説明

エレベータ乗りかご

【課題】エレベータ乗りかごの照明装置を効率よくメンテナンスする。
【解決手段】エレベータ乗りかごは、複数の側板3と、側板3の上部に配置された天井板1と、天井面1aに取り付けられた照明器具2と、照明器具3を覆う照明ケース5と、照明ケース5を覆う照明カバー6と、を有する。照明ケース5には、取付け面部および側面部に互いに連通する引掛用長穴が形成される。引掛用長穴は、締付け用ナット12が縁面に係合可能な幅狭長穴部と、締付け用ナット12が貫通可能な幅広長穴部と、を含む。側板3上に天井板1がある状態で、照明ケース5の幅広長穴部に引掛用ボルト11および締付け用ナット12を貫通させて、この貫通部位を中心に照明ケース5を回動させて、照明ケース5を天井面1aに取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井板の照明装置が取り付けられてエレベータ乗りかごに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ乗りかごは、かご枠の内側に床板、複数の側板、天井板等が設けられて、これらによってかご室を囲うように構成されている。この天井板には、照明器具が取り付けられている。この照明器具は、照明ケース等によって覆われている。
【0003】
通常、照明器具および照明ケースを含む照明装置は、天井板と一体的に組み立てられた状態で、側板の上部に取り付けられる。当該照明装置は、エレベータを据付後に、仕様変更のために照明デザインを変更するために照明ケースを交換する必要がある。照明装置の照明デザインを変更する方法として、例えば、特許文献1に開示されているように、照明板を変更するだけで、照明ランプの位置が変更可能になるもの等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−199401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、照明ケースが天井板と一体的に組み立てられている場合、仕様変更や補修等により照明ケースを交換するときには、天井板を側板から取り外した後に、照明ケースの交換作業を行う必要があった。側板から天井板を取り外すためには、揚重機等の設備を用いるため、大掛かりな作業で、作業時間が長くなることがある。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エレベータ乗りかごの照明装置を効率よくメンテナンスできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係るエレベータ乗りかごは、かご扉と共にかご室を囲むように配置された複数の側板と、前記かご室を上方から囲むように前記側板の上部に配置されて、前記かご室側に天井面が形成された天井板と、前記天井面に取り付けられた照明器具と、前記天井面を貫通して前記天井面の下方にねじ部先端があるように固定されて、前記ねじ部先端部付近に締付け用ナットを備えた引掛用ボルトと、前記天井板に着脱可能で、前記天井板に装着されているときに上下に開口する環状で、前記照明器具を水平方向から覆うように形成されて、前記天井板に取り付けられる取付け面部およびこの取付け面部に垂直な側面部が形成された照明ケースと、前記天井板に装着された前記照明ケースを、前記照明ケースの下方から上方に向かって前記照明ケースの開口部を塞ぐように構成された照明カバーと、を有し、前記照明ケースには、前記取付け面部および側面部に互いに連通する引掛用長穴が形成されて、この引掛用長穴は、前記ねじ部が貫通可能で且つ前記締付け用ナットが縁面に係合可能な幅狭長穴部と、この幅狭長穴部に連通し前記側面部に形成されて前記締付け用ナットおよびねじ部が貫通可能な幅広長穴部と、を含み、前記照明ケースは、前記側板上に前記天井板がある状態で、前記幅広長穴部に前記ねじ部および締付け用ナットを貫通させて、この貫通部位を回動中心として回動可能で、回動後に前記引掛用長穴が形成された側に対向する側の前記取付け面部が前記天井面に接した状態で前記締付け用ナットを締め付けて固定可能に構成されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エレベータ乗りかごの照明装置を効率よくメンテナンスすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のエレベータ乗りかごの概略正面図である。
【図2】図1のII−II矢視下面図である。
【図3】図1のIII部の拡大正面図である。
【図4】図1の照明ケースの概略斜視図である。
【図5】図4のV部拡大斜視図である。
【図6】図1の照明ケースを作業者が引掛用ボルトに引っ掛ける作業の状態を模式的に示す概略斜視図である。
【図7】図6の天井板の引掛用ボルトに照明ケースを引掛けた状態を模式的に示す概略正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視側面図である。
【図9】図7のIX部拡大正面図である。
【図10】図7の照明ケースおよび引掛用ボルト等を示す拡大斜視図であって、(a)は引掛用ボルトが幅広長穴部内に挿入される前の状態を示し、(b)は引掛用ボルトが幅広長穴部内に挿入された状態を示し、(c)は引掛用ボルトが幅狭長穴部内にある状態を示し、(d)は照明ケースが回動後の状態を示している。
【図11】図7の照明ケースを回動させて天井板に取り付ける途中の3種類の位置の状態を重ね合わせて示す概略正面図である。
【図12】図11のXII部の拡大正面図である。
【図13】図12の照明ケースの取付け面部が天井面に接した状態を示す拡大正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV矢視の固定用ボルト付近およびこの固定用ボルトに対向する引掛用ボルト等を示す下面図である。
【図15】図13の照明ケースを平行移動させて固定用ボルトが小径部にある状態を示す拡大正面図である。
