説明

エポチロンBの製造、単離および精製方法並びにエポチロンBのX線結晶構造

本発明はエポチロンBの製造、単離および精製のための改良された方法に関する。例えば、これらの方法はエポチロンBの製造のための発酵プロセス、樹脂上への吸着による単離およびその後の精製を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明はエポチロンBの製造、単離、および精製の改良された方法に関する。これらの方法は例えばエポチロンBの製造のための発酵方法、樹脂への吸着による単離、およびその後の精製を含む
【0002】
発明の背景
エポチロンは粘液細菌(Sorangium cellulosum)の発酵により初めて得られた比較的新しい種類のマクロライド化合物である。これらの化合物は最初、それらの抗真菌性のため植物保護剤として研究された。エポチロンは次に動物細胞へのそれらの細胞毒性のため興味が引かれ、その後チューブリン重合剤としてキャラクタライズされた。エポチロンは、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))に似た微小管安定化剤効果、および腫瘍細胞および他の過度に増殖性の細胞の病気等の休息に増殖する細胞にたいして細胞毒性活性を発揮することが今知られている。化学治療剤としてのエポチロンの使用はBollag,et al., Cancer Research 55,2325,1995に記載されている。
エポチロンAおよびB(それぞれepoAまたはepoB)は次の構造を有している。
【化1】

エポチロンを得るための1つのスキームは、WO93/10121にHofle等により明らかにされた。Hofleは炭素源、窒素源およびミネラル塩を含む培地中でSorangium cellulosumの株を培養した。吸着剤樹脂はその株の培養の間に添加された。エポチロンは吸着性の樹脂から溶媒で溶出された。様々なエポチロンが逆相クロマトグラフィーにより分離され、結晶化された。しかしながら、Hofle等は、この方法はほんの少量のエポチロンBを製造すること、および発酵におけるエポチロンAに対するエポチロンBの割合は低いことを認めた。エポチロンAに対するエポチロンBのこの低い割合は純粋なエポチロンBの回収を困難にする。しかしがら、エポチロンAに優ってエポチロンBを製造する改良された発酵方法、およびエポチロンBの単離と精製の改良された方法について必要性が存在する。
【0003】
発明の概要
本発明はエポチロンBの製造のための改良された発酵方法に関する。
本発明は更にエポチロンの製造のため突然変異誘発により得られたSorangium cellulosumの新規な株を含む。
本発明は更に発酵に添加物を供給することによりSorangium cellulosumの新規な株により製造されるエポチロンBのAに対する比を改良するをも含む。1つの好ましい態様では、添加物はプロピオン酸塩、適当なpH調節をしたプロピオン酸、または他のプロピオン酸前駆体である。
本発明は樹脂を用いる発酵培地からエポチロンBの単離のための改良された抽出方法をも含む。エポチロンにとんだ樹脂を洗浄して不純物レベルを下げ、下流の処理を改良する方法をも含む。
本発明はエポチロンBの精製のための改良された方法をも含む。1態様では、精製は結晶化を用いて行われる。他の態様では精製は順相クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーを含むクロマトグラフィー的方法により達成される。さらに他の態様では精製は結晶化並びに順相および逆相クロマトグラフィーを含むクロマトグラフィーによる試料の精製により達成される。更なる態様では樹脂抽出は結晶化のみにより処理される。

エポチロンB(「epoB])は誘導体1(「D1」)(米国特許第6262094号に記載され、本明細書の一部を構成する)の製造における中間体として有用である。その誘導体ではチアゾール環の2−メチルがアミンで置換されている。
【化2】

エポチロンBは誘導体2(「D2」)の製造にも有用である(エポチロンBのラクトンの誘導体2のラクタムへの変換はBorzilleri et al., J. Amer. Chem. Soc. 122, 8890 に記載されており、本明細書の一部を構成する)
【化3】

更に、エポチロンB(「epoB])は誘導体3(エポチロンD、「D3」)(米国特許第6320045号に記載され、本明細書の一部を構成する)の製造に有用である
【化4】

更に、本発明は本明細書に記載された方法および材料を用いて製造されるエポチロンBの結晶形をも含む。
前に記載した一般的な記述および次の詳細な記載は例示的であり、限定的でないことを理解すべきである。
【0004】
発明の詳細な記述
本発明は、特別な方法およびSorangium cellulosumの新規な変異体株に関し、主に発酵の間に製造されるエポチロンAの割合を減少させることにより、それらは一緒にまたは別々に改良されたエポチロンBを有する発酵物を製造する。Sorangium cellulosumまたは他の適当な微生物の細胞は、例えば、1以上の最初の増殖段階培養により拡大し、エポチロン製造発酵のための接種物を提供するのに用いられる。例えば24−72時間の近辺の、発酵の最初の時間の間、細胞増殖は細胞が培地中の栄養を利用するので生ずる。その後、ビタミン、ミネラル、炭水化物、アミノ酸(またはアミノ酸前駆体のような他の炭素または窒素源)等の栄養をエポチロンの製造に資する量培地に加える。1態様において、ビタミン、ミネラル、炭水化物、アミノ酸等の栄養は発酵の間エポチロンAまたはエポチロンBの最大製造を維持する量加える。1態様において、エポチロンAまたはエポチロンBの最大製造速度は、添加物または栄養の添加がない場合と比べてより大量のエポチロンAまたはエポチロンBが製造される製造割合か、もし添加物または栄養が至適より少ない量加えたなら生じたであろうより大きい製造割合をもたらす。発酵の間、プロピオン酸、その前駆体、またはそれらの塩をエポチロンAに対するエポチロンBの割合(生産物比)を増加させるに有効な量加える。
【0005】
本発明はエポチロンの製造に有用なSorangium cellulosumの新しい株にも関する。これらの新株、特に株SC16408は突然変異後にランダム選択によるにより得られた。
【0006】
Sorangium cellulosumは1985年南アフリカのザムベシ河の堤防から採取された土壌サンプルから単離された。その生物はHolfe(上に引用)によりエポチロンの製造について最初に記述された。Holfeにより用いられた株はSo ce90と呼ばれ、Deutsche Sammlung von Mokroorganismen(微生物のドイツコレクション、DSM)に寄託番号6773で寄託された。株So ce90はUV突然変異に続くランダム選択に付され、株So ce90B2を生じた。株So ce90B2(SC16224とも呼ばれる)は、振とうフラスコ(フラスコあたり、例えば1.8W/V%の樹脂を含む)中で、約50mg/Lまたは2.8mg/g樹脂(例えば3.5または4.5mg/gの範囲であり得る)のエポチロンB力価、および約0.6のエポチロンB/Aの比を生じた。
【0007】
本発明において、株So ce90B2またはその誘導体はニトロソグアニジン(NTG)による突然変異、その後のランダム選択に付され、株SC16408(ATCC番号No. PTA−3880として寄託)、およびSC16449(ATCC番号No. PTA−3881として寄託)を生じた。これらの後者の2つの株は、ブタペスト条約に従う特許寄託としてアメリカンタイプコレクションに寄託された。選択方法の詳細は実施例に説明する。
【0008】
一態様において本発明は、ブロス体積1リッターあたり、少なくとも約100mgのエポチロンBを製造する(例えば、下に定義する製造条件下に)Sorangium cellulosum株を提供する。他の態様において、エポチロンB比較製造条件下において、ブロス体積1リッターあたり少なくとも80mgのエポチロンBおよび少なくとも1の、エポチロンBのエポチロンAに対する比を製造する株を提供する。一態様において本発明は、樹脂1gあたり5mgのエポチロンBまたは少なくとも1.0のエポチロンB/A比で樹脂1gあたり5mgを製造する株を提供する。他の態様において、エポチロンB/A比は少なくとも1.5である。更に、他の態様においてエポチロンB/A比は1.5−4.0である。
【0009】
本発明は発酵に添加物を供給することにより、Sorangium cellulosumにより製造されるエポチロンBのエポチロンAに対する比を改良する方法に関する。好ましい態様において,添加物は、細胞が96時間まで増殖した後であるが、好ましくは約24−48時間増殖した後添加するプロピオン酸塩を含む。ある好ましい態様では、細胞は約34時間増殖した後、プロピオン酸塩を加える。GBFによる初期の研究では、発酵に影響する他の要因の中で、0.1%のレベルにおける培地への一度のプロピオン酸塩添加の影響を調査された。本発明者は、振とうフラスコ、14Lファーメンター、製造ファーメンターにおいて製造されたおよびエポチロン、特にエポチロンBの力価およびB/A比はプロピオン酸塩、即ちプロピオン酸ナトリウムの供給により著しく改良された。プロピオン酸塩、即ちプロピオン酸ナトリウムの供給は、エポチロンBの力価の顕著な改良をもたらした。例えばエポチロンBのフラスコ製造は、プロピオン酸ナトリウムの補給により改良され、好ましい範囲は一度供給が開始されると、定期的に(例えば1日あたり)0.05−0.80mg/ml(0.005−0.08%)、より好ましくは0.005−0.04%の範囲であった。1態様では、培養中のプロピオン酸塩の量は0.02%以下を目標にする。更に、限定するものではないが、プロピオン酸メチルエステル、およびプロピオン酸エチルエステルを含プロピオン酸関連化合物もエポチロンBおよびその後B/A比を改良することが見出された。
【0010】
一態様において、特にフラスコ発酵に有用である、1塩基性または2塩基性リン酸塩の混合物を含む更なる供給が添加され、比は適当なpHを支持するよう選択する。この供給はプロピオン酸供給に導入するか別に添加する。
【0011】
本発明において樹脂添加を首尾よく用いる大規模エポチロン精製の方法を記載する。樹脂の包含はエポチロンの単離と精製に有用であり、エポチロンの力価を劇的に改良することが見出された。本発明の1つの好ましい態様において、樹脂は、XAD樹脂、好ましくはXAD−16またはその均等物(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO または Rohm and Haas Co. Philadelphia, PAからアンバーライトXADとして利用可能)等のスチレン/ジビニルベンゼンポリマー樹脂である。スチレンをベースにするXAD−4,XAD−1180またはXAD−1600(Rohm and Haas Co.)等の疎水性表面を有する他のアンバーライト樹脂、そしてまたスチレンをベースにするXD−207,HP20,HP21,SP825,SP850,SP700またはSP207(これらは付加された臭素基のためより疎水性である)(これらの樹脂はMitsubishi、東京、日本またはMitsubishi Chemical America, Inc., White Plains, NYから)も本発明に有用である。樹脂は、0.2w/v%−5.0 w/v%、好ましくは1.5w/v%−4.0 w/v%等の広い範囲で培地中に導入できる。
【0012】
発酵からのエポチロンを含む樹脂は場合により水および20−30%アセトニトリル水溶液またはメタノール水溶液で洗浄し不純物を除き、または界面活性剤を含む溶液、好ましくはアルキルサルフェートをベースにするイオン性界面活性剤およびある量のアミン(塩基形で溶液に添加)で洗浄する。量は樹脂から後に得られるエポチロンの品質を改良するように選択する。1つの好ましい水性の洗浄は0.5w/v%のドデシル硫酸ナトリウムおよび0.5w/v%のアンモニアを用いる。この最後の態様において、溶媒抽出まえの樹脂は好ましくは1回またはそれ以上水で洗浄する。
【0013】
発酵からのエポチロンを含む樹脂は好ましくは酢酸エチルまたはメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)等の水相と混和しない(相分離)溶媒で抽出し、樹脂中に吸着されたエポチロンを除去する。エポチロンBを抽出するのに有用でありうるさらなる溶媒はn−ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチルを含む。豊富な溶媒抽出物は好ましくは濃縮し、エポチロンBを濃縮物から結晶化させる。1態様において、豊富な溶媒は水で洗浄し、水で洗浄した豊富な溶媒は濃縮し、場合によりポリッシュ濾過する。酢酸エチルのように溶媒が適当な場合は、蒸留的溶媒交換を非溶媒中で行うことによりエポチロンBを結晶化させる。換言すれば、エポチロンBが本質的に不溶性の比較的高沸点の第二溶媒をリッチ溶媒に加え、リッチ溶媒を結晶化可能な十分な程度まで留去する。真空を用いて蒸留を促進してもよい。1態様において、溶媒を濃縮して適当な量の非溶媒を加える。有用な非溶媒はトルエン、ヘキサン、およびヘプタンを含む。生じたスラリーを加熱し、設定温度まで冷却し、生ずる結晶の品質を高める。温度振動を用いて結晶純度を改良し、微粉を最小にし、早く濾過するスラリーを製造する。MTVE等いくつかの他の溶媒について、リッチ溶媒の蒸留的除去は冷却すると有効な結晶化環境を生み出す(非溶媒の使用なしに)。生じた結晶は好ましくは濾過し、プライマリーグレードのエポチロンBを得る。生じた結晶は好ましくは濾過し、プライマリーグレードのエポチロンBを生ずる。
抽出と最初の結晶化の間にエポチロンBは最初の抽出物中に存在下するたいていの不純物、特にエポチロンAから分離される。プライマリーグレードのエポチロンBは典型的には主な不純物としてエポチロンAを含む。発酵に由来する2つの他の構造的に類似した不純物、即ち次のオキサゾールアナログおよびエチルチアゾールアナログも典型的には存在する。
【化5】

