説明

エンジン作業機

【課題】十分な剛性及び強度を有するフレーム体を実現することを可能にするとともに、軽量化を図り、且つコストの低減を図ることを可能にする。
【解決手段】駆動源としてのエンジン14と、このエンジン14で駆動される作業部15と、これらのエンジン14及び作業部15に連結されるフレーム体16と、を備えたエンジン作業機10において、フレーム体16が、エンジン14に供給する燃料を貯留する燃料タンク17と、この燃料タンク17の側方に設けられた左右のサイドフレーム18,19と、これらのサイドフレームに連結されるコントロールパネル21と、からなり、左右のサイドフレーム18,19に、エンジン14、作業部15、燃料タンク17、フレーム体16及びコントロールパネル21から構成される機体11を運搬するキャリーハンドル22が付設された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源としてのエンジンが設けられ、このエンジンで駆動される作業部が設けられ、これらのエンジン及び作業部に連結されるフレーム体が設けられるエンジン作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン作業機として、駆動源としてのエンジンと、このエンジンで駆動される発電機(作業部)と、エンジン及び発電機の上部に設けられる燃料タンクと、エンジン及び発電機の上面に設けられるとともに、エンジンスイッチ、チョークレバー及び電源コンセントなどの操作部品が配置されるコントロールパネルと、備えたものが知られる。
【0003】
このエンジン作業機によれば、エンジン及び発電機に、燃料タンクやコントロールパネルを取付けることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3206632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1のエンジン作業機では、エンジンには、アルミニウムダイカストで形成され冷却ファンを覆うファンカバーが設けられ、発電機には、アルミニウムダイカストで形成され発電機を覆うハウジングが設けられ、これらのファンカバー及びハウジングにフレーム部が一体的に形成され、これらのフレーム部に燃料タンクやコントロールパネルが支持されている。
【0006】
特許文献1のエンジン作業機では、燃料タンクの支持剛性及び強度を確保しようとすると、ファンカバーやハウジングなどのアルミニウムダイカスト部品の体積が大きくなり、アルミニウム材料の使用量が増える。すなわち、エンジン作業機の重量が嵩むとともに、エンジン作業機のコストの高騰を招く。
【0007】
また、騒音対策のために、パイプ材を組み合わせたパイプフレームに組み込む場合には、フレーム部に燃料タンクやコントロールパネルが支持された形態で組み込まれるため、パイプフレームのサイズが大きくなり、エンジン作業機のコンパクト化を図ることができない。
【0008】
本発明は、エンジン及び作業部に連結され十分な剛性及び強度を有するフレーム体を実現することができるエンジン作業機を提供することを課題とする。また、軽量化を図ることができるとともに、コストの低減を図ることができるエンジン作業機を提供することを課題とする。さらに、コンパクトにまとめることができるエンジン作業機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、駆動源としてのエンジンと、このエンジンで駆動される作業部と、これらのエンジン及び作業部に連結されるフレーム体と、を備えたエンジン作業機において、フレーム体が、エンジンに供給する燃料を貯留する燃料タンクと、この燃料タンクの側方に設けられた左右のサイドフレームと、これらのサイドフレームに連結されるコントロールパネルと、からなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、左右のサイドフレームに、エンジン、作業部、燃料タンク及びコントロールパネルから構成される機体を運搬するキャリーハンドルが付設されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、燃料タンク、左右のサイドフレーム及びコントロールパネルが、板金にて形成されるプレス品が採用されたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、コントロールパネルが、操作部品が配置されるパネル本体と、このパネル本体とともに左右のサイドフレームに取付けられるパネル枠と、から分割構成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、左右のサイドフレームの側壁が、外部側方に向けて中央が凸となる曲面を有することを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、左右のサイドフレームの一方が、エンジンのクランクケースに取付けられるファンカバーが連結されるとともに