説明

ウェブランチングシステム及びウェブランチング方法

【課題】位置従属的なロジックをクライアントで容易に遂行することができるウェブランチングシステム及び方法、及びクライアントにはない機能をクライアントに容易に追加して使用者の不便がないようにクライアントで実行させられるウェブランチングシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、実行スクリプトを使用者端末機へ伝送する段階と、実行スクリプト中で使用者端末機の応用クライアントに搭載されていない機能に対するスクリプトがあるか否かにより使用者端末機からアドオン要請を受信する段階と、応用クライアントに搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールを使用者端末機へ伝送する段階とを含むウェブランチングシステム及び方法を提供することにより、ウェブランチングシステムからのアドオンモジュールを応用クライアントのランタイム中にリンクさせて実行させることができ、位置従属的なロジックを容易に処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブランチングシステム及びウェブランチング方法に関するものであって、より詳しくは、ファイル配布機能と実行スクリプトを利用したウェブランチングシステム及びウェブランチング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ関連情報通信技術が発達することによってインターネットを通した、ゲームサービスを提供したりコンテンツを提供したりするなどの各種インターネットサービス事業が急速に拡大している。インターネットサービス事業者は、ゲームサービスやコンテンツなどを提供するために使用者端末機にクライアントを設置(インストール)させ、使用者は、クライアントを実行してインターネットサービスを利用する。クライアントは、自身に搭載された機能を忠実に遂行できるが、自身に備わってない機能については、遠隔手続呼出(remote procedure call,RPC)などを利用して処理することができる。
【0003】
遠隔手続呼出は、遠隔地にあるクライアントが自身にない機能を遂行するために所定のサーバーに当該機能に対する呼出を要請し、サーバーでクライアントからの要請を分析して、該要請に適合するビジネスロジックを当該サーバーで処理した後、その結果をクライアントに伝送する方式をいう。クライアントは、伝送された結果(処理結果)を利用して後続の処理を行う。一方で遠隔手続呼出は、ビジネスロジックがサーバーにあることからサーバーマシンで処理できる事項として、例えば、データベース照会や算術計算のように位置独立的(Position Independent)なロジックの処理は可能であるが、例えば、特定プログラムの設置の有無や可否の確認または特定ファイルの削除などのように、クライアントだけで確認できる事項(位置従属的なロジック)に対しては遠隔手続呼出で処理できず、クライアントにそのような機能を搭載しなければならない。
【0004】
一方、開発者は通常、クライアントを設計する際、様々な状況を考慮して設計するが、設計時に予想(考慮)できなかった機能については、後ほどクライアントに付加する必要があり、このような状況は時々発生する。そして、クライアントに搭載されていなかった新たな機能をクライアントに付加しようとする場合、既存のクライアント自体をアップデートして使用者端末機に再び新たな機能が追加されたクライアントを設置(インストール)したり、パッチなどを適用したりするが、新たな機能が追加されたクライアントのダウンロードやパッチの適用に多くの時間が掛かって使用者にクライアントの実行の中断等を強いるなど、使用者に負担を要求することになり、不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、位置従属的なロジックをクライアントで容易に遂行することができるウェブランチングシステム及びウェブランチング方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、クライアントにはない機能をクライアントに容易に追加して使用者に対して不便がないようにクライアントで実行させられるウェブランチングシステム及びウェブランチング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの側面におけるウェブランチングシステムは、使用者端末機からの要請に応じてインターネットサービスのウェブページを提供するウェブサーバーと、実行スクリプトを前記使用者端末機へ伝送し、前記実行スクリプト中で前記使用者端末機の応用クライアントに搭載されていない機能に対するスクリプトがある場合に、前記使用者端末機からの要請に応答して前記応用クライアントに搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールを前記使用者端末機へ伝送するファイル配布サーバーと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記使用者端末機は、前記アドオンモジュールを前記応用クライアントにリンクさせるクライアントランチング部を含むことができる。
