説明

エレベータドアスイッチの調整治具および調整方法

【課題】ドアスイッチの可動部分と静止部分の相対位置を正確に調整することができる調整治具を提供する。
【解決手段】本発明のエレベータドアスイッチの調整治具20は、ドアスイッチ10の可動部分12および静止部分14をこの調整治具20によって一体に保持した状態で、可動部分12および静止部分14をそれぞれエレベータに固定するものであるから、可動部分12および静止部分14をそれぞれ個別に位置調整する場合に比較し、可動部分12および静止部分14の相対位置を正確にかつ容易に調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータドアスイッチの調整治具および調整方法に関し、より詳しくは、ドアスイッチのうちエレベータの可動側と一体に変位する可動部分と静止側に固定される静止部分の相対位置を正確にかつ容易に調整できるように改良する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータのかごドアおよび乗場ドアにはそれぞれドアスイッチが設けられ、ドアが開いたことを検出するとエレベータの運転を直ちに停止させて乗客の安全を図るようになっている。
【0003】
ここで図6を参照し、かごドアのドアスイッチ取付構造について概説すると、乗りかごの上部に固設されたドアマシンベース1には、左右方向に水平に延びるハンガレール2が固定されている。
そして、左右のかごドア側3L,3Rを吊り下げるドアハンガ4L,4Rには、ハンガレール2の上を転動するハンガローラ5が回転自在に支持されていて、かごドア3L,3Rが図示左右方向に開閉するようになっている。
【0004】
また、ドアマシンベース1に設けられている図示されない駆動プーリおよび従動プーリには、無端状の駆動ベルト6が巻き回されている。
そして、その駆動ベルト6のうち上段側の部分6aには右側のハンガブラケット7を介して右側のかごドア3Rが接続され、かつ下段側の部分6bには左側のハンガブラケット8を介して左側のかごドア3Lが接続されている。
これにより、図示されないドア駆動モータを作動させることによって左右のかごドア3L,3Rを開閉することができる。
【0005】
一方、ドアマシンベース1と左右のハンガブラケット7,8との間には、左右一対のドアスイッチ10L,10Rがそれぞれ介装され、左右のかごドア3L,3Rが開いたことを検出するようになっている。
これらのドアスイッチ10L,10Rはその構造が同一であるため、図7を参照して左側のドアスイッチ10Lについて説明すると、このドアスイッチ10Lは、ハンガブラケット(可動側)8にボルトBで締結されているブラケット11によって支持された可動部分12と、ドアマシンベース(静止側)1にボルトBで締結されたブラケット13によって支持された静止部分14とを有している。
【0006】
これにより、かごドア3Lが閉じると、図8に示したように可動部分12の棒状短絡端子12a,12bと静止部分14の接点15a,15bとが接触し、ばね電極16a,16b間の図示されない電気回路が閉じるため、エレベータの運転が可能な状態となる。
これに対して、かごドア3Lが開くと、図9に示したように可動部分12の棒状棒状短絡端子12a,12bと静止部分14の接点15a,15bと離間し、ばね電極16a,16b間の図示されない電気回路が開くため、エレベータの運転は直ちに停止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したドアスイッチ10L,10Rにおいては、図8に示したように、かごドア3Lが閉じたときに、棒状短絡端子12a,12bと接点14a,14bが確実に接触するように、許容押込ストロークLを越えない範囲で棒状短絡端子12a,12bを静止部分14の内部に押し込む必要がある。
このため、ハンガブラケット8に可動部分12をボルトBで締結するとともに、ドアマシンベース1に静止部分14をボルトBで締結するときには、可動部分12と静止部分14とのドア開閉方向および上下方向の相対位置を確実に調整しなければならない。
【0008】
このとき、図7に示したように、可動部分12はハンガブラケット8に対して上下方向に位置調整自在であり、かつ静止部分14はドアマシンベース1に対してドア開閉方向に位置調整自在となっている。
このため、ドアスイッチ10L,10Rを保守点検する際における、可動部分12と静止部分14との相対位置の調整作業は困難であり熟練を要していた。
【0009】
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、ドアスイッチの可動部分と静止部分の相対位置を正確にかつ容易に調整できるドアスイッチの調整治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための請求項1に記載した手段は、
エレベータのドアが開放したことを検出するドアスイッチのうち、前記ドアの可動側と一体に変位する可動部分と前記ドアの静止側に固定される静止部分との相対位置を調整するための治具であって、
前記可動部分に係合する第1の係合部と、
前記静止部分に係合する第2の係合部と、
前記第1の係合部と前記第2の係合部とを所定の相対位置に保持する保持手段と、
を備え、
