すなわち、互いにスペースを置いて離れた複数の部分的な壁要素がその間に複数の開口部を形成し、この開口部でウェハポケットを対応する開放部で保持要素に挿入し、これらの開放部が全体としてミシン目となることが好ましい。このミシン目も、収容スペースの中に位置する残留部からウェハ部を分離させることができ、従ってウェハポケットをディスペンサから容易に取り出すことができる。
【0041】
例えば、切り込み端を有する壁と同じように、ミシン目は取り出し方向に対して平行に直線的に延在することが好ましい。あるいは、ミシン目は取り出し方向に対して0°以上、好ましくは20°以上、更に好ましくは30°以上で、90°以下、具体的には75°以下、更に好ましくは45°以下の角度を持って延在することもできる。具体的には、ミシン目が取り出し方向に対して20°以上の角度で直線的に延在した場合、ウェハポケットは容易に分離し取り出すことができる。
【0042】
収容スペースの中に延在する部分からウェハポケットのメイン部分を容易に分離するための上記の幾つかの実施例は互いに組み合わせることができる。例えば、ミシン目を通る壁の各壁部分がそれぞれ切り込み端を有してもよい。
【0043】
複数の収容スペースが形成される本発明の特に好適な実施例において、本発明に係るディスペンサは、それぞれの残留部のための2つの収容スペースを有する保持要素を有することができる。この保持要素の収容スペースに収納されるウェハポケットの残留部は、ウェハポケットの角に形成することができる。2つの保持要素の収容スペースの間に、ウェハポケットの供給スペースに向かって開放する別のスペースが位置し、そのもうひとつのスペースにウェハポケットの中心部分が伸展する。ウェハ部が収容スペースに伸展する残留部から分離されたときに、この中心部分がウェハポケットのメイン部分に連結したまま残ることが好ましい。そしてこの領域ではキャリアフィルムすなわち内側フィルムとカバーフィルムすなわち外側フィルムは互いにつながっていないので、前記中心部分は、具体的には、切り裂き開封の手がかりとして機能することができる。ウェハポケットの角付近にそれぞれ2つの残留部を収容するために、おのおの連結開口部と供給スペースからそれぞれの収容スペースを区切る壁を有する2つの収容スペースを持つ保持要素を提供することもできる。
【0044】
保持要素がディスペンサの中に挿入できる保持ブロックとして実現される場合は更に都合がよい。第1の特に好適な実施例において、保持ブロックが長手側に配置された外壁を有し、2つの外壁が幅の狭い側に配置されて互いに接続しかつベースプレート上で分離している外壁を有することが好ましい。さらに、もうひとつの保持リベットをベースプレート上に取付けてもよい。複数のウェハポケットが挿入された後、カバープレートを保持リベットに取り付けるか、保持リベットを壁に取付け、そこで保持ブロックの中の複数のウェハポケットを固定できるようにする。具体的には、カバープレートは、各セクションが収容スペースから脱落するのを防止し、あるいは各セクションを取り出すことができるように意図される。これによって、ウェハポケットの束のなかの複数のウェハポケットが、保持ブロックの中で積極的ロック方式で連結される。カバープレートは壁の上端部に、例えば、摩擦ロック方式、好ましくは非積極的ロック方式、積極的ロック方式又は材料接合方式で接合される。例えば、壁の上部にくぼみを有し、ウェハポケットの取り付け中は、カバープレートの突起部を収めて留めておく、カバープレートは、壁に溶着又はボンドで貼り付ける。カバープレートは、例えば超音波を使って壁に溶着させることが好ましい。
【0045】
あるいは、第2の他の実施例において、具体的には2つ以上の収容スペースが形成される場合、これらは保持ブロックの中で結合することができる。このため、ワンピース(一体型)のユニットが形成される。例えば、収容スペースを形成する複数の壁は、もうひとつの壁を介して互いに結合することができる。さらに、複数の壁が取付けられるベースプレートを介して、複数の壁が互いに更に結合されると好都合であり、これにより壁が材料接合方式で接合されることが好ましい。ベースプレートは、複数の壁とともに収容スペースを形成する。保持ブロックは更に収容スペースを更に遮断するカバープレートを有することができる。
【0046】
保持ブロックはディスペンサのベースパーツに取付けるように設計されることが好ましい。これにより、蓋パーツを取り外すことによってディスペンサが開いた場合に、ベースパーツに取付けられたウェハポケットを取付けた保持ブロックがベースパーツに取付けたまま残ることができる。
