説明

エチレンアミンの製造方法

本発明は、アミノ交換プロセスに連結されたエチレンアミン生成プロセスを使用するエチレンアミンの製造方法を提供する。エチレンアミン生成プロセスとアミノ交換プロセスとの組合せは、単一のプロセスから得ることができるプロダクトミックスの柔軟性を改善して、改善された、より望ましいプロダクトミックスを有するエチレンアミン組成物の製造を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第61/195,454号(出願日:2008年10月6日;発明の名称:METHOD OF MANUFACTURING ETHYLENEAMINES)の利益を主張する。この特許出願の開示を参照することによって本明細書中に組み入れる。
【背景技術】
【0002】
エチレンアミンを生成させる多くのプロセスが知られている。これらのプロセスのうち、最もよく使用される2つのプロセスは、(1)二塩化エチレン(EDC)とアンモニア(NH3)との反応と、それに続く水酸化ナトリウム(NaOH)での中和による、エチレンアミン及び塩の生成(本明細書中では「EDCプロセス」と称する);並びに(2)不均一触媒上におけるアンモニア(NH3)によるモノエタノールアミン(MEA)の還元的アミノ化(本明細書中では「RAプロセス」と称する)である。第3の実施可能な技術は、エチレンアミンの生成のためには当業界で一般的に実施されていないが、縮合である。縮合反応は、2つの分子(基)が結合して、小分子(例えば水又はアンモニア)を失いながら、単一分子を生成させる化学反応である。
【0003】
EDCプロセスは典型的にはあらゆる種類のエチレンアミンを生成するが、RAプロセスは比較的軽質の(lighter)アミン、例えばエチレンジアミン及びジエチレントリアミンの生成において選択性が高い。縮合プロセスは、典型的には、EDCプロセスとRAプロセスとのほぼ中間であるプロダクトミックス (product mix)を生じる。これらの技術のいずれの場合も、達成可能なプロダクトミックスの柔軟性(flexibility)は、化学構造、使用するプロセス、広範囲の反応条件にわたる運転に必要な投資コスト並びに材料を反応器に循還させるのに必要な資本投資コスト及び運転コストによって制約されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知のエチレンアミン生成プロセスに固有の制約を考慮して、改善されたプロダクトミックス柔軟性をエチレンアミン製造業者に提供でき、且つ既存のエチレンアミン生成プロセスにコスト効率よく組み込むことができるか又は新しいプラントに設計できるであろうエチレンアミンの製造方法が得られれば望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アミノ交換反応プロセス(transamination process)と連結されたエチレンアミン生成プロセスを使用するエチレンアミンの製造方法を提供する。エチレンアミン生成プロセスとアミノ交換プロセスとの組合せは、単一の方法から得ることができるプロダクトミックス柔軟性を改善し、制御可能に異なる、より望ましいプロダクトミックスを有するエチレンアミン組成物の製造を可能にする。より具体的には、より不所望なエチレンアミンのプロダクトミックス(例えば還元的アミノ化などの比較的制御性が低いエチレンアミン生成プロセスから生じる)をアミノ交換反応プロセスに供することによって、より不所望なエチレンアミンのプロダクトミックスをより望ましいエチレンアミンのプロダクトミックスに転位させることができる。
【0006】
多くの態様において、本発明の方法は、(a)エチレンアミン生成プロセスを用いて1種又はそれ以上のエチレンアミンを含むエチレンアミン組成物を製造し;(b)前記エチレンアミン組成物の少なくとも一部をアミノ交換反応させて、アミノ交換されたエチレンアミン組成物を生成させる工程を含んでなる。アミノ交換されたエチレンアミン組成物は、少なくとも1種のエチレンアミンを、工程(b)でアミノ交換されるエチレンアミン組成物中に存在するその量よりも多い量で含む。このように、生成物の組成物中の1種又はそれ以上の望ましいエチレンアミン(例えばDETA、AEP及びTETA)が、工程(b)でアミノ交換される組成物と比較して増加する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図1A】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図1B】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図1C】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図1D】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図1E】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図2】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図2A】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図2B】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図2C】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【図2D】本発明に係るエチレンアミンの製造方法の一態様のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の代表的な態様により詳細に言及する。本発明を、以下に列挙する態様に関連して説明するが、本発明をこれらの態様に限定する意図がないことは理解できるであろう。むしろ、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれることができる代替形態、変形形態及び均等形態を全て網羅するものとする。
【0009】
当業者ならば、本発明に使用でき且つ本発明の実施の範囲内に含まれる、本明細書中に記載したのと同様な又は均等な多くの方法及び材料を理解できるであろう。本発明は、記載した方法及び材料に決して限定するものではない。
【0010】
本明細書中に記載した全ての出版物及び特許は、例えば本明細書中に記載する発明に関連して使用できる、出版物中に記載された構成概念及び方法を説明及び開示する目的で、参照によりその全体を本明細書中に組み入れる。本明細書中で取り上げる出版物は、本出願の出願日前のそれらの開示のみを目的として記載する。これらの開示はいずれも、本発明者らが、先行発明という理由でこのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解してはならない。
【0011】
特に断らない限り、本明細書中で使用する技術用語及び化学用語は、本発明が属する技術分野における通常の技術を有する者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。本発明の実施又は試験は、本明細書中に記載したものと同様な又は均等な任意の方法、装置及び材料を使用できるが、好ましい方法、装置及び材料を以下に記載する。
【0012】
本明細書中で使用する以下の略語は以下の意味を有する:
AEEAはアミノエチルエタノールアミンを意味する。
AEPはアミノエチルピペラジンを意味する。
DETAはジエチレントリアミンを意味する。
EDAはエチレンジアミンを意味する。
EDCは二塩化エチレンを意味する。
HEPはヒドロキシエチルピペラジンを意味する。
HPAは重質(heavy)ポリアミンを意味する。
MEAはモノエタノールアミンを意味する。
PEHAはペンタエチレンヘキサミンを意味する。
PIPはピペラジンを意味する。
TEPAはテトラエチレンペンタミンを意味する。
