エレベーターの安全装置及び安全制御方法
【課題】小径の紐状異物やテープ状の紐状異物を検出することができ、保守に手間がかからず、デザイン性を損なわないとともに、異物検出時に乗客が迅速に対処できるエレベーターの安全装置の提供。
【解決手段】かご側ドア1およびその敷居2と乗場側ドアおよびその敷居の間に設けられ、出入口の間口幅に渡って線状に発光する発光装置8と、出入口の上部に設置されるカメラ10と、このカメラが取り込んだ画像を処理する画像処理手段11とを備え、発光装置を発光させ、敷居面やドア先端面を含む画像をカメラで取り込み、画像処理手段により発光装置の光で明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域が分断されていることをもって異物を検出するようにした。
【解決手段】かご側ドア1およびその敷居2と乗場側ドアおよびその敷居の間に設けられ、出入口の間口幅に渡って線状に発光する発光装置8と、出入口の上部に設置されるカメラ10と、このカメラが取り込んだ画像を処理する画像処理手段11とを備え、発光装置を発光させ、敷居面やドア先端面を含む画像をカメラで取り込み、画像処理手段により発光装置の光で明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域が分断されていることをもって異物を検出するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアが設置される出入口における危険を回避するエレベーターの安全装置及び安全制御方法に係り、特に、ペット用リード等の紐状異物の挟まれ事故を回避するエレベーターの安全装置及び安全制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターがドアを閉じる際に、乗降客や乗降客の手荷物などがドアに挟まれることを防止するため、エレベーターのドア端にはセーフティーシューと呼ばれる感知バーが設けられている。乗客等がドアの先端面に触れることによりセーフティーシューがドア開方向に押し込まれると、ドアを閉じることを中止して再び開くなどして乗客等の挟まれ事故を防止している。
【0003】
ところで、ペット用リードのような細い紐状異物は、前述したセーフティーシューでは検出が困難である。このため、発明者は、ドアの開閉する出入口の上部にカメラと照明を設け、ドア先端面と敷居面に設けた反射部に照明光を反射させ、光が異物で遮られることをカメラで検出することにより異物を検出する安全装置を提案(特願2008−284501号)した。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、ドアの開閉する出入口の枠の部分に線状に発光する発光装置を設け、対向する他方の枠の部分にカメラを設け、発光装置の光が異物で遮られることをカメラで検出することにより、異物を検出する安全装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−338846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した照明とカメラを用いる安全装置では、敷居面上にある紐状異物を検出するためには、敷居面上に光反射部材や線状発光装置を設ける必要がある。敷居面上の光反射部材や発光装置は、エレベーターに乗降する乗客の靴底と接触を繰り返すため、経年と共に表面が汚れたり傷ついたりする。
【0007】
また、出入口の枠の部分やドア先端面に設けた光反射部材や発光装置についても、乗客の手先や荷物などが接触することにより、経年と共に表面が汚れたり傷ついたりする。このため、定期的に光反射部材や発光装置を交換する必要があり、保守に手間がかかるという課題がある。
【0008】
また、前述した照明とカメラを用いる安全装置では、ドア先端面や敷居面、あるいは出入口の枠面上に光反射部材や線状発光装置を設けるため、出入口のデザインの統一性を損なうという課題がある。エレベーターでは、高級感や建物内装との一体感を創出するため、出入口枠、ドア、ドア先端面などは、同一の化粧板などで構成されることが多い。これが光反射部材や線状発光装置によって分断されると、デザイン性が損なわれてしまう。
【0009】
さらに、前述した照明とカメラを用いる安全装置では、ドアを閉じる前に異物を検出し、異物が在る場合にはドアを閉じずに異物が取り除かれるまで待機する。この間、異物があるためドアが閉じない旨をかご内アナウンスや警告音で乗客に伝えたとしても、異物が紐のような目立ちにくいものであった場合、乗客が気付かずに、迅速に障害が解消されないという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、小径の紐状異物やテープ状紐状異物を検出することができ、保守に手間がかからず、デザイン性を損なわないエレベーターの安全装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、紐状異物が検出された際に、乗客が迅速に対処することができるエレベーターの安全装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はその一面において、エレベーター出入口の異物を検出するエレベーターの安全装置において、ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けられ、前記出入口の間口幅に亘って発光し、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間を通して上方へ投光する発光装置、前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラ、及びこのカメラが取り込んだ画像から、前記発光装置により明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域の分断及び/又は一部の欠落等の変化に応答して異物の存在を検出する画像処理手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の望ましい実施態様においては、発光装置をかご側敷居下部に設け、発光装置の光を乗場側敷居下部に設けた光反射部材に反射させてカメラに到達させる。
【0014】
また、本発明の望ましい実施態様においては、出入口の間口幅に亘って一直線上に列設した発光装置を複数の部分に分割してそれぞれ独立させておき、画像処理手段により異物が検出されたら、発光装置において異物が検出された位置に対応する部分のみを発光させる制御手段を備えている。
【0015】
また、本発明の他の望ましい実施態様においては、かご側ドアと乗場側ドアの間に、上下方向に一直線状に列設され、戸開端に向かって発光する第2の発光装置が設けられ、前記カメラはドア先端面をも含む画像を取り込むようにしたことを特徴としている。
【0016】
このとき、さらに、ドアが開いた状態において、前記第2の発光装置から下方への延長線上の敷居下部に位置するように配置され、ドア先端面の下端や敷居の端部付近に向かって発光する第3の発光装置を備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の望ましい実施態様によれば、ドアの敷居よりも下方に設けた発光装置からの光をカメラで取り込み、画像処理手段により発光装置の光で明るくなった領域を抽出し、明るい領域が分断及び/又は一部の欠落などの変化をもって、小径の紐やテープ状紐を含む出入口の異物を検出できるので、発光装置が乗客の靴底に直接触れることが無く、表面の汚れや傷の発生が無く、発光装置を交換する保守の手間を軽減することができる。
【0018】
また、発光装置が直接見えないので、出入口のデザイン性を損なうことがない。
【0019】
発光装置をかご側の敷居下部に設け、発光装置の光を乗場側敷居下部に設けた光反射部材に反射させてカメラに到達するようにした本発明の実施態様によれば、発光装置をかご側に設けるので、エレベーターが停止する全ての階床の乗場側にそれぞれ発光装置を設ける必要が無く、経済的であるとともに、保守の手間を軽減することができる。
