エレベータのホールランタン
【課題】本発明は、表示体の引き抜きを阻止するための構造を簡単にすることができ、かつ乗場側からの保守点検作業を容易にすることができる乗場壁埋込式のエレベータのホールランタンを得ることを目的とするものである。
【解決手段】第1の表示体11は、遮蔽板13を取付座6から取り外して開口部1aから引き抜くことにより、遮蔽板13が挿入されていたスペースである隣接空間側にスライド可能になっている。第1の表示体11を隣接空間側にスライドさせると、上側のフック部6dが抜け止め溝11aの上端から抜け止め溝11a外へ出て、下側のフック部6dが逃がし溝11bの位置まで相対的に変位される。これにより、第1の表示体11の乗場側への引き抜きが可能となる。
【解決手段】第1の表示体11は、遮蔽板13を取付座6から取り外して開口部1aから引き抜くことにより、遮蔽板13が挿入されていたスペースである隣接空間側にスライド可能になっている。第1の表示体11を隣接空間側にスライドさせると、上側のフック部6dが抜け止め溝11aの上端から抜け止め溝11a外へ出て、下側のフック部6dが逃がし溝11bの位置まで相対的に変位される。これにより、第1の表示体11の乗場側への引き抜きが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの乗場壁に設置されるホールランタンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の建築デザインでは、表示体が乗場壁に直接取り付けられているようなタイプのホールランタンが好まれる傾向にある。このようなタイプの従来のエレベータのホールランタンでは、円筒状のケース部が乗場壁に埋め込まれ、このケース部に円筒状の表示体が嵌め合わされる。表示体の外周面には突起部が設けられており、ケース部の内周面には突起部が挿入されるガイド溝が設けられている。ガイド溝は、複数の縦溝部と、縦溝部間を繋ぐ複数の回転溝部とを組み合わせて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−176313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のホールランタンでは、ガイド溝の形状が複雑であるため、ケース部のコストが高くなる。また、表示体の形状が円筒状に限られ、ケース部の開口が小さいため、乗場側からの保守点検作業が行い難く、作業性が低下する。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、表示体の引き抜きを阻止するための構造を簡単にすることができ、かつ乗場側からの保守点検作業を容易にすることができる乗場壁埋込式のエレベータのホールランタンを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータのホールランタンは、乗場壁に設けられた開口部に昇降路側から対向するように乗場壁に対して固定される取付座、取付座に設けられた光源、乗場側から開口部に挿入され、光源に対向する表示体、及び表示体に隣接して乗場側から開口部に挿入され、かつ乗場側から取り外し可能に取付座に連結される挿入部材を備え、表示体と取付座との間には、表示体を取付座に機械的に係止させて表示体の乗場側への引き抜きを阻止する引き抜き阻止部が設けられており、表示体は、挿入部材を取付座から取り外して開口部から引き抜くことにより、挿入部材が挿入されていた隣接空間側にスライド可能になっており、表示体を隣接空間側にスライドさせることにより、引き抜き阻止部の係止状態が解除され表示体の乗場側への引き抜きが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエレベータのホールランタンは、挿入部材を取付座から取り外して開口部から引き抜くことにより、挿入部材が挿入されていた隣接空間側に表示体がスライド可能になり、表示体を隣接空間側にスライドさせることにより、引き抜き阻止部の係止状態が解除され表示体の乗場側への引き抜きが可能となるので、表示体や取付座に複雑な形状の溝を設ける必要がなく、表示体の引き抜きを阻止するための構造を簡単にすることができる。また、表示体を円筒状にしなくてもよいため、開口部の開口面積を大きくすることができ、乗場側からの保守点検作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータのホールランタンを示す正面図である。
【図2】図1のホールランタンを示す側面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図1のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図1のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図3の取付座を示す斜視図である。
【図10】図7の要部を拡大して示す断面図である。
【図11】図6の遮蔽板を開口部から引き抜く様子を示す断面図である。
【図12】図11のばね部材を凹部外へ引き抜く途中の状態を示す断面図である。
【図13】図12のばね部材が凹部外へ引き抜かれた状態を示す断面図である。
【図14】図4の遮蔽板を開口部から引き抜いた状態を示す断面図である。
