説明

ウシの繁殖疾患を防止する方法

本発明は、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)1および2型、ウシヘルペスウイルス1型(BHV-1)、ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV3)、Campylobacter fetus、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira hardjo-bovisおよびLeptospira pomonaによる感染によって引き起こされる妊娠牝牛および哺乳中の妊娠牝牛における疾患または障害を処置または予防する方法において、安全な変性生混合ワクチンの有効量を、更に多価バクテリンワクチンと組み合わせて動物に投与する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)1および2型、ウシヘルペスウイルス1型(BHV-1)、ウシ呼吸器性シンシチアルウイルス(BRSV)、パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、Campylobacter fetus、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、ならびにLeptospira interrogans pomonaによる感染によって起こされる流産のような疾患または障害を防止するため、動物に有効量の混合ワクチンを投与することからなる妊娠牝牛ならびに自然哺乳妊娠牝牛を安全にワクチン接種する方法に関する。本発明の方法では、全部または一部の細胞が不活性化および/または変性生製剤とすることができる混合ワクチンを使用する。
【背景技術】
【0002】
ウシ呼吸器疾患(BRD)複合症に関連するウイルス性外的病因因子は5種類が知られている。すなわちウシヘルペスウイルス1型(BHV-1、感染性ウシ鼻気管支炎ウイルス(IBRV)としても知られている)、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)1および2型、ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)およびパラインフルエンザウイルス3型(PIV3)であり、これらは呼吸器および繁殖系の感染を起こし、牛肉および酪農産業に対して世界的な規模での大きな経済的重要性を有する。BRDは呼吸器疾患および流産の急性発症を含む広範な一連の臨床的症候群を引き起こす。呼吸器型のBRDは、気道の炎症、腫脹、出血および粘膜の壊死を特徴とし、高熱、食欲不振、うつ状態、鼻涎、呼吸困難および鼻の炎症を伴うことがある。IBRDおよびBVDVウイルスによって誘発される流産は妊娠三半期のすべてで起こるが、主として妊娠の最後の二半期に見られ、多くの場合、他の臨床的微候の所見はない(Ellisら, 1996 JAVMA 208: 393-400; Ellsworthら, 1994 In the Proceedings, 74th, Conference of Research Workers in Animal Disease: 34)。
【0003】
ウシヘルペスウイルス1型(BHV-1)は、αヘルペスウイルスのサブファミリーのメンバーであり、ウシに様々な臨床型の疾患、たとえば呼吸器および生殖器感染、結膜炎、脳炎、および流産を生じる。BHV-1感染を制御するこれまでの試みは、生存弱毒化ウイルス(Gerber D. V. ら, 1978, Am. J. Vet Res. 39: 753-760; Mitchell D. 1974, Can. Vet. Jour. 15: 148-151)、不活性化ウイルス(Frerichs G. N. ら, 1982, Vet. Rec. 111: 116-122)、およびウイルスサブユニット、たとえば本技術分野ではgI, gIIIおよびgIV(Babulk L. ら, 1987 Virology 159: 57-66; Van Drunen A. ら, 1993, Vaccine 11: 22-35)と呼ばれている3種の主要なBHV-1糖蛋白質の一つからなるワクチンが利用されていた。さらに、BHV-1 gIVの組換え、短小化バージョン(当該技術分野ではBHV-1 tgIVと命名されている)のBHV-1に対する粘膜免疫を誘導する能力が証明されている(Van Drunen S. ら, 1994, Vaccine, 12: 1295- 1302)。しかしながら、本技術分野で認められている変性生BHV-1ワクチンは妊娠している家畜、血清陽性または血清陰性への使用は禁忌とされていて、また自然哺乳妊娠牝牛への使用も禁忌とされている。
【0004】
BVDV1および2型は様々な臨床症状に関連している。研究によりこれらのウイルスは重篤な一次的呼吸器疾患を引き起こすことが確立されている。持続的な感染を受けた(PI)家畜は感染を受けやすい子牛の主要な感染源である。BVDVは白色細胞の貯蔵部に感染し、免疫系に深刻かつ広範なベースの欠陥を生じる(Ellisら, 1996, JAVMA 208: 393-400; Baumら, 1993, Compendum Collection: Infectious Disease in Food Animal Practice. Trenton, NJ Veterinary Learning System: 113-121; Meylingら, 1987, Agric Pestvirus infect Rumin 225-231)。妊娠した家畜は、とくに妊娠第一三半期に感染した場合には、流産またはミイラ化を生じることがある(Bolinら, 1989, Am. J. Vet Res 52: 1033-1037)。ウシウイルス性下痢症(BVD)は、しばしば他の致命的症状発現である粘膜疾患を非細胞変性BVDVバイオタイプによる早期の胎児の感染、そのウイルスに対する免疫耐性の発生、持続性感染(PI)を有する子牛の出生、およびそれらに続く細胞変性BVDVバイオタイプによる重感染を生じる(Bolinら, 1989, Am. J. Vet Res 52: 1033-1037)。BVDV2型は、かっては主として、大部分が酪農の群れの中に、出血性のBVDV単離株として認められていたが、最近では合衆国の大部分の地域でBVDVに関連する流産および呼吸器疾患の両症例から単離される主な株になっている(Van Oirschtら, 1999, Vet Micro 64: 169-183)。
【0005】
BVDVは、ペスチウイルス属およびフラビウイルス科に分類される。それは、ヒツジのボーダー病および旧来のブタコレラに極めて近似する。感染した家畜は、高熱、下痢、咳および消化管粘膜の潰瘍を特徴とする「粘膜疾患」を示す(Olafsonら, Cornell Vet. 36: 205-213, 1946; Ramseyら, North Am. Vet. 34:629-633, 1953)。BVDウイルスは妊娠した家畜の胎盤の通過が可能で、PI子牛の出生を生じることがある(Malmquist, J. Am. Vet. Med. Assoc. 152: 763-768, 1968; Rossら, J. Am. Vet. Med. Assoc. 188: 618-619, 1986)。これらの子牛はこのウイルスに対して免疫寛容性であり、残りの生涯を通じてウイルス血症が持続する。それは粘膜疾患の大発生の原因となる可能性があり(Liessら, Dtsch. Tieraerztl. Wschr. 81: 481-487, 1974)、肺もしくは腸疾患のような疾患を起こす微生物の感染を極めて受けやすくなる(Barberら, Vet. Rec. 117: 459-464, 1985)。
【0006】
培養細胞中でのBVDVウイルス生育研究によれば、ウイルスは2種のバイオタイプに分類される。すなわち感染細胞中で細胞障害作用を誘導する(cp)ウイルスと細胞障害作用を誘導しない(ncp)ウイルスの2種のウイルスバイオタイプである(Leeら, Am. J. Vet. Res. 18: 952-953; Gillespleら, Cornell Vet. 50: 73-79, 1960)。Cp変異体はncpウイルスで前感染されたPI動物から生じることができる(Howardら, Vet. Microbiol. 13: 361-369, 1987; Corapiら, J. Virol. 62: 2823-2827, 1988)。5'-非翻訳領域(NTR)における遺伝子の相違およびBVDウイルスのビリオン表面糖蛋白質E2における抗原性の差に基づいて、2種の主要なゲノタイプ:タイプ1および2が提案されている。BVD1型は、通常、免疫応答性動物に緩和な下痢のみを生じる古典的または旧来のウイルス株であるが、一方、BVDV2型は毒性が高く、血小板減少症、出血性および急性の致死的疾患を生じることがある偶発的に進化したウイルスである(Corapiら, J. Virol. 63: 3934-3943; Bolinら, Am. J. Vet. Res. 53: 2157-2163; Pellerinら, Virology 205: 66-74, 1994; Carmanら, J. Vet. Diagn. Invest. 10: 27-35, 1988)。1および2型BVDVウイルスは、モノクローナル抗体(Mab)のパネルにより、また動物で得られるウイルス特異的抗血清を用いる交差中和により決定される異なる抗原性を有する(Corapiら, J. Virol. 63: 3934-3943, 1990)。ウイルスのいずれのゲノタイプも2つのバイオタイプ、cpまたはncpウイルスの一つとして存在できる。
【0007】
BVDウイルスに感染した動物の研究からBVDウイルスは動物にB-細胞およびT-細胞応答の両者を誘導することが示唆されている(Donisら, Virology 158: 168-173, 1987; Larssonら, Vet. Microbiol. 31: 317-325, 1992; Howardら, Vet. Immunol. Immunopathol. 32: 303-314, 1992; Lambotら, J. Gen. Virol. 78: 1041-1047, 1997; Beerら, Vet. Microbiology 58: 9-22, 1997)。
【0008】
化学的に不活性化されたBVDウイルス単離体を用いて、多くのBVDワクチンが開発されてきた(Femeillusら, Am. J. Vet. Res. 33: 1421-1431, 1972; Kolarら, Am. J. Vet. Res. 33: 1415-1420, 1972; McClurkinら, Arcj. Virol. 58: 119, 1978)。不活性化ウイルスワクチンでは、一次免疫を達成するために多重用量が要求される。一部の不活性化BVDVワクチンでは1型BVDVによる感染の場合にしか保護されない(Beerら, Vet. Microbiology 77: 195-208, 2000)。不活性化BVDVワクチンでは、免疫持続期間が短く、また非効率的な交差タイプの保護のために、胎児の保護は達成されない(Bolin, Vet. Clin. North Am. Food Anim. Pract. 11: 615-625, 1995)。
【0009】
他方変性生ウイルス(MLV)ワクチンは、より高レベルの保護を提供する。現在、ライセンスされているBVDV MLVワクチンは培養細胞中での反復継代を経て得られる弱毒化ウイルスを用いて(Cogginsら, Cornell Vet. 51: 539-, 1961; Phillipsら, Am. J. Vet. Res. 36: 135-, 1975)または温度感受性の表現型を示す化学的に変性されたウイルスを用いて(Lobmannら, Am. J. Vet. Res. 45: 2498-, 47: 557-561, 1986)製造されている。1回用量のMLVワクチンは免疫処置に十分な量であり、免疫はワクチン接種された家畜に数年間持続される。しかしながら、これらのワクチンは1型BVDVウイルス株を使用して開発されていて、最大の保護は1型ウイルスに対するものである。しかも入手できる変性された生BVDVワクチンは妊娠している家畜もしくは自然哺乳している妊娠牝牛への使用は禁忌である。
【0010】
