説明

エレベータの懸架手段異常位置検出装置

【課題】懸架手段の異常を誤検出することを抑制するとともに、懸架手段の異常部分の位置をより正確に検出することができるエレベータの懸架手段異常位置検出装置を得る。
【解決手段】かご4を昇降させるロープ3の異常を検出する状態検出装置8と状態検出装置8の検出信号に基づいてロープ3の異常の有無を判定するロープ異常判定装置9とを有したロープ異常検出装置6と、かご4の位置を検出するかご位置速度検出装置10と、かご位置速度検出装置10が検出するかご4の位置と状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間とに基づいて、状態検出装置8がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置を推定するかご位置推定装置12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、かごを昇降させる懸架手段の異常部分の位置を検出するエレベータの懸架手段異常位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かごを昇降させるロープの異常を検出するロープ異常検出装置と、巻上機モータの回転軸の回転数に基づいてかごの位置を検出するかご位置検出装置と、ロープ異常検出装置の検出信号とかご位置検出装置の検出信号とに基づいて、ロープ異常検出装置がロープの異常を検出した時のかごの位置を検出するロープ異常検出時かご位置検出装置とを備えたエレベータのロープ異常位置検出装置が知られている。ロープを構成するストランドに断線が発生すると、ストランドの断線部分がロープ異常検出装置に衝突可能となる。ロープが移動すると、ストランドの断線部分がロープ異常検出装置に衝突し、ロープ異常検出時かご位置検出装置は、断線部分がロープ異常検出装置に衝突した時のかごの位置を検出する。ロープ異常検出装置が取り付けられている位置と、ロープ異常時かご位置検出装置が検出するかごの位置とに基づいて、ロープの異常部分の位置が検出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4294235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のエレベータのロープ異常位置検出装置では、例えば、外乱等がロープ異常検出装置に影響することにより、ロープ異常検出装置がロープの異常を誤検出してしまう恐れがある。そこで、ロープ異常検出装置によるロープの異常の誤検出を防止するために、ロープの異常を検出するロープ異常検出部と、ロープ異常検出部の検出信号に基づいてロープの異常の有無を判定するロープ異常判定部とからロープ異常検出装置を構成して、ロープの異常が発生したとロープ異常判定部が判定することにより、ロープ異常検出装置からロープ異常時かご位置検出装置へロープの異常を示す検出信号が送られるようにすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、ロープ異常検出部がロープの異常を検出してからロープ異常判定部がロープに異常が発生したと判定するまでの間に、かごが移動してしまうので、ロープ異常検出時かご位置検出装置が検出するかごの位置と、ロープ異常検出部がロープを検出する時のかごの位置との間にずれが生じてしまう。その結果、エレベータのロープ異常位置検出装置が検出するロープの異常部分の位置と、実際のロープの異常部分の位置との間にずれが生じてしまうという問題点があった。
【0006】
この発明は、懸架手段の異常を誤検出することを抑制するとともに、懸架手段の異常部分の位置をより正確に検出することができるエレベータの懸架手段異常位置検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータの懸架手段異常位置検出装置は、かごを昇降させる懸架手段の異常を検出する懸架手段異常検出部と前記懸架手段異常検出部の検出信号に基づいて前記懸架手段の異常の有無を判定する懸架手段異常判定部とを有した懸架手段異常検出装置と、前記かごの位置を検出するかご位置検出装置と、前記かご位置検出装置が検出する前記かごの位置と前記懸架手段異常検出部が前記懸架手段の異常を検出してから前記懸架手段異常判定部が前記懸架手段に異常が発生したと判定するまでの経過時間とに基づいて、前記懸架手段異常検出部が前記懸架手段の異常を検出した時の前記かごの位置を推定するかご位置推定装置とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエレベータの懸架手段異常位置検出装置によれば、かご位置推定装置は、かご位置検出装置が検出するかごの位置と、懸架手段異常検出部が懸架手段の異常を検出してから懸架手段異常判定部が懸架手段に異常が発生したと判定するまでの経過時間とに基づいて、懸架手段異常検出部が懸架手段の異常を検出した時のかごの位置を推定するので、懸架手段の異常部分の位置をより正確に検出することができる。また、懸架手段異常検出装置は、懸架手段の異常を検出する懸架手段異常検出部と、懸架手段異常検出部の検出信号に基づいて、懸架手段の異常の有無を判定する懸架手段異常判定部とを有しているので、懸架手段の異常を誤検出することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータの全体構成図である。
【図2】図1のかごが上昇するときの速度と時間との関係を示す図である。