【図16】図15のXVI−XVI矢視の固定用ボルト付近およびこの固定用ボルトに対向する引掛用ボルト等を示す下面図である。
【図17】本発明に係るエレベータ乗りかごの第2の実施形態で、引掛用ボルトおよび引掛用長穴等を模式的に示す概略斜視図である。
【図18】図17の引掛用ボルトが引掛用長穴に挿入された状態を示す概略正面図である。
【図19】本発明に係るエレベータ乗りかごの第3の実施形態で、引掛用ボルトおよび引掛用長穴等を模式的に示す概略正面図で、幅広長穴部に引掛用ボルトが挿入された状態を示している。
【図20】図19の引掛用ボルトが、幅広長穴部から幅狭長穴部へ平行移動した後の状態を示す概略正面図である。
【図21】本発明に係るエレベータ乗りかごの第4の実施形態の照明ケースの側面部に形成された引掛用長穴等を模式的に示す概略側面図である。
【図22】図21の幅広長穴部に引掛用ボルトが挿入される状態を示す概略正面図で、(a)は幅広長穴部にくさび形ナット付きの引掛用ボルトが挿入される前の状態を示し、(b)は挿入途中の状態を示し、(c)は挿入が完了した状態を示す。
【図23】本発明に係るエレベータ乗りかごの第5の実施形態の照明ケースの側面部に形成された引掛用長穴等を模式的に示す概略側面図である。
【図24】図23の幅広長穴部に引掛用ボルトが挿入される状態を示す概略正面図で、(a)は幅広長穴部に締付け用ナット付きの引掛用ボルトが挿入される前の状態を示し、(b)は挿入途中の状態を示し、(c)は挿入が完了した状態を示す。
【図25】本発明に係るエレベータ乗りかごの第6の実施形態で、引掛用ボルトが引掛用長穴の幅狭長穴部に挿入された状態、および固定用ボルトが固定用穴の小径部に挿入された状態を模式的に示す概略下面図である。
【図26】図25の引掛用ボルトが嵌込部内にある状態および固定用ボルトが大径部内にある状態を示す概略下面図である。
【図27】本発明に係るエレベータ乗りかごの第7の実施形態で、照明ケースが回動して取付け面部が天井面に近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。
【図28】図27の取付け面部が天井面に接した状態を示す概略正面図である。
【図29】図28のXXIX−XXIX矢視の固定用ボルト付近およびこの固定用ボルトに対向する引掛用ボルト等を示す下面図である。
【図30】本発明に係るエレベータ乗りかごの第8の実施形態で、照明ケースが回動して取付け面部が天井面に近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。
【図31】図30の取付け面部が天井面に接した状態を示す概略正面図である。
【図32】図31のXXXII−XXXII矢視の固定用ボルト付近およびこの固定用ボルトに対向する引掛用ボルト等を示す下面図である。
【図33】本発明に係るエレベータ乗りかごの第9の実施形態で、照明ケースが回動して取付け面部が天井面に近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。
【図34】図33の取付け面部が天井面に接した状態を示す概略正面図である。
【図35】図34のXXXV−XXXV矢視の固定用ボルト付近およびこの固定用ボルトに対向する引掛用ボルト等を示す下面図である。
【図36】本発明に係るエレベータ乗りかごの第10の実施形態で、照明ケースが回動して取付け面部が天井面に近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。
【図37】図36の取付け面部が天井面に接した状態を示す概略正面図である。
【図38】図37のXXXVIII−XXXVIII矢視の固定用ボルト付近およびこの固定用ボルトに対向する引掛用ボルト等を示す下面図である。
【図39】本発明に係るエレベータ乗りかごの第11の実施形態で、照明ケースが回動して取付け面部が天井面に接した状態を模式的に示す概略正面図である。
【図40】本発明に係るエレベータ乗りかごの第12の実施形態で、照明ケースが回動して取付け面部が天井面に接した状態を模式的に示す概略正面図である。
【図41】本発明に係るエレベータ乗りかごの第13の実施形態で、照明ケースが回動して取付け面部が天井面に近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。
【図42】図41の取付け面部が天井面に接した状態を示す概略正面図である。
【図43】図42のXLIII−XLIII矢視側面図である。
【図44】図43の穴あき側面ブラケットが回動して、固定ブラケットとの係合が外れた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るエレベータ乗りかごの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第1の実施形態について、図1〜図16を用いて説明する。図1は、本実施形態のエレベータ乗りかごの概略正面図である。図2は、図1のII−II矢視下面図である。図3は、図1のIII部の拡大正面図である。図4は、図1の照明ケース5の概略斜視図である。図5は、図4のV部拡大斜視図である。
【0012】
図6は、図1の照明ケース5を作業者が引掛用ボルト11に引っ掛ける作業の状態を模式的に示す概略斜視図である。ここで、図6では、照明器具2の図示を省略している。
【0013】
図7は、図6の天井板の引掛用ボルト11に照明ケース5を引掛けた状態を模式的に示す概略正面図である。図8は、図7のVIII−VIII矢視側面図である。図9は、図7のIX部拡大正面図である。
【0014】
図10は、図7の照明ケース5および引掛用ボルト11等を示す拡大斜視図であって、(a)は引掛用ボルト5が幅広長穴部22内に挿入される前の状態を示し、(b)は引掛用ボルト11が幅広長穴部22内に挿入された状態を示し、(c)は引掛用ボルト11が幅狭長穴部23内にある状態を示し、(d)は照明ケース5が回動後の状態を示している。図11は、図7の照明ケース5を回動させて天井板1に取り付ける状態を示す概略正面図である。図12は、図11のXII部の拡大正面図である。
