説明

エレベーター式メダル送出装置の送出メダル検知ユニット

【課題】回動レバーのメダルを検知する投出用ベアリングが、そのメダルを咬み込まないようにして、耐用性を向上する。
【解決手段】メダルエレベーター(E)の出口部に連通するレール部(U1)と、そのレール部(U1)に押し上げられてきたメダル(C)を回動レバー(57)の投出用ベアリング(83)によって外部へ投出するメダル投出部(U2)と、その回動レバー(57)のセンサードグ(85)によって開閉されるメダル検知センサー(92)並びにそのセンサーホルダー(87)から成るメダル検知部(U3)とを備えたメダル送出装置の送出メダル検知ユニット(U)であって、メダル(C)の咬み込み防止用誘導子(99)を植え付ける予備の下穴(69)を、上記回動レバー(57)における回動支点軸(56)の基端部へ穿設し、その下穴(69)へ必要に応じてメダル誘導子(99)を前方から植え付け使用できるように定めた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメダルを使用する遊技機や両替機、メダル貸出し機などの各種本機に内蔵設置されるエレベーター式又はリフト式メダル送出装置の出口部となる送出メダル検知ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種エレベーター式メダル送出装置の出口部をなす送出メダル検知ユニットが、特開2006−350537号公報にコイン投出装置の投出検出ユニット(20)として記載されている。
【0003】
これは、第1、2ベース板(20)(22)と第1、2ガイド板(24)(26)とから成るレール部(12)のほか、コイン(メダル)の当接によって通路外方向へ揺動するベアリング(当接部)(40)も具備している点で、本発明に最も近似する公知発明であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−350537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記公知発明の投出検出ユニット(10)では使用されるメダルのサイズやメダル投出装置本体(100)からのレール長さ、レールに送り込まれるメダルの枚数などが変更された場合に、検出部(14)をセンサーベース部(44)の長穴(44B)に沿って、メダル(C)の送り方向へ移動させることができるとしても、その移動ストローク(ベアリングの位置をメダルの切れ目に合わせる調整代)が広く、メダル(C)が小サイズであると、そのメダル(C)が図33のようにベアリング(当接部)(40)と、次に押し上げられてくるメダル(C2)との中心同士を結ぶ思案線(O−O)よりも、通路外方向へ投出されてしまったり、たとえ投出されないまでも、ベアリング(当接部)(40)と次位のメダル(C2)並びに第1ガイド板(24)との間へ突っ張り状態に咬み込まれて、揺動レバー(46)を早期に損傷してしまったりするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では互いに対応合致するほぼコ字形のベアリング用逃し入れ切欠が各々付与されたフロントプレート並びにバックプレートと、その相互間に介在する長短差がある左右両サイドスペーサーとから、メダルエレベーターの出口部と連通した一定な開口幅のメダル通路を区成するレール部と、
【0007】
そのレール部のバックプレートに開口する楕円形のバカ孔を通じて、上記短かい片サイドスペーサーへ背後から取り付け一体化されたユニットベースと、メダル通路の上下方向に沿うスライド操作可能として、そのユニットベースへ背後から組み立てられたレバー受け台と、そのレバー受け台が上記ベアリング用逃し入れ切欠へ張り出す部位へ、中途高さ位置が回動支点軸を介して回動自在に枢着された回動レバーと、その回動レバーの上端近傍部から上記ベアリング用逃し入れ切欠内への前向きに突出されて、上記メダル通路の通過メダルと当接し得るメダル投出用ベアリングと、そのベアリングを上記メダル通路の内側方向へ常時弾圧付勢すべく、上記回動レバーの上端部とそのレバー受け台の上端部との向かい合う左右相互間に連繋掛架された引張りコイルバネと、上記回動レバーの下端部から後向き一体的に曲げ起されたセンサードグとから成り、上記通過メダルを回動レバーのベアリングによって、メダル通路から投げ出すメダル投出部と、
【0008】
上記レバー受け台のセンサー用支持脚に取り付けられたメダル検知センサーが、上記回動レバーのセンサードグによって開閉されることになるメダル検知部とを備え、
【0009】
上記通過メダルの咬み込み防止用誘導子を植え付け得る下穴を、上記回動レバーにおける回動支点軸の基端部又は/及び上記レバー受け台がベアリング用逃し入れ切欠へ張り出す部位に、前向き開口状態として穿設したことを特徴とする。
【0010】
又、請求項2では通過メダルの咬み込み防止用誘導子を遊転ローラーとして、回動レバーにおける回動支点軸の基端部に開口するネジ孔へ、前方から螺合締結する固定ビスによって軸支させたことを特徴とする。
【0011】
請求項3ではレール部のバックプレートに開口する楕円形のバカ孔を、メダル通路の幅方向に沿って延在させると共に、
【0012】
ユニットベースの取付座板に開口する皿孔から上記バックプレートのバカ孔を通じて、短かい片サイドスペーサーに開口するネジ孔へ皿ビスを螺合締結することにより、
【0013】
そのユニットベースとこれに組み立てられたレバー受け台並びにそのレバー受け台に組み立てられた回動レバーを、メダル通路の幅方向に沿って位置調整できるように定めたことを特徴とする。
【0014】
請求項4ではメダル投出部のユニットベースをレール部のバックプレートに対する水平な取付座板と、これから後向きのほぼ直角に曲げ起された壁板片とから成るほぼL字形に造形して、その壁板片に上下方向へのスライドガイド溝レールを切り欠く一方、
【0015】
同じくメダル投出部のレバー受け台も上記ユニットベースの取付座板に対する水平な重合座板と、これから後向きのほぼ直角に曲げ起されたスライド板片とから成る対応的なL字形に造形して、そのスライド板片に上記ユニットベース側のスライドガイド溝レールと係合し得るガイド凸子とネジ孔を形成すると共に、
【0016】
上記ユニットベース側のスライドガイド溝レールからレバー受け台側のネジ孔へ螺合締結する固定ビスを弛緩させて、そのレバー受け台とこれに組み立てられた回動レバーを、メダル通路の上下方向に沿って位置調整できるように定めたことを特徴とする。
【0017】
更に、請求項5ではメダル検知部を形作るレバー受け台のセンサー用支持脚を、そのユニットベースの背後面に対する水平な重合座板の下端部から、後向きのほぼ直角に曲げ起して、その支持脚のフラットな曲げ起し先端面に複数のガイド凸子とネジ孔を形成する一方、
【0018】