【図3】図1のエレベータのロープ異常位置検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3でロープ異常検出部がロープの異常を検出した時のかごの位置を算出するときに用いられる係数を算出するかご位置推定装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2に係るエレベータの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの全体構成図である。図において、エレベータは、駆動することにより回転力を発生させる巻上機モータ1と、巻上機モータ1の回転力が伝達されることにより回転する綱車2と、綱車2に巻き掛けられ綱車2の回転により移動するロープ(懸架手段)3と、ロープ3の移動により昇降するかご4と、巻上機モータ1の回転軸の回転に応じたパルス信号を発生するパルス発生器5と、ロープ3の異常を検出するロープ異常検出装置6と、かご4の昇降を制御する制御盤7とを備えている。
【0011】
ロープ異常検出装置6は、ロープ3から間隔をおいて設けられた状態検出装置(懸架手段異常検出部)8と、状態検出装置8の検出信号を受けるロープ異常判定装置(懸架手段異常判定部)9とを有している。状態検出装置8は、ロープ3を構成するストランドが断線したときに、断線したストランドが状態検出装置8に衝突可能となるように配置されている。状態検出装置8は、ロープ3のストランドに衝突されることにより、ロープ3の異常を検出する。
【0012】
ロープ異常判定装置9は、状態検出装置8の検出信号を受けることにより、ロープ3の異常の有無を判定する。この例では、ロープ異常判定装置9は、状態検出装置8の検出信号を所定の時間、連続して受けた場合に、ロープ3に異常が発生したと判定する。また、ロープ異常判定装置9は、状態検出装置8の検出信号を受けていない場合または状態検出装置8から連続して検出信号を受けた時間が所定の時間に満たない場合に、ロープ3に異常が発生していないと判定する。これにより、ロープ3に異常が発生していないにもかかわらず、外乱等の影響により状態検出装置8からロープ異常判定装置9へ検出信号が一時的に送られた場合には、ロープ異常判定装置9はロープ3に異常が発生したと判定しない。その結果、ロープ異常検出装置6によるロープ3の異常の誤検出を防ぐことができる。
【0013】
制御盤7は、パルス発生器5のパルス信号に基づいてかご4の位置およびかご4の速度を検出するかご位置速度検出装置10と、かご4の昇降を制御するかご制御装置11と、ロープ異常検出装置6の検出信号とかご位置速度検出装置10の検出信号とかご制御装置11からの制御信号とに基づいて、かご4の位置を推定するかご位置推定装置12と、かご位置推定装置12が推定したかご4の位置を記憶するかご位置記憶装置13とを有している。
【0014】
かご位置速度検出装置10は、パルス発生器5からのパルス信号のパルス数に基づいてかご4の位置を検出するかご位置検出装置と、パルス発生器5からのパルス信号のパルス数の単位時間当たりにおける変化量に基づいてかご4の速度を検出するかご速度検出装置とを有している。
【0015】
かご制御装置11は、かご4の走行モードに応じて、巻上機モータ1の駆動を制御して、かご4の昇降を制御する。かご制御装置11は、走行モードに応じた制御信号をかご位置推定装置12へ送るようになっている。
【0016】
状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間は、予め設定された一定時間であり、この経過時間の値は、かご位置推定装置12に予め記憶されている。
【0017】
パルス発生器5、ロープ異常検出装置6、かご位置速度検出装置10、かご位置推定装置12およびかご位置記憶装置13からエレベータのロープ異常位置検出装置(エレベータの懸架手段異常位置検出装置)が構成されている。
【0018】
図2は図1のかご4が上昇するときの速度と時間との関係を示す図である。かご4の走行モードには、加速モード、一定速モード、減速モードの3つのモードが含まれている。かご制御装置11(図1)からかご位置推定装置12(図1)へ送られる制御信号には、かご4の走行モードが、加速モード、一定速モードおよび減速モードの何れのモードであるかを示す情報と、かご4の走行方向(上昇方向または下降方向)を示す情報とが含まれている。
【0019】
かご位置推定装置12は、ロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定する時にかご速度検出装置が検出するかご4の速度と、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間と、かご4の走行モードに応じた係数とに基づいて、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの間におけるかご4の位置の変化量を算出する。
【0020】
かご4の走行モードが一定速モードである場合には、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間におけるかご4の速度は変化しない。したがって、この場合には、かご4の走行モードに応じた係数は、1.0となる。
【0021】
一方、かご4の走行モードが加速モードまたは減速モードである場合には、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間におけるかご4の速度は変化する。したがって、この場合には、かご4の走行モードに応じた係数は、1.0よりも小さい値となり、この例では、0.5としている。
【0022】
かご位置推定装置12は、ロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定する時にかご位置検出装置が検出するかご4の位置と、算出されたかご4の位置の変化量とに基づいて、状態検出装置8がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置を推定する。