【0047】
ウェハポケットの取り出し開口部の反対側に位置する側に少なくとも1つの保持要素を配置することができる。取り出し開口部は具体的には、取り出しスリットの形で実現することができる。
【0048】
容器からウェハポケットを容器に衝突させないで取り出すことができるようにするために、取り出すべきウェハポケットのための駆け上がりスロープを供給スペースに作ることが好ましい。駆け上がりスロープは、取り出すべきウェハポケットを取り出し開口部を通過するようにガイドする。
【0049】
最上部のウェハポケットを容器からの取出すことができるようにするために、最上部のウェハポケットを手で前方に押し出すことができるグリップ開口部を、ディスペンサのメイン外表面、例えば、蓋パーツに形成することができる。このグリップ開口部は、ディスペンサの外表面に取り出し方向に対して平行に、楕円形に形成されることが好ましい。最上部のウェハポケットは、このグリップ開口部を通して指で前方に押し出され、取り出し開口部を経て取り出すことができる。
【0050】
あるいは、特許文献5の場合のように、デバイスを取付けることもできる。すなわち搬送ロラーあるいは搬送輪が最上部のウェハポケットと摩擦的接触関係にあり、手で回転させることにより前記ウェハポケットをディスペンサの外に搬送する。
【0051】
更に、本発明に係るディスペンサの取り出し開口部の付近の表示面に、時間データを貼り付けることができる。この時間データは、例えばカレンダー日付、具体的には曜日情報であってもよい。曜日情報の場合、7区画を隣合せに配置し表示面に貼り付けてもよい。より具体的には、取り出しスリットに対して平行に貼り付けることが好ましい。時間データは、例えば、時間データを含むプレートを表示面に貼り付けて取付けてもよい。
【0052】
この時間データは、ユーザがウェハポケットを取り出すときに、当該ウェハポケットは規定された時間間隔で取り出すべきか否かチェックするときに役立つ。更に、これを実現するために、ウェハポケットのマーキング端付近の領域に、互いに隣り合わせて配置した複数のマーキング部の1つにマークを有する。束の中で連続するマーキング部に、それぞれのマークが昇順に配置されている。マーキング端のマーキング部は、ディスペンサ上の時間データ区画に従って順次配置してあり、ウェハポケットが取り出されるときに、同一平面になるように配置してある。このため、具体的には表示面上の時間データの区画とマーキング部は同じ幅とされている。1つのウェハを毎日服用する薬事療法の間は、時間データは曜日情報で構成される。この場合、このタイプの情報の7曜日のアイテムが表示面に付される。同様に、それぞれ1マークを有する7マーキング部が各ウェハポケットの上に付される。1つのウェハポケットが取り出されるとき、ウェハポケット上のマークが曜日情報のアイテムのひとつと整列し、ユーザが曜日情報のマークされたピースが現在の曜日と一致するか確認することができる。
【0053】
本発明に係るディスペンサは、偽物防止設計であることが好ましい。このため、ディスペンサの上にディスペンサの真性をチェックできるひとつ以上の安全のマークを施し、これらは例えば、マイクロスクリプト、ホログラム、傾斜イメージ又は他の安全特性を有する印刷ラベルでもよい。同様に、改ざんを防止できるように、かかる安全特性がウェハポケットにも施されてもよい。
【0054】
以下に説明する図は、本発明に係る好適な実施例を示す。しかし本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。これらの実施例は単に本発明を図示するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、分離して描かれたカバープレート及び保持ブロックに挿入可能なウェハポケットとともに上方に開くことができる、本発明の第1の実施例に係る保持ブロックの斜視図である。
【図1a】図1aは、図1に示すウェハポケットの変形例の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例に係る保持ブロックにウェハポケットの束を積載して得られるウェハポケットの綴りの斜視図である。
【図3】図3は、最上部のウェハポケットが引きはがされた後の図2に示すウェハポケットの綴りの斜視図である。
【図4】図4は、分離して描かれたカバープレート及び保持ブロックに挿入可能なウェハポケットとともに上方に開くことができる、本発明の第2の実施例に係る保持ブロックの斜視図である。