【0015】
図13は、図12の照明ケース5の取付け面部5aが天井面1aに接した状態を示す拡大正面図である。図14は、図13のXIV−XIV矢視の固定用ボルト15付近およびこの固定用ボルト15に対向する引掛用ボルト11等を示す下面図である。
【0016】
図15は、図13の照明ケース5を平行移動させて固定用ボルト5が小径部32にある状態を示す拡大正面図である。図16は、図15のXVI−XVI矢視の固定用ボルト15付近およびこの固定用ボルト15に対向する引掛用ボルト11等を示す下面図である。
【0017】
先ず、本実施形態のエレベータ乗りかごの構成について、図1〜図5、図14および図16を用いて説明する。
【0018】
このエレベータ乗りかごは、鉛直に長い略直方体状のかご室9を囲むように配置された複数の側板3と、当該エレベータ乗りかごに搭乗するための出入り口に配置されたかご扉(図示せず)と、かご室9を上方から囲むように側板3の上部に配置された天井板1と、かご床板4と、を有する。また、このエレベータ乗りかごは、天井板1の着脱可能な照明ケース5と、この照明ケース5に着脱可能な照明カバー6と、を有する。
【0019】
かご扉は、開閉可能で、閉止しているときはかご室9を囲むように構成されている。かご扉が開いているときに、乗客はかご室9への乗降が可能である。
【0020】
天井板1は、かご室9側に略長方形状の天井面1aが形成されて、この天井面1aには蛍光灯等の照明器具2が取り付けられている。この天井板1には、天井面1aを貫通した状態の引掛用ボルト11が2つ固定されている(図1では1つのみ示している。)。これらの引掛用ボルト11は、天井面1aの1つの辺に沿って、互いに間隔をあけて配列されている。これらの引掛用ボルト11それぞれのねじ部先端部が、天井面1aの下方、すなわち、かご室9内にあるように固定されている。各ねじ部先端付近には、締付け用ナット12が取り付けられている。
【0021】
また、天井板1には、2つの固定用ボルト15が配置されている(図1では1つのみ示している。)。これらの固定用ボルト15は、2つの引掛用ボルト11に近接する天井面1aの辺に対向する辺に沿って、互いに間隔をあけて配列されている。すなわち、2つの固定用ボルト15が並ぶ方向と、2つの引掛用ボルト11が並ぶ方向とは、互いに平行である。これらの固定用ボルト15は、引掛用ボルト11と同様に、それぞれのねじ部先端が天井面1aを貫通して当該天井面1aの下方にある状態で固定されている。また、これらの固定用ボルト15それぞれのねじ部には、固定用ナット16が取り付けられている。
【0022】
本実施形態では、4つのボルト、すなわち2つの引掛用ボルト11および2つの固定用ボルト15で、長方形を形成するように配置されている。
【0023】
照明ケース5は、略正方形状で、天井板1に装着されているときに上下に開口する環状で、照明器具2を水平方向から覆うように構成されている。また、この照明ケース5は、天井板1に取り付けられる取付け面部5aと、この取付け面部5aに垂直な側面部5bと、が形成されている。
【0024】
また、この照明ケース5には、取付け面部5aおよび側面部5bに互いに連通する引掛用長穴20が2つ形成されている。これらの引掛用長穴20それぞれは、幅狭長穴部23および幅広長穴部22を有する(図5)。
【0025】
幅狭長穴部23は、引掛用ボルト11のねじ部が貫通可能で且つ締付け用ナット12が縁面に係合可能である。幅狭長穴部23は、取付け面部5aおよび側面部5bそれぞれに形成された略長方形状の長穴が連通するように構成されている。また、この幅狭長穴部23は、取付け面部5aおよび側面部5bが交わる、すなわち稜線となる辺に垂直に延びている。
【0026】
幅広長穴部22は、側面部5bに形成されており、当該ねじ部および締付け用ナット12が貫通可能である。また、この幅広長穴部22は、側面部5bに形成された幅狭長穴部23の、当該稜線となる辺から離れた方の端部に形成されている。この幅広長穴部22は、略正方形状の穴である。
【0027】
また、照明ケース5は、引掛用長穴20が形成された取付け面部5aに対向する側の取付け面部5aに、固定用ボルト15が貫通可能な固定用穴30が2つ形成されている。これらの固定用穴30それぞれは、異なる径の部位、すなわち、大径部31(図16)および小径部32(図14)を有している。
【0028】
大径部31は、固定用ボルト15と、この固定用ボルト15に取付け可能な固定用ナット16と、が貫通可能に形成されている。小径部32は、固定用ボルト15のねじ部は貫通可能で、縁面に固定用ナット16が係合するように形成されている。この固定用穴30は、当該大径部31および小径部32が、引掛用長穴20が延びる方向に沿って一部重なりながら並ぶように配列されて構成されている。
【0029】
照明カバー6は、照明ケース5が天井板1に装着されているときに、照明ケース5の下方から上方に向かって照明ケース5の開口部を塞ぐように構成されている。
【0030】
続いて、かご室9を囲むように設置された側板3の上部に固定された天井板1に、照明ケース5を取り付ける作業手順について、図6〜図16を用いて説明する。照明ケースを取り付けるときには、照明器具2は予め装着されているものとする。
【0031】
先ず、図6および図10(a)に示すように、引掛用長穴20が形成された側面部5bが上方になるように配置する。次に、図7〜図9、および図10(b)に示すように、締付け用ナット12および引掛用ボルト11のねじ部の先端が、当該引掛用長穴20の幅広長穴部22を貫通するように配置する。
【0032】
この後に、図10(b)の状態から図10(c)の状態になるように、すなわち、引掛用ボルト11のねじ部が、幅広長穴部22内にある状態から、側面部5bの幅狭長穴部23内にあるように平行移動させる。この状態(図10(c))で、幅狭長穴部23の縁面に、締付け用ナット12が引っ掛かるため、照明ケース5は、引掛用ボルト11に係合された状態が保持される。
【0033】