TETAはトリエチレンテトラミンを意味する。
【0013】
本発明は、アミノ交換プロセスに連結されたエチレンアミン生成プロセスを使用するエチレンアミンの製造方法を提供する。エチレンアミン生成プロセスとアミノ交換反応プロセスとの組合せは、単一のプロセスによってもたらされるプロダクトミックスの柔軟性を改善し、それによって、改善されたプロダクトミックスを有するエチレンアミン組成物の製造を可能にする。
【0014】
本発明の方法は、エチレンアミン生成プロセスを用いてエチレンアミン組成物を製造する工程を含む。エチレンアミンの生成に有用な任意のプロセスを本発明に従って使用できる。エチレンアミンの生成のために知られた多くのプロセスのうち、最もよく使用される2つのプロセスは、(1)二塩化エチレン(EDC)とアンモニア(NH3)との反応と、それに続く水酸化ナトリウム(NaOH)での中和による、エチレンアミン及び塩の生成(本明細書中では「EDCプロセス」と称する);並びに(2)不均一触媒上におけるアンモニア(NH3)によるモノエタノールアミン(MEA)の還元的アミノ化(本明細書中では「RAプロセス」と称する)である。第3の実施可能な技術は、当業界で一般的には実施されていないが、縮合(condensation)である。縮合反応は、2つの分子(基)が結合して、小分子(例えば水又はアンモニア)を失いながら、単一分子を形成する化学反応である。
【0015】
EDCプロセス、RAプロセス又は縮合プロセスのいずれを用いるとしても、達成可能なプロダクトミックスの柔軟性は、化学構造、使用するプロセス、広範囲の反応条件にわたる運転に必要な投資コスト並びに材料を反応器に循還させるのに必要な資本投資コスト及び運転コストによって制約される。例えば、RAプロセスの混合物はEDAを約70重量%、DETAを約10重量%含み、PIP、AEP、AEEA、TETA、TEPA、PEHA及び/又はHPAをそれほど増加させることなくDETAを選択的に増加させる能力は、化学構造及びプロセスによって制約される。EDCプロセスは、その反応化学により、RAプロセスよりも高いプロダクトミックスの柔軟性を有するが、不所望な同族体を増加させることなく、特定の同族体を選択的に増加させる能力は、この場合も制約される。本発明は、エチレンアミン生成プロセスをアミノ交換反応プロセスと組合せてプロダクトミックスの柔軟性を改善する、改善されたエチレンアミンの製造方法を提供することによって、これらの制約に対処する。
【0016】
有用なエチレンアミン生成プロセスについて、以下により詳細に説明する。
【0017】
二塩化エチレンプロセス(EDCプロセス)
本発明の一部の態様においては、EDCプロセスを用いてエチレンアミンを生成する。本明細書中で使用する用語「EDCプロセス」は、エチレンアミンを生成させるための二塩化エチレンルートを指す。このルートでは、二塩化エチレン(1,2−ジクロロエタン)をアンモニアと反応させてから中和(例えばNaOHによって)することによって、エチレンアミン種と塩との混合物を生成させる。
【0018】
NaOH
二塩化エチレン(EDC)+NH3 ―――→ エチレンアミンの混合物+塩
【0019】
The Encyclopedia of Chemical Process and Design中に報告されているように、典型的なプロセスでは、二塩化エチレン、アンモニア及び循還液体を一緒にして高圧反応器に供給し、そこでそれらが反応して、エチレンジアミンとポリアミンとの混合物が形成される。これらの生成物は、塩酸塩の形態で反応器から出ていく。反応器から出た後、未反応のアンモニアは、反応器流出液からストリップして、EDA反応器に循還させることができる。過剰のアンモニアを全て除去した後、次に、エチレンジアミン生成物を水酸化ナトリウム(NaOH)と混合して遊離アミンを遊離させ、同時に結果として塩化ナトリウムが形成される。アミンの遊離後、次に、アミン生成物を塩化ナトリウム及び水と共にエバポレーターに供給し、塩化ナトリウムを晶出させることができる。蒸発生成物は、所望ならば、蒸留によって分離できる。
【0020】
EDCルートを用いる場合、ジエチレントリアミン(DETA)の生成を引き起こす典型的な一連の反応は以下の通りである:
2C24Cl2+3NH3 ―→H2NC24NHC24NH2・4HCl
2NC24NHC24NH2・4HCl+4NaOH→H2NC24NHC24NH2
4NaCl+4H2
【0021】
EDCプロセスは、典型的には、EDA、PIP、DETA、AEP、TETA、TEPA、PEHA、HPA、PEHA、TEPA及びTETAを含むエチレンアミンの混合物を生成する。
【0022】
EDCプロセスの反応の実施に有用な反応器の型は、プラグフロー型反応器及び管型反応器である。EDCとNH3との反応性は、反応が自己触媒的であるようなものであり、EDCプロセスには典型的には触媒は用いない。
【0023】
EDCプロセスに典型的な反応条件は、当業界で知られており、例えば反応器に約2000psigの圧力を供給しながら、反応器中の混合物を約140℃まで加熱することを含む。
【0024】
多くの態様において、EDCプロセスに続いて、水及び塩の回収プロセスを行う。水及び塩は、典型的には、晶析器とも称する一連のエバポレーターによってこのプロセスから除去し、続いて従来の蒸留を行う。
【0025】
還元的アミノ化プロセス(RAプロセス)
本発明の一部の態様において、エチレンアミン生成プロセスは還元的アミノ化プロセス(RAプロセス)である。還元的アミノ化(RA)においては、1種又はそれ以上のアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン)を含む供給流を、触媒(例えばNi−Re不均一触媒)の存在下でアンモニア(NH3)と反応させて、典型的にはエチレンジアミン(EDA)を含むエチレンアミンの混合物を生成する。
1種又はそれ以上のアルカノールアミン+NH3→エチレンアミンの混合物
【0026】
アルカノールアミンは、少なくとも1つの直鎖、分岐鎖又は環状アルキレン鎖、少なくとも1つのヒドロキシル基及び少なくとも1つのアミン部分を含む化合物を含む。好ましい態様において、アルキレン鎖は炭素数が2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜5である。言うまでもなく、エチレン、即ち−CH2CH2−が好ましい。エタノールアミンの例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが挙げられるが、他のエタノールアミンも有用な場合がある。
【0027】
代表的な態様において、RA反応器に供給するRA供給流は、エタノールアミンの全含有量に基づき、約70重量%又はそれ以上のモノエタノールアミン、約30重量%又はそれ以下のジエタノールアミン及び約15重量%又はそれ以下のトリエタノールアミンを含む。典型的には、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンの合計は約30重量%又はそれ以下である。一部の態様において、RA供給流は、約90重量%又はそれ以上のモノエタノールアミン、約3重量%又はそれ以下のジエタノールアミン及び約0.5重量%又はそれ以下のトリエタノールアミンを含む。他の態様において、RA供給流は、約99.5重量%又はそれ以上のモノエタノールアミン、約0.3重量%又はそれ以下のジエタノールアミン及び約0.1重量%又はそれ以下のトリエタノールアミンを含む。
【0028】
RA供給流は、典型的には、RA供給流中に存在するアルコール性ヒドロキシル基の化学量論的量を超える量で、アンモニアも含む。一部の態様において、RA供給流中にはエタノールアミン1モル当たり少なくとも15モルのアンモニアが存在する。他の態様において、供給流中には少なくとも15モル又は少なくとも20モルのアンモニアが存在する。
【0029】
水も、RA供給流中に、例えば約0〜10重量%、より典型的には0〜5重量%の範囲の量で存在できる。
【0030】