エポチロンBについて本明細書に記載した、後に適用する精製方法(再結晶およびクロマトグラフィー工程を含む)は、特に、これら2つの化合物をそれらがもはや重要であると考えられないレベルまで除去することを含む。
【0014】
好ましくは上述のようにして得たプライマリーのグレードのエポチロンB(即ち、トルエンを含む結晶形epoB、プライマリーグレード)は次に酢酸エチル中で加熱し、その後加熱を続けながらトルエンを添加することにより再結晶できる。次にその混合物を冷却し、生じた結晶スラリーを濾過し、ケーキをトルエンで洗浄し、一度再結晶化したエポチロンBを得る(即ちトルエン含有結晶形epoB,再結晶)。あるいはプライマリーグレードのエポチロンBは、実施例に説明するように製造高速逆相クロマトグラフィー工程(例えば、カラム形RP/C−18で)により処理できる。場合により、カラムにエポチロン試料をロードする前に、上記の容積の適当な有機溶媒または有機溶媒の混合物を添加しエポチロンの沈澱を減少させる。一態様において、有機溶媒はジメチルスルホオキシド(DMSO)等の溶媒である。場合により、トレイリング容積の適当な有機溶媒または有機溶媒の混合物を添加しエポチロンの沈澱を減少させる。エポチロンは次に適当な有機溶媒、有機溶媒の混合物または有機溶媒の水溶液で溶出させる。一態様において、エポチロンはアセトニトリルおよび水の混合物で溶出させる。これらの溶媒を用いる溶出プロフィールは例えば線形またはグラジエントであり得、低い不純物レベルを得るよう選択する。所望の純度のエポチロンBを含む画分をプールし、濃縮し、限定するものではないが酢酸エチルを含む溶媒で抽出する。リッチ溶媒抽出物を次に濃縮し、例えばn−ヘプタンまたはヘプタン類等の低極性溶媒の添加により結晶化させ、場合により冷却する。そのスラリ−を濾過し、溶媒/非溶媒(顕著な量のエポチロンBを溶解しないように選択した比および量で)、例えば2:1の比で酢酸エチル/n−ヘプタンで洗浄する。洗浄した結晶は乾燥し、高品質のエポチロンBを得る。
【0015】
シリカ等の順相またはシリカをベースにする順相でのクロマトグラフィー等の他の精製方法を用いることができる。例えば、高速順相クロマトグラフィーを用いることが出来る。試料はメチレンクロライド等の比較的低い極性の溶媒中でカラムにロードし、エポチロンを酢酸エチルおよびヘプタンの混合物等の高い極性の溶媒中で溶出する。これらの溶媒を用いる溶出プロフィールは例えば線形またはグラジエントであり得、低不純物レベルを得るように選択する。所望の画分をプールし、濃縮し、例えばn−ヘプタン、ヘプタン類、またはトルエン等の低極性溶媒の添加により酢酸エチルから結晶化する。そのスラリ−を濾過し、溶媒/非溶媒(顕著な量のエポチロンBを溶解しないように選択した比および量で)、例えば2:1の比で酢酸エチル/n−ヘプタンまたは酢酸エチル/トルエンで洗浄する。洗浄した結晶は乾燥し、高品質のエポチロンBを得る。
【0016】
D1の合成のようにエチルチアゾールまたはオキサゾールアナログの広範な除去が必要でないある場合には、エポチロンBは結晶化のみにより精製できる。固体エポチロンB材料は例えば暖かい酢酸エチル中に溶解し、常温またはより冷たく冷却することにより結晶化(または再結晶化)し、その後濾過し、乾燥する(例えば真空で)。結晶化を2,3度繰り返し、所望の純度を得る。
【0017】
エポチロンを製造する微生物の増殖培地は、例えば以下のように処方できる:
【表1】

【0018】
エポチロン製造微生物の増殖のための、およびエポチロンの製造のための、特に振とうフラスコの中での、製造培地は例えば以上のように処方し、グリセロールおよび次の樹脂の添加に関し次の相違がある。
【表2】

【0019】
有用な栄養供給溶液、特に振とうフラスコにおける使用のためのは、以下のものを含む。
【表3】

【0020】
そのような栄養供給は以下のように2塩基性リン酸ナトリウムおよびリン酸塩一ナトリウムの混合物を更に含みうる。
【表4】

リン酸2ナトリウムとリン酸1ナトリウムの比は、供給の添加により所望のpHからの培養のpH移動を最小にするよう選択する。
【0021】
ファーメンター中での使用のために、上に記載した栄養成分は、除くことが好ましいHEPSの例外があるが、抗泡剤(例えば、Dow Corming, AF Emulsion, Food Grade)と共に以下のように好ましくは用いられる。
【表5】

【0022】
カセイ(ナトリウムまたは水酸化ナトリウム溶液)は必要に応じて培地に添加し有用なpH範囲を維持できる、樹脂は次のように添加できる。
【表6】

【0023】
生産発酵においては、プロピオン酸塩および栄養物を必要に応じて別に好ましくは添加する。プロピオン酸塩供給は、例えば、80−150g/Lプロピオン酸ナトリウムであり、その量は、0.05−0.20mg/mLのプロピオン酸塩レベル(例えば、HPLCにより測定して)維持するよう好ましくは添加する。プロピオン酸塩添加は種培養物をファーメンターに添加した後20−40時間に開始しうる。栄養物は例えば滅菌したフィダーストックとともに次の様に補充する
【表7】

【0024】
より長期の発酵のために更なる栄養物を好ましくは例えば以下の滅菌したフィダーストック(前のフィダーストックに比べより大量添加する)から添加する。
【表8】

上記2つの供給のこれらの栄養物は増殖期を開始することを避けるように選択しうる。
【0025】
本発明はエポチロンBの製造方法を含み、エポチロンB(「epoB」)を米国特許第6262094号に記載のように誘導体1(「D1」)に変換する。同特許は本明細書の一部を構成するする。誘導体1は以下の式を有する。
【化6】

【0026】
本発明はエポチロンBの製造方法を含み、エポチロンBを誘導体2(「D2」)に変換する(Borzillevi, et al., J. Am. Chem. Soc., 122, 8990, 2000 および WO 99/02514 に記載されている)。これらは本明細書の一部を構成するする。誘導体2は以下の式を有する。
【化7】

【0027】
本発明はエポチロンBの製造方法を含み、エポチロンB(「epoB」)を米国特許第6320045号に記載のように誘導体3(「D3」)に変換する。同特許は本明細書の一部を構成するする。誘導体1は以下の式を有する。
【化8】