【0009】
また、前記クライアントランチング部は、前記応用クライアントの実行中に前記アドオンモジュールをリンクさせることができる。
【0010】
また、前記クライアントランチング部は、前記応用クライアントが遂行することができるスクリプトに関する情報を有しており、前記実行スクリプトを分析して該実行スクリプト中に前記応用クライアントに搭載されていない機能に対するスクリプトがあるか否かを判断することができる。
【0011】
また、前記応用クライアントは、前記アドオンモジュールを通じて前記使用者端末機で位置従属的な機能を遂行することができる。
【0012】
また、前記ウェブサーバーは、前記使用者端末機に前記応用クライアントが設置されているか否かを判断(把握)して、前記応用クライアントが設置されていないと判断される場合に前記ファイル配布サーバーにその旨を通知して、前記ファイル配布サーバーが、前記通知に応答して前記応用クライアントを前記使用者端末機へ伝送して設置するようにすることができる。
【0013】
また、本発明の他の側面におけるクライアントランチングシステムは、ファイル配布サーバーから実行スクリプトを受信して、前記実行スクリプト中に応用クライアントに搭載されていない機能に対応するスクリプトがある場合に、前記ファイル配布サーバーにアドオン要請を送信するスクリプトパーサと、前記ファイル配布サーバーから前記応用クライアントに搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールをダウンロードするアドオンダウンローダーと、前記ダウンロードしたアドオンモジュールを前記応用クライアントにリンクさせるアドオン制御部と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記アドオン制御部は、前記応用クライアントの実行中に前記アドオンモジュールをリンクさせることができる。
【0015】
また、本発明のさらに他の側面におけるウェブランチング方法は、実行スクリプトを使用者端末機へ伝送する段階と、前記実行スクリプト中に前記使用者端末機の応用クライアントに搭載されていない機能に対するスクリプトがあるか否かかにより前記使用者端末機からアドオン要請を受信する段階と、前記応用クライアントに搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールを前記使用者端末機へ伝送する段階と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記アドオンモジュールを前記応用クライアントにリンクさせる段階を更に含むことができる。
【0017】
また、前記リンク段階は、前記応用クライアントの実行中に前記アドオンモジュールをリンクさせる段階であることができる。
【0018】
そして、本発明の他の側面におけるコンピュータ読取可能な記録媒体は、前記方法のうちのいずれか一つをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録することができる。
【発明の効果】
【0019】
このように本発明によれば、ウェブランチングシステムから使用者端末機で必要な機能に対応するアドオンモジュールを受けてリンクし、応用クライアントで実行させることによって位置従属的なロジックを容易に処理することができる。
【0020】
また、本発明によれば、実行スクリプト方式とアドオンリンク機能とを利用することによって、応用クライアントを再び設置したりパッチを受けたりする必要なしに応用クライアントにはない機能を応用クライアントに容易に追加することができ、アドオンモジュールを応用クライアントのランタイム中にリンクさせて実行させることによって、応用クライアントが中断されないので使用者が不便でなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例におけるウェブランチングシステムを説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した使用者端末機のクライアントランチング部のブロック図である。
【図3】本発明の一実施例におけるウェブランチング方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できる程度に詳しく説明する。
【0023】
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施例に係るウェブランチングシステムについて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係るウェブランチングシステムを説明するためのブロック図であり、図2は、図1に示した使用者端末機のクライアントランチング部のブロック図である。