【図5】図5は、分離して描かれたカバープレート及び保持ブロックに挿入可能なウェハポケットとともに上方に開くことができる、本発明の第3の実施例に係る保持ブロックの斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第2又は第3の実施例に係る保持ブロックにより綴じられたウェハポケットの束からなるウェハポケットの綴りの斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第2又は第3の実施例に係る保持ブロックによって綴じられたウェハポケットの束からなるウェハポケットの綴りの斜視図で、最上部のウェハポケットの束が保持ブロックから分離された後の図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施例に係るディスペンサを形成するベース部及び蓋部の斜視図である。
【図9】図9は、本発明に係るディスペンサの使用可能状態の斜視図である。
【図10】図10は、回転式搬送輪を有する本発明に係るディスペンサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図において、同一の参照番号はそれぞれ同一の要素を示す。
【0057】
図1に示す本発明の第1の実施例に係るにおけるフォルダーブロック10は、ベースプレート11、側壁具体的には左端壁12.1、右端壁12.2及び後壁12.3、並びにカバープレート13から構成される。壁12.1、12.2及び12.3の上にカバープレート13を取付け、中にウェハポケット20を有するフォルダーブロック10を搭載する。ウェハポケット20の保持要素としてフォルダーブロック10が挿入される。また、フォルダーブロック10はベースプレート1に取付けた保持リベット19を有する。また、カバープレート13はラッチウェッブ13.1、13.2及び13.3を有し、フォルダーブロック10を搭載している間、壁12.1、12.2の対応する切り欠き12.11、12.21及びラッチリベット19の切り欠き19.1と挿入され契合する。
【0058】
ウェハポケット20は、ウェハ収納部21と残留部24を有する。更に開口部26が形成されていて、それを通してラッチリベット19に搭載された状態で係止され、その結果ウェハポケット20はフォルダーブロック10に保持される。ウェハ収納部21と残留部24は、ウェハポケット20のインデント27を介して互いに接している。インデント27部分では、ウェハ収納部21と残留部24は接続していない。ウェハ収納部21と残留部24は2つのミシン目区分、具体的には左側ミシン目区分28.1及び右側ミシン目区分28.2によって互いにつながっているに過ぎない。2つのミシン目区分28.1、28.2は、ウェハ収納部21がディスペンサから取り出されるウェハポケット20の取り出し方向Aに対して平行に延びる。従って、ミシン目区分は、取り出し方向Aに対して平行な拡張要素(ライン29で示される)を有する。
【0059】
図1aに変形例のウェハポケット20を示す。これは、ミシン目区分28.1、28.2が取り出し方向Aに対して平行でなく、正確に言えば角度は0°ではない点で図1に示すウェハポケットと異なる。その結果できる取り出し方向Aに対して平行な拡張要素29も表示される。
【0060】
更に、図1を参照すると、ウェハポケット20は、ウェハポケット20の開口部26で保持リベット19がスライドするように保持ブロック20に置かれる。その結果、ウェハポケットの残留部24はフォルダーブロック10の中に位置し、ウェハ収納部21は、フォルダーブロック10の外に位置する。フォルダーブロック10に、例えば28ないし30個のウェハポケット20を搭載した後、カバープレート13は壁12.1、12.2、12.3及び保持リベット19に嵌められて留具を掛けるか及び/又は例えば超音波で溶着される。
【0061】
図2は、フォルダーブロック10及びウェハポケット20の束からなり、上記ように搭載されたウェハポケットの綴り100を示す。
【0062】
図3は、引き裂かれてフォルダーブロック10の外へ取り出された最上部のウェハポケット20’のウェハ収納部21’を示す。この目的で取り出し方向Aに張力が加えられ、その結果、最上部のウェハポケット20’のウェハ収納部21’が、予め形成されたミシン目区分28.1、28.2で残留部から引きはがされ、残留部はフォルダーブロック10内に残る。
【0063】
