説明

エレベータ設備用の昇降路骨組

【目的】 本発明は、エレベータ設備(103)用の昇降路骨組(102)であって、この昇降路骨組が、自立するように及び/又はエレベータ昇降路(100)に配置可能であり、かつ荷重懸吊手段(200)を受容し、荷重懸吊手段が、駆動モータ(126)に接続されかつ昇降路骨組(102)の上に又はエレベータ昇降路(100)内に水平に取り付けられた少なくとも1つの駆動軸(204)を介して、運搬手段、特に牽引装置(208)を用いて昇降路骨組(102)内で上方に及び下方に移動される昇降路骨組に関する。
本発明の基礎となる目的は、荷重懸吊手段用の最適な空間利用と共に、簡単かつ費用効果的に昇降路骨組及び関連のエレベータ設備を製造することである。
【解決手段】 上記目的は、本発明に従って、少なくとも1つの駆動軸(204)が、昇降路骨組(102)の対角線上の2つの隅部領域(105)間にほぼ水平に延在し、エレベータ昇降路(100)の昇降路骨組(102)又は壁部の対向する部分に、特に長手方向側面(109、111、113、115)に間接的に又は直接的に接続され、長手方向側面の2つの端部の各々の領域に、各々の場合に運搬手段(208)を用いて荷重懸吊手段(200)を上方にまた下方に移動させる駆動滑車(206)を有することによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ設備用の昇降路骨組であって、この昇降路骨組が、自立するように及び/又はエレベータ昇降路内に配置可能であり、かつ荷重懸吊手段を受容し、荷重懸吊手段が、駆動モータに接続されかつ昇降路骨組の上に又はエレベータ昇降路内に水平に取り付けられた少なくとも1つの駆動軸を介して、運搬手段、特に牽引装置を用いて、昇降路骨組内で上方に及び下方に移動される昇降路骨組に関する。
【背景技術】
【0002】
身体障害者用の単純化したエレベータ設備はすでに周知である。エレベータ設備は、障害のある人々をバリアフリーに輸送するために個人の住居領域に主に使用され、また「ホームリフト」という表現によって一般の言語の使用でも知られている。
【0003】
これまで、試験及び公衆からのコメントに関するドラフトとしてprEN81−41:2007の形態でのみ存在していた欧州標準の調和の欠如のため、機械指令とも呼ばれる指令2006/42/ECの要件に従って、単純化されたエレベータ設備が、例えばドイツで製造されかつ設置されている。この指令では、例えば、デッドマン制御を使用することによって、すなわち、操作ボタンが手動で押される限りにおいてのみエレベータを動かすことができ、最大運転速度が0.15m/sであり、さらなる措置が採用された場合、カゴ閉鎖ドアを省略することができる。さらに、この機械指令により、オーバートラベル(昇降路頭部)及びアンダートラベル(昇降路ピット)の低減を実施することができる。
【0004】
設備の保守及び検査に必要な保護空間は、一時的に作られる。このタイプのエレベータ設備に関し、製造会社が適切な製造業者の証明書を有する限り、通常、3mの運搬高さまで指定当局による安全関連の検査の必要はない。運搬高さは、プラットホームがカバーできる最大移動距離である。
【0005】
このタイプの単純化したエレベータ設備は、通常、内部がレンガ積みされるか又はコンクリートで固められるエレベータ昇降路に取り付けることができる。しかし、大部分の用途では、これらの設備は、エレベータ昇降路骨組付きで供給される。エレベータ昇降路骨組は、支持又は自己支持昇降路骨組として内側又は外側に取り付けることができる。支持昇降路骨組構造体は、鋼製プロフィール、通常は中空の鋼製プロフィールの形態の支柱又は長手方向ストラット及び無目から構成される。少なくとも移動距離にわたって閉じられる保護装置を得るように、昇降路骨組は、ガラス、ファサードパネル又は他の材料で裏打ちされることが多い。
【0006】
スピンドル駆動システム及び油圧駆動システムは、エレベータ市場で駆動システムとして主に提供されている。この場合、駆動スピンドル又は油圧ラム及びガイドシステムが、側壁又は後壁側面に取り付けられる。エレベータプラットホームは、「リュックサックシステム」として片側に突出するように案内される。駆動モータ又は油圧組立体は、クラッド(スピンドル駆動)の背後の駆動側に又はエレベータ昇降路(油圧組立体)の外側に配置される。
【0007】
両方の駆動システムでは、側壁又は後壁には、必要な技術(駆動スピンドル、油圧ラム、ガイドレール等)が装備される。この壁部側面は、建築上の理由で望ましい場合、裏打ちしてもよい。移動運動の結果として剪断及び圧潰の危険性がある場合、このタイプの壁部ライニングは絶対的に必要である。ガラス製エレベータでは、この結果低減される透過性は、厄介であるように感じられる。
【0008】
さらに、裏打ちされた壁部側面は、可能なカゴ内へのアクセスに使用できず、追加の構造空間も必要とする。さらに、「リュックサックシステム」の移動特性は、中央懸吊式システムと比較してより劣り、このことは、例えば、スティック/スリップ効果及び移動運動中に生じるケージ振動によって反映される。このことは、特に、より高い騒音をもたらし、住宅用建物では生活の快適さに対し有害である。
【0009】