回動レバーのセンサードグによって開閉されるメダル検知センサーが取り付けられたセンサーホルダーに、その回動レバーの回動支点軸を中心とする長い回動半径の円弧軌跡上に延在して、上記支持脚側のガイド凸子と係合し得る第1スライドガイド長孔と、同じく回動レバーの回動支点軸を中心とする短かい回動半径の円弧軌跡上に延在して、上記支持脚側のネジ孔と連通し得る第2スライドガイド長孔とを並列状態に切り抜くと共に、
【0019】
そのセンサードグ側の第2スライドガイド長孔から上記支持脚側のネジ孔へ螺合締結する固定ビスを弛緩させて、そのセンサーホルダーに取り付けられたメダル検知センサーを、上記回動レバー側のセンサードグに対して位置調整できるように定めたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の構成によれば、メダルエレベーターから送出メダル検知ユニットのレール部へ押し上げ送出されてきたメダルと当接するメダル投出用ベアリング(遊転ローラー)を備えた回動レバーが、レバー受け台へ回動自在に枢着されており、そのレバー受け台は上記レール部に取り付け一体化されたユニットベースに対して、メダル通路の上下方向(メダルの送り方向)へスライド操作し得るように組み立てられているため、上記回動レバーのメダル投出用ベアリングがメダルと当接する位置を、その使用されるメダルのサイズ(直径)やメダル送出シュートから送出メダル検知ユニットのレール部に至るレール(メダル通路)の長さなどに応じ、そのメダル送り方向(上下方向)に沿って微細に調整することができ、上記ベアリングをメダル同士の切れ目に正しく合わせることにより、メダルの検知(カウント)不良を防止し得る効果がある。
【0021】
しかも、上記したメダル投出用ベアリングの位置調整を使用メダルのサイズ(直径)が小さいにも拘らず、レバー受け台の上限位置において行なう必要がある場合には、上記回動レバーにおける回動支点軸の基端部に追ってメダル咬み込み防止用誘導子を植え付け得る下穴が、予備として前向き開口状態に穿設されているため、その下穴へ固定ビスや固定ピンなどを使用して、上記誘導子を植え付け状態に軸支させることができ、これによってメダルが上記投出用ベアリングと次位のメダル並びにレール部の短かい片サイドスペーサーとの間へ、突っ張り状態に咬み込まれてしまい、回動レバーの回動支点軸を早期に損傷するおそれを予防し得るのである。
【0022】
そして、このような効果はメダル咬み込み防止用誘導子を植え付けるための下穴を、送出メダル検知ユニットにおけるレール部のベアリング用逃し入れ切欠へ張り出している上記回動レバーの回動支点軸に代えて又は加えて、その回動レバーのレバー受け台が同じくレール部のベアリング用逃し入れ切欠へ張り出す部位に穿設するも、ほぼ同等に達成することができる。その下穴へ固定ピンや固定ビスなどによって、上記メダル咬み込み防止用誘導子を植え付け得ることに変りはないからである。
【0023】
特に、請求項2の構成を採用するならば、回動レバーの不可欠な回動支点軸をそのまま活用して、その基端部へメダル咬み込み防止用誘導子の下穴となるネジ孔を合理的に穿設することができ、しかもそのネジ孔へ螺合締結した固定ビスによって軸支された誘導子は、遊転ローラーであるため、メダルを受け止めるや否や自転する働きにより、そのメダルをメダル通路に沿って円滑に正しく誘導・投出し得る効果があり、耐用性にも優れる。
【0024】
請求項3の構成を採用するならば、上記回動レバーのメダル投出用ベアリングをメダルのサイズ(直径)に応じて、そのメダル通路の幅方向に沿っても正確に位置調整することができ、ますます有効となる。
【0025】
又、請求項4の構成を採用するならば、メダル投出部のユニットベースとレバー受け台とは別個独立しており、そのユニットベースの水平な取付座板から後向きのほぼ直角に曲げ起された壁板片と、レバー受け台の水平な重合座板から同じく後向きのほぼ直角に曲げ起されたスライド板片とが、前者のスライドガイド溝レールから後者のネジ孔へ螺合締結された固定ビスを介して、レール部(メダル通路)の上下方向へスライド操作できるように組み立てられているため、上記固定ビスを強く締め過ぎても、冒頭に挙げた特許文献1のように、その先端部がレール部のバックプレート(第2ベース板)に衝突して、相対的に浮上したり、或いは固定ビスの締め付け不足によって、そのレバー受け台(センサーベース部)が離脱したりするおそれはない。
【0026】
更に、請求項5の構成を採用するならば、回動レバーのレバー受け台とメダル検知センサーのセンサーホルダーとは別個独立しており、そのレバー受け台のセンサー用支持脚に取り付けられたセンサーホルダーを、上記回動レバーの回動支点軸を中心とする長短差がある回動半径の円弧軌跡上に延在する平行な第1、2スライドガイド長孔に沿って移動操作することにより、その回動支点軸を中心として回動するセンサードグに対して、上記センサーホルダー上のメダル検知センサーを微細に位置調整できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るメダル送出装置の概略全体を示す正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1からホッパータンクとメダルエレベーターを取りはずして示すメダル送出シュートの拡大正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図4の弯曲部分を抽出して示す拡大図である。
【図6】図3の6−6線に沿う拡大断面図である。
【図7】図3の7−7線に沿う拡大断面図である。
【図8】図3の8−8線に沿う拡大断面図である。
【図9】図3の9−9線に沿う拡大断面図である。
【図10】図1のメダルエレベーターを抽出して示す拡大正面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う拡大断面図である。
【図12】図1の12−12線に沿う拡大断面図である。
【図13】図12の接続金具を抽出して示す斜面図である。
【図14】図1の送出メダル検知ユニットを抽出して示す斜面図である。
【図15】その送出メダル検知ユニットの分解斜面図である。
【図16】送出メダル検知ユニットの部分変形例を示す図1に対応する正面図である。
【図17】図16の側面図であり、図2に対応する。
【図18】図16の送出メダル検知ユニットを抽出して示す斜面図である。
【図19】図18の分解斜面図である。
【図20】送出メダル検知ユニットのレール部へユニットベースを取り付けた工程の側面図である。
【図21】図20の正面図である。
【図22】図20のユニットベースへ回動レバーのレバー受け台を取り付けた工程の側面図である。
【図23】図22の正面図である。
【図24】図22のレバー受け台へメダル検知センサーのセンサーホルダーを取り付けた工程の側面図である。
【図25】図24の正面図である。
【図26】回動レバーのメダル投出用ベアリングが下限位置へ移動調整された送出メダル検知ユニットを示す正面図である。
【図27】同じくメダル投出用ベアリングが上限位置へ移動調整された状態を示す図26に対応する送出メダル検知ユニットの正面図である。
【図28】回動レバーの回動支点軸に開口する下穴へ咬み込み防止用誘導子を植え付けた使用状態の説明図である。