【0028】
エポチロンBの結晶形
出願人は本明細書に記載の発明的方法および材料を用いて様々なエポチロンBの結晶形を作った。エポチロンB結晶は様々な溶媒および溶媒システムを用いて得られた。例えば出願人はトルエンを含有するエポチロンB溶媒和結晶形を発見した。これをepoB−Toβと名付け、単位格子データを表1に示す。エポチロンBのトルエンを含有する溶媒和結晶形をさらに図9−12および図15および16に説明する。出願人は更にアセトニトリル(即ち、epoB−ANβ)、酢酸エチル(即ち、epoB−EAβ)およびイソプロピルアルコール(即ち、epoB−IPβ)、そしてまた実施例に記載した溶媒システムも用いてエポチロンB結晶をも得た。これらの結晶学的に同型構造の形は結晶のb軸にそって延びる親油性溶媒チャネルを含む(1チャネル/単位格子)P2スペース群を有する単斜晶系の包接構造を有する。各チャネルは、トルエン、アセトニトリル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、またはMTBE(理想的にはエポチロンBの1:1溶媒和物を生ずる)等の2までの溶媒分子を含み得る。トルエン/酢酸エチル溶媒混合物、例えば1:1混合物)からの結晶化は包接チャネル中にトルエンの優先的な導入を生ずる(即ちepoB−EAβではなく、epoB−Toβを得る)。エポチロンBの両方の水素結合ドナー(ヒドロキシル)はエポチロン間水素結合に関与し、ゲスト溶媒に結合し束縛するのに利用されない。
【0029】
epoB−ANβ、epoB−EAβ、epoB−IPβ、およびepoB−TOβ形は表1に示す単位格子データを示す。トルエン、アセトニトリル、酢酸エチルおよびイソプロパノールを含むこれらの結晶形を得るための結晶化条件は以下の実施例に示す。実施例7に記載した方法を用いて製造した結晶についてのRXPDパターンは以下に記載した図9,11,および13で説明する。
【0030】
これらの結晶形についての表にした具体的な例示的パラメーターは以下のようであり、表1に示す。
【表9】

【0031】
epoB−ANβ、epoB−EAβ、epoB−IPβおよびepoB−TOβの原子座標は表2,3,4および5にそれぞれ示す。図9,11および13に記載したPXRDパターンは、表6,7,および8にリストされたデータにより特徴づけられる。
【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【0032】
定義
以下の用語は本願の目的のために以下に説明するそれぞれの意味を有する。
【0033】
「エポチロンB比較製造条件」。エポチロンBのエポチロンAに対する製造比、または株間の正味のエポチロンB製造を測定するために、標準条件が必要である。「エポチロンB比較製造条件」は下に説明する。標準条件は実施例に記載するように適当にスケールされ得る(例えば、実施例2による125mL製造フラスコ)。
【0034】
1)F1段階
凍結バイアルまたは維持フラスコからの1mLを約10mLの培地E(成分は以下に記載)を含む125mLのフルオロに移す。F1フラスコは3−4日、30℃および160rpmでインキュベートする。
【0035】
2)F2段階
F1フラスコ(約10mL)からの全内容を90mLの培地Eを含む250mLのフラスコに移す(10%)。このF2フラスコは同様に3−4日、30℃および160rpmでインキュベートする。
【0036】
3)製造段階
製造フラスコ(90mLの培地Eを含む250mLフラスコ)をF2段階からの10%レベル(10mL)でインキュベートする。或いは、「維持フラスコ」を用いてもよく、これらは5%−10%の範囲のレベルで3−4日毎に培養物のルーチンなフラスコ移転に由来する。その製造相は少なくとも15g/Lの樹脂を導入する。接種すると、製造フラスコ30℃および160rpmで14日間インキュベートする。供給をエポチロンBのAに対する比を改良するため導入する。供給添加は以下のように接種後72時間で開始する。
【0037】
1mLの供給を3−11日に1日あたり製造フラスコに加え(100mL培養容量)、添加物も示した場合14の間続ける。
【0038】
プロピオン酸塩含有供給物は10%のMartrin-M040、4%のプロピオン酸ナトリウムおよび3%のTastone-154を含み、100倍希釈で記載したように添加した場合、1日あたり、培養ブロス中の最終濃度は、0.1%のMartrin-M040、0.04%のプロピオン酸ナトリウムおよび0.03%のTastone-154となる(前の添加からの残存レベルを除く)。フラスコは接種後14日に試験のため収穫する。
【0039】
「プロピオン酸前駆体」は、エポチロンBのエポチロンAに対する比を増加させるに有効なプロピオン酸を生成するのに有効な量で適当な培養に加え得るいずれかの化合物をいう。プロピオン酸は細胞酵素の作用により例えば不安定なエステルで自発的に生成する。当業者はプロピオン酸を生成すための、またはエポチロンBのエポチロンAに対する比を増加させるために容易に試験できる候補化合物を認識するであろう。例としては、プロピオン酸のメチルおよびエチルエステルを含む。
【0040】
「供給」とは、プロピオン酸塩、プロピオン酸ナトリウム、混合物または溶液を含むプロピオン酸ナトリウム、ビタミン、ミネラル、炭水化物源、またはアミノ酸源等の少なくとも1またはそれ以上の栄養物または添加物を1回以上、発酵の課程の間に、例えば周期的に、パルス供給で、実質的に連続供給等で添加することを言う。発酵の間の連続的供給は「1回以上の添加」という用語の意味の範囲内にふくまれる。
「トルエン含有」とは、当業者により用いられる分析技術により測定したトルエンのある量を主に含む溶媒和物をいい、トルエン含有溶媒和は1以上の他の溶媒を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0041】
「酢酸エチル含有」とは当業者により用いられる分析技術により測定した酢酸エチルのある量を主に含む溶媒和物をいい、酢酸エチル含有溶媒和は1以上の他の溶媒を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0042】
実施例
以下の実施例は外に詳細に記載した場合を除き当業者によく知られ、ルーチンである標準的な技術により実施される。
【0043】
実施例1
細胞バンクの突然変異および選択および製造による株SC16408の製造
株SC16408は、株So ce90B2(SC16224)のニトロソグアジニン(NTG)処理、その後のランダム選択に由来した。従ってSC16224を10mM Tris−HCl緩衝液中に懸濁し、60分間pH8.2で1mg/mL NTGに付した。NTGでの処理後、コロニー細胞ラインをコロニー選択により得、エポチロンB生産性およびB/A比について試験した。単離したコロニーはフラスコに移し、8−14日培養し、その後増殖培地(培地E)に3−4日毎に移した。
【0044】
振とうフラスコ用の増殖培地Eは
【表18】

上の成分を蒸留水に加え、pHを10%NaOH(またはKOH)でpH7.2に調節し、30分間121℃で滅菌した。
【0045】
リサーチ細胞バンクの調製:株SC16408の3日培養物からの10mLの容積を培地E90mLを含む250mLにフラスコ移した。そのフラスコを30℃、160rpmで2日間次に培養した。2日の終わりに、1.8mLのアリコートをフラスコから取り出し、極低温のバイアルに移し、次に−70℃でフリーザー中に貯蔵した。
【0046】
マスター細胞バンクの調製:リサーチ細胞バンクからの2バイアルを解凍し、10mLの培地Eを含む2x125mLのフラスコに移し、次に30℃、160rpmで4−5日間インキュベートした。次に、2x10mlを90mlLの培地Eを含む2x250mLのフラスコに移し、30℃、160rpmで2−4日間インキュベートした。最後にこれら2つのフラスコをプールし、1.8mlのアリコートを極低温のバイアルに移し、次に−70℃でフリーザー中に貯蔵した。
【0047】
ワーキング細胞バンクの調製:マスター細胞バンクからの5バイアルを解凍し、10mLの培地Eを含む5x125mLのフラスコに移し、30℃、160rpmで3−6日間次に培養した。次に、5x10mLを90mLの培地Eを含む5x250mLフラスコに移し、30℃、160rpmで2−4日間培養した。これら5つのフラスコ中の細胞を用いて、90mLの培地Eを含む12x250mLフラスコに接種し、再度30℃、160rpmで2−4日間インキュベートした。最後にこれらのフラスコを一緒にプールし、1.8mLのアリコートを極低温バイアルに移し、−70℃でフリーザー中に貯えた。約500−600バイアルをこのワ−キング細胞バンクのために作った。
【0048】
実施例2
振とうフラスコ発酵によるエポチロンBを製造するための培養
凍結バイアル(1.5mL)からの細胞を125mlフラスコ中の45mLの培地Eに接種し、30℃、160rpmで4−8日間増殖させた(F1段階)。次に、5mLのF1段階を、45mLの培地を含む新しい125mLフラスコに移し、3−4日間増殖させた(F2段階)。F2段階細胞を次にエポチロンB発酵のための接種として用いた。10%の接種(5.0mL)を45mLの製造培地を含む125mLフラスコに移した。次にフラスコを30℃で2週間シェーカー(160rpm)中でインキュベートした。製造培地は改変した培地Eであり、1.6%(0.8g)のXAD−16樹脂を含む。振とうフラスコのための製造培地の組成を示す。
【表19】

上の成分を蒸留水に溶解し、pHを10%NaOH(またはKOH)で7.2に調節し、30分間121℃で滅菌する
【0049】
振とうフラスコエポチロンB発酵のための供給溶液の組成は、4%プロピオン酸ナトリウム、10%Maltrin−M040および3%Tastone−154である。供給(250mLフラスコ中の100mL)をNaOHでpH6.8−7.0に調節し、30分間121℃で滅菌する。接種後3−14日に0.5mlの供給溶液を各発酵フラスコに添加する。或いは、匹敵する結果が供給レベルを2倍にし、3,5,7および10日に添加を行うことによって、達成されうることが見出された。改良された結果が、1.5%の2塩基性リン酸ナトリウムおよび0.5%1塩基性リン酸ナトリウムの形でリン酸塩を上記供給溶液に更に補い、培地中へ100倍希釈された場合、以前の添加からの残存レベルを除いて、最終レベルがそれぞれ0.015%および0.005%となるようにすることによって達成しうる。リン酸塩添加の更なる利点は、pH調節を行う必要がないということである。10−20%という高い更なる収率改良がリン酸塩補給により達成しうる。
【0050】
エポチロンの試験のために、樹脂試料(0.8g)を収穫し、HPLCにより試験した。振とうフラスコによるエポチロン製造は、14日に次の力価を与える。
エポチロンA:5.0−7.0mg/g樹脂
エポチロンB:8.0−12.0mg/g樹脂
B/A比 :1.1−2.0
以前の株に比べ、SC16408培養は振とうフラスコでより多いエポチロンBを生ずる。
【0051】
実施例3
14Lファーメンターにおけるエポチロンを製造する培養
F1段階:2つの凍結バイアルからの3.0mLのアリコートを250mLフラスコ中の90mLの培地Eに接種し、30℃、160rpmで4−8日間増殖させる。
F2段階:20mL(10%)のF1段階細胞を500mLのフラスコ中の180mLの培地Eに移し、30℃、160rpmで2−4日間増殖させる。
F3段階:接種量を増加させるためにF2段階を繰り返す。各180mLの培地Eを含む6−8x500mLフラスコにF2段階からの20mlの接種物を移し、30℃、160rpmで2−4日間増殖させる。
F4段階:4Lのアスピレーターボトル中に1080mLの培地EにF3段階からの120mL(10%)を移し、次に30℃、160rpmで2−4日間増殖させる。
【0052】
培地Eを用いて14Lファーメンターのための接種物を作る。振とうフラスコおよびアスピレーターボトル段階についてのオートクレーブ時間はそれぞれ30および60分である。ファーメンターのために製造培地を60分121℃で滅菌した。14Lファーメンター製造培地は、改変した振とうフラスコ製造培地(上述)であり、HEPESが除かれて、2.5g/Lの泡防止剤(Antifoam AF, Dow Corming)を添加した。6Lの製造培地(pHを7.2−7.4に調節)を14Lのファーメンターに入れ、滅菌した。以下の表は14Lのファーメンタースケールにおける製造パラメーターを要約する。ベンチトップ製造パラメーター
【表20】