PIV3ウイルスは、それ単独が作用した場合は緩和な疾患を生じるのみであるが、このウイルスは、さらに病原性の強い生物たとえばIBRVウイルス、BRSVウイルスおよびBVDVによる気道への二次感染を受けやすく、その結果、古典的船積病熱症候群を生じる。家畜に呼吸器疾患を生じることが知られている様々なウイルスの中で、PIV3ウイルスが最も広く蔓延している(Ellisら, 1996, JAVMA 208: 393-400)。
【0011】
BRSVは気道下部を好み、感染の重症度は主に、ウイルスの鍵蛋白質に対する免疫系の応答によって決定される(Bolinら, 1990, Am J Vet Res 51: 703)。罹患した家畜は、一般に非特異的な兆候たとえば漿液状の鼻涎および涙涎、緩和な、多くの場合、二相性の発熱、乾いた空咳を示す。さらに重篤に感染した家畜では酷い咳を発症し、息切れ、口を開いた呼吸および口の周囲に泡だった唾液が見られ、飼料および飲み水を全く摂らないことがある((Ellisら, 1996, JAVMA 208: 393-400)。
【0012】
レプトスピラ属のスピロヘータによって引き起こされるレプトスピラ症は経済的に重要な家畜の動物原性感染症である。Leptospira borgpetersenii serovar hardjo(L. hardjo)ならびにLeptospira interrogans serovar pomona(L. pomona)は、世界的に家畜のレプトピラス症に伴う最も通常の亜血清型である。合衆国でのウシのある調査によれば、29%が血清学的にL. hardjoと反応し、23%がL. pomonaと反応した。レプトスピラは粘膜または破断した皮膚を経て体内に侵入し、血液を介して撒き散らされる。それらは腎臓および生殖器官に向性を示し、眼のガラス体滲出液および中枢神経系には共通してあまり親和性を示さない。感染の最も通常の経路は感染した尿、乳汁または胎盤液との直接または間接的接触であるが、性交および経卵伝達も知られている。ウシのレプトスピラ感染は急性の発熱、乳汁分泌欠如、流産、早産、または成熟前および弱い感染子牛の出生を生じ、これが繁殖の失敗および妊娠率の低下に寄与する。感染は抗生物質により処置できるが、授乳または妊娠中の牝牛には不適当である。このような家畜では、急性または慢性の腎臓感染が確立され、毒性の強い生物の尿中への放出を生じ、他の動物またはそれらの取扱者の感染を招くことがある。レプトスピラに対する免疫は血清型亜型特異的であり、何年も前からワクチンに利用されているものの、大部分は貧弱で持続時間の短い免疫を誘導するのみである。
【0013】
したがって、妊娠したウシを安全にワクチン接種し、ワクチン接種後は、妊娠したウシから授乳中の子牛への極めて多様な抗原の伝染を防御する方法が必要である。また、動物たとえば牝牛および子牛の呼吸器および繁殖疾患の主要な感染原因の処置および予防の必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明はBVDV1型または2型、BHV-1、PIV3、BRSV、Campylobacter fetus、Leptospira
canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、ならびにLeptospira interrogans pomonaの少なくとも1種による感染によって動物に引き起こされる疾患または障害を処置または防止する方法において、その動物に有効量の混合ワクチンを投与することからなる方法を提供する。
【0015】
本発明の方法は、ウシのような動物の全身感染および増殖疾患に対する保護を提供する。本方法は、妊娠した牝牛のような妊娠動物の、BHV-1(IBRV)およびBVDVにより引き起こされる流産からの保護、ならびにBVDV1および2型によって引き起こされる胎児の持続的感染からの保護を提供する。本方法はまた、泌乳中の牝牛および自然哺乳中の牝牛のような動物の、BVDV1および2型によって引き起こされる感染からの保護を提供する。本発明の方法はまた、繁殖適齢期の動物、妊娠動物および泌乳中の動物を保護する方法を提供する。したがって本方法は繁殖前および妊娠中の動物に対する保護を提供する。本発明の方法はさらに、IBRV、BVDV、PIV3、BRSV、Campylobacter fetusおよび/またはLeptospiraeにより引き起こされる感染または疾患に対する毎年のワクチン接種歴をもつ動物の保護を提供する。
【0016】
本方法に用いられる混合ワクチンは、全または部分的細胞プレパレーションおよび/または変性生ワクチンとすることができる。本発明によって投与される1価または混合ワクチンには、付加的な成分たとえば、アジュバントおよび任意に第二のもしくはそれ以上の抗原を包含させることができる。第二の抗原は以下の群、それらに限定されるものではないが、ウシヘルペスウイルス1型(BHV-1)、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV1または2型)、ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、Leptospira canicola、Leptospira borgpetersenii hardjo- prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira interrogans pomona、 Leptospira bratisalva、およびCampylobacter fetusから選択される。
【0017】
本発明は、動物に有効量の混合ワクチンを投与することにより、IBRV、BVDV、PIV3、BRSV、Campylobacter fetusおよび/またはLeptospiraeの感染により引き起こされる動物における疾患または障害を処置または予防する方法を提供する。一実施態様においては、本発明は、IBRV、BVDV、PIV3、BRSV、Campylobacter fetusおよび/またはLeptospiraeの感染によって引き起こされる流産のような全身疾患または障害を予防するため、妊娠している牝牛および自然哺乳している妊娠牝牛をワクチン接種する方法を提供する。
【0018】
本発明の方法に使用されるワクチンは、一部の実施態様では、変性生ワクチンおよび獣医薬的に許容される担体または変性されたワクチンおよびアジュバントからなる。
【0019】
本発明を限定するものではないが、その開示を明確にするため、本発明の詳細な記述では本発明を次のサブセクションに分けて、それらの特徴、実施態様または適用を例示または記述する。
【0020】
定義および略号
疾患または障害に関して本明細書で用いられる「処置」または「予防」の語は、毒性のあるBVDV1および2型、IBRV、PIV3、BRSV、Campylobacter fetusおよび/またはLeptospirae抗原による感染のリスクを軽減または除去し、感染の症状を改善または減弱し、感染からの回復を促進することを意味する。ウイルスもしくは細菌の負荷が低下し、肺感染の減少、直腸温度の低下および/または飼料の摂取および/または成長の増加が見られれば、処置は治療と考えることができる。また、たとえばLeptospira serovars hardjoおよび pomonaの感染による胎児の感染および尿の飛散が低下すれば、治療は処置とも考えられる。「感染」の語は、それらに限定されるものではないが、直腸温度の上昇、飼料の摂取および/または成長の低下を含む症状の全身的症状発現を意味する。感染はまた、呼吸器、腸、肺および繁殖系サブタイプを包含するものと理解される。
【0021】
本発明の方法はたとえばIBRVによって起こされる流産の予防または軽減、およびBVDV1および2型によって引き起こされる感染ならびに直腸温度の低下に有効である。したがって、本発明はBHV-1(IBRV)およびBVDV1および2型によって引き起こされる感染に対する胎児の保護ならびにウシヘルペスおよびウシペスチウイルスに対する胎児の保護を提供する意図である。本発明はまた、持続的な胎児感染たとえば持続的なBVDV感染に対する保護を提供する。「持続的胎児感染」の語は、初期の胎児の発育時(たとえば妊娠45〜125
日)に起こる感染を意味し、それはBVDVに免疫耐性であり、多くの場合、何カ月も何年も、高率に起こる活性なBVDVの複製および増殖を維持する動物の生存する出生を招き、これが群れにおいて持続的なBVDVの感染源となる。これらの持続的に感染した動物はまた細胞障害性ウイルスバイオタイプの重感染を受けると、致命的な粘膜疾患を発症するリスクがある。
【0022】
「混合ワクチン」の語は、変性生抗原を含む2価または多価の抗原の組み合わせを意味する。本発明では、混合ワクチンは変性生感染性IBRV、PIV3、BRSVならびにBVDV1および2型、および1または2種以上の抗原、それらに限定されるものではないが、たとえばLeptospira canicola、Leptospira grippotyphosa, Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira interrogans pomona、Leptospira bratisalvaおよびCampylobacter fetus、各種の動物医薬として許容される担体およびアジュバントから構成させることができる。一実施態様においては、変性生存IBRV成分は熱感受性IBRVVではない。好ましい実施態様においては、BVDV1型成分は細胞障害性成分である(cp BVD-1株 NADL-National Animal Disease Center, US, Dep. of Agriculture, Ames, Iowa)。他の好ましい実施態様においては、BVDV2型成分は変性生細胞障害性成分である(cp BVD-2株53637, ATCC No. PTA-4859)。他の好ましい実施態様においては、変性生抗原は乾燥、凍結乾燥またはガラス化成分である。
【0023】
本発明によれば、混合ワクチンは、変性生BHV-1、BVDV1および2型、1または2以上
の抗原、それらに限定されるものではないが、たとえばBRSV、PIV3、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa, Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira interrogans pomona、Leptospira bratisalvaおよびCampylobacter fetus、各種の許容される担体および任意のアジュバントから構成することができる。本明細書で用いられる「混合ワクチン」の語はまた、少なくとも1種の変性生抗原、少なくとも1種の二次抗原およびアジュバント(アジュバントは任意である)を含む多成分組成物であり、感染リスクの防止または軽減、および/または感染症状の緩和に有効である。好ましい実施態様においては、混合ワクチンの原料はBovi-Shiedr RFPTM4 +VL5またはBovi-Shiedr RFPTM5(Pfizer, Inc.)である。
【0024】
混合ワクチン組成物の病原に対する防御効果は通常、対象に細胞性免疫応答もしくは体液性免疫応答のいずれかまたは両者を誘導することにより達成される。一般的に言えば、BVDV、IBRVおよび/またはPIV3 感染の発症を停止または低下させ、症状を改善させるか
、または感染対象からのウイルスの消失を促進することは、混合ワクチン組成物の保護作用を指示する。本発明の方法は、BVDの1および2型ウイルスのいずれかまたは両者により引き起こされる感染ならびにBHV-1(IBRV)により引き起こされる感染または流産、ならびにPIV3およびBRSVによって起こされる呼吸器感染に対する防御を提供する。
【0025】
動物に、IBRV、BVDV、PIV3 、BRSV、Campylobacter fetusおよび/またはLeptospirae
感染によって引き起こされる疾患または障害を混合ワクチンの投与により処置または予防する方法はまた、本明細書ではワクチン接種法と呼ぶ。
【0026】
本発明の方法に使用される「混合ワクチン」の語には、たとえば不活性化、全または部分C. fetusおよび/またはLeptospira細胞プレパレーション、変性生BVDV1および2型、および/または1もしくは2種以上の変性生抗原たとえばBHV-1、PIV3および/またはBRSVを包含させることができる。
【0027】
