説明

エラストマー粒子を含む音響減衰組成物

音響減衰組成物は、ウレタン成分と、エラストマー粒子と、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含むバインダー樹脂とを含む。音響減衰組成物は、少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有することができる。バインダー樹脂は、−25℃以下のガラス転移温度を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全般的には、音響減衰組成物、このような音響減衰組成物を用いて形成される構造材料、およびこれら音響減衰組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
騒音の制御は、長きにわたって住宅および事業の場において問題になっている。都市化の進行および不動産の逓増的費用の増大に伴って、個人個人は一層近接した状態で生活し、また働くようになっており、それは消音の必要性を、特に高層ビルおよびアパートの場において増大させている。このような都市の場で騒音に対処するために、幾つかの都市、州、および国は、騒音防止建築規制条例を施行している。さらに、多くの建物所有者は、建築仕様書の中に建設中の耐雑音性を明記する。
【0003】
しかしながら騒音を制御するための多くの従来の方法は、設置するのが厄介であるか、効果がないかのいずれかである。具体的には壁の例では従来の手法は、壁パネルと支柱の間に配置される弾力性部材の使用を含む。このような弾力性部材は設置するのが難しく、また費用がかかる。他の従来の方法は厚い断熱部材の設置を含み、それは効果が限られ、かつ壁または天井の設置および建築に追加の工程を加える。
【0004】
騒音を制御するために使用される別の手法は、建築材料の層間に合板または乾式壁などの制振材を使用することである。このような制振材はまた、拘束層制振材とも呼ばれる。しかしながら従来の制振材は、特定の雑音の限られた音の制御を可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって改良された音響減衰組成物が望ましいことになる。
【0006】
添付図面を参照することによって本発明の開示内容は一層良く理解することができ、また当業者にその幾多の特徴および利点が明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】構造用パネルの例示的図解を含む。
【図2】音響試験装置の図解を含む。
【図3】装着された構造用パネルの例示的図解を含む。
【図4】装着された構造用パネルの例示的図解を含む。
【0008】
異なる図面中での同じ参照符合の使用は、類似または同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態において音響減衰組成物は、バインダー樹脂、改質用樹脂、およびエラストマー粒子を含む。一例ではバインダー樹脂は、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーである。例えばバインダー樹脂は、アクリル酸成分であることができる。改質用樹脂は、ウレタン成分であることができる。エラストマー粒子は、850μm以下の平均粒径を有することができ、また20MPa以下の弾性率を有することができる。この音響減衰組成物は、少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する。さらにこの音響減衰組成物は、少なくとも0.27のモード2減衰パラメータ、または少なくとも0.27のモード3減衰パラメータを有することができる。このような音響減衰組成物を構造用パネル中に、例えば2枚の硬質パネル間に組み込むことができる。
【0010】
一例では音響減衰組成物は、第一硬質パネルの第一主表面上に押出成形することができる。第二硬質パネルの第一主表面を音響減衰組成物と接触させて、壁、天井、または床の構造に使用することができる積層品を形成することができる。具体的には音響減衰組成物は、バインダー樹脂、改質用樹脂、およびエラストマー粒子を含む水系エマルションとして配合することができる。塗布する場合、この水系エマルションの水を蒸発させて音響減衰組成物のバインダー樹脂、改質用樹脂、およびエラストマー粒子を残すことができる。
【0011】
具体例としての実施形態ではバインダー樹脂は、カルボン酸官能基、例えばカルボン酸またはエステル誘導体の官能基を有する付加重合ポリマーである。付加重合ポリマーは、縮合重合と対立するものとしての付加重合により形成されるポリマーである。一例ではバインダー樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、酢酸ビニル、これらの誘導体、またはこれらの任意の組合せなどのモノマーから形成される。例えばバインダー樹脂は、ポリ酢酸ビニル、その誘導体、またはそのコポリマーを含むことができる。さらなる例では、このポリ酢酸ビニルを、例えばヒドロキシル化により変性してコポリマーであるポリ(酢酸ビニル−co−ビニルアルコール)を形成することもできる。
【0012】
別の例ではバインダー樹脂は、アクリル樹脂であることもできる。アクリル樹脂は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するグリシジル基またはヒドロキシアルキル基を有することができる。代表的なアクリルポリマーには、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸グリシジル、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸グリシジル、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。特定の例ではアクリル樹脂は、エマルション、例えば水系エマルションの形態である。例えばアクリル樹脂は、感圧接着アクリル樹脂などの接着性アクリル樹脂であることができる。
【0013】
具体的にはバインダー樹脂は、低ガラス転移温度を有する。例えばバインダー樹脂のガラス転移温度は、−25℃以下である。一例ではガラス転移温度は、−40℃以下、例えば−50℃以下である。さらにバインダー樹脂のガラス転移温度は、−60℃以下であることもできる。
【0014】
さらにバインダー樹脂は、少なくとも8,000原子単位、例えば少なくとも10,000原子単位、少なくとも20,000原子単位、またさらには25,000原子単位以上の分子量程度の分子量を有することができる。具体的にはバインダー樹脂の平均分子量は、100,000原子単位以下である。特定の実施形態ではバインダー樹脂は、応力−歪グラフ上でヒステリシスを示す粘弾性樹脂である。
【0015】
さらに音響減衰組成物は改質用樹脂を含む。改質用樹脂は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル酸/アミン樹脂、またはこれらの任意の組合せであることができる。一般には改質用樹脂は、水性エマルション中で自己分散性であり、かつバインダー樹脂と不混和性である。
【0016】
特定の実施形態では改質用樹脂は、イソシアナート、エーテルアルコール、およびエステルアルコールを含む反応物から形成されるウレタン樹脂である。特定の実施形態ではこのイソシアナート成分は、ジイソシアナートモノマーを含む。ジイソシアナートモノマーの具体例には、トルエンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、または1,5−ナフタレンジイソシアナート、これらの変性生成物、例えばカルボジイミド変性生成物など、またはこれらの任意の組合せを挙げることができる。このようなジイソシアナートモノマーは、単独でまたは少なくとも2種類を混合して使用することができる。特定の例ではこのイソシアナート成分は、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)、トルエンジイソシアナート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、またはこれらの任意の組合せを含みことができる。一例ではイソシアナートは、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)またはトルエンジイソシアナート(TDI)を含むことができる。具体的にはイソシアナートは、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)を含む。