【図29】回動レバーのセンサードグによるメダル検知センサーの遮光状態を示す説明図である。
【図30】図29と異なる方式の仕様として、回動レバーのセンサードグによるメダル検知センサーの入光状態を示す説明図である。
【図31】メダル検知センサーにおける検知出力信号のパルス幅を長く調整した状態の説明図である。
【図32】同じくメダル検知センサーにおける検知出力信号のパルス幅を短かく調整した状態の説明図である。
【図33】従来の送出メダル検知ユニットを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1、2はそのエレベーター式又はリフト式メダル送出装置の概略全体を示しており、(M)は一定な鋭角(α)(例えば約40度)の後上がり傾斜天板(1)を有する金属製の据付け台であって、その傾斜天板(1)のフラットな表面にはメダル収容用の合成樹脂製ホッパータンク(2)が、係脱自在に係止されている一方、同じく傾斜天板(1)の裏面には穴明き回転ディスク用の駆動モーター(3)が固定設置されている。
【0029】
駆動モーター(3)の出力軸(4)は上記据付け台(M)の傾斜天板(1)を貫通しており、これに表側(上側)から嵌め付け一体化されたメダル送出用の穴明き回転ディスク(R)が、上記ホッパータンク(2)の対応的な円形の開口底面に臨むこととなる。(5)は上記据付け台(M)の傾斜天板(1)から表向きに突出する複数のホッパータンク用係止ピンであり、図外の圧縮コイルバネにより裏側(下側)から常時押し上げ付勢されている。
【0030】
穴明き回転ディスク(R)は金属製品又はこれと同等の高強度な合成樹脂製品として、放射対称型に開口分布する複数(図例では合計4個)のメダル取り込み穴(6)と、その取り込み穴(6)同士の隣り合う相互間から裏向き一体的に突出する複数の円弧弯曲羽根(7)とを備えており、上記ホッパータンク(2)からメダル取り込み穴(6)へ取り込んだメダル(C)を、その円弧弯曲羽根(7)によって図3の矢印(A)で示す方向へ押し進め、上記据付け台(M)の傾斜天板(1)から連続的な後上がりの張り出し状態にあるメダル送出シュート(S)へ、1枚づつ順次送り出し作用する。
【0031】
茲に、メダル送出シュート(S)は図3〜9に拡大して示す如く、上記据付け台(M)の傾斜天板(1)へ延長状態に突き合わせ一体化されたバックプレート(8)と、その傾斜天板(1)とバックプレート(8)との双方へ表側(上側)から、各々固定ビス(9)(10)を介して取り付けられた左右一対のサイドスペーサー(11)と、その左右両サイドスペーサー(11)へ固定ビス(12)を介して施蓋状態に被着されたフラットな剛性フロントプレート(13)と、同じく左右両サイドスペーサー(11)へネジ締結具(14)を介して施蓋状態に被着された円弧状のバネ性フロントプレート(F)とから成り、その組み立て内部に断面ほぼ長方形のメダル通路(P1)を区画している。
【0032】
つまり、メダル通路(P1)の上流側を形作るメダル送出シュート(S)の約下半部は、上記据付け台(M)の傾斜天板(1)と同じ鋭角(α)(先に例示した約40度)のフラットな後上がり傾斜状態にある。(15)は上記メダル通路(P1)の入口部へメダル(C)を誘導するためのメダル変向ガイドピン、(16)(17)は同じくメダル(C)を誘導するためのメダル送出ガイドローラーとセパレートローラーであり、メダル通路(P1)の入口部を左右横方向(幅方向)から挟む位置関係に臨んでいる。
【0033】
そして、上記メダル通路(P1)を表側(上側)から施蓋するフラットなフロントプレート(13)の下端中央部が、左右一対の割り溝(18)により区分された円弧状のメダル逆流防止片(19)として、上記穴明き回転ディスク(R)によりメダル通路(P1)の入口部へ送出されてきたメダル(C)を、その凸曲面により弾力的に押え付け保持し得るようになっている。(20)は同じく剛性なフロントプレート(13)の上端中央部に区分されたメダルカバー片であり、メダル(C)を表側(上側)から部分的に被覆する。
【0034】
他方、上記メダル通路(P1)の下流側を形作るメダル送出シュート(S)の約上半部は、据付け台(M)の傾斜天板(1)から一定な鈍角(β)(例えば約130度)の円弧状に弯曲されており、この弯曲部分に上記バネ性フロントプレート(F)が取り付けられているのである。
【0035】
茲に、バネ性フロントプレート(F)は極めて薄肉(例えば約0.2〜0.5mmの厚み)なバネ性を有するステンレス鋼板やその他の金属板から、図3〜9のような輪郭形状にプレス加工されている。
【0036】
即ち、バネ性フロントプレート(F)は上下方向(メダルの送り方向)に沿って延在するほぼ長方形なしているが、その下端部(上流側)と上端部(下流側)から各々互いに等しい一定深さだけ深く切り込まれた平行な左右一対づつの割り溝(21)を介して、上記メダル通路(P1)の開口幅(W1)よりも狭い一定幅(X)のセンター押圧帯(F−a)と、その両隣り位置に左右一対のサイド取付帯(F−b)とが並ぶ合計3列に区分されており、その左右両サイド取付帯(F−b)をメダル通路(P1)の左右両サイドスペーサー(11)とバックプレート(8)へネジ締結具(14)によって、表側から強制的な弯曲状態に取り付け固定した時、センター押圧帯(F−a)の下端部と上端部が接触片(22)として、メダル(C)を表側から弾力的に軽く押え付けるようになっている。
【0037】
更に言えば、上記左右両サイド取付帯(F−b)はその下端部(上流側)と上端部(下流側)から各々互いに等しい一定深さだけ浅く付与された切欠(23)の左右一対づつにより、その左右両サイド取付帯(F−b)の狭幅なインサイド部分がメダル誘導カバー片(24)として、上記メダル通路(P1)を表側から被覆すると共に、残る狭幅なアウトサイド部分がメダル通路(P1)のバックプレート(8)と左右両サイドスペーサー(11)へ取り付け固定し得るように、区分されている。
【0038】
尚、(25)はその左右両サイド取付帯(F−b)におけるアウトサイド部分の下端部と上端部に折り曲げられた一対の接地座であり、その接地作用によって左右両サイド取付帯(F−b)を左右両サイドスペーサー(11)の表側から浮上する状態に保っている。
【0039】
何れにしても、上記メダル送出シュート(S)の固定ビス(9)(10)(12)はフラットな剛性フロントプレート(13)から、左右両サイドスペーサー(11)の左右横方向に沿う細長い楕円形のビス逃し入れ用バカ孔(26)を通じて、バックプレート(8)のネジ孔(27)へ各々螺合締結されており、そのビス逃し入れ用の楕円形バカ孔(26)によってメダル通路(P1)の開口幅(W1)を、使用するメダル(C)のサイズ(例えば約21〜26mmの直径)に応じて広く又は狭く調整できるようになっている。上記左右両サイドスペーサー(11)の板厚を調整することにより、そのメダル(C)の厚み変化に対応させることも可能である。
【0040】
