説明

ウオータースクリーン

【課題】ウオータースクリーンにおいて堆積物を除去すると共に魚類の生存率を高める。
【解決手段】フライト50は、前記ウオータースクリーン20の外面に間隔をおいて配置されている。前記フライト50は、前記スクリーンの一方又は両方の側縁にある最高位位置から一方又は他方の最下位位置にかけて前記スクリーンの幅方向をよぎるようになっている。前記スクリーンが動くにつれ、前記複数のフライト50が魚52を前記面の上に持ち上げる。魚52が前記面を越すと、魚52は、前記傾斜のフライト50にそって前記スクリーンの一方の側縁又は両方の側縁へ滑り落ち、安全に逃げるようになる。前記魚除去ウオータースクリーン20よりも大きな孔があいている第2のウオータースクリーン20が上流側に位置し、汚染物を濾過し、下流側魚除去ウオータースクリーン20に大きな衝撃を与えないように保護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
この発明は、一般的には、水流から有機堆積物及び魚類を濾過するウオータースクリーンに関し、さらに詳しくは、モジュラー・コンベヤベルトから作られた移動ウオータースクリーンに関するものである。
【0002】
大部分の産業工程においては、河川、湖沼及び海洋からの水を使用する。産業プラントに取り入れられた水は、濾過して有機堆積物などの残滓類による装置類の汚染、損傷を防ぐようにしなければならない。ウオータースクリーンは、有機堆積物類がプラントに入り込む前に流入する流れから有機堆積物などの残滓類を濾過し、場合によっては除去するようになっている。しかしながら流入してくる流れで魚類が前記スクリーンの面にたたきつけられる。たたきつけられた状態が長すぎてしまう魚は、死んでしまうことになる。したがって、ウオータースクリーンに叩き付けられた魚を回収する試みが種々行われている。
【0003】
一つの試みにおいては、大きく曲げられたバケットフライトが垂直方向に動くスクリーンに取り付けられている。このバケットにおいては、水が該バケットの上下に流れ、動いているスクリーンを通る。魚類は、水の速度が減速された領域で前記バケット内に捕らえられる。捕らえられた魚類と有機堆積物などの残滓類は、移動するスクリーンにより垂直に持ち上げられて水流から外れる。前記スクリーンがその行程の頂部にさしかかると、魚類と有機堆積物などの残滓類は、低い圧力と高い圧力の水流で洗われる。
【0004】
また別の試みによれは、空港の手荷物受取所でみられるコンベヤに似た複数の円形の要素をもつ縦型スクリーンが用いられている。各円形の要素は、それ自体が動くスクリーンになっている。各円形要素に杓子状のものが一体なっている。これら円形要素は、垂直に上昇して、水流から突き出て、さらに駆動軸とスプロケットを通り越す。前記円形要素が駆動軸まわりをまわるにつれ、杓子状のものが魚と残滓類を排出トラフへ注ぎ入れる。
【0005】
しかしながら、これらの試みの各々は、魚が死んでしまう率が極めて高い結果になっている。先ず第1に魚と残滓類は、混合されてしまい、分離することが難しい。第2に、これらすべての試みにあっては、魚が乱暴に処理されている。魚類は、自ら引き上げられるか加圧された状態でスプレイされる。
【0006】
したがって、魚類の生存率を高めるウオータースクリーンが必要になっている。
【0007】
[概 要]
この必要性とその他の必要性は、この発明の特徴を構成するウオータースクリーンシステムにより満足される。このシステムは、ループ状の小さな孔があいているベルトから構成され、該ベルトは、水流の面の下端から該水流の面の上の上端に達している。このベルトには、上方へ動く上り流れ部分と下方へ動く下り流れ部分とが含まれている。このベルトには、また、前記ベルトの上り流れ部分において魚を上へ上げてゆく手段が含まれている。水流の面において、小さな孔があいているベルトの上り流れ部分の下流に配置のダムが前記面における領域の水の流れをブロックする。
【0008】
この発明の別のアスペクトにおいては、ウオータースクリーンシステムは、動くウオータースクリーンを備え、このスクリーンは、ループ状になっている、小さな孔があいているベルトからなり、このベルトは、内側と外側とをもつ。前記ベルトは、第1の縁部から第2の縁部にわたり幅をもっている。前記ループは、水流の下側の下端から水流の面の上の上端へ達している。前記ベルトループは、上昇してゆく上り流れ部分と下降してゆく下り流れ部分とを含む。前記ベルトの外側面にある複数のフライトが前記ベルトの幅方向にそってのびている。前記ベルトループの上昇する上り流れ部分においては、前記複数のフライトは、一番高い頂点から前記ベルトの一方の縁又は他方の縁にある一番低い位置に向かい傾斜している。
