説明

エアロゲルおよび相変化材料の複合材

一局面において、本発明は、相変化材料を含有する粒子に混合された断熱エアロゲル材料を含有する粒子と、混合された粒子を保持するマトリックスを形成するバインダとを含む素地を提供する。別の局面において、本発明は断熱体を形成する方法を提供し、第1の流体および第2の流体を基板上に塗布するステップを備え、第1の流体はバインダを含み、第2の流体はエアロゲル材料を含有する粒子を含み、相変化材料を同時に基板上に塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、エアロゲルおよびエアロゲルを含む断熱複合材に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
エアロゲルは、他の材料と比較して、優れた断熱特性をもたらすこと、および単位重量当たり良好な熱保護性を有することで知られる。エアロゲルなどの断熱性が高い材料は、乗物、特に航空機の高速化に必要とされる。これは特に、乗物が長時間にわたって極度の熱負荷を被る場合である。あいにくエアロゲルは、保護が必要な面に塗布するのが難しい。エアロゲルは、固体、またはより一般にはフレキシブルなブランケット状で利用可能であり、従来は噴霧されなかった。固体でもブランケット状でも、噴霧される材料ほど容易に表面に塗布されない。エアロゲルは、エアロゲル−バインダ組成がエアロゲルの塗布に用いられる噴霧塗布プロセスでは塗布することができ、バインダがエアロゲル粒子を互いに、かつ塗布面に保持する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、バインダ材料はエアロゲルより熱性能が低く、それゆえにエアロゲルの一部をバインダで置換すると不利益が生じる。したがって、エアロゲル断熱材料に基づく熱保護システムに対する改良が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
一局面において、本発明は、相変化材料を含有する粒子に混合された断熱エアロゲル材料の粒子と、混合された粒子を保持するマトリックスを形成するバインダとを含む素地(body)を提供する。
【0005】
別の局面において、本発明は、基板上に第1の流体および第2の流体を塗布することによって断熱体を形成する方法を提供する。第1の流体はバインダを含有し、第2の流体はエアロゲル材料の粒子を含有し、相変化材料(PCM)が同時に基板上に塗布される。選択的に、PCMは第1の流体、第2の流体、第3の流体、またはそれらのいずれかの組合せに含まれる。
【0006】
本発明を適用可能なさらなる範囲は、以下に示す詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および具体例は本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0007】
本発明は、詳細な説明および添付の図面から十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
好ましい実施形態の詳細な説明
好ましい実施形態の以下の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その応用、または用途を限定する意図は全くない。
【0009】
一局面において、本発明は、相変化材料(PCM)に混合された断熱エアロゲル材料を含む材料の素地を提供する。相変化材料は、熱エネルギーを相変化の潜熱として蓄えるこ
とが可能である。好ましくは、エアロゲル材料および相変化材料は、バインダマトリックス内に保持される。
【0010】
別の局面において、本発明は、エアロゲルを含む粒子、相変化材料を含む粒子、ならびに、バインダおよび担体を含有する溶液を基板上に同時に堆積させることによって、断熱体を形成する方法を提供する。担体は除去され、基板上に固体の断熱体を形成する。
【0011】
さらに別の局面において、本発明は、第1の流体および第2の流体を基板上に同時に放出することによって断熱体を形成するための方法を提供する。第1の流体はエアロゲルを含有する粒子を含み、第2の流体はバインダを含む。エアロゲルおよびバインダを別個に堆積させることにより、壊れやすいエアロゲル粒子が堆積中に劣化したり破砕したりするのを防ぐことができる。言い換えれば、エアロゲル粒子を適切なバインダに混合するのが困難な点に関連する問題は、本発明の堆積プロセスによって回避される。
【0012】