【表21】

14LのファーメンターにおけるエポチロンBの力価範囲を以下に要約する
エポチロンB力価(mg/mL樹脂) B/A比
5−12 1.0−3.0
【0053】
実施例4
エポチロンの製造プロセス
50Lのファーメンター接種段階
F1段階として、培地E(2L)を作り、90mLを17の別の250mLフラスコに分配する。次にフラスコを121℃で30分間オートクレーブすること、により滅菌する。一つの凍結したバイアルからの細胞を各フラスコに接種し、約30℃160rpmで4−8日間増殖させる。
【0054】
F2段階として、27Lの培地Eを作り、1.5Lを17の別の4Lフラスコに分配し、上記のように滅菌した。各4LフラスコはF1段階からのフラスコの全内容物を接種し、約30℃で160rpmで、2−4日間次に増殖させる。
【0055】
F3段階として、80Lの培地Eを作り、2つの50Lステンレススチール接種ファーメンターに分け、各50Lのファーメンターに、F2段階からの3つの4Lフラスコの内容を接種した。その50Lファーメンターを2−4日間、30−33℃で増殖させ、次に一緒にして800Lファーメンターに接種するために用いた。
培地Eは、
【表22】

【0056】
800Lファーメンター接種段階:
接種物を800Lアウテンレススチールファーメンターで、細胞の質量が次の接種段階(5000Lファーメンター)を接種するに十分となるまで増殖させた。バッチのための
【0057】
バッチのための培地Eを脱イオン水中で作り(400L)、混合物(pH8.7−8.9)を17psig、124℃で60分間滅菌した。培地を滅菌器から800Lファーメンターに移し、pHを7.1−7.3に調節する。次にファーメンターにF3段階かの80Lを接種する。バッチを次のコントロールセットポイントで操作した。
【表23】

必要に応じ苛性(水酸化ナトリウムまたはカリウム溶液)を滅菌した供給器から添加しpHを7.1−7.3に保つ。そのバッチを間隔をおいてサンプリングし、滅菌性、pH、沈殿物、グルコース濃度について分析した。ベントオフCOおよびOをモニターする。約48−60時間に、グルコース濃度が落ち始めた時、800Lファーメンターの内容物(約440−480L)を5000Lファーメンターに移す。
【0058】
5000Lファーメンター接種段階:
5000Lステンレススチールファーメンターをこの段階で接種工程で用いる。接種物をファーメンターで、細胞の質量が40000L製造ファーメンターを接種するに十分となるまで増殖させた。
【0059】
上のようにして作った(脱イオン水2600L中で)培地Eを5000Lファーメンターに移し、800Lファーメンターからの接種物約440−480Lを接種する。そのバッチをコントロールセットポイントで操作し、上記をモニターした。再び、pHを7.1−7.3の範囲に維持した。48−72時間に、グルコース濃度が落ち始めた時、5000Lファーメンターの内容物を40000Lファーメンターに移す。
【0060】
40000Lファーメンター製造段階:
40000Lステンレススチールファーメンターをエポチロンの製造に用いる。ファーメンターを滅菌し、滅菌した培地を満たしたとき、5000Lファーメンターで製造した種を接種する。具体的な製造パラメーターが達成された時、製造ファーメンターの内容を収穫する。
【0061】
製造ファーメンターの培地を2部分で滅菌する。樹脂を2800Lの水中に添加し、混合物を17psig、124℃で75分間滅菌する。
【表24】

【0062】
18000Lの培地を作るために、次の成分を脱イオン水(15000L)に加え、pHを7.1−7.3に調節する。培地を連続滅菌器で150℃で滅菌する(保持時間100秒、出口温度60℃)
【表25】

【0063】
培地および樹脂を製造ファーメンターに移し、次に5000Lファーメンターからの接種物約3100Lを接種する。空気流速が0.2−0.4vvmであることを除いてバッチを上記のコントロールセットポイントで操作する。必要に応じ、pHを苛性で上げる(0−80時間)。80時間後、pHを硫酸で下げる。必要に応じ、泡立ちを泡防止剤で調節する。ファーメンターは滅菌性、pH、沈殿物、グルコース、プロピオン酸塩、エポチロンB濃度のために少なくとも1日1度サンプリングする。排出ガス中のCOをモニターし、記録する。COが少なくとも0.3%であるかぎり約30−60時間に供給を開始する。
【0064】
ファーメンターにプロピオン酸ナトリウム(102g/L)を1.9L/シヨット(範囲1.5−3.0)のシヨットサイズで供給する。シヨット間の間隔は60分で開始し、最小12分まで12時間毎に減少させる。プロピオン酸塩は2800Lの脱イオン水に加え、溶液を17psig、124℃で75分間滅菌する。好ましい態様では、プロピオン酸ナトリウム供給は他の培地成分を含む供給とは別にする。
【0065】
ファーメンターにMaltrin−M040およびTastone-154を14.5Lのシヨットサイズで供給する。シヨット間の間隔は60分で開始し、104時間で40分に変化させる。その成分を脱イオン水(3000L)に加え、溶液を17psig、124℃で75分間滅菌する。その供給物は
【表26】

よりなる。
【0066】
操作の間、粉末スキムミルク、Maltrin−M040,およびグリセロール等の培地成分のあるものは使い尽くされる。約115時間で出発し、前の供給を中止し、14.5Lのシヨットサイズの次の混合物を40分間隔で製造ファーメンターに添加する。成分を脱イオン水(3000L)に加え、混合物pH8.7−8.9を17psig、124℃で75分間滅菌する。
【表27】