【0009】
この発明のまた別のアスペクトにおいては、ウオータースクリーンシステムにおけるウオータースクリーンとして魚と残滓類を水流から上に上げるために使用のベルトは、一つ又は複数のベルトモジュールが列状につながっているものである。各横列のものは、第1の端部から第2の端部におけるベルト進行方向に対し第1の縁部から第2の縁部が横向きになっていて、第1の側面から第2の側面においての厚みをもつものである。つづいてゆく列は、ヒンジピンで互いにヒンジ結合され、エンドレスのベルトになる。前記モジュールの内のすくなくともいくつかのものが第1の面から第2の面にかけて開口部を形成して、前記モジュールを水流が流れるようになっている。前記モジュールの内の少なくともいくつかのものには、第1の縁部からのびる複数のフライトセグメントが含まれている。フライトセグメントをもつモジュールは、隣り合って、フライトを作り、これらフライトは、前記ベルトの幅方向にわたっている。各フライトは、ベルト走行方向においての先頭部と後尾部とを有している。前記後尾都は、前記ベルトの一方の縁部又は両縁部に位置する。
【0010】
この発明の別のアスペクトにおいては、水流から魚類と有機堆積物などの汚染物を取集するウオータースクリーンシステムにおけるウオータースクリーンとして使用するベルトは、一つ又は複数のベルトモジュールが一連に列をなしているものからなる。各列は、ベルト走行方向において第1の端部から第2の端部にわたりのび、さらに第1の縁部から第2の縁部にわたりのび、そして厚さ方向において第1の面から第2の面にわたっている。つづいてゆく列は、ヒンジピンで互いにヒンジ結合され、エンドレスのベルトになる。前記モジュールの内のすくなくともいくつかのものが第1の面から第2の面にかけて開口部を形成して、前記モジュールを水流が流れるようになっている。複数のフライトは、前記ベルトの幅方向にわたっている。各フライトは、ベルト走行方向において先頭部と後尾部とを有している。前記後尾部は、前記ベルトの一方の縁部又は両縁部に位置する。
【0011】
[図面の簡単な説明]
この発明の特徴及びアスペクトならびにその利点は、説明、添付の請求の範囲及び添付の図面を参照することでさらによく理解されるものであって、図面においては、
図1は山形パターンの魚掬い部を含む、この発明の特徴を組成するウオータースクリーンシステムの一部切断斜視図である。
図2Aは図1のウオータースクリーンシステムの正面略図である。図2Bは図1のウオータースクリーンシステムの平面略図である。そして図2Cは図1のウオータースクリーンシステムの側面略図である。
図3はウオータースクリーンシステムの別の例の図2Cと同様な側面略図であって、掬い部の近辺に流れを妨げる手段を有するものである。
図4のA〜Cは、図1のウオータースクリーンシステムにより魚を取り除く説明の正面図である。
図5のA〜Cは、魚を一方向へ取り除くために傾斜したランプに配置の魚掬い部を含む図1におけるシステムに使用できる魚スクリーンの別の例による魚の取り除きの例を説明する正面図である。
図6のA〜Cは魚を双方向へ取り除くために逆U字状のパターンで配置の魚掬い部を含む図1におけるシステムに使用できる魚スクリーンの別の例による魚の取り除きの例を説明する正面図である。
図7は図1におけるようなシステムに使用可能な魚スクリーンにおいてモジュラープラスチックベルトの個々のモジュールにおける図5のA〜Cにおけるような掬い部セグメントの配置の斜視図である。
図8は図1におけるシステムに使用するための重なるように配置された魚スクリーンモジュールにおける掬いセグメントの別の配置の略図である。
図9Aは図5のA〜Cにおけるような魚スクリーンの一部の正面略図であって、汚染物を集めるフック類を含むものである。図9Bは図9Aの魚スクリーンの断面図である。
図10は図1におけるようなシステムに合った魚スクリーンの側面略図である。
図11は図1におけるようなウオータースクリーンの上流側に第1のウオータースクリーンをもつ二段階ウオータースクリーンシステムの斜視図である。
【0012】
[詳細な記述]