【0025】
図1に図示したように、本発明の一実施例に係るウェブランチングシステム100は、ウェブサーバー110及びファイル配布サーバー120を含み、通信網200を通じて、使用者端末機300及びインターネットサービスシステム400と連結されている。
【0026】
使用者端末機300は、ウェブブラウザー310と、クライアントランチング部320及び応用クライアント330とを含み、通信網200を通じて、インターネットサービスシステム400及びウェブランチングシステム100に接続して互いに情報をやりとりする。使用者端末機300は、デスクトップコンピュータだけでなくノートパソコン、ワークステーション、パームトップ(palmtop)コンピュータ、個人携帯情報端末機(Personal Digital Assistant、PDA)、ウェブパッド、移動通信端末機などのようにメモリ手段を具備し、マイクロプロセッサーを搭載して演算処理機能を備えた電子機器が適用できる。
【0027】
ウェブブラウザー310は、ウェブページを閲覧することができるアプリケーションプログラムであり、ウェブランチングシステム100及びインターネットサービスシステム400にアクセスして、これからウェブページ情報を受信し、当該ウェブページを使用者端末機300に表示する。ウェブブラウザー310の一例としてマイクロソフト(Microsoft)社のインターネットエクスプローラ(InternetExplorer)を挙げられるが、これに限られない。
【0028】
図2を参照すれば、クライアントランチング部320は、スクリプトパーサ(Script Parser)322、アドオンダウンローダー(Add-on Downloader)324及びアドオン制御部(Add-on Controller)326を含み、応用クライアント330の実行に必要な様々な情報をウェブランチングシステム100から受け入れて(取得して)、応用クライアント330を実行させる。これと別途にクライアントランチング部320は、応用クライアント330が旧バージョンの場合、新たなバージョンの応用クライアントをウェブランチングシステム100からダウンロードして設置することができる。
【0029】
クライアントランチング部320は、使用者端末機300の要請に応じてウェブランチングシステム100からダウンロードされて使用者端末機300に設置され、例えば、アクティブX(activeX)コンポーネントよって構成することができる。なお、これに限らず、他のコンポーネントで構成してもよい。
【0030】
スクリプトパーサ322は、ファイル配布サーバー120から実行スクリプトを受信(取得)して、受信した実行スクリプトを解釈(解析)する。実行スクリプトは、例えば、応用クライアント330が遂行すべき一種の命令語目録である。スクリプトパーサ322は、応用クライアント330に搭載されていない機能に対するスクリプトが実行スクリプトに含まれている場合に、当該機能を備えているアドオンモジュール(Add-on Module)をファイル配布サーバー120に要請する。ここで、アドオンモジュールは、応用クライアント330には備わっていない機能を応用クライアント330に対して拡張することができるように独立的に構成されて配布されることができる外部プログラムを意味する。スクリプトパーサ322は、応用クライアント330が遂行することができるスクリプトに関する情報を予め保持することができる。
【0031】
アドオンダウンローダー324は、アドオンモジュール要請に応答したファイル配布サーバー120から該当のアドオンモジュールをダウンロードして使用者端末機300に格納し、これに対する情報をアドオン制御部326へ伝達する。なお、アドオンモジュールを必ずしも使用者端末機300に保存する必要はないが、アドオン制御部326がアドオンモジュールを処理する間に使用者端末機300のメモリに記憶させる必要はある。
【0032】
アドオン制御部326は、ダウンロードしたアドオンモジュールを応用クライアント330にリンクさせ、応用クライアント330がアドオンモジュールに係る機能を遂行することができるようにする。特に、アドオン制御部326は、応用クライアント330がスクリプトを実行する間、例えば、応用クライアント330のランタイム中にアドオンモジュールをリンクさせることができる。
【0033】
応用クライアント330に付加できるアドオンモジュールは、例えば、使用者端末機300に設けられた不必要なファイルを削除するモジュール、使用者端末機300に設置されているファイル情報またはプログラム情報を確認するモジュール、応用クライアント330が提供するゲーム上にチャット機能がない場合にチャット機能を提供することができるメッセンジャーモジュール、応用クライアント330に係るチュートリアル(tutorial)機能を提供するモジュールなどが挙げられる。もちろんこのようなアドオンモジュールは、応用クライアント330に当該機能が備わっていない場合に付加される。