前記保持手段は、前記第1の係合部に係合している前記可動部分と前記第2の係合部に係合している前記静止部分とを、そのドアが閉じているエレベータに一体に取り付けたときに、前記可動部分と前記静止部分が所定の相対位置となるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具は、ドアスイッチの可動部分および静止部分をこの調整治具によって一体に保持した状態で、可動部分および静止部分をそれぞれエレベータに固定するものである。
そして、ドアスイッチをエレベータに固定した後に、この調整治具を取り外すと、可動部分および静止部分は所定の相対位置に位置決めされた状態となる。
これにより、ドアスイッチの可動部分および静止部分をそれぞれ個別に位置調整する場合に比較し、可動部分および静止部分の相対位置を正確にかつ容易に調整することができる。
【0012】
このとき、前記保持手段は、所定の厚みを有して前記可動部分と前記静止部分の間に介装される板状部材とすることができる。
これにより、本発明の調整治具をきわめて簡単な構造で実現することができる。
【0013】
また、保持手段の一側に前記第1の係合部を凹設して前記可動部分に外嵌する構造としつつ、この板状部材の他側に前記第2の係合部を凹設して前記静止部分に外嵌する構造とすることができる。
【0014】
また、前記可動部分および前記静止部分のいずれか一方が棒状端子を有するとともに、いずれか他方が前記棒状端子を受容する挿入孔を有するときには、保持手段のうち前記第1の係合部および前記第2の係合部のいずれか一方が前記棒状端子に外嵌し、いずれか他方が前記挿入孔に内嵌する構造とすることができる。
【0015】
また、保持手段は、ドア開閉方向に垂直な方向において前記可動部分および前記静止部分に対し挿抜自在に形成することができる。
これにより、ドアスイッチをエレベータに取り付けた後における調整治具の取り外しを容易なものとすることができる。
【0016】
また、前記保持手段は、前記第1の係合部を有する第1の部分と前記第2の係合部を有する第2の部分から構成するとともに、前記第1の部分と前記第2の部分の相対位置を変更する相対位置変更手段を有することができる。
すなわち、保持手段のうち第1および第2の部分の相対位置を変更することにより、ドアスイッチの可動部分と静止部分のドア開閉方向における相対位置を必要に応じて最適なものとすることができる。
【0017】
前記相対位置調整手段は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に介装されるシムとすることができる。
このとき、前記第1の部分および前記第2の部分のいずれか一方をいずれか他方に向けて付勢し、第1および第2の部分によって前記シムを挟持することが好ましい。
また、前記相対位置調整手段は、前記第1の部分および前記第2の部分の少なくともいずれか一方に螺合するボルトとすることもできる。
【0018】
さらに、前記第1の部分と前記第2の部分との相対位置を表示する目盛りを、前記第1の部分および前記第2の部分のいずれか一方に設けることができる。
これにより、相対位置調整手段を用いて第1および第2の部分の相対位置を適切に調整した後に、この調整治具にドアスイッチの可動部分および静止部分をそれぞれ係合させることにより、ドアスイッチの可動部分および静止部分の相対位置を
【0019】
また、請求項1乃至5のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具を用いて、前記ドアスイッチを調整する場合は、
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を取り付けるとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を取り付けることができる。
【0020】
さらに、請求項6乃至10のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具を用いて、前記ドアスイッチを調整する場合には、
前記相対位置変更手段を用いて前記第1の係合部と前記第2の係合部の相対位置を所定の値に調整した後、
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に一体に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を取り付けるとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を取り付けることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、エレベータドアスイッチの可動部分と静止部分の相対位置を正確にかつ容易に調整できるドアスイッチの調整治具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1乃至図5を参照し、本発明に係るエレベータのドアスイッチ調整治具および調整方法の各実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、前述した従来技術を含めて同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略するとともに、乗りかごのドアが開閉する方向を左右方向と、乗客が乗りかごに出入りする方向を前後方向と、鉛直方向を上下方向と言う。
【0023】
第1実施形態
まず最初に図1を参照し、第1実施形態のドアスイッチ調整治具について説明する。