この発明の諸特徴を構成するウオータースクリーンシステムの一つの実施例を図1に示す。このシステムには、垂直方向に動くウオータースクリーン20が含まれ、このスクリーンは、エンドレスモジュラーコンベヤベルトループの形態をしていて、該ループは、駆動軸24と遊び軸25にある上位スプロケット22と下位スプロケット23の間を動くようになっている。前記スプロケットにおける歯26が前記ベルトの内側面28にある駆動部に係合している。前記ベルトの上端部にある駆動モータ30が駆動軸に結合し、矢印32で示す通常の操作状態で前記ベルトを駆動する。前記ベルトは、複数のプーリーの間で駆動される平らな孔あきベルト又はメッシュラバーベルトでよいが、一連の横列ベルトモジュール34,35,36,34’,35’,36’から構成されたモジュラー・プラスチック・コンベヤベルトであることが好ましい。連続の列は、ヒンジピン38により互いにヒンジ結合され、このヒンジピンは、連続の列の互いに重なり合ったヒンジ目を通る横方向の通路で受けられている。多数のパーフォレーション又は開口40でベルトフォーメーションが作られ、ウオータースクリーンとしての使用に適するようになっている。
【0013】
孔あきベルトは、矢印46で示す方向に流れる水流の面44の下にある下端部42から前記面の上にある上端部43にかけてループ状になっている。矢印32の方向に駆動される前記ベルトには、上方へ動く上り部分48と下方へ動く下り部分49が含まれている。前記パーフォレーションにより、図2Bに示すように、水流が前記ベルトの両部分を通り抜け、矢印46’で示す濾過された流出水がややゆっくり流れ出す。前記ベルト上の複数のフライト50が孔あきベルトを通る水流によって前記スクリーンに突き当たった魚52を捕らえ、前記水流から魚を掬い上げる。前記フライトは、前記ベルトから外方へ垂直に立ち上がっているか又は前記ベルトの外面から斜めに立ち上がっている。かくして、前記フライトにより、前記ベルトの上り部分で魚類を掬い上げる手段が提供される。前記ベルトの外面から離れた前記フライトの縁部に形成された複数のリップ54が前記フライトの杓子としての機能を補助する。前記リップが水流をかきわけ、前記杓子内に比較的穏やかな水溜め部分を作り、魚類が上方へ引き上げられている間前記水溜め部分で魚類が泳げるようにする。前記フライトが前記ベルトの面から斜めに立ち上がっている場合は、前記フライトは、リップなしでも流入する水の流れをかきわけすることができる。
【0014】
図2Aでも略図的に示された図1における逆V字状の複数のフライトは、垂直方向に間隔をあけて位置し、山形状に配置され、各フライトの頂点56が流れるウオータースクリーンを構成する前記ベルトの上り部分にそっての最高点となっている。図示のものは対称の配置になっていて、前記頂点は、前記ベルトのセンターラインにある。最下位部57のポイントは、前記ベルトの幅方向におけるウオータースクリーンの対向し合う縁部に位置する。前記ウオータースクリーンの上り部分が前記面に対し上昇するにつれ、前記最高位の頂点は、最下位のポイント又は複数のポイントを先導する。魚類は、前記杓子に集められる。前記杓子が前記面の上げられると(図4のA〜CにおけるA,B,Cの左から右へ順で示すように)、集められた魚類は、矢印58,58’で示すように前記ウオータースクリーンの各縁部に向けて前記杓子の面を滑り落ち、水流におけるウオータースクリーンの側面に立つ分水部60(図2A〜図2Bにも図示)に落ちるようになっている。図1と図2A〜図2Bに図示の前記分水部は、垂直方向において、好ましくは水流の最下位ベルトレベル61の下位の底部から水流の最高位レベル63の上位の上縁62に達している放出水槽になっているものである。杓子状のフライトが山形状に配置されている図1の実施例では、魚類の分水部が左右双方にあって、前記ウオータースクリーンの右側にも同じような分水部構造が含まれている(図1では、分かりやすくするために図示せず)。最下位のポイント57における前記杓子の縁部は、前記水槽の壁64に対し密接している。この密接により、魚類は、前記ウオータースクリーンの上り面において流入してくる水流から掬い上げられる。フライトの両縁部が前記水槽の上縁から外れると、魚は、重力作用で前記フライトの傾斜面を滑り、側面の水槽へ入り、そこで魚は、矢印66で示すように泳いで危険な状態にならない。排水部67を流れる水流が魚を前記フライトにそって流れ落ちるようにするために使用されている。
【0015】
傾斜したフライト構成に代わるものとしては、例えば、水平のフライトを用いて前記面に向けて魚を掬い上げることができる。図1及び図2Cに示すように、前記ウオータースクリーンの上り流れ部の下流側に位置する面にあるダム68を用いて前記面の領域69内で、下向きになった水流46’と図2Cにより示すように、水流46を阻止するようにしている。前記面における比較的静止した水溜めで魚が自由になって水流に当たるようになる。前記ダムは、水流の面の上下にわたって設けられる。該ダムをモータ駆動により前記面にわたる選択された位置へ動かしたり、浮き又は適当な連結手段で機械的に動かして前記水流においての選択されたレベルになるようにする。
【0016】