【0034】
一方、クライアントランチング部320とは別途に、ウェブランチングシステム100から情報を受信(取得)して、クライアントランチング部320に伝達するモジュール(図示せず)を使用者端末機300に設けることができ、このモジュールは、例えば、アクティブX(activeX)コンポーネントによって構成することができるが、これに限られない。もちろん、このような機能を遂行するモジュールがクライアントランチング部320に含まれて構成することもできる。
【0035】
応用クライアント330は、クライアントランチング部320から伝達された実行スクリプトを実行し、該実行スクリプトに基づいて、インターネットサービスシステム400に接続してインターネットサービスを使用者に提供する。したがって、応用クライアント330は、インターネットサービスシステム400にスクリプト遂行に係る要請をすることができ、その結果、スクリプトを遂行するために必要なデータまたは情報をインターネットサービスシステム400から提供を受けることができる。
【0036】
応用クライアント330は、ゲームクライアントまたはコンテンツに係るクライアントであることができる。例えば、応用クライアント330がゲームクライアントならば、応用クライアント330は、インターネットサービスシステム400から受信するゲームチャンネルリストを使用者端末機300のディスプレイ等の表示部に表示し、使用者がチャンネルリストの中から任意のチャンネルを選択すると、選択したチャンネルに相当するゲームサーバー(図示せず)に接続する。応用クライアント330は、ゲームサーバーからゲーム遂行に必要なデータを受け取り、これに基づいたゲーム画面を使用者端末機300に表示しながら、ゲームを実行する。
【0037】
応用クライアント330は、使用者端末機300の要請によりウェブランチングシステム100からダウンロードされて使用者端末機300に設置され、クライアントランチング部320と一緒に設置されることができる。
【0038】
なお、クライアントランチング部320が、応用クライアント330と連動して動作すると説明したが、クライアントランチング部320は、応用クライアント330とは別個に動作することもできる。例えば、ウェブランチングシステム100から伝送される実行スクリプトが、応用クライアント330と関係なしにクライアントランチング部320で実行されるようにすることができる。
【0039】
ウェブサーバー110は、使用者にインターネットサービスを提供するためにインターネットサービスに係るウェブページ、例えば、ゲームページまたはコンテンツ関連ページを使用者端末機300に提供する。ウェブサーバー110が提供するウェブページで会員加入、使用者認証処理、ゲーム選択及び開始、インターネットコンテンツ選択、決済情報入力などの動作が遂行されることができる。また、ウェブサーバー110は、応用クライアント330がインターネットサービスシステム400の接続に必要な情報を提供し、使用者端末機300がインターネットサービスシステム400に接続して、ゲームを行ったりユーザーの望むインターネットコンテンツをダウンロードしたりする場合、必要な各種情報を提供することができる。
【0040】
ウェブサーバー110は、使用者端末機300にクライアントランチング部320及び応用クライアント330が設置されているかどうかを把握(判断)して、設置されていなければ、ファイル配布サーバー120に設置されていない旨を通知して、ファイル配布サーバー120は、ウェブサーバー110からの通知に応答して、クライアントランチング部320及び応用クライアント330を使用者端末機300へ伝送して設置するようにする。また、ウェブサーバー110は、応用クライアント330が旧バージョンだと把握(判断)することもでき、この場合においても使用者端末機300の応用クライアント330が旧バージョンだと把握される場合に、ファイル配布サーバー120に応用クライアント330が旧バージョンである旨を通知して、ファイル配布サーバー120が、新バージョンの応用クライアント330を使用者端末機300へ伝送して設置するようにする。
【0041】
ファイル配布サーバー120は、応用クライアント330の実行に係る実行スクリプトを予め不図示の格納部等に保持し、使用者端末機300からのスクリプト要請を受信すると該当の実行スクリプトを使用者端末機300へ伝送し、さらに、応用クライアント330に付加する必要のあるアドオンモジュールを予め不図示の格納部等に保持し、使用者端末機300のアドオン要請に応答して該当のアドオンモジュールを使用者端末機300へ伝送して設置するようにする。
【0042】
インターネットサービスシステム400は、使用者端末機300にオンラインゲームまたはインターネットコンテンツなどを提供する。このためにゲームサーバー(図示せず)、コンテンツ提供サーバー(図示せず)及びデータベース(図示せず)を含むことができる。
【0043】
