説明

エレベータかご照明装置

【課題】本発明の実施形態は、かご天井面の美観を保全するための清掃作業を簡易な構成で行うことができるエレベータかご照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の実施形態に係るエレベータかご照明装置は、エレベータの乗りかご1上に設置され内部に照明機器7を備えるかご照明ケース5と、乗りかご1上面と照明機器7とに接触せず、かつ乗りかご1上面と照明機器7との間に水平面が形成されるように設けられるかご照明シート9と、かご照明シート9を支持し、かご照明ケース5上部からの送り出しをガイドする第1のガイドローラ10aと、かご照明ケース5上部への引き出しをガイドする第2のガイドローラ10bとを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、かご天井面への異物の投影による美観の損ないを防ぐエレベータのかご照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、エレベータの乗りかご上部には、かご照明ケースが設置されており、乗りかご室内とかご照明ケースとはかご天井面で仕切られている。かご照明ケース内にはかご照明機器等が設置されており、かご照明機器等を交換する際にはかご照明ケースの上部に設けられている上蓋を取り外す構成となっている。
【0003】
しかし、このようにかご照明ケースの上蓋を取り外してかご照明機器等を交換する際に、ほこりや虫等の異物がかご照明ケース内に混入する場合がある。また、かご照明ケースの上蓋等に隙間がある場合にはその隙間から異物が入り込むこともある。
【0004】
このような場合、かご室内から見たかご天井面には異物が投影され、天井照明の美観を損なうことがある。そして、これらの異物を除去するための清掃作業は上蓋を取り外したり、かご照明機器に気をつけながら汚れのふき取りを行うなど、その作業は困難な場合が多い。
【0005】
従来は、この問題に対しかご天井面とかご照明機器との間に仕切り板を設け、仕切り板とかご天井面との間を密封することにより異物をかご天井面に直接触れないようにさせる構成としている、これによりかご天井面への異物の投影を防ぎ、かご照明装置の美観の損ないを軽減させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−150187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような場合であってもかご照明ケース内の異物が除去されているわけではなく、異物の投影を完全に防ぐことができるものではない。また、投影原因を除去するためにはかご照明ケース上蓋を取り外し、保守員等が直接清掃を行うしかなく、清掃作業の煩雑さの解消には繋がらない。
【0008】
そこで本発明の実施形態では、かご天井面の美観を保全するための清掃作業を簡易な構成で行うことができるエレベータかご照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係るエレベータのかご照明装置は、エレベータの乗りかごに設置され内部に照明機器を備えるかご照明ケースと、前記乗りかご上面と前記照明機器とに接触せず、かつ、前記乗りかご上面と前記照明機器との間に水平面が形成されるように設けられるかご照明シートと、前記かご照明ケース内で前記かご照明シートを支持し、前記かご照明ケース上部からの送り出しをガイドする第1のガイドローラと、前記かご照明ケース内で前記かご照明シートを支持し、前記かご照明ケース上部への引き出しをガイドする第2のガイドローラと、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るかご照明装置の構成を示す一部断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るガイドローラの取り付けを示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るかご照明装置の別の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るかご照明装置の構成を示す一部断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るエレベータ制御部及びかご照明シート制御部の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るかご照明装置による異物投影原因の除去手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るかご照明装置の構成を示す断面図である。図2は本発明のガイドローラの取り付けを示した概略図である。図3は本発明の第1の実施形態に係るかご照明装置の別の構成を示す断面図である。