図4に示す本発明の第2の実施例に係るフォルダーブロック10は、ベースプレート11と側壁、具体的には左側壁12.1及び右側壁12.2を有する。このフォルダーブロック10も、ウェハポケット20がフォルダーブロック10に取付けられた直後、壁12.1及び12.2の上にはめられるカバープレート13を有する。壁12.1、12.2は、2つの収容スペース、すなわち左側収容スペース14.1及び右側収容スペース14.2を取り囲む。左側壁15.1、15.3及び後壁12.3の一部を含む壁12.1は、左側収容スペース14.1を形成し、右側壁15.2、15、4及び後壁12.3の一部を含む壁12.2は右側収容スペース14.2を形成する。それぞれ、ウェハポケット20の固定子は、収容スペース14.1、14.2及び壁12.1、15.1、15.3、12.3及び12.2、15.2、15.4、12.3により形成される。各壁15.3、15.4は、ウェハポケット20がそれぞれの収容スペース14.1、14.2に広げて置けるように、開口部18.1、18.2を有する。これらの連結開口部18.1、18.2は、一方の側を斜め壁体12.31及び12.32で区画され、他方の側をそれぞれの壁15.3及び15.4により区画される。各連結開口部はウェハポケット20の取り出し方向Aにほぼ平行に伸びる。それぞれの壁、具体的には、左側隔壁15.3及び右側隔壁15.4は、左側切り込み端16.1及び右側切り込み端16.2を有する。これら切り込み端16.1、16.2は、ウェハポケット20の取り出し方向Aに対して反対方向にはたらくように配置されている。切り込み端16.1、16.2は、それぞれの収容スペース14.1、14.2の外側に向けて片側斜角によって形成される。それぞれの斜角は、鋭利な(カッテイング)刃となり、ノッチ効果を発揮し、ウェハポケット20のウェハ収納部21をそれぞれの残留部24.1、24.2から容易に切り離せるように働く。
【0064】
ウェハポケット20は、初期状態では、ウェハを入れて溶着又は密閉するウェハ収納部21と、図4に示すようにフォルダーブロック10の形状に合わせて成形した2つの残留部24.1、24.2を有する。すなわち、ポケット20の残留部24.1、24.2は、ウェハポケット20の幅が小さい側に位置する。残留部24.1、24.2は、繋ぎ目部を介して、具体的には左側繋ぎ目部25.1及び右側繋ぎ目部25.2を介して、ウェハ収納部21の中央部23と接続されている。別の方法として、1つのミシン目と単一の収容スペースとして提供されても良い。中央部23では、キャリアフィルムすなわち内フィルムとカバーフィルムすなわち外フィルムは、互いに接続されていないほうが好ましい。繋ぎ目部25.1、25.2は、残留部24.1、24.2が中央部23によって安定に維持される程度の広さに作られる一方、ウェハポケット20のウェハ収納部21に張力が加えられたときに、容易に引き裂かれる程度の広さに作られる。このため、より引き裂きやすくするために、具体的な好適な一実施例においては、繋ぎ目部25.1、25.2 (あるいは、単一の繋ぎ目部)はミシン目(表示)が追加的に施されても良い。ウェハポケット20をフォルダーブロック10に取付けるときは、残留部24.1、24.2を収容スペース14.1、14.2に挿入する。次に、ウェハポケット20の中央部23を、収容スペース14.1、14.2の間に位置する接続スペース17に位置させ、ウェハポケット20のウェハ収納部21(接続領域23を除く)をフォルダーブロック10の外に突出させ、ウェハ収納部21の中央部23をフォルダーブロック10内に位置させる。繋ぎ目部25.1、25.2は、切り込み端16.1、16.2に直接接触する。張力がウェハポケット20に取り出し方向Aにかけられると、切り込み力が繋ぎ目部25.1、25.2上のこれらの切り込み端16.1、16.2から作用し、ウェハ収納部21が残留部24.1、24.2から切り離され、フォルダーブロック10から分離される。
【0065】
図5に示す本発明の第3の実施例に係るフォルダーブロック10は、本発明の第1の実施例と同様に、ベースプレート11及び側壁12.1、12.2を有する。また、フォルダーブロック10は、ウェハポケット20をフォルダーブロック10に置いてすぐ壁12.1、12.2上に取り付けられるカバープレート13を有する。壁15.1、15.3及び後壁12.3の一部を含む壁12.1、及び壁5.2、5.4及び後壁12.3の一部を含む壁12.2は、それぞれ収容スペース、具体的には左側収容スペース14.1及び右側収容スペース14.2を取り囲む。壁15.1、15.3及び後壁12.3の一部を含む壁12.1が左側収容スペース14.1を形成し、右側壁15.2、15.4及び後壁12.3の一部を含む壁12.2が右側収容スペース14.2を形成する。