、左右のサイドフレームの他方が、作業部のハウジングに取付けられるハウジングカバーが連結されることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、エンジン、作業部、燃料タンク、コントロールパネルは、左右のサイドフレームを取り外すことで、パイプを組み合わせて形成したパイプフレームに取付け可能に構成されたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、パイプフレームに、動作音を低減する防音壁が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、エンジン作業機に、駆動源としてのエンジンと、このエンジンで駆動される作業部と、これらのエンジン及び作業部に連結されるフレーム体と、を備えた。
一般的には、燃料を貯留する機能を有する機能部品である燃料タンクには、フレーム体(強度部材)としての機能はない。しかし、鋼板のプレス品で形成され箱型の燃料タンクは十分に強度部材として機能する。また、コントロールパネルは意匠的な意味合いの強い部材である。しかし、板厚の厚い鋼板(板金)で形成されたコントロールパネルや絞り加工されたコントロールパネルなども十分に強度部材として機能する。
そこで、フレーム体を、エンジンに供給する燃料を貯留する機能部品である燃料タンクと、この燃料タンクの側方に設けられた左右のサイドフレームと、これらのサイドフレームに連結され、意匠部品であるコントロールパネルと、から構成することで、十分な剛性及び強度を有するフレーム体を実現することができる。加えて、機能部品や意匠部品をフレーム体に活用することで、エンジン作業機の軽量化を図ることができるとともに、エンジン作業機のコストの低減を図ることができる。
【0018】
請求項2に係る発明では、左右のサイドフレームに、エンジン、作業部、燃料タンク及びコントロールパネルから構成される機体を運搬するキャリーハンドルが付設されたので、フレーム体のさらなる剛性及び強度の向上を図ることができる。
【0019】
請求項3に係る発明では、燃料タンク、左右のサイドフレーム及びコントロールパネルが、板金にて形成されるプレス品が採用されたので、例えば、板金の板厚を薄くすることもでき、さらなるエンジン作業機の軽量化を図ることができる。
【0020】
請求項4に係る発明では、コントロールパネルが、操作部品が配置されるパネル本体と、このパネル本体とともに左右のサイドフレームに取付けられるパネル枠と、から分割構成されたので、パネル本体とパネル枠との相乗効果が発揮され、フレーム体のさらなる剛性及び強度の向上を図ることができる。
【0021】
請求項5に係る発明では、左右のサイドフレームの側壁が、外部側方に向けて中央が凸となる曲面を有するので、左右のサイドフレームの剛性及び強度の向上を図ることができる。これにより、エンジン作業機の騒音の低減に寄与する。
【0022】
請求項6に係る発明では、左右のサイドフレームの一方が、エンジンのクランクケースに取付けられるファンカバーが連結されるとともに、左右のサイドフレームの他方が、作業部のハウジングに取付けられるハウジングカバーが連結されるので、エンジン、作業部及び燃料タンクを一体的な構造物として構成することができる。これにより、エンジン作業機全体の剛性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項7に係る発明では、エンジン、作業部、燃料タンク、コントロールパネルは、左右のサイドフレームを取り外すことで、パイプを組み合わせて形成したパイプフレームに取付け可能に構成されたので、パイプフレームにコンパクトに組立可能となる。
また、用途に応じてエンジン、作業部、燃料タンク、コントロールパネルをパイプフレームに組立てることができる。この結果、エンジン作業機の機種構成を拡げることができる。
【0024】
請求項8に係る発明では、パイプフレームに、動作音を低減する防音壁が設けられたので、エンジン作業機の動作音の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る実施例1のエンジン作業機の斜視図である。
【図2】図1に示されたエンジン作業機の背面から見た斜視図である。
【図3】図1に示されたエンジン作業機のフレーム体の斜視図である。
【図4】図1に示されたエンジン作業機の左側面図である。
【図5】図1に示されたエンジン作業機の右側面図である。
【図6】図3に示されたエンジン作業機のフレーム体の左側面図である。
【図7】図3に示されたエンジン作業機のフレーム体の正面図である。
【図8】図3に示されたエンジン作業機のフレーム体の平面図である。
【図9】本発明に係る実施例2のエンジン作業機の斜視図である。
【図10】図9に示されたエンジン作業機のパイプフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0027】