【0024】
図1(a)に示した調整治具20は、電気絶縁性の樹脂材料から所定の厚みを有する板状の部材として形成されている。
そして、その本体部分(保持部)11には、ドアスイッチ10の可動部分12に設けられている棒状短絡端子12a,12bの基部に外嵌する貫通孔(第1の係合部)22a,22bが貫設されるとともに、棒状短絡端子12a,12bを受容するために静止部分14に設けられている挿入孔14a,14bに内嵌する環状の凸部(第2の係合部)23a,23bが凸設されている。
【0025】
この調整治具20を用いてドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14の相対位置を調整する場合は、まず最初に、可動部分12を支持しているブラケット11をハンガブラケット8に固定しているボルトB、および静止部分14を支持しているブラケット13をドアマシンベース1に固定しているボルトBをそれぞれ緩め、可動部分12および静止部分14を動かすことができる状態にする(図6参照)。
【0026】
次いで、可動部分12と静止部分14との間に調整治具20を介装し、図1(b)に示したように、棒状短絡端子12a,12bの基部に貫通孔22a,22bを外嵌させるとともに、静止部分14の挿入孔14a,14bに環状凸部23a,23bを内嵌させて、本体部分21の一側を可動部分12に密着させ、かつ他側を静止部分14に密着させる。
これにより、可動部分12および静止部分14は、ドア開閉方向および上下方向において所定の相対位置に一体に保持される。
【0027】
それから、左右のかごドア3L,3Rが完全に閉じている状態において各ボルトBを締め付け、可動部分12を支持しているブラケット11をハンガブラケット8に固定し、かつ静止部分14を支持しているブラケット13をドアマシンベース1に固定する。
そして、左右のかごドア3L,3Rをわずかに開けてこの調整治具20をドアスイッチ10から取り除くと、ドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14とを所定の相対位置に位置決めして固定する調整作業が完了する。
【0028】
すなわち、本第1実施形態のドアスイッチ調整治具20は、ドアスイッチ10の可動部分12および静止部分14をこの調整治具20によって一体に保持した状態で、可動部分12および静止部分14をそれぞれハンガブラケット8およびドアマシンベース1に固定するものである。
そして、ドアスイッチ10をエレベータに固定した後に、この調整治具20を取り外すと、可動部分12および静止部分14は所定の相対位置に位置決めされた状態となる。
これにより、ドアスイッチ10の可動部分12および静止部分14をそれぞれ個別に位置調整する場合に比較し、可動部分12および静止部分14の相対位置を正確にかつ容易に調整することができる。
【0029】
第1変形例
次に図2を参照し、第1変形例のドアスイッチ調整治具について説明する。
【0030】
図2(a)に示した調整治具30は、電気絶縁性の樹脂材料から所定の厚みを有する板状の部材として形成されている。
そして、その本体部分(保持部)31には、ドアスイッチ10の可動部分12に外嵌する第1の凹部(第1の係合部)32および静止部分14に外嵌する第2の凹部(第2の係合部)33がそれぞれ凹設されるとともに、棒状短絡端子12a,12bを受容する大径の貫通孔33a,33bが貫設されている。
【0031】
この調整治具30を用いてドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14の相対位置を調整する場合は、可動部分12と静止部分14の間にこの調整治具30を介装し、図2(b)に示したように、第1の凹部32を可動部分12に外嵌するとともに、第2の凹部33を静止部分14に外嵌して、本体部分31の一側を可動部分12に密着させ、かつ他側を静止部分14に密着させる。
なお、この調整治具30を用いたドアスイッチ10の調整方法は、上述した第1実施形態の場合と全く同様である。
【0032】
第2変形例
次に図3を参照し、第2変形例のドアスイッチ調整治具について説明する。
【0033】
図3に示した調整治具40は、第1変形例の調整治具30の形状の一部を変更したものであり、その特徴は、本体部分41に、棒状短絡端子12a,12bを受容するための凹溝42a,42bがそれぞれ凹設されている点にある。
そして、これらの凹溝42a,42bは、本体部分41の後側の側面41aの側にそれぞれ開口している。
【0034】
これにより、図2(b)に示した場合と全く同様に可動部分12と静止部分14との間にこの調整治具40を介装してドアスイッチ10の調整が完了したときに、この調整治具40を前方に引く抜くことにより、左右のかごドア3L,3Rを開くことなく、この調整治具40をドアスイッチ10から取り外すことができる。
これにより、ドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14を所定の相対位置に調整する作業をより一層容易に行うことができる。
【0035】
第2実施形態
次に図4を参照し、第2実施形態のドアスイッチ調整治具について説明する。
【0036】
