説明

エンジンシリンダブロックおよびシリンダヘッド用ねずみ鋳鉄

本発明は、シリンダブロックおよび/またはシリンダヘッド鋳物を製造するための、鉄、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄、すず、銅、クロム、モリブデン、および窒素を含むねずみ鋳鉄合金に関する。該合金の窒素含有率は、0.0095〜0.0160%の範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダブロックおよび/またはシリンダヘッド鋳物を製造するための、鉄、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄、すず、および窒素からなるねずみ鋳鉄合金に関する。また、本発明は、本発明によるねずみ鋳鉄合金から鋳造される内燃機関構成部品に関する。
【背景技術】
【0002】
高馬力ディーゼルエンジンに関する環境法による排気規制は、基準がますます高くなってきている。ピークシリンダ圧力を高めることは、排気ガスを減らすための解決策の1つである。そうするためには、エンジンの高圧に耐えるシリンダブロックおよびシリンダヘッド用高強度材料が必要である。コンパクト黒鉛鋳鉄(CGI)を用いることは1つの解決策であるが、製造コストが上昇し、熱伝導率が低下し、さらに材料の減衰能が低下することを覚悟しなければならない。ねずみ鋳鉄を継続使用することは、その強度が十分に高くできるならば、様々な面から好ましい。本発明は、この目標のために貢献するものである。ねずみ鋳鉄の機械的性質に及ぼす窒素の影響は、1950年代から議論されており、例えば、J.V.Dawson,L.W.L.Smith,およびB.B.Bach:BCIRA Journal,1953,4,(12),540および/またはF.A.Mountford:The influence of nitrogen on the strength,soundness and structure of grey cast iron,The British Foundryman (1966),April,141−151を参照されたい。0.01%または100ppmオーダーの窒素含有率の増加により、引張強さが25%まで上昇する。正確な窒素の算出測定はその当時議論せざるを得なかったが、窒素含有率は150ppmまで問題なく増加させることができた。
【0003】
C.Atkin:Nitrogen in iron,Foundry World,Fall,1(1979),43‐50は、窒素含有率を40ppmから80ppmに増加させると、炭素当量に依存して、引張強さを10〜20%増加させることができることを明らかにした。この研究の後半で、窒素を40〜50ppmから140〜150ppmに増加させると、欠陥の問題なしに引張強さを29%まで増加させることを報告したが、P‐E.PerssonおよびL‐E.Bjorkegren:GrAjarn med forhojda mekaniska egenskaper,Gjuteriforeningen,20010409による鋳物工場での確認試験はあまり成功しなかった。これらのデータは、別々に鋳造された棒材から得られた。
【0004】
好ましい効果が認識されたが、実際の製造において幅広く適用されているという報告はない。多くの研究はその悪影響に対して対策を講じることに集中した、すなわち、商業用のねずみ鋳鉄鋳物中の窒素は、窒素含有率が90〜100ppmを超えると、鋳物中に多孔質巣の欠陥を形成する有害な元素として考えられていた(J.M.GreenhillおよびN.M.Reynolds:Nitrogen defects in iron castings,Foundry Trade Journal,1981,July 16,111‐122、およびInternational committee of foundry technical association:International atlas of casting defects,AFS,1993を参照)。窒素により生じる欠陥は、機械加工の後に見られる、ひび、鋳巣、ピンホール、または分散収縮と呼ばれる。厳密な許容レベルは、基本化学組成、その他のガス含有率、鋳物の形状、および凝固速度に依存する。その好ましい効果が広く用いられなかった別の理由は、ねずみ鋳鉄についての要求強度が、これまでのところ、炭素当量を調節しかつ制御された合金元素を容易に添加することにより容易に実現されたためである。しかし、従来の方法を用いてねずみ鋳鉄の強度を将来要求されるレベルにまでさらに増加させることは、鋳物工場において困難な鋳造性の問題を引き起こすであろう。それゆえ、鋳造性の問題を克服する新たなルートが必要である。