【図15】図14の第1の表示体を着脱位置へスライドさせた状態を示す断面図である。
【図16】図15の第1の表示体を開口部から引き抜く途中の状態を示す断面図である。
【図17】図16の第1の表示体を開口部から引き抜いた後の状態を示す断面図である。
【図18】図17の第2の表示体を上方へスライドさせた状態を示す断面図である。
【図19】図18の第2の表示体を開口部から引き抜く途中の状態を示す断面図である。
【図20】この発明の実施の形態2によるエレベータのホールランタンを示す正面図である。
【図21】図20のXXI−XXI線に沿う断面図である。
【図22】図20のXXII−XXII線に沿う断面図である。
【図23】図21の要部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータのホールランタンを示す正面図、図2は図1のホールランタンを示す側面図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図、図4は図1のIV−IV線に沿う断面図、図5は図1のV−V線に沿う断面図、図6は図1のVI−VI線に沿う断面図、図7は図1のVII−VII線に沿う断面図、図8は図1のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【0010】
図において、乗場壁1には、矩形の開口部1aが設けられている。開口部1aの昇降路側(図3の右側)の上下の縁部には、断面L字形の上部取付金具2及び下部取付金具3が固定されている。上部取付金具2と下部取付金具3との間には、直方体状のボックス4が取付ねじ5a,5bにより固定されている。ボックス4の乗場側端部(図3の左端部)は、全体が開口している。
【0011】
ボックス4内には、取付座6が固定されている。取付座6は、ボックス4内の上部及び下部に固定されたスタッドボルト7a,7bにナット8a,8bを螺着することにより、ボックス4に固定されている。また、取付座6は、開口部1aに昇降路側から対向するように乗場壁1に対して固定されている。
【0012】
取付座6には、第1及び第2の光源9,10が上下に間隔をおいて取り付けられている。第1及び第2の光源9,10は、乗場側へ向けて光を照射する。
【0013】
開口部1aには、第1の光源9に対向する第1の表示体11と、第2の光源10に対向する第2の表示体12とが上下に並べて挿入されている。第1及び第2の表示体11,12は、光を透過する材料により構成されている。
【0014】
第1及び第2の表示体11,12間には、光を遮蔽する挿入部材としての遮蔽板13が介在されている。遮蔽板13は、第1及び第2の表示体11,12に隣接して乗場側から開口部1aに挿入されている。開口部1aは、乗場側から見て第1及び第2の表示体11,12と遮蔽板13とにより覆われている。第1及び第2の表示体11,12は、遮蔽板13を中心として上下に対称に配置されている。
【0015】
図6に示すように、取付座6の上下方向の中間部(遮蔽板13に対向する部分)には、弾性変形により幅寸法が縮小可能なばね部材14が取り付けられている。遮蔽板13の乗場とは反対側の端部には、ばね部材14が挿入される凹部13aが設けられている。また、遮蔽板13の乗場側端部の幅方向両端部には、開口部1aの縁部との間に隙間を形成する段部(座ぐり)13bが設けられている。
【0016】
遮蔽板13は、ばね部材14を凹部13a内に挿入することにより取付座6に連結されている。また、遮蔽板13は、ばね部材14を弾性変形させて凹部13aから引き抜くことにより、乗場側から取り外し可能になっている。
【0017】
さらに、遮蔽板13の開口部1aから乗場側に露出している部分の幅寸法及び乗場壁1からの突出寸法は、第1及び第2の表示体11,12のそれらの寸法よりも小さい。即ち、乗場側から見て、遮蔽板13の表面は第1及び第2の表示体11,12よりも引っ込んでおり、一般の利用者が遮蔽板13を容易に引き抜くことはできない。
【0018】
図9は図3の取付座6を示す斜視図である。取付座6は、開口部1aに対向し光源9,10が取り付けられる取付座本体6aと、取付座本体6aの上端部に設けられた上部固定部6bと、取付座本体6aの下端部に設けられた下部固定部6cと、取付座本体6aの幅方向両端部から乗場側へ突出した複数の帯状のフック部6dとを有している。
【0019】
上部固定部6bには、スタッドボルト7aが挿通される長孔6eが設けられている。下部固定部6cには、スタッドボルト7bが挿通される長孔6fが設けられている。これにより、ボックス4の奥行き方向への取付座6の取付位置が調整可能になっている
【0020】
各フック部6dの先端部は、取付座6の内側へ向けて直角に折り曲げられている。図4に示すように、第1及び第2の表示体11,12の側面には、フック部6dの先端部が挿入され係止される係止部としての抜け止め溝11a,12aが上下方向に沿って連続して設けられている。抜け止め溝11a,12aの昇降路側の壁部の一部には、フック部6dの先端部が通過可能な幅の逃がし溝11b,12bが設けられている。
【0021】
図10は図7の要部を拡大して示す断面図である。引き抜き阻止部15は、フック部6dと抜け止め溝11a,12aとからなり、第1及び第2の表示体11,12を取付座6に機械的に係止させて第1及び第2の表示体11,12の乗場側への引き抜きを阻止する。
