説明

エレベーター操作制御システム

【課題】ボタン操作によらず、多数同時に操作可能なエレベーター操作制御システムの提供。
【解決手段】エレベーター操作制御システム10は、エレベーターに設置され、エレベーター内の使用者画像を撮影する画像撮影装置12、画像撮影装置12に接続する識別装置14、識別装置14に接続するプロセッサーユニット16からなり、
画像撮影装置12が撮影して取り込んだ画像を識別装置において手以外の画像をフィルタリングして、その手の画像を保存された画像データと比較してその動作により使用者の要求項目を判別し、その結果をプロセッサーユニットに伝送し、プロセッサーユニット16は使用者の要求項目を執行し、エレベーターの各階、扉の開閉操作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作制御システムに関し、特に、同期に遠距離で無菌操作が可能なエレベーター操作制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
社会の動き、居住型態の変化に伴い、都市には中高層ビルが林立し、エレベーターは、高層ビル中で最も重要な設備の一つとなっている。
エレベーターのおかげで人は上下フロアを行き来でき、こうしてビルの中でも迅速かつ楽に目的のフロアに移動することができる。
【0003】
一般に、エレベーターの作動時には、各フロアで行われたボタン操作に応じて、該フロアに至り、かつドアを開け、人員を乗せる。
さらに、エレベーター内に入った人員は、エレベーター内部の入力ボタンによって、向かおうとするフロアを設定する。
【0004】
しかし、もしエレベーターが混雑し、エレベーター内の人数が多い場合、エレベーター内の沢山の使用者は、我先にと自分の行き先のフロアのボタンを押さなくてはならず、或いは、入力ボタンに近づいて自分の行き先のフロアのボタンを押すこともできない。
【0005】
しかも、近年来、SARS、ヘルペス等各種の感染症が次々に発生し、蔓延する事態がたびたび起き、人々を恐れさせている。
これら疾病は、接触により伝染するため、一般の生活において日常的に搭乗するエレベーターにおいては、多数の人が押すボタンは、接触伝染の温床となっている。
すなわち、病原菌がボタン上に付着していれば、それに手指で接触し、さらに人体に接触することで、伝染してしまう可能性がある。
中でも、病院のエレベーターボタンは最も深刻である。
関連機関は市民に手洗いの励行と消毒を呼びかけているが、それ以上に良い対策がない状況である。
本発明は、従来のエレベーター操作制御システムの上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−255404号公報
【特許文献2】特開2004−103030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする第一の課題は、使用者が手を動かす動作によってフロアを選択でき、たとえ多くの使用者が同時に手の動きで行き先フロアを選択したとしても、操作制御システムは逐一処理でき、スムーズにエレベーターを操作制御でき、長い間解決できなかった技術的問題を解決することができるエレベーター操作制御システムを提供することである。
本発明が解決しようとする第二の課題は、直接ボタンに手を触れず、遠距離操作の特性を備えるため、使用者は人波を越えて操作ボタンに接近する必要がなく、また、同時に多数の人が操作できるため、混雑状態での使用の利便性を高めることができ、また使用者がエレベーターに搭乗する時、手指によるエレベーターボタンへの直接接触を回避でき、伝染病原菌への接触を避けることができるエレベーター操作制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は下記のエレベーター操作制御システムを提供する。
エレベーター操作制御システムは、エレベーターに設置し、該エレベーターの使用者画像を撮影する画像撮影装置、該画像撮影装置に接続する識別装置、該識別装置に接続するプロセッサーユニットからなり、
該画像撮影装置は、撮影した該使用者画像中から手を識別し、使用者の要求項目を識別し、
該プロセッサーユニットは、該使用者の要求項目を執行し、該エレベーターを操作制御し、
こうして使用者がフロア選択或いは他のファンクションを執行する時の利便性を拡大することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のエレベーター操作制御システムは、各使用者が行う手の動きを即時に処理でき、フロアを選択し、かつ使用者がエレベーターに搭乗する時、手指によるエレベーターボタンへの直接接触を回避でき、伝染病原菌への接触を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明実施例のエレベーター操作制御システムのブロックチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
本発明実施例のエレベーター操作制御システムは、エレベーターに設置し、該エレベーターの使用者画像を撮影できる画像撮影装置、該画像撮影装置に接続する識別装置、該識別装置に接続するプロセッサーユニットからなる。
【0013】
該画像撮影装置は、撮影した該使用者画像中から手を識別し、使用者の要求項目を識別する。
【0014】
該プロセッサーユニットは、該使用者の要求項目を執行し、該エレベーターを操作制御し、こうして使用者がフロア選択或いは他のファンクションを執行する時の利便性を拡大することができる。
【0015】
図1は、本発明実施例のエレベーター操作制御システムのブロックチャートである。
【0016】
本発明実施例のエレベーター操作制御システム10は、エレベーターに設置し、画像撮影装置12、識別装置14、プロセッサーユニット16からなる。
【0017】
本実施例中では、該画像撮影装置12は、CCD(Charged Coupled Device)カメラである。
【0018】
該画像撮影装置12は、エレベーター内にライト等の灯光補助装置を備え、これにより明るさを提供し、識別率を高めることができ、さらに該画像撮影装置12を補助して撮影の画像品質を上げ、これによりシステムは正確な判断が可能となる。