一実施態様においては、本発明のワクチン組成物には上述のBVDVウイルス、好ましくはcp BVD-1株 NADL(cpBVD-1株NADL-National Animal Disease Center, United States, Department. of Agriculture, Ames, Iowa);cpBVD-2株53637(ATCC No. PTA-4859)、IBRV株C-13(Cutter Laboratories);PIV3 株Reisinger(Univ. Nebraska);BRSV株375(Veterinary Medical Research Institute, Ames, Iowa)が包含される。精製BVDVウイルスはそのままワクチン組成物中に使用可能であり、好ましくはBVDウイルスはインビトロにおける一連の継代によりさらに変性される。通常、ワクチンは約1×102〜約1×1010のプラーク形成単位またはTCID50単位のウイルス、獣医薬用として許容される担体および任意のアジュバントを、0.1〜5 mL、好ましくは約2 mLの容量中に含有する。保護効果を提供するための、ワクチン組成物中におけるウイルスの正確な量は熟練した獣医師により決定される。ワクチン組成物中での使用に適当な獣医薬に許容される担体は以下に記述する任意の担体とすることができる。
【0028】
他の実施態様においては、本発明のワクチン組成物には、1または2種以上の上記BHV-1(IBRV)ウイルス、好ましくはIBRV株C-13(Cutter Laboratories)の有効量を含有し、通常、ワクチンは約1×102〜約1×1010のプラークまたはコロニー形成単位のウイルスならびに獣医薬用として許容される担体およびアジュバントを0.1〜5 mL、好ましくは約2mLの容量中に含有する。ワクチン組成物中におけるウイルスの正確な量は熟練した獣医師により決定される。ワクチン組成物中における使用に適した獣医薬として許容される担体は、以下に記述する任意の担体である。投与の通常の経路は約0.1〜5mLのワクチンの筋肉内または皮下注射である。本発明のワクチン組成物にはまた、付加的な活性成分たとえばBVDVに対する他のワクチン組成物を包含させることも可能であり、それらにはWO 95/12682, WO 99/55366, 米国特許No.6,060,457, 米国特許No.6,016,795, 米国特許No.6,001,613および米国特許No.5,593,873に記載のワクチン組成物が包含される。
【0029】
ワクチン接種は、単回接種または多重接種により達成することができる。所望により、接種動物からの血清を集め、BVDウイルスまたはIBRVウイルスに対する抗体の存在について試験することができる。
【0030】
本発明の他の実施態様においては、ワクチン組成物はBVDV感染の処置に使用される。したがって、本発明は、BVDウイルス1型もしくは2型、または1型および2型の組み合わせによって引き起こされる動物対象の感染を、動物に、本発明のBVDウイルスの治療的有効量を投与することにより処置する方法を提供する。他の実施態様においては、本発明のワクチン組成物は、家畜の群れの妊娠率を改善させるためおよび家畜からヒトの取扱者への疾患の伝染のリスクを低下させるために有効である。
【0031】
「動物対象体」の語は、BVDV、BHV、PIV3、BRSVまたはLeptospira感染を受けやすい任意の動物たとえばウシ、ヒツジおよびブタを包含する。一実施態様においては、動物対象体は牝牛、子牛または未経産牛である。好ましい実施態様においては、動物対象体は泌牛である。他の好ましい実施態様においては、動物対象体は繁殖適齢期の牝牛、妊娠している牝牛および自然哺乳中の牝牛である。
【0032】
本発明の実施に際しては、本発明のワクチン組成物は家畜に好ましくは筋肉内または皮下経路で投与されるが、他の投与経路、たとえば経口、鼻内(たとえばエアゾルまたは注射針を用いない他の投与)、リンパ節内、皮内、腹腔内、直腸内もしくは膣内投与、またはそれらの組み合わせも使用できる。動物の頚部領域への筋肉内投与が好ましい。至適な免疫化を提供するためには、ブースター投与計画が要求され、そして投与計画を調節することができる。
【0033】
「免疫抗原性」の語は、1型もしくは2型BVDウイルスに対してまたは1型および2型BVDウイルスに対して、動物に免疫応答を誘発するBVDウイルスの能力を意味する。免疫応答は一次的に細胞障害性T-細胞により仲介される細胞性免疫応答または一次的にヘルパーT-細胞により仲介され、ついで抗体の産生を導くB-細胞を活性化する体液性免疫応答がある。
【0034】
本発明によれば、ウイルスは免疫抗原性組成物中に使用する前に細胞培養中での一連の継代によって弱毒化することが好ましい。変性方法は本技術分野の熟練者には周知の通りである。
【0035】
本発明の方法における免疫抗原性組成物中に包含される好ましいウイルスは、BVDV cpBVDV NADL(1型)である。本発明の免疫抗原性組成物中に包含される他の好ましいウイルスは、cp53637(ATCC No. PTA-4859)である。本発明の免疫抗原性組成物中に包含されるさらに好ましいウイルスはIBRV株C-13である。本発明の免疫抗原性組成物中に包含される他の好ましいウイルスはPIV3株Reisingerである。本発明の免疫抗原性組成物に包含されるなおさらに好ましいウイルスはBRSV株375である。
【0036】
本発明の方法に使用される免疫抗原性組成物にはまた、付加的な活性成分、たとえば係属中の出願番号08/107,908、WO 95/12682、WO 99/55366、米国特許No.6,060,457、米国特許No.6,015,795、米国特許No.6,001,613および米国特許No.5,593,873に記載されたBVDVに対する他の免疫抗原性組成物を包含することができる。
【0037】
さらに、本発明に用いられる免疫抗原性およびワクチン組成物には1または2種以上の獣医薬として許容される担体を含有させることができる。ここで使用される「獣医薬として許容される担体」は任意のすべての溶媒、分散媒、コーティング、アジュバント、安定化剤、希釈剤、防腐剤、抗菌剤および抗黴剤、等張化剤、吸収遅延剤等を包含する。希釈剤には、水、食塩水、デキストロース、エタノール、グリセロール等が包含される。等張化剤には、とくに塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトールおよびラクトースが包含される。安定化剤にはとくにアルブミンが包含される。アジュバントには、それらに限定されるものではないが、RIBIアジュバントシステム(Ribi Inc)、明礬、水酸化アルミニウムゲル、コレステロール、油中水型乳剤、水中油型乳剤、たとえばフロイントの完全および不完全アジュバント、ブロックコポリマー(CyRx, Atlanta GA)、SAF-M(Chiron, Emeryville, CA)、AMPHIGEN Rアジュバント、サポニン、Quil A, QS-21(Cambridge Biotech Inc., Cambridge MA)、GPI-0100(Galenica Pharmaceuticals, Inc., Birmingham, AL)または他のサポニン分画、モノホスホリルリピドA、アビジンリピド-アミドアジュバント、大腸菌からの熱不安定性エンテロトキシン(組換えまたは他の)、コレラトキシン、またはムラミルジペプチド等が包含される。免疫抗原性組成物にはさらに、たとえば、インターロイキン、インターフェロンまたは他のサイトカインのような免疫調節剤1または2種以上を含有させることもできる。本発明の方法に使用される免疫抗原性組成物には、また、ゲンタマイシンおよび Merthiolate を包含させることができる。本発明との関連で有用なアジュバントおよび添加物の量および濃度は本技術分野の熟練者により容易に決定されるが、本発明は約50μg〜約2000μgのアジュバントからなり、約500μg/2 mL用量のワクチン組成物からなることが意図される。他の好ましい実施態様においては、本発明は、約1μg/mL〜約60μg/mLの抗生物質、さらに好ましくは約30μg未満の抗生物質からなるワクチン組成物を意図するものである。
【0038】
本発明の方法に使用される免疫抗原性組成物は、その投与経路に応じて様々な形態に作成することができる。たとえば、免疫抗原性組成物は注射としての使用に適した滅菌水性溶液もしくは分散液の形態に調製されるか、または凍結乾燥技術を用いて凍結乾燥された形態に調製される。凍結乾燥された免疫抗原性組成物は通常、約4℃に維持され、安定化溶液たとえば食塩水またはHEPES中にアジュバントを用いまたは用いないで再構築される。
【0039】
本発明の免疫抗原性組成物は、1型もしくは2型BVDウイルスまたは1型および2型BVDウイルスの両者に対する免疫応答を誘発するために、動物対象体に投与することができる。したがって本発明の他の実施態様では、上述の本発明の免疫抗原性組成物の有効量を動物に投与することにより、1型もしくは2型BVDウイルスまたは1型および2型BVDウイルスの組み合わせに対する免疫応答を刺激する方法を提供する。「動物対象体」の語には、BVDV感染を受けやすい任意の動物、たとえばウシ、ヒツジ、およびブタが包含される。
【0040】
本発明の方法によれば、動物対象体に投与するための好ましい免疫抗原性組成物には、BVDV cpNADLウイルスおよび/またはBVDV cp53637ウイルスが包含される。BVDVウイルス、好ましくは、培養液中における一連の継代により変性された生ウイルスは家畜に、好ましくは筋肉内または皮下経路で投与されるが、他の経路、たとえば経口、鼻内、リンパ節内、経皮、腹腔内、直腸もしくは膣内に、またはそれらの経路の組み合わせにより投与される。
【0041】
免疫処置のプロトコールはよく知られた技術を用いて至適化することができる。すなわち、1回用量を動物に投与してもよく、また別法として2〜10週の間隔を置いて1〜2回以上の接種を行うことができる。動物の年齢に応じて免疫抗原性組成物またはワクチン組成物を再投与する。たとえば本発明は健康な家畜の6月齢前および6月齢の時点でのワクチン接種が意図される。他の例においては、本発明は、繁殖適齢期の家畜の繁殖前約5週(群れに加える前)、および任意に繁殖前約2週または妊娠時に再び、BVDV1型および2型により引き起こされる感染から胎好を保護するためのワクチン接種を意図するものである。本発明の組成物の1回用量はまた最初の投与から約3〜4週後に投与することもできる。胎児のBVDV感染を防止するためには、混合ワクチンの1回用量による半年に1回の再ワクチン接種も意図される。
【0042】
ウシに誘発された免疫応答の程度および性質は、様々な技術を用いて評価することができる。たとえば、接種動物から血清を集め、BVDV特異的な抗体の存在について、たとえば慣用のウイルス中和アッセイにより検査する。
【0043】
本明細書で用いられる「ウシ」の語は、それらに限定されるものではないが、去勢牛、雄牛、未経産牛、牝牛および子牛を意味する。本明細書で用いられるウシは妊娠している牝牛および泌牛動物を意味する。本発明の方法は好ましくは、非ヒト哺乳動物、好ましくは泌牛または妊娠牝牛およびその胎児または自然哺乳子牛に適用される。
【0044】
「治療的有効量」または「有効量」の語は、投与された動物に免疫応答を誘発するのに十分な混合ワクチンの量を意味する。免疫応答は、それらに限定されるものではないが、細胞性および/または体液性免疫の誘発からなる。治療的に有効なワクチンの量は使用される特定のウイルス、家畜の状態および/または感染の程度に依存して変動し、獣医師によって決定される。
【0045】
不活性化(部分または全細胞)および変性生ワクチン
本発明の方法に使用される不活性化または変性生ワクチンは本技術分野で周知の様々な方法を用いて製造することができる。たとえば、BVDV単離体は感染した牝牛の子宮から既知の技術を用いて直接得ることができる。
【0046】
BVDV単離体は、たとえば一連の継代を含む様々な既知の技術を用いて弱毒化することができる。変性生ウイルス単離体に加え、本発明の方法に使用されるワクチン生成物には、一般的に用いられる1または2種以上の適当量のアジュバントも包含される。適当なアジュバントには、それらに限定されるものではないが、鉱質ゲルたとえば水酸化アルミニウム;界面活性剤たとえばリゾレシチン;グリコシドたとえばQuil AまたはGPI-0100のようなサポニン誘導体;プルロニックポリオール;多価アニオン;非イオンブロックポリマーたとえばPluronic F-127(B.A .S.F., USA);ペプチド;鉱油たとえば Montanide ISA-50(Seppic, Pars, France);カルボポール、Amphigen、Amphigen Mark II(Hydronics, USA)、Alhydrogel、油乳剤たとえばBayolF/Ariacelおよび水のような鉱油乳剤、または植物油の乳剤、およびレシチンのような乳剤;明礬;牛サイトカイン;コレステロール;ならびにアジュバントの組み合わせが包含される。好ましい実施態様においては、サポニン含有水中油型乳剤が、通常の方法でマイクロ流動化される。