【0022】
第1の表示体11は、遮蔽板13を取付座6から取り外して開口部1aから引き抜くことにより、遮蔽板13が挿入されていたスペースである隣接空間側にスライド可能になっている。即ち、遮蔽板13を取り外した状態において、第1の表示体11は遮蔽板13を抜く前の通常位置と第2の表示体12の上面に当接する着脱位置との間で上下方向へスライド可能である。
【0023】
また、第1の表示体11を着脱位置へスライドさせると、抜け止め溝11aに係止されたフック部6dのうち、上側のフック部6dが抜け止め溝11aの上端から抜け止め溝11a外へ出て、下側のフック部6dが逃がし溝11bの位置まで相対的に変位される。これにより、第1の表示体11に対する引き抜き阻止部15の係止状態が解除され、第1の表示体11の乗場側への引き抜きが可能となる。
【0024】
さらに、第1の表示体11が開口部1aから引き抜かれると、第2の表示体12の上方へのスライドが可能となる。そして、第2の表示体12を所定量だけ上方へスライドさせると、抜け止め溝12aに係止されたフック部6dのうち、下側のフック部6dが抜け止め溝12aの下端から抜け止め溝12a外へ出て、上側のフック部6dが逃がし溝12bの位置まで相対的に変位される。これにより、第2の表示体12に対する引き抜き阻止部15の係止状態が解除され、第2の表示体12の乗場側への引き抜きが可能となる。
【0025】
次に、第1及び第2の表示体11,12を開口部1aから引き抜く手順について詳細に説明する。まず、図11に示すように、遮蔽板13の段部13bと乗場壁1との間にマイナスドライバ等の工具16を差し込み、段部13bと乗場壁1との間隔を拡げるようにして、遮蔽板13を乗場側へ変位させる。そして、遮蔽板13が第1及び第2の表示体11,12の表面よりも乗場側へ突出したら、遮蔽板13を手で引き抜く。
【0026】
このとき、凹部13aの入口の幅寸法が凹部13a内の幅寸法よりも小さくなっているため、ばね部材14は、図12に示すように弾性変形した後、図13に示すように凹部13a外で復元される。
【0027】
図14に示すように、遮蔽板13が開口部1aから引き抜かれると、図15に示すように、第1の表示体11が自重により着脱位置まで下方へスライドされる。これにより、第1の表示体11の引き抜きを阻止していたフック部6dのうち、上側のフック部6dが抜け止め溝11aの上端から抜け止め溝11a外へ出て、下側のフック部6dが逃がし溝11bの位置まで相対的に変位され、図16に示すように、第1の表示体11の引き抜きが可能となる。
【0028】
第1の表示体11を開口部1aから引き抜くと、図17に示すように、第2の表示体12の上方のスペースが開放される。この状態から、図18に示すように、第2の表示体12を所定量だけ上方へスライドさせる。そして、図19に示すように、第2の表示体12を乗場側へ引き出す。なお、第1及び第2の表示体11,12及び遮蔽板13を開口部1aに挿入して取付座6に結合する手順は、上記の逆の手順となる。
【0029】
このようなエレベータのホールランタンでは、遮蔽板13を取付座6から取り外して開口部1aから引き抜くことにより、第1及び第2の表示体11,12が上方又は下方へスライド可能になり、第1及び第2の表示体11,12をスライドさせることにより、引き抜き阻止部15の係止状態が解除され第1及び第2の表示体11,12の乗場側への引き抜きが可能となるので、第1及び第2の表示体11,12や取付座6に複雑な形状の溝を設ける必要がなく、第1及び第2の表示体11,12の引き抜きを阻止するための構造を簡単にすることができる。
【0030】
また、第1及び第2の表示体11,12に抜け止め溝11a,12a及び逃がし溝11b,12bを設けるとともに、取付座6にフック部6dを設けるだけで、第1及び第2の表示体11,12を固定でき、構成部品の製作・加工が容易である。
【0031】
さらに、第1及び第2の表示体11,12を円筒状にしなくてもよいため、開口部1aの開口面積を大きくすることができ、乗場側からの保守点検作業を容易にすることができる。即ち、開口部1aのサイズを、第1及び第2の表示体11,12を挿入するための開口を繋げたサイズとすることができ、ボックス4内の部品(例えば光源9,10)の交換作業等を容易に行うことができる。
【0032】
さらに、開口部1aに挿入した状態では第1及び第2の表示体11,12が一体化しており、デザイン的にすっきりして見栄えが良い。
【0033】
さらにまた、ボックス4の奥行き方向への取付座6の取付位置が調整可能になっているため、乗場壁1の仕上げ状態に合わせて取付座6の取付位置を調整することにより、第1及び第2の表示体11,12を乗場壁1に容易に密着させることができる。
【0034】
また、遮蔽板13の乗場側に露出している部分を、第1及び第2の表示体11,12の乗場側に露出している部分よりも一回り小さいサイズにしたので、いたずらにより遮蔽板13が引き抜かれるのを防止することができる。
【0035】
なお、実施の形態1では、取付座6にフック部6dを設けるとともに、第1及び第2の表示体11,12に抜け止め溝11a,12a及び逃がし溝11b,12bを設けたが、逆であってもよい。即ち、表示体にフック部を設け、取付座に係止部を設けてもよい。
【0036】
実施の形態2.