魚が遊泳している面の静かな領域は、図3に示すようにしてもできる。この例では、フライト50付近のベルト20の部分をパーフォレーションなしにしている。このようにすると、該フライトにおけるベルトの部分は、上方へ動くダムとして機能することになる。前記フライトが魚を取り出すために前記面にあるとき、前記ベルトにより水の流れが、それた流れ72で示すように向きを変える。前記面から魚を回収する位置に前記ベルトが位置しているときは、前記面における領域69は、静かな状態で存在する。
【0017】
前記ウオータースクリーンにおけるフライトは、図4のA〜Cの山形パターン以外のパターンでも配置できる。図5のA〜Cに示すように、傾斜ランプ形状のもの73が前記スクリーンの一方の側縁に最高位置74をもち、反対の側縁に最下位位置76をもつ。このパターンは、前記最下位置におけるランプから魚を一方方向へ降ろすのに効果的である。フライトの別の例を図6のA〜Cに示す。この例では、図4のA〜Cの山形の例のように、両方向に降ろすようになっている。しかしながら、この例では、逆V字状の代わりに、逆U字状のフライト78が使用されて、同じ結果が得られるようになっている。前記スクリーンが上昇するにつれ、通常のポンプ作用又は魚の向きを変える他の形状も同様に使用できる。
【0018】
前記したように、前記ウオータースクリーンには、アメリカ合衆国ルイジアナ、ハラハンのIntralox,L.L.C. により製造、販売されているSeries 1800 Mesh Topベルト又はPerorated Flat Topベルトのようなモジュラー・プラスチック・コンベヤベルトとして構成されているものが好ましい。このモジュラーベルトは、図7に示すように、一般的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタール及び複合素材のような熱可塑性樹脂で射出成形工程により個々に成形されている一つ又は複数のベルトモジュールの列110,110’で構成されている。各列は、第1の端部114から第2の端部115にかけてベルト走行方向112に向けてつながり、横方向には、第1の側縁116から第2の側縁117にかけてつながり、厚さ方向には、第1の側面118から第2の側面119にわたっている。前記複数の列は、連続してゆく列の端部において互いに重なり合うヒンジ目で受けられるヒンジピンにより一連につなげられてベルトになっている。これらのモジュールは、好ましくは煉瓦積み状になって、強度が増すようになっている。
【0019】
図5のA〜Cに示されたウオータースクリーンの傾斜したランプの例においては、各フライト73は、前記ベルトの三列124,124’,124”にわたって幅一杯に位置し(図7)、開口部をもち、前記モジュールに水流が通るようになっている。前記ベルトがモジュールの複数の列で作られたモジュラーベルトであれば、各フライトは、図7に示すように、隣り合う一連のフライト部80,81,82,83で構成されている。各部は、前記ベルト列において一方又は双方で互いに隣り合う個々のモジュール84,85,86,87にあるようになっている。また別に、二つの列にわたり重なり合うようにされた形態も図8に示すように構成されることができる。この例においては、フライト部をもたないベルトモジュール88を、フライト部をもつベルトモジュール89,89’に組合せ、ベルトの一部を形成するようにしている。この煉瓦積みの形態においては、フライト部をもつもの89を、フライト部をもつもの89’に重ね、前記ベルトの幅方向にわたり段付きランプができるようにしている。当然なことではあるが、逆V字状、逆U字状さらにはその他のパターンを、これらの例のように部分、部分にわけて構成することもできる。
【0020】
魚を生きた状態にしておく他に、ウオータースクリーンは、汚染物が連続の産業プロセスの妨げにならないようにする主たる機能を果たすものである。ここに記載のウオータースクリーン20には、かくして、例えば、図9A〜図9Bに示すように、ピン類やフック類90のような残滓などの汚染物を捕集する部材を取り付けることができ、これらによって前記スクリーンから取り除くために水から上方へ残滓などの汚染物を引っ掛け上げるようになっている。比較的細いフック類は、前記スクリーンの幅方向にわたりフライト73の僅かな部分しか塞がないようになっている。このようにして、魚類は前記フライトの上出フック類に引っ掛けられ、残滓などの汚染物内にまじりこんだり、泳いだりしたりしないようになる。前記フック類は、前記ベルトモジュールに成形された挿入部に成形されたり、ねじ止めされたり、又は、前記ベルトモジュールに取り付けられる。
【0021】