【0047】
本発明の方法に使用するために特に好ましいBVDV1型の原料は、BVDV株NADL(National Animal Disease Center(NADC, USDA, Ames, IAから入手)を含有するBovi-Shield (登録商標)FPTM4+VL5(Pfizer Inc.)である。BVDV cpBVDV NADL(1型)である。本発明の方法に使用するために好ましいBVDV2型の原料は、BVDV株cp53637(Univ. Guelph, Guelph,
Ont)(ATCC No. PTA-4859)である。
【0048】
株NADLおよび53637は、好ましくは変性生存株である。本発明によれば、本発明の株は市販品を入手できるアジュバント、好ましくはQuil A-コレステロール-Amphigen(Hydronics, USA)によりアジュバント化することができる。本発明の免疫抗原性およびワクチン組成物の好ましい用量は約2.0 mLである。本発明の組成物中には、防腐剤を含有させることができる。本発明によって意図される防腐剤にはゲンタマイシンおよび Merthiolateが包含される。担体、好ましくはPBSも添加できる。培養液中での継代による毒性株の弱毒化のような変性生ワクチンの製造は本技術分野において周知である。
【0049】
変性生BVDV単離体は、以下の細菌およびウイルスと混合される。それらに限定されるものではないが、これらにはウシヘルペスウイルス1型(BHV-1)、ウシ呼吸器シンクチアルウイルス(BRSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV3)、Campylobacter fetus, Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa, Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovisおよびLeptospira interrogans pomonaが包含される。
【0050】
用量および投与様式
本発明によれば、家畜たとえば妊娠牝牛および自然哺乳妊娠牝牛に投与される混合ワクチンの有効量は、BHV-1およびウシウイルス性下痢症ウイルス(1型および2型)に伴う疾患および胎児の感染に対して有効な免疫を提供する。一実施態様においては、混合ワクチンは約3〜4週の間隔を置いて2回牝牛に投与される。たとえば、最初の投与は動物が約1〜約3月齢のときに行われる。2回目の投与は混合ワクチンの最初の投与後約1〜約4週後に行われる。
【0051】
好ましい実施態様においては、最初の投与たとえばワクチン接種前の投与は動物の繁殖前約4〜5週に実施する。2回目の投与は動物の繁殖後約3〜4週に実施する。以後のワクチン投与は、好ましくは1年に1回のベースで行う。他の好ましい実施態様においては、動物のワクチン接種はほぼ6月齢の前に行い、6月齢ののちに再ワクチン接種する。以後のワクチン投与は、好ましくは1年に1回のベースで行われるが、本発明では2年に1回もしくは半年に1回のベースでの投与も意図される。
【0052】
混合ワクチンの有効量は、ワクチンの活性成分および投与スケジュールに依存する。通常、ウシウイルス性下痢症ウイルスの変性生ワクチン製剤が使用され、約3〜10週の期間に動物に2回投与される場合には、1用量あたりBVDV約102〜1010TCID50単位を含有するワクチン量、さらに好ましくは1用量あたりBVDV(1および2型)約105〜108TCID50単位を含有するワクチン量が有効である。有効な免疫を与える混合ワクチンは、約3〜10週の期間に動物に2回投与される場合、好ましくは1用量あたりBVDV(1および2型)約105〜108TCID50単位、さらに好ましくは約108TCID50単位を含有する。最初の投与は動物の繁殖前約5週に実施する。2回目の投与は動物の繁殖後約3〜4週に実施する。以後のワクチン投与は、好ましくは1年に1回のベースで行われる。約6月齢以前にワクチン接種された動物は、6月例後に再ワクチン接種されなければならない。以後のワクチン投与は1年に1回のベースで行うのが好ましい。
【0053】
本発明では好ましい製品Bovi-Shield (登録商標)FPTM4+VL5(Pfizer Inc.)を投与する場合、製品は2回、各回約0.1〜約5.0 mL、好ましくは約1.5〜約2.5 mL、さらに好ましくは約2 mLを投与する。最初の投与は動物の繁殖前約5週に行う。2回目の投与は動物の繁殖後約3〜4週に実施する。以後のワクチン投与は、好ましくは1年に1回のベースで行われる。約6月齢以前にワクチン接種された動物は、6月齢後に再ワクチン接種されなければならない。以後のワクチン投与は1年に1回のベースで行うのが好ましい。
【0054】
本発明によれば、投与は既知の経路で、たとえば経口的、鼻内、局所、経皮的および非経口的(たとえば、静脈内、腹腔内、皮内、皮下または筋肉内)に行われる。好ましい投与経路は皮下または筋肉内投与である。
【0055】
本発明はまた、一次的な1回投与、ついで1年に1回の再ワクチン接種を意図するものである。これは、感染に対する免疫の発生および維持のために1年毎の再ワクチン接種の前にさらに用量を投与する必要性を消失させるものである。
【0056】
本発明の方法に従って投与される混合ワクチンには、付加的な成分、たとえばアジュバント(たとえば、鉱質ゲルたとえば水酸化アルミニウム;界面活性剤たとえばコレステロール、リゾレシチン;グリコシドたとえばQuil A、QS-21またはGPI-0100、プルロニックポリオール;多価アニオン;非イオンブロックポリマーたとえばPluronic F-127;ペプチド;鉱油たとえば Montanide ISA-50;カルボポール、Amphigen(登録商標)、Alhydrogel、油乳剤たとえばBayolF/Ariacel Aおよび水のような鉱油乳剤、または植物油の乳剤、水およびレシチンのような乳剤;明礬;牛サイトカイン;ならびにアジュバントの組み合わせ)が包含される。
【0057】
本発明によれば、ほぼ3月齢時の家畜に投与される有効量の混合ワクチンの投与は、呼吸器感染および生殖疾患に対して有効な免疫を提供し、流産が減少する。
【0058】
本発明はまた、ウシを、それらに限定されるものではないが、たとえば牝牛、子牛および繁殖前の未経産牛を、BHV-1およびBVDV(1および2型)によって引き起こされる感染および流産、ならびにIBRV、BVDV(1および2型)、PIV3、BRSV、カンピロバクター症およびレプトスピラ症に寄与する呼吸器疾患に対して免疫処置する方法であり、BVD(1および2型)、IBRV、PIV3、 Leptospira canicola、Leptospira gippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovisおよびCampylobacter fetusによって引き起こされる感染に対して動物を免疫処置するために、混合ワクチンの少なくとも1用量、好ましくは2用量を動物に投与する方法を提供する。
【0059】
好ましい実施態様においては、ワクチンは皮下に投与される。他の好ましい実施態様においては、ワクチンは筋肉内に投与される。さらに好ましくはワクチンの用量は約1 mL〜約7 mL、好ましくは約2 mLからなり、各1 mL中には約102〜1010TCID50単位用量のウイルスを含有する。混合ワクチンは望ましくは動物に2回投与され、1回は約1〜約3月齢の時点、1回は約1〜5週後に投与される。本発明はまた、1回投与と繁殖前の再ワクチン接種による半年毎の再ワクチン接種を意図する。
【0060】
本発明はまた、ウシ胎児を胎児感染および持続的胎児感染から保護する方法において、動物(たとえば母獣)に混合ワクチンの少なくとも1用量、好ましくは2用量を、BVD(1および2型)、IBRV、PIV3、BRSV Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagiae、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira bratislavaおよびCampylobacter fetusにより引き起こされる感染に対して胎児を免疫処置するために投与する方法を提供する。混合ワクチンは望ましくは動物に2回投与され、1回は繁殖の約5週前に、1回は繁殖の約3〜4週後に投与される。
【0061】
本発明はまた、混合ワクチンの有効量を動物好ましくはウシに投与し、持続的な胎児の感染および生殖器疾患、たとえばこのような動物の流産の処置または防止を意図する。
【実施例】
【0062】
本発明をさらに例示するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0063】
実施例1
非ワクチン接種家畜およびワクチン接種済みの妊娠家畜に、Bovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhmia-Parainfluenza3-Respiratory Syncytial Modified-Live Virus Vaccinal/Leptospira Canicola-Grippotyphosa-Hardjo-Ictero-hemorrhagia-Pomona Bacterin(Bovi-Shield (登録商標)FPTM4+L5処方を含有する10倍用量の変性生ウイルス(MLV)成分を投与して集中的な安全性試験を行い、安全性を評価した。試験動物は、20例のワクチン接種していない家畜(処置群T1)および59例の前にワクチン接種した家畜(処置群T2=14, T3=15, T4=15およびT5=15)から構成される、ほぼ妊娠160〜220日の範囲に交配した未経産肉牛とした。ワクチン接種動物の繁殖前ワクチン接種歴はBovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhmia-Parainfluenza3-Respiratory Syncytial Modified- Live Virus Vaccine(Bovi-Shield R4)の1用量がT3およびT5動物のそれぞれに繁殖前ほぼ150日に投与され、T2、T3、T4およびT5動物のすべてにBovine Rhino-trachetis-Virus Diarrhmia-Parainfluenza3-Respiratory Syncytial Modified-Live Virus Vaccinal/Campyrobacter Fetus-Leptospira Canicola-Grippotyphosa-Hardjo-Icterohemorrhagia-Pomona Bacterin(PregGhard(登録商標)10)の1用量が繁殖前ほぼ30日に投与された。
【0064】
0日に、79例の妊娠試験動物のそれぞれに、MLV成分10用量を含むBovi-Shield (登録商標) 4+L5処方が筋肉内に投与された。試験動物は毎日観察して、健康状態および分娩までの流産、ワクチン接種に対する血清学的応答を測定し、流産の症例については診断試験を実施し、また各子牛については健康および血清学的状態を測定した。T1では全体で15例の妊娠動物が流産(6)または哺乳前にBVDVに対する中和抗体をもって出生した子牛(9)により明らかなように、0日のワクチン接種によって影響された。25日〜43日の間に、T1未経産牛11例中6例(55%)に生じたIBRV感染が寄与する流産では、0日におけるIBRV中和抗体は陰性(0)であった。残りの未経産牛(11)は健康な子牛を分娩したが、BVDV中和抗体をもって出生した子牛では0日におけるBVDV中和抗体は陰性であった未経産牛12例中9例(75%)で子宮露出を生じた。
【0065】
T2、T3、T4、およびT5における比較では、前にワクチン接種された動物の妊娠に対する有害作用は認められなかった。これらの動物全例(59/59)で健康な子牛が分娩され、58例の子牛はIBRVおよびBVDVに対する中和抗体陰性であった(1例はサンプルの採取前に自然哺乳された)。
【0066】
繁殖前にBovi- Shield Rでワクチン接種された未経産牛の妊娠は、10用量のMLV成分を含有する試験ワクチン処方の投与による有害な影響を受けず、ワクチン接種された妊娠家畜におけるこれらの成分の安全性が証明された。
【0067】
試験デザイン
【表1】