次に、図20はこの発明の実施の形態2によるエレベータのホールランタンを示す正面図、図21は図20のXXI−XXI線に沿う断面図、図22は図20のXXII−XXII線に沿う断面図、図23は図21の要部を拡大して示す断面図である。
【0037】
図において、取付座21は、実施の形態1と同様にボックス4内に取り付けられており、ボックス4の奥行き方向への取付位置が調整可能となっている。開口部1aには、第1の表示体22、第2の表示体23、及び挿入部材としての遮蔽板24が挿入されている。
【0038】
第1の表示体22の上端部には、係止溝22aが設けられている。第2の表示体23の下端部には、係止溝23aが設けられている。取付座21には、係止溝22a,23aに挿入されるフック部21a,21bが設けられている。引き抜き阻止部25は、フック部21a,21bと係止溝22a,23aとからなり、第1及び第2の表示体22,23を取付座21に機械的に係止させて第1及び第2の表示体22,23の乗場側への引き抜きを阻止する。
【0039】
取付座21には、第1の表示体22の下端部の背面と第2の表示体23の上端部の背面とに当接して第1及び第2の表示体22,23のボックス4側への倒れを阻止する複数の当接部21cが設けられている。
【0040】
遮蔽板24の乗場側端部の厚さ寸法(上下方向寸法)は、遮蔽板24の取付座21側の部分の厚さ寸法よりも大きくなっている。即ち、遮蔽板24の断面形状は、図21に示すようにT字形となっている。遮蔽板24の取付座21への取付構造は、実施の形態1と同様である。
【0041】
第1の表示体22の下端部及び第2の表示体23の上端部には、つば部22b,23bが設けられている。つば部22b,23bは、遮蔽板24の乗場側端部によって取付座21側に押さえ付けられている。これによっても、第1及び第2の表示体22,23の開口部1aからの引き抜きが阻止されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0042】
次に、第1及び第2の表示体22,23を開口部1aから引き抜く手順について説明する。まず、実施の形態1と同様に、工具16(図11)を用いて遮蔽板24を乗場側に引き抜く。遮蔽板24が開口部1aから引き抜かれると、第1の表示体22が自重により下方へスライドされる。これにより、第1の表示体22の引き抜きを阻止していたフック部21aが係止溝22aから外れ、第1の表示体22の引き抜きが可能となる。
【0043】
第1の表示体22を開口部1aから引き抜くと、第2の表示体22の上方のスペースが開放される。この状態から、第2の表示体22を上方へ持ち上げると、フック部21bが係止溝23aから外れ、第2の表示体23の引き抜きも可能となる。なお、第1及び第2の表示体22,23及び遮蔽板24を開口部1aに挿入して取付座21に結合する手順は、上記の逆の手順となる。
【0044】
このようなエレベータのホールランタンによれば、実施の形態1に比べて、部品形状をより簡素化することができ、より安価に製作することが可能となる。
【0045】
なお、実施の形態1、2では、2個の表示体を用いる例を示したが、例えば終端階に設置されるホールランタンのように、表示体を1個のみ用いるホールランタンにもこの発明は適用できる。
また、実施の形態1、2では挿入部材として遮蔽板を利用したが、遮蔽板とは別の部材を挿入部材として表示体の上下又は左右に隣接して挿入してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 乗場壁、1a 開口部、4 ボックス、6,21 取付座、6d フック部、9 第1の光源、10 第2の光源、11,22 第1の表示体、12,23 第2の表示体、11a,12a 抜け止め溝(係止部)、11b,12b 逃がし溝、13,24 遮蔽板(挿入部材)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの乗場壁に設置されるホールランタンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の建築デザインでは、表示体が乗場壁に直接取り付けられているようなタイプのホールランタンが好まれる傾向にある。このようなタイプの従来のエレベータのホールランタンでは、円筒状のケース部が乗場壁に埋め込まれ、このケース部に円筒状の表示体が嵌め合わされる。表示体の外周面には突起部が設けられており、ケース部の内周面には突起部が挿入されるガイド溝が設けられている。ガイド溝は、複数の縦溝部と、縦溝部間を繋ぐ複数の回転溝部とを組み合わせて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−176313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のホールランタンでは、ガイド溝の形状が複雑であるため、ケース部のコストが高くなる。また、表示体の形状が円筒状に限られ、ケース部の開口が小さいため、乗場側からの保守点検作業が行い難く、作業性が低下する。