図1〜図5に示されたように、エンジン作業機(エンジン駆動作業機)10は、駆動源としてのエンジン14と、このエンジン14で駆動される作業部(発電機)15と、これらのエンジン14及び作業部15に連結されるフレーム体16と、エンジン14に供給する燃料を貯留する燃料タンク17と、この燃料タンク17の側方に設けられた左右のサイドフレーム18,19と、これらの左右のサイドフレーム18,19に連結されるコントロールパネル21と、からなる。
【0028】
機体11は、エンジン14、作業部15、燃料タンク17、フレーム体16及びコントロールパネル21から構成される。
【0029】
エンジン14及び作業部(発電機)15は、エンジン14側のクランク軸31と作業部15側のロータ55とが同軸に且つ直列に接続され、クランクケース32とハウジング57とが連結されたエンジン/発電機ユニット24として構成される。
【0030】
エンジン14は、クランク軸31を回転自在に収納するクランクケース32と、ピストン(不図示)を摺動自在に収納するシリンダブロック33と、シリンダブロック33から延出された排気管34と、この排気管34の先端に取付けられたマフラー35と、クランク軸31に同軸に取付けられる冷却ファン36と、この冷却ファン36を覆うファンカバー37と、このファンカバー37の外方に設けられたリコイルスタータ38と、を備える。マフラー35は、排気ガスを放出する排気口35aを備える。
【0031】
ファンカバー37は、リコイルスタータ38を臨ます開口部41と、リコイルスタータ38のスタータカバー51を取付ける複数の取付けボス42と、左のサイドフレーム18を取付ける前後の取付ボス43,44と、脚部49,49が取付けられる前後の突出部45,46と、クランクケース32に取付ける取付フランジ47と、が形成される。
なお、ファンカバー37は、アルミニウムダイカストで形成される。脚部49,49は、前後の突出部45,46にボルト49a,49aで取り外し可能に取付けられる。
【0032】
リコイルスタータ38は、エンジン14を始動する部材であり、スタータカバー51で覆われている。このスタータカバー51の外側にリコイルスタータ38を操作する操作ノブ52が設けられる。
【0033】
作業部15は、エンジン14のクランク軸31と同軸に配置されるロータ55と、このロータ55の周りに設けられるステータ56と、これらのロータ55及びステータ56を収納するハウジング57と、このハウジング57の一方側を覆うハウジングカバー58と、を備える。なお、作業部15は、具体的には電力を発生する発電機である。
【0034】
ハウジングカバー58は、右のサイドフレーム19を取付ける前後の取付ボス63,64と、脚部69,69が取付けられる前後の突出部65,66と、ハウジング57に連結するための複数の連結ボス67と、が形成される。
なお、ハウジングカバー58は、アルミニウムダイカストで形成される。脚部69,69は、前後の突出部65,66にボルト69a,69aで取り外し可能に取付けられる。
【0035】
燃料タンク17は、上部が形成される上部ピース71と、下部が形成される下部ピース72とを合わせて箱状に形成されたタンクであり、上部ピース71及び下部ピース72で左右のサイドフレーム18,19に結合されるフランジ73が形成される。
【0036】
上部ピース71及び下部ピース72は、板金(鋼板)にて形成されるプレス品で構成される。上部ピース71には、燃料を供給する燃料供給口74が設けられ、燃料供給口74は、タンクキャップ75で開閉自在に塞がれる。
燃料タンク17は、左右のサイドフレーム18,19に複数のボルト76で固定される。フランジ73には、複数のボルト76の貫通孔73a(図8参照)が形成されている。
【0037】
図3及び図6〜図8に示されたように、左のサイドフレーム18は、前壁81、上壁82及び側壁83から構成されるフレームであり、図8のニ点鎖線S1で示されるように、側壁83が外部側方に向けて中央が凸となる曲面を有する。左のサイドフレーム18は、板金(鋼板)にて形成されるプレス品である。
【0038】
さらに、前壁81は、コントロールパネル21を取付ける上下の取付部84,84が形成される。上壁82は、燃料タンク17のフランジ73を取付ける前後の取付部85,85が形成される。側壁83は、ファンカバー37に支持される前後の支持部86a,86bと、キャリーハンドル22を取付けるハンドル取付部87と、が形成される。
左のサイドフレーム18は、ファンカバー37にボルト88,88(図1参照)で取付けられる。
【0039】
右のサイドフレーム19は、前壁91、上壁92及び側壁93から構成されるフレームであり、図8のニ点鎖線S2で示されるように、側壁93が外部側方に向けて中央が凸となる曲面を有する。右のサイドフレーム19は、板金(鋼板)にて形成されるプレス品である。
【0040】
前壁91は、コントロールパネル21を取付ける上下の取付部94,94が形成される。上壁92は、燃料タンク17のフランジ73を取付ける前後の取付部95,95が形成される。側壁93は、ハウジングカバー58に支持される前後の支持部96a,96b(図5参照)と、キャリーハンドル22を取付けるハンドル取付部97と、が形成される。