(E)は上記メダル送出シュート(S)におけるメダル通路(P1)のほぼ真上方向を目指す出口部(上端部)へ、別個なメダルカバープレート(28)と接続金具(29)を介して、継ぎ足し状態に連通接続されたほぼ垂直なメダルエレベーターであり、上記穴明き回転ディスク(R)によって押し進め送出されてきたメダル(C)を、そのメダル送出シュート(S)のメダル通路(P1)から引き続き真上方向へ案内して、そのメダルエレベーター(E)の上端部(出口部)をなす送出メダル検知ユニット(U)から、遊技機や両替機、メダル貸出し機、その他の各種本機の外部へ投げ出すようになっている。
【0041】
メダルエレベーター(E)も図10〜13のように、バックプレート(30)とフロントプレート(31)並びにその前後相互間に介在する左右一対のサイドスペーサー(32)とから成り、これらが固定ビス(33)により組み立てられて、上記メダル送出シュート(S)側のメダル通路(P1)と対応合致し得る断面ほぼ長方形のメダル通路(P2)を区画している。
【0042】
その場合、メダルエレベーター(E)の固定ビス(33)はそのフロントプレート(31)から、左右両サイドスペーサー(32)の左右横方向に沿う細長い楕円形のビス逃し用バカ孔(34)を通じて、バックプレート(30)のネジ孔(35)へ各々螺合締結されるようになっており、そのメダル通路(P2)の開口幅(W2)をやはりメダル(C)のサイズ(先に例示した直径)に応じて広く又は狭く調整することができ、又左右両サイドスペーサー(32)の板厚を調整することにより、そのメダル(C)の厚み変化に対応させることも可能である。
【0043】
上記メダル送出シュート(S)とメダルエレベーター(E)との接続金具(29)は、図12、13のような平・底面視のチャンネル溝形鋼板として、その双方のバックプレート(8)(30)と密着する背後面に、上記メダル送出シュート(S)側の固定ビス(12)と螺合締結するネジ孔(36)のみならず、メダルエレベーター(E)側の固定ビス(33)と螺合締結するネジ孔(37)も開口分布されており、そのメダル送出シュート(S)側の固定ビス(12)によって上記メダルカバープレート(28)を取り付けている。
【0044】
更に、(38)は上記メダルエレベーター(E)のバックプレート(30)又は/及びフロントプレート(31)に開口分布された左右一対づつのメダル透視窓であって、上下方向(メダルの送り方向)への細長い楕円形をなし、ここからメダル通路(P2)内のメダル(C)を透視・点検することができるようになっている。
【0045】
(39)は同じくメダルエレベーター(E)におけるフロントプレート(31)のネジ孔(37)へ螺合締結される長い固定ビス(33)の左右一対によって、メダルエレベーター(E)の下端部(入口部)付近へ取り付け一体化されたメダル逆流防止器であり、上記メダル送出シュート(S)側からほぼ垂直なメダルエレベーター(E)を取りはずし分離した保守・点検時において、そのメダルエレベーター(E)のメダル通路(P2)からメダル(C)が抜け落ちてしまうことを予防する。
【0046】
先に一言した送出メダル検知ユニット(U)は図12、13と同じ構成の別個な接続金具(29)を介して、メダルエレベーター(E)におけるメダル通路(P2)の上端部(出口部)へ継ぎ足し状態に連通接続されるレール部(U1)と、そのレール部(U1)のメダル通路(P3)からメダル(C)を左方向又は右方向へ投げ出す投出部(U2)と、その投出されるメダル(C)を検知し、カウントする検知部(U3)とから図1、2、14、15や図16〜19のように組み立てユニット化されている。
【0047】
即ち、その送出メダル検知ユニット(U)の構成部材を図14、15と図18、19に基いて説明すると、先ずレール部(U1)はフロントプレート(40)とバックプレート(41)、その前後相互間に介在する長短差のある左右両サイドスペーサー(42)(43)並びにその左右何れか片サイドスペーサー(42)の言わば上端延長状態に配置される別個なほぼ円弧状のメダル変向誘導片(44)とから成り、これらが図15、19のような第1〜6固定ビス(45a)(45b)(45c)(45d)(45e)(45f)により組み立てられて、上記メダルエレベーター(E)側のメダル通路(P2)と対応合致し得る断面ほぼ長方形のメダル通路(P3)を画定している。
【0048】
その場合、図15、19の右サイドに並ぶ第1〜3固定ビス(45a)(45b)(45c)のうち、その第1、2固定ビス(45a)(45b)はフロントプレート(40)の円形バカ孔(46)から対応的な長い右サイドスペーサー(43)の楕円形バカ孔(47)を通じて、バックプレート(41)のネジ孔(48)へ各々螺合締結され、残る第3固定ビス(45c)は同じくフロントプレート(40)の円形バカ孔(46)からやはり右サイドスペーサー(43)の楕円形バカ孔(47)と、バックプレート(41)の円形バカ孔(49)とを通じて、上記接続金具(29)のネジ孔(50)へ螺合締結されるようになっている。
【0049】
他方、同じ図15、19の上端と左サイドに点在分布する第4〜6固定ビス(45d)(45e)(45f)のうち、第4、5固定ビス(45d)(45e)はフロントプレート(40)の円形バカ孔(46)から上記メダル変向誘導片(44)の楕円形バカ孔(51)を通じて、バックプレート(41)のネジ孔(48)へ各々螺合締結され、残る第6固定ビス(45f)は上記第3固定ビス(45c)に準じてフロントプレート(40)の円形バカ孔(46)から、対応的な短かい左サイドスペーサー(42)の楕円形バカ孔(47)と、バックプレート(41)の円形バカ孔(49)とを通じて、やはり接続金具(29)のネジ孔(50)へ螺合締結されるようになっている。
【0050】
上記左右両サイドスペーサー(42)(43)とメダル変向誘導片(44)に開口分布する楕円形のバカ孔(47)(51)は、その何れも左右横方向へ細長く延在することにより、上記メダル通路(P3)の開口幅(W3)をメダル(C)のサイズ(先に例示した直径)に応じて、広く又は狭く調整することができる。尚、左右両サイドスペーサー(42)(43)とメダル変向誘導片(44)の板厚を調整することによって、そのメダル(C)の厚み変化に対応させることも可能である。
【0051】
(52)はフロントプレート(40)とバックプレート(41)との対応的な中途高さ位置へ、左右何れか片サイド(図例では前方から見て左サイド)が一定長さ(Y)だけ開放するほぼコ字形に加工されたベアリング用逃し入れ切欠であり、ここに投出部(U2)の後述するメダル投出用ベアリングやメダル咬み込み防止用誘導子が逃し入れられることとなる。
【0052】
(53)は上記フロントプレート(40)に開口分布された複数のメダル透視窓であり、上記メダルエレベーター(E)のメダル透視窓(38)に準じて、ここからメダル通路(P3)内のメダル(C)を透視・点検することができる。
【0053】