【0020】
また、画像処理手段により異物を検出したとき、異物が検出された位置に対応する部分のみを発光させる制御手段を備えた本発明の実施態様によれば、異物が存在する場所を発光装置の光で示すことで、乗客に異物の存在を気付かせ、異物を取り除くことができるので、迅速に障害を解消することができる。
【0021】
また、発光装置が、かご側ドアと乗場側ドアの間及び/又はその下方にも、第2及び/又は第3の発光装置を設け、カメラがドア先端面をも含む画像を取り込むようにした本発明の望ましい実施態様によれば、これらの光を遮る異物をカメラで検出することにより、敷居面上の異物だけではなく、ドア先端面付近にある異物をも検出することができる。
【0022】
また、本発明の望ましい実施態様によれば、利用者に発光装置が直接見えないので、出入口のデザイン性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施例1による発光装置、カメラの位置関係を透視した側面図。
【図3】本発明の実施例1による発光装置の取り付け位置を透視した正面図。
【図4】本発明の実施例1の変形例により、発光装置を乗場側ドアの敷居下部に設けた場合の位置関係を透視した側面図。
【図5】本発明の実施例1によりカメラに取り込んだ画像を示す上面図。
【図6】本発明の実施例1により発光装置の光により明るくなった領域を抽出した状態を示す上面図。
【図7】本発明の実施例2によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図。
【図8】本発明の実施例2による発光装置の位置関係を透視した側面図。
【図9】本発明の実施例2によるかご側ドアと乗場側ドアの間に設けた発光装置の位置関係を透視した上面図。
【図10】本発明の実施例2によりカメラに取り込んだ画像を示す上面図。
【図11】本発明の実施例2により発光装置の光により明るくなった領域を抽出した状態を示す上面図。
【図12】本発明を適用できるエレベーターの制御装置の処理フロー図。
【図13】本発明の一実施例によるドア制御装置の処理フロー図。
【図14】本発明の一実施例による異物検出時の注意喚起発光状態を示す上面図。
【図15】本発明の一実施例による異物検出制御手段の処理フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態によるエレベーターの安全装置を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の実施例1によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図である。
【0026】
本実施例の安全装置が適用される両開き式のエレベータードアは、図1に示すように、かごの出入口に配設されるドア1と、ドア1の下部を案内する敷居2と、ドア1の上部に取り付けられる戸車3と、戸車3が走行するドアレール4を備えている。また、ドア1を開閉するモータの制御、ドア開閉に関する各種安全装置のセンサ信号の検出等を行うドア制御装置5と、エレベーターホールの呼び釦やかご内の行先階釦の状態に応じてかごの運行を制御するエレベーター制御装置6とが備えられている。
【0027】
そして、安全装置として、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間に設けられた発光装置8と、出入口の中央上部に設けられたカメラ10と、カメラ10により取り込んだ画像に対して異物検出の処理を行う画像処理手段11と、発光装置8の点灯および消灯、画像の取り込み、画像処理の開始等の制御を行う異物検出制御手段12とを備えている。
【0028】
なお、ここでは、ドア制御装置5、エレベーター制御装置6、画像処理手段11、および異物検出制御手段12は、それぞれ独立したマイクロプロセッサ上のプログラムとして実装しても良いし、同一のマイクロプロセッサ上のプログラムとして実装しても良い。
【0029】
また、カメラ10は、かご側、または乗場側のいずれに設置しても良いが、本実施形態のようにかご側に設ければ、1つのセットで全階床をカバーできるので効率的である。
【0030】
ここで、発光装置8の設置位置の詳細について図2、図3に基づき説明する。
【0031】
図2は、本発明の実施例1による発光装置、カメラの位置関係を透視した側面図で、図3は、本発明の実施例1による発光装置の取り付け位置を透視した正面図である。
【0032】
図2,3において、1はかご側ドア、2はかご側ドアの敷居、13は乗場側のドア、14は乗場側ドアの敷居である。また、15はかご側ドアに設けられたセーフティーシューである。発光装置8は、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間に、出入口の間口幅に亘って列設され、図2の例では、かご側ドアの下部に取付け部材16を介して取付けられている。また、カメラ10はドア上部のかご内の化粧板17の背後に設置されている。発光装置8の光は、乗場側ドアの敷居14の側面、あるいはその下部に設置されたフィッシャープレート18の表面に設置された光反射部材9を介してカメラ10に到達するようにする。かご側ドアの敷居の下部にエプロン19が設けられている場合は、開口部20を設けて発光装置の光が透過できるようにする。
【0033】
発光装置8は、図3に示すように出入口の開口部の幅全体をカバーするように一直線状に設置する。また、発光装置8は、図の8aから8dに示すように複数のブロック(発光装置単位)に分かれており、それぞれ独立に発光できるようにする。
【0034】
光反射部材9は鏡面のように光を全反射する部材であっても良いし、光を乱反射する白色面を有した部材であっても良い。また、発光装置8を紫外線発光装置、光反射部材9を蛍光体を有した部材として、紫外線照射による蛍光体の発光により光らせるものであっても良い。
【0035】
図4は、本発明の実施例1の変形例により、発光装置を乗場側ドアの敷居下部に設けた場合の位置関係を透視した側面図である。図4において、図2と同一符号は同一又は相当物を示し、重複説明は避ける。
【0036】
この例では、発光装置8をフィッシャープレート18の背後に設置し、フィッシャープレート18に設けた開口部21を介して光が透過できるようにする。この場合は、発光装置8の光を直接カメラ10に到達させることができる位置関係にあるので、図2の光反射部材9は必要がない。また、発光装置8を薄型面発光装置として、図2の光反射部材9の位置に設けるものであっても良い。
【0037】
次に、画像処理手段11による異物検出の方法について図5および図6に基づき説明する。
【0038】
画像処理手段11は、カメラ10より取り込んだ画像を処理することにより異物を検出する。図5は、カメラ10で取り込んだ画像の一例である。画像には、かご内の乗客50、乗客が持つペット用の紐(ペットリード)51、およびかご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間52(かごと乗場の隙間部分)が写っている。乗客のペット(図示せず)がかごの外におり、紐51が出入口の内外に跨っている状態である。
【0039】
この状態でドア1を閉じ、かごが動き出すと紐51が引っ張られて乗客やペットが怪我をする危険があるので、出入口に跨る紐51を検出し、戸閉を禁止する必要がある。
【0040】
通常の照明条件下では、図5に示すように、紐51と背景となるかご床や敷居面との間で必ずしも十分な明るさの差を確保できず、紐51と背景とを確実に切り分けることが難しい。また、外部からの日差しなど強い外乱光があると、異物と誤認識することも考えられる。
【0041】
このため、本実施例では、図6に示すように、かご側の敷居と乗場側の敷居との隙間部分62を、発光装置8によって光らせる。これにより、画面上、明るくなった部分62を抽出し、この明るくなった部分が紐などの異物61で分断されていることを検出することにより、紐61の明るさや周囲の照明条件によらず紐61を検出する。