所望のエポチロンB濃度が達成された場合(通常9−21日後)、容器の内容物を収穫する。エポチロンB力価は約5−24mg/g樹脂の範囲であり、B/A比は約1.5−4である。
【0067】
実施例5
MTBEによるXAD−16樹脂からのエポチロンBの抽出および固体エポチロンBを与える結晶化:逆相クロマトグラフィーによる精製;および高品質エポチロンBの最終単離
収穫し、水洗した、エポチロン(約5.03kgのエポチロンB)を含むXAD−16樹脂(約550kg)をメタノール水溶液と混合し、抽出カラムにスラリーとしてロードした。パックされた樹脂をメタノール水溶液(30%次に50%のメタノールの各1ベッド容積)で洗浄し高度に極性の不要の物質を除去した。エポチロンはMTBE洗浄(約4ベッド容積)により除去した。豊富な溶出液を集め、ポリッシュ濾過する。水相を除去するための重力沈降の後、豊富なMTBEを濃縮する。濃縮物を重力沈降し水層を除去し、更なるMTBE(2ベッド容積)をバッチに加える。そのバッチを約5−15gエポチロンB/Lの濃度まで再濃縮する。バッチを5−6時間かけて約0℃に徐々に冷却することにより結晶化させる。結晶性の固体を濾過し、洗浄し、乾燥する。生じた生成物ケーキは暖かい酢酸エチルに溶解し、ポリッシュ濾過する。豊富な濾液を20−45gエポチロンB/Lの濃度まで真空下に濃縮する。70℃まで加熱後、バッチを次に0℃までゆっくり冷却し、結晶性スラリーを得、それを濾過し、冷酢酸エチルで洗浄し、40℃以下で乾燥し、単離された再結晶されたエポチロンBを得る(樹脂から84%の収率で)。この洗浄を逆相クロマトグラフィーにより次に精製する。
【0068】
逆相静止サポートRP/C−18を充填したクロマトグラフィーカラム(11cm直径x40cmベッド長)をアセトニトリル水溶液(30−50%v/v)で平衡化させた。再結晶化生成物をジメチルスルホオキシドに溶解し(DMSO,1−1.5L/kg)、混合物を濾過し不溶性の物質を除去し、次に、100%DMSOのアリコートにより先立たれ、等量のDMSOにより追跡され、水性の移動相の導入により試料の沈澱を減少させる、カラムにロードした。試料はアセトニトリル水溶液(30−50%v/v)を用いてカラムから溶出させ、溶出液をUV検知器により290nmでモニターする。エポチロンB生成物ピークは多くの画分で集められた。その画分をエポチロンAおよびB並びに他の関連する不純物についてHPLCにより試験する。
【0069】
所望のプールしたカラム画分を蒸留容器に入れ、バッチを真空濃縮し、40℃以下でアセトニトリルを除去する。生じた水相を酢酸エチルで3回まで抽出し、有機溶液を40℃以下の温度で真空下に濃縮し、エポチロンBの0.1−0.2g/mLの濃度を得た。ん−ヘプタン(またはヘプタン類)を40℃でバッチに添加し、次にバッチを2――10℃ゆっくり冷却し、少なくとも2時間保持する。結晶性スラリーを濾過し、酢酸エチル/n−ヘプタン溶液で洗浄し、次に最終のエポチロンBケーキを真空下に35−40℃で乾燥し、3.09kgのエポチロンB活性に等量の91.7%力価を有する3.367kgを得た。樹脂からの収率は61.4%であった。HPLCは99.6面積%のエポチロンB、0.4面積%のエポチロンAであり、>0.1面積%存在する他の不純物はなかった。
【0070】
実施例6
酢酸エチルによるXAD−16樹脂からのエポチロンBの抽出および非溶媒としてトルエンを用いて結晶化して固体のエポチロンBを得ること;逆相クロマトグラフィーによる精製;高品質エポチロンBの最終単離
エポチロンBを含むXAD−16樹脂を振動するスクリーン(SWECO TM)上で水により洗浄し、樹脂をきれいにした。この一部分(15.6gのエポチロンBを含む約6.6L、1gの樹脂あたり2.36mgのエポチロンB)を、水で樹脂を濯ぐため約5Lの水を用いて20Lの容器に移す。酢酸エチル(投入樹脂の約2ベッド容積(BV))を次に容器に添加する。そのスラリーを約1時間攪拌し、600mLのスクリューキャップ遠心分離ジャーを用いて、3500rpmで5分間遠心分離し、相を分離する。最初の豊富な酢酸エチル上澄をデカントし、その容積を測定する。次に中身のない水性樹脂を含む底相を容器にプールし、酢酸エチル(2BV)を容器に加える。スラリーを約1時間攪拌し、次に遠心分離し相分離させる。第二の豊富な酢酸エチル上澄をデカントし、その体積を測定する。
【0071】
水(投入樹脂の約0.3BV)を一緒にした豊富な第一および第二酢酸エチルの流れに次に添加し、約5分間攪拌する。層を約30分間沈降させる。次に、下の水相を上の豊富な酢酸エチル相から分離する。その豊富な洗浄した酢酸エチル相を45℃以下の温度でリッターあたり約10gのエポチロンB活性の濃度まで濃縮する。濃縮した豊富な酢酸エチル溶液を次にポリッシュ濾過し、エポチロンBの20−25g/Lまで濃縮する。
【0072】
濃縮後、トルエンを添加し、バッチを50℃以下で真空下にバッチの容積まで再濃縮し、トルエンを添加する。バッチを約1時間にわたって約18℃まで冷却し、次にこの温度で約16時間攪拌し、生成物結晶を得る。次に結晶化バッチを濾過し、トルエン(約0.2BV)で洗浄し、固体を乾燥させて13.5gのエポチロンB活性をフラスコ約30.4gの固体を得る。出発樹脂からの活性収率は87%である。
【0073】
逆相クロマトグラフィーによる精製は、上の方法を用いて樹脂から抽出された固体のエポチロンBについて行う。カラム(Phenomenex Luna, 15, C18(2), 5.0cmx25cm, column BV 400mL)を3BVの40%(v/v)アセトニトリル−水で前もって平衡化させる。約4−6gの固体のエポチロンBを約6mLのDMSOへ約40℃で溶解し、次に混合物を濾紙で濾過し、微粒子を除く。約1.5mLのDMSOを試料ループに注入し、チューブ中のエポチロンの沈澱を防ぐ。エポチロンに富む濾液を次に試料ループに注入する。注入の後、エポチロン濾液容器を約0.5mLのDMSOで洗浄し、約1mLのDMSOと共に試料ループに注入する。エポチロン試料の注入後のDMSO注入はチューブ中の沈澱を防ぐ。試料ループの内容を約5mL/分の流速でカラムに充填する。
【0074】
エポチロンをカラムにロードした後、40%アセトニトリル−水溶液を次にポンプでカラムを通す。3−4分後、流速を約60mL/分まで増加させる。エポチロンAおよびBのピークを画分に集める。豊富なエポチロンBを含む画分を約2.5−3.25L溶出容積の間のカットで得る(エポチロンBのピークは約6および8ベッド容積の間に典型的には溶出する)。プールした画分の容積は約0.75Lである。エポチロンBについてのピークがベースラインにほとんど達した後(ピーク高さの<10%)、アセトニトリルをポンプでカラムを通す。クロマトグラムが290nmにおける吸収が本質的にベースラインにもどったことを示したとき、カラムの再平衡化を、40%アセトニトリル−水溶液液をポンプでカラムを通すことにより次の試験のために開始する。典型的には、100%アセトニトリルの2BVおよび3BVの40%アセトニトリルを用いてカラムを洗浄し、再平衡化した。
【0075】
画分を試験して、HPLC分析を用いて純度を測定し、所望の画分をプールした。典型的な収率は90−98%である。
【0076】
プールしたエポチロンB画分を40℃以下で真空下に最初の容積の約50%まで濃縮する。濃縮した画分は酢酸エチルで抽出する。プールした酢酸エチル抽出物を、約0.1g/mLエポチロンBまで約40℃のバス温度で濃縮する。攪拌しながら、n−ヘプタン(ヘプタン)(酢酸エチル溶液の50%の容積を用いて)を約15分の期間にわたって添加する。抽出物を5℃に冷却し、少なくとも2時間その温度に保つ。生成物結晶を濾過し、1:2(v:v)n−ヘプタン:酢酸エチル溶液で洗浄する。最後に結晶を約40℃で約12時間真空下に乾燥する。様々なバッチについてHPLCは99.5−99.7面積%エポチロンBおよび0.3−0.5面積%エポチロンAを示した。
【0077】
実施例7
酢酸エチルによるXAD−16からのエポチロンBの抽出および非溶媒としてのトルエンによる結晶化に続くプライマリーグレードエポチロンBを与える再結晶化;順相クロマトグラフィーによる精製;および高品質エポチロンBの最終単離
工程A.EtOAc抽出−トルエン結晶化を用いるプライマリーグレードエポチロンBの製造
水で洗ったエポチロンBの豊富な樹脂(1350g)をカラムに充填した。水(2700mL)を用いてカラムに充填し濯いだ。エポチロン活性は9450mL(7ベッド容積)の酢酸エチルを通すことのより溶出させた。酢酸エチル溶出液を少なくとも1時間沈降させた。暗褐色の水層およびエマルジョン層を除去した。豊富な酢酸エチル溶液を約20gのエポチロンB/Lの標的濃度まで真空下に濃縮する。濃縮物を2時間放置し、20℃まで冷却した。冷却した濃縮物はポリッシュ濾過し、フィルターを酢酸エチル(36mL)で洗浄した。一緒にした濾液および洗浄を約80gのエポチロンB/Lまで濃縮する。等容量のトルエンを攪拌しながら10−15分にわたって添加し、温度を60℃以上に保った。温度を65℃で30分間保ち、次に1.5時間にわたって40℃に下げ、次に2時間にわたって1℃に温度を下げた。生じた結晶性スラリーは少なくとも60分の間1℃で攪拌する。その固体を濾別し、トルエン(スラリー容量の20%)で洗浄する。(この方法の様々な繰り返しで、母液は2−6%の投入エポチロンB活性を典型的には含む)。その固体を真空下にオーブン中で40−45℃で少なくとも4時間乾燥する。或いは、その固体を約40℃と室温の間の温度で真空下にオーブン中で乾燥する。
【0078】
乾燥したプラマリーのエポチロンBケーキ重量は、8.4−20gの範囲であり、エポチロンB力価は650−713μg/mgの範囲である。ケーキは12−16%のエポチロンA(面積%)を含む。残存溶媒レベルは0.75%(w/w)EtOAおよび13%(w/w)トルエンであった。
評価した5つのロットについて
【表28】

【0079】
単離工程の全体的ロスは、平均して9.4%であった。プライマリーケーキへの樹脂からのエポチロンBに対するエポチロンAのパーセントは平均49%から19%に落ちた。PXRDパターンおよびこの工程で記載した方法に従って得た結晶溶媒和についての熱分析を図9および10にそれぞれ説明する。図9のPXRDパターンは表6に報告したデータにより更に特徴付けられる。
【0080】
工程B、エポチロンBの再結晶化
EtOAc(0.14L)を15gのプラマリーグレードエポチロンB(710μg/mg)に添加し、攪拌しながら65−68℃に加熱する。(エポチロンBの標的濃度は75−80g活性/Lである)。トルエン(0.14L)を20分かけて添加し、温度を60℃以上の温度に保持した。生じたスラリーを65℃で0.25−1時間保つ。次にバッチ3時間かけて40℃に冷却する。バッチの冷却を0−2℃まで2時間続ける。生じた結晶性スラリーを次に濾過し、ケーキをトルエン(2x0.028L)で洗浄する。典型的には、3%未満の投入エポチロンB活性が一緒にした母液および洗浄へと失われる。そのケーキは真空オーブン中で42℃および29in.Hgで2時間乾燥する。或いは、ケーキは真空オーブン中で40℃および室温の間の温度で、29in.Hgで2時間乾燥する。乾燥ケーキ重量は13.6gであり、力価は764μg/mgである。残存溶媒はEtOAc(0.9%)およびトルエン(13.2%)を含む。典型的には、EtOAcおよびトルエンは13−14重量%の合わせたレベルで存在する。再結晶化されたケーキについてエポチロンBに対するエポチロンAの面積5は平均6.9%まで落ちた。
【0081】
この工程で記載した方法により得れた結晶溶媒和物のPXRDパターンおよび熱分析を図11および12にそれぞれ示す。図11のPXPDパターンは上の表7に報告されたデータにより更に、特徴付けられる。
【0082】
順相クロマトグラフィー
次の移動層を調製する:
20%(v/v)酢酸エチル/n−ヘプタン溶液(約10L)
40%酢酸エチル/n−ヘプタン溶液(約10L)、および
100%酢酸エチル(約10L)。
次の装置を準備した:
Walters Delta Prep4000; 検出器:290nmにおけるUVセット;カラム:Phenomenex Luna,10 ミクロン、シリカ(2)、5.0x25cm(カラム容積約490mL)。
【0083】
カラムをエポチロン溶液の注入の前に3ベッド容積の20(v/v)酢酸エチル/n−ヘプタン溶液で平衡化させた。
【0084】
エポチロンBケーキ(5.5g)を55mLのメチレンクロライドに溶解する。そのバッチを1ミクロンPTFEフィルターを通して濾過し、存在しうる微粒子を除く。メチレンクロライド(2−5mL)を用いてフィルターを濯ぐ。その豊富なメチレンクロライド濾液を流速5mL/分で最初の30秒間カラムに注入し、続いて、試料が完全に充填されるまで流速を20mL/分まで増加させる。エポチロン濾液を含む容器をメチレンクロライド(2−5mL)で濯ぎ、濯ぎ液もカラムに充填する
【0085】
溶離を20%のEtOAc/ヘプタンで始め、流速を118mL/分まで増加させる。流速が118mL/分に到達した後、ポンププログラムコントローラーを用いて所望のポンププログラムを行う。次のポンププログラムを用いる。
【表29】