さらに、少なくとも2つの停止箇所を有するエレベータ設備が欧州特許出願公開第1741660A1号明細書から公知であり、この設備は、垂直に延びる駆動軸とこの駆動軸に締結された駆動滑車とを有する駆動モータと、運搬手段とを有する。エレベータ設備には、移動フレームを有し、運搬手段によって運搬され、また上方に及び下方に移動されるエレベータプラットホームが装備される。エレベータプラットホーム用の運搬手段は、特に、対角線上に隅部から隅部にかつエレベータ設備の両側に延び、したがって、大きな構造空間が駆動装置に必要である。2:1のステップアップ比又はそれ以上のステップアップ比の場合、さらなる構造空間が上方又は下方の昇降路端部用に必要である。さらに、この装置は、カゴの上方又は下方の偏向ローラ用の追加の構造空間を必要とする。さらに、ロープ、通常鋼製ロープのみを運搬手段として使用することができるが、この理由は、ロープ軸線を中心に90°少なくとも2回曲げなければならないからである。同様に、高い運搬力を吸収するために3つ以上の運搬手段が必要とされる。公知の設備もカウンタウェイトを必要とする。したがって、昇降路断面の追加の構造空間が必要になる。このタイプの駆動装置は、高い経費を伴い、複雑であり、したがって製造コストが非常に高い。
【0010】
米国特許第6,035,974号明細書によるエレベータ設備では、水平に延びる駆動軸を有する駆動モータは、エレベータプラットホームの上に配置され、運搬手段は、エレベータプラットホームの相互に対向する側面部分に延びる。ガイドシステム、運搬手段及び2つのカウンタウェイトを配置するために、大きな構造空間が必要である。移動プラットホームの長手方向側面にアクセスを配置することは問題外である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1741660A1号
【特許文献2】米国特許第6,035,974号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の基礎となる目的は、最適な空間利用と共に、簡単かつ費用効果的に昇降路骨組及び関連のエレベータ設備を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は、本発明に従って、少なくとも1つの駆動軸が、昇降路骨組の対角線上の2つの隅部領域間にほぼ水平に延び、エレベータ昇降路の昇降路骨組又は壁部の対向する部分に、特に長手方向側面に間接的に又は直接的に接続され、長手方向側面の2つの端部の各々の領域に、各々の場合に運搬手段を用いて荷重懸吊手段を上方にまた下方に移動させる駆動滑車を有することによって達成される。これによって、移動プラットホームとして設計可能な荷重懸吊手段用に、十分な自由空間が簡単に形成される。このことは、駆動軸が昇降路骨組を通してほぼ水平に延在し、長手方向側面の2つの端部の各々の領域に、各々の場合に運搬手段を用いて荷重懸吊手段を上方にまた下方に移動させる駆動滑車を有することによっても達成される。運搬手段、ガイドシステム及び別のすべての技術的な構成要素は、もっぱら昇降路骨組の隅部領域に設けられるので、非常に大きな自由空間が、荷重懸吊手段用、特に移動プラットホーム用の昇降路骨組の中心領域に設けられる。
【0014】
このため、昇降路骨組の断面が丸、卵形、多角形、好ましくは正方形の構造であり、駆動軸の端部に付設された運搬手段が、隅部領域を形成する昇降路骨組の垂直に延びる少なくとも長手方向側面のすぐ近傍にかつ長手方向側面に対し平行に延びることが有利である。このため、有利に、昇降路骨組の内側断面に適応される移動プラットホームの隅部領域が切断され、移動プラットホームの隅部領域及び反対側端縁に収束する昇降路骨組の2つの長手方向側面によって、反対側端縁が長方形又は正方形の基部領域を有する場合、上方から見て三角形の自由空間が提供され、この自由空間に、運搬手段、ガイドシステム、及び移動プラットホーム用のブレーキシステムを最適に収容できる。運搬手段をこの位置に置くために必要な三角形の領域の空間は極めて小さいので、移動プラットホームに対するアクセス開口部の寸法も最適に増大される。全体的に、設備全体の必要な技術に最適な空間利用は、可能な限り小さな空間で達成される。このようにして、設備の設置面積の70%超を移動プラットホームのために利用することができる。正方形のプラットホームの使用によっても、建築家の計画が著しく単純化されるが、この理由は、正方形のプラットホームを移動プラットホームに利用できるからである。正方形のプラットホームの使用によっても、建築家の計画が著しく単純化されるが、この理由は、正方形のプラットホームは、このタイプの構造体を問題なく建物に一体化できるからである。さらに、本発明による装置は、すべての停止箇所におけるすべての4つの側面で、移動プラットホームに対する最適なアクセスを可能にする。車椅子の使用者がエレベータ設備を使用するために、移動プラットホームの正方形の基本形状により、最適な回転の可能性が提供される。この運動は円形であり、したがってカゴ壁部の傾いた隅部は必要ではない。
【0015】
このため、1つの駆動軸又は互いに同軸に配向された2つの駆動軸が、昇降路骨組の対向する隅部領域の間に延在し、あるいは各々の駆動軸が各々の場合に駆動モータに動作的に接続されることが有利である。駆動軸は、有利に、一体部分の連続的な駆動軸として又は2分割されるように設計可能であるか、あるいは2つの駆動軸を設けることが可能である。有利に、一体部分の駆動軸は、その2つの外端において、昇降路骨組の上に又はエレベータ昇降路壁部の上に支持される。駆動軸が2つに分割された場合、駆動軸は、昇降路骨組の外端に又はエレベータ昇降路の壁部の上に支持してもよく、駆動軸の内端は、昇降路骨組の上方領域に配置されかつ駆動モータを受容する交差部材に支持される。自由空間は2つの対向する隅部領域に設けられるので、既述したように、関連の偏向又は駆動滑車を有する運搬手段、及び移動プラットホームのガイドシステムを有利にかつ空間節約的に昇降路骨組の隅部領域に又はカーカス隅部に設けることが可能である。さらに、この措置によって達成されることは、駆動軸に作用する曲げモーメントを非常に低く維持することができ、したがって、駆動軸は従来のように大きな寸法を有する必要がないことである。これによって、材料コストを同様に節約することができる。