【0017】
一例ではイソシアナートは、ウレタン成分を形成する反応物の10重量%から50重量%を形成する。例えばイソシアナートは、反応物の20重量%から40重量%、例えば反応物の25重量%から35重量%を形成することができる。
【0018】
一例ではエーテルアルコールは、ポリエーテルポリオールまたはそのアルコキシ誘導体を含むことができる。改質用樹脂の生産に役立つ好適なポリエーテルポリオールは、複合金属シアン化物(DMC)触媒作用によるアルキレンオキシドの挿入重合(polyinsertion)によって、あるいは触媒として水酸化アルカリまたはアルカリアルコラートの存在下において、結合形態の2から6個、好ましくは2から4個の反応性水素原子を含有する少なくとも1個の開始剤分子の付加反応を伴うアルキレンオキシドのアニオン重合によって、あるいは五塩化アンチモンまたはフッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸の存在下でのアルキレンオキシドのカチオン重合によって生成することができる。好適なアルキレンオキシドは、そのアルキレンラジカル中に2から4個の炭素原子を含有することができる。例には、テトラヒドロフラン、1,2−プロピレンオキシド、1,2−または2,3−ブチレンオキシド、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。これらアルキレンオキシドは、個々に、相次いで、または混合物として使用することができる。具体的には1,2−プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物を使用することができ、その場合、得られるポリオールが70%を超える第一級OH末端基を示すようにエチレンオキシド末端ブロックとしてエチレンオキシドを10%から50%の量で使用する。開始剤分子の例には、水、あるいは二価または三価アルコール、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタン−1,4−ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。
【0019】
ポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレンポリオールなどの好適なポリエーテルポリオールは、1.6から2.4、例えば1.8から2.4の平均官能価と、800g/molから25,000g/mol、例えば800g/molから14,000g/mol、特に2,000g/molから9,000g/molの数平均分子量とを有する。800g/molから25,000g/mol、例えば800g/molから14,000g/mol、またさらには2,000g/molから9,000g/molの数平均分子量を有する二官能性または三官能性ポリエーテルポリオールをポリオール成分として使用することができる。
【0020】
特定の例ではポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、そのメトキシ誘導体、そのエトキシ誘導体、またはこれらの任意の組合せを含む。このポリエチレングリコールまたはその誘導体は、3個と20個の間のエチレングリコール単位、例えば5個と20個の間のエチレングリコール単位、またさらには5個と15個の間のエチレングリコール単位を含むことができる。
【0021】
さらに、このエーテルアルコールは、異なる数のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコールまたはその誘導体のブレンドを含むこともできる。別の具体例としてのエーテルアルコールは、フェニルアルコール系グリコールエーテルを含む。
【0022】
別の例ではエーテルアルコール成分は、ポリプロピレングリコールアルキルエーテルを含むことができる。一例ではこのポリプロピレングリコールアルキルエーテルは、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0023】
特定の実施形態ではポリウレタンを形成する反応物は、少なくとも15重量%のジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含む。例えば反応物は、少なくとも20重量%のジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、例えば少なくとも25重量%のジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含むことができる。具体的には反応物は、50重量%以下のジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含むことができる。さらに反応物は、0重量%から30重量%の範囲、例えば5重量%から20重量%の範囲、またさらには10重量%から20重量%の範囲の量でトリプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含むことができる。ポリウレタンを形成する反応物が、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルとトリプロピレングリコールn−ブチルエーテルの両方を含む場合、それら成分は、少なくとも0.5、例えば少なくとも1.0、またさらには少なくとも1.5の比率(ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル/トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル)で含まれる。別法では反応物は、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルを単独のポリプロピレングリコールアルキルエーテルとして含むこともできる。
【0024】
さらにウレタン樹脂の反応物は、エステルアルコールを含むことができる。例えばこのエステルアルコールは、ポリエステルポリオールであることができる。例示的実施形態ではポリエステルポリオールは、アジピン酸、グルタル酸、フマル酸、コハク酸、またはマレイン酸などの二塩基酸または酸無水物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジまたはトリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、またはこれらの任意の組合せなどの二官能性アルコールとから誘導される。例えばポリエステルポリオールは、水副生物の連続的除去によるこのグリコールと酸の縮合反応によって形成することができる。少量の高官能性アルコール、例えばグリセリン、トリメタノールプロパン、ペンタエリトリトール、スクロース、またはソルビトール、あるいは多糖類を用いてそのポリエステルポリオールの分岐を増加させることができる。単純なアルコールと酸のエステルを、エステル交換反応を経由して使用することもできる。その場合、その単純なアルコールを水と同様に連続的に除去し、1種類または複数種類の上記グリコールによって置き換える。さらにポリエステルポリオールは、芳香族酸、例えばテレフタル酸、フタル酸、1,3,5−安息香酸、それらの酸無水物、例えばフタル酸無水物から生成することができる。
【0025】