一部の態様においては、アミン成分も、RAプロセスの供給流中に含ませる。アミンの例としては、EDA、PIP、DETA及びTETAが挙げられる。アミン成分は、未反応アミン成分の循還によって、RA供給流中に導入できる。
【0031】
RAプロセスに代表的な触媒は当業界で知られており、例えばニッケルレニウム型触媒を含む。他の遷移金属触媒、例えばCo、Cu、Ru、Rh,Pd、Pt又はそれらの混合物も有用である場合もある。これらの触媒は、典型的には、担体、例えばAl23、TiO2、ZrO2又はSiO2などの酸化物担体に担持される。ゼオライト触媒、例えばモルデナイト、フォージャサイト及びチャバサイトも有用である。
【0032】
特に好ましい態様において、触媒材料は、ニッケル及びレニウムを含む水素化/脱水素化触媒成分を組み込んでいる。ニッケル対レニウムの重量比は広範囲にわたって変化できる。例えば、ニッケル対レニウムの重量比は、約1:1000〜1000:1、好ましくは1:100〜100:1、より好ましくは1:50〜50:1の範囲であることができる。更に望ましくは、ニッケル対レニウムの重量比は、これらの範囲内であって、重量比が約1:1よりも大きい。一部の態様においては、約3;1〜約10:1の重量比を用いるのが適当であろう。不均一触媒がニッケル及びレニウムを組み込んでいる好ましい態様において、有用な担体はアルミナ−シリケート粒子である。このような触媒及びこのような担体に担持されたこのような不均一触媒の製造方法は、米国特許第6,534,441号に更に詳しく記載されている。米国特許第4,123,462号及び第4,111,840号に報告されているニッケル及びレニウム触媒も有用である。
【0033】
金属触媒の使用時において触媒活性を保持するためには、RA反応器に水素ガスを導入するのが望ましいことが多い。水素ガスは、アミノ化供給流とは別の供給流として又はアミノ化供給流の一成分としてアミノ化反応器に供給できる。存在する水素の量は、アミノ化供給流中の総モルに基づき、典型的には約0.0001〜約30モル%、より典型的には約0.01〜約2モル%の範囲である。
【0034】
アミノ化反応の温度は、アミノ化反応に使用する触媒の型に基づいて選択する。Ni−Reの場合には、温度は、典型的には、約120〜約225℃、より典型的には約150〜約215℃の範囲である。圧力は典型的には約1000〜約4000psiの範囲である。
【0035】
流出物流は、RA反応器から取り出した後、様々な分離工程に供して、種々の成分を除去することができる。例えば、流出物流を蒸留に供して、水、アンモニア、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ヒドロキシエチルピペラジン、アミノエチルエタノールアミンなどを除去することができる。
【0036】
RAプロセスは、典型的には、エチレンアミンEDA及びDETAを多く含むエチレンアミンの混合物を生成し、微量のHPA、PEHA、AEEA、AEP、PIP、TEPA及びTETAを含む。例えば、一部の態様において、エチレンアミン組成物は、EDAを約70重量%、DETAを約10重量%並びにHPA、PEHA、AEEA、AEP、PIP、TEPA及びTETAを合計約20重量%含む。
【0037】
縮合プロセス
第3の実施可能な技術は、エチレンアミンの生成のためには当業界で一般的に実施されていないが、縮合である。一般的には、縮合反応は、2つの分子又は官能基が結合して、小分子を失いながら、単一分子を形成する化学反応である。一部の態様において、ヒドロキシル含有物質はアミンと反応して、それとは異なるアミンと水とを生成する。例えば、エタノールアミンとエチレンアミンとの反応は、水を失いながら、新しいエチレンアミンを生成する。一部の態様において、1種のアミンは1種のアミンと反応して、それらとは異なるアミンとアンモニアとを生成する。例えば1種のエチレンアミンと1種のエチレンアミンとの反応は、アンモニアを失いながら、新しいエチレンアミンを生成する。縮合プロセスに関する更なる詳細は、例えば米国特許第5,225,600号(Kingら)に記載されている。
【0038】
EDCプロセス、RAプロセス及び縮合プロセスについては、達成可能なプロダクトミックスの柔軟性は、化学構造、使用するプロセス、広範囲の反応条件にわたる運転に必要な投資コスト並びに物質を反応器に循還させるのに必要な資本投資コスト及び運転コストによって制約される。例えば、RAプロセスの混合物は、EDA約70重量%、DETA約10重量%を含み、PIP、AEP、AEEA、TETA、TEPA、PEHA及び/又はHPAをそれほど増加させることなく、DETAを選択的に増加させる能力は、化学構造及びプロセスによって制約される。EDCプロセスは、反応化学のため、RAプロセスより高いプロダクトミックスの柔軟性を有するが、不所望な同族体を増加させることなく特定の同族体を選択的に増加させる能力は、同様に制約される。
【0039】
アンモニア/水素の回収
本発明に係るエチレンアミンの製造方法には、1つ又はそれ以上のアンモニア回収システムを使用できる。アンモニア回収システムは、流体流からアンモニア及び、場合によっては、1種又はそれ以上のその他の成分(例えば水素)を分離させる。
【0040】
アンモニア回収システムは、所望に応じて、全プロセスの任意の場所に配置できる。好ましくは、1つ又はそれ以上のアンモニア回収システムは、アンモニア回収システム及び/又は他のプロセスユニットの数を最小限に抑えるような方法で使用する。回収アンモニアは、任意の所望な方法で使用できる。例えば、回収アンモニアの純度レベルによっては、回収アンモニアをプロセスの別の場所、例えば反応器の入口に再循還してもよい。有利なことに、このような回収アンモニアは、アンモニアが反応において消費される反応器への「補給」アンモニアとして使用できる。
【0041】
アンモニア回収システムは、当業界で知られた任意の型のアンモニア回収システムであることができる。例えば、アンモニア回収システムは、蒸留カラム、複数の単段分離器、圧縮機、冷却機及び/又は吸収器を多くの種々の組合せで利用することなどができる。
【0042】
分離
エチレンアミン生成プロセス(例えばEDCプロセス、RAプロセス又は縮合プロセス)を用いてエチレンアミンの混合物を生成させた後、得られたエチレンアミン組成物は次に、1つ又はそれ以上の分離工程に供することができる。分離工程においては、少なくとも1種のエチレンアミンの少なくとも一部をエチレンアミン組成物から除去して、分離混合物を形成する。例えば、エチレンアミンEDA、DETA、HPA、PEHA、AEEA、AEP、PIP、TEPA及びTETAを、エチレンアミン組成物から部分的に又は完全に除去することができる。得られた分離エチレンアミン組成物は、1種又はそれ以上のエチレンアミンを含む。一部の態様において、分離エチレンアミン組成物は、2種若しくはそれ以上のエチレンアミン又は3種若しくはそれ以上のエチレンアミンを含む。分離工程は典型的には、エチレンアミン類を分離するための1種又それ以上の既知の技術、例えば、蒸留(任意的に垂直分割型カラム(divided wall column)を用いる)、膜分離、溶融結晶化及び反応蒸留を使用して実施する。
【0043】
アミノ交換
エチレンアミン組成物の生成後、エチレンアミン組成物は次にアミノ交換させる。アミノ交換は、1種の化合物から別種の化合物へのアミノ基の転移、又は1種の化合物内のアミノ基の転位である。アミノ交換は少なくとも1種のエチレンアミンを、アミノ交換される混合物中に存在するその量に比較して増加させる。即ち、アミノ交換は、エチレンアミン組成物中に存在する少なくとも1種のエチレンアミンの量を、アミノ交換前に存在するその量に比較して増加させる。例えば、代表的な実施態様において、アミノ交換は、アミ交換されるエチレンアミン組成物(即ち、アミノ交換供給材料)中で0重量%であったDETAの量を、アミノ交換されたエチレンアミン組成物中では23重量%まで増加させることができる。
【0044】