【0016】
本発明の発展形態によれば、追加の可能性は、駆動モータが出力軸を有し、その回転軸線が、運搬手段、特に牽引装置の駆動軸の回転軸線に対しほぼ直角に配置されることである。これによって、駆動組立体用の最適な空間利用が達成される。
【0017】
さらに、荷重懸吊手段が、少なくとも2つの側面要素を有する移動プラットホームであり、側面要素が、移動プラットホームの端縁領域で及び/又は隅部領域で直立に立ち、かつ運搬手段に接続されることが有利である。
【0018】
同様に、運搬手段が、移動プラットホームの側面要素と、隅部領域を形成する昇降路骨組の長手方向側面との間に配置されることが有利である。有利に配置された側面要素により、最適に大きな通過開口部が移動プラットホームの4つのすべての側面に可能になる。同時に、側面要素は、保護装置として使用されるが、この理由は、側面要素が隅部領域に設けられた運搬手段を覆い、荷重懸吊手段、特に移動プラットホームの上に位置する人々が運搬手段と接触することを防止し、これらの人々を保護するからである。
【0019】
同様に、牽引装置が、滑車台として設計され、1つ以上の偏向滑車を有し、また偏向滑車のすべての軸線が、垂直に延びる平面上にほぼ互いに上下に配置されることが有利である。これによって、滑車台は、移動プラットホーム及び昇降路骨組の隅部領域に簡単かつ空間節約的に収容できる。
【0020】
本発明に関し、牽引装置、特に滑車台用の牽引手段としてチェーン、鋼製ロープ又は歯付きベルトを使用できることが特に重要である。牽引手段は、解放可能な挟持ホルダのみによって端部位置に固定され、この結果、空間及び費用を節約するように従来必要なカウンタウェイトを省略することが可能である。歯付きベルトを使用する利点は、長期間の使用の後にも、歯付きベルトが伸びず、滑らず、また低い騒音で使用できることである。さらに、歯付きベルトは、非常に高い温度又は低い温度、太陽放射、湿度等のような様々な環境の影響に対し抵抗力があり、保守の必要がない。
【0021】
さらに、滑車台が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1又はそれ以上のステップアップ比を有することが有利である。対応するステップアップ比を有する滑車台の有利な使用、及び床と周辺フレームとから構成されたプラットホームの形態の重量低減の荷重懸吊手段の設計により、同様に、カウンタウェイトを省略することが可能であるが、それにもかかわらず駆動力が低く維持される。約1.4×1.4mの移動プラットホームの外側寸法により、また2:1の対応するステップアップ比により、低い移動速度及び移動プラットホームの低い質量のため、駆動モータは約2kWのみ駆動力で十分である。有利に、周波数制御も使用可能であり、駆動に必要な三相は、これによって周波数制御を介して発生することができ、始動電流を低減することができる。したがって、エレベータ設備は、従来のコンセントに接続することができる。
【0022】
同様に、荷重懸吊手段、特に移動プラットホームが、少なくとも1つのガイド、特に昇降路骨組に配置されたガイドレールを用いて昇降路骨組で案内され、ガイドが、少なくとも昇降路骨組の隅部領域に及び/又は運搬手段、特に滑車台のすぐ近傍に配置されることが有利である。
【0023】
さらに、駆動モータが、駆動軸と共に、昇降路骨組の昇降路頭部に又は昇降路ピットに配置されることが有利である。
【0024】
同様に、移動プラットホームの上の1つ以上のアクセス開口部を、カゴ壁部及び/又はドアを用いて閉鎖できることが有利である。
【0025】
本発明の発展形態によれば、追加の可能性は、自由なアクセス開口部が少なくとも4つの側面に存在するように、移動プラットホームの直立側面要素が移動プラットホームの隅部領域に配置されることである。したがって、このように構成された昇降路骨組は、昇降路骨組に適応された移動プラットホームと共に、既存の建物にも自立して容易に取り付けることができるか、あるいはその後、大きな改造作業なしに建物に一体化することができる。
【0026】
望むなら、移動プラットホームの上のアクセス開口部は、必要でない場合、カゴ壁部に設けてもよい。このカゴ壁部は、より高い強度要件を満たす必要がない。カゴ壁部は、すかし細工の設計でもよいので、ガラス壁を実装することができる。
【0027】
カゴ壁部が省略されるか又はカゴ壁部がガラス製であり、さらに、昇降路骨組がガラスライニングを有するすべての側面に設けられる場合、最大可能な透過性を有する建築的に魅力的な設計が達成される。
【0028】
他の実施形態によれば、昇降路骨組が、対角線上の垂直に延びる少なくとも2つの支柱から構成され、支柱の上に、運搬手段、ガイドレール及び少なくとも1つの上方偏向滑車と少なくとも1つの下方偏向滑車が間接的に又は直接的に配置されること、及び昇降路骨組及び/又は対角線上の垂直に延びる支柱及び/又は昇降路骨組の隅部領域の交差部材が、エレベータ昇降路の少なくとも1つの内壁に間接的に又は直接的に接続されることが有利である。この結果、エレベータ昇降路に容易に設置できる著しく費用効果的なエレベータ設備が得られる。
【0029】