データベースは、インターネットサービスを使用者に提供するのに必要な各種情報、例えば、使用者ID(identification、ID)、名前、アドレス、携帯電話番号、有線電話番号、電子メールアドレス、ゲームのバージョン、ゲームサーバーのIPアドレス(Internet Protocol Address)、サイバーマネー、ゲームアイテム、ゲームマネー、コンテンツ利用権などに対する情報を記憶し、ウェブサーバー110、ゲームサーバー及びコンテンツ提供サーバーの要請によりこれらに当該情報を提供する。
【0044】
ゲームサーバーは、使用者端末機300と通信して、使用者がオンラインゲームをすることができるようにする。つまり、ゲームサーバーは、使用者端末機300が当該ゲームサーバーに接続すると、ゲーム実行に必要な情報を提供して使用者端末機300との間でゲームデータをやりとりしながら、ゲームロジックに従ったゲームが行われるように制御する。
【0045】
コンテンツ提供サーバーは、音楽ファイル、映画ファイル、文書ファイルなどの各種インターネットコンテンツを格納し、使用者の要請によりこれを使用者端末機300に提供する。
【0046】
次に、図3を参照しながら、本発明の実施例に応じたウェブランチング方法について詳細に説明する。
【0047】
図3は、本発明の実施例に係るウェブランチング方法を示すフローチャートである。
【0048】
使用者が使用者端末機300で応用クライアント330を実行させるために、ウェブブラウザー310に具備された実行ボタンをクリックすると、クライアントランチング部320が実行される。そして、クライアントランチング部320は、応用クライアント330で実行されるスクリプトをウェブランチングシステム100に要請する(S510)。もちろん、応用クライアント330を実行させるためにウェブブラウザー310以外にも別途の実行手段、例えば、応用クライアント330に対応する(応用クライアント330を実行させるための)アイコンを備えることもできる。
【0049】
ウェブランチングシステム100は、使用者端末機300からのスクリプト要請に応答して当該応用クライアント330で実行されるべき実行スクリプトを使用者端末機300へ伝送する(S520)。
【0050】
クライアントランチング部320のスクリプトパーサ322は、ウェブランチングシステム100から伝送された実行スクリプトを解釈して(S530)、応用クライアント330に搭載されていない機能が実行スクリプトに含まれているか否かを判断する(S540)。
【0051】
クライアントランチング部320は、段階S540での判断の結果、応用クライアント330に搭載されていない機能が実行スクリプトに含まれていると判断された場合、応用クライアント330に搭載されていない当該機能に対するアドオンを要請する処理を遂行する(S550)。一方、応用クライアント330に搭載されていない機能が含まれていないと判別された場合には、アドオン要請をしない。なお、クライアントランチング部320は、段階S540と関係なく応用クライアント330が遂行することができる実行スクリプトを応用クライアント330に伝達して、応用クライアント330が当該スクリプトを行うことができるようにする。つまり、クライアントランチング部320は、段階S530で実行スクリプトを解釈した後、応用クライアント330に搭載されている機能に対するスクリプトに対しては、直ちに実行するように実行スクリプトを伝達するように構成することができる。
【0052】
使用者端末機300からアドオン要請を受信したファイル配布サーバー120は、アドオン要請を分析して、応用クライアント330に搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールを不図示の格納部から抽出して使用者端末機300へ伝送する(S560)。クライアントランチング部320のアドオンダウンローダー324は、アドオンモジュールをダウンロードし、アドオン制御部326は、アドオンダウンローダー324によってダウンロードされたアドオンモジュールを応用クライアント330にリンクさせる(S570)。クライアントランチング部320は、応用クライアント330が実行スクリプト中で遂行することができるスクリプトを実行する途中で、ファイル配布サーバー120から取得したアドオンモジュールを、応用クライアント330にリンクさせることができる。
【0053】
その後、応用クライアント330は、追加された機能を実行する(S580)。応用クライアント330は、すでに実行されているスクリプトに対する動作が終わった後に、追加された機能に対する動作を行ったり、これとは別に追加された機能に対する動作を必要な時点で行ったりすることもできる。
【0054】
このように本発明によれば、ウェブランチングシステム100が使用者端末機300で追加的に必要な機能に対応するアドオンモジュールを使用者端末機300へ伝送して応用クライアント330で実行させることができる。このため、サーバー側で処理し難く、使用者端末機300で処理すべき位置従属的なロジックを容易に遂行することができる。
【0055】