【0042】
発光装置の光によって明るくなった部分を抽出する方法としては、種々の方法が考えられる。例えば、明るくなった隙間部分62の明るさを基準としたしきい値により、図6の画像を2値化すると、図6に示すように、隙間部分は明るい領域62、その他の部分は暗い領域63として2値化される。
【0043】
また、他の方法としては、発光装置8を発光しない状態における画像と、発光装置8を発光した状態における画像を取り込み、二つの画像の明るさの差が所定の値以上の部分を抽出する。発光装置8を発光させたことによって明るくなった隙間部分62の明るさは、発光装置8を発光させていない状態より明るくなるので、明るくなった隙間部分の領域を抽出することができる。
【0044】
このようにして抽出した隙間部分62の領域が異物によって分断されている場合、あるいは一部が欠落している場合は、画像処理手段11は紐等の異物があると判定する。カメラの解像度を考慮に入れると、このような方法で異物検出を行うことにより、小径の紐状異物やテープ状の紐状異物であっても検出できる。また、紐状異物だけでなく、乗客や乗客の手荷物などが、隙間部分62を遮る場合にも、異物として検出可能である。
【0045】
以上の実施例1を要約すれば、次の通りである。
【0046】
まず、上部がドアレール4で案内され下部が敷居2により案内され、かご側ドア1と乗場側ドア13とが連動して開閉されるエレベーター出入口の異物を検出するエレベーターの安全装置を前提としている。
【0047】
ここで、ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けられ、前記出入口の間口幅に亘って発光し、かご側ドア1の敷居2と乗場側ドア13の敷居14の間の隙間を通して上方へ投光する発光装置8を配置している。また、前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラ10と、このカメラが取り込んだ画像から、前記発光装置により明るくなった領域62を抽出し、明るくなった領域の分断(図6)及び/又は一部の欠落に応答して異物61の存在を検出する画像処理手段11を備えている。
【実施例2】
【0048】
図7は、本発明の実施例2によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図である。
【0049】
本実施例の安全装置が適用される両開き式のエレベータードアは、図7に示すように、図1と同様の構造と制御装置を持つものとする。ここで、図1との相違は、安全装置として、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間に設けられた発光装置8のほかに、かご側ドアと乗場側ドアの間に設けた第2の発光装置7aおよび、かご側と乗場側の間の隙間を切れ目なく発光させるために、全開時のかごドアの下方となるかご側に設けた第3の発光装置7bを設ける。発光装置7bは、図7に示すように、ドアが開いた状態において、発光装置7aの延長線上の敷居下部に位置するように配置する。発光装置7a、7b、および8によって、かご側と乗場側の隙間を、途切れることなく発光させる。
【0050】
図8は、本発明の実施例2による発光装置7a,7bの位置関係を、乗場側ドア13を取り去って乗場側から透視した側面図であり、図9は同じくかご側ドアと乗場側ドアの間に設けた発光装置7aの位置関係をドア上部から見た様子を示すイメージ図である。
【0051】
これらの図を参照して、かご側ドアと乗場側ドアの間に設けた発光装置7aおよびかごドアの下方に設けた発光装置7bの詳細について説明する。
【0052】
発光装置7aは、かご側ドア1と乗場側ドア13の間に設置され、この例では、かご側ドア1の裏側のセーフティーシュー15およびその支持機構と干渉しない位置に取付けられている。発光装置7aの光は乗場側ドア13の裏側に設置された光反射部材22を介してカメラ10(図示せず)に到達するようにする。発光装置7aは、ドア先端面に平行にすなわち垂直に床面高さからカメラ10の視野に入る範囲までの高さに亘って一直線状に列設する。
【0053】
なお、変形例として、発光装置7aを、乗場側ドア13の裏面に設置する場合には、図示する光反射部材22の位置に設置し、光反射部材は不要となる。光反射部材22の構成例としては、光反射部材9(図2)の場合と同様に、鏡面反射面を有するもの、白色面を有するもの、蛍光体を有するものなどが考えられる。
【0054】
また、ドアおよび敷居の、かご側と乗場側の間の隙間が切れ目なく発光するように発光装置7bを設ける。発光装置7bは、ドアが開いた状態において、一直線状に列設された第2の発光装置7aの延長線上の敷居下部位置に設ける。発光装置7bの光は、発光装置7aと8の光との間が途切れることが無いように、乗場側ドア裏に設けた光反射部材22を介してカメラ10に到達するように、その向きが調節されている。発光装置7a、7b、および8によって、かご側と乗場側の隙間が途切れることなく発光する。
【0055】
以上の説明では、発光装置7a,7bと8をかご側に取付ける場合と乗場側に取付ける場合について説明したが、乗場側に取付ける場合は、エレベーターが停止する全ての階床に取付ける必要があるため、取付け工事や保守に手間がかかる。従って、発光装置7a,7bと8は、かご側に取付けることが望ましい。
【0056】
図10および図11は、実施例2による異物検知動作を、それぞれ図5および図6に対応して示すための画像の一例である。
【0057】
実施例1においては、乗り場とかご間の乗降口のうち、敷居の上だけを発光させるものであった。このため、カメラから見て、図6の発光部62よりも外側にペットリードが存在する場合には、その存在を検知することが困難となる可能性が高くなる。
【0058】
これに対して、実施例2によれば、発光装置7a,7b,および8によって、図11に示すように、ドアの敷居の隙間だけでなく、ドアの先端面の隙間まで、連続して発光させる。したがって、敷居の間の隙間だけでなく、図11に示すように、ドアの先端面に沿って浮いた状態にあるペットリード61であっても、確実に、発光部64を分断及び/又は一部を欠落させることができ、この分断及び/又は一部の欠落を検出することにより、紐61の明るさや周囲の照明条件によらず紐61を検出することができる。
【0059】
このような方法で異物検出を行うことにより、小径の紐状異物がドア先端面に接している状態など、紐状異物やテープ状の紐状異物がどこにあってもこれを検出できる。
【0060】
次に、エレベーターの運行を含む本発明の一実施例による装置全体の動きを図12、図13、および図15に基づき説明する。
【0061】
エレベーター制御装置6は、図12に示すように、エレベーターのかごが目的階に到着すると、ドア制御装置5に対してドア1を開く指令を出す(S1、S2)。所定の時間が経過するか、或いはかご内のドア閉釦が押下されたらドア制御装置5に対してドアを閉じる指令を出す(S3、S4)。そして、ドア1が正常に閉じたことを確認したら次の目的階に移動を開始する(S5、S6)。
【0062】
ドア制御装置5は、図13に示すように、例えば、エレベーター制御装置6からドア1を閉じる指令を受けると、異物検出制御手段12に異物検出開始の指令を出す(S10、S11)。異物検出の結果、「異物有り」となった場合は、乗客に異物の除去を促すようなメッセージ、或いは警告音などを放送する(S12、S13)。同時に、異物が検出された位置に対応する発光装置を発光させる(S14)。そして、「異物無し」となるまで異物検出処理を繰り返し、その間、メッセージや警告音、あるいは発光装置の点滅を継続する。そして、「異物無し」となったらドア1を閉じ始める(S12、S15)。
【0063】