アミノ交換反応器の前及び/又は内部で、任意的に、1種又はそれ以上の追加成分をエチレンアミン反応体と合することもできる。例えば、アンモニア(NH3)をアミノ交換供給流に含ませて、好ましくない反応の程度を最小限に抑えることができる。別の例として、水素を、触媒活性及び生成物選択性に作用するのに十分な量で、アミノ交換供給流に含ませることができる。水素の代表的な量としては、液体供給材料に基づき、約0.001〜約10.0モル%が挙げられる。
【0045】
アミノ交換反応は、任意の適当な反応器中で実施できる。このような反応器としては、回分反応器、連続固定床反応器、スラリー床反応器、流動床反応器、触媒蒸留反応器、これらの組合せなどが挙げられる。或る態様では、固定床反応器が好ましい。固定床反応器は、所定の位置に保持され且つ固定基準フレームに対して実質的に移動しない触媒ペレットを含む。反応器供給材料の少なくとも一部が、触媒ペレット上を通り(流れ去り)、反応して生成物を形成する。
【0046】
反応器条件は、使用する反応器供給材料及び触媒を所与として、望ましいプロダクトミックスを形成するように設定できる。好ましくは、反応器条件は、運転コストの削減などのために、比較的穏やかである。好ましいアミノ交換反応温度は約130〜約180℃、好ましくは約130〜約170℃、更に好ましくは約130〜約160℃の範囲の温度であることができる。好ましいアミノ交換反応圧力は約200〜約2000psigの範囲の圧力であることができる。好ましいアミノ交換反応用反応器の空間速度は、エチレンアミン類約5〜約50グラムモル/kg(触媒)/時の範囲であることができる。好ましい態様において、本発明に係るアミノ交換反応は、約25%又はそれ以上、例えば約25〜約65%の範囲の供給材料転化率を有することができる。
【0047】
本発明に係る方法には、アミノ交換反応を触媒できる任意の触媒を使用できる。このような触媒は周知である。好ましい触媒としては、水素化触媒又は脱水素化触媒が挙げられる。水素化触媒はニッケル(Ni)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びそれらの組合せから作られたものであることができる。本発明に係る方法では、アミノ交換反応用の触媒を担持できる任意の触媒担体を使用できる。触媒担体は周知であり、例えば金属酸化物が挙げられる。好ましい態様においては、混合金属酸化物を使用し、より好ましくは、シリカを含む遷移アルミナを使用する。
【0048】
好ましい触媒の1つは、Al23−SiO2担体に担持された、レニウム及びニッケルを含む選択的且つ安定な触媒である。このような触媒は、米国特許第6,534,441号(Bartleyら)に記載されている。記載されているように、このような触媒は、ニッケル及びレニウムを活性金属として含む。より詳しくは、この触媒は、約2〜約75重量%のニッケルを含むことができ、ニッケル対レニウムの重量%比が約1:1〜約200:1である。この触媒は好ましくは、約5〜約65重量%のシリカを含むアルミナ−シリカ担体に担持され、好ましくは約30〜約450m2/gのBET表面積を有する。この触媒は任意的にホウ素を含み、好ましくはホウ素対ニッケルの重量%比が約1又はそれ以下である。触媒のニッケル含量、ニッケル対レニウム重量%比及びホウ素対ニッケル重量%比、担体表面積並びに担体のシリカ含量は、指定した活性を有する触媒組成物を提供するように且つ特定のアミンプロダクトミックスを生成するように、選択できる。
【0049】
別の好ましいアミノ交換反応触媒は、米国仮特許出願第61/195,455号(Stephen W. Kingら;発明の名称:CATALYST COMPOSITIONS INCLUDING MIXED METAL OXIDE COMPLEX AS SUPPORT;出願日:2008年10月6日)に記載されている。
【0050】
一部の態様において、アミノ交換反応触媒は、(a)遷移アルミナ及び第2の金属の酸化物を含む酸性混合金属酸化物を含む担体部分と、(b)ニッケル及びレニウムを含む触媒部分とを含み、前記の第2の金属の酸化物はアルミナの重量百分率より小さい重量百分率を有し、前記触媒部分は触媒組成物の25重量%又はそれ以下であり、前記触媒部分は、触媒組成物の総重量に基づき、2〜20重量%の範囲の量でニッケルを含み、前記触媒部分にホウ素は存在しない。
【0051】
一部の態様において、遷移アルミナはδアルミナを含み、γ、θ又はαアルミナのうち1種又はそれ以上を更に含むことができる。一部の態様において、遷移アルミナはθアルミナを含み、γ又はαアルミナのうち1種又はそれ以上を更に含むことができる。一部の態様において、担体部分は少なくとも50重量%の遷移相アルミナを含む。
【0052】
一部の態様において、第2の金属の酸化物は、周期表の第IIA族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族、第IIB族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族及び希土類元素から選ばれた少なくとも1種の元素を含む。第2の金属の酸化物の例は珪素、ランタン、マグネシウム、ジルコニウム、ホウ素、チタン、ニオブ、タングステン及びセリウムを含む。一部の態様において、担体部分は、担体部分の重量に基づき、5重量%〜50重量%未満、又は5〜35重量%の範囲の量で第2の金属の酸化物を含む。
【0053】
一部の態様において、担体部分は10〜200m2/gの範囲又は80〜180m2/gの範囲の表面積を有する。
【0054】
一部の態様において、ニッケル及びレニウムは3:1〜14:1の範囲の重量比で触媒部分中に存在する。
【0055】
一部の態様において、触媒は選択性促進剤を更に含む。選択性促進剤は、周期表の第IA族、第IIA族、ホウ素以外の第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族、第VIIA族、第VIIIA族、第IB族、第IIB族第IVB族から選ばれた少なくとも1種の元素を含むことができる。
【0056】
更に別の好ましいアミノ交換反応触媒は、米国仮特許出願第61/195,434号(Stephen W.Kingら;発明の名称:COBALT CATALYSTS FOR AMINE CONVERSION;出願日:2008年10月6日)に記載されている。一部の態様において、触媒組成物は、(a)遷移アルミナ及びアルミナの重量百分率より小さい重量百分率を有する第2の金属の酸化物を含む酸性混合金属酸化物を含む担体部分と、(b)コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選ばれた1種又はそれ以上の金属を含む、触媒組成物の25重量%又はそれ以下の触媒部分とを含み、レニウムを全く含まないか又は0.01重量%しか含まない。
【0057】
一部の態様において、触媒部分は、触媒組成物の20重量%又はそれ以下、例えば、触媒組成物の3〜18重量%又は5〜10重量%の範囲である。
【0058】
一部の態様において、触媒部分はコバルト、ニッケル及び銅からなる群から選ばれた2種又は3種の金属、例えばコバルト及びニッケルを含む。
【0059】
一部の態様において、コバルト及びニッケルは1:9〜9:1又は1:4〜4:1の範囲の重量比で存在する。一部の態様においては、触媒部分はレニウムを全く含まないか又は0.005重量%しか含まない。
【0060】
一部の態様において、触媒組成物は、選択性促進剤を更に含む。選択性促進剤の例は、周期表の第IA族、第IIA族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族、第VIIA族、第VIIIA族、第IB族、第IIB族第IVB族から選ばれた少なくとも1種の元素を含む。選択性促進剤はレニウム、ロジウム、白金、パラジウム又はイリジウムではない。
【0061】