また、本発明によれば、実行スクリプト方式とアドオンリンク機能とを利用することによって、応用クライアント330を再び設置したりパッチを適用する必要なしに、応用クライアント330にはない機能を当該応用クライアント330に容易に追加することができ、さらに、アドオンモジュールを応用クライアント330のランタイム中にリンクさせて実行させることによって、応用クライアント330の実行が中断されないので使用者が不便でなくなる(利便性が向上する)。
【0056】
なお、本発明の実施例では、ウェブサーバー110がウェブランチングシステム100に含まれ態様を一例に説明したが、ウェブサーバー110は、必要に応じてインターネットサービスシステム400に含まれるように構成することができ、ウェブサーバー110で遂行する機能中の一部がファイル配布サーバー120で行われるように構成することもできる。また、使用者端末機300にクライアントランチング部320と応用クライアント330が別個に含まれている態様を一例に説明したが、クライアントランチング部320が応用クライアント330に含まれて構成することもできる。そして、クライアントランチング部320にスクリプトパーサ322、アドオンダウンローダー324及びアドオン制御部326が別個に含まれていると説明したが、これらは機能的に互いに統合されたり、少なくともひとつが分離されて独立的に構成されたりして応用クライアント330に含まれるように構成されることもできる。
【0057】
また、本発明の実施例では、クライアントランチング部320及び応用クライアント330が使用者端末機300に設置されて、ウェブランチングを遂行する一例を説明したが、クライアントランチング部320及び応用クライアント330が別途のサーバーで構成されて、同一の機能を遂行するように構成することもできる。
【0058】
また、本発明は、応用クライアント330が設置された使用者端末機300と応用クライアント330で実行される実行スクリプトを使用者端末機300に提供するファイル配布サーバーとを備えたクライアントランチングシステムとしての側面を有し、使用者端末機300が、応用クライアント330が遂行することができるスクリプトに関する情報に基づいて、ファイル配布サーバー120から受信した実行スクリプト中に応用クライアントに搭載されていない機能に対応するスクリプトがあるか否かを判断し、搭載されていない機能に対応するスクリプトがあると判断された場合にファイル配布サーバー120に対してアドオン要請を送信するスクリプトパーサ322と、ファイル配布サーバー120から応用クライアント330に搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールをダウンロードするアドオンダウンローダー324と、ダウンロードしたアドオンモジュールを応用クライアント330にリンクさせるアドオン制御部326と、を含むクライアントランチングシステムが提供される。また、これらスクリプトパーサ322、アドオンダウンローダー324、及びアドオン制御部326は、使用者端末機300で実行されてこれら各部を機能させるためのプログラム(クライアントランチングプログラム)として構成されることができる。
【0059】
また、本発明の実施例は、多様なコンピュータに実行されて動作を行うためのプログラム命令を含むコンピュータで読む取ることができる記録媒体を含むことができる。この記録媒体は、先に説明したウェブランチング方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録することができる。この記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。このような記録媒体の一例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気のテープのような磁気の媒体、CD及びDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(flopticaldisk)と磁気−光媒体、ROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を格納して行うように構成されたハードウェア装置などがある。またはこのような記録媒体は、プログラム命令、データ構造などを指定する信号を伝送する搬送波を含む光または金属線、導波管などの伝送媒体であることができる。プログラム命令の例としては、コンパイラーによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを使用してコンピュータにより実行できる高級言語コードを含む。
【0060】
以上、本発明の望ましい実施例について詳細に説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための形態により制限されるものではない。
【符号の説明】
【0061】
100:ウェブランチングシステム
110:ウェブサーバー