【0013】
まず、図1、図2を用いて本発明の第1の実施形態に係るかご照明装置の構成について説明する。
【0014】
エレベータのかご1には出入口の開閉を行うかごドア2や利用者がかご1の行先階を登録するかご内行先階登録部3、エレベータの運行状態や進行方向を表示するかご内インジケータ4等が備えられている。
【0015】
かご1上部にはかご照明ケース5が設置されており、かご照明ケース5とかご1室内とはかご室天井面6により仕切られている。かご照明ケース5内上部にはかご1室内を照らすためのかご照明機器7が設置され、かご照明ケース5上部には上蓋8が開閉可能に設けられている。かご照明機器7の設置箇所については詳しくは記載しないが、例えば本実施形態では、上蓋8に直接取り付けられる構成とする。
【0016】
かご照明機器7とかご室天井面6の間にはかご照明機器7からの光を透過するかご照明シート9が備えられている。このかご照明シート9は、かご照明ケース5内に設けられる一対の長軸形状のガイドローラ10a、10bによって巻付け支持されている。
【0017】
このガイドローラ10a、10bの取り付けに関しては特に限定はしないが、本実施形態では、図1に示すようなガイドローラ支持部21によってガイドローラ10a、10bが設けられるものとする。図1ではすべてを図示しないが、ガイドローラ支持部21は計4本用いられ、かご照明ケース5の四隅周辺にそれぞれ配置される。そして、2本のガイドローラ支持部21によって、ガイドローラ10a、10bの一方を支持し、残りの2本のガイドローラ支持部21によって他方のガイドローラ10a、10bを支持している。
【0018】
例えば、図2(a)(b)に示すようにガイドローラ10a、10bの先端部には支持軸を備えるなどして、その支持軸をガイドローラ支持部21の切り欠き部に支持させることができる。図2(a)(b)に示すように切り欠き部が複数設けられていることにより、かご照明シート9の高さを調整することができるようになる。そのほか、図2(c)に示すように、ガイドローラ支持部21に凹部を設け、ガイドローラ10a、10bの先端部をボールプランジャとして、この凹部にはめ込むことにより支持させることもできる。ボールプランジャをはめ込む凹部についても複数箇所設けることにより、かご照明シート9の高さを調整することができる。これらに限られずそのほかの構成によりガイドローラ10a、10bを設置することも可能である。以上の構成により、かご照明ケース5内にガイドローラ10a、10bを設ける構成とすることができる。
【0019】
そして、かご照明シート9の両端部はそれぞれガイドローラ10a、10bを介してかご照明ケース5上面に設けられている開口部である、スリット形状のシート引き入れ部11及びシート引き出し部12に導かれている。すなわち、シート引き入れ部11及びシート引き出し部12はかご照明シート9の両端部が導かれる任意の位置に設けられる。
【0020】
本実施形態においては、かご照明機器7からの光を広範囲に透過させるために、シート引き入れ部11及びシート引き出し部12はそれぞれかご照明ケース5の端部付近すなわち昇降路壁側に設置される。なお、本実施形態におけるかご照明シート9は、かご照明ケース5とかご天井面6とかご照明シート9とからなる空間をできるだけ密閉状態とするように設けられる。本実施形態では、かご照明シート9とかご照明ケース5の側面との隙間が小さくなるようにかご照明シート9が設けられている。また、よりかご照明ケース5との密閉度を上げるために、かご照明シート9の幅方向端部にブラシ等の付属物をつけることも可能である。
【0021】
以上のようにして、本実施形態のかご照明装置は構成されている。
【0022】
次に本実施形態に係るかご照明装置を利用した場合の作用について説明する。
【0023】
保守員等がかご照明機器7を交換する場合にはかご照明ケース5上部にある上蓋8を開閉することになるが、その際かご照明ケース5内に虫やゴミなどの異物が入り込んでしまい、かご天井の意匠を損なうことになってしまうことがある。そこで本実施形態によれば、照明によってかご室天井面6へ異物の陰が投影されることにより発生するかご室天井面6の意匠性の欠損を簡易な構成で解消することができる。以下、具体的に説明する。
【0024】
まず、本実施形態では、かご照明機器7の交換時など上蓋8を開けた際にかご照明ケース5内に虫などの異物が入り込み、異物がかご照明シート9に付着していることによりかご室天井面6の意匠面が損なわれているものとして説明する。
【0025】