右のサイドフレーム19は、ハウジングカバー58にボルト98,98(図2参照)で取付けられる。
【0041】
すなわち、左右のサイドフレーム18,19は、一方がエンジン14(図1参照)のクランクケース32に取付けられるファンカバー37が連結されるとともに、他方が作業部15のハウジング57に取付けられるハウジングカバー58が連結されるものといえる。
【0042】
図1及び図3に示されたように、コントロールパネル21は、操作部品101が配置されるパネル本体102と、このパネル本体102とともに左右のサイドフレーム18,19に取付けられるパネル枠103と、から分割構成された。
ここで、操作部品101とは、電源コンセント104、エンジンスイッチ105若しくは表示灯106,107若しくはターミナル121,122などの電子部品をいう。
【0043】
パネル本体102は、板厚の厚い板材が使用され、ほぼ板状のパネルである。パネル本体102には、操作部品101(電源コンセント104、エンジンスイッチ105表示灯106,107若しくはターミナル121,122)を取付ける取付孔104a〜107a及び取付孔121a,122aと、左右のサイドフレーム18,19の前後の取付部85,85,95,95に取付けるための複数の本体側貫通孔109と、が設けられる。
【0044】
図1、図3及び図8に示されたように、パネル枠103は、板厚の薄い板材が使用され、略U字状の枠体に形成される。パネル本体102を臨ますパネル開口111と、左右のサイドフレーム18,19の前後の取付部85,85,95,95に取付けるための複数の枠側貫通孔112と、が設けられる。
【0045】
すなわち、コントロールパネル21は、板金(鋼板)にて形成されるプレス品で構成される。また、コントロールパネル21は、左右のサイドフレーム18,19の上下の取付部84,84,94,94に、パネル枠103の枠側貫通孔112を合わせ、パネル枠103の上からパネル本体102をあてがい、パネル枠103及びパネル本体102を左右のサイドフレーム18,19に複数のボルト113で固定(共締め)している。
【0046】
図1及び図3に示されたように、エンジン14に供給する燃料を貯留する燃料タンク17と、この燃料タンク17の側方に設けられた左右のサイドフレーム18,19と、これらのサイドフレーム18,19に連結されるコントロールパネル21と、機体11を運搬するキャリーハンドル22と、からフレーム体16が構成される。フレーム体16は、エンジン/発電機ユニット24側のファンカバー37及びハウジングカバー58に支持されている。
【0047】
キャリーハンドル22は、パイプ材がU字状に形成された手掛かり部115と、左右の端部が平坦に潰された左右のフレーム取付部116,116、左右のフレーム取付部116,116に設けられ、左右のサイドフレーム18,19に取付ける取付孔116a,116aと、が設けられる。
キャリーハンドル22は、左右のサイドフレーム18,19に複数のボルト117で固定している。
【0048】
図1〜図5に示されたように、エンジン作業機10では、駆動源としてのエンジン14と、このエンジン14で駆動される作業部15と、これらのエンジン14及び作業部15に連結されるフレーム体16と、を備えた。
【0049】
一般的には、燃料を貯留する機能を有する機能部品である燃料タンクには、フレーム体(強度部材)としての機能はない。しかし、鋼板のプレス品で形成され箱型の燃料タンクは十分に強度部材として機能する。また、コントロールパネルは意匠的な意味合いの強い部材である。しかし、板厚の厚い鋼板(板金)で形成されたコントロールパネルや絞り加工されたコントロールパネルなども十分に強度部材として機能する。
【0050】
そこで、フレーム体16を、エンジン14に供給する燃料を貯留する機能部品である燃料タンク17と、この燃料タンク17の側方に設けられた左右のサイドフレーム18,19と、これらのサイドフレーム18,19に連結され、意匠部品であるコントロールパネル21と、から構成することで、十分な剛性及び強度を有するフレーム体16を実現することができる。加えて、機能部品や意匠部品をフレーム体16に活用することで、エンジン作業機10の軽量化を図ることができるとともに、エンジン作業機10のコストの低減を図ることができる。
【0051】
エンジン作業機10では、左右のサイドフレーム18,19に、エンジン14、作業部15、燃料タンク17及びコントロールパネル21から構成される機体11を運搬するキャリーハンドル22が付設されたので、フレーム体16のさらなる剛性及び強度の向上を図ることができる。
【0052】
エンジン作業機10では、燃料タンク17、左右のサイドフレーム18,19及びコントロールパネル21が、板金にて形成されるプレス品が採用されたので、例えば、板金の板厚を薄くすることもでき、さらなるエンジン作業機10の軽量化を図ることができる。
【0053】