図10に略図で示すフックのような可倒式のピン類、フック類、又は他の突起体が残滓などの汚染物を保持し、これを前記ベルトで静かな流れから引き上げる。各可倒式のフック92は、前記ベルトの凹部に位置し、ピン96でしっかりリンクされたオフセットカム94,95を含む。上向きの流れ48においては、カム面となる第1のウエアストリップ98で前記スクリーンの外面からフック端部が突き出るようになる。突き出たフックで汚染物をつかみ、これを水から引き上げる。下向きの流れ49においては、前記第1のウエアストリップに対し横向きにオフセットされた第2のウエアストリップ99がアームカム95に係合し、これによって前記フックはカム運動して、前記ベルトの凹部に入りこむ。前記フックが後退することで、前記ベルトからの汚染物の除去が簡単になる。別の機構を用いて可倒式フック類又は均等装置を作動することができる。例えば、該フックを上げて該フックを延ばし、降下させながら該フックを引き込ませるようにしたカウンターウエイトをフックに取り付けて使用できる。
【0022】
二段階のウオータースクリーン・フィルターを図11に示す。この例においては、第2のウオータースクリーン100が図1のウオータースクリーン20の上流側に配置されている。この上流のウオータースクリーンは、モジュラープラスチックコンベヤベルト又は金属ベルトなどの厚さ方向に開口104が貫通している孔が多くあけられているベルト102から構成されていて、前記開口は、下流のベルトに貫通の開口40よりも大きくあいている。ウオータースクリーン濾過システムの第1段階を構成する前記上流のベルトを用いて、大きくて、重い汚染物を水流から拾い上げ除去する。ウオータースクリーンが上り部分107が上方へ進むに連れ、上流のウオータースクリーンから外方へ突き出ている、汚染物を捕集する部材、この例では、複数のピン106の形態のものが汚染物108を水流から拾い上げる(簡略にするために、図11では、前記ベルトの一列にしかピンを示していないが、実際のシステムでは、もっと沢山のピンをつけたり、図示以外の汚染物捕集部材をもつことができる)。上流に貫通の開口は、大きなものであるから、水流の流れ46にさほど影響せず、小さな魚も打ち当てられてしまわずに通り抜けできるようになっている。前記フィルターの第2の段階におけるウオータースクリーンは、第1の段階で厳しく、損傷を与える衝撃から保護されて、図1について述べたように主として魚類の捕獲と小さな汚染物を水流から除去するためのものである。このように第1の段階で残滓などの汚染物は、除去されるから、下流側のウオータースクリーンに汚染物捕集部材を取り付ける必要がない。
【0023】
僅かな実施例で、この発明を詳細に記載したが、他の実施例も可能である。例えば、各フライトを個々に分けられたフライトにするよりも連続構造にし、多数のベルトモジュイールにかけわたすことができる。前記フライトは、ウレタンのような弾性をもつ耐久性があるマテリアルのような前記ベルトとは異なるマテリアルで作ることができる。別な実施例としては、フライトの形状や配置パターンを変えたり、リップ部分をつけたり、つけなかったりして種々の状況にあうようにすることができる。また別の実施例としては、水面又は水位上に流れを変えることができる。さらには、前記ウオータースクリーンを垂直にしないで、曲げることもできる。したがって、これらのいくつかの実施例は、示唆にすぎないから、この発明の範囲は、ここに詳細に記載の実施例に限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】山形パターンの魚掬い部を含む、この発明の特徴を組成するウオーター・スクリーン・システムの一部切断斜視図。
【図2A】図1のウオータースクリーンシステムの正面略図。
【図2B】図1のウオータースクリーンシステムの平面略図。
【図2C】図1のウオータースクリーンシステムの側面略図。
【図3】ウオーター・スクリーン・システムの別の例の図2Cと同様な側面略図であって、掬い部の近辺に流れを妨げる手段を有するもの。
【図4】図1のウオータースクリーンシステムにより魚を取り除く説明A,B,Cの正面図。
【図5】魚を一方向へ取り除くために傾斜したランプに配置の魚掬い部を含む図1におけるシステムに使用できる魚スクリーンの別の例による魚の取り除きの例A,B,Cを説明する正面図。
【図6】魚を双方向へ取り除くために逆U字状のパターンで配置の魚掬い部を含む図1におけるシステムに使用できる魚スクリーンの別の例による魚の取り除きの例A,B,Cを説明する正面図。
【図7】図1におけるようなシステムに使用可能な魚スクリーンにおいてモジュラープラスチックベルトの個々のモジュールにおける図5のA〜Cにおけるような掬い部セグメントの配置の斜視図。
【図8】図1におけるシステムに使用するための重なるように配置された魚スクリーン・モジュールにおける掬いセグメントの別の配置の略図。