図4に示した調整治具50は、ドアスイッチ10の可動部分12に設けられている棒状短絡端子12a,12bの基部に外嵌する貫通孔(第1の係合部)51a,51bが貫設されている第1の板状部材(第1の部分)51と、棒状短絡端子12a,12bを受容するために静止部分14に設けられている挿入孔14a,14bに内嵌する環状の凸部(第2の係合部)52a,52bが凸設されている第2の板状部材(第2の部分)52とを有している。
【0037】
また、第2の板状部材52の上下の端部にそれぞれ取り付けられているボルト53,53は、第1の板状部材52を貫通するとともに、それらの先端側に螺合しているナット54,54によってコイルばね55,55がそれぞれ保持されている。
さらに、ボルト53,53の基端には、それぞれ複数枚のシム56,56が取り付けられて、第1の板状部材51と第2の板状部材52の相対間隔を所定の値に保持している。
【0038】
この調整治具50を用いてドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14の相対位置を調整する場合は、まず最初に、第1の板状部材51と第2の板状部材52の間に所定の枚数のシム56,56を介装し、第1の板状部材51と第2の板状部材52の相対間隔を所定の値とする。
【0039】
次いで、可動部分12と静止部分14との間にこの調整治具50を介装し、図4(b)に示したように、棒状短絡端子12a,12bの基部に第1の板状部材51の貫通孔51a,51bを外嵌させるとともに、静止部分14の挿入孔14a,14bに第2の板状部材52の環状凸部52a,52bを内嵌させつつ、第1の板状部材51を可動部分12に密着させ、かつ第2の板状部材52を静止部分14に密着させる。
なお、この調整治具50を用いたドアスイッチ10の調整方法は、上述した第1実施形態の場合と全く同様である。
【0040】
すなわち、本第2実施形態の調整治具50は、その第1の板状部材51と第2の板状部材52の相対位置を変更できるように構成されているので、ドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14のドア開閉方向における相対位置を必要に応じて最適に位置決めすることができる。
また、コイルばね55によって第1の板状部材51を第2の板状部材52に向かって付勢することにより、第1の板状部材51と第2の板状部材52の間にシム56を挟持する構造となっていて、第1の板状部材51と第2の板状部材52の相対間隔が変動することがないから、ドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14のドア開閉方向における相対位置を正確に調整することができる。
【0041】
第3変形例
次に図5を参照し、第3変形例のドアスイッチ調整治具について説明する。
【0042】
図5に示した調整治具60は、ドアスイッチ10の可動部分12に設けられている棒状短絡端子12a,12bの基部に外嵌する貫通孔(第1の係合部)61a,61bが貫設されている第1の板状部材(第1の部分)61と、棒状短絡端子12a,12bを受容するために静止部分14に設けられている挿入孔14a,14bに内嵌する環状の凸部(第2の係合部)62a,62bが凸設されている第2の板状部材(第2の部分)62とを有している。
そして、第1の板状部材61の上下の端部にそれぞれ取り付けられているボルト63,63は、第2の板状部材52に螺合している。
【0043】
この調整治具60を用いてドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14の相対位置を調整する場合は、まず最初に、ボルト63,63をねじ回すことにより、第1の板状部材51と第2の板状部材52の間隔を所定の値に設定する。
このとき、第1の板状部材51の上下の端部からそれぞれ延設されているフランジ61cの外側表面に目盛りが刻設されているので、第1の板状部材51と第2の板状部材52の間隔を所定の値に正確に設定することができる。
なお、この調整治具60を用いたドアスイッチ10の調整方法は、上述した第2実施形態の場合と全く同様である。
【0044】
以上、本発明に係るエレベータドアスイッチの各実施形態および各変形例について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第2および第3実施形態の調整治具50,60においても、図3に示した第2変形例の調整治具40と同様に、ドアスイッチ10の調整が完了したときに前方に引く抜くことができるように変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1実施形態の調整治具を示す断面図。
【図2】第1変形例の調整治具を示す断面図。
【図3】第2変形例の調整治具を示す斜視図。
【図4】第2実施形態の調整治具を示す断面図。
【図5】第3変形例の調整治具を示す断面図。
【図6】ドアスイッチの取付構造を示すかごドアの正面図。
【図7】ドアスイッチの取付構造を拡大して示す正面図。
【図8】ドアスイッチの構造を示す断面図。
【図9】ドアスイッチの構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0046】
3L,3R かごドア
10L,10R ドアスイッチ
12 可動部分
12a,12b 棒状短絡端子
14 静止部分
15a,15b 接点
16a,16b ばね状電極
20 第1実施形態の調整治具
30 第1変形例の調整治具
40 第2変形例の調整治具
50 第2実施形態の調整治具