エンジン作業機10では、コントロールパネル21が、操作部品101が配置されるパネル本体102と、このパネル本体102とともに左右のサイドフレーム18,19に取付けられるパネル枠103と、から分割構成されたので、パネル本体102とパネル枠103との相乗効果が発揮され、フレーム体16のさらなる剛性及び強度の向上を図ることができる。
【0054】
図1及び図8に示されたように、エンジン作業機10では、左右のサイドフレーム18,19の側壁83,93が、外部側方に向けて中央が凸となる曲面を有するので、左右のサイドフレーム18,19の剛性及び強度の向上を図ることができる。これにより、エンジン作業機10の騒音の低減に寄与する。
【0055】
エンジン作業機10では、左右のサイドフレーム18,19の一方が、エンジン14のクランクケース32に取付けられるファンカバー37が連結されるとともに、左右のサイドフレーム18,19の他方が、作業部15のハウジング57に取付けられるハウジングカバー58が連結されるので、エンジン14、作業部15及び燃料タンク17を一体的な構造物として構成することができる。これにより、エンジン作業機10全体の剛性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0056】
図9及び図10に実施例2のエンジン作業機140が示される。実施例1のエンジン作業機10(図1〜図4)に使用された部品と同一部品は同一符号を用い詳細な説明は省略する。
【0057】
エンジン作業機(エンジン駆動作業機)140は、駆動源としてのエンジン14と、このエンジン14で駆動される作業部(発電機)15と、これらのエンジン14及び作業部15を支持するパイプフレーム141と、パイプフレーム141に取付けられ、動作音を低減する左右の防音壁142,143と、パイプフレーム141取付けられ、エンジン14に供給する燃料を貯留する燃料タンク17と、これらのパイプフレーム141取付けられるコントロールパネル21と、からなる。
【0058】
エンジン作業機140では、エンジン/発電機ユニット24のファンカバー37及びハウジングカバー58から脚部49,49,69,69(図4、図5参照)が取り外され、ファンカバー37及びハウジングカバー58の前後の突出部45,46,65,66が、パイプフレーム141に直接取付けられる。
【0059】
また、エンジン作業機140では、左右のサイドフレーム18,19(図3参照)から燃料タンク17、コントロールパネル21が取り外され、燃料タンク17、コントロールパネル21がパイプフレーム141に直接取付けられる。
【0060】
図10に示されたように、パイプフレーム141は、正面視でU字状且つ側面視で逆U字状に形成されたパイプ本体144と、パイプ本体144の左の前縦パイプ153と左の後縦パイプ154とを連結する左の側部パイプ145と、パイプ本体144の右の前縦パイプ163と右の後縦パイプ164とを連結する右の側部パイプ146と、パイプ本体144の左右の後縦パイプ154,164同士を連結する水平パイプ147と、パイプ本体144の前の下パイプ156と後の下パイプ157とに連結される左右の支持フレーム148,149と、からなる。
【0061】
パイプ本体144は、左右の前縦パイプ153,163、左右の後縦パイプ154,164、左右の横パイプ155,165、前後の下パイプ156,157から構成される。
なお、左の前縦パイプ153と左の後縦パイプ154との上端同士は、左の横パイプ155で連結され、右の前縦パイプ163と右の後縦パイプ164との上端同士は、右の横パイプ165で連結されている。
【0062】
左の支持フレーム148には、ファンカバー37の前後の突出部45,46(図4参照)が取付けられるファンカバー取付部171,171と、パイプフレーム141を支持する脚176,176と、が設けられる。
左の側部パイプ145には、燃料タンク17が取付けられる左前取付部172及び左後取付部173が設けられる。
【0063】
左の側部パイプ145の前方には、コントロールパネル21が取付られる左パネル取付部174,174が設けられる。左の前縦パイプ153及び左の後縦パイプ154には、左の防音壁142(図9参照)が取付けられる複数の左壁取付部175が形成される。
【0064】
右の支持フレーム149には、ハウジングカバー58の前後の突出部65,66(図5参照)が取付けられるハウジングカバー取付部181,181と、パイプフレーム141を支持する脚186,186と、が設けられる。
右の側部パイプ146には、燃料タンク17が取付けられる右前取付部182及び右後取付部183が設けられる。
【0065】
右の側部パイプ146の前方には、コントロールパネル21が取付けられる右パネル取付部184,184が設けられる。右の前縦パイプ163及び右の後縦パイプ164には、右の防音壁143(図9参照)が取付けられる右壁取付部185が形成される。
なお、左右の防音壁142,143(図9参照)は、左壁取付部175及び右壁取付部185にそれぞれクリップ止めされている。
【0066】