収容スペース14.1、14.2は、本発明の第1の実施例とは異なり、ミシン目棒、具体的には左側ミシン目棒17.1及び右側ミシン目棒17.2によっても形成される。開口部18.1、18.2がそれぞれミシン目棒17.1、17.2の間に残され、開口部18.1、18.2を通って、ウェハポケット20はそれぞれの収容スペース14.1、14.2の中に延びる。この場合、連結開口部は、開口部18.1、18.2の全体にわたって形成される。連結開口部は、それぞれ後壁12.3及び壁15.3及び15.4によって区画される。連結開口部は、ウェハポケット20の取り出し方向Aに対して0°より大きい角度で延在する。
【0066】
ウェハポケット20は、ウェハを入れて溶着又は密封されるウェハ収納部21と、図5に示すように、フォルダーブロック10の形状に合わせて成形された2つの残留部24.1、24.2を有する。ポケット20の残留部24.1、24.2は、ウェハポケット20の幅が小さい側に位置する。各残留部24.1、24.2は、ミシン目、具体的には左側ミシン目26.1及び右側ミシン目26.2を介してウェハポケット20の中央部23に接続する。これに代わる方法として、単一のミシン目と単一の収容スペースとしても良い。中央部23において、キャリアフィルム及びカバーフィルムは、互いに溶着又は密閉されていないほうが好ましい。中央部23は、ウェハポケット20のウェハ収納部21を構成しており、ウェハ収納部21が分離された後は、引き裂くための補助部として機能することが好ましい。ミシン目26.1、26.2は、残留部24.1、24.2が中央部23によって安定して保持されるように形成される一方、ウェハポケット20の本体部分21が引き裂かれたときに、残留部24.1、24.2から容易に分離されるように形成される。ウェハポケット20をフォルダーブロック10に取付けるときは、残留部24.1、24.2を収容スペース14.1、14.2に挿入する。この目的のために、ミシン目棒17.1、17.2をそれぞれミシン目26.1、26.2に通す。ウェハポケット20がフォルダーブロック10に挿入されると、ウェハポケット20の中央部23は収容スペース14.1、14.2の間に位置する接続スペース17の中に位置し、ウェハポケット20のウェハ収納部21の大部分がフォルダーブロック10から外に延在する。各ミシン目26.1、26.2は壁15.3、15.4と直接連接する。張力がウェハポケット20取り出し方向Aに加えられると、ウェハ収納部21が残留部24.1、24.2から引き裂かれ、フォルダーブロック10から分離される。
【0067】
図6は、搭載されたウェハポケット20の束とウェハポケット20を保持する本発明の第1の実施例に係るフォルダーブロック10により形成されるウェハポケットの綴り100を示す。
【0068】
図7は、図6に示すウェハポケットの綴り100を示す。ウェハポケットの綴り100は、ウェハポケット20の束により構成され、一番上にその一部がわずかに見える中央部23を有する。複数のウェハポケット20がフォルダーブロック10により一緒に保持される。図7においては、最上部のウェハポケット20’は、フォルダーブロック10からすでに取り出し方向Aに、中央部23’とともに分離されている。このウェハポケット20’の残留部は、フォルダーブロック10の中の収容スペースに残されている。
【0069】
図8は、本発明に係るディスペンサ1を形成するベース及びカバーの2つのパーツを示す。ベースパーツを参照番号2で示し、カバーパーツを参照番号3で示す。複数のウェハポケット20がフォルダーブロック10に一緒に保持されて束を形成し、このフォルダーブロック10がベースパーツ2の中に挿入される。図8では、分かりやすくするために、フォルダーブロック10が開いた状態;すなわち、カバープレートが取付けていない状態を示す。しかし通常の使用状態では、フォルダーブロック10はカバープレートで閉じられており、ウェハポケット20は脱落又は取り外すことはできない。フォルダーブロック10はベースパーツ2の中で固定され、ディスペンサ1が開放されていても脱落することはない。更に、フォルダーブロック10したがってウェハポケット20の束全体は、ディスペンサ1から最上部のウェハポケット20が押し出されるようにベースパーツ2の中で固定される。パーツ2、3がともにウェハポケット20の束を収容する収納スペース9を形成する。
【0070】