【0005】
通常、ねずみ鋳鉄溶融物中の窒素含有率は、0.004〜0.009%または40〜90ppmの範囲にある。厳密な含有率は、装入する材料および溶解工程に依存する。鋼材スクラップの割合が高いキューポラによる溶融物は、鋼材スクラップの割合が低い電気炉による溶融物よりも窒素含有率が高い。窒素の含有率がかなり低いレベルであるため、鋳物中のガス多孔質巣を避けるためにチタンを溶融物中に添加する鋳物工場を除いて、通常その含有率の制御は、鋳物工場の実際の作業では無視される。
【発明の開示】
【0006】
そのため、良好な機械加工性を有し、鋼材スクラップを避けるために窒素を高度なレベルで制御する、現状のねずみ鋳鉄合金よりも大きな強さを有するシリンダブロックおよび/またはシリンダヘッド鋳物を製造するためのねずみ鋳鉄合金が必要である。
【0007】
この目的のために、本発明によるねずみ鋳鉄合金は、シリンダブロックおよび/またはシリンダヘッド鋳物を製造するための鉄、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄、すず、および窒素を含むねずみ鋳鉄合金であって、合金の窒素含有率が0.0095〜0.0160%の範囲にあり、合金のすず含有率が0.05〜0.15%の範囲にあることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の好都合な実施例は、次の従属請求項に示唆されている。
本発明は、添付図面を参照して次の限定的でない方法によりさらに説明される。
【0009】
本発明によれば、シリンダヘッドおよびシリンダブロックは次の組成を有するねずみ鋳鉄により鋳造される。すなわち、2.7〜3.8%の炭素、1.0〜2.2%のケイ素、0.3〜1.2%のマンガン、0.02〜0.1%のリン、0.04〜0.15%の硫黄、0.05〜0.15%のすず、および1.5%までの銅、0.6%までのクロム、および0.6%までのモリブデンを含むあるいは含まない合金添加物、0.0095〜0.0160%の窒素、若干の不純物、および鉄の残分である。 チタンとアルミニウムは不純物として考える。チタンとアルミニウムは、窒素に対する高い親和力のため、窒素の有益な効果を無力化し、また極度に硬度が高いチタン窒化物により機械加工に対する問題も発生する。好適には、チタンとアルミニウムは、それぞれ0.02%未満に制限される。バナジウムは、鋳鉄中のTiと同様な元素である。バナジウムがある上限を超えると、等軸バナジウム炭素窒化物が析出する。有益な窒素を無力化しかつ機械加工の問題を発生させる悪影響を避けるために、バナジウムの含有率は約0.025%未満とする。これらの組成物を有する材料を、生型または化学バインダーで結合された砂型中で鋳造可能である。高い窒素含有率のため、材料の強度は窒素添加しないものの強度よりも高い。
【0010】
窒素制御方法
溶融物中の窒素をあるレベルに到達させるために、主成分の鉄に対する測定を行う。試験結果によれば、添加物の適正量は、公知の回収により決定される。窒素測定用のスペクトロメーターを使用すれば、作業が非常に簡単になる。
【0011】
窒化剤
窒化処理したマンガン、窒化処理したフェロマンガン、窒化処理したフェロシリコン、および窒化シリコンを、窒化剤として使用できる。これらの材料を用いた溶融物処理は、基材組成およびスラグに問題が生じない。その他の窒素が豊富な材料を用いることも可能であるが、ねずみ鋳鉄の最終的な化学組成と微細構造を考慮する必要がある。窒化処理したフェロバナジウムと窒化処理したフェロクロムは、過剰のVとCrが取り込まれて炭化物の問題を引き起こすこともあるような材料である。窒素ガスを用いることもできるが、溶融物の温度をより高温にする必要があり、鋳造工場での投資が必要になる。
【0012】
添加方法
窒化剤の粉末、顆粒、または塊を用いて、次のいずれかの方法により、ねずみ鋳鉄溶融物中に添加することができる。
【0013】
1).鋳込みとりべ中に添加