次に、送出メダル検知ユニット(U)のメダル投出部(U2)は図15、19のような平面視のほぼL字形をなす金属板のユニットベース(54)と、そのユニットベース(54)へ背後から重合されるレバー受け台(55)と、そのレバー受け台(55)へ中途高さ位置が回動支点軸(56)を介して、メダル通路(P3)の内外方向(幅方向)へ回動可能に枢着された回動レバー(57)とから成り、そのユニットベース(54)の水平な取付座板(58)が複数の皿孔(59)から、上記レール部(U1)のバックプレート(41)に開口分布する対応的な楕円形のバカ孔(60)を通じて、短かい片サイド(左サイド)スペーサー(42)のネジ孔(61)へ螺合締結される皿ビス(62)により、その片サイド(左サイド)スペーサー(42)へ取り付け固定されている。
【0054】
その場合、バックプレート(41)の楕円形バカ孔(60)は左右横方向に沿って開口延在しているため、そのユニットベース(54)が取り付けられた片サイドスペーサー(42)を横移動させて、メダル通路(P3)の開口幅(W3)をメダル(C)のサイズ(直径)に応じて、広く又は狭く調整することができる。尚、(63)はその皿ビス(62)を逃し入れるために、フロントプレート(40)に開口分布された楕円形のバカ孔である。
【0055】
(64)は上記ユニットベース(54)の取付座板(58)から約90度だけ後向きに曲げ起された壁板片であって、その取付座板(58)を固定する上記皿ビス(62)と逆な右サイド位置に延在しており、ここにはスライドガイド溝レール(65)が上下方向(メダルの送り方向)に沿って切り欠かれている。しかも、そのスライドガイド溝レール(65)の上端部は開放状態にある。
【0056】
又、同じくユニットベース(54)における取付座板(58)のほぼ上端中央部からは、レバー受け台(55)を上記スライドガイド溝レール(65)に沿ってスライドさせる時の上限ストッパーとなる係止フック(66)が後向きに切り起されており、これによってユニットベース(54)の取付座板(58)を背後から拘束してもいる。
【0057】
レバー受け台(55)は上記ユニットベース(54)と対応する基本的なL字形の金属板から成り、その水平な重合座板(67)が上記レール部(U1)のベアリング用逃し入れ切欠(52)内へ臨む中途高さ位置に、上記回動レバー(57)の回動支点軸(56)がかしめ付け一体化されている。(68)はその回動支点軸(56)に差し込み套嵌された軸受ボス、(69)は上記回動支点軸(56)の基端部に穿設された誘導子植え付け用の予備となる下穴であって、好ましくはネジ孔から成り、前向き開口状態にあるため、ここには後述するメダル咬み込み防止用の誘導子を、追って固定ピンや固定ビス、固定リベットなどにより植え付け使用することができる。
【0058】
(70)は同じく回動支点軸(56)の近辺位置において、上記重合座板(67)から後向きに曲げ起されたゴム受け片であり、ここに取り付けられたクッションゴム(71)によって、回動レバー(57)の中途部を受け止めるようになっている。尚、レバー受け台(55)の重合座板(67)には左右横方向(メダル通路の幅方向)へ延在する補強ビード(図示省略)を突き加工しておくことが好ましい。
【0059】
又、同じくレバー受け台(55)の水平な重合座板(67)からは上記ユニットベース(54)側の壁板片(64)と接触し得るスライド板片(72)が、やはり約90度だけ後向きに曲げ起されており、ここには上記ユニットベース(54)側のスライドガイド溝レール(65)と係合するガイド凸子(73)が突設されているほか、ネジ孔(74)も開口形成されている。
【0060】
(75)は上記スライドガイド溝レール(65)からスライド板片(72)のネジ孔(72)へ螺合締結された固定ビスであり、これを弛緩させて、レバー受け台(55)と延いてはメダル投出用ベアリングやメダル咬み込み防止用誘導子を上下方向(メダルの送り方向)に沿ってスライド操作することができる。
【0061】
(76)は上記スライド板片(72)との並列状態として、重合座板(67)の上端部から後向きに曲げ起されたバネ受け片、(77)は同じく重合座板(67)の下端部から約90度だけ後向きに曲げ起されたセンサー用支持脚であって、側面視の倒立L字形をなし、そのフラットな曲げ起し先端面には複数のガイド凸子(78)が突設されているほか、ネジ孔(79)も開口形成されている。
【0062】
その場合、複数のガイド凸子(78)は図29〜32から確認できるように、回動レバー(57)の回動支点軸(56)を中心とする一定な回動半径(r1)の円弧軌跡上に点在分布している。
【0063】
更に、メダル投出部(U2)の回動レバー(57)も剛性な金属板から成り、その中途高さ位置の回動支点軸(56)からレール部(U1)のベアリング用逃し入れ切欠(52)に向かって比較的短かく張り出す上端部には、バネ受けピン(80)が後向きの突出状態にかしめ付け一体化されている。そして、そのバネ受けピン(80)と上記レバー受け台(55)におけるバネ受け片(76)との向かい合う左右相互間には、引張りコイルバネ(リターンバネ)(81)が連繋掛架されている。
【0064】
(82)は上記バネ受けピン(80)と回動支点軸(56)との上下相互間から前向き一体的に突設されたローラー支軸であって、これにメダル投出用のベアリング(遊転ローラー)(83)が嵌め付けられており、このベアリング(83)が上記レール部(U1)のベアリング用逃し入れ切欠(52)からメダル通路(P3)へ臨み、そのメダル通路(P3)の開口幅(W3)をメダル(C)のサイズ(先に例示した直径)よりも予じめ若干狭く規定している。
【0065】
メダル投出用ベアリング(83)が上記引張りコイルバネ(リターンバネ)(81)によって、常時メダル通路(P3)の内側方向へ弾圧付勢されており、メダル(C)と当接するようになっているのである。(84)は上記ローラー支軸(82)の軸受ボスであり、ベアリング(83)をメダル通路(P3)のメダル(C)と正しく対応位置させるためのスペーサーとしても機能する。
【0066】
他方、回動レバー(57)の回動支点軸(56)から比較的長く張り出す下端部は、センサードグ(85)として約90度だけ後向きに曲げ起されている。(86)は上記回動支点軸(56)とセンサードグ(85)との上下相互間から、やはり後向きに曲げ起されたストッパー片であって、上記レバー受け台(55)側のゴム受け片(70)と対応位置しており、そのゴム受け片(70)のクッションゴム(71)によって受け止められることとなる。
【0067】
更に、(87)はほぼ扇形の金属板から成るセンサーホルダーであって、その左右何れか片半部(図例では前方から見て右半部)には円弧状の第1、2スライドガイド長孔(88)(89)が並列状態に切り抜かれている。
【0068】
その場合、第1スライドガイド長孔(88)は上記回動レバー(57)の回動支点軸(56)を中心とする長い回動半径(r1)の円弧軌跡上に延在して、上記レバー受け台(55)におけるセンサー用支持脚(77)側のガイド凸子(78)と係合する状態にある一方、第2スライドガイド長孔(89)は同じく回動支点軸(56)を中心とする短かい回動半径(r2)の円弧軌跡上に延在しており、その第2スライドガイド長孔(89)から上記センサー用支持脚(77)側のネジ孔(79)へ螺合締結される固定ビス(90)によって、上記センサーホルダー(87)をレバー受け台(55)のセンサー用支持脚(77)へ取り付けている。