次に、図11に示すように、この係合部付近を中心にして照明ケース5を回動さて、図12に示すように、固定用穴30が形成された取付け面部5aを固定用ボルト15に近づける。回動後の引掛用ボルト11および引掛用長穴20の位置関係は、図10(d)に示すように配置される。
【0034】
回動させた後に、図13および図14に示すように、固定用穴30の大径部31に、固定用ナット16および固定用ボルト15のねじ部を貫通させる。この後に、大径部31を貫通したねじ部を小径部32へ図13および図14の矢印Aの方向(図中右方向)に平行移動させる。平行移動後に、図15および図16に示すように、小径部32の縁面に固定用ナット16が係合する状態を保つようにする。このとき、当該係合によって、照明ケース5が落下しない状態を保持している。この後に、固定用ナット16を締め付けて、照明ケース5を固定する。以上の作業手順によって、照明ケース5の取付けが完了する。
【0035】
天井板1に装着された照明ケース5を取り外すときは、上記の手順を逆に行えばよい。
【0036】
以上の説明からわかるように、本実施形態によれば、天井板1が側板3上部に取り付けられた状態で、かご室9内からの作業によって、天井面1aに照明ケース5を設置すること、または取り外しすることが可能になる。これにより、照明ケース5を交換するときに、天井板1を側板3から取り外すために揚重機等の設備を用いる必要がなく、より短時間に効率よく作業を行うことができる。よって、エレベータ乗りかごの照明装置を効率よくメンテナンスすることが可能になる。
【0037】
[第2の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第2の実施形態について、図17および図18を用いて説明する。図17は、本実施形態のエレベータ乗りかごの引掛用ボルト11および引掛用長穴20等を模式的に示す概略斜視図である。図18は、図17の引掛用ボルト11が引掛用長穴20に挿入された状態を示す概略正面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0038】
本実施形態のエレベータ乗りかごに取り付けられる照明ケース5は、幅狭長穴部23の両側それぞれの縁面で且つ幅広長穴部22に近い部位に、引掛用リベット27が取り付けられている。これらの引掛用リベット27は、取付け面部5aの表裏両側それぞれに垂直に突出するように取り付けられている。
【0039】
照明ケース5を天井板1に取り付けるときは、先ず、締付け用ナット12付きの引掛用ボルト11が幅広長穴部22を貫通するように配置する。この後に、締付け用ナット12が引掛け用リベットに干渉しないように、引掛用ボルト11を幅狭長穴部23に向かって平行移動させる。この状態で幅狭長穴部23の縁面に締付け用ナット12が引っ掛かるため、照明ケース5が引掛用ボルト11に係合された状態が保持される。このとき、引掛用リベット27があるため、引掛用ボルト11が幅広長穴部22に再び戻るように移動することが抑制される。
【0040】
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果を得ると共に、より安全に照明ケース5の交換作業を行うことが可能になる。
【0041】
[第3の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第3の実施形態について、図19および図20を用いて説明する。図19は、本実施形態のエレベータ乗りかごの引掛用ボルト11および引掛用長穴20等を模式的に示す概略正面図で、幅広長穴部22に引掛用ボルト11が挿入された状態を示している。図20は、図19の引掛用ボルト11が、幅広長穴部22から幅狭長穴部23へ平行移動した後の状態を示す概略正面図である。なお、本実施形態は、第2の実施形態の変形例であって、第2の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0042】
本実施形態のエレベータ乗りかごに取り付けられる照明ケース5は、幅広長穴部22の幅狭長穴部23側の縁面が、幅狭長穴部23が延びる方向(長手方向)に向かって内向きに折り曲げられている。この長手方向折曲げ部25によって、第2の実施形態と同様に、引掛用ボルト11が幅狭長穴部23にある状態のときに、引掛用ボルト11が幅広長穴部22に再び戻るように移動することが抑制される。
【0043】
本実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、より安全に照明ケース5の交換作業を行うことが可能になる。
【0044】
[第4の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第4の実施形態について、図21および図22を用いて説明する。図21は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5の側面部5bに形成された引掛用長穴20等を模式的に示す概略側面図である。図22は、図21の幅広長穴部22に引掛用ボルト11が挿入される状態を示す概略正面図で、(a)は幅広長穴部22にくさび形ナット29付きの引掛用ボルト11が挿入される前の状態を示し、(b)は挿入途中の状態を示し、(c)は挿入が完了した状態を示す。なお、本実施形態は、第3の実施形態の変形例であって、第3の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0045】
本実施形態のエレベータ乗りかごに取り付けられる照明ケース5の幅広長穴部22の両側の縁面それぞれには、幅狭長穴部23が延びる方向に垂直な方向(幅方向)に向かって内向きに折り曲げられた幅方向折曲げ部26が形成されている。また、引掛用ボルト11のねじ部には、くさび形ナット29が取り付けられている。
【0046】
照明ケース5を天井板1に取り付けるときは、図22(a)〜(c)に示すように、くさび形ナット29付きの引掛用ボルト11が幅方向折曲部26を弾性変形させながら、幅広長穴部22を貫通する。