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、表示体の引き抜きを阻止するための構造を簡単にすることができ、かつ乗場側からの保守点検作業を容易にすることができる乗場壁埋込式のエレベータのホールランタンを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータのホールランタンは、乗場壁に設けられた開口部に昇降路側から対向するように乗場壁に対して固定される取付座、取付座に設けられた光源、乗場側から開口部に挿入され、光源に対向する表示体、及び表示体に隣接して乗場側から開口部に挿入され、かつ乗場側から取り外し可能に取付座に連結される挿入部材を備え、表示体と取付座との間には、表示体を取付座に機械的に係止させて表示体の乗場側への引き抜きを阻止する引き抜き阻止部が設けられており、表示体は、挿入部材を取付座から取り外して開口部から引き抜くことにより、挿入部材が挿入されていた隣接空間側にスライド可能になっており、表示体を隣接空間側にスライドさせることにより、引き抜き阻止部の係止状態が解除され表示体の乗場側への引き抜きが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエレベータのホールランタンは、挿入部材を取付座から取り外して開口部から引き抜くことにより、挿入部材が挿入されていた隣接空間側に表示体がスライド可能になり、表示体を隣接空間側にスライドさせることにより、引き抜き阻止部の係止状態が解除され表示体の乗場側への引き抜きが可能となるので、表示体や取付座に複雑な形状の溝を設ける必要がなく、表示体の引き抜きを阻止するための構造を簡単にすることができる。また、表示体を円筒状にしなくてもよいため、開口部の開口面積を大きくすることができ、乗場側からの保守点検作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータのホールランタンを示す正面図である。
【図2】図1のホールランタンを示す側面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図1のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図1のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図3の取付座を示す斜視図である。
【図10】図7の要部を拡大して示す断面図である。
【図11】図6の遮蔽板を開口部から引き抜く様子を示す断面図である。
【図12】図11のばね部材を凹部外へ引き抜く途中の状態を示す断面図である。
【図13】図12のばね部材が凹部外へ引き抜かれた状態を示す断面図である。
【図14】図4の遮蔽板を開口部から引き抜いた状態を示す断面図である。
【図15】図14の第1の表示体を着脱位置へスライドさせた状態を示す断面図である。
【図16】図15の第1の表示体を開口部から引き抜く途中の状態を示す断面図である。
【図17】図16の第1の表示体を開口部から引き抜いた後の状態を示す断面図である。
【図18】図17の第2の表示体を上方へスライドさせた状態を示す断面図である。
【図19】図18の第2の表示体を開口部から引き抜く途中の状態を示す断面図である。
【図20】この発明の実施の形態2によるエレベータのホールランタンを示す正面図である。
【図21】図20のXXI−XXI線に沿う断面図である。
【図22】図20のXXII−XXII線に沿う断面図である。
【図23】図21の要部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータのホールランタンを示す正面図、図2は図1のホールランタンを示す側面図、図3は図1のIII−III線に沿う断面図、図4は図1のIV−IV線に沿う断面図、図5は図1のV−V線に沿う断面図、図6は図1のVI−VI線に沿う断面図、図7は図1のVII−VII線に沿う断面図、図8は図1のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【0010】
図において、乗場壁1には、矩形の開口部1aが設けられている。開口部1aの昇降路側(図3の右側)の上下の縁部には、断面L字形の上部取付金具2及び下部取付金具3が固定されている。上部取付金具2と下部取付金具3との間には、直方体状のボックス4が取付ねじ5a,5bにより固定されている。ボックス4の乗場側端部(図3の左端部)は、全体が開口している。
【0011】
ボックス4内には、取付座6が固定されている。取付座6は、ボックス4内の上部及び下部に固定されたスタッドボルト7a,7bにナット8a,8bを螺着することにより、ボックス4に固定されている。また、取付座6は、開口部1aに昇降路側から対向するように乗場壁1に対して固定されている。
【0012】
取付座6には、第1及び第2の光源9,10が上下に間隔をおいて取り付けられている。第1及び第2の光源9,10は、乗場側へ向けて光を照射する。
【0013】
開口部1aには、第1の光源9に対向する第1の表示体11と、第2の光源10に対向する第2の表示体12とが上下に並べて挿入されている。第1及び第2の表示体11,12は、光を透過する材料により構成されている。
【0014】
第1及び第2の表示体11,12間には、光を遮蔽する挿入部材としての遮蔽板13が介在されている。遮蔽板13は、第1及び第2の表示体11,12に隣接して乗場側から開口部1aに挿入されている。開口部1aは、乗場側から見て第1及び第2の表示体11,12と遮蔽板13とにより覆われている。第1及び第2の表示体11,12は、遮蔽板13を中心として上下に対称に配置されている。
【0015】