特定の例ではエステルアルコールは、アルキルジオールアルキルエステルを含むこともできる。例えばこのアルキルジオールアルキルエステルには、トリメチルペンタンジオールイソブチラート、例えば2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチラートを挙げることができる。具体的には望ましい音響減衰は、そのエステルアルコールがトリメチルペンタンジオールイソブチラートを含み、かつそのエーテルアルコールがジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含む場合に観察される。別法ではそのエステルアルコールが、トリメチルペンタンジオールイソブチラートを含み、かつそのエーテルアルコールがジプロピレングリコールn−ブチルエーテルとトリプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含む場合に好結果を示す。例示的実施形態では反応物は、このアルキルジオールアルキルエステルなどのエステルアルコールを、1.0重量%から8.0重量%の範囲、例えば2.0重量%から6.0重量%の範囲で含むことができる。
【0026】
特定の実施形態では音響減衰組成物は、不混和性のバインダー樹脂と改質用樹脂を含む。例えばこのバインダー樹脂および改質用樹脂は、フィルムとして乾燥された場合に別々の相を形成する。具体的にはこの音響減衰組成物は、ASTM D1003(方法B)によって測定される少なくとも30%、例えば少なくとも50%の曇り価を有することができる。
【0027】
音響減衰組成物中にはバインダー樹脂および改質用樹脂を、0.5と1.5の間の範囲の比(バインダー樹脂/改質用樹脂)で含むことができる。例えばこの範囲は、0.8と1.3の間にあることができる。具体的にはバインダー樹脂はアクリル酸成分であり、改質用樹脂はウレタン成分である。したがってアクリル酸成分とウレタン成分の比は、0.5と1.5の間の範囲、例えば0.8と1.3の間の範囲内にある。
【0028】
さらに音響減衰組成物は、エラストマー粒子を含むことができる。一例ではエラストマー粒子は、ポリオレフィンゴム、ジエンエラストマー、シリコーンゴム、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。例えばこのポリオレフィンには、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、オクテン、またはこれらの任意の組合せなどのモノマーから形成されるホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、アロイ、またはこれらの任意の組合せを挙げることができる。ポリオレフィンの実例には、ポリエチレン、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンブテンコポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、エチレンオクテンコポリマー、またはこれらの任意の組合せを挙げることができる。具体的にはこのポリオレフィンゴムは、ポリブチレンを含むことができる。
【0029】
別の例ではエラストマー粒子は、ジエンエラストマーを含むことができる。例示的実施形態ではこのジエンエラストマーは、少なくとも1種類のジエンモノマーから形成されるコポリマーである。例えばジエンエラストマーは、エチレン、プロピレン、およびジエンモノマーのコポリマー(EPDM)であることができる。ジエンモノマーの実例には、共役ジエン、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど、または5から約25個の炭素原子を含む非共役ジエン、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエンなど、または環状ジエン、例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなど、または環状ビニルエン、例えば1−ビニル−1−シクロペンテン、1−ビニル−1−シクロヘキセンなど、またはアルキルビシクロノナジエン、例えば3−メチルビシクロ−(4,2,1)−ノナ−3,7−ジエンなど、またはインデン、例えばメチルテトラヒドロインデンなど、またはアルケニルノルボルネン、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン、5−(1,5−ヘキサジエニル)−2−ノルボルネン、5−(3,7−オクタジエニル)−2−ノルボルネンなど、またはトリシクロジエン、例えば3−メチルトリシクロ(5,2,1,0,6)−デカ−3,8−ジエンなど、またはこれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態ではそのジエンは、非共役ジエンを含む。別の実施形態ではそのジエンエラストマーは、アルケニルノルボルネンを含む。ジエンエラストマーは、そのジエンエラストマーの総重量を基準にして、例えばエチレンをそのポリマーの約63重量%から約95重量%、プロピレンを約5重量%から約37重量%、およびジエンモノマーを約0.2重量%から約15重量%含むことができる。特定の例では、エチレン含有率がそのジエンエラストマーの約70重量%から約90重量%、プロピレンが約17重量%から約31重量%、ジエンモノマーが約2重量%から約10重量%である。一般にはこのジエンエラストマーは、少量のジエンモノマー、例えばジシクロペンタジエン、エチルノルボルネン、メチルノルボルネン、非共役ヘキサジエンを含み、また一般には約50,000から約100,000の数平均分子量を有する。具体例としてのジエンエラストマーは、Dowから商品名Nordel、例えばNordel IP4725Pで市販されている。特定の例ではエラストマー材料は、ジエンエラストマーとポリオレフィンのブレンドを含む。
【0030】
別の例ではエラストマー粒子は、シリコーンエラストマー、例えばポリアルキルシロキサン、フェニルシリコーン、フルオロシリコーン、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。例えばこのシリコーンポリマーには、例えばポリアルキルシロキサン、例えばジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジプロピルシロキサン、メチルエチルシロキサン、メチルプロピルシロキサン、またはこれらの任意の組合せなどの前駆体から作られるシリコーンポリマーを挙げることができる。特定の実施形態ではこのポリアルキルシロキサンは、ポリジアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。
【0031】
具体的にはエラストマー粒子は、バインダー樹脂および改質用樹脂とは別個の相を形成する。この別個の相は、明確な粒子の形態をとる。例えばエラストマー粒子は、850μm以下の平均サイズを有することができる。一例では平均粒径は、600μm以下、例えば450μm以下、またはさらには250μm以下である。特定の例では平均粒径は、少なくとも1μm、例えば少なくとも10μmである。
【0032】
エラストマー粒子は、望ましい弾性率を有する材料で作ることができる。一例ではエラストマー粒子は、20MPa以下の弾性率を有する材料で作ることができる。例えば弾性率は、0.1MPaから20MPaの範囲、例えば0.1MPaから10MPaの範囲内にあることができる。
【0033】
特定の例では音響減衰組成物は、エラストマー粒子を0.1重量%から50重量%の量で含むことができる。例えば音響減衰組成物は、エラストマー粒子を0.1重量%から25重量%の量、例えば3重量%から12重量%の量で含むことができる。
【0034】
さらなる例示的実施形態では音響減衰組成物は、第二のエラストマー粒子の組を含むことができる。例えばこの第二のエラストマー粒子の組は、少なくとも580μm、例えば少なくとも840μmの平均粒径を有することができる。具体的にはこの第二のエラストマー粒子の平均粒径は、第一のエラストマー粒子よりも大きい。第二のエラストマー粒子は、音響減衰組成物中に0.1重量%から7重量%の量、例えば0.5重量%から5重量%の量で含まれる。第二のエラストマー粒子の組成は、第一のエラストマー粒子に関して上記で開示した組成から選択することができる。具体的には第二のエラストマー粒子は、第一のエラストマー粒子に似た組成を有することができる。別法では第二のエラストマー粒子の組成は、第一のエラストマー粒子の組成と異なることもできる。
【0035】