【0086】
画分を集め、HPLCを用いて純度を試験する
【0087】
5つのバッチにおいて、集めた画分におけるエポチロンBの面積%は99.59−99.93%であり、収率の平均は91%であった。
【0088】
場合により、イソクラチック40%酢酸エチル/n−ヘプタン溶離工程を用いてクロマトグラフィーを同様に行い、同様の100%酢酸エチルカラム洗浄工程に続く40%酢酸エチルによる再平衡化を行った。より小さい直径のカラム1.0cmx25cmで同じクロマトグラフィー装置を用いた。ハートカット画分におけるエポチロンB(164mg)のクロマトグラフィー収率は86%であり、集めた画分におけるエポチロンBの面積%は99.4%であった。ハートカットで溶出する31−35gのepoBについては上のイソクラチック方法を11cmの軸圧縮カラム上で行い、クロマトグラフィー収率は約90−94%であった。集めたハートカットにおけるエポチロンBの面積%は99.6−99.9%であった。カラムは複数回再利用できる。
【0089】
工程C.最後の結晶化
所望のハートカット画分をプールし、1.62−1.73Lのバッチ容積を得る。溶媒を真空下に40−45℃で除去する。標的蒸留容積は25−28mLである(エポチロンB濃度約200−210g/L)。濃縮物に暖かい(約40℃)ヘプタン(50mL)を加える。或いは、暖かい(約40℃)EtOAc(50mL)をこの段階で濃縮物に加えうる。生じたスラリーを約40℃で約2時間攪拌し、次に5時間かけて約0℃に冷却し、約0℃で最低5時間攪拌する。中間の早さの機械的攪拌を結晶化中用いる。結晶性のスラリーを濾過し、ケーキを冷1:1EtOAc/ヘプタン(25mL)で洗浄する。その固体を真空下に40−45℃で5−6時間乾燥させる。或いは、固体を真空オーブン中で40℃および室温の間の温度で5−6時間乾燥させる。単離されたエポチロンBの重量(5バッチについて)は結晶化(1回)エポチロンBから約4.2−5.0g(83.5−85.6%活性収率)であり、HPLC純度は99.78−99.93%面積パーセント(平均99.80%)である。母液中に失われたエポチロンBは、クロマトグラフィーへのエポチロンB活性投入に関して約4%である。ケーキ中の残存溶媒はEtOAc(5.8−6.0%w/wおよびヘプタン(0.6−0.7%w/w)である。最後のエポチロンBケーキの力価は91.5−92.7%w/wである。HPLC純度は99.7面積パーセント以上である。この工程で記載した方法に従って得られた結晶溶媒和物のPXRDパターンおよび熱分析を図13および14に示す。図14に見られるように、上の方法により製造し乾燥した酢酸エチル溶媒和物についての融点は約102℃である。図13のPXRDパターンは上の表8に記録されたデータによりさらに特徴付けられる。
【0090】
或いは、4.83KgのEpoB(1790L)を含むプールしたハートカットを200−210g/Lの標的濃度まで<30℃で真空下に濃縮し、n−ヘプタン(60kg)を次に添加する。この濃縮を繰り返し、更に60Kgのヘプタンを添加する。スラリーを3時間かけて20℃まで冷却し、次に集めて30kgのヘプタンで洗浄する。その固体を20−36℃で16時間真空下に乾燥する。全5.141Kgの固体を>99.6面積%のHPLC純度で得た。ケーキ中の残存溶媒は10.6%酢酸エチルおよび1.4%ヘプタンであった。
【0091】
実施例7A
樹脂からのエポチロンBの抽出とその後の繰り返し再結晶化
見積もられた4.10KgのエポチロンB活性(エポチロンBについての面積%=58.0%;エポチロンA=29.2%)を含む水洗したエポチロン豊富な樹脂(549.8kg)を水でスラリー化し、カラムに充填した。カラムをドレインし、窒素を吹き込んだ。酢酸エチル(2969Kg)を次に全体で約6ベッド容積に対して1時間あたり約1ベッド容積の速度でカラムを通して溶出させた。一緒にした豊富な酢酸エチル溶出物を1時間重力沈降させ、下の水層を除去した。その豊富な酢酸エチルを次に約574kgまで次に濃度した。濃縮した豊富な酢酸エチルを次に約20℃で2日間放置したのちポリッシュ濾過した。フィルターおよびラインを酢酸エチル(全体約115kg)で洗浄した。ポリッシュ濾液および洗浄を次に約64Lの容積まで濃縮し、次に約65℃まで暖めた。等しい容積の暖かいトルエンを次に攪拌しながら加え、その物質を約65℃に約30分保った。次にそのバッチを約4時間かけて約40℃にゆっくり冷却後、約2.5時間かけて0℃まで冷却した。その冷スラリーを約0℃に約1時間保った。生じた結晶性スラリーを次に濾過し、ケーキをトルエン(約64L)で洗浄した。その生じたケーキを真空下に短く乾燥し、次に温酢酸エチル(約200kg)を用いてフィルタードライアーから再溶解した
【0092】
最初の結晶化は豊富な酢酸エチルを約65Lまで濃縮することにより同様に行った。65℃まで暖めた後。等しい容量のトルエンを攪拌しながら加え、その材料を約65℃で約30分間保った。そのバッチを上と同様に冷却し、生じた結晶性スラリーを濾過し上と同じ方法および装置を用いて洗浄した。
【0093】
2つの更なる、上記と類似の再結晶化を行い、(4.384Kg)(81.5%w/w)(3.573kgエポチロンB)(HPLC面積%:エポチロンB=97.18;エポチロンA=1.40;エポチロンF=0.30;オキサゾールアナログ=0.30およびエチルチアゾールアナログ=0.56)でエポチロンBの結晶性ケーキを得た。0.1面積パーセント以上でHPLCによる他の不純物は検出されなかった。その生成物は13.8%w/wのトルエンおよび0.8w/wの酢酸エチルを含んでいた。樹脂から単離され精製されたエポチロンBの全体の活性収率は87%であった。
【0094】
実施例7B
母液ストリームからのEpo Bの回収
MTBEまたはETOAc抽出からEpo Bの結晶化からの母液を一緒にし、溶液1リッター当たり2.2gのEpo Bおよび4.8gのEpo Aを含んでいた。この溶液10Lを真空下に50℃で11−15gEpo B/Lまで濃縮した。1容量のトルエンを加え、固体が形成しはじめた。11−15gのEpo B/Lの濃度が再び達成されるまで蒸留を続けた。1容量のトルエンを再び加え、蒸留をもう1度繰り返し11−15gEpo B/Lに達した。そのスラリーを1時間かけて室温まで冷却し、次に90分撹拌した。その混合物を約50℃まで再加熱し、1時間攪拌し、1時間かけて室温まで冷却した。最低3時間攪拌後、その固体を濾過により集め、トルエンで洗浄し、次に真空下に約40℃で乾燥し、約92%のEpo B活性を回収した。その固体は16%w/wを有する42.9%w/wのEpo Bと分析された。母液は66%の投入エポチロンAおよび僅か5%の投入エポチロンBを含んでいた。
【0095】
実施例7C
646mgのEpo Bを含む、を実施例7で説明した順相クロマトグラフィーからの、プールしたハートカット(200mL)を43mLのトルエンにゆっくり加え、ジャケット温度約65℃で約43mLまで真空下に濃縮した。トルエン(43mL)を真空下に加え、蒸留をジャケット温度約65℃で続けた。そのスラリー約43mlまで濃縮し、次に約3時間かけて約20℃まで冷却した。結晶を集め、2x5mLのトルエンで洗浄し、真空下に(29’’Hg)約40℃で30分間乾燥し、729mgの単離した結晶性ケーキを得た(85.3%w/w Epo B)。HPLC純度は99.77面積%であった(トルエン面積%を除く)。ケーキ中の残存溶媒は15.3%w/wトルエンおよび0.3%w/w EtOAcであった。母液および洗浄液は僅か5%のエポチロンB投入活性を含んでいた。
【0096】
この工程で記載した方法に従って得られた結晶溶媒和物についての観測されたPXRDパターン(上のパターン)を、室温でのトルエン溶媒和物につてのシュミレートしたPXRDパターン(下のパターン)と共に、図15に示す。この結晶溶媒和物の熱分析を図16に示す。
【0097】
実施例8
特殊な結晶形の製造
実施例8A:epoB−TOβの製造
エポチロンBトルエン溶媒和物の製造
epoBを約13mLの酢酸エチルに約40℃で溶解した。1容量のトルエンを加え、バス温度<40℃で9mLまで濃縮した。これを約55℃まで再加熱した後、もう1容量のトルエンを添加した。これを次に約10mLまで濃縮し、18℃まで冷却した。そのスラリーをx線構造決定に用いた
【0098】
上述の方法によって得たepoB−TOβの単斜晶系の単位格子形の分子構造、およびepoB−TOβのPXRDパターンを図4および6にそれぞれ示す。
【0099】
実施例8B:epoB−ANβの製造
エポチロンBアセトニトリル溶媒和物の製造
アセトニトリル水溶液中の実質的に純粋なエポチロンBの溶液(実施例5の逆相クロマトグラフィーから生じたプールされたカラム画分からの)を室温でゆっくりと蒸発させ、アセトニトリル−水からの結晶スラリーを得た。その結晶スラリーはX線分散により直接的に調べた。
【0100】
上述の方法によって得たepoB−ANβの単斜晶系の単位格子形の分子構造、およびepoB−ANβのPXRDパターンを図2および7にそれぞれ示す。
【0101】
実施例8C:epoB−EAβの製造
エポチロンB EtOAc溶媒和物の製造
1:1EtOAc/ヘプタン中のエポチロンBの溶液を約190−195g/Lの標的濃度まで濃縮した。エポチロンBのこの粘ちょうなスラリーに攪拌しながら10容量のEtOAcを約40℃で添加した。生じたスラリーを40℃で2時間攪拌し、5時間かけて0℃まで冷却し、最低5時間0℃で更に攪拌した。そのスラリーを濾過し、そのケーキを冷たい1:1EtOAc/ヘプタンで洗浄する。そのケーキを真空オーブン中で5−6時間乾燥し、約5−14%のEtOAcを有する最終エポチロンBを得た。
【0102】
上述の方法によって得たepoB−EAβの単斜晶系の単位格子形の分子構造、およびepoB−EAβのPXRDパターンを図1および5にそれぞれ示す。
【0103】
実施例8D:epoB−IPβの製造
エポチロンB IPA溶媒和物の製造
エポチロンB(70mg)を4mLのIPAに、透明な溶液ができるまでその溶液を加熱することにより溶解した。この溶液を常温まで冷却した。直ちに生じた固体を濾過により除去した。透明な濾液を小さい試験管に入れ、数個のピンホールを有するアルミニウムホイルでカバーした。溶媒を、常温で非常にゆっくりと数日かけて、実質的な結晶成長が観察されるまで蒸発させた。結晶を湿潤スラリーとしてx線分析のため提供した。
【0104】
上述の方法によって得たepoB−IPβの単斜晶系の単位格子形の分子構造、およびepoB−IPβのPXRDパターンを図3および8にそれぞれ示す。
【0105】
実施例9
エポチロンB(ラクトン)からの誘導体2(ラクタム)形成
テトラブチルアンモニウムアジド(TBAアジド)溶液を、THF/DMF中のテトラブチルアンモニウムクロライドおよびアジドナトリウムを混合することにより、製造した。生じたTBAアジド溶液を濾過によるNaCl結晶の除去により回収した。トリス(ジベンジレデンアセトン)−ジパラジウム等の触媒量の試薬またはアリルカチオンを安定化させるために選択されたこの触媒のクロロホルム付加物、塩化アンモニウム、エポチロンBおよびTBAアジドのTHF/DMF溶液を攪拌しながらフラスコに入れた。そのスラリーを約25分間0−5℃で窒素をバブリングすることにより脱酸素した。トリメチルフォスフィンを0−5℃で添加した。その反応混合物を32−38℃まで加熱し、攪拌を4−16時間続け、エステル官能性の破損から生じるアミノ酸中間体を製造した。反応混合物を18−24℃に冷却し、濾過し固体を除去した。その固体をTHFで洗浄し、濾液を豊富な濾液と一緒にした。この溶液を9−10時間かけて、1−供給ロキシベンゾトリアゾール水和物、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩および炭酸カリウムのTHF/DMFスラリーに30−37℃で滴加した。生じた混合物を0−12℃に冷却し、温度を<10℃に保ちながら水でクエンチした。その混合物を酢酸エチルで3−4回抽出し、一緒にした酢酸エチル層をシクロヘキサンで希釈し(3:1酢酸エチル−シクロヘキサン比)、水で逆抽出する。有機層を更なるシクロヘキサンにより2:1酢酸エチル−シクロヘキサン比まで希釈し、Zeta Pad R51SPまたはR53Sp等の活性炭浸せきカートリッジを通した。トリエチルアミン(1%)を有機の濾液に加え、その溶液を1%のトリエチルアミンを含む2:1酢酸エチル−シクロヘキサンを用いるショートシリカゲル濾過により精製した。豊富な溶出液を集め、<37℃で最終濃度11−14mL/gまで濃縮した。更なるシクロヘキサンを添加し、スラリーを67−78℃で45−60分加熱する。そのスラリーを約21℃までゆっくり冷却し、濾過し、結晶性固体を1:1酢酸エチル−シクロヘキサンで洗浄した。湿ったケーキを真空下に<45℃で乾燥し、約56M%収率でエポチロンBの結晶性ラクタムアナログを得た。
【0106】
実施例10
エポチロンBからのアミノ置換エポチロンB誘導体(誘導体1)の形成
エポチロンBを、エポチロンBのチアゾール環の2−メチル基の酵素的供給ロキシル化によりエポチロンFに変換した。その変換は、エポチロンBへのactinomycete株の作用により達成される。この工程で使用するためのactinomycete株は、2002年12月17日に出願された米国特許出願第10/321188号およびWO 00/39276号に開示されており、両者は本明細書の一部を構成する。
【0107】
エタノール中のエポチロンB(5%v/w)を16−18℃で適当な培地中で増殖させたその微生物に添加し、pHを50%w/v水酸化ナトリウムまたは30w/v硫酸で、6.9−7.1に維持した。生物学的変換はエポチロンBの濃度がその最初の価の3−5%まで減少するまで続けた。エポチロンFを吸着できるXAD−16またはSP207等の樹脂を発酵タンクに加え(5%v/w)16−72時間10−18℃で攪拌した。発酵ブロースをデカントし、樹脂を水で洗浄した(2:1水−樹脂比)。洗浄を更に2回繰り返した。残存する水の大部分はブッフナーロートでの濾過により除去される。
【0108】
予め吸着したエポチロンFを有するXAD−16樹脂を水でスラリーにし、カラムに充填した。樹脂カラムは酢酸エチルで抽出し、豊富な溶出液を集めた。水層を流去し、豊富な酢酸エチル画分を次に5%炭酸水素ナトリウム溶液および水で洗浄し、脱色した。豊富な有機画分を減圧下に濃縮し、次にシリカであらかじめコートしたフィルターを通し、10μMポリッシュ濾過した。その生成物は次に真空下に蒸留し、プライマリーエポチロンFを非溶媒としてトルエンを攪拌しながら加えることにより結晶化させた。その豊富なトルエン混合物を更に濃縮して酢酸エチル含量を減らし更なるトルエンを添加した。結晶性スラリーを濾過し、トルエンで洗浄した。
【0109】
エポチロンFをメチレンクロライドまたはメチレンクロライド/酢酸エチル混合物に溶解し、次に60−80:40−20の酢酸エチル:n―ヘプタン混合物(v/v)で平衡化しておいたHPLCグレードシリカを充填したクロマトグラフィーカラムにロードした。
【0110】
生成物をカラムから、60−80:40−20の酢酸エチル:n―ヘプタン混合物(v/v)のイソクラチックまたはステップグラジエント、その後の60−80:40−20の酢酸エチル:n―ヘプタン混合物でカラムから溶出させた。試料およびプロセスは290nmでのUV検出によりモニターした。エポチロンF生成物ピークは分画し、近くに溶出する不純物を最小にした。豊富なプールした画分は標的濃度約100g/Lまで真空下に蒸留する。エポチロンFのスラリーに等しい量のn−ヘプタンを攪拌しながら加える。そのバッチを標的濃度約100g/Lまで真空下に再蒸留し、酢酸エチルを添加し、スラリーを40℃に維持する。そのバッチを2〜−10℃まで冷却し、少なくとも5時間その温度に維持し、溶液から生成物を結晶化させる。生じたスラリーを濾過し、冷1:1酢酸エチル:n―ヘプタン溶液で洗浄する。最終エポチロンFケーキを真空下に35−40℃で乾燥する。
【0111】
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(DBU,1.8等量)を、テトラ供給ロフラン(前もって3A MS上で乾燥)中のエポチロンFおよびジフェニルホスホリルアジド(1.5等量)の懸濁液にゆっくり添加し、その反応を10−25℃で12−24時間攪拌する。トリメチルホスフィン/テトラ供給ロフラン溶液(1.0M,1.1等量)を反応混合物にゆっくり添加する。水および水酸化アンモニウムを添加し、混合物を更に30分間攪拌する。反応混合物を水で希釈し、水層をジクロロメタンで3回抽出した。有機層を次に希釈した水酸化アンモニウムおよび半飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、絶乾し、チアゾールメチル基でより機能化された粗のアミノ誘導体(誘導体1)を得る。
【0112】
その粗生成物を2.5%メタノール−0.2%のトリエチルアミン−ジクロロメタンで前処理したシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製する。適当な品質の画分を併せ、ミクロ濾過し、絶乾し、クロマトグラフィーした誘導体1を得る。この物質を酢酸エチルに添加し、生じた懸濁液を72−75℃に加熱し、溶液を得る。非溶媒ン−ヘプタンをゆっくり加え、混合物を攪拌しながら15−25℃で種の存在下ゆっくり冷却する。冷却および約5℃での保持後、生じた固体を濾過により単離し、真空下に乾燥し精製された結晶性のアミノ誘導体(誘導体1)を、エポチロンFからの約70M%収率で得た。
【0113】
実施例11
エポチロンBからエポチロンD(誘導体3)の製造
【化9】