一部の態様において、遷移アルミナはδアルミナを含み、γ、θ又はαアルミナのうち1種又はそれ以上を更に含むことができる。一部の態様において、遷移アルミナはθアルミナを含み、γ又はαアルミナのうち1種又はそれ以上を更に含むことができる。担体部分は、少なくとも50重量%の遷移相アルミナを含むことができる。
【0062】
一部の態様において、第2の金属の酸化物は、周期表の第IIA族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族、第IIB族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族及び希土類元素から選ばれた、少なくとも1種の元素を含む。例としては珪素、ランタン、マグネシウム、ジルコニウム、ホウ素、チタン、ニオブ、タングステン及びセリウムを含む。
【0063】
一部の態様において、担体部分は、担体部分の重量に基づき、5重量%〜50重量%未満又は5〜35重量%の範囲の量で第2の金属の酸化物を含む。
【0064】
一部の態様において、担体部分は10〜200m2/gの範囲又は80〜180m2/gの範囲の表面積を有する。
【0065】
前記触媒の態様はエチレンジアミンに対して著しく改善された選択性を示す。有利なことに、このような触媒は、比較的穏やかな温度及び圧力条件においてはるかに改善された選択性を実現できる。例えば、このような触媒は、110〜180℃、好ましくは130〜160℃の範囲の温度及び2000psig又はそれ以下の圧力において所望の生成物選択性を実現できる。
【0066】
アミノ交換後、アミノ交換反応器からの流出物は、回収のための一般的な分離システムに戻すか、分離精製システムによって回収するか又は共通分離スキームの任意の組合せであることができる。
【0067】
本発明に係る方法によって製造される1種又はそれ以上のエチレンアミンは、当業界で知られた任意の方法によって分離(精製)できる。例えば、エチレンアミンは、当業界で知られた従来の蒸留技術を用いて精製できる。好ましくは、垂直分割型カラムを使用する。他の分離技術、例えば膜分離、溶融結晶化及び反応蒸留も使用できる。
【0068】
アミノ交換プロセスはスタンドアローンユニットとして構成する(即ち新しい若しくは既存のエチレンアミン設備と一体化しない)こともできるし、又は新しい若しくは既存のエチレンアミン設備と部分的に若しくは完全に一体化してもよい。スタンドアローンのアミノ交換プロセスの例は米国仮特許出願第61/195,404号(Cook,Ronald Grayら;発明の名称:A PROCESS TO SELECTIVELY MANUFACTURE DIETHYLENETRIAMINE(DETA) AND OTHER DESIRABLE ETHYLENEAMINES VIA CONTINUOUS TRANSAMINATION OF ETHYLENEDIAMINE(EDA),AND OTHER ETHYLENEAMINES OVER A HETEROGENEOUE CATALYST SYSTEM;出願日:2008年10月6日)に記載されている。完全に一体化された実施態様においては、アミノ交換反応器はエチレンアミン生成プロセスからのアンモニア回収操作及び生成物精製操作を使用する。部分的に一体化された態様においては、エチレンアミン生成プロセスにおける少なくとも1つのプロセス又はユニット操作を、アミノ交換反応器流出物からの材料の回収に用いる。例えば、部分的に一体化された態様において、アミノ交換反応器はエチレンアミン生成プロセスの生成物を処理するアンモニア回収ユニットとは別個のアンモニア回収ユニットに接続してもよい。
【0069】
アミノ交換反応の生成物は、アミノ交換反応に供されるエチレンアミン組成物と比較して、1種又はそれ以上の望ましいエチレンアミンを多く含むエチレンアミン組成物を含む。例えば、一部の態様において、アミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中に存在するTETAの量は、アミノ交換反応されるエチレンアミン組成物と比較して多い。例えばアミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中のTETAの量は約0〜約75重量%、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%の範囲であることができる。他の態様において、アミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中に存在するDETAの量は、アミノ交換反応されるエチレンアミン組成物と比較して、多い。例えばアミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中のDETAの量は約0〜約99重量%、好ましくは0〜80重量%、より好ましくは0〜50重量%の範囲であることができる。更に他の態様において、アミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中に存在するEDAの量は、アミノ交換反応されるエチレンアミン組成物と比較して、多い。例えばアミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中のEDAの量は、約0〜約75重量%、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%の範囲であることができる。更に他の態様において、アミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中に存在するAEPの量は、アミノ交換反応されるエチレンアミン組成物と比較して、多い。例えばアミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中のAEPの量は、約0〜約75重量%、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%の範囲であることができる。
【0070】
プロセスフロー図
本発明を、次に、以下の代表的なプロセスフロー図に関して説明する。ここで図1を参照すると、本発明の方法の一態様のフローチャートが示されている。
【0071】
図1には、EDC反応器を用いた本発明の完全に一体化されたプロセス100を示してある。図1に示されるように、新鮮な(fresh)二塩化エチレン供給材料110は、新鮮なアンモニア120と共にEDC反応器130中に供給される。次に、EDC反応の生成物流140がアンモニア回収プロセス150に供給され、そこで反応器流出物が苛性アルカリ155で中和され、反応からの未反応アンモニアが、当業界で知られた方法(例えば汎用の蒸留)によって生成物140から除去される。次いで、未反応アンモニアは、循還流170によってEDC反応器130にフィードバックされる。任意的に、EDC反応器130に供給される新鮮なアンモニア120がアンモニア回収プロセス150に導入され、流れ170によってEDC反応器に循還されてもよい。アンモニア回収150の後、生成物流180が次に水/塩除去プロセス190に供給され、そこで、当業界で知られた方法(例えば蒸発及び結晶化とそれに続く汎用の蒸留)によって水200及び塩210が除去される。水及び塩の除去後、生成物流220が次に、生成物精製工程230に供給され、そこで、生成物流中に存在する種々のエチレンアミンが互いに又は留分に分離されることができる。生成物精製工程は、典型的には、汎用の蒸留カラム、好ましくは汎用の蒸留カラムと垂直分割型カラムとの組合せを含む。精製工程230の後、1種又はそれ以上のエチレンアミンを含む流れ240がアミノ交換反応器250に供給される。アミノ交換反応器250には水素流260も供給される。次いで、アミノ交換反応生成物270が、EDC生成物流140と共に、アンモニア回収プロセス150に供給されて処理される。流れ270に含まれる水素は、アンモニア回収プロセス150から逃がされてもよいし、又は流れ170によって、水素が消費されるEDC反応器130に循還されてもよい。
【0072】