【0023】
エレベータのロープ異常位置検出装置は、ロープ異常検出装置6が取り付けられている位置と、かご位置推定装置12が推定したかご4の位置とに基づいて、ロープ3の異常部分の位置を検出する。
【0024】
次に、動作について説明する。図3は図1のエレベータのロープ異常位置検出装置の動作を示すフローチャートである。かご制御装置11の制御によりかご4が昇降すると、かご位置推定装置12は、ロープ異常検出装置6からの検出信号に基づいて、ロープ3の異常が発生したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1で、ロープ3の異常が発生していないとかご位置推定装置12が判定すると、ステップS1が繰り返される。
【0025】
ステップS1で、ロープ3に異常が発生したとかご位置推定装置12が判定すると、かご位置推定装置12は、かご制御装置11の制御信号に基づいて、かご4の走行方向を判定する(ステップS2)。
【0026】
ステップS2で、かご4の走行方向が上昇方向であるとかご位置推定装置12が判定すると、かご位置推定装置12は、かご位置速度検出装置10が検出したかご4の位置Psおよびかご4の速度Dと、走行モードに応じた係数Pと、予め記憶されている経過時間Tdとを用いて、下記の式(1)により、ロープ異常検出部がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置Pcを算出する(ステップS3)。
Pc=Ps−D×P×Td (1)
【0027】
一方、ステップS2で、かご4の走行方向が下降方向であるとかご位置推定装置12が判定すると、かご位置推定装置12は、位置速度検出装置10が検出したかご4の位置Psおよびかご4の速度Dと、走行モードに応じた係数Pと、予め記憶されている経過時間Tdとを用いて、下記の式(2)により、ロープ異常検出部がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置Pcを算出する(ステップS4)。
Pc=Ps+D×P×Td (2)
【0028】
ステップS3またはステップS4の後、ロープ異常検出装置6が取り付けられている位置と、かご位置推定装置12が推定したかご4の位置とに基づいて、ロープ3の異常部分の位置が検出される。以上により、エレベータのロープ異常位置検出装置によるロープ3に異常が発生したときのロープ3の異常部分の位置の検出が終了する。
【0029】
図4は図3でロープ異常検出部がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置を算出するときに用いられる係数Pを算出するかご位置推定装置12の動作を示すフローチャートである。かご位置推定装置12は、かご制御装置11の制御信号に基づいて、走行モードが、加速モード、一定速モードおよび減速モードの何れかであるかを判定する(ステップS5)。ステップS5で、走行モードが一定速モードであるとかご位置推定装置12が判定すると、かご位置推定装置12は、係数Pを1.0とする(ステップS6)。一方、ステップS5で、走行モードが加速モードまたは減速モードであるとかご位置推定装置12が判定すると、かご位置推定装置12は、係数Pを0.5とする(ステップS7)。
【0030】
ステップS6またはステップS7の後、かご位置推定装置12による係数Pの算出が終了する。
【0031】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベータのロープ異常位置検出装置によれば、かご位置推定装置12は、かご位置検出装置が検出するかご4の位置と、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間とに基づいて、状態検出装置8がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置を推定するので、ロープ3の異常部分の位置をより正確に検出することができる。また、ロープ異常検出装置6は、ロープ3の異常を検出する状態検出装置8と、状態検出装置8の検出信号に基づいて、ロープ3の異常の有無を判定するロープ異常判定装置9とを有しているので、エレベータのロープ異常位置検出装置が、ロープ3の異常を誤検出することを抑制することができる。
【0032】
また、このエレベータのロープ異常位置検出装置は、かご4の速度を検出するかご速度検出装置をさらに備え、かご位置推定装置12は、ロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定する時にかご速度検出装置が検出するかご4の速度と、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間とを用いて、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの間におけるかご4の位置の変化量を算出するので、簡単な構成で、ロープ3の異常部分の位置をより正確に検出することができる。
【0033】
また、かご位置推定装置12は、かご4の走行モードに応じた係数をかご4の速度に乗じて、かご4の位置の変化量を算出するので、ロープ3の異常部分の位置をさらに正確に検出することができる。
【0034】
なお、上記実施の形態1では、かご位置推定装置12は、かご4の走行モードに応じた係数をかご4の速度に乗じて、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間におけるかご4の位置の変化量を算出する構成について説明したが、かご位置推定装置12は、かご4の走行モードに関係なく、経過時間におけるかご4の位置の変化量を算出する構成であってもよい。