いずれかの適切な疎水性のエアロゲル粒子を本発明において使用するのが好ましい。疎水性のエアロゲル粒子には、有機エアロゲル粒子および無機エアロゲル粒子が含まれる。金属酸化エアロゲル粒子、たとえばシリカエアロゲル、チタニアエアロゲルおよびアルミナエアロゲルなどの無機エアロゲル粒子を本発明において使用するのが好ましい。シリカを基材とするエアロゲル粒子を使用するのが最も好ましい。親水性のエアロゲル粒子も知られている。本発明は、好ましい疎水性のエアロゲル粒子を使用して例示される。
【0013】
好ましくは、疎水性のエアロゲル粒子は、疎水性のエアロゲル粒子の熱伝導率を低下させる乳白剤を含む。限定はしないが、カーボンブラック、炭素材料、チタニア、または他の微粒子接着性乳白剤を含む、いずれかの適切な乳白剤が使用可能である。
【0014】
使用される疎水性のエアロゲル粒子の大きさは、最終物すなわち断熱材料の素地の所望の特徴に部分的に依存する。エアロゲル粒子の粒度は、関連するPCM材料の粒度にも、少なくとも部分的に依存する。粒度の選択は、選択されるバインダの種類にも部分的に依存する。PCM材料の粒子とエアロゲル材料の粒子とを混合させるために、関連する粒子の大きさは、これを好都合に達成するように選択される。
【0015】
ヒドロゲルの例示的な粒度は6μmから3mmのオーダーである。相変化材料の例示的な粒度は、15から40μmのオーダーである。適切な乳白剤には、赤外線(「IR」)が組成中を進行するのを最小限に抑えるものが含まれる。
【0016】
用途に応じて、PCM材料およびエアロゲルの両方について選択された粒度を用いることにより、粒子間の空間の大きさおよび分布を拡大したり縮小したりしてもよい。例示的な概略図である図1は、エアロゲル粒子20の大きさが相変化粒子30よりも大きい場合を示す。しかしながら、逆の構成を選択してもよい。PCM材料およびエアロゲル粒子が互いに近似する平均的な粒度を有する構成を選択することも可能である。ここで用いる限りにおいて、粒度および粒径という用語は、当該分野で一般的であるように、同義的に用いられる。
【0017】
直径が6μmから3mmであって、二酸化チタン乳白剤によって赤外線に有効な疎水性のエアロゲル粒子は、ドイツのCabot Nanogel社製のNANOGEL(商標)ビーズという商標のナノゲルとして入手できる。
【0018】
相変化材料はさまざまな供給元から入手でき、コロラド州ボールダーのOutlast
Technologies社から入手可能なTHERMASORB(商標)が含まれる。THERMASORB PCM材料は微細な流動性の粉末のような外観であり、熱吸収
コア材を含む耐久性カプセルからなる。直径が1から数百μmのさまざまな大きさのカプセルが入手可能である。典型的に、コアPCM材料は80重量%から85重量%を成し、残りの重量は不浸透性のシェルが占める。シェルは、さまざまな溶媒との接触に耐える耐久性材料からなり、したがって、乾燥粉末状、または、水溶性の有機溶媒スラリーもしくは他の溶媒スラリーのいずれかとして供給できる。THERMASORBによって例示されるPCM材料は、約−20°Fから100または200°Fを超える範囲のさまざまな転移温度で利用できる。
【0019】
一般に相変化材料は、通常の場合に固体から液体に転移する際に、温度を変化させることなく大量の熱を吸収する能力を有する。その後、相変化材料は、液体から固体状に戻る際にその熱を放出する。したがって、PCM材料は、PCMを含んでいる材料の素地に熱が吸収されたりそこから熱が発せられる際に、本質的に一定の温度を維持する能力を有する。
【0020】
好ましいPCM材料は、所望の温度範囲で固体から液体状に転移するワックスまたは密接に関連する石油生成物を含む。所望の転移を得るために、このような生成物の配合が選択される。本発明を例示する目的で、122°Fで固体から液体に転移し、潜熱が160J/gであるTHERMASORB商標の相変化材料が選択された。封入された状態の直径は5から40μmの範囲である。
【0021】
固体から液相に転移するPCM材料を参照して本発明を例示するが、固体から固体への相変化の利点を用いることも企図され、固体の構造に関連する相状態が、固相とエネルギー準位とが異なる第2の構造状態に変化し、したがって固体の潜熱を固相変化に利用する。気体−液体および気体−固体といった他の相変化現象も本発明によって企図されるが、実用上の理由から所望の度合いが低い。
【0022】