フォルダーブロック10を挿入した後、カバーパーツ3がウェハポケット20の束とともにベースパーツ2に取付けられ留具が掛けられる。ディスペンサから最上部のウェハポケット20を取り出すときは、ウェハポケット20をカバーパーツ3の開口部4から指で取り出し方向Aに押し出される。同時に、最上部のウェハポケット20に張力がかかり、その結果ウェハポケット20のウェハ収納部21がウェハポケット20の残留部24.1、24.2から引きはがされ、残留部24.1、24.2はフォルダーブロック10の収容スペース14.1、14.2に残され、その結果、最上部のウェハポケット20のウェハ収納部21がフォルダーブロック10から分離される。ウェハ束の残りの部分から分離された後、最上部のウェハポケット20のウェハ収納部21が、カバーパーツ3の幅が小さい側、カバーパーツ3のほぼサイドエッジに位置する、取り出しスリット5から排出される。分離された最上部のウェハポケット20が、確実に取り出しスリット5に滑り込みかつ通過するように、ベースパーツ2に駆け上がり斜面6がある。この駆け上がり斜面6は、フォルダーブロック10が取付けられる幅が小さい側の向かい側のベースパーツ2の内壁、具体的には取り出しスリット5の部分に位置する。最上部のウェハポケット20に取り出し方向Aにかけられた力の結果、フォルダーブロック10から分離された後、最上部のウェハポケット20のウェハ収納部21は、取り出し方向Aへ搬送され、駆け上がり斜面6上を通過し、取り出しスリット5を通過して直接外に出て、ユーザにより取り出すことができる。
【0071】
さらに、カバーパーツ3の上に曜日リボン7が見られる。曜日リボン7は、取り出しスリット5付近の表示表面に対して平行に貼り付ける。順に配置された7曜日部分があり、ウェハポケット20が取り出しスリット5が取り出されたときに、ウェハポケット20上のマーキング端22付近のマーキング部に対応するように曜日部分が整列されている。マーキング部のマークは各ウェハポケット20にもあり、曜日部分のひとつと直線上に並び、当該マークは、ウェハポケット20の取り出されたウェハ部分に収容されているウェハを服用すべき曜日を示す(図示せず)。それぞれのウェハの服用を確実に確認することができる。束になった連続したウェハポケット20がマーキング部に連続したマークを有するので、連続して毎日取るべきウェハポケット20に収納されたウェハを示すことができる。このようなやり方で、他の薬剤の服用リズムも予め指定することができる。
【0072】
図9は、使用状態にある本発明に係るディスペンサ1を示す。このため、カバーパーツ3は、ベースパーツ2に取付けられている。パーツ2、3の両者は、互いに留具が掛けけられている。図9では、曜日リボンは使用されていない。分かりやすくするために、曜日リボンを取付けることができる表示面8のみを示す。
【0073】
図10は、回転式搬送車輪30を有する本発明に係るディスペンサの実施例を示し、それぞれ開ポジション及び閉ポジションにあるディスペンサを示す。回転式搬送車輪30は、最上部のウェハポケット20を取り出し方向Aへ搬送し、取り出しスリット5の外へ押し出す役割を果たす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを収容する少なくとも1つのウェハポケット(20)を有するディスペンサ(1)であって、該ディスペンサ(1)は供給スペース(9)と、前記少なくとも1つのウェハポケット(20)のための少なくとも1つの保持要素(19)と、前記ウェハポケット(20)の各々を当該ディスペンサ(1)から取り出し方向(A)へ取り出すことができる1つのウェハポケット(20)のための少なくとも1つの取り出し開口部(5)を有するディスペンサ(1)において、前記少なくとも1つのウェハポケット(20)の各々は、前記ウェハを収容するウェハ部(21)と前記少なくとも1つのウェハポケット(20)の少なくとも1つの残留部(24、24.1、24.2)を有し、前記残留部(24、24.1、24.2)は前記ウェハ部(21)が取り出されたときに当該ディスペンサ(1)の中に残り、前記ウェハ部(21)は、少なくとも幾つかの箇所に前記取り出し方向(A)に対して平行な拡張要素(29)を有する少なくとも1つの所定の仕切り線を介して、前記少なくとも1つの残留部(24、24.1、24.2)と少なくとも幾つかの箇所でそれぞれ接続されることを特徴とするディスペンサ(1)。
【請求項2】
2つの所定の仕切り線があり、前記所定の仕切り線はミシン目区分であることを特徴する請求項1に記載のディスペンサ(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの所定の仕切り線が前記取り出し方向(A)に対して平行に延びることを特徴する請求項1又は2のいずれかに記載のディスペンサ(1)。