他の実施形態によれば、エレベータ設備用の牽引装置であって、昇降路骨組に設置することができ、自立するように及び/又はエレベータ昇降路内に配置可能であり、少なくとも1つの駆動モータに接続されかつ昇降路骨組の上に取り付けられた少なくとも1つの駆動軸を介して、運搬手段、特に牽引装置を用いて、昇降路骨組内で上方に及び下方に移動される荷重懸吊手段を受容する牽引装置において、少なくとも1つの駆動軸が、昇降路骨組の対角線上の2つの隅部領域間にほぼ水平に延在し、エレベータ昇降路の昇降路骨組又は壁部の対向する部分に、特に長手方向側面に間接的に又は直接的に接続され、滑車台、特にファクタ滑車台として牽引装置に、2つ以上の、特に4つの偏向滑車が装備され、偏向滑車の軸線が垂直に延びる平面上にほぼ互いに上下に配置され、少なくとも1つの偏向滑車が、エレベータ設備の上方のエレベータ昇降路内に又は昇降路骨組に取り付けられ、別の偏向滑車が、エレベータ昇降路内に又は昇降路骨組にエレベータ設備の下方に取り付けられ、1つ以上の、特に2つの偏向滑車が、荷重懸吊手段、特に移動プラットホームの側面要素に取り付けられ、エレベータ設備の上方のエレベータ昇降路内の又は昇降路骨組上の滑車台の牽引手段用の係着部、及びエレベータ設備の下方の滑車台の牽引手段用の別の係着部が、エレベータ昇降路内の又は昇降路骨組上の係着部に接続される牽引装置を有することが有利である。
【0030】
同様に、運搬手段、特に歯付きベルトが、すべての偏向滑車で1つのみの方向に曲げられることが有利である。したがって、歯付きベルトには、片側にのみ歯が装備されることで済み、この結果、歯付きベルトの寿命を相当に延ばすことができる。既述したように、歯付きベルトの代わりに、異なる設計の牽引手段、例えばVベルトも使用可能である。
【0031】
費用節約は、対角線上の2つのガイドレールが、交差部材と同様に、直接的に及び/又はホルダを用いて昇降路壁部に又はエレベータ昇降路の内壁部に締結されることによっても達成される。
【0032】
本発明のさらなる利点と詳細について、特許請求の範囲及び記述で説明し、図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】エレベータ設備用の昇降路骨組の上部の部分斜視図であり、昇降路骨組は、自立するように及び/又はエレベータ昇降路に配置可能である。
【図2a】図5による線A−Aに沿った概略断面図として示した上方領域に配置された駆動装置を有する昇降路骨組の図面である。
【図2b】図2aによる昇降路骨組の概略斜視図である。
【図3】駆動軸に沿った昇降路骨組の縦断面図である。
【図4】対向して配置された側面部分を有する移動プラットホームの斜視図である。
【図5】駆動装置を有する昇降路骨組の図1の上方から見た図面である。
【図6】側面要素を有しかつ移動プラットホームの隅部領域に配置されたロープ組立体を有する移動プラットホームの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図7】図6によるロープ組立体の概略側面図である。
【図8】図6によるロープ組立体の別の例示的な実施形態の側面図である。
【図9】上方駆動滑車と下方偏向滑車とを介して案内される歯付きベルトを有するロープ組立体の部分図である。
【図10】駆動装置を有する昇降路骨組の別の例示的な実施形態の図1の上方から見た図面である。
【図11】駆動装置を有する昇降路骨組の別の例示的な実施形態の図1の上方から見た図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面は、エレベータ設備103用の昇降路骨組102を示しており、昇降路骨組は、自立するように又はエレベータ昇降路100に配置可能である。昇降路骨組102は、自立するようにエレベータ昇降路100に配置可能であるか、あるいは図面に図示していないエレベータ昇降路100の側壁の接続要素を用いて支持することが可能である。
【0035】
図2aによれば、階天井116は、昇降路骨組102の下方部分104に支持される。このため、階天井116は、その中に配置されたオリフィス118を有し、このオリフィスを通して荷重懸吊手段、特に移動プラットホーム200(図4)が、運搬手段208(図4)を用いて垂直に上方及び下方に移動される。昇降路骨組102の下方部分104は、直立脚112を用いて昇降路ピット114に立つ。
【0036】
昇降路骨組102の上方部分106は、階天井116の上方に配置され、昇降路頭部124として示されている。図2aに示した例示的な実施形態によるこのセグメントには、駆動モータ126及びギヤ、特にウォームギヤ125を有する駆動装置が示されている。駆動軸204を有する駆動モータ126は、昇降路骨組102の昇降路頭部124に又は昇降路ピット114に配置可能である。
【0037】
エレベータの昇降路骨組102の上方部分106は、階天井116の上に配置される。このように、昇降路骨組102は、階から階へと配置してもよく、あるいはオリフィスが適切な寸法である場合、連続的な構造体として配置してもよい。昇降路骨組の全高120は、複数の階に跨ることが可能であり、運搬高さ122は3メートル超になり得る。
【0038】
図1によれば、荷重懸吊手段、特に移動プラットホーム200は、昇降路骨組102で垂直に移動できるように配置される。昇降路骨組102及び/又は荷重懸吊手段、特に移動プラットホーム200の断面は、卵形又は多角形、好ましくは正方形の構造である。
【0039】
例示的な実施形態で正方形であるように設計された荷重懸吊手段200又は移動プラットホームは、少なくとも2つの直立の側面要素202を有し、これらの要素は、移動プラットホーム200の端縁領域で及び/又は隅部領域105で対角線上に互いに向かい合って位置し、かつ運搬手段208に接続される。運搬手段208は、ロープ装置又は滑車台209の原理で動作するロープ装置であり得る。
【0040】
滑車台209を用いて、例えばエレベータ荷重を移動させるために加えるべき力の量を低減することができる。滑車台は、固定及び/又は緩い偏向滑車又はローラ及び牽引手段又はロープから構成される。歯付きベルト組立体は、ここでは歯付きベルトがロープの代わりに使用される点を除いて、同一の原理に従う。ここで使用されるロープ組立体又は滑車台209では、本発明によれば、2つの固定係着部216と218が使用される。しかし、牽引力にとって常に重大な要因は、荷重が分布される運搬ロープの数である。示した滑車台の基本形態では、ロープの各点における張力σは同一である。質量の重力Fは、したがって、下方ローラ上方ローラと運搬ロープとの間のすべてのn接続部に均一に分布される。ロープの端部における牽引力は、ロープの張力に比例し、したがって、F=F/n=mg/nが適用される。