断熱体の熱特性は、PCM、エアロゲル、および、PCMとエアロゲルとを含有するようにマトリックスを形成するのに用いられるバインダの選択によって調整することができるのは明らかである。したがって、PCMの選択は、利用目的、全体の組成、および所望の特性に依存する。PCMは好ましくは、マイクロカプセルもしくはそれより大きなカプセル、または所望のさまざまな大きさに封入される。このような封入により、液体状態にあるときにPCMが移行することが防止される。またこれにより、再び冷却する際にPCMが1つの柔軟でない固体の塊を形成することが防止される。好ましい実施形態においては、PCMは封入されることが好ましい。本発明はまた、PCM材料の粒子をバインダマトリックス材料にも分散させることを包含する。したがって、バインダマトリックス材料そのものも、封入の機能を果たすことができる。
【0023】
適切なPCM材料の一例はワックス、特に石油/パラフィンワックスであり、温度が上下するのに合わせて、融解および再び固化することができる。たとえば、このようなワックス組成の転移範囲は、航空機を含む乗物の高温環境、主に約100°Fから約200°Fのオーダーの範囲に適しており、多くのワックスがこの範囲において典型的な融解点を有する。ワックス組成を操作することにより、所望の動作温度状態によって融解点が変わるようにPCMを調整することができる。
【0024】
本発明のマトリックスバインダ材料40は、PCM30およびエアロゲル20(図1)を保持するための適切なマトリックスを形成するように選択される。この機能に適する強度および熱伝導特性を有し、かつ適切な範囲の耐用温度を有することが必要とされる。この耐用温度は、エアロゲルおよびPCM材料について先に述べた温度範囲に対応する。例示的なバインダの1つは、ミシガン州のDow Corning社によってSylgard(商標)184シリコーンエラストマーという名称で販売されている。Dow Cor
ning社のシリコーンは、二液シリコーンエラストマー組成で液流として供給され、比較的一定の硬化速度でフレキシブルエラストマーに硬化し、耐用範囲は−49から392°Fである。バインダシリコーン前駆体混合物が与えられて硬化し、担体溶媒を除去する。別の例示的なシリコーン化合物は、カナダ、ブリティッシュコロンビア州サリーのMG
Chemicals社によってRTV Silicones(商標)の名称で販売されている。このようなシリコーンは、熱伝導率が約0.17w/(m・K)である。RTVおよびSylgardは、ともにシリコーンを基材とするエラストマーの種類であるが、異なるプロセス(添加または凝縮反応)によって硬化する。
【0025】
シリカやカーボンといったさまざまな種類のエアロゲル粒子が存在することが知られている。シリカエアロゲル粒子が好ましい。PCM材料の封入は、シリコーンエラストマー材料などのマトリックス材料に溶解しないように選択される。
【0026】
3つの成分の割合は、複合材素地の所望の一時的な熱特性が得られるように調整可能である。バインダマトリックスにおけるエアロゲル組成にどれだけの量のPCM材料を添加しても、熱転移性能に影響を与えることになるのは明らかである。したがって、PCM材料およびエアロゲル材料はともに100重量部を基準として、PCM材料は0重量部より多くかつ100重量部未満、望ましくは90重量部まで、より望ましくは80重量部まで、最も望ましくは約60重量部以上の量で存在する。PCM材料の選択および動作環境によって、エアロゲルおよびPCM材料を合わせた100重量部を基準として、エアロゲルは0重量部より多くかつ約100重量部未満、望ましくは40重量部まで、より望ましくは20重量部まで、最も望ましくは約10重量部以上の量で存在する。
【0027】
さらに別の局面において、化合複合材におけるエアロゲルの体積パーセントに基づいて、エアロゲルは50体積%以上、望ましくは60体積%、より望ましくは70%体積またはそれより多くを占める。好ましくは、エアロゲルは最終生成物の50体積%以上の量で存在する。
【0028】
本発明は、壊れやすいエアロゲル材料を微細な粉末状に分解しない態様でエアロゲル20をマトリックス材料40とともに塗布することが可能な方法を提供する。また、シリコーンエラストマーバインダ40およびエアロゲル20が混ざらなかったり、バインダ前駆体溶液50が濃すぎる場合はエアロゲルが壊れやすくなったり、前駆体溶液が溶媒を含むことによってより流動しやすい場合はエアロゲルが溶媒を吸収または取り込みがちであって望ましくない、という問題を回避する。したがって、本発明の方法が利用するプロセスによれば、エアロゲル粒子20の流体22が分散され基板60の表面に向けられ、同時にシリコーン前駆体溶液50の流体52または霧も塗布され、シリコーンバインダ前駆体の液体粒子は、エアロゲル粒子が付着しマトリックスバインダの中に保持されるように、塗布されるとエアロゲルと混合する。