例示的実施形態では音響減衰組成物は、バインダー樹脂、改質用樹脂、およびこれらエラストマー粒子を含む水系エマルションとして調製することができる。一例ではバインダー樹脂および改質用樹脂を含む水系エマルションの固形分は、少なくとも40%である。例えば水系エマルションの固形分は、少なくとも50%、例えば少なくとも60%、またはさらには少なくとも65%であることができる。さらに水系エマルションは、望ましいpHを有することができる。例えばpHは、6.8から8.0の範囲内、例えば7.0から7.5の範囲内であることができる。
【0036】
さらに水系エマルションは、1,000cpsから500,000cpsの範囲の粘度を有することができる。例えば粘度は、#6スピンドルを用いて10rpmで測定される1,000cpsから100,000cpsの範囲内、例えば5,000cpsから50,000cpsの範囲内であることができる。具体的には粘度は、10,000cpsから40,000cpsの範囲、例えば20,000cpsから35,000cpsの範囲内であることができる。粘度を調節するために水系エマルションに増粘剤を加えることができる。例えば増粘剤は、アニオン増粘剤または非イオン増粘剤であることができる。さらなる例では増粘剤は、セルロース系または変性セルロース系増粘剤、結合性増粘剤、逆相エマルション増粘剤、またはアルカリ膨潤性エマルション増粘剤であることができる。組成的にはこの増粘剤は、ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステル、カルボン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。特定の例ではこの増粘剤は、アクリル酸エステル増粘剤を含む。さらに増粘剤は、30,000から70,000原子単位の範囲、例えば40,000から55,000原子単位の範囲内の平均分子量を有することができる。増粘剤は、0.1重量%から5重量%の量で含むことができる。
【0037】
いったん展開され乾燥されると、音響減衰組成物は、望ましい音響減衰、例えば望ましいモード1減衰パラメータ、モード2減衰パラメータ、またはモード3減衰パラメータを示す。モード1減衰パラメータ、モード2減衰パラメータ、およびモード3減衰パラメータは、実施例の指定された試験法に関して下記で定義する。一例では音響減衰組成物は、少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有することができる。例えば音響減衰組成物は、少なくとも0.5、例えば少なくとも0.55、少なくとも0.6、少なくとも0.65、またさらには少なくとも0.7のモード1減衰パラメータを有することができる。さらに音響減衰組成物は、少なくとも0.27、例えば少なくとも0.30、またさらには少なくとも0.32のモード2減衰パラメータを有することができる。さらに音響減衰組成物は、少なくとも0.27、例えば少なくとも0.31のモード3減衰パラメータを有することができる。
【0038】
さらなる例では音響減衰組成物は、2008年8月にWest Fargo,North DakitaのGreen Glue Companyから市販されたGreen Glueの実施例の中で指定されている試験法に従って求められるモード減衰パラメータの増加%として定義される望ましい減衰性能を示すことができる。例えばこの音響減衰組成物は、少なくとも20%、例えば少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、またさらには少なくとも60%のモード1減衰性能を有することができる。別の例では音響減衰組成物は、少なくとも20%、例えば少なくとも30%、少なくとも40%、またさらには少なくとも50%のモード2減衰性能を有することができる。追加の例では音響減衰組成物は、少なくとも10%のモード3減衰性能を有することができる。
【0039】
さらにこの音響減衰組成物は、100μm以下の平均粒径を有するセラミック粒子を含むことができる。例えば音響減衰組成物は、このセラミック粒子を50重量%以下、例えばセラミック粒子を2重量%と25重量%の間で含むことができる。一例ではこのセラミック粒子は、50μm以下、例えば25μm以下、またさらには10μm以下の平均粒径を有することができる。特定の例ではセラミック粒子の平均粒径は、1μm未満、例えば100nm未満であることができる。例えばセラミック粒子は、アルミナセラミック、例えばアルミナ三水和物を含むことができる。別の例ではセラミック粒子は、シリカ、ジルコニア、チタニア、アルミナ、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0040】
使用時にこの音響減衰組成物を2枚の比較的平坦な剛性部材間に配置することができる。例えば音響減衰組成物を2枚の硬質パネル間に積層して、壁、天井、または床を形成する際に使用される構造用パネルを形成することができる。例えばこれら硬質パネルには、木材、合板、石膏ボード、セメントボード、プラスターボード、人造壁板、Gyproc、シートロック、またはこれらの任意の組合せを挙げることができる。一例ではこの音響減衰組成物を用いて壁を製造するための積層板を形成することができる。別の例ではこの音響減衰組成物を、床下張り材と床材の間に配置することができる。さらなる例ではこの音響減衰組成物を、天井パネルの剛性部材間に配置することができる。
【0041】
例えば図1に示すように音響減衰組成物層102は、第一硬質パネル部材104と第二硬質パネル部材106の間に配置される。具体的には2枚の硬質パネル(104および106)間に配置される場合、音響減衰組成物は、25μmから5mmの範囲、例えば100μmから5mmの範囲、500μmから5mmの範囲、またさらには1mmから5mmの範囲の厚さを有することができる。別法では、またはこれに加えて、音響減衰組成物の追加の層(図示せず)を硬質パネル106の第二主表面に塗布することもできる。別の硬質パネル(図示せず)を音響減衰組成物のその第二層と接する状態で貼り付けて、2枚の音響減衰組成物層を有する3層剛性部材パネルを形成することもできる。
【0042】
具体的にはこの音響減衰組成物を使用して、予成形積層板を形成することができる。例えば音響減衰組成物を第一硬質パネルの表面に塗布することができる。第二硬質パネルの表面を、この第一硬質パネルの主表面と接している音響減衰組成物と接した状態に配置して積層板を形成する。
【0043】
上記音響減衰組成物の特定の実施形態は、幾つかの技術的利点を示す。具体的には上記実施形態は、モード1、モード2、およびモード3振動の望ましい減衰を示す。さらに音響減衰組成物のこれら実施形態は、音響減衰、特に装着後の音響減衰を高める。
【0044】
図3に示すように、構造用パネル300が支持構造物310に取り付けられる場合、構造用パネル300の一部は取付け点の周りで変形する。一例では構造用パネル300は、外側部材304と内側部材306の間に配置された音響減衰層302を含む。くぎまたはねじくぎ308を用いて構造用パネル300を支柱310に取り付ける場合、外側部材304および音響減衰層302は変形して断面縮小点を形成する。過度な変形は、外側部材304を内側部材306と接触させ、音響減衰層302によってもたらされる音響減衰をすり抜ける恐れがある。エラストマー粒子312を音響減衰層302中に配置する場合、外側部材304と内側部材306の接触の恐れを限定し、改良された音響減衰を維持することができる。具体的には、エラストマー粒子は粘性でなく、断面縮小点で外側部材304と内側部材306の間に引っ掛かって断面縮小点で若干の減衰を可能にする。これと比べて図4は、くぎまたはねじくぎ408が過剰な変形を引き起こした構造用パネル400の一部を示す。エラストマー粒子が不在の場合、音響減衰層402が変形し、外側および内側の部材404と406を接触させて、音が容易に透過する経路を形成する。
【実施例】
【0045】
下記音響減衰組成物のそれぞれをモード1、モード2、およびモード3振動の減衰に関して試験する。具体的にはその試験手順は下記の通りである。この手順のアウトプットは、モード1減衰パラメータ、モード2減衰パラメータ、およびモード3減衰パラメータとしてそれぞれ定義されるモード1、モード2、およびモード3振動の減衰パラメータを提供する。本明細書中で定義されるモード1は、試験パネルの長寸法の基本モードであり、モード2は、試験パネルの長寸法の二次モードであり、またモード3は、試験パネルの狭寸法の基本モードである。