[4S-[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジ供給ロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン(エポチロンD,誘導体3)
アルゴン下の−78℃の無水THF(5ml)にWCI(198mg,0.5mmol)、次にnBuLi(ヘキサン中の1.6M溶液の0.625ml、1.0mmol)を添加した。反応は20分の期間にわたって室温まで暖めた。タングステン試薬のアリコート(0.50ml、0.05mmol)を除去し、アルゴン下にエポチロンB(9.0mg、0.018mmol)に添加し、反応混合物を15分攪拌し、次に飽和NaHCO(1ml)の添加によりクエンチした。反応混合物をEtOAc(3x1ml)で抽出し、併せた抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発物を真空下に除去した。残渣を35%EtOAc/ヘキサンでクロマトグラフィーし、標記化合物(7.0mg、0.014mmol)を得た。MS m/z:492.3(M+H)
【0114】
本発明の利点、性質および様々な特徴は図面を考慮することにより、より完全に現れる。これらの図面は本発明の概念を説明する目的のためであり、限定するものではない。図1〜4のそれぞれにおいて、エポチロンのすべてのメチルおよびメチレン水素原子は明確化のため省略した。図1〜4において分子間の水素結合はダッシュ棒としてダイアグラムの下右および上左部分に示し、H結合距離(オングストローム)は分子間酸素−酸素距離を表す。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】epoB−EAβからの単斜晶系単位格子における分子構造を示し、2分子のエポチロンBおよび単斜晶系単位格子のゲストチャネルにおける2分子の酢酸エチルを有する。
【図2】epoB−ANβからの単斜晶系単位格子における分子構造を示し、2分子のエポチロンBおよび単斜晶系単位格子のゲストチャネルにおける2分子のアセトニトリルを有する。
【図3】epoB−Ipβからの単斜晶系単位格子における分子構造を示し、2分子のエポチロンBおよび単斜晶系単位格子のゲストチャネルにおける2分子のイソプロパノールを有する。
【図4】epoB−Toβからの単斜晶系単位格子における分子構造を示し、2分子のエポチロンBおよび単斜晶系単位格子のゲストチャネルにおける2分子のトルエンを有する。
【図5】エポチロンBの酢酸エチル溶媒和物(epoB−EAβからの結晶)についての観測された(上)およびシミュレートした(下)PXDPパターンを示す。図5において、シミュレートパターンは−33℃における単斜晶系結晶構造におけるリファインされた原子パラメーターから計算され、観測パターンは+23℃で測定された。
【図6】エポチロンBのトルエン溶媒和物(epoB−TOβからの結晶)についての観測された(上)およびシミュレートした(下)PXDPパターンを示す。図6において、シミュレートパターンは−33℃における単斜晶系結晶構造におけるリファインされた原子パラメーターから計算され、観測パターンは+23℃で測定された。
【図7】エポチロンBのアセトニトリル溶媒和物(epoB−ANβからの結晶)についての観測された(上)およびシミュレートした(下)PXDPパターンを示す。図7において、シミュレートパターンは−40℃における単斜晶系結晶構造におけるリファインされた原子パラメーターから計算され、観測されたパターンは+23℃で測定された。
【図8】エポチロンBのイソプロピルアルコール溶媒和物(epoB−IPβからの結晶)についての観測された(上)およびシミュレートした(下)PXDPパターンを示す。図5において、シミュレートパターンは−3℃における単斜晶系結晶構造におけるリファインされた原子パラメーターから計算され、観測されたパターンは+23℃で測定された。
【図9】実施例7,工程Aで記載した方法に従って製造したエポチロンBのトルエン含有プライマリーグレード溶媒和物についてのPXRDパターンを示す。
【図10】実施例9のトルエン含有プライマリーグレード溶媒和物についての熱分析(DSCおよびTGA)を示す。
【図11】実施例7,工程Bに記載した方法に従って製造したエポチロンBのトルエン含有再結晶溶媒和物についての観測されたPXRDパターンを示す。
【図12】図11のトルエン含有再結晶溶媒和物についての熱分析(DSCおよびTGA)を示す。
【図13】実施例7,工程Cに記載した方法に従って製造したエポチロンBの酢酸エチル含有溶媒和物のPXRDパターンを示す。
【図14】図13の酢酸エチル含有溶媒和物の熱分析(DSCおよびTGA)を示す。
【図15】実施例7Cに記載方法に従って製造したトルエン含有溶媒和物についての観測された(上)PXRPパターンおよび室温でエポチロンBのトルエン溶媒和物についてのシミュレートした(下)PXRPパターンを示す。
【図16】図15のトルエン含有溶媒和物についての熱分析(DSCおよびTGA)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポチロン産生微生物からのエポチロンBの単離方法であって、
(a)疎水的相互作用によりエポチロンBを吸着する樹脂の存在下においてエポチロンを産生する微生物を発酵させ;
(b)水をベースにする培地で樹脂を集め;
(c)エポチロンBを抽出し、それを水をベースにする培地から分離するために選択した溶媒で樹脂を抽出し;そして
(d)クロマトグラフィー工程の前に抽出相からエポチロンBを結晶化させる、
ことを含む方法。
【請求項2】
工程(d)からの結晶化したエポチロンBが実質的に純粋である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
樹脂を極性溶媒で抽出する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
発酵工程が更に、製造されたエポチロンAの量に比べ製造されたエポチロンBの量を改良することができる添加物を供給することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
添加物がタストン(登録商標)、マルトリンまたはグリセロールである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
発酵工程が製造されたエポチロンAに対するエポチロンBの量の比を改良することができる添加物を連続的に供給することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
添加物がプロピオン酸塩またはエステルである請求項4に記載の方法。
【請求項8】
添加物がプロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸メチルエステルまたはプロピオン酸エチルエステルである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
結晶化を行なって、抽出工程(c)の後に存在するエポチロンAの量の約55%以下にエポチロンAの量を減少させる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(e)結晶化工程(d)の後に存在するエポチロンAの量の約55%以下にエポチロンAの量を減少させるに有効な、少なくとも第二の結晶化工程を更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
エポチロン産生微生物が Sorangium cellulosum である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該微生物が Sorangium cellulosum株ATCC No.PTA3880である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該微生物が Sorangium cellulosum株ATCC No.PTA3881である請求項11に記載の方法。
【請求項14】
樹脂がスチレン/ジビニルベンゼンをベースにするポリマーである請求項1に記載の方法。
【請求項15】
樹脂がXAD−16である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(d)が、
(i)エポチロンBが不溶性であるか、または僅かに可溶性である第二の溶媒の添加し、;
(ii)抽出溶媒の少なくとも一部分を除去する;そして
(iii)生じた溶媒または溶媒混合物をエポチロンBが結晶化する温度に移す
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
抽出溶媒酢酸エチルまたはMTBEであり、第二の溶媒がトルエンである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(f)工程(c)の前に、樹脂を、アセトニトリル水溶液、メタノール水溶液、界面活性剤および塩基型で添加したアミン試薬を含む水性媒体、エポチロンBを溶出しないよう選択された水性媒体で洗浄すること
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
工程(c)が更に、溶媒を含むエポチロンBをポリッシュ濾過することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
エポチロンBまたはその溶媒和物を、式:
【化1】