【0041】
本発明による滑車台209は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1又はそれ以上のステップアップ比を有することが可能である。このように、特に、カウンタウェイトを省略することが可能である。
【0042】
対角線上の2つの側面要素202は、それらの上端において上方交差部片203を介して互いに接続される。対角線上の2つの側面要素202は別として、荷重懸吊手段、特に移動プラットホーム200は、別の側面部分を有しない。したがって、4つの自由なアクセス開口部128が得られる。図6による他の実施形態によれば、移動プラットホームは、2つの側面要素202に加えて、例えばガラス、金属又はプラスチックから形成された追加の側壁を有してもよい。
【0043】
荷重懸吊手段、特に移動プラットホーム200は、少なくとも1つのガイド、特に昇降路骨組102に配置されたガイドレール220(図7)を用いて、昇降路骨組102で垂直に案内される。ガイドは、少なくとも昇降路骨組102の隅部領域105(図5)に及び/又は運搬手段208、特に滑車台209のすぐ近傍に配置される。
【0044】
このため、運搬フレーム202には、ガイド222が装備され、このガイドは、垂直方向に延在しかつ凹部を有し、運搬フレーム202の上に又は側面要素202の上に配置されたガイドレール220(図7)で案内される。運搬手段208又は駆動軸が破壊した場合、運搬フレーム202(図7と図9)に固定配置される非常制動装置224が自動的に作動される。
【0045】
正方形、長方形の荷重懸吊手段、特に移動プラットホーム200の場合、移動プラットホームの隅縁が切断され、この結果、移動プラットホーム200の端縁は、隅部に収束する隣接する長手方向の2つの側面109、111と113、115と共に、また移動プラットホーム200の対向して斜めに延びる端縁と共に、三角形の切欠き、すなわち、隅部領域105を形成し、この隅部領域の寸法は、運搬手段208を自由空間に収容できるように選択される。同様の手順が他の断面形状の場合に使用される。
【0046】
図1と図5から理解し得るように、駆動モータ126は、上方昇降路頭部124に配置される交差部材127の上に配置される。交差部材127は、昇降路骨組102の対角線上の2つの隅部領域105間に配置され、昇降路骨組に接続される。しかし、エレベータ昇降路100の壁部要素の隅部領域105に交差部材127を固定接続することも可能である。水平に延びる少なくとも1つの駆動軸204、同様に、水平に延びる2つの駆動軸が、ウォームギヤ125を用いて駆動モータ126に接続される。昇降路骨組102の対向する隅部領域105間に、1つの駆動軸又は互いに同軸に配向された2つの駆動軸204が延在することが可能であり、2つの駆動軸は駆動モータ126に動作的に接続される。さらに、各々の駆動軸を各々の場合に駆動モータに動作的に接続することが可能である。同様に、駆動モータは、他の任意の角度で1つ又は複数の駆動軸に、あるいは駆動軸からある距離に配置可能である。
【0047】
交差部材127及び駆動軸204は、直角に互いに交差し、したがって、各々の場合に、相互に対向する隅部領域105に延在する。既述したように、交差部材及び駆動軸は、昇降路骨組102に又はエレベータ昇降路100の壁部に固定接続されるか、あるいはそこに取り付けられる。交差部材127と、昇降路骨組102に接続される駆動軸204とによって、昇降路骨組102のねじり剛性が相当に高められる。
【0048】
駆動モータ126は出力軸を有し、その回転軸線117は、運搬手段、特に牽引装置208の駆動軸204の回転軸線119に対しほぼ直角に配置される。
【0049】
駆動軸204の端部に付設された運搬手段208は、隅部領域を形成する昇降路骨組102の垂直に延びる長手方向側面109、111、113、115のすぐ近傍にかつそれらに対し平行に延び、及び/又は長手方向の中央軸線107に延びる。
【0050】
さらに、各々の場合に、運搬手段208は、空間節約的に対角線上の2つの隅部領域105に配置される。運搬手段208は、各々の場合に、移動プラットホーム200の側面要素202と昇降路骨組102の長手方向側面109、111、113、115との間に設けられ、これによって、ほぼ三角形に設計された隅部領域105又はエレベータ昇降路100の壁部が形成される。
【0051】
昇降路骨組102は、互いに直角に配向された垂直に延びる4つの長手方向側面109、111、113と115から構成される。各々の長手方向側面109、111、113と115は、支柱又は長手方向ストラット129を有する長方形フレームから構成され、このフレームは、複数の交差ストラット又は無目201を介して互いに固定接続することができる。実施形態に応じて、交差ストラット201を省略してもよいので、各々の長手方向側面109、111、113と115は、荷重懸吊手段に対し、特に移動プラットホームに対し自由なアクセス開口部128を有する。
【0052】
図1による例示的な実施形態では、アクセス開口部128は、旋回可能に配置されたドア123によって閉鎖することができる。1つ以上のアクセス開口部128は、各々の場合に、昇降路ライニング壁部又はドア123を用いて同様に閉鎖することが可能である。ドア123は、昇降路骨組102の上に有利に配置される。しかし、ここでは図示していない操作者のカゴの上のプラットホーム又は移動プラットホームの上に追加のドアを配置してもよい。