材料をとりべの底に添加できる。とりべ中の窒素分布を均一にするために、とりべの種類およびとりべ内の鉄量に応じて、窒化剤のサイズを選択するものとする。ある種のとりべについては、溶融物を攪拌させることが必要である。材料の粒径に依存して、500kgのとりべ中で窒素を均一にするには、最大で数分までが必要である。
【0014】
2).とりべを鋳込み炉に移動する際に添加
鋳造ラインで鋳込み炉を用いる場合、とりべに注入する場合と同様に、とりべの移動中に窒化剤を添加できる。この場合、鋳込み炉は窒素処理した液体鉄を保持する。炉内の圧力ガスとして窒素を用いる通常操業において、適正な窒素レベルを保持することは問題がない。例えば、処理する鉄を、開始から130ppmのレベルにおいて、窒素に大幅な損失なく、7トンの鋳込み炉中に3時間保持することが可能である。
【0015】
3).鋳込み流れ中に粉末を添加
鋳造ラインで鋳込み炉を用いるが鋳型には連続的に注入しない場合、接種剤用としての流れ添加法を用いて、処理する鉄を長時間保持し過ぎないようにすることができる。例えば1.5mmまでの粒径を有する材料粉末が、この工程には好適である。
【0016】
4).鋳型内法による添加
高度な窒素回収が、いわゆる鋳型内法により達成できる。ダクタイル鋳鉄およびCGIの製造で用いられているように、窒素処理がダクタイル鋳鉄およびCGIと同じ原理で行われる鋳込みシステムを考慮して、反応チャンバーを設計する。
【0017】
5).粉末注入とワイヤー供給
これらは、鋳造工場での製造において最も費用のかかる添加方法であるが、これらの方法は非常に高い窒素回収率と優れた再現性を可能にする。
【0018】
窒素担体を溶融炉中に直接添加することは望ましくない。その場合には、溶融工程における窒素損失のリスクがあり、工程制御が複雑になる。
【0019】
ねずみ鋳鉄の特性に及ぼす窒素の影響
1).引張強さと窒素レベル
引張強さ(Rm、Mpa)と窒素含有率(N%)との関係の一例を図1に示す。データは、100mm試験板から機械加工した12mmの試験棒によるものである。溶融物は製造中のキューポラからのものであり、これらの試験に対する基本組成はほぼ同じである。溶融物は、とりべ中の窒化したマンガンにより処理された。これらの結果によれば、窒素含有率が約105ppmよりも低いとき、窒素含有率の増加とともに、引張強さは急激に増加する。この後さらに窒素を増加させると、強度の増加は緩やかになる。この発見は、工程管理において非常に重要であり、窒素含有率と強度のばらつきに関して一定品質を達成するための根拠を提供する。強度のばらつきを最小化して強度を最大化するために、このサンプルに関して、好適な窒素含有率は約105ppmよりも高くなる。
【0020】
図1は、窒素の悪影響についても示している。この例について、窒素含有率が160ppmよりも高いと、鋳物中に多孔質巣が形成された。その結果として、図中の傾向線により示されるように、強度は窒素がさらに増加するとともに低下し始める。そのため、本発見は、要求される機械的性質および鋳物の断面肉厚に依存して、窒素含有率を95〜160ppmの範囲にまで増加させることである。液体ねずみ鋳鉄中の窒素の飽和は、C、Si、およびCrなどの鉄組成と関係がある。低炭素および低ケイ素状態において、鉄に対して同じ添加レベルでは、これらの元素の減少が液体鉄中の窒素の溶解度を増加させるため、回収率が高くなる。しかし、凝固の際に過飽和の程度が増加するため、これはひび欠陥に対するリスクも増加する。
【0021】
シリンダヘッドのファイアデッキでの引張強さのデータを図2に示す。鋳物の重量は160kgである。鋳型は、いわゆるFPCプロセス(米国特許第6,422,295号参照)に記述されるように水冷であり、化学バインダーで接着してある。図2に示す結果は、窒素以外による改良も含まれるが、この特許申請には含まれていない。180kgの重量を有する別のシリンダヘッド鋳物により、窒素の同様な効果を確認した。余分な窒素により増加する引張強さは、シリンダヘッド鋳物の基本組成に依存して、10〜20%である。
【0022】
別の例は、生型中で鋳造した12リッターのディーゼルエンジンブロック鋳物である。窒素が60〜80ppmから95〜150ppmに増加することにより、ブロックのメインベアリング領域内の引張強さが10〜20%増加した。
【0023】