【請求項4】
前記ウェハ部(21)が、前記少なくとも1つの所定の仕切り線及び更に前記ウェハポケット(20)内の少なくとも1つのくぼみを介して幾つかの部分で前記少なくとも1つの残留部(24、24.1、24.2)と接することを特徴する請求項1から3のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持要素(19)が、前記ウェハポケット(20)の中の貫通開口部を貫通して係合する少なくとも1つの保持リベットを有し、かつ、前記少なくとも1つの保持要素(19)において前記少なくとも1つのウェハポケット(20)を固定する目的を有することを特徴する請求項1から4のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項6】
前記保持要素(19)が当該ディスペンサ(1)の中に取り外し可能に取付けられることを特徴する請求項1から5のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの所定の仕切り線が、前記ウェハ部(21)と前記少なくとも1つの残留部(24.1、24.2)との間のそれぞれ1つの繋ぎ目部(25.1、25.2)によって形成されることを特徴する請求項1から6のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの保持要素(19)が、前記ウェハポケット(20)のそれぞれの前記残留部(24.1、24.2)のための収容スペース(14.1、14.2)をそれぞれ形成すると共に前記供給スペース(9)から前記収容スペース(14.1、14.2)を区切る少なくとも1つの壁(15.1、15.3;15.2、15.4)を有し、それぞれ前記供給スペース(9)に通じる少なくとも1つの連結開口部(18、1、18.2)が、前記壁(15.1、15.3;15.2、15.4)の中に位置し、該連結開口部(18、1、18.2)を通じて、前記少なくとも1つのウェハポケット(20)が前記少なくとも1つの収容スペース(14.1、14.2)の中に延伸することができ、前記繋ぎ目部(25.1、25.2)は前記連結開口部(18.1、18.2)の領域に位置することを特徴する請求項7に記載のディスペンサ(1)。
【請求項9】
前記壁(15.1、15.3;15.2、15.4)が、前記ウェハポケット(20)に対して前記取り出し方向(A)に張力がかけられたときに、前記ウェハ部(21)が前記少なくとも1つの収容スペース(14.1、14.2)内に位置する前記残留部(24.1、24.2)から分離するように形成されることを特徴する請求項8に記載のディスペンサ(1)。
【請求項10】
前記壁(15.3、15.4)が、前記残留部(24.1、24.2)を前記ウェハ部(21)から切り離す切り込みツールとして形成されることを特徴する請求項8又は9のいずれかに記載のディスペンサ(1)。
【請求項11】
前記壁(15.3、15.4)が、前記取り出し方向Aに対向物として作用する切り込み端(16.1、16.2)を有することを特徴する請求項10に記載のディスペンサ(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの保持要素(19)が、当該ディスペンサ(1)の前記ウェハポケット(20)のための前記取り出し開口部(5)の反対側に位置して当該ディスペンサ(1)の中に配置されることを特徴する請求項1から11のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項13】
取り出されるウェハポケット(20)のための駆け上がりスロープ(6)が、前記供給スペース(9)の中にあり、これにより取り出される前記ウェハポケット(20)が、前記取り出し開口部(5)を通過するように方向付けられることを特徴する請求項1から12のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項14】
最上部のウェハポケット(20)を手で前方に押すことができるグリップ開口部(4)が当該ディスペンサ(1)本体表面に形成されていることを特徴する請求項1から13のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項15】