【0046】
配合物を試験するために各配合物を寸法8インチ×24インチを有する1/2インチ厚の乾式壁の2枚の層間に塗布してパネルを形成する。配合物は、3/16インチのプラスチック製のV字形切り欠きのあるこてを用いて塗布する。パネルを約30日間乾燥する。
【0047】
パネルを試験するためにパネル202を、図2に示すように約1.7ポンド/立方フィートの密度を有する2インチ厚の低密度/低弾性率連続気泡ポリウレタン音響発泡材のパッド204上に配置する。加速度計206(Measurement Specialties ACH−01圧電加速度計、または周波数範囲20Hz〜500Hzよりも著しく高い共鳴周波数を有する同等のもの)をパネルの中央に置く。このパネルを合計で少なくとも12回打ち、得られるインパルスを記録し、セーブする。12個のインパルスのうち3個を無作為に選択し解析する。インパルス応答は、高速フーリエ変換ソフトウェアまたはシステム、例えばBruel & Kjaer Pulse systemを使用する、振動の3つのモードを識別するための高速フーリエ変換法を用いて解析する。3デシベルルールを適用して減衰定数を求める。各モードについて少なくとも3個の選択された応答の減衰定数を算術平均して減衰パラメータを得る。モード1減衰パラメータは、モード1に対する減衰パラメータである。モード2減衰パラメータは、モード2に対する減衰パラメータである。モード3減衰パラメータは、モード3に対する減衰パラメータである。
【0048】
低密度/低弾性率連続気泡ポリウレタン音響発泡材は若干の減衰に寄与することができるが、この発泡材の減衰寄与度は0.01以下であり、したがってそれは十分に低く、下記の実験結果に影響を与えないと判断される。
【0049】
実施例1
配合物は、62%の固形分を有する水系エマルションから調製される。各配合物は、バインダー樹脂(Air Productsから入手できるFlexacryl AF−2027)100部、表1に記載した改質用樹脂90部、および水45部を含む。各配合物を#6スピンドルを用いて10rpmで測定される約30,000cpsまで粘度を高める。粘度は、Scott Bader,UKから入手できるTexipol 237を用いて調整する。アンモニアを用いてpHを7と7.5の間まで上げる。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

【0053】
表2は、各試料のモード周波数を例示し、また表3は、各試料の減衰パラメータを例示する。Texanol成分は、モード1減衰の改良をもたらす。具体的にはTexanolを含むこれらの試料は0.7の平均モード1減衰パラメータを示すが、Texanolを含まないこれらの試料は0.62の平均モード1減衰パラメータを示す。さらにDPnBが存在すると、DPnBをTPnBと併用する場合のように幾つかの利点をもたらす。例えばDPnBとTPnBの併用による配合は、併用によらない0.63の平均モード1減衰と比べて0.7の平均モード1減衰を示す。さらにDPnBの存在とモード2減衰には良好な相関関係がある。さらにDPnB、TPnB、およびTexanolの組合せは0.73の平均モード1減衰パラメータを実現するが、この完全な組合せを含まない配合は0.64の平均である。
【0054】
実施例2
異なる固形分を有する3種類の試料を調製する。これら配合物を、Scott Bader,UKから入手できるTexipol 253で粘度を高める。表4は、モード1、2、および3の共鳴周波数を例示する。
【0055】
【表4】

【0056】
固形分が増加するにつれて、周波数に関して共鳴モードの位置が低下するように見え、これはより柔軟な減衰フィルムであることを意味する。このような効果はまた、減衰フィルムの厚さの変化を反映することもある。各試料に対して同一のこてを使用するが、高い固形分の試料ほどフィルムは若干厚くなる。すべての条件が同じとしてフィルムが厚いほど柔軟なフィルムに変わる傾向がある。
【0057】
【表5】

【0058】
表5は、それぞれのモードの減衰の効果を例示する。例示したように、モード1減衰パラメータは、固形分の増加とともに増大する。しかしモード3減衰は固形分の増加とともに低下するように見えるが、モード3減衰パラメータは約65%固形分付近で極大に達する。
【0059】
実施例3
様々な増粘剤を使用して試料を調製する。具体的には試料は、Scott Bader,UKから入手できるTexipol 253、Texipol 237、およびTexipol 258を使用して調製する。試料は、実施例1の試料3に従って調製する。
【0060】
【表6】

【0061】
【表7】

【0062】
表6に例示するようにモードの共鳴周波数に関してはわずかな違いを示すに過ぎない。表7に例示するように増粘剤は、減衰パラメータ、特にモード1減衰パラメータの大きな変化をもたらす。
【0063】
実施例4
市販の音響減衰組成物を、実施例1の試料と似た方法で形成された試料と比較して試験する。これら試料は、試験パネルを発泡材上に配置するのでなく吊り下げることを除いては上記試験方法を用いて試験する。2006年から2008年の間の2年間にわたって取得されたQuietGlue(登録商標)配合物の3種類の異なる試料を試験する。QuietGlue(登録商標)は、Quiet Solution of Sunnyvale,Californiaから市販されている。さらにGreen Glue Company of West Fargo,North Dakotaから入手できる2008年8月に取得したGreen Glueを試験する。表8に例示するように市販の各組成物は、0.38以下のモード1減衰パラメータを有する。さらにこれら試料は、低いモード2減衰パラメータおよび低いモード3減衰パラメータを有する。これと比べて実施例1の試料と似た方法で形成された試料は、市販の組成物の減衰パラメータをはるかに上回る少なくとも0.62のモード1減衰パラメータおよび少なくとも0.42のモード2減衰パラメータを示す。具体的には2008年8月時点でのGreen Glue製品に対する減衰パラメータの増加%として定義される減衰性能は、モード1およびモード2に対して少なくとも20%、例えば少なくとも30%、少なくとも40%、またさらには少なくとも50%である。
【0064】
【表8】

【0065】
実施例5
実施例1の配合#3を使用し、20メッシュサイズ(<841ミクロン)のEPDM粒子を加えて試料を調製する。EPDM粒子は、3重量%、7重量%、11重量%、および16重量%の量を加える。
【0066】
【表9】

【0067】
表9に例示するようにモード1減衰パラメータは、EPDM粒子含量の増加とともに若干低下する。
【0068】
実施例6
実施例1の配合#3および40メッシュサイズ(<420ミクロン)のEPDM粒子を使用して音響減衰組成物を形成する。表10に例示するようにモード1減衰パラメータは、小さなサイズのEPDM粒子を使用した場合、実施例4の試料が典型的に示す(量の増加に関して)ものと比べてEPDM粒子の量の増加とともにそれほど顕著には低下しない。
【0069】
【表10】

【0070】
実施例7
60メッシュ(<250ミクロン)の平均粒径を有するポリブチレン粒子を加えることにより実施例1の配合#3に従って音響減衰組成物を調製する。実施例5および6の試料と比べてモード1減衰パラメータによって表される音響減衰は増大し、表11に例示するように3%の周辺で極大を示す。さらにモード2減衰パラメータもポリブチレン粒子の含有量の増加とともに増大する。
【0071】
【表11】

【0072】
【表12】

【0073】
表12は、試料中に7%含まれる場合の粒子の種類それぞれについてモード減衰パラメータを実施例1の配合#3に基づいて例示する。例示したようにゴムを含まない配合に比べて30メッシュ天然ゴムおよび60メッシュポリブチレンの両方ともモード1減衰パラメータの向上を示す。さらに60メッシュポリブチレン試料は、モード2減衰パラメータの増大も示す。
【0074】