かご照明ケース5内に異物が混入し異物がかご照明シート9上に付着した場合、保守員等はかご照明シート9を交換するなどして異物の除去を行う必要がある。本実施形態においては、シート引き入れ部11側に導かれているかご照明シート9a(以下、旧かご照明シート9aとする。)の端部に新しいかご照明シート9b(以下、新かご照明シート9bとする。)を接合し、シート引き出し部12側に導かれている旧かご照明シート9aの端部を引き出すことにより異物が付着した旧かご照明シート9aを新かご照明シート9bに交換することが可能になる。
【0026】
詳細には、まず、シート引き入れ部11から、異物が付着した旧かご照明シート9aの端部に接合された新かご照明シート9bがかご照明ケース5内に引き入れられる。そして、かご照明ケース5内に引き入れられた新かご照明シート9bはガイドローラ10aに巻きかけられるようにして支持され、もう一方のガイドローラ10bまでガイドされる。そしてガイドローラ10bまでガイドされた新かご照明シート9bはガイドローラ10bに巻きつけられるように支持され、シート引き出し部12まで導かれる。すなわち、この場合、旧かご照明シート9aは新かご照明シート9bとともにガイドローラ10によりシート引き出し部12まで導かれる。このようにすることで、かご照明ケース5内には新かご照明シート9bが装備されることになり、異物等が付着した旧かご照明シート9aはかご照明ケース5外へ引き出されることになる。
【0027】
そしてその後、シート引き出し部12まで引き出された旧かご照明シート9aと新かご照明シート9bとの接合部分を剥離することにより、かご照明シート9の交換を行うことが可能となる。
【0028】
ここで、かご照明シート9aおよび9bの接合について簡単に説明する。かご照明シート9の両端部にはファスナーのような噛み合い構造からなる接合部が設けられており、かご照明シート9aの端部の接合部とかご照明シート9bの端部の接合部とを接合することにより、かご照明シート9a、9bを接続することが可能になる。ここでは接合部を噛み合い構造からなるものとしたが、それに限られるものではない。
【0029】
このような構成により、保守員等はかご照明ケース5内の異物の汚れを上蓋8を開けることなく簡単に除去でき、さらにかご照明シート9に付着する異物を清掃する際に異物が混入する恐れもなくなる効果を得ることができる。
【0030】
また、上記実施形態においては保守員等の手によってかご照明シート9を引き入れ、引き出しを行うものとして説明したが、それに限らずガイドローラ10を電動駆動させるものとしてかご照明シート9の引き入れ、引き出しを行うものとしてもよい。
【0031】
また、本実施形態においては、シート引き入れ部11に導かれているかご照明シート9の端部に新しいかご照明シート9を接合するものとしたが、予めかご照明ケース5上部にかご照明シート9をロール状に設置しておき、かご照明ケース5上部に設けられるかご照明シート巻き出し機構及び、かご照明シート巻き取り機構をそれぞれ設置するものとしてもよい。
【0032】
具体的には、図3を用いて説明する。図3に示すようにかご照明ケース5上部にシート巻き出し機構13及びシート巻き取り機構14が設置される。シート巻き出し機構13には、かご照明シート9の未使用部分がロール状に設置されている。かご照明シート9の交換を行う際には、シート巻き出し機構13に設置されているかご照明シート9の未使用部分をシート引き入れ部11を介してかご照明ケース5内に巻き出し、その後、既述のようにガイドローラ10を介してシート引き出し部12まで導きガイドする。そしてシート引き出し部12まで導かれたかご照明シート9は、シート巻き取り機構14によって巻き取られ、これにより、かご照明ケース5内に設置されるかご照明シート9の水平部分を未使用部分に交換することが可能になる。
【0033】
ここで、シート巻き出し機構13及びシート巻き取り機構14の構造としては、ハンドル等を取り付けて主導でかご照明シート9を巻き取る機構としても、電動駆動によりかご照明シート9を巻き取る機構としてもよい。
【0034】
このような構成によれば、かご照明シート9に接合部を設けることなく、かつ保守員等は頻繁に交換用のかご照明シート9を持ち出さずにかご照明シート9の交換を簡易に行うことができる。また、この場合もガイドローラ10を電源駆動とすることにより、かご照明シート9をガイドするものとしてもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0036】
図4は本発明の第2の実施形態に係るかご照明装置の構成を示す断面図である。図5は本発明の第2の実施形態に係るエレベータ制御装置及びかご照明シート制御部の構成を示す模式図である。図6は本発明の第2の実施形態に係るかご照明装置による異物投影原因の除去手順を示すフローチャートである。