を有する誘導体2またはその溶媒和物に変換することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
エポチロンBまたはその溶媒和物を、式:
【化2】

を有する誘導体1またはその塩若しくは溶媒和物に変換することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
エポチロンBまたはその溶媒和物を、式:
【化3】

を有する誘導体3またはその溶媒和物に変換することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
エポチロンAまたはBを製造する微生物の培養方法であって、
エポチロンの製造を促進するよう選択された条件下に培養する微生物の培養物にプロピオン酸、その前駆体、またはそれらの1つの塩を供給し、
プロピオン酸、その前駆体、またはそれらの1つの塩の供給のタイミングと量は、プロピオン酸、その前駆体、またはそれらの1つの塩の不存在下で培養した微生物の培養物により製造されるエポチロンBのエポチロンAに対する比と比較して、エポチロンBのエポチロンAに対する比が少なくとも2倍の増加を提供するよう選択し;そして
培養物からエポチロンBを単離することを含む方法。
【請求項24】
プロピオン酸、その前駆体、またはそれらの1つの塩の接触のタイミングと量が、エポチロンBのエポチロンAに対する比が少なくとも3倍増加を供給するよう選択する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
接触のタイミングとプロピオン酸、その前駆体、またはそれらの1つの塩の量が、エポチロンBのエポチロンAに対する比の少なくとも1.5までの増加を供給するよう選択する請求項23に記載の方法。
【請求項26】
微生物がSorangium cellulosumの株である請求項23に記載の方法。
【請求項27】
プロピオン酸、その前駆体、またはそれらの1つの塩を培養物の増殖期の間または後に添加することを更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項28】
ビタミン、ミネラル、炭水化物源、またはアミノ酸源を、それらの供給がない場合に製造されるエポチロンBの量に比べて、製造されるエポチロンBの量を増加させる量で培養物に供給する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
一塩基性または二塩基性リン酸の混合物を培養物に供給することを更に含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
エポチロンBまたはその溶媒和物を、式:
【化4】

を有する誘導体1または塩またはそれらの溶媒和物に変換することを更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項31】
エポチロンBまたはその溶媒和物を、式:
【化5】

を有する誘導体2またはその溶媒和物に変換することを更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項32】
エポチロンBまたはその溶媒和物を、式:
【化6】

を有する誘導体3またはそれらの溶媒和物に変換することを更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項33】
エポチロンBの比較的製造条件下で少なくとも5mgのエポチロンB/g樹脂を製造するSorangium cellulosumの株。
【請求項34】
少なくとも1.0のエポチロンB/Aでエポチロンを製造する請求項33に記載の株。
【請求項35】
ATCC No.PTA−3880として寄託されたSorangium cellulosumの株。
【請求項36】
ATCC No.PTA−3881として寄託されたSorangium cellulosumの株。
【請求項37】
逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により請求項1に記載の方法から単離されたエポチロンを精製する方法であって、
(a)分離樹脂を含む逆相HPLCカラムを、水性有機溶媒または有機溶媒の水性混合物と平衡化させ;
(b)適当な有機溶媒または有機溶媒混合物に溶解したロード試料を提供し、
(c)カラムにロード試料、トレイリング容量の適当な有機溶媒またはローディング容量においてエポチロン沈澱を減少させるのに有効な有機溶媒の混合物のトレイリング容量を注入し;
(d)水性有機溶媒または有機溶媒の水性混合物でカラムを溶出し、低有機含量で出発し、その後平衡工程で用いた混合物のそれよりも多くに増加させてエポチロンBを得る;
ことを含む方法。
【請求項38】
注入ポートおよび分離カラムの間にあるローディング容量を含む装置を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行う請求項37に記載の方法。
【請求項39】
工程(b)の有機溶媒がジメチルスルホオキサイドである請求項37に記載の方法。
【請求項40】
工程(c)の有機溶媒がジメチルスルホオキサイドである請求項37に記載の方法。
【請求項41】
工程(d)の有機溶媒が水性アセトニトリルまたは水性メタノールである請求項37に記載の方法。
【請求項42】
注入工程がローディング容量におけるエポチロン沈澱を減少させるのに有効なジメチルスルホオキサイドの直ちに先立つ容量を用いることを含む請求項37に記載の方法。
【請求項43】
(c)エポチロンを結晶化して精製されたエポチロンBを得る
ことを更に含む請求項37に記載の方法。
【請求項44】
順相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により請求項1に記載の方法から単離されたエポチロンを精製する方法であって、
(a)有機溶媒または有機溶媒混合物で分離ゲルまたは樹脂を含む順相HPLCカラムを平衡化させ;
(b)有機溶媒または有機溶媒混合物中に溶解したロード試料を提供し;
(c)カラムにロード試料を注入し;
(d)有機溶媒または有機溶媒の混合物でカラムを溶出し、極性の低い溶媒含量で出発し、その後平衡工程で用いた混合物のそれよりもより極性の高い溶媒混合物に増加させてエポチロンを得る;
を含む方法。
【請求項45】
工程(b)の有機溶媒はジクロロメタンである請求項44に記載の方法。
【請求項46】
工程(d)の有機溶媒は酢酸エチルまたはn−ヘプタンである請求項44に記載の方法。
【請求項47】
(e)エポチロンを結晶化して、精製したエポチロンBを得る、
ことを更に含む請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−500031(P2006−500031A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538301(P2004−538301)
【出願日】平成15年9月22日(2003.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/029628
【国際公開番号】WO2004/026254
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】