図14は、本発明の一実施例による異物検出時の注意喚起発光状態を示す上面図であり、異物検出後に、異物検知部付近45のみの発光装置8cを発光させている様子の一例を示している。この例では、異物が発光装置8cの発光範囲45に含まれるので、発光装置8cのみを点灯している。このとき、発光装置は、継続的に点灯させるものであってもよいし、点滅させるものであってもよい。このように、光で異物の存在を乗客に示すことにより、単にメッセージや警告音を放送するよりも確実に乗客に異物の存在を気付かせることができ、迅速に異物を取り除くことが可能となる。また、聴覚に障害のある乗客に対しても、確実に異物の存在を気付かせることができ、乗客にとって親切な安全装置とすることができる。
【0064】
図13の処理フローにおいて、異物検出はドア1を閉じる前だけでなく、ドア1を閉じ始めてから、ドア1が閉じきる直前まで実施するものとし、異物が検出されたらドア1を開くような構成としても良い。これにより、乗客がドア1にぶつかる前にドア1を反転させ、セーフティーシューよりも更に安全にドア1を制御することができる。
【0065】
異物検出制御手段12は、図15に示すように、ドア制御装置5から異物検出開始の指令を受けると(S20)、発光装置7a,7b,および8を点灯し(S21)、カメラ10より画像を取り込み(S22)、発光装置7a,7b,および8を消灯する(S23)。発光装置を点灯しない時の画像と、点灯した時の画像の差から明るくなった領域を抽出する場合は、S21で発光装置を点灯する前にも画像を取り込む。そして、取り込んだ画像に対して、画像処理手段11により前述した図5,6や図10,11を参照して説明した画像処理を行うことにより、異物の有無を判定し(S24)、結果をドア制御装置5へ送る(S25)。なお、発光装置7a,7b,および8は、常時点灯していてもよいが、画像を取り込む時だけ点灯させることにより電力を節約できる。また、画像を取り込む時だけ発行装置7a,7b,および8を瞬間的に光らせることにより、エレベーターの意匠デザインに対する影響を最小限にとどめ、美観を損なわないようにすることができる。
【0066】
本実施形態によれば、ドアの敷居よりも下方、あるいはドア先端面よりも内側に、発光装置を設けることにより、発光装置が乗客の靴底や荷物、あるいは手先に直接触れることが無く、表面の汚れや傷の発生を軽減し、検出感度を長期間に亘って維持することができる。このため、発光装置を交換する保守の手間を軽減することができる。
【0067】
また、発光装置を、直接、外部から見えなくした場合には、出入口のデザイン性を損なうことがない。
【0068】
また、異物が存在する場所を発光装置の光で示すようにした場合には、乗客に異物の存在を気付かせ、異物を取り除くことができるので、迅速に障害を解消することができる。
【0069】
なお、前述した実施形態では、2枚のドア1が出入口中央から左右に開く両開きタイプのエレベーターを例として説明したが、ドアが片側から開く片開きタイプのエレベーターにも本発明を適用できるのは言うまでもない。この場合、ドアの無い側については、ドア先端面が当接するドア枠部分のかご側部分と乗場側部分の間に発光装置を設ければよい。
【0070】
また、画像処理手段および異物検出制御手段を、ドア制御装置やエレベーター制御装置とは異なるマイクロプロセッサ上のプログラムとして構成し、これと照明およびカメラをまとまった装置として構成することができる。この場合、既設のエレベーターに対しても本発明を容易に適用することができる。その際、既設のエレベーターのドア制御装置に、図13のステップS11,S12,S13,およびS14に示す処理機能を加えればよい。
【0071】
また、カメラ10は、比較的広い視野を有するように設定して、カメラ10でかご内部の様子も見られるようにしておくことで、カメラ10を異物検出だけではなく、かご内の監視カメラとしても使用することができる。
【0072】
夜間や早朝などエレベーターの利用者がいない時間帯に点検動作をさせる場合には、ドアを開いた状態で異物検出を行い、毎回同じ位置に異物が検出される場合には、発光装置の故障や汚れ、あるいはカメラの故障や汚れが予想される。この場合は、ドア安全装置に障害ありとして、保守会社に通報することにより、迅速に対処することができる。
【符号の説明】
【0073】
1…かご側ドア、2…敷居、5…ドア制御装置、6…エレベーター制御装置、7a,7b,8(8a〜8d)…発光装置、9…光反射部材、10…カメラ、11…画像処理手段、12…異物検出制御手段、13…乗り場側ドア、45…注意喚起発光部、50…乗客、51,61…紐、62,64…発光装置により明るくなった領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアが設置される出入口における危険を回避するエレベーターの安全装置及び安全制御方法に係り、特に、ペット用リード等の紐状異物の挟まれ事故を回避するエレベーターの安全装置及び安全制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターがドアを閉じる際に、乗降客や乗降客の手荷物などがドアに挟まれることを防止するため、エレベーターのドア端にはセーフティーシューと呼ばれる感知バーが設けられている。乗客等がドアの先端面に触れることによりセーフティーシューがドア開方向に押し込まれると、ドアを閉じることを中止して再び開くなどして乗客等の挟まれ事故を防止している。
【0003】
ところで、ペット用リードのような細い紐状異物は、前述したセーフティーシューでは検出が困難である。このため、発明者は、ドアの開閉する出入口の上部にカメラと照明を設け、ドア先端面と敷居面に設けた反射部に照明光を反射させ、光が異物で遮られることをカメラで検出することにより異物を検出する安全装置を提案(特願2008−284501号)した。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、ドアの開閉する出入口の枠の部分に線状に発光する発光装置を設け、対向する他方の枠の部分にカメラを設け、発光装置の光が異物で遮られることをカメラで検出することにより、異物を検出する安全装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−338846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した照明とカメラを用いる安全装置では、敷居面上にある紐状異物を検出するためには、敷居面上に光反射部材や線状発光装置を設ける必要がある。敷居面上の光反射部材や発光装置は、エレベーターに乗降する乗客の靴底と接触を繰り返すため、経年と共に表面が汚れたり傷ついたりする。
【0007】
また、出入口の枠の部分やドア先端面に設けた光反射部材や発光装置についても、乗客の手先や荷物などが接触することにより、経年と共に表面が汚れたり傷ついたりする。このため、定期的に光反射部材や発光装置を交換する必要があり、保守に手間がかかるという課題がある。
【0008】
また、前述した照明とカメラを用いる安全装置では、ドア先端面や敷居面、あるいは出入口の枠面上に光反射部材や線状発光装置を設けるため、出入口のデザインの統一性を損なうという課題がある。エレベーターでは、高級感や建物内装との一体感を創出するため、出入口枠、ドア、ドア先端面などは、同一の化粧板などで構成されることが多い。これが光反射部材や線状発光装置によって分断されると、デザイン性が損なわれてしまう。
【0009】