【0037】
本実施形態に係るエレベータのかご照明装置は、ガイドローラ10の駆動や、かご照明シート9の送り出し量などを制御するかご照明シート制御部15を設けるものとする。その他の構成については第1の実施形態の説明の際の図3に示す構成と同様であるため説明を省略する。以下、本実施形態について具体的に説明する。
【0038】
図4に示すようにかご照明ケース5内にはかご照明シート9の制御を行うかご照明シート制御部15が備えられる。本実施形態においてはかご照明ケース5内に備えるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えばかご1上部などに設けるものとしてもよい。
【0039】
また、図5に示すようにかご照明シート制御部15は、エレベータ制御装置16及びガイドローラ10とに接続されている。なお、ガイドローラ10の駆動量は図示しないパルスジェネレータにより測定されている。エレベータ制御装置16は図示しない昇降路内もしくは機械室に設けられ、エレベータの運行全般を制御している。エレベータ制御装置16には、エレベータの運行データを管理する運行データ管理部17と、日時や季節などを管理しているカレンダーデータ部18とが備えられている。
【0040】
運行データ管理部17には例えば、かごドア2の戸開閉動作を行った回数や、戸開している間の合計時間等が記憶されている。また、カレンダーデータ部18には、現在の日時や季節のほか、前回のかご照明シート9の交換を行ってからの経過日数などが記憶されている。日時や季節を記憶しているのは、例えば夏などは冬に比べて、かご照明に集まる虫の量が多いことなどを考慮しているものである。
【0041】
一方、かご照明シート制御部15はエレベータ制御装置16からの信号に基づきガイドローラ10を駆動させるか否かの判定を行う判定部19及びガイドローラ10の駆動量からかご照明シート9の未使用部分の残量を演算し、記憶するかご照明シート残量データ部20とが備えられている。
【0042】
判定部19には、ガイドローラ10を駆動させると判定するための閾値、例えばかごドア2の戸開閉動作の回数の閾値や、戸開時間の合計時間の閾値、前回かご照明シート9を交換してからの日数間隔の値、かご照明シート9の限界使用量や残量の値などが予め設定されている。そして、かご照明シート制御部15に接続されているエレベータ制御装置16から得られる運行データもしくはカレンダーデータと、判定部19に設定されている閾値とを比較することにより、ガイドローラ10を駆動させるか否かの判定を行うように設定されている。
【0043】
また、エレベータ制御装置16はかご内インジケータ4や乗場インジケータなどの表示装置22とも接続されており、エレベータの運行状態を表示するよう設定されている。
【0044】
以上のようにして、第2の実施形態に係るエレベータのかご照明装置が構成されている。次に、本実施形態に係るエレベータのかご照明装置の作用について図6にフローチャートを用いて説明する。
【0045】
かご照明シート制御部15は、エレベータ制御装置16から得られるカレンダーデータすなわち現在の日時と、判定部19にて予め設定されている日時とを比較し、現在の日時が設定日時に達しているか否かを判定する(S1)。判定部19にて予め設定されている日時に達していないと判定された場合(S1のNO)、エレベータ制御装置16から得られる運行データすなわちかごドア2の戸開閉動作の回数や戸開時間の合計時間と、判定部19にて予め設定されている閾値とを比較し、現在の運行データが閾値に達しているか否かを判定する(S2)。判定部19にて予め設定されている閾値に達していないと判定された場合(S2のNO)、かご照明シート制御部15の処理を終了する(S7)。
【0046】
一方、カレンダーデータに基づく判定処理において(S1)、判定部19にて予め設定されている日時に達していると判定された場合(S1のYES)、または運行データに基づく判定処理において(S2)、判定部19にて予め設定されている閾値に達していると判定された場合(S2のYES)、かご照明シート制御部15はガイドローラ10を駆動させ、かご照明シート9の交換を行う(S3)。
【0047】
その後、かご照明シート残量データ部20は、図示しないパルスジェネレータから得られるかご照明シート9の交換の際のガイドローラ10の駆動量に基づき、かご照明シート9の使用量及び残量を演算し記憶する(S4)。かご照明シート9の残量の演算は、予め設定されているかご照明シート9の使用可能量から、ガイドローラ10の駆動量に基づき演算されたかご照明シート9の使用量を減算することにより求められる。そして、求めた残量を新たな残量として更新し、新たな残量はかご照明シート残量データ部20に記憶される。