【0035】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの全体構成図である。図において、エレベータのロープ異常位置検出装置は、実施の形態1に記載のかご位置速度検出装置10の換わりに、パルス発生器5のパルス信号に基づいてかご4の位置を検出するかご位置検出装置14を備えている。かご位置推定装置12には、ロープ異常検出装置6の検出信号と、かご位置検出装置14の検出信号とが送られる。
【0036】
パルス発生器5、ロープ異常検出装置6、かご位置推定装置12、かご位置記憶装置13およびかご位置検出装置14からエレベータのロープ異常位置検出装置が構成されている。
【0037】
かご位置推定装置12は、かご位置検出装置14から送られるかご4の位置を示す情報を記憶する記憶装置(図示せず)を有している。かご位置推定装置12は、ロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定する時のかご4の位置から、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間だけ遡った時のかご4の位置を、記憶装置から読み出して、状態検出装置8がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置とする。つまり、かご位置推定装置12は、ロープ異常検出装置6の検出信号と、かご位置検出装置14の検出信号とに基づいて、状態検出装置8がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置を推定する。かご位置推定装置12により推定されたかご4の位置は、かご位置記憶装置13に記憶される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0038】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエレベータのロープ異常位置検出装置によれば、かご位置推定装置12は、かご位置検出装置14が検出したかご4の位置を記憶する記憶装置を有し、ロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定する時のかご4の位置から、状態検出装置8がロープ3の異常を検出してからロープ異常判定装置9がロープ3に異常が発生したと判定するまでの経過時間だけ遡った時のかご4の位置を状態検出装置8がロープ3の異常を検出した時のかご4の位置とするので、簡単な構成で、ロープ3の異常部分をより正確に検出することができる。
【0039】
なお、各上記実施の形態では、懸架手段としてロープ3を例に説明したが、例えば、ベルトであってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 巻上機モータ、2 綱車、3 ロープ(懸架手段)、4 かご、5 パルス発生器、6 ロープ異常検出装置、7 制御盤、8 状態検出装置(懸架手段異常検出部)、9 ロープ異常判定装置(懸架手段異常判定部)、10 かご位置速度検出装置、11 かご制御装置、12 かご位置推定装置、13 かご位置記憶装置、14 かご位置検出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごを昇降させる懸架手段の異常を検出する懸架手段異常検出部と前記懸架手段異常検出部の検出信号に基づいて前記懸架手段の異常の有無を判定する懸架手段異常判定部とを有した懸架手段異常検出装置と、
前記かごの位置を検出するかご位置検出装置と、
前記かご位置検出装置が検出する前記かごの位置と前記懸架手段異常検出部が前記懸架手段の異常を検出してから前記懸架手段異常判定部が前記懸架手段に異常が発生したと判定するまでの経過時間とに基づいて、前記懸架手段異常検出部が前記懸架手段の異常を検出した時の前記かごの位置を推定するかご位置推定装置とを備えたことを特徴とするエレベータの懸架手段異常位置検出装置。
【請求項2】
前記かごの速度を検出するかご速度検出装置をさらに備え、
前記かご位置推定装置は、前記懸架手段異常判定部が前記懸架手段に異常が発生したと判定する時に前記かご速度検出装置が検出する前記かごの速度と前記経過時間とを用いて、前記懸架手段異常検出部が前記懸架手段の異常を検出してから前記懸架手段異常判定部が前記懸架手段に異常が発生したと判定するまでの間における前記かごの位置の変化量を算出することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの懸架手段異常位置検出装置。
【請求項3】
前記かご位置推定装置は、前記かごの走行モードに応じた係数を前記かごの速度に乗じて前記変化量を算出することを特徴とする請求項2に記載のエレベータの懸架手段異常位置検出装置。
【請求項4】
前記かご位置推定装置は、前記かご位置検出装置が検出した前記かごの位置を記憶する記憶装置を有し、前記懸架手段異常判定部が前記懸架手段に異常が発生したと判定する時に前記かご位置検出装置が検出する前記かごの位置から前記経過時間だけ遡った時の前記かごの位置を前記懸架手段異常検出部が前記懸架手段の異常を検出した時の前記かごの位置とすることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの懸架手段異常位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−66930(P2012−66930A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215423(P2010−215423)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】