多数のシリンダヘッドおよびブロック鋳物から、窒素含有率が約95ppmより高い場合に最良の便益が達成されることが明らかになった。
【0024】
2).疲労強度
引張圧縮疲労試験から、疲労と窒素処理したねずみ鋳鉄の引張強さの関係は、係数0.3の経験則に従うことが明らかになった。窒素添加により強度を増加させることは、たぶん微細構造中の炭化物によって引張強さを疲労の引張強さより増加させる従来の合金添加よりも優れていることが明らかになった。
【0025】
3).熱伝導率
熱伝導率は、窒素含有率に依存して、数パーセントまでわずかに減少する。これは、パーライト形成が促進されて、片状黒鉛がわずかに短くなりかつ遊離黒鉛がわずかに減少するという窒素効果によるものである。ねずみ鋳鉄の基本組成を調整することにより、高い熱伝導率の値を窒素添加後に維持することが可能である。
【0026】
4).熱膨張係数
試験結果から、鋳物の熱膨張係数が窒素添加により影響を受けないことが明らかになった。
【0027】
ねずみ鋳鉄の微細構造に及ぼす窒素の効果
1).黒鉛
報告されている窒素による黒鉛の圧縮が観察される。しかし、断面の肉厚が薄くそれにより鋳物の凝固速度が速いため、シリンダヘッドおよびシリンダブロック鋳物において圧縮の程度は軽度である。
【0028】
2).基材
窒素添加は、パーライト形成を増進し、エンジン鋳物のパーライトを調質する。しかし、われわれの鋳物工場においては、0.016%窒素まで、鋳物表面および過冷却黒鉛状態の領域の遊離フェライトは十分に除去されない。そのため、シリンダヘッドおよびブロック鋳物中の遊離フェライトを除去するために、すずが依然として必要である。0.04%未満のSnでは、それらの鋳物に対する効果は不十分である。0.15%を超えると、鉄を脆化させるリスクがある。
【0029】
窒素添加の影響により白鋳鉄凝固が発生するリスクは、高窒素レベルにおいても適切な接種により、観測されなかった。
【0030】
金属炭素窒化物を形成するN、Ti、Al、V、およびその他の元素を制御することにより特性のばらつきを低減
強度が増加することは、窒素添加の効果の1つである。さらに、本結果によれば、鋳造工場でのほとんどの製造における同じ基本組成に関して、窒素のばらつきは、強度のばらつきに対する主な要因の1つである。同じ窒素のばらつき量に関して、引張強さのばらつきは、本発明による高窒素含有率では通常の製造での窒素含有率よりも少ない。
【0031】
同じ窒素量により鉄を処理する場合、Al、Ti、及びVの含有率が変化すると、それらの窒素添加を無力化する効果のため、結果として得られる強度は同じではない。特性変化のばらつきを低減させるために、窒素を添加する際に、Al、Ti、及びVの含有率を制御する必要がある。
【0032】
結論として、本発見は、装入材料により窒素含有率を制御することばかりでなく、窒素を溶融物中に意図的に添加することである。C.Atkin:Nitrogen in iron、Foundry World、Fall,1(1979),43‐50により報告されているように、最良の窒素レベルは80〜100ppmではない。エンジンシリンダヘッドおよびブロック鋳物の場合、窒素含有率は、0.0160%まで、好適には105〜145ppmの範囲内にまで拡げることができる。すずは、本発明においてその他の元素との組合せによりフェライトなしの鋳物を実現するために、非常に重要な元素である。Ti、Al、V、および窒素添加を無力化するその他の元素の含有率を、最良の結果を達成するために限定するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ねずみ鋳鉄合金における引張強さと窒素含有率の関係を示す図である。
【図2】シリンダヘッド鋳造における窒素の増加による引張強さの増加を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロックおよび/またはシリンダヘッド鋳物を製造するための、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄、すず、銅、クロム、モリブデン、および窒素を含むねずみ鋳鉄合金であって、合金の窒素含有率が0.0095〜0.0160%の範囲にあり、合金のすず含有率が0.05〜0.15%の範囲にあることを特徴とするねずみ鋳鉄合金。
【請求項2】