60 第3実施形態の調整治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのドアが開放したことを検出するドアスイッチのうち、前記ドアの可動側と一体に変位する可動部分と前記ドアの静止側に固定される静止部分との相対位置を調整するための治具であって、
前記可動部分に係合する第1の係合部と、
前記静止部分に係合する第2の係合部と、
前記第1の係合部と前記第2の係合部とを所定の相対位置に保持する保持手段と、
を備え、
前記保持手段は、前記第1の係合部に係合している前記可動部分と前記第2の係合部に係合している前記静止部分とを、そのドアが閉じているエレベータに一体に取り付けたときに、前記可動部分と前記静止部分が所定の相対位置となるように構成されていることを特徴とするエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項2】
前記保持手段は、所定の厚みを有して前記可動部分と前記静止部分の間に介装される板状部材であることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項3】
前記第1の係合部は、前記保持手段の一側に凹設されて前記可動部分に外嵌し、
前記第2の係合部は、前記保持手段の他側に凹設されて前記静止部分に外嵌する構造であることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項4】
前記可動部分および前記静止部分のいずれか一方が棒状端子を有するとともに、いずれか他方が前記棒状端子を受容する挿入孔を有するときに、
前記第1の係合部および前記第2の係合部のいずれか一方が前記棒状端子に外嵌するとともに、いずれか他方が前記挿入孔に係合する構造であることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項5】
前記保持手段は、前記可動部分および前記静止部分に対しドア開閉方向に垂直な方向において挿抜自在に構成されていることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項6】
前記保持手段は、前記第1の係合部を有する第1の部分と前記第2の係合部を有する第2の部分から構成されるとともに、前記第1の部分と前記第2の部分の相対位置を変更する相対位置変更手段を有していることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項7】
前記相対位置調整手段は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に介装されるシムであることを特徴とする請求項6に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項8】
前記第1の部分および前記第2の部分のいずれか一方をいずれか他方に向けて付勢し、前記第1および第2の部分によって前記シムを挟持する付勢手段をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項9】
前記相対位置調整手段は、前記第1の部分および前記第2の部分の少なくともいずれか一方に螺合するボルトであることを特徴とする請求項6に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項10】
前記第1の部分と前記第2の部分の相対位置を表示する、前記第1の部分および前記第2の部分の少なくともいずれか一方に設けられた目盛りを有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具を用いて前記ドアスイッチを調整する方法であって、
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に一体に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を固定するとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を固定することを特徴とするエレベータドアスイッチの調整方法。
【請求項12】
請求項6乃至10のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具を用いて前記ドアスイッチを調整する方法であって、
前記相対位置変更手段を用いて前記第1の部分と前記第2の部分の相対位置を調整した後、
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に一体に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を固定するとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を固定することを特徴とするエレベータドアスイッチの調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−208740(P2010−208740A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54693(P2009−54693)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】