第一の実施形態では音響減衰組成物は、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含むバインダー樹脂と、ウレタン成分と、第一のエラストマー粒子とを含む。この第一の実施形態の一例では第一のエラストマー粒子は、20MPa以下、例えば0.1MPaから20MPaの範囲内、または0.1MPaから10MPaの範囲内の弾性率を有する。別の例では組成物は、第一のエラストマー粒子を0.1重量%から50重量%、例えば第一のエラストマー粒子を0.1重量%から25重量%、または第一のエラストマー粒子を3.0重量%から12重量%含む。
【0075】
第一の実施形態のさらなる例では第一のエラストマー粒子の平均粒径は850μm以下、例えば600μm以下、450μm以下、または250μm以下である。平均粒径は少なくとも1μmであることができる。
【0076】
第一の実施形態の追加の例ではエラストマー粒子は、ポリオレフィンゴム、例えばポリブチレンを含む。別の例ではエラストマー粒子は、ジエンポリマー、例えばエチレンプロピレンジエンポリマーを含む。さらなる例ではエラストマー粒子はシリコーンゴムを含む。
【0077】
第一の実施形態の別の例では音響減衰組成物はまた、少なくとも580μmの平均粒径を有する第二のエラストマー粒子を含む。この第二のエラストマー粒子は、第一のエラストマー粒子よりも大きな粒径を有する。例えば第二のエラストマー粒子は、少なくとも840μmの平均粒径を有する。組成物は、第二のエラストマー粒子を0.1重量%から7重量%、例えば第二のエラストマー粒子を0.5重量%から5重量%含むことができる。
【0078】
第一の実施形態の音響減衰組成物は、少なくとも0.45、例えば少なくとも0.5、少なくとも0.55、またさらには少なくとも0.6のモード1減衰パラメータを有することができる。音響減衰組成物は、少なくとも0.27、例えば少なくとも0.30、または少なくとも0.32のモード2減衰パラメータを有することができる。音響減衰組成物は、少なくとも0.27、例えば少なくとも0.31のモード3減衰パラメータを有することができる。音響減衰組成物は、少なくとも20%のモード1減衰性能、または少なくとも20%のモード2減衰性能を有することができる。
【0079】
第一の実施形態のさらなる例ではバインダー樹脂とウレタン成分は水系エマルションの状態で含まれる。
【0080】
第二の実施形態では構造用パネルは、第一および第二硬質パネルと、それら第一および第二硬質パネルの間に配置された音響減衰組成物とを含む。その音響減衰組成物は、ウレタン成分と、エラストマー粒子と、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含むバインダー樹脂とを含む。第二の実施形態の一例ではエラストマー粒子は、20MPa以下の弾性率を有する。別の例では音響減衰組成物は、少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する。
【0081】
第三の実施形態では構造用パネルの製造方法は、音響減衰組成物を第一硬質パネルの第一主表面に塗布するステップを含む。その音響減衰組成物は、ウレタン成分と、エラストマー粒子と、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含むバインダー樹脂とを含む。この方法は、第二パネルの第一主表面をこの音響減衰組成物と接触させるステップをさらに含む。第三の実施形態の一例ではエラストマー粒子は、20MPa以下の弾性率を有する。別の例ではその音響減衰組成物は、少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する。
【0082】
第四の実施形態では音響減衰組成物は、バインダー樹脂および第一のエラストマー粒子を含む。このバインダー樹脂は、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含む。バインダー樹脂は、−25℃以下のガラス転移温度を有する。第四の実施形態の一例ではガラス転移温度は−40℃以下、例えば−50℃以下である。第四の実施形態のさらなる例では音響減衰組成物は、少なくとも30%の曇り価を有する。
【0083】
第四の実施形態の追加の例では第一のエラストマー粒子は、20MPa以下の弾性率を有する。別の例ではその音響減衰組成物は、第一のエラストマー粒子を0.1重量%から50重量%含む。さらなる例では第一のエラストマー粒子の平均粒径は、450μm以下である。追加の例では第一のエラストマー粒子はポリオレフィンゴムを含む。別法では第一のエラストマー粒子はジエンエラストマーを含む。さらなる選択可能な方法では第一のエラストマー粒子はシリコーンゴムを含む。
【0084】
さらなる例では音響減衰組成物は、少なくとも580μmの平均粒径を有する第二のエラストマー粒子をさらに含む。第二のエラストマー粒子は、第一のエラストマー粒子よりも大きい粒径を有する。
【0085】
別の例では音響減衰組成物は、少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する。追加の例では音響減衰組成物は、少なくとも0.27のモード2減衰パラメータを有する。さらなる例では音響減衰組成物は、少なくとも0.27のモード3減衰パラメータを有する。
【0086】
追加の例では音響減衰組成物はウレタン成分をさらに含む。例えばバインダー樹脂はおよびウレタン成分を、水系エマルションの状態で含むことができる。
【0087】
さきに一般的な説明または実施例中で述べた行為のすべてが必要とされるとは限らないこと、特定の行為の一部が必要でない場合もあること、および上記に加えて1または複数のさらなる行為が行われる場合もあることに留意されたい。さらに、これら行為の列挙される順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。
【0088】
概念を上記明細書中で特定の実施形態に関して述べてきた。しかしながら通常の当分野の技術者は、別添の特許請求の範囲中で述べる本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正形態および変更形態を案出することができることをよく理解する。したがって本明細書および図は、制限的な意味ではなく例示的な意味で見られるべきであり、これらのすべての修正形態は本発明の範囲内に含まれることを意図している。
【0089】
本明細書中で使用される用語「含む(comprises、comprising)」、「含む(includes、including)」、「有する(has、having)」、またはこれらの任意の他の語尾変化は、非排他的な包含を対象として含むことを意図している。例えば、特徴の一覧表を構成する工程、方法、製品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、はっきりとは列挙されていない、あるいはそのような工程、方法、製品、または装置に固有の他の特徴を含むことができる。さらに、別のものと明記されない限り「または(or)」は、包含的またはを意味し、排他的またはを意味しない。例えば、条件AまたはBは、Aが真であり(あるいは存在し)かつBが偽である(あるいは存在しない)、Aが偽であり(あるいは存在せず)かつBが真である(あるいは存在する)、およびAとBの両方が真である(あるいは存在する)のうちのいずれか一つによって満たされる。
【0090】
また、「或る(aまたはan)」は、本明細書中で述べる要素および成分を記述するために使用される。これは単に便宜上、本発明の範囲の一般的な意味を示すのに役立つ。この記述は1つまたは少なくとも1つを含むと解釈されるべきであり、また別の意味であることが明らかでない限り単数形は複数形もまた含む。
【0091】
利点、他の特長、および問題の解決策を、特定の実施形態に関して上記で述べてきた。しかしながら任意の利点、特長、または問題の解決策を思い浮かばせるか、またはより顕著になるようにすることができる利点、特長、問題の解決策、および任意の特徴を、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての決定的な、必要な、または本質的な特徴と解釈するべきではない。
【0092】