【0048】
かご照明シート制御部15は、かご照明シート残量データ部20に記憶されているかご照明シート9の残量が判定部19に予め設定されているかご照明シート9の残量の閾値に達しているか否かを判定する(S5)。判定部19にて予め設定されているかご照明シート9の残量の閾値に達していないと判定された場合(S5のNO)、かご照明シート制御部15の処理を終了する(S7)。
【0049】
一方、判定部19にて予め設定されているかご照明シート9の残量の閾値に達していると判定された場合(S5のYES)、かご照明シート制御部15はエレベータ制御装置16にかご照明シート9の残量が少なくなったことを通知するための信号を出力する(S6)。信号を入力されたエレベータ制御装置16は、図示しない監視センターに残量が少なくなったことを発報したり、乗場に設けられる乗場インジケータにかご照明シート9の残量が少ない旨等の表示を行うように信号を出力する。
【0050】
その後、ステップ7(S7)に移行し、処理を終了する。もちろん、監視センターからの通知を受け、保守員等がかご照明シート9の交換作業を行っている場合には、その旨をかご内インジケータ4や乗場インジケータなどの表示装置22に表示するものとしてもよい。
【0051】
以上より、本実施形態に係るエレベータのかご照明装置によれば、保守員が直接現場でかご照明シート9の保全作業を行う必要は無く、かご照明シート9の残量が予め設定された閾値まで減らない間は、自動でかご照明シート9の交換が行われるため、かご天井の美観を保ちつつ、保守員の手を煩わすことなく容易にかご照明シート9の交換を行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
1…かご
2…かごドア
3…かご内行先階登録部
4…かご内インジケータ
5…かご照明ケース
6…かご室天井面
7…かご照明機器
8…上蓋
9…かご照明シート
10a、10b…ガイドローラ
11…シート引き入れ部
12…シート引き出し部
13…かご照明シート巻き出し機構
14…かご照明シート巻き取り機構
15…かご照明シート制御部
16…エレベータ制御装置
17…運行データ管理部
18…カレンダーデータ部
19…判定部
20…かご照明シート残量データ部
21…ガイドローラ支持部
22…表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗りかご上に設置され内部に照明機器を備えるかご照明ケースと、
前記乗りかご上面と前記照明機器とに接触せず、かつ、前記乗りかご上面と前記照明機器との間に水平面が形成されるように設けられるかご照明シートと、
前記かご照明ケース内で前記かご照明シートを支持し、前記かご照明ケース上部からの送り出しをガイドする第1のガイドローラと、
前記かご照明ケース内で前記かご照明シートを支持し、前記かご照明ケース上部への引き出しをガイドする第2のガイドローラと、
を備えることを特徴とするエレベータかご照明装置。
【請求項2】
前記ガイドローラを電源駆動により回転させ、前記かご照明シートの送り出し及び引き出しをガイドするように制御するかご照明シート制御装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかご照明装置。
【請求項3】
前記かご照明ケースの上部に設けられ、前記第2のガイドローラから前記かご照明ケース上部へ引き出された前記かご照明シートを巻き取る巻き取り機構と、
前記かご照明ケースの上部に設けられ、前記第1のガイドローラへ前記かご照明ケース上部から送り出される前記かご照明シートを巻き出す巻き出し機構と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかご照明装置。
【請求項4】
前記かご照明シート制御部は、前記エレベータの運行データまたは前回の前記ガイドローラを駆動したときからの日時経過や現在の季節を記憶しているカレンダーデータの少なくともいずれかから得られるデータを参照し、予め設定される条件に合致した場合に前記ガイドローラを駆動させることを特徴とする請求項2に記載のエレベータかご照明装置。
【請求項5】
前記ガイドローラの駆動量から前記かご照明シートの残量を算出する演算部を備えることを特徴とする請求項2に記載のエレベータかご照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−206834(P2012−206834A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74353(P2011−74353)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】