さらに、前述した照明とカメラを用いる安全装置では、ドアを閉じる前に異物を検出し、異物が在る場合にはドアを閉じずに異物が取り除かれるまで待機する。この間、異物があるためドアが閉じない旨をかご内アナウンスや警告音で乗客に伝えたとしても、異物が紐のような目立ちにくいものであった場合、乗客が気付かずに、迅速に障害が解消されないという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、小径の紐状異物やテープ状紐状異物を検出することができ、保守に手間がかからず、デザイン性を損なわないエレベーターの安全装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、紐状異物が検出された際に、乗客が迅速に対処することができるエレベーターの安全装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はその一面において、エレベーター出入口の異物を検出するエレベーターの安全装置において、ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けられ、前記出入口の間口幅に亘って発光し、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間を通して上方へ投光する発光装置、前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラ、及びこのカメラが取り込んだ画像から、前記発光装置により明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域の分断及び/又は一部の欠落等の変化に応答して異物の存在を検出する画像処理手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の望ましい実施態様においては、発光装置をかご側敷居下部に設け、発光装置の光を乗場側敷居下部に設けた光反射部材に反射させてカメラに到達させる。
【0014】
また、本発明の望ましい実施態様においては、出入口の間口幅に亘って一直線上に列設した発光装置を複数の部分に分割してそれぞれ独立させておき、画像処理手段により異物が検出されたら、発光装置において異物が検出された位置に対応する部分のみを発光させる制御手段を備えている。
【0015】
また、本発明の他の望ましい実施態様においては、かご側ドアと乗場側ドアの間に、上下方向に一直線状に列設され、戸開端に向かって発光する第2の発光装置が設けられ、前記カメラはドア先端面をも含む画像を取り込むようにしたことを特徴としている。
【0016】
このとき、さらに、ドアが開いた状態において、前記第2の発光装置から下方への延長線上の敷居下部に位置するように配置され、ドア先端面の下端や敷居の端部付近に向かって発光する第3の発光装置を備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の望ましい実施態様によれば、ドアの敷居よりも下方に設けた発光装置からの光をカメラで取り込み、画像処理手段により発光装置の光で明るくなった領域を抽出し、明るい領域が分断及び/又は一部の欠落などの変化をもって、小径の紐やテープ状紐を含む出入口の異物を検出できるので、発光装置が乗客の靴底に直接触れることが無く、表面の汚れや傷の発生が無く、発光装置を交換する保守の手間を軽減することができる。
【0018】
また、発光装置が直接見えないので、出入口のデザイン性を損なうことがない。
【0019】
発光装置をかご側の敷居下部に設け、発光装置の光を乗場側敷居下部に設けた光反射部材に反射させてカメラに到達するようにした本発明の実施態様によれば、発光装置をかご側に設けるので、エレベーターが停止する全ての階床の乗場側にそれぞれ発光装置を設ける必要が無く、経済的であるとともに、保守の手間を軽減することができる。
【0020】
また、画像処理手段により異物を検出したとき、異物が検出された位置に対応する部分のみを発光させる制御手段を備えた本発明の実施態様によれば、異物が存在する場所を発光装置の光で示すことで、乗客に異物の存在を気付かせ、異物を取り除くことができるので、迅速に障害を解消することができる。
【0021】
また、発光装置が、かご側ドアと乗場側ドアの間及び/又はその下方にも、第2及び/又は第3の発光装置を設け、カメラがドア先端面をも含む画像を取り込むようにした本発明の望ましい実施態様によれば、これらの光を遮る異物をカメラで検出することにより、敷居面上の異物だけではなく、ドア先端面付近にある異物をも検出することができる。
【0022】
また、本発明の望ましい実施態様によれば、利用者に発光装置が直接見えないので、出入口のデザイン性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施例1による発光装置、カメラの位置関係を透視した側面図。
【図3】本発明の実施例1による発光装置の取り付け位置を透視した正面図。
【図4】本発明の実施例1の変形例により、発光装置を乗場側ドアの敷居下部に設けた場合の位置関係を透視した側面図。
【図5】本発明の実施例1によりカメラに取り込んだ画像を示す上面図。
【図6】本発明の実施例1により発光装置の光により明るくなった領域を抽出した状態を示す上面図。
【図7】本発明の実施例2によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図。
【図8】本発明の実施例2による発光装置の位置関係を透視した側面図。
【図9】本発明の実施例2によるかご側ドアと乗場側ドアの間に設けた発光装置の位置関係を透視した上面図。
【図10】本発明の実施例2によりカメラに取り込んだ画像を示す上面図。
【図11】本発明の実施例2により発光装置の光により明るくなった領域を抽出した状態を示す上面図。
【図12】本発明を適用できるエレベーターの制御装置の処理フロー図。
【図13】本発明の一実施例によるドア制御装置の処理フロー図。
【図14】本発明の一実施例による異物検出時の注意喚起発光状態を示す上面図。
【図15】本発明の一実施例による異物検出制御手段の処理フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態によるエレベーターの安全装置を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の実施例1によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図である。
【0026】
本実施例の安全装置が適用される両開き式のエレベータードアは、図1に示すように、かごの出入口に配設されるドア1と、ドア1の下部を案内する敷居2と、ドア1の上部に取り付けられる戸車3と、戸車3が走行するドアレール4を備えている。また、ドア1を開閉するモータの制御、ドア開閉に関する各種安全装置のセンサ信号の検出等を行うドア制御装置5と、エレベーターホールの呼び釦やかご内の行先階釦の状態に応じてかごの運行を制御するエレベーター制御装置6とが備えられている。
【0027】
そして、安全装置として、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間に設けられた発光装置8と、出入口の中央上部に設けられたカメラ10と、カメラ10により取り込んだ画像に対して異物検出の処理を行う画像処理手段11と、発光装置8の点灯および消灯、画像の取り込み、画像処理の開始等の制御を行う異物検出制御手段12とを備えている。
【0028】
なお、ここでは、ドア制御装置5、エレベーター制御装置6、画像処理手段11、および異物検出制御手段12は、それぞれ独立したマイクロプロセッサ上のプログラムとして実装しても良いし、同一のマイクロプロセッサ上のプログラムとして実装しても良い。
【0029】
また、カメラ10は、かご側、または乗場側のいずれに設置しても良いが、本実施形態のようにかご側に設ければ、1つのセットで全階床をカバーできるので効率的である。
【0030】
ここで、発光装置8の設置位置の詳細について図2、図3に基づき説明する。
【0031】
図2は、本発明の実施例1による発光装置、カメラの位置関係を透視した側面図で、図3は、本発明の実施例1による発光装置の取り付け位置を透視した正面図である。
【0032】