【0053】
移動プラットホーム200は、正方形であるように設計され、駆動軸204の端部に付設された牽引装置208は、隅部領域を形成する昇降路骨組102の垂直に延びる長手方向側面109、111、113、115のすぐ近傍にかつそれらに対し平行に延びる。
【0054】
牽引装置208は、滑車台の原理で動作し、したがって、滑車台209として下に示されている。滑車台は、1つ以上の偏向滑車206、212、214、219を有する。
【0055】
移動プラットホーム200の両側に配置された運搬手段208は、昇降路頭部124に設けられかつエレベータ昇降路100の壁部に又は昇降路骨組102に接続された端部懸吊部又は係着部216から、偏向滑車212を介して駆動滑車206に延び、そこからさらに、昇降路ピット114に配置されるか又は係着部218を用いてエレベータ昇降路100の壁部に又は昇降路骨組102に固定接続された偏向滑車219を介して延びる。運搬手段208は、さらにそこから、側面要素又は運搬フレーム202に配置された偏向滑車214を介して、昇降路骨組102又は昇降路ピット114に締結される端部懸吊部又は係着部218に延びる。
【0056】
駆動滑車206及び個々の偏向滑車212、214、219のすべては、異なる湾曲荷重が運搬手段に生じないように同一の直径を有する。運搬手段208は、同一の方向にのみ曲げられ、すなわち、運搬手段は対抗曲げを受けず、同方向の曲げのみを受ける。例示的な実施形態では、運搬手段208のすべては時計回りに曲げられる。端部懸吊部218から階天井216の方向に見られるように、図7の運搬手段は、右手方向の曲がりのみを経験する。運搬手段が互いに擦り合わないように、例えば、偏向滑車212、214は、駆動滑車に対し、また図8による固定偏向滑車219に対し横方向に僅かにオフセットされるように配置される。
【0057】
駆動滑車206及び偏向滑車212、214、219のすべての軸線は、図7に従って、垂直に延びる平面上にほぼ互いに上下に配置される。したがって、滑車台は、簡単かつ空間節約的に、移動プラットホーム200及び昇降路骨組102の隅部領域に非常に容易に収容することができる。駆動滑車206又は偏向滑車212、214、219は、例えば、溝付きの駆動滑車、チェーンピニオン又は歯付きベルト滑車であり得る。
【0058】
図9による図面は、概略側面図を示している。運搬手段208は、駆動軸204の端部に取り付けられた駆動滑車206を介して、運搬フレーム202に配置された偏向滑車212、214に、昇降路ピット219の偏向滑車に、また端部懸吊部216と218に延びる。使用する運搬手段208は、例えば、プラスチックシース、歯付きベルト又は鋼製チェーンを有する又は有しない鋼製ロープであり得る。
【0059】
駆動滑車206又は駆動軸204(図7)に接続された駆動滑車206は、移動プラットホーム200の上方の昇降路頭部124(図2)の領域のエレベータ昇降路100に又は昇降路骨組102に取り付けられる。別の偏向滑車219が、エレベータ昇降路内の部分104のエレベータ設備103の下方に又は昇降路骨組102の上に取り付けられる。1つ以上の、特に2つの偏向滑車212、214が、移動プラットホーム200の側面要素202内に又はその上に取り付けられる。
【0060】
滑車台209の牽引手段208用の係着部216は、エレベータ設備103の上方のエレベータ昇降路100内に又は昇降路骨組102の上に接続され、滑車台209の牽引手段の別の係着部218が、エレベータ昇降路100又は昇降路骨組102のエレベータ設備103の下方に接続される。
【0061】
図9によれば、係着部218は、各々の場合に、ねじボルトによって共に保持される2つの平坦な部片221、225を有することが可能であり、平坦な部片225は歯切り部を有する。運搬手段208は、平坦な部片221、225の間に挟持することができる。牽引手段のプレストレスはこのように達成される。
【0062】
図10に示した別の例示的な実施形態によれば、図1と図5による実施形態と異なり、昇降路骨組102は、対角線上の垂直に延びる少なくとも2つの長方形断面の支柱226から構成されることが可能である。支柱226は、長方形断面のため、昇降路骨組102の隅部領域105のエレベータ昇降路100の少なくとも1つの内壁227に間接的に又は直接的に非常に容易に接続することができ、さらに、エレベータ昇降路100の床の上に立つことができる。さらに、支柱226は、ガイドレール107が、ホルダ230によってエレベータ昇降路100の昇降路壁部に又は内壁227に直接締結される場合、省略してもよい。
【0063】
さらに、交差部材127も、昇降路骨組102の隅部領域105で、エレベータ昇降路100の少なくとも1つの内壁227に間接的に又は直接的に接続することができ、特にホルダ229を用いて、空間節約的に内壁227に締結することができる。
【0064】
運搬手段208、ガイドレール220及び少なくとも1つの上方偏向滑車と少なくとも1つの下方偏向滑車206、219は、支柱226の上に間接的に又は直接的に配置される。
【0065】
駆動モータ126の回転軸線117及び駆動軸204の回転軸線119は、図5と図10によれば90°の角度αを形成する。しかし、昇降路骨組102又はエレベータ昇降路100の断面積は、長方形断面とは異なる断面形状を有し、角度αは90°よりも大きくても、小さくてもよい。
【0066】
図11に示した別の例示的な実施形態によれば、ガイドレール102は、隅部領域105で、エレベータ昇降路100の昇降路壁部に又は内壁227昇降路に直接的に及び/又はホルダ230を用いて締結することが可能である。図5と図11から理解できるように、ガイドレール102はTレールとして設計され、レール脚部は、エレベータ昇降路100の昇降路壁部に又は内壁227に固定接続される。Tレールとして設計されたガイド222のレールウェブは、運搬フレーム又は側面要素202に配置されたガイド222を変位可能に受容する働きをする。