【0069】
(91)は同じくセンサーホルダー(87)の残る片半部(左半部)に加工された爪受け入れ切欠であり、ここに下方から透過型メダル検知センサー(フォトインタラプター)(92)の取付爪(図示省略)が差し込み係止されている。つまり、センサーホルダー(87)とこれに取り付け一体化されたメダル検知センサー(92)とから、上記送出メダル検知ユニット(U)の検知部(U3)が構成されているのであり、そのメダル検知センサー(92)の詳細は図示省略してあるが、上記回動レバー(57)のセンサードグ(85)を挟んで向かい合う発光素子と受光素子との一対から成り、メダル(C)がメダル通路(P3)を通過中には、発光素子の発光駆動信号が高レベルとなる一方、受光素子の受光出力信号は低レベル(受光していない状態)となり、メダル検知出力信号はオン状態を持続する。
【0070】
そして、その検知部(U3)のメダル検知センサー(フォトインタラプター)(92)を開閉する上記回動レバー(57)のセンサードグ(85)が、常時引張りコイルバネ(リターンバネ)(81)の付勢力を受けて、そのメダル検知センサー(92)を遮蔽する復元状態(検知出力信号のオフ状態)に保っている。
【0071】
但し、上記レバー受け台(55)におけるセンサー用支持脚(77)側のネジ孔(79)へ螺合締結されている固定ビス(90)を緩めて、上記メダル検知センサー(92)が付属しているセンサーホルダー(87)を円弧状の平行な第1、2スライドガイド長孔(88)(89)に沿って移動させることにより、そのメダル検知センサー(92)の同じ制御回路素子を採用しつつも、その検知出力信号がオン又はオフとなる方式を、図29と図30との正反対(受光素子の受光出力信号が高レベルと低レベルとの正反対)に変更したり、更にはその検知出力信号のパルス幅(オン状態又はオフ状態の保持時間)(Z)を図31のように長く、又は図32のように短かく調整したりすることができる。尚、図29〜32の実線はセンサードグ(85)の復元停止状態を、同じく点線はその復元状態からの回動状態を各々示している。
【0072】
尚、上記回動レバー(57)のセンサードグ(85)によって開閉される検知部(U3)のメダル検知センサー(フォトインタラプター)(92)に加えて、上記メダル通路(P3)の通過メダル(C)自身によって開閉される別個な透過型のメダル検知センサー(フォトインタラプター)(93)を、上記レール部(U1)の上端中央部へ取り付け使用しても良い。
【0073】
(94)はその増設のためのセンサーホルダーであって、ほぼ倒立U字形の金属板から成り、上記レール部(U1)の組立用第4固定ビス(45d)を使って、そのフロントプレート(40)とバックプレート(41)との上端中央部へ挟み付け状態に被着一体化されている。
【0074】
(95)はそのセンサーホルダー(94)に対するメダル検知センサー(93)の固定ビス、(96)は同じくセンサーホルダー(94)に開口分布された向かい合う前後一対の光透過孔、(97)はその両光透過孔(96)との連通透過孔であり、上記レール部(U1)のフロントプレート(40)とバックプレート(41)に各々切り抜かれている。
【0075】
上記回動レバー(57)のセンサードグ(85)によって開閉されるメダル検知センサー(92)のほかに、上記メダル通路(P3)を通過するメダル(C)自身によって開閉される別個なメダル検知センサー(93)も増設し、その2個所を順序良く通過することにより、1個のメダル(C)としてカウントするように設定しておくならば、両メダル検知センサー(92)(93)の何れか一方が外部からの不正行為を受けて、有効に働かなくなった場合でも、残る他方によって正規のメダル投出作用を維持できる利点がある。尚、その両メダル検知センサー(92)(93)として上記透過型に代る反射型を採用しても勿論良い。
【0076】
本発明の送出メダル検知ユニット(U)は上記した構成を備えており、その組立順序を図20〜25に基いて説明すると、先ず第1〜6固定ビス(45a)〜(45f)の使用によってレール部(U1)を組み立てる際に、その短かい片サイド(左サイド)スペーサー(42)のネジ孔(61)へメダル投出部(U2)におけるユニットベース(54)の取付座板(58)を、皿ビス(62)によって図20、21のように取り付け固定する。
【0077】
次いで、回動レバー(57)が回動支点軸(56)によって予じめ枢着されたレバー受け台(55)の重合座板(67)を、上記ユニットベース(54)の取付座板(58)へ図22、23のように背後から重合させると共に、そのレバー受け台(55)におけるスライド板片(72)のガイド凸子(73)を上記ユニットベース(54)における壁板片(64)のスライドガイド溝レール(65)と係合させて、そのスライドガイド溝レール(65)からスライド板片(72)のネジ孔(74)へ固定ビス(75)を螺合締結することにより、上記ユニットベース(54)へレバー受け台(55)を取り付ける。
【0078】
そして、上記回動レバー(57)のバネ受けピン(80)とレバー受け台(55)のバネ受け片(76)との向かい合う左右相互間へ、引張りコイルバネ(リターンバネ)(81)を連繋掛架し、最後にレバー受け台(55)の上記重合座板(67)から後向きに起立するセンサー用支持脚(77)のガイド凸子(78)へ、図24、25のように予じめメダル検知センサー(フォトインタラプター)(92)が差し込み係止されたセンサーホルダー(87)の第1スライドガイド長孔(88)を係合させて、そのセンサーホルダー(87)の第2スライドガイド長孔(89)から上記支持脚(77)のネジ孔(79)へ固定ビス(90)を螺合締結することにより、その支持脚(77)へセンサーホルダー(87)を取り付けるのである。
【0079】
そうすれば、上記回動レバー(57)から前向き一体的に突出するローラー支軸(82)上のメダル投出用ベアリング(遊転ローラー)(83)が、自づとレール部(U1)のベアリング用逃し入れ切欠(52)からメダル通路(P3)へ臨み、上記引張りコイルバネ(リターンバネ)(81)の付勢力を受けて、そのメダル通路(P3)の内側方向へ常時張り出す状態に保たれることとなる。
【0080】
その場合、上記ユニットベース(54)とこれに皿ビス(62)を介して固定一体化された片サイド(左サイド)スペーサー(42)とは、フロントプレート(40)並びにバックプレート(41)の楕円形バカ孔(63)(60)により、左右横方向(メダル通路の幅方向)に沿って移動し得る取付状態にあるため、そのユニットベース(54)に支持された回動レバー(57)の上記メダル投出用ベアリング(83)を、使用するメダル(C)のサイズ(先に例示した直径)に応じて容易に正しく位置調整することができる。
【0081】