前記取り出し開口部が、取り出しスリット(5)の形で形成されることを特徴する請求項1から14のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項16】
時間データが取付けられる表示面(8)が前記取り出し開口部(5)近傍に施されることを特徴する請求項1から15のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項17】
前記ウェハポケット(20)が、当該ディスペンサ(1)の中に束として収納され、前記ウェハポケット(20)上のマーキング端(8)近傍の領域に互いに平行に配置された複数のマーキング部にそれぞれマークを有し、前記マークの各々が、前記束のマーキング部に1つのウェハポケット(20)から次のウェハポケット(20)へ昇順に連続して配置されることを特徴する請求項1から16のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)。
【請求項18】
前記マーキング部が、前記表示面(8)上の前記時間データのための領域に整列されることを特徴する請求項17に記載のディスペンサ(1)。
【請求項19】
束として互いに接続された少なくとも2つのウェハポケット(20)であって、該ウェハポケット(20)の各々が、ウェハを収容するウェハ部(21)と、該ウェハ部(21)が取り出されたときにディスペンサ(1)の中に残る少なくとも1つの残留部(24、24.1、24.2)を有するウェハポケット(20)を具備し、前記ウェハポケット(20)が、少なくとも1つの保持要素(19)によって互いに接続されるウェハポケットの綴り(100)において、前記ウェハ部(21)が、少なくとも幾つかの箇所に取り出し方向(A)と平行な拡張要素(29)を有する少なくとも1つの所定の仕切り線を介して、前記少なくとも1つの残留部(24、24.1、24.2)と少なくとも幾つかの箇所でそれぞれ接続されることを特徴とするウェハポケットの綴り(100)。
【請求項20】
2つの所定の仕切り線があり、該所定の仕切り線はミシン目区分であることを特徴とする請求項19に記載のウェハポケットの綴り(100)。
【請求項21】
少なくとも1つの所定の仕切り線が前記取り出し方向(A)に対して平行に延びることを特徴とする請求項19又は20のいずれかに記載のウェハポケットの綴り(100)。
【請求項22】
前記ウェハ部(21)が、前記少なくとも1つの所定の仕切り線及び更に前記ウェハポケット(20)内の少なくとも1つのくぼみを介して幾つかの部分で前記少なくとも1つの残留部(24、24.1、24.2)と接することを特徴とする請求項19から21のいずれか1つに記載のウェハポケットの綴り(100)。
【請求項23】
前記ウェハポケット(20)が開口部を有し、前記保持要素(19)の保持リベットが前記開口部を貫通して係合し、前記少なくとも1つの保持要素(19)によって前記ウェハポケット(20)を組み合わせて前記束を形成することを特徴とする請求項19から22のいずれか1つに記載のウェハポケットの綴り(100)。
【請求項24】
前記ウェハポケット(20)が、前記ウェハポケット(20)上のマーキング端(8)近傍の領域に互いに平行に配置された複数のマーキング部のひとつにそれぞれマークを有し、前記マークの各々が、前記束のマーキング部に1つのウェハポケット(20)から次のウェハポケット(20)へ昇順に連続して配置されることを特徴とする請求項19から23のいずれか1つに記載のウェハポケットの綴り(100)。
【請求項25】
避妊又はホルモン補充療法に使われる医療用ウェハを保存しかつ利用に供するための請求項1から18のいずれか1つに記載のディスペンサ(1)の使用法。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−515527(P2013−515527A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545316(P2012−545316)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070462
【国際公開番号】WO2011/076831
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512137348)バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (91)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
【Fターム(参考)】