【符号の説明】
【0067】
100 エレベータ昇降路
102 昇降路骨組
103 エレベータ設備
104 下方部分
105 隅部領域
106 上方部分
107 長手方向中央軸線
109 長手方向側面
111 長手方向側面
112 直立脚
113 長手方向側面
114 昇降路ピット
115 長手方向側面
116 階天井
117 駆動モータの回転軸線
118 開口部
119 駆動軸の回転軸線
120 昇降路骨組高さ
122 運搬高さ
123 ドア
124 昇降路頭部
125 ギヤ、ウォームギヤ
126 駆動モータ
127 交差部材
128 アクセス開口部
129 支柱、長手方向ストラット
200 荷重懸吊手段、移動プラットホーム
201 交差ストラット、無目
202 運搬フレーム、側面要素
203 交差部片
204 駆動軸
206 偏向滑車、駆動滑車
208 運搬手段、特に牽引装置、好ましくは滑車台209、特にファクタ滑車台用のロープ牽引装置
209 滑車台
212 偏向滑車
214 偏向滑車
216 係着、上方端部懸吊部
218 係着、下方端部懸吊部
219 偏向滑車
220 昇降路骨組102の上のガイドレール
221 平坦部片
222 移動フレームの上のガイド
224 非常制動動装置
225 平坦部片、歯切り部
226 支柱
227 内壁
229 ホルダ
230 ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ設備(103)用の昇降路骨組(102)であって、前記昇降路骨組が、自立するように及び/又はエレベータ昇降路(100)内に配置可能であり、かつ荷重懸吊手段(200)を受容し、前記荷重懸吊手段が、駆動モータ(126)に接続されかつ前記昇降路骨組(102)の上に又は前記エレベータ昇降路(100)内に水平に取り付けられた少なくとも1つの駆動軸(204)を介して、運搬手段、特に牽引装置(208)を用いて、前記昇降路骨組(102)内で上方に及び下方に移動される昇降路骨組において、
少なくとも1つの駆動軸(204)が、前記昇降路骨組(102)の対角線上の2つの隅部領域(105)間にほぼ水平に延在し、前記エレベータ昇降路(100)の前記昇降路骨組(102)又は壁部の対向する部分に、特に長手方向側面(109、111、113、115)に間接的に又は直接的に接続され、前記長手方向側面の2つの端部の各々の領域に、各々の場合に運搬手段(208)を用いて前記荷重懸吊手段(200)を上方に及び下方に移動させる駆動滑車(206)を有する昇降路骨組。
【請求項2】
前記昇降路骨組(102)及び/又は前記荷重懸吊手段、特に前記移動プラットホーム(200)の断面が、卵形又は多角形、好ましくは正方形の構造であり、前記駆動軸(204)の端部に付設された前記運搬手段(208)が、前記隅部領域を形成する前記昇降路骨組(102)の垂直に延びる少なくとも前記長手方向側面(109、111、113、115)のすぐ近傍にかつ前記長手方向側面に対し平行に延びる、請求項1に記載の昇降路骨組。
【請求項3】
1つの駆動軸又は互いに同軸に配向された2つの駆動軸(204)が、前記昇降路骨組(102)の前記対向する隅部領域(105)間に延在し、前記駆動モータ(126)に動作的に接続されるか、あるいは各々の駆動軸が各々の場合に駆動モータに動作的に接続される、請求項1又は2に記載の昇降路骨組。
【請求項4】
前記駆動モータ(126)が出力軸を有し、前記出力軸の前記回転軸線(117)が、前記運搬手段、特に前記牽引装置(208)の前記駆動軸(204)の回転軸線(119)に対しほぼ直角に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項5】
前記荷重懸吊手段(200)が、少なくとも2つの側面要素(202)を有する移動プラットホームであり、前記側面要素が、前記移動プラットホーム(200)の前記端縁領域で及び/又は隅部領域(105)で直立に立ち、かつ前記運搬手段(208)に接続される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項6】
前記運搬手段(208)が、前記移動プラットホーム(200)の前記側面要素(202)と、前記隅部領域(105)を形成する前記昇降路骨組(102)の前記長手方向側面(109、111、113、115)との間に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項7】
前記牽引装置(208)が、滑車台(209)の原理で設計され、1つ以上の偏向滑車(206、212、214、219)を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項8】
前記偏向滑車(206、212、214、219)のすべての軸線が、垂直に延びる平面上にほぼ互いに上下に配置される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項9】
挟持装置及び/又はテンション装置を用いて張力が加えられるチェーン、鋼製ロープ又は歯付きベルトを、前記牽引装置(208)、特に前記滑車台(209)用の牽引手段として使用することが可能である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項10】
前記滑車台(209)が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1またはそれ以上のステップアップ比を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項11】