図2,3において、1はかご側ドア、2はかご側ドアの敷居、13は乗場側のドア、14は乗場側ドアの敷居である。また、15はかご側ドアに設けられたセーフティーシューである。発光装置8は、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間に、出入口の間口幅に亘って列設され、図2の例では、かご側ドアの下部に取付け部材16を介して取付けられている。また、カメラ10はドア上部のかご内の化粧板17の背後に設置されている。発光装置8の光は、乗場側ドアの敷居14の側面、あるいはその下部に設置されたフィッシャープレート18の表面に設置された光反射部材9を介してカメラ10に到達するようにする。かご側ドアの敷居の下部にエプロン19が設けられている場合は、開口部20を設けて発光装置の光が透過できるようにする。
【0033】
発光装置8は、図3に示すように出入口の開口部の幅全体をカバーするように一直線状に設置する。また、発光装置8は、図の8aから8dに示すように複数のブロック(発光装置単位)に分かれており、それぞれ独立に発光できるようにする。
【0034】
光反射部材9は鏡面のように光を全反射する部材であっても良いし、光を乱反射する白色面を有した部材であっても良い。また、発光装置8を紫外線発光装置、光反射部材9を蛍光体を有した部材として、紫外線照射による蛍光体の発光により光らせるものであっても良い。
【0035】
図4は、本発明の実施例1の変形例により、発光装置を乗場側ドアの敷居下部に設けた場合の位置関係を透視した側面図である。図4において、図2と同一符号は同一又は相当物を示し、重複説明は避ける。
【0036】
この例では、発光装置8をフィッシャープレート18の背後に設置し、フィッシャープレート18に設けた開口部21を介して光が透過できるようにする。この場合は、発光装置8の光を直接カメラ10に到達させることができる位置関係にあるので、図2の光反射部材9は必要がない。また、発光装置8を薄型面発光装置として、図2の光反射部材9の位置に設けるものであっても良い。
【0037】
次に、画像処理手段11による異物検出の方法について図5および図6に基づき説明する。
【0038】
画像処理手段11は、カメラ10より取り込んだ画像を処理することにより異物を検出する。図5は、カメラ10で取り込んだ画像の一例である。画像には、かご内の乗客50、乗客が持つペット用の紐(ペットリード)51、およびかご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間52(かごと乗場の隙間部分)が写っている。乗客のペット(図示せず)がかごの外におり、紐51が出入口の内外に跨っている状態である。
【0039】
この状態でドア1を閉じ、かごが動き出すと紐51が引っ張られて乗客やペットが怪我をする危険があるので、出入口に跨る紐51を検出し、戸閉を禁止する必要がある。
【0040】
通常の照明条件下では、図5に示すように、紐51と背景となるかご床や敷居面との間で必ずしも十分な明るさの差を確保できず、紐51と背景とを確実に切り分けることが難しい。また、外部からの日差しなど強い外乱光があると、異物と誤認識することも考えられる。
【0041】
このため、本実施例では、図6に示すように、かご側の敷居と乗場側の敷居との隙間部分62を、発光装置8によって光らせる。これにより、画面上、明るくなった部分62を抽出し、この明るくなった部分が紐などの異物61で分断されていることを検出することにより、紐61の明るさや周囲の照明条件によらず紐61を検出する。
【0042】
発光装置の光によって明るくなった部分を抽出する方法としては、種々の方法が考えられる。例えば、明るくなった隙間部分62の明るさを基準としたしきい値により、図6の画像を2値化すると、図6に示すように、隙間部分は明るい領域62、その他の部分は暗い領域63として2値化される。
【0043】
また、他の方法としては、発光装置8を発光しない状態における画像と、発光装置8を発光した状態における画像を取り込み、二つの画像の明るさの差が所定の値以上の部分を抽出する。発光装置8を発光させたことによって明るくなった隙間部分62の明るさは、発光装置8を発光させていない状態より明るくなるので、明るくなった隙間部分の領域を抽出することができる。
【0044】
このようにして抽出した隙間部分62の領域が異物によって分断されている場合、あるいは一部が欠落している場合は、画像処理手段11は紐等の異物があると判定する。カメラの解像度を考慮に入れると、このような方法で異物検出を行うことにより、小径の紐状異物やテープ状の紐状異物であっても検出できる。また、紐状異物だけでなく、乗客や乗客の手荷物などが、隙間部分62を遮る場合にも、異物として検出可能である。
【0045】
以上の実施例1を要約すれば、次の通りである。
【0046】
まず、上部がドアレール4で案内され下部が敷居2により案内され、かご側ドア1と乗場側ドア13とが連動して開閉されるエレベーター出入口の異物を検出するエレベーターの安全装置を前提としている。
【0047】
ここで、ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けられ、前記出入口の間口幅に亘って発光し、かご側ドア1の敷居2と乗場側ドア13の敷居14の間の隙間を通して上方へ投光する発光装置8を配置している。また、前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラ10と、このカメラが取り込んだ画像から、前記発光装置により明るくなった領域62を抽出し、明るくなった領域の分断(図6)及び/又は一部の欠落に応答して異物61の存在を検出する画像処理手段11を備えている。
【実施例2】
【0048】
図7は、本発明の実施例2によるエレベーターの安全装置を示す概略構成図である。
【0049】
本実施例の安全装置が適用される両開き式のエレベータードアは、図7に示すように、図1と同様の構造と制御装置を持つものとする。ここで、図1との相違は、安全装置として、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間に設けられた発光装置8のほかに、かご側ドアと乗場側ドアの間に設けた第2の発光装置7aおよび、かご側と乗場側の間の隙間を切れ目なく発光させるために、全開時のかごドアの下方となるかご側に設けた第3の発光装置7bを設ける。発光装置7bは、図7に示すように、ドアが開いた状態において、発光装置7aの延長線上の敷居下部に位置するように配置する。発光装置7a、7b、および8によって、かご側と乗場側の隙間を、途切れることなく発光させる。
【0050】
図8は、本発明の実施例2による発光装置7a,7bの位置関係を、乗場側ドア13を取り去って乗場側から透視した側面図であり、図9は同じくかご側ドアと乗場側ドアの間に設けた発光装置7aの位置関係をドア上部から見た様子を示すイメージ図である。
【0051】
これらの図を参照して、かご側ドアと乗場側ドアの間に設けた発光装置7aおよびかごドアの下方に設けた発光装置7bの詳細について説明する。
【0052】
発光装置7aは、かご側ドア1と乗場側ドア13の間に設置され、この例では、かご側ドア1の裏側のセーフティーシュー15およびその支持機構と干渉しない位置に取付けられている。発光装置7aの光は乗場側ドア13の裏側に設置された光反射部材22を介してカメラ10(図示せず)に到達するようにする。発光装置7aは、ドア先端面に平行にすなわち垂直に床面高さからカメラ10の視野に入る範囲までの高さに亘って一直線状に列設する。
【0053】
なお、変形例として、発光装置7aを、乗場側ドア13の裏面に設置する場合には、図示する光反射部材22の位置に設置し、光反射部材は不要となる。光反射部材22の構成例としては、光反射部材9(図2)の場合と同様に、鏡面反射面を有するもの、白色面を有するもの、蛍光体を有するものなどが考えられる。
【0054】
また、ドアおよび敷居の、かご側と乗場側の間の隙間が切れ目なく発光するように発光装置7bを設ける。発光装置7bは、ドアが開いた状態において、一直線状に列設された第2の発光装置7aの延長線上の敷居下部位置に設ける。発光装置7bの光は、発光装置7aと8の光との間が途切れることが無いように、乗場側ドア裏に設けた光反射部材22を介してカメラ10に到達するように、その向きが調節されている。発光装置7a、7b、および8によって、かご側と乗場側の隙間が途切れることなく発光する。