【0029】
本発明の好ましいプロセスにおいて、PCM材料30の粒子は、エアロゲルおよびシリコーン前駆体と同時に堆積され、本発明の組成を形成する。PCM材料30の別個の流体を用いてもよい。しかし、エアロゲル20およびPCM30の粒子を1つの流体22にまとめることが好ましい。前駆体バインダ溶液によって、溶液の担体が除去されて固体素地を形成するように、堆積後に硬化期間が設けられる。溶液の担体溶媒の除去を容易にするために、任意に乾燥またはベーキングを実行してもよい。
【実施例1】
【0030】
実施例
図2に概略的に示す装置によって、シリコーンマトリックスバインダ40、エアロゲル20およびPCM30材料の堆積を行ない、基板上に塗布した。好ましいプロセスは集中
噴霧プロセスであった。集中噴霧プロセスにより、エアロゲル粒子20は、基板60上への堆積時または直前に液体シリコーン前駆体50と混合される。
【0031】
PCMビーズも含まれ、シリコーン混合物50内もしくはエアロゲル20に加えて、または別個に含まれてもよい。したがって、2つ以上の堆積流を用いてもよい。当該堆積方法により、壊れやすいエアロゲル粒子の分解が最小限に抑えられ、粒子による溶媒の吸収が最小限に抑えられる。堆積流の形成を行なうために、いずれかの従来の噴霧装置を用いてもよい。好ましい堆積速度を、堆積材料の例示的な組成とともに表1に示す。
【0032】
表1は熱分析の結果も含み、塗布された材料の熱伝導率および対応する平均温度を示す。エアロゲルとともにPCM材料を含んでも熱伝導率にあまり影響しないことがわかる。したがって、PCM材料を添加することにより、熱転移中の性能が向上するという利点が得られる。組成におけるエアロゲルの割合が増大するにつれて、堆積された生成物がより壊れやすくなることが観察された。バインダの割合が増大するにつれて強度は向上するが、伝導率は不利になる。PCM材料の割合が増大するにつれて、熱転移をよりよく制御することができるが、熱伝導率が低いというエアロゲル材料の利点が少々損なわれる。エアロゲルをPCM材料で置換すると熱伝導率性能が少々劣化するが、PCMを含む場合、図3に示すように、材料が高温に達するのに時間がかかるという利点がある。図3は噴霧されたエアロゲル組成に対する熱転移反応を示し、一例はPCM材料を含有し、別の例はPCM材料を含有しない。PCMを含有する材料の方が高温に達するのに時間がかかり、実際には、PCMを含まないエアロゲル組成ほど高温に達しないことがわかる。PCMを含有する組成のカーブにおいて122°Fに明らかな屈折部があり、これは相変化を証明し、この組成の温度上昇速度が低くなることを示している。
【0033】
表1は、さまざまなパネルが作成された速度を示す。Sylgard184については、液体が容易に管路を流れるように10重量%のDow Corning社製OS−10メチルシロキサン溶媒が添加された。液体のSylgard/OS−10の速度は18から50g/minまで変化し、Nanogelは12から27g/minまで変化し、Thermosorbは3から43g/minまで変化した。RTV−12については、使用された速度は、RTVが23および28g/min、Thermosorbが12〜18g/min、ナノゲルが12〜18g/minであった。さまざまな組合せがうまく作用したが、184−1,2,3,4およびRTV−1,2,3,4がよりよい材料の組合せであった。Cabot社製ナノゲルは疎水性のシリカエアロゲルである。例に示した材料の大きさはうまく作用した。均質な直径1mmの粒子はパネルに固着しなかった。
【0034】
要約すると、本発明は、一定の温度を保ちつつ熱を吸収する能力を得るために相変化材料をエアロゲルとともに使用するという利点をもたらし、それゆえ断熱体の熱性能が効果的に向上する。PCMは、最高温度を少なくとも一時的に維持するのに用いられる。したがって、PCMをエアロゲル複合材に添加することにより、PCMの熱吸収能力に加えてエアロゲルの転移熱性能という利点が得られ、それによってエアロゲル材料のみの場合よりも熱保護性が向上する。ここに示した予備実験は、コーティングを通る熱伝導の遅延と合わせられた良好な熱性能を示している。ここに含まれる結果は、本発明の複合材の有利な熱伝導率と転移熱伝達の遅延とを示す。エアロゲルは、定常状態の熱伝導率が低いという利点を有する。バインダマトリックスは材料の粒子を保持し、PCM材料は転移熱伝達作用の遅延をもたらす。