本明細書を読んだ後に当業者は、明確にするために幾つかの特徴が別々の実施形態の文脈で本明細書中に記述され、また単一の実施形態中で組み合わせて提供されることもあることを理解するはずである。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈中で記述される様々な特徴が、別々にまたは任意のサブコンビネーション中で提供されることもまたある。さらに、範囲で述べる値に関する言及は、その範囲内の各値およびあらゆる値を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含み、−25℃以下のガラス転移温度を有するバインダー樹脂と、
第一のエラストマー粒子と
を含む、音響減衰組成物。
【請求項2】
前記ガラス転移温度が−40℃以下である、請求項1に記載の音響減衰組成物。
【請求項3】
前記ガラス転移温度が−50℃以下である、請求項2に記載の音響減衰組成物。
【請求項4】
前記音響減衰組成物が少なくとも30%の曇り価を有する、請求項1に記載の音響減衰組成物。
【請求項5】
前記第一のエラストマー粒子が20MPa以下の弾性率を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項6】
前記第一のエラストマー粒子を0.1重量%から50重量%含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項7】
前記第一のエラストマー粒子の平均粒径が450μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項8】
前記第一のエラストマー粒子がポリオレフィンゴムを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項9】
前記第一のエラストマー粒子がジエンエラストマーを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項10】
前記第一のエラストマー粒子がシリコーンゴムを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項11】
少なくとも580μmの平均粒径を有する第二のエラストマー粒子をさらに含み、前記第二のエラストマー粒子が前記第一のエラストマー粒子を超える粒径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項12】
前記音響減衰組成物が少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項13】
前記音響減衰組成物が少なくとも0.27のモード2減衰パラメータを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項14】
前記音響減衰組成物が少なくとも0.27のモード3減衰パラメータを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項15】
ウレタン成分をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項16】
前記バインダー樹脂および前記ウレタン成分が水系エマルションの状態で含まれる、請求項15に記載の音響減衰組成物。
【請求項17】
カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含むバインダー樹脂と、
ウレタン成分と、
第一のエラストマー粒子と
を含む、音響減衰組成物。
【請求項18】
前記第一のエラストマー粒子が20MPa以下の弾性率を有する、請求項17に記載の音響減衰組成物。
【請求項19】
前記弾性率が0.1MPaから20MPaの範囲内にある、請求項18に記載の音響減衰組成物。
【請求項20】
前記弾性率が0.1MPaから10MPaの範囲内にある、請求項19に記載の音響減衰組成物。
【請求項21】
前記第一のエラストマー粒子を0.1重量%から50重量%含む、請求項17に記載の音響減衰組成物。
【請求項22】
前記第一のエラストマー粒子を0.1重量%から25重量%含む、請求項21に記載の音響減衰組成物。
【請求項23】
前記第一のエラストマー粒子を3.0重量%から12重量%含む、請求項22に記載の音響減衰組成物。
【請求項24】
前記第一のエラストマー粒子の平均粒径が850μm以下である、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項25】
前記平均粒径が600μm以下である、請求項24に記載の音響減衰組成物。
【請求項26】
前記平均粒径が450μm以下である、請求項25に記載の音響減衰組成物。
【請求項27】
前記平均粒径が250μm以下である、請求項26に記載の音響減衰組成物。
【請求項28】
前記平均粒径が少なくとも1μmである、請求項24に記載の音響減衰組成物。
【請求項29】
前記第一のエラストマー粒子がポリオレフィンゴムを含む、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項30】
前記ポリオレフィンゴムがポリブチレンを含む、請求項29に記載の音響減衰組成物。
【請求項31】
前記第一のエラストマー粒子がジエンエラストマーを含む、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項32】
前記ジエンエラストマーがエチレンプロピレンジエンエラストマーを含む、請求項31に記載の音響減衰組成物。
【請求項33】
前記第一のエラストマー粒子がシリコーンゴムを含む、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項34】
少なくとも580μmの平均粒径を有する第二のエラストマー粒子をさらに含み、前記第二のエラストマー粒子が前記第一のエラストマー粒子を超える粒径を有する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項35】
前記第二のエラストマー粒子が少なくとも840μmの平均粒径を有する、請求項34に記載の音響減衰組成物。
【請求項36】
前記第二のエラストマー粒子を0.1重量%から7重量%含む、請求項34に記載の音響減衰組成物。
【請求項37】
前記第二のエラストマー粒子を0.5重量%から5重量%含む、請求項36に記載の音響減衰組成物。
【請求項38】
前記音響減衰組成物が少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項39】
前記モード1減衰パラメータが少なくとも0.5である、請求項38に記載の音響減衰組成物。
【請求項40】
前記モード1減衰パラメータが少なくとも0.55である、請求項39に記載の音響減衰組成物。
【請求項41】
前記モード1減衰パラメータが少なくとも0.6である、請求項40に記載の音響減衰組成物。
【請求項42】
前記音響減衰組成物が少なくとも0.27のモード2減衰パラメータを有する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項43】
前記モード2減衰パラメータが少なくとも0.30である、請求項42に記載の音響減衰組成物。
【請求項44】
前記モード2減衰パラメータが少なくとも0.32である、請求項43に記載の音響減衰組成物。
【請求項45】
前記音響減衰組成物が少なくとも0.27のモード3減衰パラメータを有する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項46】
前記モード3減衰パラメータが少なくとも0.31である、請求項45に記載の音響減衰組成物。
【請求項47】
前記音響減衰組成物が少なくとも20%のモード1減衰性能を有する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項48】
前記音響減衰組成物が少なくとも20%のモード2減衰性能を有する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項49】
前記バインダー樹脂および前記ウレタン成分が水系エマルションの状態で含まれる、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項50】