120:ファイル配布サーバー
200:通信網
300:使用者端末機
310:ウェブブラウザー
320:クライアントランチング部
322:スクリプトパーサ
324:アドオンダウンローダー
326:アドオン制御部
330:応用クライアント
400:インターネットサービスシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者端末機からの要請に応じてインターネットサービスのウェブページを提供するウェブサーバーと、
実行スクリプトを前記使用者端末機へ伝送し、前記実行スクリプト中で前記使用者端末機の応用クライアントに搭載されていない機能に対するスクリプトがある場合に、前記応用クライアントに搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールを前記使用者端末機へ伝送するファイル配布サーバーと、
を含むことを特徴とするウェブランチングシステム。
【請求項2】
前記使用者端末機は、前記アドオンモジュールを前記応用クライアントにリンクさせるクライアントランチング部を含むことを特徴とする請求項1に記載のウェブランチングシステム。
【請求項3】
前記クライアントランチング部は、前記応用クライアントの実行中に前記アドオンモジュールをリンクさせることを特徴とする請求項2に記載のウェブランチングシステム。
【請求項4】
前記クライアントランチング部は、前記応用クライアントが遂行することができるスクリプトに関する情報を有しており、前記実行スクリプトを分析して該実行スクリプト中で前記応用クライアントに搭載されていない機能に対するスクリプトがあるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載のウェブランチングシステム。
【請求項5】
前記応用クライアントは、前記アドオンモジュールを通じて前記使用者端末機で位置従属的な機能を遂行することを特徴とする請求項1に記載のウェブランチングシステム。
【請求項6】
前記ウェブサーバーは、前記使用者端末機に前記応用クライアントが設置されているか否かを判断して、前記応用クライアントが設置されていないと判断された場合に前記ファイル配布サーバーに前記応用クライアントが設置されていない旨の通知をし、前記ファイル配布サーバーが、前記通知に応答して前記応用クライアントを前記使用者端末機へ伝送して設置するようにすることを特徴とする請求項1に記載のウェブランチングシステム。
【請求項7】
ファイル配布サーバーから実行スクリプトを受信して、前記実行スクリプト中で応用クライアントに搭載されていない機能に対応するスクリプトがある場合に前記ファイル配布サーバーにアドオン要請をするスクリプトパーサと、
前記ファイル配布サーバーから前記応用クライアントに搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールをダウンロードするアドオンダウンローダーと、
前記ダウンロードしたアドオンモジュールを前記応用クライアントにリンクさせるアドオン制御部と、
を含むことを特徴とするクライアントランチングシステム。
【請求項8】
前記アドオン制御部は、前記応用クライアントの実行中に前記アドオンモジュールをリンクさせることを特徴とする請求項7に記載のクライアントランチングシステム。
【請求項9】
前記応用クライアントは、前記アドオンモジュールを通じて使用者端末機で位置従属的な機能を遂行することを特徴とする請求項7に記載のクライアントランチングシステム。
【請求項10】
実行スクリプトを使用者端末機へ伝送する段階と、
前記実行スクリプト中で前記使用者端末機の応用クライアントに搭載されていない機能に対するスクリプトがあるか否かを判断して前記使用者端末機からアドオン要請を受信する段階と、そして、
前記応用クライアントに搭載されていない機能に対応するアドオンモジュールを前記使用者端末機へ伝送する段階と、
を含むことを特徴とするウェブランチング方法。
【請求項11】
前記アドオンモジュールを、前記応用クライアントにリンクさせる段階を更に含むことを特徴とする請求項10に記載のウェブランチング方法。
【請求項12】
前記リンク段階は、前記応用クライアントの実行中に前記アドオンモジュールをリンクさせる段階であることを特徴とする請求項11に記載のウェブランチング方法。
【請求項13】
前記応用クライアントは、前記アドオンモジュールを通じて前記使用者端末機で位置従属的な機能を遂行することを特徴とする請求項10に記載のウェブランチング方法。
【請求項14】
請求項第10項乃至第13項のうちのいずれか一つに記載のウェブランチング方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取ることができる記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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