図6に示すように、取付座6の上下方向の中間部(遮蔽板13に対向する部分)には、弾性変形により幅寸法が縮小可能なばね部材14が取り付けられている。遮蔽板13の乗場とは反対側の端部には、ばね部材14が挿入される凹部13aが設けられている。また、遮蔽板13の乗場側端部の幅方向両端部には、開口部1aの縁部との間に隙間を形成する段部(座ぐり)13bが設けられている。
【0016】
遮蔽板13は、ばね部材14を凹部13a内に挿入することにより取付座6に連結されている。また、遮蔽板13は、ばね部材14を弾性変形させて凹部13aから引き抜くことにより、乗場側から取り外し可能になっている。
【0017】
さらに、遮蔽板13の開口部1aから乗場側に露出している部分の幅寸法及び乗場壁1からの突出寸法は、第1及び第2の表示体11,12のそれらの寸法よりも小さい。即ち、乗場側から見て、遮蔽板13の表面は第1及び第2の表示体11,12よりも引っ込んでおり、一般の利用者が遮蔽板13を容易に引き抜くことはできない。
【0018】
図9は図3の取付座6を示す斜視図である。取付座6は、開口部1aに対向し光源9,10が取り付けられる取付座本体6aと、取付座本体6aの上端部に設けられた上部固定部6bと、取付座本体6aの下端部に設けられた下部固定部6cと、取付座本体6aの幅方向両端部から乗場側へ突出した複数の帯状のフック部6dとを有している。
【0019】
上部固定部6bには、スタッドボルト7aが挿通される長孔6eが設けられている。下部固定部6cには、スタッドボルト7bが挿通される長孔6fが設けられている。これにより、ボックス4の奥行き方向への取付座6の取付位置が調整可能になっている
【0020】
各フック部6dの先端部は、取付座6の内側へ向けて直角に折り曲げられている。図4に示すように、第1及び第2の表示体11,12の側面には、フック部6dの先端部が挿入され係止される係止部としての抜け止め溝11a,12aが上下方向に沿って連続して設けられている。抜け止め溝11a,12aの昇降路側の壁部の一部には、フック部6dの先端部が通過可能な幅の逃がし溝11b,12bが設けられている。
【0021】
図10は図7の要部を拡大して示す断面図である。引き抜き阻止部15は、フック部6dと抜け止め溝11a,12aとからなり、第1及び第2の表示体11,12を取付座6に機械的に係止させて第1及び第2の表示体11,12の乗場側への引き抜きを阻止する。
【0022】
第1の表示体11は、遮蔽板13を取付座6から取り外して開口部1aから引き抜くことにより、遮蔽板13が挿入されていたスペースである隣接空間側にスライド可能になっている。即ち、遮蔽板13を取り外した状態において、第1の表示体11は遮蔽板13を抜く前の通常位置と第2の表示体12の上面に当接する着脱位置との間で上下方向へスライド可能である。
【0023】
また、第1の表示体11を着脱位置へスライドさせると、抜け止め溝11aに係止されたフック部6dのうち、上側のフック部6dが抜け止め溝11aの上端から抜け止め溝11a外へ出て、下側のフック部6dが逃がし溝11bの位置まで相対的に変位される。これにより、第1の表示体11に対する引き抜き阻止部15の係止状態が解除され、第1の表示体11の乗場側への引き抜きが可能となる。
【0024】
さらに、第1の表示体11が開口部1aから引き抜かれると、第2の表示体12の上方へのスライドが可能となる。そして、第2の表示体12を所定量だけ上方へスライドさせると、抜け止め溝12aに係止されたフック部6dのうち、下側のフック部6dが抜け止め溝12aの下端から抜け止め溝12a外へ出て、上側のフック部6dが逃がし溝12bの位置まで相対的に変位される。これにより、第2の表示体12に対する引き抜き阻止部15の係止状態が解除され、第2の表示体12の乗場側への引き抜きが可能となる。
【0025】
次に、第1及び第2の表示体11,12を開口部1aから引き抜く手順について詳細に説明する。まず、図11に示すように、遮蔽板13の段部13bと乗場壁1との間にマイナスドライバ等の工具16を差し込み、段部13bと乗場壁1との間隔を拡げるようにして、遮蔽板13を乗場側へ変位させる。そして、遮蔽板13が第1及び第2の表示体11,12の表面よりも乗場側へ突出したら、遮蔽板13を手で引き抜く。
【0026】
このとき、凹部13aの入口の幅寸法が凹部13a内の幅寸法よりも小さくなっているため、ばね部材14は、図12に示すように弾性変形した後、図13に示すように凹部13a外で復元される。
【0027】
図14に示すように、遮蔽板13が開口部1aから引き抜かれると、図15に示すように、第1の表示体11が自重により着脱位置まで下方へスライドされる。これにより、第1の表示体11の引き抜きを阻止していたフック部6dのうち、上側のフック部6dが抜け止め溝11aの上端から抜け止め溝11a外へ出て、下側のフック部6dが逃がし溝11bの位置まで相対的に変位され、図16に示すように、第1の表示体11の引き抜きが可能となる。
【0028】
第1の表示体11を開口部1aから引き抜くと、図17に示すように、第2の表示体12の上方のスペースが開放される。この状態から、図18に示すように、第2の表示体12を所定量だけ上方へスライドさせる。そして、図19に示すように、第2の表示体12を乗場側へ引き出す。なお、第1及び第2の表示体11,12及び遮蔽板13を開口部1aに挿入して取付座6に結合する手順は、上記の逆の手順となる。
【0029】