【0055】
以上の説明では、発光装置7a,7bと8をかご側に取付ける場合と乗場側に取付ける場合について説明したが、乗場側に取付ける場合は、エレベーターが停止する全ての階床に取付ける必要があるため、取付け工事や保守に手間がかかる。従って、発光装置7a,7bと8は、かご側に取付けることが望ましい。
【0056】
図10および図11は、実施例2による異物検知動作を、それぞれ図5および図6に対応して示すための画像の一例である。
【0057】
実施例1においては、乗り場とかご間の乗降口のうち、敷居の上だけを発光させるものであった。このため、カメラから見て、図6の発光部62よりも外側にペットリードが存在する場合には、その存在を検知することが困難となる可能性が高くなる。
【0058】
これに対して、実施例2によれば、発光装置7a,7b,および8によって、図11に示すように、ドアの敷居の隙間だけでなく、ドアの先端面の隙間まで、連続して発光させる。したがって、敷居の間の隙間だけでなく、図11に示すように、ドアの先端面に沿って浮いた状態にあるペットリード61であっても、確実に、発光部64を分断及び/又は一部を欠落させることができ、この分断及び/又は一部の欠落を検出することにより、紐61の明るさや周囲の照明条件によらず紐61を検出することができる。
【0059】
このような方法で異物検出を行うことにより、小径の紐状異物がドア先端面に接している状態など、紐状異物やテープ状の紐状異物がどこにあってもこれを検出できる。
【0060】
次に、エレベーターの運行を含む本発明の一実施例による装置全体の動きを図12、図13、および図15に基づき説明する。
【0061】
エレベーター制御装置6は、図12に示すように、エレベーターのかごが目的階に到着すると、ドア制御装置5に対してドア1を開く指令を出す(S1、S2)。所定の時間が経過するか、或いはかご内のドア閉釦が押下されたらドア制御装置5に対してドアを閉じる指令を出す(S3、S4)。そして、ドア1が正常に閉じたことを確認したら次の目的階に移動を開始する(S5、S6)。
【0062】
ドア制御装置5は、図13に示すように、例えば、エレベーター制御装置6からドア1を閉じる指令を受けると、異物検出制御手段12に異物検出開始の指令を出す(S10、S11)。異物検出の結果、「異物有り」となった場合は、乗客に異物の除去を促すようなメッセージ、或いは警告音などを放送する(S12、S13)。同時に、異物が検出された位置に対応する発光装置を発光させる(S14)。そして、「異物無し」となるまで異物検出処理を繰り返し、その間、メッセージや警告音、あるいは発光装置の点滅を継続する。そして、「異物無し」となったらドア1を閉じ始める(S12、S15)。
【0063】
図14は、本発明の一実施例による異物検出時の注意喚起発光状態を示す上面図であり、異物検出後に、異物検知部付近45のみの発光装置8cを発光させている様子の一例を示している。この例では、異物が発光装置8cの発光範囲45に含まれるので、発光装置8cのみを点灯している。このとき、発光装置は、継続的に点灯させるものであってもよいし、点滅させるものであってもよい。このように、光で異物の存在を乗客に示すことにより、単にメッセージや警告音を放送するよりも確実に乗客に異物の存在を気付かせることができ、迅速に異物を取り除くことが可能となる。また、聴覚に障害のある乗客に対しても、確実に異物の存在を気付かせることができ、乗客にとって親切な安全装置とすることができる。
【0064】
図13の処理フローにおいて、異物検出はドア1を閉じる前だけでなく、ドア1を閉じ始めてから、ドア1が閉じきる直前まで実施するものとし、異物が検出されたらドア1を開くような構成としても良い。これにより、乗客がドア1にぶつかる前にドア1を反転させ、セーフティーシューよりも更に安全にドア1を制御することができる。
【0065】
異物検出制御手段12は、図15に示すように、ドア制御装置5から異物検出開始の指令を受けると(S20)、発光装置7a,7b,および8を点灯し(S21)、カメラ10より画像を取り込み(S22)、発光装置7a,7b,および8を消灯する(S23)。発光装置を点灯しない時の画像と、点灯した時の画像の差から明るくなった領域を抽出する場合は、S21で発光装置を点灯する前にも画像を取り込む。そして、取り込んだ画像に対して、画像処理手段11により前述した図5,6や図10,11を参照して説明した画像処理を行うことにより、異物の有無を判定し(S24)、結果をドア制御装置5へ送る(S25)。なお、発光装置7a,7b,および8は、常時点灯していてもよいが、画像を取り込む時だけ点灯させることにより電力を節約できる。また、画像を取り込む時だけ発行装置7a,7b,および8を瞬間的に光らせることにより、エレベーターの意匠デザインに対する影響を最小限にとどめ、美観を損なわないようにすることができる。
【0066】
本実施形態によれば、ドアの敷居よりも下方、あるいはドア先端面よりも内側に、発光装置を設けることにより、発光装置が乗客の靴底や荷物、あるいは手先に直接触れることが無く、表面の汚れや傷の発生を軽減し、検出感度を長期間に亘って維持することができる。このため、発光装置を交換する保守の手間を軽減することができる。
【0067】
また、発光装置を、直接、外部から見えなくした場合には、出入口のデザイン性を損なうことがない。
【0068】
また、異物が存在する場所を発光装置の光で示すようにした場合には、乗客に異物の存在を気付かせ、異物を取り除くことができるので、迅速に障害を解消することができる。
【0069】
なお、前述した実施形態では、2枚のドア1が出入口中央から左右に開く両開きタイプのエレベーターを例として説明したが、ドアが片側から開く片開きタイプのエレベーターにも本発明を適用できるのは言うまでもない。この場合、ドアの無い側については、ドア先端面が当接するドア枠部分のかご側部分と乗場側部分の間に発光装置を設ければよい。
【0070】
また、画像処理手段および異物検出制御手段を、ドア制御装置やエレベーター制御装置とは異なるマイクロプロセッサ上のプログラムとして構成し、これと照明およびカメラをまとまった装置として構成することができる。この場合、既設のエレベーターに対しても本発明を容易に適用することができる。その際、既設のエレベーターのドア制御装置に、図13のステップS11,S12,S13,およびS14に示す処理機能を加えればよい。
【0071】
また、カメラ10は、比較的広い視野を有するように設定して、カメラ10でかご内部の様子も見られるようにしておくことで、カメラ10を異物検出だけではなく、かご内の監視カメラとしても使用することができる。
【0072】
夜間や早朝などエレベーターの利用者がいない時間帯に点検動作をさせる場合には、ドアを開いた状態で異物検出を行い、毎回同じ位置に異物が検出される場合には、発光装置の故障や汚れ、あるいはカメラの故障や汚れが予想される。この場合は、ドア安全装置に障害ありとして、保守会社に通報することにより、迅速に対処することができる。
【符号の説明】
【0073】
1…かご側ドア、2…敷居、5…ドア制御装置、6…エレベーター制御装置、7a,7b,8(8a〜8d)…発光装置、9…光反射部材、10…カメラ、11…画像処理手段、12…異物検出制御手段、13…乗り場側ドア、45…注意喚起発光部、50…乗客、51,61…紐、62,64…発光装置により明るくなった領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部がドアレールで案内され下部が敷居により案内され、かご側ドアと乗場側ドアとが連動して開閉されるエレベーター出入口の異物を検出するエレベーターの安全装置において、
ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けられ、前記出入口の間口幅に亘って発光し、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間を通して上方へ投光する発光装置、