【0047】
貫通後は、幅方向折曲部26の弾性変形前の状態に戻るため、幅広長穴部22に挿入されたくさび形ナット29付きの引掛用ボルト11が、幅広長穴部22から抜けることを抑制することができる。よって、より安全に照明ケース5の交換作業を行うことが可能になる。
【0048】
[第5の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第5の実施形態について、図23および図24を用いて説明する。図23は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5の側面部5bに形成された引掛用長穴20等を模式的に示す概略側面図である。図24は、図23の幅広長穴部22に引掛用ボルト11が挿入される状態を示す概略正面図で、(a)は幅広長穴部22に締付け用ナット12付きの引掛用ボルト11が挿入される前の状態を示し、(b)は挿入途中の状態を示し、(c)は挿入が完了した状態を示す。なお、本実施形態は、第4の実施形態の変形例であって、第4の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0049】
本実施形態のエレベータ乗りかごに取り付けられる照明ケース5の幅広長穴部22の両側の縁面それぞれには、幅狭長穴部23が延びる方向に垂直な方向(幅方向)に向かって内向きに変形可能な板ばね28が取り付けられている。
【0050】
照明ケース5を天井板1に取り付けるときは、図24(a)〜(c)に示すように、締付け用ナット12付きの引掛用ボルト11が板ばね28を弾性変形させながら、幅広長穴部22を貫通する。
【0051】
貫通後は、板ばね28は弾性変形前の状態に戻るため、第4の実施形態と同様に、幅広長穴部22に挿入された締付け用ナット12付きの引掛用ボルト11が、幅広長穴部22から抜けることを抑制することができる。よって、より安全に照明ケース5の交換作業を行うことが可能になる。
【0052】
[第6の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第6の実施形態について、図25および図26を用いて説明する。図25は、本実施形態のエレベータ乗りかごの引掛用ボルト11が引掛用長穴20の幅狭長穴部23に挿入された状態、および固定用ボルト15が固定用穴30の小径部32に挿入された状態を模式的に示す概略下面図である。図26は、図25の引掛用ボルト11が嵌込部24内にある状態、および固定用ボルト15が大径部31内にある状態を示す概略下面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0053】
本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5は、取付け面部5aの幅狭長穴部23の端部から、この幅狭長穴部23が延びる方向に垂直に延びる嵌込部24が形成されている。この嵌込部24は、幅狭長穴部23に連通する穴で、取付け面部5aを貫通するように形成されて、引掛用ボルト11のねじ部が貫通可能である。また、この照明ケース5の固定用穴30の大径部31および小径部32は、この順に、幅狭長穴部23から嵌込部24に向かう方向に一部重なるように形成されている。
【0054】
この照明ケース5を天井板1に取り付けるときは、先ず、第1の実施形態と同様に、締付け用ナット12付きの引掛用ボルト11が幅広長穴部22を貫通するように配置する。この後に、引掛用ボルト11を幅狭長穴部23に向かって平行移動させる。この状態で照明ケース5を回動させて、固定用穴30の大径部31に固定用ボルト15を貫通させる。
【0055】
この状態で、照明ケース5を、幅狭長穴部23から嵌込部24に向かう方向に平行移動させる。このとき、引掛け用ボルトは嵌込部24に移動して、固定用ボルト15は小径部32へ移動する。
【0056】
本実施形態によれば、上記のような嵌込部24を形成することによって、照明ケース5が外れにくくなるため、第1の実施形態に比べて、安全性が向上する。
【0057】
[第7の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第7の実施形態について、図27〜図29を用いて説明する。図27は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5が回動して取付け面部5aが天井面1aに近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。図28は、図27の取付け面部5aが天井面1aに接した状態を示す概略正面図である。図29は、図28のXXIX−XXIX矢視の固定用ボルト15付近およびこの固定用ボルト15に対向する引掛用ボルト11等を示す下面図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0058】
本実施形態のエレベータ乗りかごは、天井面1aにフックを備えた固定用ブラケット41が配置されている。この固定用ブラケット41は、固定用ボルト15の付近に並ぶように取り付けられている。照明ケース5には、この固定用ブラケット41に対応する固定用ブラケット穴35が形成されている。この固定用ブラケット穴35は、固定用穴30に並ぶように形成されている。また、本実施形態の固定用穴30は、図29に示すように、貫通丸穴である。
【0059】
照明ケース5を天井面1aに取り付けるときは、第1の実施形態と同様に、照明ケース5を締付け用ナット12に引っ掛けて、回動させる。
【0060】
この後に、固定用ボルト15を固定用穴30に貫通させると共に、固定用ブラケット41を固定用ブラケット穴35に挿入する。固定用ブラケット41のフックを固定用ブラケット穴35の縁面に引っ掛けて、照明ケース5を固定する。この後に、この固定用穴30を貫通している固定用ボルト15に固定用ナット16を取り付けて締め付けて固定する。
【0061】