このようなエレベータのホールランタンでは、遮蔽板13を取付座6から取り外して開口部1aから引き抜くことにより、第1及び第2の表示体11,12が上方又は下方へスライド可能になり、第1及び第2の表示体11,12をスライドさせることにより、引き抜き阻止部15の係止状態が解除され第1及び第2の表示体11,12の乗場側への引き抜きが可能となるので、第1及び第2の表示体11,12や取付座6に複雑な形状の溝を設ける必要がなく、第1及び第2の表示体11,12の引き抜きを阻止するための構造を簡単にすることができる。
【0030】
また、第1及び第2の表示体11,12に抜け止め溝11a,12a及び逃がし溝11b,12bを設けるとともに、取付座6にフック部6dを設けるだけで、第1及び第2の表示体11,12を固定でき、構成部品の製作・加工が容易である。
【0031】
さらに、第1及び第2の表示体11,12を円筒状にしなくてもよいため、開口部1aの開口面積を大きくすることができ、乗場側からの保守点検作業を容易にすることができる。即ち、開口部1aのサイズを、第1及び第2の表示体11,12を挿入するための開口を繋げたサイズとすることができ、ボックス4内の部品(例えば光源9,10)の交換作業等を容易に行うことができる。
【0032】
さらに、開口部1aに挿入した状態では第1及び第2の表示体11,12が一体化しており、デザイン的にすっきりして見栄えが良い。
【0033】
さらにまた、ボックス4の奥行き方向への取付座6の取付位置が調整可能になっているため、乗場壁1の仕上げ状態に合わせて取付座6の取付位置を調整することにより、第1及び第2の表示体11,12を乗場壁1に容易に密着させることができる。
【0034】
また、遮蔽板13の乗場側に露出している部分を、第1及び第2の表示体11,12の乗場側に露出している部分よりも一回り小さいサイズにしたので、いたずらにより遮蔽板13が引き抜かれるのを防止することができる。
【0035】
なお、実施の形態1では、取付座6にフック部6dを設けるとともに、第1及び第2の表示体11,12に抜け止め溝11a,12a及び逃がし溝11b,12bを設けたが、逆であってもよい。即ち、表示体にフック部を設け、取付座に係止部を設けてもよい。
【0036】
実施の形態2.
次に、図20はこの発明の実施の形態2によるエレベータのホールランタンを示す正面図、図21は図20のXXI−XXI線に沿う断面図、図22は図20のXXII−XXII線に沿う断面図、図23は図21の要部を拡大して示す断面図である。
【0037】
図において、取付座21は、実施の形態1と同様にボックス4内に取り付けられており、ボックス4の奥行き方向への取付位置が調整可能となっている。開口部1aには、第1の表示体22、第2の表示体23、及び挿入部材としての遮蔽板24が挿入されている。
【0038】
第1の表示体22の上端部には、係止溝22aが設けられている。第2の表示体23の下端部には、係止溝23aが設けられている。取付座21には、係止溝22a,23aに挿入されるフック部21a,21bが設けられている。引き抜き阻止部25は、フック部21a,21bと係止溝22a,23aとからなり、第1及び第2の表示体22,23を取付座21に機械的に係止させて第1及び第2の表示体22,23の乗場側への引き抜きを阻止する。
【0039】
取付座21には、第1の表示体22の下端部の背面と第2の表示体23の上端部の背面とに当接して第1及び第2の表示体22,23のボックス4側への倒れを阻止する複数の当接部21cが設けられている。
【0040】
遮蔽板24の乗場側端部の厚さ寸法(上下方向寸法)は、遮蔽板24の取付座21側の部分の厚さ寸法よりも大きくなっている。即ち、遮蔽板24の断面形状は、図21に示すようにT字形となっている。遮蔽板24の取付座21への取付構造は、実施の形態1と同様である。
【0041】
第1の表示体22の下端部及び第2の表示体23の上端部には、つば部22b,23bが設けられている。つば部22b,23bは、遮蔽板24の乗場側端部によって取付座21側に押さえ付けられている。これによっても、第1及び第2の表示体22,23の開口部1aからの引き抜きが阻止されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0042】
次に、第1及び第2の表示体22,23を開口部1aから引き抜く手順について説明する。まず、実施の形態1と同様に、工具16(図11)を用いて遮蔽板24を乗場側に引き抜く。遮蔽板24が開口部1aから引き抜かれると、第1の表示体22が自重により下方へスライドされる。これにより、第1の表示体22の引き抜きを阻止していたフック部21aが係止溝22aから外れ、第1の表示体22の引き抜きが可能となる。
【0043】
第1の表示体22を開口部1aから引き抜くと、第2の表示体22の上方のスペースが開放される。この状態から、第2の表示体22を上方へ持ち上げると、フック部21bが係止溝23aから外れ、第2の表示体23の引き抜きも可能となる。なお、第1及び第2の表示体22,23及び遮蔽板24を開口部1aに挿入して取付座21に結合する手順は、上記の逆の手順となる。
【0044】
このようなエレベータのホールランタンによれば、実施の形態1に比べて、部品形状をより簡素化することができ、より安価に製作することが可能となる。
【0045】
なお、実施の形態1、2では、2個の表示体を用いる例を示したが、例えば終端階に設置されるホールランタンのように、表示体を1個のみ用いるホールランタンにもこの発明は適用できる。