すなわち、図9及び図10に示されたように、エンジン作業機140では、エンジン14、作業部15、燃料タンク17、コントロールパネル21は、左右のサイドフレーム18,19(図3参照)を取り外すことで、パイプを組み合わせて形成したパイプフレーム141に取付け可能に構成されている。
【0067】
従って、エンジン作業機140では、エンジン14、作業部15、燃料タンク17、コントロールパネル21は、左右のサイドフレーム18,19を取り外すことで、パイプを組み合わせて形成したパイプフレーム141に取付け可能に構成されたので、パイプフレーム141にコンパクトに組立可能となる。
また、用途に応じてエンジン14、作業部15、燃料タンク17、コントロールパネル21をパイプフレーム141に組立てることができる。この結果、エンジン作業機140の機種構成を拡げることができる。
【0068】
エンジン作業機140では、パイプフレーム141に、動作音を低減する防音壁が設けられたので、エンジン作業機140の動作音の低減を図ることができる。
【0069】
尚、本発明に係るエンジン作業機は、図1に示すように、作業部15は発電機であったが、これに限るものではなく、作業部15はエンジン14の駆動力で動作するものであればよく、例えば、ポンプ若しくは泥水等を浄化する浄化装置などであってもよい。
【0070】
本発明に係るエンジン作業機は、図3に示すように、ファンカバー37及びハウジングカバー58は、アルミニウムダイカストで形成されたが、これに限るものではなく、板金(鋼板)のプレス品で構成したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係るエンジン作業機は、エンジンを駆動源としたポータブルの発電機に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0072】
10…エンジン作業機、11…機体、14…エンジン、15…作業部(発電機)、16…フレーム体、17…燃料タンク、18,19…左右のサイドフレーム、21…コントロールパネル、22…キャリーハンドル、32…クランクケース、37…ファンカバー、57…ハウジング、58…ハウジングカバー、83,93…左右のサイドフレームの側壁、101…操作部品、102…パネル本体、103…パネル枠、140…エンジン作業機、141…パイプフレーム、142,143…左右の防音壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源としてのエンジンと、このエンジンで駆動される作業部と、これらのエンジン及び作業部に連結されるフレーム体と、を備えたエンジン作業機において、
前記フレーム体は、前記エンジンに供給する燃料を貯留する燃料タンクと、この燃料タンクの側方に設けられた左右のサイドフレームと、これらのサイドフレームに連結されるコントロールパネルと、からなることを特徴とするエンジン作業機。
【請求項2】
前記左右のサイドフレームに、前記エンジン、前記作業部、前記燃料タンク及び前記コントロールパネルから構成される機体を運搬するキャリーハンドルが付設されたことを特徴とする請求項1記載のエンジン作業機。
【請求項3】
前記燃料タンク、左右のサイドフレーム及びコントロールパネルは、板金にて形成されるプレス品が採用されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジン作業機。
【請求項4】
前記コントロールパネルは、操作部品が配置されるパネル本体と、このパネル本体とともに前記左右のサイドフレームに取付けられるパネル枠と、から分割構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のエンジン作業機。
【請求項5】
前記左右のサイドフレームの側壁は、外部側方に向けて中央が凸となる曲面を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のエンジン作業機。
【請求項6】
前記左右のサイドフレームの一方は、前記エンジンのクランクケースに取付けられるファンカバーが連結されるとともに、前記左右のサイドフレームの他方は、前記作業部のハウジングに取付けられるハウジングカバーが連結されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のエンジン作業機。
【請求項7】
前記エンジン、前記作業部、前記燃料タンク、前記コントロールパネルは、前記左右のサイドフレームを取り外すことで、パイプを組み合わせて形成したパイプフレームに取付け可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のエンジン作業機。
【請求項8】
前記パイプフレームに、動作音を低減する防音壁を備えたことを特徴とする請求項7記載のエンジン作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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