【図9A】図5のA〜Cにおけるような魚スクリーンの一部の正面略図であって、汚染物を集めるフック類を含むもの.
【図9B】図9Aの魚スクリーンの断面図。
【図10】図1におけるようなシステムに合った魚スクリーンの側面略図。
【図11】図1におけるようなウオーター・スクリーンの上流側に第1のウオーター・スクリーンをもつ二段階ウオーター・スクリーン・システムの斜視図。
【符号の説明】
【0025】
20 ウオータースクリーン
22 上位スプロケット
23 下位スプロケット
24 駆動軸
25 遊び軸
26 スプロケットにおける歯
30 駆動モータ
34,35,36,34’,35’,36’ 横列ベルトモジュール
38 ヒンジピン
40 パーフォレーション又は開口
44 水流の面
50 複数のフライト
52 魚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成からなるウオータースクリーンシステム:
流れる水流の面の下方にある下位端部から前記水流の面の上にある上位端部にかけてエンドレスになっているループ状の多孔のベルトからなり、このベルトは、上り方向に流れる部分と下り方向に流れる部分とを含んでいるウオータースクリーン;
前記ベルトの上り流れ部分で魚を引き上げる手段を含む多孔のベルト;
前記水流の面において前記多孔のベルトの上り流れ部分の下流に配置されて、前記面における領域において水流の流れを阻止するダム。
【請求項2】
前記ダムが前記水流の面の上から前記水流の面の下に達している請求項1によるウオータースクリーンシステム。
【請求項3】
前記ダムが前記水流の面に浮いている請求項1によるウオータースクリーンシステム。
【請求項4】
魚を引き上げる手段が前記ベルトにおいて間隔をおいている多数のフライトからなり、各フライトは、上り流れ部分にあって前記ベルトの側縁において最高位置と最下位位置とにわたっている請求項1によるウオータースクリーンシステム。
【請求項5】
フライトの最高位置は、最下位位置からの前記ベルトの対向側縁にある請求項4によるウオータースクリーンシステム。
【請求項6】
フライトの最高位置は、前記ベルトのセンターラインに位置し、最下位位置は、前記ベルトの対向側縁にある請求項4によるウオータースクリーンシステム。
【請求項7】
前記フライトは、山形パターンになっている請求項4によるウオータースクリーンシステム。
【請求項8】
前記ベルトは、個々のベルトモジュールから構成のモジュラーベルトであり、これらモジュールのいくつかには、フライトセグメントが含まれ、各フライトは、前記ベルトの幅方向にわたり隣接するフライトセグメントが垂直方向に重なり合って形成されている請求項4によるウオータースクリーンシステム。
【請求項9】
前記ベルトは、個々のベルトモジュールから構成のモジュラーベルトであり、これらモジュールのいくつかには、フライトセグメントが含まれ、各フライトは、前記ベルトの幅方向にわたり隣接するフライトセグメント形成されている請求項4によるウオータースクリーンシステム。
【請求項10】
各フライトは、前記ベルトの面から垂直に突き出ている請求項4によるウオータースクリーンシステム。
【請求項11】
各フライトは、前記フライトの縁部から立ち上がっているリップを含んで、このフライトにより掬い部を形成している請求項4によるウオータースクリーンシステム。
【請求項12】
前記水流の横に分水部を備え、縁における側壁で前記水流の面の上を仕切り、魚を引き上げた手段が魚を前記水流から前記分水部へ移すようになっている請求1によるウオータースクリーンシステム。
【請求項13】
汚染物捕集部材が前記ベルトの外方へのびている請求1によるウオータースクリーンシステム。
【請求項14】
別のウオータースクリーンの上流側に配置の第2のウオータースクリーンで二段階フィルターを構成する請求項1によるウオータースクリーンシステム。
【請求項15】
前記第2のウオータースクリーンは、多孔のベルトを含み、このベルトは、下流側のウオータースクリーンにおける多孔のベルトを貫通する開口よりも大きく貫通している請求項14によるウオータースクリーンシステム。
【請求項16】
前記汚染物捕集部材が前記第2のウオータースクリーンから外方へのびている請求項14によるウオータースクリーンシステム。
【請求項17】
以下の構成からなるウオータースクリーンシステム:
流れる水流の面の下方にある下位端部から前記水流の面の上にある上位端部にかけてエンドレスになっているループ状の多孔のベルトからなり、このベルトは、上り方向に流れる部分と下り方向に流れる部分とを含んでいる進行するウオータースクリーン;
前記ベルトの幅方向にわたり前記外面に複数のフライトを含む多孔のベルト;