【0068】
操作:
前処置相:
この試験には哺乳間隔を最小限にすることをベースに動物が選択された。IBRVおよびBVDVに対するワクチン歴のない妊娠動物を処置群T1に組み入れた。動物は完全な無作為デザインを用いて処置群に組み入れた。要約すると、これらの動物はIBRVおよびBVDVに対するワフチン歴がなく、BVDVに対して陰性で、ワクチン接種前のIBRVならびにBVDV1および2型に対する血清中和抗体力価は<4であった。繁殖前約150日にT3およびT5動物のそれぞれに、Boi- Shield 4(Bovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhmia-Parainfluenza3-Respiratory Syncytial Modified- Live Virus Vaccine)1用量を投与した。繁殖の約30日前にT2, T3, T4およびT5群の動物それぞれに1用量のPreg-Guard 10を投与した。この研究におけるワクチンは、IBRV 2mL用量あたり37 log10TCID50およびBVDV 2mL用量あたり2.7 log10TCID50を含有した。
【0069】
処置相:
0日に開始して、すべての動物について、一般健康状態および分娩までの流産を毎日観察した。0日に各動物の妊娠状態を確認し、各動物から血液を2本の血清分離チューブ(SST)に収集した。Boi-Shield 4+L5ワクチンを調製し、ワクチンの4 MLV成分10用量を含有する2mLのIM用量を79例の各試験動物に投与した。ワクチン接種後約1時間、すべての動物について有害反応を観察した。
【0070】
すべての流産動物を同定し、2つのSST血液サンプル(急性)を集め、血清に処理し、ラベルを付し、凍結保存した。流産した胎児サンプルは6例中5例が利用可能であり、診断実験室に送付した。ほぼ2週後、さらに2例のSST血液サンプルを母獣(回復期)から採集し、血清に処理し、ラベルを付し、凍結保存した。
【0071】
分娩相:
出生の日に、各子牛の健康状態および哺乳状態を測定し、血液サンプル(SST)を各子牛から収集した。哺乳後の血液サンプル(2-SST)を3日齢の各子牛から収集した。子牛から収集した血液を血清に処理し、ラベルを付し、凍結保存し、試験した。
【0072】
未経産牛および子牛から得られた血清を、IBRVおよびBVDV1および2型に対する中和抗体について試験した。子牛がサンプル収集前に哺乳されなかったことが確認された場合には、哺乳前および哺乳後の血清についても、総血清IgG濃度を定量し、哺乳前血清がIBRV
および/またはBVDVに対する中和抗体について陽性(≧4)であることを検査した。
【0073】
結果:
表1:試験ワクチン変性生ウイルス成分
表2:0日および28日におけるIBRV中和抗体力価の幾何平均および範囲
表3:0日および28日におけるBVDV1型中和抗体力価の幾何平均および範囲
表4:0日および28日におけるBVDV2型中和抗体力価の幾何平均および範囲
表5:妊娠に寄与する0日の処置の影響のまとめ
表6:処置群T1についての個々の結果のまとめ
【0074】
試験ワクチン変性生ウイルス成分:
表1にまとめたように各試験動物に0日に投与されたBovi-Shield 4+L5処方はそれぞれ7.0、5.5、7.5および5.7 log10TCID50のワクチンの変性生存IBRV、BVDV、PIV3、およびBRSV含有した。
【0075】
ワクチン接種に対する血清学的応答:
表2、3および4には、各処置群のワクチン接種前(0日)およびワクチン接種後のIBRV、BVDV1型およびBVDV2型に対する血清中和抗体力価の幾何平均および範囲をそれぞれ含む。
【0076】
非ワクチン接種(T1)動物のワクチン接種前平均IBRV抗体力価は2であり、T1動物の11/20は、IBRVに対する中和抗体陰性(<2)であった。ワクチン接種動物(T2、T3、T4およびT5)についてのワクチン接種前のIBRV抗体力価(14、16、16および21)は、繁殖前ワクチン接種基準(1または2)用量および処方(最小免疫化またはIBRV成分の放出レベル)とは無関係に類似していた。T1、T2、T3、T4およびT5の平均抗体力価は28日には、それぞれ86、130、94、106および97とワクチン接種に応答して実質的に上昇した。非ワクチン接種(T1)動物20例中19例は0日におけるBVDV抗体は1型および2型ともに陰性であった。ワクチン接種(T2、T3、T4およびT5)動物では0日におけるBVDV中和抗体力価の平均は、1型(223、215、315および250)および2型(44、57、84および58)ともに、繁殖前のワクチン接種基準および処方に関係なく類似していた。28日までにT1群のBVDVに対する平均力価は1型(181)および2型(15)で著しく上昇したが、T2、T3、T4およびT5群のBVDVに対する平均力価は1型(208、228、277および231)および2型(49、63、58および58)であって、ワクチン接種前のレベルに匹敵するままであった。
【0077】
妊娠の0日における処置の効果
各処置群それぞれの妊娠に対する0日の処置(ワクチン接種)の効果は表5にまとめる。T1群の妊娠動物15例には、流産(6)またはBVDVに対する中和抗体をもって出生した子牛(9)によって明らかなように、全体としてワクチン接種による影響が認められた。これに対し、T2、T3、T4およびT5群の妊娠前にワクチン接種した動物には有害な作用は認められなかった。これらの動物は全例(59/59)、健康な子牛を出産し、子牛の58例(1例はサンプルの収集前に自然哺乳した)はIBRVおよびBVDVに対する中和抗体は陰性であった。
【0078】
T1処置群の個々の結果のまとめ:
非ワクチン接種動物(T1)についての個々の流産および出生の結果は表8にまとめる。IBRV感染が原因と考えられる流産は、0日にIBRV中和抗体が陰性(<2)であったT1未経産牛11例中6例(55%)において25日から43日の間に起こった。残りのT1未経産牛(14)は健康な子牛を分娩したが、BVDV中和抗体をもって生まれた子牛では、0日のBVDV中和抗体が陰性であった12例9例(75%)の未経産牛で子宮露出を起こしたことが明らかにされた。
【0079】
結論:
繁殖前にBovi- Shield Rワクチンでワクチン接種された未経産牛の妊娠は、Bovi-Shield(登録商標)のMLV成分10フィールド用量を含有する試験ワクチン処方の投与によって有害な影響を受けず、ワクチン接種された家畜におけるこれらのウイルスの安全性が証明された。
【0080】
【表2】