また、実施の形態1、2では挿入部材として遮蔽板を利用したが、遮蔽板とは別の部材を挿入部材として表示体の上下又は左右に隣接して挿入してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 乗場壁、1a 開口部、4 ボックス、6,21 取付座、6d フック部、9 第1の光源、10 第2の光源、11,22 第1の表示体、12,23 第2の表示体、11a,12a 抜け止め溝(係止部)、11b,12b 逃がし溝、13,24 遮蔽板(挿入部材)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場壁に設けられた開口部に昇降路側から対向するように前記乗場壁に対して固定される取付座、
前記取付座に設けられた光源、
乗場側から前記開口部に挿入され、前記光源に対向する表示体、及び
前記表示体に隣接して乗場側から前記開口部に挿入され、かつ乗場側から取り外し可能に前記取付座に連結される挿入部材
を備え、
前記表示体と前記取付座との間には、前記表示体を前記取付座に機械的に係止させて前記表示体の乗場側への引き抜きを阻止する引き抜き阻止部が設けられており、
前記表示体は、前記挿入部材を前記取付座から取り外して前記開口部から引き抜くことにより、前記挿入部材が挿入されていた隣接空間側にスライド可能になっており、
前記表示体を前記隣接空間側にスライドさせることにより、前記引き抜き阻止部の係止状態が解除され前記表示体の乗場側への引き抜きが可能となることを特徴とするエレベータのホールランタン。
【請求項2】
前記引き抜き阻止部は、前記表示体及び前記取付座の一方に設けられたフック部と、前記表示体及び前記取付座の他方に設けられ、前記フック部が係止される係止部とを有し、
前記表示体及び前記取付座の他方には、前記隣接空間側にスライドされたときに前記フック部を逃がして前記表示体の乗場側への引き抜きを許容する逃がし溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエレベータのホールランタン。
【請求項3】
前記光源は、上下に間隔をおいて配置された第1及び第2の光源を含み、
前記表示体は、前記第1の光源に対向する第1の表示体と、前記第2の光源に対向する第2の表示体とを含み、
前記挿入部材は、前記第1及び第2の表示体間に介在され、光を遮蔽する遮蔽板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのホールランタン。
【請求項4】
前記乗場壁に固定されるボックスをさらに備え、
前記取付座は、前記ボックスに取り付けられており、
前記ボックスの奥行き方向への前記取付座の取付位置が調整可能になっていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエレベータのホールランタン。
【請求項1】
乗場壁に設けられた開口部に昇降路側から対向するように前記乗場壁に対して固定される取付座、
前記取付座に設けられた光源、
乗場側から前記開口部に挿入され、前記光源に対向する表示体、及び
前記表示体に隣接して乗場側から前記開口部に挿入され、かつ乗場側から取り外し可能に前記取付座に連結される挿入部材
を備え、
前記表示体と前記取付座との間には、前記表示体を前記取付座に機械的に係止させて前記表示体の乗場側への引き抜きを阻止する引き抜き阻止部が設けられており、
前記表示体は、前記挿入部材を前記取付座から取り外して前記開口部から引き抜くことにより、前記挿入部材が挿入されていた隣接空間側にスライド可能になっており、
前記表示体を前記隣接空間側にスライドさせることにより、前記引き抜き阻止部の係止状態が解除され前記表示体の乗場側への引き抜きが可能となることを特徴とするエレベータのホールランタン。
【請求項2】
前記引き抜き阻止部は、前記表示体及び前記取付座の一方に設けられたフック部と、前記表示体及び前記取付座の他方に設けられ、前記フック部が係止される係止部とを有し、
前記表示体及び前記取付座の他方には、前記隣接空間側にスライドされたときに前記フック部を逃がして前記表示体の乗場側への引き抜きを許容する逃がし溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエレベータのホールランタン。
【請求項3】
前記光源は、上下に間隔をおいて配置された第1及び第2の光源を含み、
前記表示体は、前記第1の光源に対向する第1の表示体と、前記第2の光源に対向する第2の表示体とを含み、
前記挿入部材は、前記第1及び第2の表示体間に介在され、光を遮蔽する遮蔽板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのホールランタン。
【請求項4】
前記乗場壁に固定されるボックスをさらに備え、
前記取付座は、前記ボックスに取り付けられており、
前記ボックスの奥行き方向への前記取付座の取付位置が調整可能になっていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエレベータのホールランタン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−228878(P2010−228878A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79318(P2009−79318)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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