前記水系エマルションの固形分が少なくとも40%である、請求項49に記載の音響減衰組成物。
【請求項51】
前記水系エマルションの固形分が少なくとも50%である、請求項50に記載の音響減衰組成物。
【請求項52】
前記水系エマルションの固形分が少なくとも60%である、請求項51に記載の音響減衰組成物。
【請求項53】
前記水系エマルションが、5000cpsから50000cpsの範囲内の粘度を有する、請求項49に記載の音響減衰組成物。
【請求項54】
前記粘度が10000cpsから40000cpsの範囲内にある、請求項53に記載の音響減衰組成物。
【請求項55】
前記粘度が20000cpsから35000cpsの範囲内にある、請求項54に記載の音響減衰組成物。
【請求項56】
前記水系エマルションが6.8から8.0の範囲内のpHを有する、請求項49に記載の音響減衰組成物。
【請求項57】
前記pHが7.0から7.5の範囲内にある、請求項56に記載の音響減衰組成物。
【請求項58】
前記ウレタン成分と前記バインダー樹脂が別々の相を形成する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項59】
前記ウレタン成分が、イソシアナート成分、エステルアルコール、およびエーテルアルコールを含む反応物間の反応の生成物である、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項60】
前記エーテルアルコールが、ポリエーテルアルコールを含む、請求項59に記載の音響減衰組成物。
【請求項61】
前記ポリエーテルアルコールが、メトキシ末端ポリエチレングリコールを含む、請求項60に記載の音響減衰組成物。
【請求項62】
前記エーテルアルコールが、ポリプロピレングリコールアルキルエーテルを含む、請求項59に記載の音響減衰組成物。
【請求項63】
前記ポリプロピレングリコールアルキルエーテルが、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含む、請求項62に記載の音響減衰組成物。
【請求項64】
前記反応物が、前記ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを少なくとも15重量%含む、請求項63に記載の音響減衰組成物。
【請求項65】
前記反応物が、前記ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを少なくとも20重量%含む、請求項64に記載の音響減衰組成物。
【請求項66】
前記反応物が、前記ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを少なくとも25重量%含む、請求項65に記載の音響減衰組成物。
【請求項67】
前記ポリプロピレングリコールアルキルエーテルが、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含む、請求項63に記載の音響減衰組成物。
【請求項68】
前記反応物が、前記ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルと前記トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルを少なくとも0.5の比(ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル/トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル)で含む、請求項67に記載の音響減衰組成物。
【請求項69】
前記比が少なくとも1.0である、請求項68に記載の音響減衰組成物。
【請求項70】
前記比が少なくとも1.5である、請求項69に記載の音響減衰組成物。
【請求項71】
前記ポリプロピレングリコールアルキルエーテルが、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含む、請求項62に記載の音響減衰組成物。
【請求項72】
前記反応物が、前記イソシアナート成分を20重量%から40重量%含む、請求項59に記載の音響減衰組成物。
【請求項73】
前記イソシアナート成分が、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)、トルエンジイソシアナート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、またはイソホロンジイソシアナート(IPDI)である、請求項59に記載の音響減衰組成物。
【請求項74】
前記イソシアナートが、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)である、請求項73に記載の音響減衰組成物。
【請求項75】
前記エステルアルコールが、アルキルジオールアルキルエステルを含む、請求項59に記載の音響減衰組成物。
【請求項76】
前記アルキルジオールアルキルエステルが、トリメチルペンタンジオールイソブチラートである、請求項75に記載の音響減衰組成物。
【請求項77】
前記エーテルアルコールが、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルおよびトリプロピレングリコールn−ブチルエーテルを含む、請求項76に記載の音響減衰組成物。
【請求項78】
前記反応物が、前記アルキルジオールアルキルエステルを1重量%から8重量%の範囲で含む、請求項75に記載の音響減衰組成物。
【請求項79】
前記範囲が2重量%から6重量%である、請求項78に記載の音響減衰組成物。
【請求項80】
前記バインダー樹脂が−40℃以下のガラス転移温度を有する、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項81】
前記バインダー樹脂および前記ウレタン成分が、0.5と1.5の間の範囲の比(バインダー樹脂/ウレタン)で含まれる、請求項17〜23のいずれか一項に記載の音響減衰組成物。
【請求項82】
前記比が、0.8と1.3の間の範囲内にある、請求項81に記載の音響減衰組成物。
【請求項83】
第一および第二硬質パネル、および
前記第一および第二硬質パネル間に配置され、ウレタン成分と、エラストマー粒子と、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含むバインダー樹脂とを含む音響減衰組成物
を含む、構造用パネル。
【請求項84】
前記エラストマー粒子が20MPa以下の弾性率を有する、請求項83に記載の構造用パネル。
【請求項85】
前記音響減衰組成物が、少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する、請求項83に記載の構造用パネル。
【請求項86】
ウレタン成分と、エラストマー粒子と、カルボン酸官能基を有する付加重合ポリマーを含むバインダー樹脂とを含む音響減衰組成物を第一硬質パネルの第一主表面に塗布するステップ、および
第二パネルの第一主表面を前記音響減衰組成物と接触させるステップ
を含む、構造用パネルの製造方法。
【請求項87】
前記エラストマー粒子が20MPa以下の弾性率を有する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記音響減衰組成物が少なくとも0.45のモード1減衰パラメータを有する、請求項86に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−523482(P2012−523482A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504897(P2012−504897)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/030587
【国際公開番号】WO2010/118359
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(500149223)サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション (64)
【Fターム(参考)】