【0081】
【表3】

【0082】
【表4】

【0083】
【表5】

【0084】
【表6】

【0085】
【表7】

【0086】
実施例2
Bovi-Shield R製品の効果を評価するために、野外安全性試験を実施した。この実施例では、試験の28日からの中間結果をまとめる。この試験では、プラセボ(滅菌水希釈)またはBovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhea-Parainfluenza3-Respiratory Syncytial Modified-Live Virus Vaccinal/Leptospira Canicola-Grippotyphosa-Hardjo-Icterohemorrhagiae-Pomona Bacterin(Bovi-Shield RFPTM4+L5)の3種のロットの1つを繁殖前にBovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhea-Parainfluenza3-, Modified-Live Virus-Campyrobacter Fetus-Leptospira Canicola-Grippotyphosa-Hardjo-Icterohemorrhagia-Pomona Bacterin (Pre-GuardTMFP9) でワクチン接種した交雑育種肉牛と交配した妊娠第一三半期の牝牛に投与して安全性を比較した。
【0087】
0日に各動物から血液サンプルを採取し、全動物を超音波で検査して妊娠状態を確認した。0日に、無作為に処置群T1に割り付けられた304例の各対照動物にプラセボの筋肉内(IM)用量を投与した。3つのワクチン処置群に割り付けられた303頭の動物、T2(n=106)、T3(n=101)およびT4(n=96)にはそれぞれ、割り付けられたロットのBovi-Shield RFP4+L5のIM用量が投与された。動物は毎週健康状態について観察された。302例の対照牝牛(T1)中の1例はオープンであり、Bovi- Shield FP4+L5 [T2 (n=102), T3 (n=100)、およびT4 (n=95)] によりワクチン接種されたすべの牝牛で妊娠が確認された。流産率は対照(T1)およびワクチン接種(T2〜T4)動物で極めて類似し、それぞれ0.3%および0.0%であった。オープンのT1牝牛(#286)からの血清学的検査結果はすべての分画について0日から力価に実質的な変化はないことが指示された。
【0088】
この野外安全性試験の結果からは、予めワクチン接種してほぼ妊娠の第一三半期にBovi-Shield(登録商標)FP4+L5ワクチンを投与された動物における78日までの流産率は、プラセボを投与された動物の場合ほど高くないことが証明され、ワクチン接種妊娠動物におけるこれらのワクチン成分の安全性が支持された。
【0089】
試験デザイン
【表8】

【0090】
処置相:
動物には毎週一般健康状態について観察した。0日に、動物の一般健康状態を観察し、動物の妊娠状態を確認し、各動物から血液を2本の血清分離チューブ(SST)に収集した。プラセボ(滅菌希釈液)およびBoi-Shield FP 4+L5ワクチンを調製し、1用量(2mL)を適当な動物の頚側部に、筋肉内(IM)経路で投与した。処置群T1の各動物には1用量のプラセボを投与し、一方、処置群T2、T3およびT4の動物にはBovi-Shield FP4+L5ワクチンの各ロット1用量を投与した。不適当な全身反応の観察はワクチン接種後約1時間行った。血液サンプルは血清に処理し、ラベルして凍結保存した。
【0091】
77日にすべての動物について2回目の妊娠検査を行った。未妊娠動物(オープン)は流産として記録した。2つのSSTサンプル(急性)をその動物から採取した。ほぼ2週後、さらに2回SST血液サンプル(回復期)を流産した動物から採集し、血清に処理し、ラベルを付し、凍結保存した。6日の急性および回復期血清サンプルは、ウシ流産の血清学的評価のために獣医学診断実験室に送付した。
【0092】
結果:
表7:変性生ウイルス成分の用量およびワクチン接種後の反応のまとめ
表8:処置による流産結果のまとめ
表9:血清学的検査の結果
【0093】
試験ワクチンの効力およびワクチン接種後の反応に対する血清学的応答
0日に投与したBovi-Shield FP4+L5における各ロットの変性生存IBRV、BVDV、PIV3、およびBRSV成分の効力は、表7に詳細を示すように、放出要求を超えるものであった。市販品の配布のための放出に要求されるその他の検査はすべて満足すべきものであった。0日のワクチン接種後の有害な局所的または全身的反応は観察されなかった。
【0094】
流産の結果のまとめ:
表8にまとめたように、日77までに収集された流産のデータは、対照およびワクチン処置群におけるデータで類似していた。試験の間の流産は対照動物(T1)303例中わずかに1例(0.3%)であり、ワクチン接種動物(T2〜T4)297例中にはなかった(0%)。流産した対照牝牛(動物No. 286)についての血清学的検査の結果は表9に示す。
【0095】
結論:
この野外安全性試験の結果は、予め妊娠第一三半期にBovi-Shield R FP 4+ L5ワクチンでワクチン接種された妊娠牛における78日までの流産率は、プラセボを投与された動物ほど高くなく、ワクチン接種妊娠動物におけるこれらのワクチン成分の安全性を支持することを証明するものであった。
【0096】
【表9】