【0019】
該画像撮影装置12によりエレベーター内の画像を取り込み、さらに連続撮影した画像を、接続する該識別装置14に伝送する。
【0020】
視覚画像処理を通して、該識別装置14は撮影した画像中から、手を識別し、手でない画像をフィルタリングして取り除いた後、得られた手の画像に基づき、特徴検査を行い、手の動きにより表現された使用者の要求項目を識別する。
【0021】
たとえば、該識別装置14は、得られた手画像と内部データベースに保存する参考画像データとを比較対照し、各参考画像データは、それぞれ1個の要求項目に対応する。
【0022】
こうして、該識別装置14は、使用者が行ったフロア選択の手の動きを識別して、次の処理操作を行うプロセッサーユニットに対する要求項目を発生させることができる。
【0023】
ここで、各種の手の動きは、選択された各フロア、或いはドアを開ける、ドアを閉める等のシステムが定義する一種のファンクションに対応する。
【0024】
該識別装置14が、使用者の手の動きが、選択されたあるフロア或いは他の操作ファンクションを選択したと認定すると、接続する該プロセッサーユニット16にそれを伝える。
【0025】
該プロセッサーユニット16は、使用者の要求項目に基づき、結果を出力し、エレベーターの操作制御を行い、使用者が向かおうとするフロアへ向かい、或いはドアを開ける、ドアを閉める等のファンクションを執行する。
【0026】
こうして使用者は、ボタンによらず、エレベーターのフロア選択或いはファンクションを直接執行でき、使用者の操作上の利便性を高めることができる。
【0027】
かつ、本発明においては、沢山の使用者が同時にフロアを選択することができる。
【0028】
エレベーターの混雑時、数人の使用者が、同時に手の動きによりフロアを選択する可能性がある。
【0029】
もし、使用者が同時に操作選択を行っても、該識別装置14は識別した手の特徴を、逐一読み取り、保存された画像データと逐一比較対照を行い、プロセッサーユニット16に結果を出力してスムーズにエレベーターを操作制御することができる。
【0030】
こうして、沢山の使用者が同時に競ってエレベーターのボタンを押しフロアを選択し、或いはボタンに近寄ることができず、目的階の指示ができないという不便を解消することができる。
【0031】
上記したように、本発明は手の動きの動作画像と保存する参考画像データとを比較対照し、該手の動きの動作画像が、どの参考画像データに対応しているかを識別し、該参考画像データが対応するフロア或いはファンクションを判断することができる。
こうして、使用者は、該画像撮影装置前で手を動かすだけで、エレベーター中において、手の動きにより、フロア、或いは対応するファンクションの選択を、直接執行することができる。
使用者にとっては非常に便利で、また手指によるエレベーターボタンへの直接接触を回避できるため接触伝染を防止でき、こうして病原菌に対する脅威と潜在的危険の問題を解決することができる。
【0032】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は特許登録の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0034】
10 エレベーター操作制御システム
12 画像撮影装置
14 識別装置
16 プロセッサーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーター操作制御システムにおいて、
エレベーターに設置され、該エレベーター内の使用者画像を撮影する画像撮影装置、該画像撮影装置に接続する識別装置、該識別装置に接続するプロセッサーユニットからなり、
該画像撮影装置は、撮影した該使用者画像データを識別装置に伝送し、
該識別装置は、伝送された画像データ中から手を識別し、保存された画像データと比較対象して使用者の要求項目を判定してその結果をプロセッサ―ユニットに伝送し、
該プロセッサーユニットは、識別装置が判定した該使用者の要求項目を執行し、該エレベーターの操作制御を行うことを特徴とするエレベーター操作制御システム。
【請求項2】
前記画像撮影装置は、CCD(Charged Coupled Device)カメラであることを特徴とする請求項1に記載のエレベーター操作制御システム。
【請求項3】
前記画像撮影装置は、補助照明装置を備え、明るさを維持することで識別率を向上させることを特徴とする請求項1に記載のエレベーター操作制御システム。
【請求項4】
前記識別装置は、該使用者画像中の手でない画像をフィルタリングして除去することを特徴とする請求項1に記載のエレベーター操作制御システム。
【請求項5】
前記識別装置は、得られた手画像に基づき、特徴検査を行い、該使用者が行ったフロア選択の手の動きを識別することを特徴とする請求項4に記載のエレベーター操作制御システム。
【請求項6】
前記各手の動きは、各フロアに対応することを特徴とする請求項5に記載のエレベーター操作制御システム。
【請求項7】
前記各手の動きは、システムが定義する一種のファンクションに対応することを特徴とする請求項5に記載のエレベーター操作制御システム。
【請求項8】
前記ファンクションは、ドアを開けることであることを特徴とする請求項7に記載のエレベーター操作制御システム。
【請求項9】
前記ファンクションは、ドアを閉めることであることを特徴とする請求項7に記載のエレベーター操作制御システム。

【図1】
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【公開番号】特開2012−140230(P2012−140230A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−590(P2011−590)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(508211096)由田新技股▲分▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】