前記荷重懸吊手段、特に前記移動プラットホーム(200)が、少なくとも1つのガイド、特に前記昇降路骨組(102)に配置されたガイドレール(220)を用いて前記昇降路骨組(102)内を案内され、前記ガイドが、少なくとも前記昇降路骨組(102)の隅部領域(105)に及び/又は前記運搬手段(208)、特に前記滑車台(209)のすぐ近傍に配置される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項12】
前記駆動モータ(126)が、前記駆動軸(204)と共に、前記昇降路骨組(102)の昇降路頭部(124)に又は昇降路ピット(114)に配置される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項13】
前記移動プラットホーム(200)の前記直立フレーム部分、特に側面要素(202)が、自由なアクセス開口部(128)が少なくとも4つの側面に存在するように、前記移動プラットホーム(200)の前記隅部領域(105)に配置される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項14】
前記移動プラットホーム(200)の上の1つ以上のアクセス開口部(128)を、カゴ壁部及び/又はドアを用いて閉鎖することができる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項15】
前記昇降路骨組(102)が、対角線上の垂直に延びる少なくとも2つの支柱(226)から構成され、前記支柱の上に、前記運搬手段(208)、ガイドレール(220)及び少なくとも1つの上方偏向滑車と少なくとも1つの下方偏向滑車(206、219)が間接的に又は直接的に配置される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項16】
前記昇降路骨組(102)及び/又は前記対角線上の垂直に延びる支柱(226)及び/又は前記昇降路骨組(102)の前記隅部領域(105)の交差部材(127)が、前記エレベータ昇降路(100)の少なくとも1つの内壁(227)に間接的に又は直接的に接続される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項17】
前記ガイドレール(220)が、直接及び/又はホルダ(230)を用いて、前記エレベータ昇降路(100)の前記昇降路壁部に又は前記内壁(227)に締結される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の昇降路骨組。
【請求項18】
エレベータ設備(103)用の牽引装置(208)であって、前記牽引装置が、昇降路骨組(102)に設置可能であり、かつ自立するように及び/又はエレベータ昇降路(100)内に配置可能であり、また荷重懸吊手段(200)を受容し、前記荷重懸吊手段が、少なくとも1つの駆動モータ(126)に接続されかつ前記昇降路骨組(102)の上に取り付けられた少なくとも1つの駆動軸(204)を介して、運搬手段、特に前記牽引装置(208)を用いて前記昇降路骨組(102)内を上方に及び下方に移動される牽引装置において、
前記少なくとも1つの駆動軸(204)が、前記昇降路骨組(102)の対角線上の2つの隅部領域(105)間にほぼ水平に延在し、前記エレベータ昇降路(100)の前記昇降路骨組(102)又は壁部の対向する部分に、特に長手方向側面(109、111、113、115)に間接的に又は直接的に接続され、前記牽引装置(208)に、滑車台(209)、特にファクタ滑車台として、2つ以上の、特に4つの偏向滑車(206、212、214、219)が装備され、前記偏向滑車の軸線が、ほぼ垂直に延びる平面上に互いに上下に配置され、少なくとも1つの偏向滑車(206)が、前記エレベータ設備(103)の上方の前記エレベータ昇降路内に又は前記昇降路骨組(102)に取り付けられ、別の偏向滑車(219)が、前記エレベータ昇降路内に又は前記昇降路骨組(102)にエレベータ設備(103)の下方に取り付けられ、1つ以上の、特に2つの偏向滑車(212、214)が、前記荷重懸吊手段、特に前記移動プラットホーム(200)の側面要素(202)に取り付けられ、前記エレベータ設備(103)の上方の前記エレベータ昇降路内の又は前記昇降路骨組(102)上の前記滑車台(209)の前記牽引手段用の係着部(216)、及び前記エレベータ設備(103)の下方の前記滑車台(209)の前記牽引手段用の別の係着部(218)が、前記エレベータ昇降路内の又は前記昇降路骨組(102)上の前記係着部(216)に接続される牽引装置。
【請求項19】
前記運搬手段(208)、特に前記歯付きベルトが、前記すべての偏向滑車で1つのみの方向に曲げられる、請求項1又は18に記載の牽引装置(208)。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−512113(P2012−512113A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541206(P2011−541206)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009050
【国際公開番号】WO2010/069563
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(511121746)エーエルテー エレクトロニック リフト トマ ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】