エレベ−タ

【課題】制御装置の誤作動や、ブレ−キ機構の不具合により不適正な位置に停止したエレベ−タの乗り降りにともなう転倒事故防ぎ、ドアが開いたまま暴走をして事故を起こすことのない構造を持つエレベ−タを提供する。
【解決手段】エレベータの出入り口の片側または両側にヒンジ３で取り付けられたドア２が、ヒンジを支点としてエレベータ本体１の外側に開くよう構成する。所定の位置以外では絶対に開かない構造をもち、所定位置で開いたドアが閉まらない限り昇降運動が不可能な構造のエレベ−タであれば良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はエレベ−タに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のエレベ−タは板状の引き戸式ドアを備えたのや、内外より透視が可能な伸縮自在の網戸式ドアを備えたものがあるが、いずれも横開きである。
【０００３】
そのため、従来方式のドアではエレベ−タの位置にかかわりなくドアの開閉は空間的には可能であるから、制御装置の誤動作やブレ−キ機構の不具合によって所定の停止位置でなくてもドアが開く可能性があり、そのためにエレベ−タの床と建物の床の段差に気付かない使用者が転倒したり転落したりする事故の原因となる。
【０００４】
また、使用者がエレベ−タに乗り降りしているさなかでも、誤動作によってドアが開いたまま上昇、下降の動作をする可能性があり、重大な事故の原因となり得る。
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、正規の停止位置以外ではドアが開くことなく、またドアが開いている状態では使用者の意志に反して制御機器の誤動作によってもエレベ−タが発進することのない、安全なエレベ−タを提供することを目的とする。
【０００６】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付書類と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するために、本発明はエレベ−タ出入り口の片側または両側にヒンジで取りつけられたドアが、ヒンジを支点としてエレベ−タ本体の外側に開くよう構成している。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下図面に示す実施の形態により、本発明を説明する。
【０００９】
図１ないし図４に示す本発明の第１の実施の形態において、エレベ−タ本体１の片側または両側に、ヒンジ３を支点として外側にむけて開閉するドア２で構成されている。
【００１０】
図５は、エレベ−タの本体１が建物５の開口部でなくて不適正な停止位置にある場合に、ドア２は外側に開けない状態を示す。
【００１１】
図６は、エレベ−タが適正な停止位置にあるときドア２は外側に開くことができる状態を表し、制御装置が誤動作して駆動装置に上昇・下降の信号を出しても、本体１はドア２と建物５でロックされるので動けな状態を示す。
【発明の異なる実施の形態】
【００１２】
図７ないし図１０に示す本発明の第２の実施の形態において、本発明の第１の実施の形態と異なるところは、一枚のドアを縦に複数個に分割して蝶番やヒンジによって連結されたドア４によって出入り口の開閉をするもので、より少ない空間を占めることにより使用者の乗り降りがより円滑になるものである。
【発明の効果】
【００１３】
以上の説明から明らかなように、本発明の構造を備えたエレベ−タにおいては、万が一に発生しないとも限らない制御装置の誤動作にたいして、使用者の安全を保証する。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の第１の実施の形態のドアが閉じた状態の斜視図。
【図２】本発明の第１の実施の形態のドアが閉じた状態の斜視図。
【図３】本発明の第１の実施の形態のドアが開いた状態の斜視図。
【図４】本発明の第１の実施の形態のドアが開いた状態の斜視図。
【図５】本発明の第１の実施の形態の不正位置における状態の説明図。
【図６】本発明の第１の実施の形態の適正位置における状態の説明図。
【図７】本発明の第２の実施の形態のドアが半開き状態の斜視図。
【図８】本発明の第２の実施の形態のドアが半開き状態の斜視図。
【図９】本発明の第２の実施の形態のドアが開いた状態の斜視図。
【図１０】本発明の第２の実施の形態のドアが開いた状態の斜視図。
【符号の説明】
【００１５】
１：エレベ−タ本体２：単体のドア
３：ヒンジ４：分割されたドア
５：建物６：建物側のドア

【特許請求の範囲】
【請求項１】
出入り口の片側、または両側にヒンジによって取りつけられたドアが、ヒンジを支点としてエレベ−タ本体の外側にむけて開くことを特徴とする、人間および物品運搬用のエレベ−タ。
【請求項２】
出入り口の片側、または両側にヒンジによって取りつけられ、中間で縦に複数個に分割され、屈折できるよう互いに蝶番やヒンジなどで連結されたドアが、エレベ−タ本体の外側にむけて開くことを特徴とする、人間および物品運搬用のエレベ−タ。

【図１】