【0097】
【表10】

【0098】
【表11】

【0099】
実施例3
Bovi-Shield R製品ラインについて野外安全性試験を実施した。この研究では、プラセボ(滅菌水希釈)またはBovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhea-Parainflu enza3-Respiratory Syncytial Modified-Live Virus Vaccinal/ Leptospira Caniola-Grippo-typhosa-Hardjo-Icterohemorrhagiae-Pomona Bacterin(Bovi-Shield(登録商標) FPTM4+L5)の3種のロットの1つを繁殖前にBovi-Shield(登録商標) FPTM4+L5でワクチン接種したホルスタイン未経産牛の妊娠第二三半期に投与して安全性を比較した。1日に、各動物から血液サンプルを採取し、全動物について直腸触診を行い、妊娠の状態を確認した。8日には、無作為に処置T1群に割り付けたれた各238例に、プラセボの筋肉内(IM)用量を投与した。3つのワクチン処置群に割り付けられた各237例、T2(n=80)、T3(n=79)およびT4(n=78)にはそれぞれ、割り付けられたロットのBovi-Shield(登録商標) FP4+L5のIM用量が投与された。各ロットのワクチンは放出および市販配布に要求される試験のすべてに合致した。ワクチン接種に続く有害な局所的または全身的反応は観察されなかった。動物は分娩まで毎日、健康状態を観察し、各新生子牛の健康状態を決定した。4頭の動物が試験から除外された。2頭(1-T1および1-T2)は傷害のため、2頭(1-T1および1-T4)は正しくない繁殖日によるものであった。流産した動物を同定して、利用可能であった胎児および胎盤サンプルならびにワクチン接種前(1日)、急性および回復期血清を、流産の原因の可能性を決定するため検査した。流産および正常な子牛の出生率は、対照(T1)およびワクチン接種(T2〜T4)動物で類似していた。対照動物236例中11例(4.7%)およびワクチン接種(T2〜T4)動物235例中14例(6.0%)で試験時に流産が生じた。25例の流産例はIBRV感染によるものであった。残り24例の流産はネオスポルタ感染、生殖欠損および原因不明によるもので、これらはそれぞれ9例(T1=3、T2=1、T3=1、T4=4)、1(T1)および14(T1=7、T2=5およびT3=2)に生じた。全体として、健康な生存子牛牛および分娩中に死亡した正常な子牛の母獣百分率からなる正常な出生率は、対照(T1)群で95.3%(225/236)、ワクチン接種(T2〜T4)群で93.6%(220/235)であった。
【0100】
この野外安全性試験の結果は、予め妊娠第一三半期に+ L5ワクチンでワクチン接種された妊娠牛は類似の流産率および正常な子牛の出生率を示し、ワクチン接種妊娠動物におけるこれらのワクチン成分の安全性を支持することを証明するものであった。
【0101】
試験デザイン
【表12】

【0102】
操作:
処置前相:
Bovi-Shield 4+L5のワクチン接種歴を有する健康な繁殖前の交雑育種未経産乳牛の繁殖日が、本試験の開始前に提供された。動物は完全に無作為に処置群に割り付けられた。1日に、各動物から2つの血清分離チューブ(SST)に血液を採取し、すべての動物を直腸触診によって検査して妊娠を確認した。血液サンプルは血清に処理し、ラベルして凍結保存した。動物はまた1日から分娩まで毎日、一般的健康および流産について評価された。
【0103】
処置相:
0日に、プラセボおよびBovi-Shield 4+L5のワクチンを調製し、適当な動物の頚側部に筋肉内(IM)経路で投与した。各T1動物には1用量のプラセボ(滅菌水希釈液)を投与した。T2、T3およびT4動物には各1用量のBovi-Shield 4+L5を与えた。毎週一般健康状態を観察した。0日に動物の一般健康状態を観察し、動物の妊娠状態を確認し、各動物からの血液を2本の血清分離チューブ(SST)に収集した。プラセボ(滅菌希釈液)およびBoi-Shield FP 4+L5ワクチンを調製し、1用量(2mL)を適当な動物の頚側部に、筋肉内(IM)経路で投与した。処置群T1の各動物には1用量のプラセボを投与し、一方、処置群T2、T3およびT4の動物にはBovi-Shield FP4+L5ワクチンの各ロット1用量を投与した。有害な全身反応の観察はワクチン接種後約1時間行った。
【0104】
動物は分娩まで毎日一般健康状態と流産について観察した。流産動物を同定し、2つのSST血液サンプル(急性)を収集し、血清に処理し、ラベルして凍結保存した。利用可能であった流産胎児と胎盤サンプルを試験して、流産の原因の可能性の決定を試みた。流産から約2週後、さらに2つのSST血液サンプル(回復期)を収集し、血清に処理し、ラベルして凍結保存した。
【0105】
分娩相:
各新生子牛の健康状態を決定した。死亡の原因を決定するため、3例の難産および胎児異常に関連する死亡を除くすべての新生子牛の死亡を評価し、死亡の原因を決定した。
【0106】
結果:
表10:変性生ウイルス成分およびワクチン接種後の反応のまとめ
表11:処置による流産の結果のまとめ
表12:処置による出生の結果のまとめ
【0107】
試験ワクチンおよびワクチン接種後の反応:
0日に投与した各Bovi-Shield FP4+L5のロットにおける変性生存IBRV、BVDV、PIV3、およびBRSV成分の詳細は表10に記載する。市販品配布のための放出に要求される他の試験のすべては満足すべきものであった。ワクチン接種後9日に観察された有害な局所的および全身的反応はなかった。
【0108】
流産の結果のまとめ:
表11にまとめたように、流産の結果は対照およびワクチン処置群で類似していた。対照(T1)動物236例中11例(4.7%)およびワクチン接種(T2〜T4)動物235例中14例(6.0%)が本試験中に流産した。25例の流産中1例(T1)はIBRVに起因していた。残りの25例は、それぞれネオスポラ症、生殖欠損および原因不明によるもので、それぞれ9(T1=3、T2=1、T3=1およびT4=4)、1(T1)ならびに14(T1=7、T2=5およびT3=2)例の動物に生じた。
【0109】
子牛の出生結果のまとめ:
各処置群における子牛の出生結果は表12に掲げた。健康な生存する子牛および分娩時に死亡した正常な子牛を分娩した母獣の百分率からなる正常な子牛の出生率は全体として、対照(T1)群で95.3%(225/236)、ワクチン接種(T2〜T4)群で95.3%(220/235)であった。対照(T1)群内では、79.7%の子牛が生存し健康であったが、20.3%は分娩時に死亡した。これに比べて、ワクチン接種動物(T2〜T4)により分娩された新生子牛は78.4%が生存し、健康であり、21.2%は出生過程で死亡した。1例のT4動物は死亡した子牛を分娩し、これはネオスポラの感染によるものであった。
【0110】
結論:
この野外安全性試験の結果は、予めワクチン接種され、妊娠第一三半期にプラセボまたはBovi-Shield FP 4+L5ワクチンを投与された動物が、類似の流産率および正常な子牛の出生率を示し、ワクチン接種妊娠動物におけるこれらのワクチン成分の安全性を支持することを証明するものであった。
【0111】
【表13】

【0112】
【表14】

【0113】
【表15】

【0114】
実施例4
プラセボ(滅菌水希釈)またはBovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhea-Parainfluenza3-Respiratory Syncytial Modified-Live Virus Vaccinal/Leptospira Canicola-Grippotyphosa-Hardjo-Icterohemorrhagiae-Pomona Bacterin(Bovi-Shield RFPTM4 +L5)の3種のロットの1つの投与の安全性を比較するため、野外安全性試験を実施した。この試験では繁殖に先立ってBovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhea-Para-influenza3, Vaccine, Modified-Live Virus Campyrobacter Fetus Leptospira Canicola- Grippotyphosa-Hardjo-Icterohemorrhagiae-Pomona Bacterin(Pre-GuardTM FP 9)でワクチン接種した交雑育種肉牛のほぼ妊娠第三三半期に投与した。
【0115】
0日のワクチン接種前に、各動物から血液サンプルを採取し、全動物の直腸触診を行い、妊娠状態を確認した。無作為に処置群T1に割り付けた150例の対照動物にはそれぞれ、2-mL用量の滅菌希釈液(プラセボ)を筋肉内(IM)投与した。3つのワクチン処置群の199頭の各動物、T2(n=66)、T3(n=67)およびT4(n=65)には割り付けられたロットのBovi-Shield RFP4+L5のIM用量2mLが投与された。各ロットのワクチンは放出および市販品の配布についてのすべての試験の要求に合致した。ワクチン接種後、有害な局所的または全身的反応は観察されなかった。すべての動物は分娩まで健康状態について観察し、それぞれの新生子牛の健康状態を決定した。
【0116】
健康な生存する子牛および分娩時に死亡した正常な子牛(5)または悪い天候条件により死亡した正常子牛(1)を分娩した母獣の百分率からなる正常な子牛の出生率は全体として、対照(T1)群で99.3%(148/149)、ワクチン接種(T2〜T4)群で99.5%(195/196)であった。このフィールド安全性試験の結果は、予めワクチン接種され、妊娠のほぼ第三三半期にプラセボまたはBovi-Shield RFP4+L5ワクチンを投与された妊娠牛は類似の流産率および正常な子牛の出生率を示し、ワクチン接種妊娠動物におけるこれらのワクチン成分の安全性を支持することを証明するものであった。
【0117】
試験デザイン:
【表16】