本実施形態によれば、照明ケース5を回動させた後に、より簡単に照明ケース5を固定することが可能になる。このため、取付け作業の効率が向上する。
【0062】
[第8の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第8の実施形態について、図30〜図32を用いて説明する。図30は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5が回動して取付け面部5aが天井面1aに近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。図31は、図30の取付け面部5aが天井面1aに接した状態を示す概略正面図である。図32は、図31のXXXII−XXXII矢視の固定用ボルト15付近およびこの固定用ボルト15に対向する引掛用ボルト11等を示す下面図である。なお、本実施形態は、第7の実施形態の変形例であって、第7の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0063】
本実施形態のエレベータ乗りかごは、天井面1aにフックを備えた穴あき固定用ブラケット42が配置されている。この穴あき固定用ブラケット42は、固定用ボルト15の付近に並ぶように取り付けられている。この穴あき固定用ブラケット42は、天井面1aを貫通するように固定されたブラケット固定用ボルト43に取り付けられている。穴あき固定用ブラケット42に形成された穴にブラケット固定用ボルト43が貫通した状態で、ブラケット固定用ナット44で締め付けられて固定されている。ブラケット固定用ナット44の締付けがゆるいときは、穴あき固定用ブラケット42は、回転可能である。
【0064】
照明ケース5を天井面1aに取り付けるときは、第7の実施形態と同様に、照明ケース5を引掛用ナットに引っ掛けて、回動させる。
【0065】
この後に、固定用ボルト15を固定用穴30に貫通させると共に、穴あき固定用ブラケット42を固定用ブラケット穴35に挿入して、穴あき固定用ブラケット42を回転させてフックを固定用ブラケット穴35の縁面に引っ掛ける。フックが縁面に引っ掛かった後に、ブラケット固定用ナット44を締め付ける。これにより、照明ケース5を固定される。
【0066】
この後に、第7の実施形態と同様に、この固定用穴30を貫通している固定用ボルト15に固定用ナット16を取り付けて締め付けて固定する。
【0067】
本実施形態によれば、第7の実施形態と同様の効果を得ると共に、ブラケット固定用ナット44で穴あき固定用ブラケット42を締め付けて固定するため、照明ケース5を支持する力を調整することが可能になる。
【0068】
[第9の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第9の実施形態について、図33〜図35を用いて説明する。図33は、本実施形態のエレベータ乗りかご照明ケース5が回動して取付け面部5aが天井面1aに近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。図34は、図33の取付け面部5aが天井面1aに接した状態を示す概略正面図である。図35は、図34のXXXV−XXXV矢視の固定用ボルト11付近およびこの固定用ボルト15に対向する引掛用ボルト11等を示す下面図である。なお、本実施形態は、第7の実施形態の変形例であって、第7の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0069】
本実施形態のエレベータ乗りかごは、天井面1aにフックを備えた固定用ブラケット41が配置されている。この固定用ブラケット41は、固定用ボルト15の付近に並ぶように取り付けられている。照明ケース5には、この固定用ブラケット41に対応する固定用ブラケット穴35が形成されている。また、固定用ブラケット穴35に近い側面部5bには、側面ブラケット51が取り付けられている。この側面ブラケット51は、固定用ブラケット41のフックと係合可能に構成されている。
【0070】
照明ケース5を天井面1aに取り付けるときは、第1の実施形態と同様に、照明ケース5を引掛用ナットに引っ掛けて、回動させる。
【0071】
この後に、固定用ボルト15を固定用穴30に貫通させると共に、固定用ブラケット41を固定用ブラケット穴35に挿入する。次に、固定用ブラケット41のフックを側面ブラケット51に係合させて、照明ケース5を固定する。
【0072】
この後に、この固定用穴30を貫通している固定用ボルト15に固定用ナット16を取り付けて締め付けて固定する。
【0073】
本実施形態によれば、第7の実施形態と同様の効果を得ると共に、ブラケット同士を係合させるため、照明ケース5の固定強度が上がり、安全性が向上する。
【0074】
[第10の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第10の実施形態について、図36〜図38を用いて説明する。図36は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5が回動して取付け面部5aが天井面1aに近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。図37は、図36の取付け面部5aが天井面1aに接した状態を示す概略正面図である。図38は、図37のXXXVIII−XXXVIII矢視の固定用ボルト15付近およびこの固定用ボルト15に対向する引掛用ボルト11等を示す下面図である。なお、本実施形態は、第9の実施形態の変形例であって、第9の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0075】
本実施形態のエレベータ乗りかごは、照明ケース5の固定用ブラケット穴35の縁面に、固定用ブラケット41に係合可能な側面係合部61が形成されている。この側面係合部61に固定用ブラケット41が係合することで、照明ケース5を固定することが可能になる。側面係合部61および固定用ブラケット41を係合させた後に、固定用ナット16を締め付けて照明ケース5を固定する。