又、上記回動レバー(57)を枢着したレバー受け台(55)はユニットベース(54)へ、そのユニットベース(54)の壁板片(64)に切り欠かれたスライドガイド溝レール(65)と、レバー受け台(55)におけるスライド板片(72)のガイド凸子(73)並びに固定ビス(75)を介して、上下方向(メダルの送り方向)に沿うスライド自在に取り付けられてもいるため、上記メダル(C)のサイズだけでなく、そのメダル送出シュート(S)からメダルエレベーター(E)を経て送出メダル検知ユニット(U)のレール部(U1)に至るレール(メダル通路)の長さや、そのレールに送り込まれるメダル(C)の枚数などに応じて、上記回動レバー(57)のメダル投出用ベアリング(83)をやはり容易に位置調整することができ、そのベアリング(83)をメダル(C)同士の切れ目(隣り合う境界部)に正しく合わせることにより、メダル(C)の検知(カウント)不良を防止し得るのである。
【0082】
この点、図26、27は上記回動レバー(57)のメダル投出用ベアリング(83)をレール部(U1)のベアリング用逃し入れ切欠(52)における一定長さ(Y)との関係上、その下限位置に調整した状態と上限位置に調整した状態とを例示しているが、特に使用されるメダル(C)が小サイズであるにも拘らず、図27、28のようなレバー受け台(55)の重合座板(67)がユニットベース(54)の係止フック(66)に受け止められる上限位置での調整を行なうと、図33に基いて冒頭に述べたようなメダル通路(P3)からメダル(C)が外側へはずれ出るおそれや、そのメダル投出用ベアリング(83)と次位のメダル(C)並びに短かい片サイド(左サイド)スペーサー(42)との間へ、メダル(C)が突っ張り状態に咬み込れまてしまうおそれなしとしない。
【0083】
そこで、このような場合には図14、15や図27、28に示す如く、上記回動レバー(57)の回動支点軸(56)に穿設されたメダル誘導子植え付け用下穴(好ましくはネジ孔)(69)へ、その前方から固定ビス(98)や固定ピン(ローラー支軸)などを植え付けることにより、メダル咬み込み防止用となる誘導子(99)を軸支して、この誘導子(99)によりメダル(C)が通路外方向へ偏倚する動きを防ぎ、メダル通路(P3)の内部を滑らかに正しく直進させるのである。(100)はその固定ビス(98)に差し込み套嵌された頭部張り出しフランジ付きの軸受ボスを示している。
【0084】
但し、このような趣旨を達成できる構成であるならば、上記メダル誘導子植え付け用下穴(69)を回動レバー(57)における回動支点軸(56)の基端部に代えて又は加えて、図28の鎖線で示す如く、上記レバー受け台(55)の重合座板(67)がレール部(U1)のベアリング用逃し入れ切欠(52)内へ張り出し臨むこととなる部位に、そのメダル誘導子植え付け用下穴(ネジ孔)(69)の1個又は複数個を開口形成することができる。メダル咬み込み防止用の誘導子(99)としてはメダル投出用ベアリング(83)と同じ図示の遊転ローラー(ベアリング)が好適であるが、その遊転しない固定の金属棒や高強度な合成樹脂管などを採用してもさしつかえない。何れにしても、メダル咬み込み防止用誘導子(99)が上記短かい片サイド(左サイド)スペーサー(42)と同じ開口幅(W3)のメダル通路(P3)を区成する位置にあることは言うまでもない。
【0085】
更に、メダル検知センサー(フォトインタラプター)(92)を取り付けたセンサーホルダー(87)は、上記回動レバー(57)を枢着したレバー受け台(55)と別個独立しており、そのレバー受け台(55)のセンサー用支持脚(77)にはガイド凸子(78)とネジ孔(79)を設置する一方、そのネジ孔(79)へ固定ビス(90)を介して螺合締結されるセンサーホルダー(87)には、上記回動レバー(57)の回動支点軸(56)を中心とする一定な回動半径(r1)の円弧軌跡上に延在するスライドガイド長孔(88)を切り抜いて、そのスライドガイド長孔(88)を上記センサー用支持脚(77)のガイド凸子(78)と係合する状態に保っている。
【0086】
そのため、上記回動レバー(57)の回動支点軸(56)を中心として回動するセンサードグ(85)に対し、これにより開閉されるメダル検知センサー(フォトインタラプター)(92)を、そのセンサーホルダー(87)の上記スライドガイド長孔(88)に沿う移動操作により、そのメダル検知センサー(92)の同じ制御回路素子を採用しつつも、その検知出力信号がオン又はオフとなる方式を、図29と図30との正反対に変更したり、更にはその検知出力信号のパルス幅(オン状態又はオフ状態の保持時間)(Z)を図31のように長く、又は図32のように短かく調整したりすることができる。尚、図29〜32の実線はセンサードグ(85)の復元停止状態を、同じく点線はその復元状態からの回動状態を各々示している。
【符号の説明】
【0087】
(1)・後上がり傾斜天板
(2)・ホッパータンク
(3)・駆動モーター
(6)・メダル取り込み穴
(7)・円弧弯曲羽根
(8)(30)(41)・バックプレート
(11)(32)(42)(43)・サイドスペーサー
(13)(31)(40)・フロントプレート
(19)・メダル逆流防止片
(20)・メダルカバー片
(22)・接触片
(24)・メダル誘導カバー片
(25)・接地座
(28)・メダルカバープレート
(29)・接続金具
(38)(53)・メダル透視窓
(39)・メダル逆流防止器
(44)・メダル変向誘導片
(45a)・第1固定ビス
(45b)・第2固定ビス
(45c)・第3固定ビス
(45d)・第4固定ビス
(45e)・第5固定ビス
(45f)・第6固定ビス
(52)・ベアリング用逃し入れ切欠
(54)・ユニットベース
(55)・レバー受け台
(56)・回動支点軸
(57)・回動レバー
(58)・取付座板
(59)・皿孔
(62)・皿ビス
(64)・壁板片
(65)・スライドガイド溝レール
(66)・係止フック
(67)・重合座板
(69)・下穴(ネジ孔)
(70)・ゴム受け片
(71)・クッションゴム
(72)・スライド板片
(73)・ガイド凸子
(74)・ネジ孔
(75)・固定ビス
(76)・バネ受け片
(77)・支持脚
(78)・ガイド凸子
(79)・ネジ孔
(80)・バネ受けピン
(81)・引張りコイルバネ
(82)・ローラー支軸
(83)・メダル投出用ベアリング
(84)(100)・軸受ボス
(85)・センサードグ
(86)・ストッパー片
(87)・センサーホルダー
(88)・第1スライドガイド長孔
(89)・第2スライドガイド長孔
(90)・固定ビス
(91)・爪受け入れ切欠
(92)(93)・透過型メダル検知センサー
(96)・光透過孔
(97)・連通透過孔
(98)・固定ビス
(99)・咬み込み防止用誘導子(遊転ローラー)
(100)・軸受ボス (C)・メダル
(E)・メダルエレベーター
(F)・バネ性フロントプレート
(F−a)・センター押圧帯
(F−b)・サイド取付帯
(M)・据付け台
(P1)(P2)(P3)・メダル通路
(R)・穴明き回転ディスク
(S)・メダル送出シュート
(U)・送出メダル検知ユニット
(U1)・レール部
(U2)・メダル投出部
(U3)・メダル検知部
(W1)(W2)(W3)・開口幅
(Y)・長さ
(Z)・パルス幅