次に図1Aを参照すると、本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図1Aに示されているプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス100Aは、既存のEDCラインを、本発明の方法を実施できるように構成するのに役立つことができる。プロセス100Aは、第1のアンモニア回収ユニット150A及び第2のアンモニア回収ユニット272Aを互いに直列又は並列に含む。図1Aの方法において、アミノ交換反応器250Aからのアミノ交換反応生成物270Aは、第2のアンモニア回収ユニット272Aに供給される。第2のアンモニア回収ユニット272Aは、プロセス100Aに更なるアンモニア回収能を提供する。第2のアンモニア回収ユニット272A及びアンモニア回収ユニット150Aは、必要に応じて、いずれのユニットからの材料も流れ274Aを経て移動できるように一体化される。流れ274Aは実際には、2つのアンモニア回収ユニット150Aと272Aとの間を行き来する複数のラインであることができる。流れ274Aに含まれる水素は、ユニット150Aから逃がされるか、又は流れ170Aを経て、水素が消費されるEDC反応器に循還される。任意的に、水素含有流172Aは、第2のアンモニア回収ユニット272A中に回収されて、アミノ交換反応器250Aに循還されることもできる。アンモニア回収272Aの後、生成物流274Aは、次に、更なる下流処理のために第1のアンモニア回収ユニット150Aに供給される。
【0073】
次に図1Bを参照すると、本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図1Bに示されているプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス100Bは、既存のEDCラインを、本発明の方法を実施できるように構成するのに役立つことができる。プロセス100Bは、互いに並列な関係で一体化された第1のアンモニア回収ユニット150B及び第2のアンモニア回収ユニット272Bを含む。図1Bの方法において、アミノ交換反応器250Bからのアミノ交換生成物270Bは、第2のアンモニア回収ユニット272Bに供給される。第2のアンモニア回収ユニット272Bは、プロセス100Bに更なるアンモニア回収能を提供する。アンモニア回収後、生成物流274Bは次に、第1のアンモニア回収ユニット150Bの後の生成物流180Bにフィードバックされる。回収されたアンモニア276Bは、EDC反応器130Bに循還される。流れ276Bに含まれる水素は、EDC反応器130B中で消費されるか、又はアンモニア回収ユニット150Bから逃がされるであろう。任意的に、水素含有流172Bは、第2のアンモニア回収ユニット272Bで回収され、アミノ交換反応器250Bに循還されることができる。
【0074】
次に図1Cを参照すると、本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図1Cに示されているプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス100Cは、既存のEDCラインを、本発明の方法を実施できるように構成するのに役立つことができる。プロセス100Cは、互いに並列な関係にある第1のアンモニア回収ユニット150C及び第2のアンモニア回収ユニット272Cを含む。図1Cの方法において、アミノ交換反応器250Cからのアミノ交換反応生成物270Cは、第2のアンモニア回収ユニット272に供給される。第2のアンモニア回収ユニット272Cは、プロセス100Cに更なるアンモニア回収能を提供する。アンモニア回収後、生成物流274Cは、次に、水/塩除去プロセス190Cの後の生成物流220Cにフィードバックされる。回収されたアンモニア276Cは、EDC反応器130Cに循還される。流れ276Cに含まれる水素は、EDC反応器130C中で消費されるか、又はアンモニア回収ユニット150Cから逃がされるであろう。任意的に、水素含有流172Cは、第2のアンモニア回収ユニット272Cで回収され、アミノ交換反応器250Cに循還されることができる。
【0075】
次に図1Dを参照すると、本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図1Dに示されているプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス100Dは、既存のEDCラインを、本発明の方法を実施できるように構成するのに役立つことができる。プロセス100Dは、EDA反応器130D及びアミノ交換反応器250Dに関して、別個のアンモニア回収流及び生成物精製流を含む。図1Dに示されるように、アミノ交換反応器250Dの生成物270Dはアンモニア回収ユニット272Dに供給される。アンモニア回収ユニットからの生成物流274Dは次に、生成物精製ユニット278Dに供給される。回収されたアンモニア276Dは、EDC反応器130Dに循還される。流れ276Dに含まれる水素は、EDC反応器130D中で消費されるか、又はアンモニア回収ユニット150Dから逃がされるであろう。任意的に、水素含有流172Dは、第2のアンモニア回収ユニット272Dにおいて回収され、アミノ交換反応器250Dに循還されることができる。生成物精製ユニット278Dは、EDC流の処理に使用される生成物精製ユニット230Dと同じであっても、異なっていてもよい。
【0076】
次に図1Eを参照すると、本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図1Eに示されるプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス100Eは、既存のEDCラインを、本発明の方法を実施できるように構成するのに役立つことができる。プロセス100Eは、EDA反応器130E及びアミノ交換反応器250Eに関して、完全に又は部分的に一体化されたアンモニア回収流及び生成物精製流を含む。図1Eに示されるように、アミノ交換反応器250Eの生成物270Eは、アンモニア回収ユニット272Eに供給される。アンモニア回収ユニット272Eからの生成物流274Eは次に、生成物精製ユニット278Eに供給される。アンモニア回収ユニット150Eと272Eとは、流れ282Eによって連結されている。これにより、EDC反応器130E又はアミノ交換反応器250Eからの生成物は、処理のために他のユニットに誘導されることができる。生成物精製ユニット230Eと278Eとは、流れ292Eによって連結されている。これにより、一方の精製ユニットからの生成物は、処理のために他方の精製ユニットに誘導されることができる。流れ282E及び292Eは、システム間で材料を移動させることができることを表している。可能な装置の組合せの数により、282E及び292Eは、実際には、2つのシステム間を行き来する多数の流れであることができる。生成物精製ユニット278Eは、EDC生成物流の処理に使用される生成物精製ユニット230Eと同じであっても、異なっていてもよい。
【0077】