【0076】
本実施形態によれば、第9の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0077】
[第11の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第11の実施形態について、図39を用いて説明する。図39は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5が回動して取付け面部5aが天井面1aに接した状態を模式的に示す概略正面図である。なお、本実施形態は、第9の実施形態の変形例であって、第9の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0078】
本実施形態のエレベータ乗りかごは、第8の実施形態の特徴および第9の実施形態の特徴を互いに組み合わせたものである。第9の実施形態で説明した側面ブラケット51に、第8の実施形態で説明した穴あき固定用ブラケット42を係合させて、照明ケース5が固定される。
【0079】
これにより、側面ブラケット51および穴あき固定用ブラケット42の係合強度を調整することが可能になる。
【0080】
[第12の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第12の実施形態について、図40を用いて説明する。図40は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5が回動した後に、取付け面部5aが天井面1aに接した状態を模式的に示す概略正面図である。なお、本実施形態は、第8の実施形態の変形例であって、第8の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0081】
本実施形態のエレベータ乗りかごは、第8の実施形態の特徴および第10の実施形態の特徴を互いに組み合わせたものである。第10の実施形態で説明した側面係合部61に、第8の実施形態で説明した穴あき固定用ブラケット42を係合させて、照明ケース5が固定される。
【0082】
これにより、側面係合部61および穴あき固定用ブラケット42の係合強度を調整することが可能になる。
【0083】
[第13の実施形態]
本発明に係るエレベータ乗りかごの第13の実施形態について、図41〜図44を用いて説明する。図41は、本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5が回動して取付け面部5aが天井面1aに近づいている状態を模式的に示す概略正面図である。図42は、図41の取付け面部5aが天井面1aに接した状態を示す概略正面図である。図43は、図42のXLIII−XLIII矢視側面図である。図44は、図43の穴あき側面ブラケット52が回動して、固定用ブラケット41との係合が外れた状態を示す側面図である。なお、本実施形態は、第9の実施形態の変形例であって、第9の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0084】
本実施形態のエレベータ乗りかごの照明ケース5には、固定用ブラケット穴35に近い側面部5bには、穴あき側面ブラケット52が取り付けられている。この穴あき側面ブラケット52は、固定用ブラケット41のフックと係合可能に構成されている。
【0085】
穴あき側面ブラケット52は、側面部5bを貫通するように固定された側面ブラケット固定用ボルト53に取り付けられている。穴あき側面ブラケット52に形成された穴に側面ブラケット固定用ボルト53が貫通した状態で、側面ブラケット固定用ナット54で締め付けられることで、穴あき側面ブラケット52は固定されている。側面ブラケット固定用ナット54の締付けがゆるいときは、穴あき側面ブラケット52は、回転可能である。
【0086】
照明ケース5を天井板1に取り付けるときは、上記実施形態と同様に照明ケース5を回動させる。この後に、固定用ボルト15を固定用穴30に貫通させると共に、固定用ブラケット41を固定用ブラケット穴35に挿入する。この後に、穴あき側面ブラケット52を回転させて、穴あき側面ブラケット52および固定用ブラケット41のフック同士を係合させて照明ケース5を固定する。
【0087】
本実施形態によれば、第9の実施形態と同様の効果を得ると共に、側面ブラケット固定用ナット54で穴あき側面ブラケット52を締め付けて固定するため、照明ケース5を支持する力を調整することが可能になる。
【0088】
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0089】
例えば、第2〜第5の実施形態の特徴のうちの1つと、第6〜第13の実施形態のうちの1つとを互いに組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0090】
1…天井板、1a…天井面、2…照明器具、3…側板、4…かご床板、5…照明ケース、5a…取付け面部、5b…側面部、6…照明カバー、9…かご室、11…引掛用ボルト、12…締付け用ナット、15…固定用ボルト、16…固定用ナット、20…引掛用長穴、22…幅広長穴部、23…幅狭長穴部、24…嵌込部、25…長手方向折曲げ部、26…幅方向折曲げ部、27…引掛用リベット、28…板ばね、29…くさび形ナット、30…固定用穴、31…大径部、32…小径部、35…固定用ブラケット穴、41…固定用ブラケット、42…穴あき固定用ブラケット、43…ブラケット固定用ボルト、44…ブラケット固定用ナット、51…側面ブラケット、52…穴あき側面ブラケット、53…側面ブラケット固定用ボルト、54…側面ブラケット固定用ナット、61…側面係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご扉と共にかご室を囲むように配置された複数の側板と、