【0118】
操作:
処置前相:
Bovine Rhinotrachetis-Virus Diarrhea-Parainfluenza3, Vaccine, Modified-Live Virus Campyrobacter Fetus Leptospira Canicola-Grippotyphosa-Hardjo-Icterohe-morrhagiae-Pomona Bacterin(Pre-GuardTMFP9)によるワクチン接種歴を有する健康な繁殖前の交雑育種未経産肉牛を、繁殖日、本試験の開始前に準備した。動物は完全に無作為に処置群に割り付けた。ワクチン接種後毎週その健康および新生子牛の健康を、処置の割付けを知らないで評価した。さらに実験室の係員は処置群の割付けに関与しなかった。
【0119】
処置相:
0日に、2本の血清分離チューブ(SST)血液を各動物から収集し、全動物は直腸触診により検査し、妊娠を確認した。血液サンプルを血清に処理し、ラベルを付し、凍結保存した。プラセボおよびBovi-Shield 4+L5のワクチンを調製し、動物に、右頚側部領域への筋肉内(IM)経路で投与した。各T1動物には2mL用量のプラセボ(滅菌水希釈液)を投与した。T2、T3およびT4動物にはそれぞれ2mL用量のBovi-Shield 4+L5を与えた。ワクチン接種からほぼ1時間後に有害な全身反応を観察した。
【0120】
動物の一般健康状態および流産を分娩まで観察した。流産を同定して、2本のSST血液サンプル(急性)を収集し、血清に処理し、ラベルを付し、凍結保存した。流産から約2週後に、流産した動物から2本のSST血液サンプル(回復期)を収集し、血清に処理し、ラベルを付し、凍結保存した。
【0121】
分娩相:
各子牛の健康状態を決定した。流産したすべての子牛(死亡)は、難産または悪天候条件によるものであった。
【0122】
除外/脱落基準:
動物 #71(T1)および動物 #288(T3)は、それぞれ0日および12日に観察された傷害によりこの試験から除外された。動物 #237(T3)は日21に子牛を分娩したが、子牛の居場所が確認できず、その健康状態を決定できなかったので日22に試験から除外した。これらの3頭の動物はすべての要約および分析から除外した。
【0123】
結果:
表13:変性生ウイルス成分およびワクチン接種後の反応
表14:処置による流産結果のまとめ
表15:流産例の診断実験室における血清学的検査結果
表16:処置による子牛出生の結果
【0124】
試験ワクチンおよびワクチン接種後の反応:
0日に投与したBovi-Shield 4+L5の各ロットにおける変性生存IBRV、BVDV、PIV3およびBRSV成分の力価は表13に示す。ワクチン接種後、有害な局所的または全身的反応は認められなかった。
【0125】
流産結果のまとめ:
表14にまとめたように、149例中1例(0.7%)の対照動物(T1)および196例中1例(0.5%)のワクチン接種動物(T2〜T4)のみが本試験中に流産した。胎児および/または胎盤サンプルの診断的検査の結果でも、これらの流産の原因は決定されなかった。流産例2例の診断的血清検査結果は表15に示す。ワクチン接種前、急性および回復期におけるLeptospira pomona、L. canicola、. L. gippoty phosa(grippo)、L. icterohaemmorrhagiae(ictero)、L. hardjo、IBRVおよびBVDVに対する血清抗体レベルには、いずれの動物においても実質的な変化はなかった。
【0126】
新生子牛出生結果のまとめ:
健康な生存する子牛および分娩時に死亡した正常な子牛を分娩した母獣の百分率からなる正常な子牛の出生率は全体として、対照(T1)群で99.3%(148/149)およびワクチン接種(T2〜T4)群で99.5%(195/196)であった。6例の正常新生子牛を除くすべてが、生存し健康に分娩された。5例の新生子牛が出生過程において死亡し、1例が悪天候条件により死亡した。
【0127】
結論:
このフィールド安全性試験の結果は、予めワクチン接種され、妊娠第三三半期にプラセボまたはBovi-Shield FP 4+L5ワクチンを投与された妊娠動物が、類似の流産率および正常な子牛の出生率を示し、ワクチン接種妊娠動物におけるこれらのワクチン成分の安全性を支持することを証明するものであった。
【0128】
【表17】

【0129】
【表18】

【0130】
【表19】

【0131】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)からなるワクチン組成物の治療的有効量を妊娠動物に投与することからなるBHV-1ウイルスによって引き起こされる妊娠動物における流産を防止する方法であって、妊娠動物に変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項2】
変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)からなるワクチン組成物の治療的有効量を哺乳中の妊娠動物に投与することからなる、哺乳中の妊娠動物における感染を防止する方法であって、妊娠動物に変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項3】
変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)、ならびにウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)、変性生パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、変性生ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagia、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira Bratislava、およびCampylobacter fetus からなる群より選択される少なくとも1種の抗原からなるワクチン組成物の治療的有効量を妊娠動物に投与することからなるBHV-1ウイルスによって引き起こされる流産を防止する方法であって、妊娠動物に変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項4】
変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)、ならびにウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)、変性生パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、変性生ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagia、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira Bratislava、およびCampylobacter fetus からなる群より選択される少なくとも1種の抗原からなるワクチン組成物の治療的有効量を哺乳中の妊娠動物に投与することからなる動物の感染を防止する方法であって、該妊娠動物に変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項5】
妊娠動物に変性生ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)からなるワクチン組成物の治療的有効量を投与することからなる、BVDVウイルスにより引き起こされる妊娠動物における流産を防止する方法であって、妊娠動物に変性生ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項6】
哺乳中の動物に変性生ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)からなるワクチン組成物の治療的有効量を投与することからなる、哺乳中の妊娠動物の感染を防止する方法であって、妊娠動物に変性生ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項7】
変性生ウシ下痢症ウイルス(BVDV)、ならびにウシヘルペスウイルス(BHV-1)、変性生パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、変性生ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagia、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira BratislavaおよびCampylobacter fetus からなる群より選択される少なくとも1種の抗原からなるワクチン組成物の治療的有効量を妊娠動物に投与することからなる、BVDウイルスによって引き起こされる妊娠動物の流産を防止する方法であって、妊娠動物に変性生ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項8】
変性生ウシ下痢症ウイルス(BVDV)からなるワクチン組成物の治療的有効量を哺乳中の妊娠動物に投与することからなる哺乳中の該動物における感染を防止する方法であって、妊娠動物は、変性生ウシウイルス性下痢症ウイルス、ならびにウシヘルペスウイルス(BHV-1)、変性生パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、変性生ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagia、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira BratislavaおよびCampylobacter fetus からなる群より選択される少なくとも1種の抗原からなるワクチン組成物の治療的有効量を繁殖前にワクチン接種され、この場合、妊娠動物に変性生ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)からなるワクチン組成物の治療的有効量を予めワクチン接種する上記方法。
【請求項9】
変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)およびウシウイルス性下痢症ウイルスからなるワクチン組成物の治療的有効量を、変性生パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、変性生ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagia、Leptospira interrogans pomonaおよびCampylobacter fetusと組み合わせて妊娠動物に投与することからなる、BHV-1およびBVDVウイルスによって引き起こされる妊娠動物の流産を防止する方法であって、少なくとも1種の変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)および少なくとも1種の変性生ウシ下痢症ウイルスからなるワクチン組成物の治療的有効量を妊娠動物に予めワクチン接種する上記方法。
【請求項10】
変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)およびウシウイルス性下痢症ウイルスからなるワクチン組成物の治療的有効量を、変性生パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、変性生ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagia、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovisおよびLeptospira Bratislavaと組み合わせて哺乳中の妊娠動物に投与することからなる哺乳中の該動物における感染を防止する方法であって、少なくとも1種の変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)および少なくとも1種の変性生ウシ下痢症ウイルスからなるワクチン組成物の治療的有効量を該妊娠動物に予めワクチン接種する上記方法。
【請求項11】
変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)およびウシウイルス性下痢症ウイルスからなるワクチン組成物の治療的有効量を、変性生パラインフルエンザウイルス3型(PIV3)、変性生ウシ呼吸器シンシチアルウイルス(BRSV)、Leptospira canicola、Leptospira grippotyphosa、Leptospira borgpetersenii hardjo-prajitno、Leptospira icterohaemmorrhagia、Leptospira interrogans pomona、Leptospira borgpetersenii hardjo-bovis、Leptospira BratislavaおよびCampylobacter fetusと組み合わせて妊娠動物に投与することからなる、BHV-1およびBVDVウイルスによって引き起こされる妊娠動物の流産を防止する方法であって、少なくとも1種の変性生ウシヘルペスウイルス(BHV-1)および少なくとも1種の変性生ウシ下痢症ウイルスからなるワクチン組成物の治療的有効量を妊娠動物に予めワクチン接種する上記方法。
【請求項12】
ワクチンはさらにアジュバントを含む請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
動物は牝牛または未経産牛である請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
動物は哺乳中の妊娠牝牛である請求項2、4、6または8のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
ワクチン組成物は1用量あたり約0.1〜約0.5mL投与される請求項1〜11のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2006−524224(P2006−524224A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506539(P2006−506539)
【出願日】平成16年4月13日(2004.4.13)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001292
【国際公開番号】WO2004/093904
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】