次に図2を参照すると、RAを用いる本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図2には、RA反応器を用いる本発明の方法300が示されている。図2に示されるように、新鮮なMEA310の供給材料及び新鮮なアンモニア320の供給材料がRA反応器330に供給される。RA反応の生成物流340は次に、水素及びアンモニア回収プロセス350に供給され、そこで未反応の水素及びアンモニアが生成物流340から、典型的には汎用の蒸留によって除去される。回収されたアンモニアは、次に、循還流360によってRA反応器330に循還される。回収された水素は、次に、循還流370によってRA反応器330に循還される。任意的に、水素及びアンモニアは、1つの流れとしてRA反応器330に循還されてもよい。任意的に、通常はRA反応器330に供給される新鮮なアンモニア320が、アンモニア回収プロセス350に供給され、流れ360を経てRA反応器330に循還されることもできる。アンモニア/水素回収350の後、生成物流380は、次に、水除去プロセス390に供給され、そこで水400及びアルキル−EDA410(任意)が除去される。アルキル−EDA水除去工程は、例えば米国仮特許出願第61/195,405号(Do,Davidら:発明の名称:METHODS FOR MAKING ETHANOLAMINE(S) AND ETHYLENEAMINE(S) FROM ETHYYLENE OXIDE AND AMMONIA,AND RELATED METHODS;出願日:2008年10月6日)に記載されたようにして実施できる。任意的に、アルキル−EDA410は、この時点で除去される必要はなく、生成物流420に含まれた状態で通過して、生成物精製工程430でEDA生成物と共に回収されることができる。水及び任意的にアルキル−EDAが除去された後、生成物流420は、次に、生成物精製工程430に供給され、そこで、生成物流中に存在する種々のエチレンアミンが互いに又は種々の留分に分離されることができる。未反応のMEAは、生成物精製工程430で回収され、流れ365を経てRA反応器に循還される。生成物精製工程430は、典型的には、任意的に垂直分割型カラムを含む従来の蒸留プロセスを含む。精製工程430の後、1種又はそれ以上のエチレンアミンを含む生成物流440は、アミノ交換反応器450に供給される。アミノ交換反応器450には、RA反応器330にも供給される水素流460が供給される。図2に示されるように、アミノ交換生成物470は、アンモニア/水素回収350より前に、RA生成物流340中に供給される。
【0078】
次に図2Aを参照すると、RAを用いる本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図2Aに示されたプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス300Aは、既存のRAラインを、本発明の方法を使用できるように構成するのに役立つことができる。プロセス300Aは、第1のアンモニア/水素回収ユニット350A及び第2のアンモニア回収ユニット372Aを含む。図2Aの方法において、アミノ交換反応器450Aからのアミノ交換生成物470Aは、第2のアンモニア回収ユニット372Aに供給される。第2のアンモニア回収ユニット372Aは、プロセス300Aに更なるアンモニア回収能を提供する。アンモニア回収後、生成物流374Aは、次に、更なる処理のために第1のアンモニア/水素回収ユニット350Aに供給される。流れ374Aは、アンモニア回収ユニット350Aと372Aとの間で材料を移動させることができることを表している。可能な装置の組合せの数により、374Aは、実際には、2つのシステム間を通る多数の流れであることができる。
【0079】
次に図2Bを参照すると、RAを用いる本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図2Bに示されたプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス300Bは、既存のRAラインを、本発明の方法を使用できるように構成するのに役立つことができる。プロセス300Bは、第1のアンモニア/水素回収ユニット350B及び第2のアンモニア回収ユニット372Bを含む。図2Bの方法において、アミノ交換反応器450Bからのアミノ交換反応生成物470Bは、第2のアンモニア回収ユニット372Bに供給される。第2のアンモニア回収ユニット372Bは、プロセス300Bに更なるアンモニア回収能を提供する。アンモニア回収後、生成物流374Bは、次に、水除去プロセス390Bの後の生成物流420Bにフィードバックされる。回収されたアンモニア376Bは、RA反応器330Bに循還返送される。
【0080】
次に図2Cを参照すると、RAを用いる本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図2Cに示されたプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス300Cは、既存のRAラインを、本発明の方法を実施できるように構成するのに役立つことができる。プロセス300Cは、RA反応器330C及びアミノ交換反応器450Cに関して、別個のアンモニア回収流及び生成物精製流を含む。図2Cに示されるように、アミノ交換反応器450Cの生成物470Cは、アンモニア回収ユニット372Cに供給される。アンモニア回収ユニット372Cからの生成物流374Cは、次に、生成物精製ユニット378Cに供給される。回収されたアンモニア376Cは、RA反応器330Cに循還される。生成物精製ユニット378Cは、RA流420Cの処理に使用される生成物精製ユニット430Cと同じであっても、異なっていてもよい。
【0081】
次に図2Dを参照すると、RAを用いる本発明の方法の一態様のプロセスフロー図が示されている。図2Dに示されたプロセスは、部分的に一体化されたプロセスを表している。プロセス300Dは、既存のRAラインを、本発明の方法を実施できるように構成するのに役立つことができる。プロセス300Dは、RA反応器330D及びアミノ交換反応器450Dに関して、完全に又は部分的に一体化されたアンモニア回収流及び生成物精製流を含む。図2Dに示されるように、アミノ交換反応器450Dの生成物470Dは、アンモニア回収ユニット372Dに供給される。アンモニア回収ユニット372Dからの生成物流374Dは、次に、生成物精製ユニット378Dに供給される。図2Dに示されるように、アンモニア回収ユニット350Dと372Dとは、流れ382Dによって連結されている。同様に、生成物精製システム430Dと378Dとは、流れ392Dによって連結されている。これにより、RA反応器330D又はアミノ交換反応器450Dからの生成物は、処理のために他の流れに誘導されることができる。流れ382D及び392Dは、システム間で材料を移動させることができることを表していることに留意すべきである。可能な装置の組合せの数により、382D及び392Dは、実際には、2つのシステム間を行き来する多数の流れであることができる。
【実施例】
【0082】
本発明を次に、以下の非限定的実施例に関して説明する。
【0083】
実施例1
図1に示したプロセス装置を用いて、以下のデータを得た。EDC反応器内の運転条件は、概算でEDAが49.6重量%、PIPが1.9重量%、DETAが24.3重量%、AEPが2重量%、重質類が21重量%及び他のアミン化合物が1.2重量%得られるように設定した。この組成物を800psigの固定床反応器圧まで供給し、145〜155℃に加熱した。次いで、0.0003重量%の水素を加えて、触媒活性を保持した。混合物を、1/16”アルミナシリカ(80/20)担体に担持された不均一Ni−Re(6.8:1.8重量%)触媒を含むアミノ交換反応器に供給した。この型の触媒は、米国仮特許出願第61/195,455号(Stephen W.Kingら;発明の名称:CATALYST COMPOSITIONS INCLUDING MIXED METAL OXIDE COMPLEX AS SUPPORT;出願日:2008年10月6日)に記載されている。次に、アミノ交換反応器の出口を、EDC反応器の出口と一緒にし、共通の精製システムに向けて送出を行った。表I−1は、種々の温度で得られたプロダクトミックスを重量%で示している。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
表I−2は、プロダクトミックス中においてEDAがほぼ等しい量の場合の比較を示している。EDCプロセスのみによって生成されたプロダクトミックスは、EDC/TA一体化プロセスと比較して、はるかに高レベル(典型的にはTETAより低い値を有する)の≧N5の高級アミンをもたらす。環状アミン(AEP+PIP)及びDETAのレベルは同様である。