(r1)(r2)・回動半径


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対応合致するほぼコ字形のベアリング用逃し入れ切欠(52)が各々付与されたフロントプレート(40)並びにバックプレート(41)と、その相互間に介在する長短差がある左右両サイドスペーサー(42)(43)とから、メダルエレベーター(E)の出口部と連通した一定な開口幅(W3)のメダル通路(P3)を区成するレール部(U1)と、
そのレール部(U1)のバックプレート(41)に開口する楕円形のバカ孔(60)を通じて、上記短かい片サイドスペーサー(42)へ背後から取り付け一体化されたユニットベース(54)と、メダル通路(P3)の上下方向に沿うスライド操作可能として、そのユニットベース(54)へ背後から組み立てられたレバー受け台(55)と、そのレバー受け台(55)が上記ベアリング用逃し入れ切欠(52)へ張り出す部位へ、中途高さ位置が回動支点軸(56)を介して回動自在に枢着された回動レバー(57)と、その回動レバー(57)の上端近傍部から上記ベアリング用逃し入れ切欠(52)内への前向きに突出されて、上記メダル通路(P3)の通過メダル(C)と当接し得るメダル投出用ベアリング(83)と、そのベアリング(83)を上記メダル通路(P3)の内側方向へ常時弾圧付勢すべく、上記回動レバー(57)の上端部とそのレバー受け台(55)の上端部との向かい合う左右相互間に連繋掛架された引張りコイルバネ(81)と、上記回動レバー(57)の下端部から後向き一体的に曲げ起されたセンサードグ(85)とから成り、上記通過メダル(C)を回動レバー(57)のベアリング(83)によって、メダル通路(P3)から投げ出すメダル投出部(U2)と、
上記レバー受け台(55)のセンサー用支持脚(77)に取り付けられたメダル検知センサー(92)が、上記回動レバー(57)のセンサードグ(85)によって開閉されることになるメダル検知部(U3)とを備え、
上記通過メダル(C)の咬み込み防止用誘導子(99)を植え付け得る下穴(69)を、上記回動レバー(57)における回動支点軸(56)の基端部又は/及び上記レバー受け台(55)がベアリング用逃し入れ切欠(52)へ張り出す部位に、前向き開口状態として穿設したことを特徴とするエレベーター式メダル送出装置の送出メダル検知ユニット。
【請求項2】
通過メダル(C)の咬み込み防止用誘導子(99)を遊転ローラーとして、回動レバー(57)における回動支点軸(56)の基端部に開口するネジ孔(69)へ、前方から螺合締結する固定ビス(98)によって軸支させたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置の送出メダル検知ユニット。
【請求項3】
レール部(U1)のバックプレート(41)に開口する楕円形のバカ孔(60)を、メダル通路(P3)の幅方向に沿って延在させると共に、
ユニットベース(54)の取付座板(58)に開口する皿孔(59)から上記バックプレート(41)のバカ孔(60)を通じて、短かい片サイドスペーサー(42)に開口するネジ孔(61)へ皿ビス(62)を螺合締結することにより、
そのユニットベース(54)とこれに組み立てられたレバー受け台(55)並びにそのレバー受け台(55)に組み立てられた回動レバー(57)を、メダル通路(P3)の幅方向に沿って位置調整できるように定めたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置の送出メダル検知ユニット。
【請求項4】
メダル投出部(U2)のユニットベース(54)をレール部(U1)のバックプレート(41)に対する水平な取付座板(58)と、これから後向きのほぼ直角に曲げ起された壁板片(64)とから成るほぼL字形に造形して、その壁板片(64)に上下方向へのスライドガイド溝レール(65)を切り欠く一方、
同じくメダル投出部(U2)のレバー受け台(55)も上記ユニットベース(54)の取付座板(58)に対する水平な重合座板(67)と、これから後向きのほぼ直角に曲げ起されたスライド板片(72)とから成る対応的なL字形に造形して、そのスライド板片(72)に上記ユニットベース(54)側のスライドガイド溝レール(65)と係合し得るガイド凸子(73)とネジ孔(74)を形成すると共に、
上記ユニットベース(54)側のスライドガイド溝レール(65)からレバー受け台(55)側のネジ孔(74)へ螺合締結する固定ビス(75)を弛緩させて、そのレバー受け台(55)とこれに組み立てられた回動レバー(57)を、メダル通路(P3)の上下方向に沿って位置調整できるように定めたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置の送出メダル検知ユニット。
【請求項5】
メダル検知部(U3)を形作るレバー受け台(55)のセンサー用支持脚(77)を、そのユニットベース(54)の背後面に対する水平な重合座板(67)の下端部から、後向きのほぼ直角に曲げ起して、その支持脚(77)のフラットな曲げ起し先端面に複数のガイド凸子(78)とネジ孔(79)を形成する一方、
回動レバー(57)のセンサードグ(85)によって開閉されるメダル検知センサー(92)が取り付けられたセンサーホルダー(87)に、その回動レバー(57)の回動支点軸(56)を中心とする長い回動半径(r1)の円弧軌跡上に延在して、上記支持脚(77)側のガイド凸子(78)と係合し得る第1スライドガイド長孔(88)と、同じく回動レバー(57)の回動支点軸(56)を中心とする短かい回動半径(r2)の円弧軌跡上に延在して、上記支持脚(77)側のネジ孔(79)と連通し得る第2スライドガイド長孔(89)とを並列状態に切り抜くと共に、
そのセンサードグ(85)側の第2スライドガイド長孔(89)から上記支持脚(77)側のネジ孔(79)へ螺合締結する固定ビス(90)を弛緩させて、そのセンサーホルダー(87)に取り付けられたメダル検知センサー(92)を、上記回動レバー(57)側のセンサードグ(85)に対して位置調整できるように定めたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター式メダル送出装置の送出メダル検知ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2010−244419(P2010−244419A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94224(P2009−94224)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【特許番号】特許第4327245号(P4327245)
【特許公報発行日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(506154421)松下金属工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】