前記かご室を上方から囲むように前記側板の上部に配置されて、前記かご室側に天井面が形成された天井板と、
前記天井面に取り付けられた照明器具と、
前記天井面を貫通して前記天井面の下方にねじ部先端があるように固定されて、前記ねじ部先端部付近に締付け用ナットを備えた引掛用ボルトと、
前記天井板に着脱可能で、前記天井板に装着されているときに上下に開口する環状で、前記照明器具を水平方向から覆うように形成されて、前記天井板に取り付けられる取付け面部およびこの取付け面部に垂直な側面部が形成された照明ケースと、
前記天井板に装着された前記照明ケースを、前記照明ケースの下方から上方に向かって前記照明ケースの開口部を塞ぐように構成された照明カバーと、
を有し、
前記照明ケースには、前記取付け面部および側面部に互いに連通する引掛用長穴が形成されて、この引掛用長穴は、前記ねじ部が貫通可能で且つ前記締付け用ナットが縁面に係合可能な幅狭長穴部と、この幅狭長穴部に連通し前記側面部に形成されて前記締付け用ナットおよびねじ部が貫通可能な幅広長穴部と、を含み、
前記照明ケースは、
前記側板上に前記天井板がある状態で、前記幅広長穴部に前記ねじ部および締付け用ナットを貫通させて、この貫通部位を回動中心として回動可能で、回動後に前記引掛用長穴が形成された側に対向する側の前記取付け面部が前記天井面に接した状態で前記締付け用ナットを締め付けて固定可能に構成されていること、
を特徴とするエレベータ乗りかご。
【請求項2】
前記幅広長穴部近傍の前記幅狭長穴部の縁面両側それぞれに、環状の内側に突出する凸部が形成されていること、を特徴とする請求項1に記載のエレベータ乗りかご。
【請求項3】
前記幅広長穴部の前記幅狭長穴部側の縁面が、前記幅狭長穴部が延びる方向に環状の内側に向かって折り曲げられていること、を特徴とする請求項1の記載のエレベータ乗りかご。
【請求項4】
前記幅広長穴部の前記幅狭長穴部が延びる方向に垂直な幅方向の両側の縁面が、前記幅方向に環状の内側に向かって折り曲げられた幅方向折曲げ部が形成されて、
前記締付け用ナットは前記幅方向折曲げ部を撓ませながら前記幅広長穴部を貫通し、前記締付け用ナットが貫通した後に、前記幅方向折曲げ部は撓む前の状態に戻るように構成されていること、を特徴とする請求項1に記載のエレベータ乗りかご。
【請求項5】
前記幅広長穴部の両側の縁面それぞれに、環状の内側に向かって延びる板ばねが設けられて、
前記締付け用ナットは前記板ばねを弾性変形させながら前記幅広長穴部を貫通し、前記締付け用ナットが貫通した後に、前記板ばねは弾性変形前の状態に戻るように構成されていること、を特徴とする請求項1に記載のエレベータ乗りかご。
【請求項6】
前記天井板は、前記ねじ先端部が前記天井面の下方にあるように、前記天井面を貫通して固定される固定用ボルトを有し、
前記照明ケースは、
前記引掛用長穴に対向する側の前記取付け面部に、前記固定用ボルトが貫通可能な固定用穴が形成されて、
前記側板上に前記天井板がある状態で、前記幅広長穴部に前記固定用ボルトのねじ部を貫通させて、前記固定用ボルトに固定用ナットを取り付けて固定可能に構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のエレベータ乗りかご。
【請求項7】
前記固定用穴は、前記固定用ボルトおよび固定用ナットが貫通可能な大径部と、前記固定用ナットが縁面に係合可能な小径部と、を含み、
前記大径部および小径部が互いに一部重なりながら並ぶように構成されていること、
を特徴とする請求項6に記載のエレベータ乗りかご。
【請求項8】
上方に向かって曲げられた係合部が形成された固定用ブラケットが前記天井面に設けられて、
前記照明ケースは、
前記引掛用長穴に対向する側の前記取付け面部に、前記固定用ブラケットが係合可能なブラケット用穴が形成されて、
前記側板上に前記天井板がある状態で、前記ブラケット用穴に前記固定用ブラケットを貫通させて、前記ブラケット用穴の縁面に前記係合部を係合させて固定可能に構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項の記載のエレベータ乗りかご。
【請求項9】
前記固定用ブラケットは、天井面に垂直な軸周りを回転可能で、
前記照明ケースは、
前記側板上に天井板がある状態で、前記ブラケット用穴に前記固定用ブラケットを貫通させて、前記ブラケット用穴の縁面に前記係合部を係合させて、前記固定用ブラケットを前記軸周りに回転させて固定可能に構成されていること、
を特徴とする請求項8に記載のエレベータ乗りかご。
【請求項10】
上方に向かって曲げられた係合部が形成された第1固定用ブラケットが前記天井面に設けられて、
前記照明ケースは、
前記引掛用長穴に対向する側の前記取付け面部に、前記第1固定用ブラケットが貫通可能な貫通穴が形成されて、
前記側面部には、前記第1固定用ブラケットに係合可能な第2固定用ブラケットが設けられて、
前記側板上に天井板がある状態で、前記貫通穴に前記第1固定用ブラケットを貫通させて、前記第1固定用ブラケットを前記第2固定用ブラケットに係合させて固定可能に構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項の記載のエレベータ乗りかご。
【請求項11】
前記第1固定用ブラケットは、前記天井面に垂直な軸周りに回転可能に構成されていること、を特徴とする請求項10に記載のエレベータ乗りかご。
【請求項12】
前記第2固定用ブラケットは、前記側面部に垂直な軸周りを回転可能に構成されていること、を特徴とする請求項10または請求項11に記載のエレベータ乗りかご。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2011−152999(P2011−152999A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16240(P2010−16240)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】