前記ベルトループの上り流れ部分における前記フライトが最高位置から前記ベルトの一方の側縁にある最下位位置へ向け傾斜しているようになっている構成。
【請求項18】
上り流れ部分の前記フライトが第1の側縁にある最高位置から第2の側縁にある最下位位置へ達している請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項19】
上り流れ部分の前記フライトが第1と第2の側縁の中間にある最高位置から前記第1と第2の側縁にある最下位位置へのびている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項20】
前記フライトが山形パターンになっている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項21】
前記上り流れ部分のフライトが逆U字状又は逆V状になっている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項22】
前記フライトが前記ベルトの外面から垂直にのびている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項23】
各フライトは、前記フライトの縁部から立ち上がっているリップを含んで、このフライトにより掬い部を形成している請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項24】
汚染物捕集部材が前記ベルトの外面から外へのびている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項25】
多孔のベルトは、モジュラーベルトであって、ヒンジ連結されているベルトモジュールの複数の列のものを含み、各フライトが個々のベルトの列の幅方向にのびている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項26】
多孔のベルトは、モジュラーベルトであって、ヒンジ連結されているベルトモジュールの複数の列のものを含み、各フライトが隣り合うモジュールに設けられた複数のフライトセグメントで作れられている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項27】
多孔のベルトは、モジュラーベルトであって、ヒンジ連結されているベルトモジュールの複数の列のものを含み、これらいくつかのモジュールは、フライトの一部を構成するフライトセグメントを含む請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項28】
複数のフライトセグメントを含む複数のベルトモジュール一方の端部が閉止されていて、前記モジュールから水流が流出しないようになっている請求項27によるウオータースクリーンシステム。
【請求項29】
前記ベルトと共に動くダムをさらにもつ請求項27によるウオータースクリーンシステム。
【請求項30】
上方へ動く上り流れ部分にそって前記ベルトの横手にトラフを備え、前記フライトの最下位の位置で前記フライトから魚を受けるようになっている請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項31】
前記水流の面において前記多孔のベルトの上り流れ部分の下流に配置のダムを備え、これで前記面の領域で水流の流れをとめる請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項32】
第2のウオータースクリーンが他方のウオータースクリーンの上流側に配置され、二段階のフィルターを形成している請求項17によるウオータースクリーンシステム。
【請求項33】
前記第2のウオータースクリーンは、厚さ方向に貫通している複数の開口をもつ多孔のベルトを含み、前記開口は、下流側のウオータースクリーンの厚さ方向に貫通の開口よりも大きなものである請求項32によるウオータースクリーンシステム。
【請求項34】
汚染物捕集部材が前記第2のウオータースクリーンから外方へ突き出ている請求項32によるウオータースクリーンシステム。
【請求項35】
水流から魚と汚染物を引き上げるウオータースクリーンシステムにおけるウオータースクリーンとして使用のベルトであって、このベルトは、以下の構成からなるもの:
一つ又は複数のベルトモジュールの一連の列であって、各列は、ベルト進行方向においては、第1の端部から第2の端部にわたり、横幅方向においては、1の縁部から第2の縁部にわたり、厚さ方向においては、第1の面から 第2の面にわたってのびているもの;