前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラ、及び
このカメラが取り込んだ画像から、前記発光装置により明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域の変化に応答して異物の存在を検出する画像処理手段
を備えたことを特徴とするエレベーターの安全装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、明るくなった領域の分断及び/又は一部の欠落に応答して異物の存在を検出することを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項3】
前記発光装置は敷居下部のかご側に取り付けられ、前記カメラはかご側の出入り口上部に取り付けられ、前記発光装置の光が前記カメラに向かうように、乗場側敷居下部に設けた光反射部材を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項4】
前記発光装置は敷居下部の乗場側に取り付けられ、前記カメラはかご側の出入り口上部に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項5】
前記発光装置は、出入口の間口幅に亘って一直線状に並べて配置された複数の発光部単位を備え、異物が検出されたとき、異物が検出された位置の付近に配置された一部の前記発光部のみを発光させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項6】
かご側ドアと乗場側ドアの間に上下方向に一直線状に列設され、ドア先端面に向かって発光する第2の発光装置を備え、前記カメラは、前記ドア先端面を視野に入れるように配置されたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項7】
ドアが開いた状態において、前記第2の発光装置から下方への延長線上の敷居下部に位置するように配置され、ドア先端面の下端や敷居の端部付近に向かって発光する第3の発光装置を備えたことを特徴とする請求項6記載のエレベーターの安全装置。
【請求項8】
上部がドアレールで案内され下部が敷居により案内され、かご側ドアと乗場側ドアとが連動して開閉されるエレベーター出入口の異物を検出し、戸閉を禁止するエレベーターの安全制御方法において、
ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けた発光装置から、前記出入口の間口幅に亘って、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間を通して上方へ投光するステップ、
前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラからの画像情報を取り込むステップ、及び
前記画像情報に基づき、前記発光装置により明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域の分断及び/又は一部の欠落に応答して異物の存在を検出するステップ
を備えたことを特徴とするエレベーターの安全制御方法。
【請求項9】
前記発光装置は、一直線状に並べて配置された複数の発光部単位を備え、異物が検出されたとき、異物が検出された位置の付近に配置された一部の前記発光部のみを発光させるステップを備えたことを特徴とする請求項8記載のエレベーターの安全制御方法。
【請求項1】
上部がドアレールで案内され下部が敷居により案内され、かご側ドアと乗場側ドアとが連動して開閉されるエレベーター出入口の異物を検出するエレベーターの安全装置において、
ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けられ、前記出入口の間口幅に亘って発光し、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間を通して上方へ投光する発光装置、
前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラ、及び
このカメラが取り込んだ画像から、前記発光装置により明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域の変化に応答して異物の存在を検出する画像処理手段
を備えたことを特徴とするエレベーターの安全装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、明るくなった領域の分断及び/又は一部の欠落に応答して異物の存在を検出することを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項3】
前記発光装置は敷居下部のかご側に取り付けられ、前記カメラはかご側の出入り口上部に取り付けられ、前記発光装置の光が前記カメラに向かうように、乗場側敷居下部に設けた光反射部材を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項4】
前記発光装置は敷居下部の乗場側に取り付けられ、前記カメラはかご側の出入り口上部に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項5】
前記発光装置は、出入口の間口幅に亘って一直線状に並べて配置された複数の発光部単位を備え、異物が検出されたとき、異物が検出された位置の付近に配置された一部の前記発光部のみを発光させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項6】
かご側ドアと乗場側ドアの間に上下方向に一直線状に列設され、ドア先端面に向かって発光する第2の発光装置を備え、前記カメラは、前記ドア先端面を視野に入れるように配置されたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの安全装置。
【請求項7】
ドアが開いた状態において、前記第2の発光装置から下方への延長線上の敷居下部に位置するように配置され、ドア先端面の下端や敷居の端部付近に向かって発光する第3の発光装置を備えたことを特徴とする請求項6記載のエレベーターの安全装置。
【請求項8】
上部がドアレールで案内され下部が敷居により案内され、かご側ドアと乗場側ドアとが連動して開閉されるエレベーター出入口の異物を検出し、戸閉を禁止するエレベーターの安全制御方法において、
ドアの敷居よりも下方でかご側または乗場側に取り付けた発光装置から、前記出入口の間口幅に亘って、かご側ドアの敷居と乗場側ドアの敷居の間の隙間を通して上方へ投光するステップ、
前記出入口の上部に設置され、前記出入口の間口幅に亘って前記敷居面を視野に入れたカメラからの画像情報を取り込むステップ、及び
前記画像情報に基づき、前記発光装置により明るくなった領域を抽出し、明るくなった領域の分断及び/又は一部の欠落に応答して異物の存在を検出するステップ
を備えたことを特徴とするエレベーターの安全制御方法。
【請求項9】
前記発光装置は、一直線状に並べて配置された複数の発光部単位を備え、異物が検出されたとき、異物が検出された位置の付近に配置された一部の前記発光部のみを発光させるステップを備えたことを特徴とする請求項8記載のエレベーターの安全制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−269890(P2010−269890A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122628(P2009−122628)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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