【0035】
【表1】

【0036】
本発明の説明は本質的に例示に過ぎず、したがって本発明の主旨から逸脱しない変形は本発明の範囲内であることが意図される。このような変形は、本発明の精神および範囲からの逸脱とみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】エアロゲル/PCMコーティングの概略図である。
【図2】堆積装置の図である。
【図3】PCMが転移熱性能を向上させることを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相変化材料(PCM)を含有する粒子に混合された断熱エアロゲル材料を含有する粒子と、前記混合された粒子を保持するマトリックスを形成するバインダとを含む素地。
【請求項2】
前記相変化材料は固体−液体転移を経る、請求項1に記載の素地。
【請求項3】
前記PCMはカプセルに封入されている、請求項1に記載の素地。
【請求項4】
カプセルは前記バインダによる劣化に耐える、請求項3に記載の素地。
【請求項5】
相変化材料はワックスを含む、請求項1に記載の素地。
【請求項6】
相変化材料は、カプセルに封入されたワックスを含む、請求項1に記載の素地。
【請求項7】
相変化材料は、約100°Fより高い温度で相変化を経る、請求項1に記載の素地。
【請求項8】
前記エアロゲル材料は、シリカを基材とする疎水性の材料を含む、請求項1に記載の素地。
【請求項9】
エアロゲルを含有する粒子の粒度は、約6μmから約3mmの範囲である、請求項1に記載の素地。
【請求項10】
相変化材料を含有する粒子の粒度は、約15から約40μmの範囲である、請求項1に記載の素地。
【請求項11】
前記相変化材料は固体−固体転移を経る、請求項1に記載の素地。
【請求項12】
相変化材料に混合された断熱エアロゲル材料を含み、前記相変化材料は、熱エネルギーを相変化の潜熱として蓄えることができる、材料の素地。
【請求項13】
断熱体を形成する方法であって、
a.エアロゲル材料を含有する粒子、相変化材料を含有する粒子、ならびに、バインダおよび担体を含有する溶液を基板上に同時に堆積するステップと、
b.担体を除去して、基板上に固体の断熱体を形成するステップとを備える、方法。
【請求項14】
同時に堆積するステップは、前記溶液の分散を基板上に放出しつつ、前記エアロゲルを含有する粒子および前記相変化材料を含有する粒子を、圧力をかけて基板上に放出することによって行なわれる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
バインダはシリコーンを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
担体は有機液体を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
担体の除去は乾燥によって行なわれる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
溶液は第1の流体に含有され、粒子は第2の流体に含有される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
第1の流体は第2の流体の内部にある、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
断熱体を形成する方法であって、第1の流体および第2の流体を基板上に塗布しながら、同時に相変化材料(PCM)を基板上に塗布するステップを備え、第1の流体はバインダを含み、第2の流体はエアロゲル材料を含有する粒子を含む、方法。
【請求項21】
PCMは第3の流体によって塗布される粒子に含有される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
PCMは、第2の流体に含まれる粒子に含有される、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−502717(P2009−502717A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524124(P2008−524124)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/029095
【国際公開番号】WO2007/014284
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】