【0087】
実施例2
図2に示されるプロセス装置を用いて、以下のデータを得た。RA反応器内の運転条件は、概算でEDAが32.5重量%、MEAが57.6重量%、PIPが1.5重量%、DETAが4.3重量%、AEEAが3.8重量%及びその他が0.3重量%得られるように設定した。この組成物を800psigの固定床反応器圧まで供給し、140〜150℃に加熱した。次いで、0.0003重量%の水素を加えて、触媒活性を保持した。次に、混合物を、実施例1に記載した触媒を含むアミノ交換反応器に供給した。次いで、アミノ交換反応器の出口を、RA反応器の出口と一緒にし、共通の精製システムに向けて送出を行った。表II−1は、種々の温度で得られたプロダクトミックスを示している。
【0088】
【表3】

【0089】
【表4】

【0090】
表II−2は、プロダクトミックス中においてMEAがほぼ等しい量の場合のプロダクトミックスを比較して示している。還元的アミノ化(RA)プロセスのみによって生成されたプロダクトミックスは、一体化されたRA/TAプロセスと比較してはるかに高レベルのEDAをもたらすことが示されている。RA/TA一体化プロセスは、低レベルのPIPを保持しながら、はるかに高レベルの所望のDETAをもたらす。
【0091】
実施例3
図2に示されるプロセス装置を用いて、以下のデータを得た。RA反応器内の運転条件は、概算でEDAが33.7重量%、MEAが62.4重量%、PIPが0.6重量%、DETAが1.8重量%、AEEAが1.5重量%及びその他が0.3重量%得られるように設定した。この組成物を800psigの固定床反応器圧まで供給し、140〜160℃に加熱した。次いで、0.0003重量%の水素を加えて、触媒活性を保持した。次に、混合物を、実施例1に記載した触媒を含むアミノ交換反応器に供給した。次いで、アミノ交換反応器の出口を、RA反応器の出口と一緒にし、共通の精製システムに向けて送出を行った。表III−1は、種々の温度で得られたプロダクトミックスを示している。
【0092】
【表5】

【0093】
【表6】

【0094】
表III−2は、プロダクトミックス中においてMEAがほぼ等しい量の場合の比較を示している。RA/TA一体化プロセスは、還元的アミノ化プロセスと比較して、低レベルのPIPを保持しながら、はるかに高レベルの所望のDETA及びTETAをもたらす。
【0095】
本発明の他の態様は、当業者には、本明細書を検討することにより又は本明細書中に開示した本発明を実施することにより明らかになるであろう。本明細書中に記載した原理及び態様に関する種々の省略、変更及び変化は、本発明の真の範囲及び精神から逸脱しなければ、当業者によって実施されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)エチレンアミン生成プロセスを用いて1種又はそれ以上のエチレンアミンを含むエチレンアミン組成物を製造し;
(b)前記エチレンアミン組成物の少なくとも一部をアミノ交換反応させて、アミノ交換されたエチレンアミン組成物を形成させる
工程を含んでなるエチレンアミンの製造方法であって、
前記のアミノ交換されたエチレンアミン組成物が少なくとも1種のエチレンアミンを、前記工程(b)でアミノ交換反応されるエチレンアミン組成物中に存在するその量よりも多い量で含むエチレンアミンの製造方法。
【請求項2】
前記エチレンアミン組成物から少なくとも1種のエチレンアミンの少なくとも一部を除去する工程を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エチレンアミン生成プロセスが、二塩化エチレン(EDC)プロセス又は還元的アミノ化(RA)プロセス又は縮合プロセスを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エチレンアミン組成物がHPA、PEHA、AEEA、AEP、PIP、TEPA、TETA、DETA及びEDAからなる群から選ばれた1種又はそれ以上のエチレンアミンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アミノ交換反応工程が、前記工程(b)においてアミノ交換反応されるエチレンアミン組成物と比較して、前記のアミノ交換反応されたエチレンアミン組成物中に存在するTETA、DETA、EDA又はAEPの少なくとも1種の量を増加させる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アミノ交換反応を、固定床反応器を用いて、実施する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アミノ交換反応を、アミノ交換反応触媒上で、実施する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アミノ交換反応触媒がNi、Cu、Co、Ru、Re、Rh、Pt、Pd又はそれらの混合物を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アミノ交換反応触媒がシリカを含む遷移アルミナを含む担体を有する請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記アミノ交換反応触媒が押出Al23−SiO2担体に担持されたRe及びNiを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記アミノ交換反応触媒が、
(a)遷移アルミナ及びアルミナの重量百分率より小さい重量百分率を有する第2の金属の酸化物を含む酸性混合金属酸化物を含む担体部分と、
(b)ニッケル及びレニウムを含む触媒部分とを含み;前記触媒部分が触媒組成物の25重量%又はそれ以下であり、前記触媒部分が、触媒組成物の総重量に基づき、2〜20重量%の範囲の量でニッケルを含み、
前記触媒部分にホウ素が存在しない、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記アミノ交換反応触媒が、
(a)遷移アルミナ及びアルミナの重量百分率より小さい重量百分率を有する第2の金属の酸化物を含む酸性混合金属酸化物を含む担体部分と、
(b)コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選ばれた1種又はそれ以上の金属を含む、触媒組成物の25重量%又はそれ以下の触媒部分とを含み、
前記触媒組成物中にホウ素が存在しない、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒部分がコバルト、ニッケル及び銅からなる群から選ばれた2種又は3種の金属を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アミノ交換反応を、水素又はアンモニアの存在下で、実施する請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記アミノ交換プロセスがエチレンアミン生成プロセスに部分的又は完全に一体化されている請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【公表番号】特表2012−504610(P2012−504610A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530065(P2011−530065)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/005470
【国際公開番号】WO2010/042158
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(591123001)ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー (85)
【Fターム(参考)】