連続する列を端部と端部でヒンジ連結し、無端ベルトにする複数のヒンジピン;
第1の面から第2の面へ通じていて、水流が前記モジュールを流れ通る複数の開口を形成している少なくともいくつかのモジュール;
前記第1の面から出ている複数のフライトセグメントを含む少なくとも一つモジュール;
以上の構成において、フライトセグメントをもつモジュールは、隣接してフライトを作り、各フライトは、前記ベルトの幅方向におよび、ベルト進行方向において後尾部に対する先頭部をもち;
以上の構成において、前記後尾部は、前記ベルトの第1の縁部と第2の縁部の少なくとも一つに配置されているものである。
【請求項36】
前記フライトセグメントは、前記ベルトの第1の側縁から斜めにのびている請求項35によるベルト。
【請求項37】
前記フライトセグメントは、該フライトセグメントの端部にリップを含み、これでフライトセグメントを杓子にする請求項35によるベルト。
【請求項38】
選ばれたベルトの列における各モジュールは、フライトセグメントを含み、これは同じ列における他のフライトセグメントと共に前記列の幅方向にわたる独立したフライトを形成する請求項35によるベルト。
【請求項39】
各フライトの先頭部は、前記ベルトでの後尾部に対向する縁部にある請求項35によるベルト。
【請求項40】
各フライトの先頭部は、前記ベルトの第1と第2の縁部の間の中間にある請求項35によるベルト。
【請求項41】
前記複数のフライトは、山形パターンになっている請求項35によるベルト。
【請求項42】
各フライトは、ベルト列を対角線で横切るようになっている請求項35によるベルト。
【請求項43】
各フライトは、逆V字状になっているか、又は、逆U字状になっているもので、U又はVの頂点が後尾にある請求項35によるベルト。
【請求項44】
前記モジュールの複数のフライトセグメントが前記第1の側から第2の側にかけて開口をもたない請求項35によるベルト。
【請求項45】
水流から魚と汚染物を引き上げるウオータースクリーンシステムにおけるウオータースクリーンとして使用のベルトであって、このベルトは、以下の構成からなるもの:
一つ又は複数のベルトモジュールの一連の列であって、各列は、ベルト進行方向においては、第1の端部から第2の端部にわたり、横幅方向においては、1の縁部から第2の縁部にわたり、厚さ方向においては、第1の面から第2の面にわたってのびているもの;
連続する列を端部と端部でヒンジ連結し、無端ベルトにする複数のヒンジピン;
第1の面から第2の面へ通じていて、水流が前記モジュールを流れ通る複数の開口を形成している少なくともいくつかのモジュール;
前記ベルトの幅方向にわたっていて、各フライトは、前記ベルトの幅方向におよび、ベルト進行方向において後尾部に対する先頭部をもつ複数のフライト;
以上の構成において、前記後尾部は、前記ベルトの第1の縁部と第2の縁部の少なくとも一つに配置されているものである。
【請求項46】
前記フライトセグメントは、前記ベルトの第1の側縁から斜めにのびている請求項45によるベルト。
【請求項47】
前記フライトセグメントは、該フライトセグメントの端部にリップを含み、これでフライトセグメントを杓子にする請求項45によるベルト。
【請求項48】
各フライトの先頭部は、前記ベルトでの後尾部に対向する縁部にある請求項45によるベルト。
【請求項49】
各フライトの先頭部は、前記ベルトの第1と第2の縁部の間の中間にある請求項45によるベルト。
【請求項50】
前記複数のフライトは、山形パターンになっている請求項45によるベルト。
【請求項51】
各フライトは、ベルト列を対角線で横切るようになっている請求項45によるベルト。
【請求項52】
各フライトは、逆V字状になっているか、又は、逆U字状になっているもので、U又はVの頂点が後尾にある請求項45によるベルト。
【請求項53】
各フライトは、隣り合うベルトモジュールのフライトセグメントから作られている請求項45によるベルト。
【請求項54】
各フライトは、前記ベルトに取り付けられた連続のフライトである請求項45によるベルト。
【請求項55】
各フライトは、ウレタン素材で作られている請求項54によるベルト。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−57445(P2006−57445A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−231634(P2005−231634)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(591050693)レイトラム リミテッド ライアビリティー カンパニー (7)