合金の窒素含有率が0.0105〜0.0145%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の鋳造合金。
【請求項3】
合金の炭素含有率が2.7〜3.8%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造合金。
【請求項4】
合金のケイ素含有率が1.0〜2.2%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造合金。
【請求項5】
合金のマンガン含有率が0.3〜1.2%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造合金。
【請求項6】
合金のリン含有率が0.02〜0.1%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造合金。
【請求項7】
合金の硫黄含有率が0.04〜0.15%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造合金。
【請求項8】
合金が0.025%までのバナジウムを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造合金。
【請求項9】
エンジンシリンダブロックおよび/またはシリンダヘッド鋳物を製造するための、重量で、2.7〜3.8%炭素、1.0〜2.2%ケイ素、0.3〜1.2%マンガン、0.02〜0.1%リン、0.04〜0.15%硫黄、1.5%までの銅、0.6%までのクロム、0.6%までのモリブデン、0.02%未満のアルミニウム、0.02%未満のチタン、0.025%未満のバナジウム、窒素、および鉄と不純物の100%までの残分からなるねずみ鋳鉄合金であって、
合金の窒素含有率が0.0095〜0.0160%の範囲にあり、合金のすず含有率が0.05〜0.15%の範囲にあることを特徴とするねずみ鋳鉄合金。
【請求項10】
実質的にパーライトねずみ鋳鉄合金から成る内燃機関の鋳造構成部品であって、前記合金が炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄、すず、銅、クロム、モリブデン、および窒素からなる内燃機関の鋳造構成部品において、合金の窒素含有率が0.0095〜0.0160%の範囲にあり、合金のすず含有率が0.05〜0.15%の範囲にあることを特徴とする内燃機関の鋳造構成部品。
【請求項11】
合金の窒素含有率が0.0105〜0.0145%の範囲にあることを特徴とする請求項10に記載の合金から成る内燃機関の鋳造構成部品。
【請求項12】
合金の炭素含有率が2.7〜3.8%の範囲にあることを特徴とする請求項10または11に記載の合金から成る内燃機関の鋳造構成部品。
【請求項13】
合金のケイ素含有率が1.0〜2.2%の範囲にあることを特徴とする請求項10または11に記載の合金から成る内燃機関の鋳造構成部品。
【請求項14】
合金のマンガン含有率が0.3〜1.2%の範囲にあることを特徴とする請求項10または11に記載の合金から成る内燃機関の鋳造構成部品。
【請求項15】
合金のリン含有率が0.02〜0.1%の範囲にあることを特徴とする請求項10または11に記載の合金から成る内燃機関の鋳造構成部品。
【請求項16】
合金の硫黄含有率が0.04〜0.15%の範囲にあることを特徴とする請求項10または11に記載の合金から成る内燃機関の鋳造構成部品。
【請求項17】
合金が0.025%までのバナジウムを含むことを特徴とする請求項10または11に記載の合金から成る鋳造合金。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−520854(P2006−520854A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507919(P2006−507919)
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000139
【国際公開番号】WO2004/083474
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(500277711)ボルボ ラストバグナー アーベー (163)
【Fターム(参考)】