説明

エンドトキシンを検出するための方法および試薬

【課題】エンドトキシンを検出するための試薬および方法を提供する。
【解決手段】精製カブトガニC因子、特に組換えにより生産されたC因子、および界面活性剤を含む試薬を用いて、エンドトキシンを検出するための高感度で迅速かつ再現可能なアッセイ法であって、用いる界面活性剤としては、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤より選択される。カブトガニはリムラス・ポリフェムス、カルシノスコルピウス・ロタンディカウダまたはタキプレウス・ギガスより選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2001年6月28日に出願された同時係属中の仮出願第60/310,125号の利益を主張するものであり、その出願は参照により本出願に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明はエンドトキシンを検出するための試薬および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
グラム陰性細菌エンドトキシンは様々な物質、例えば、水、食物、薬学的生成物、および非経口調製物などの広範な汚染物質である。エンドトキシン汚染に対し最も一般的に使用される試験では、カブトガニ血リンパ由来の変形細胞ライセートが用いられる。しかしながら、これらの動物の個体数が減少するにつれ、カブトガニ血リンパの利用能に頼らない、エンドトキシンを検出するための迅速で信頼できる方法を開発することがますます重要になっている。
【発明の概要】
【0004】
発明の簡単な概要
本発明はエンドトキシンを検出するための試薬および方法を提供する。本発明の1つの態様は、精製したカブトガニC因子蛋白質および界面活性剤を含む、エンドトキシンを検出するための試薬である。界面活性剤は、以下の化学式:




(式中、
R1は1〜4の炭素原子を有するアルキレンラジカルであり;
YおよびY'はそれぞれ、(1)水素、(2)低級アルキル、または(3)ヒドロキシ低級アルキルであり;
R2およびR3はそれぞれ、(1)低級アルキルまたは(2)ヒドロキシ低級アルキルであり;
nは0または1であり、nが0である場合、R4は約8〜約18の炭素原子を含むアルキルであり;
nが1である場合、R4は1〜約6の炭素原子を有するアルキレンラジカルであり;
R5は約8〜約18の炭素原子を含むアルキルであり;および
Mは水素、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムである)
により表される両性界面活性剤とすることができる。界面活性剤は以下の化学式:


(式中、
R5、Y、およびMは上記と同じ意味を有し;R6は8〜24の炭素原子のアルキルであり;n1は1〜3の整数であり;n2は1または2であり;およびArはフェニルまたはナフチルである)
により表される陰イオン性界面活性剤とすることができる。界面活性剤は、以下の化学式:

(式中、
R5、Y、およびY'は上記と同じ意味を有する)
により表される陽イオン性界面活性剤とすることができる。界面活性剤は、以下の化学式:

(式中、
R5、Y、およびY'は上記と同じ意味を有し、R7およびR8はそれぞれメチルまたはエチルである)
により表される非イオン性界面活性剤とすることができる。界面活性剤は、約10〜30モルのエチレンオキシドの、10〜20の炭素原子を含むエステル基を有する6炭素原子を含む6価アルコールのモノエステルとの縮合生成物からなる群より選択される非イオン性界面活性剤とすることができる。
【0005】
本発明のさらに他の態様は、試験試料中のエンドトキシンを検出する方法である。試験試料を(1)(a)精製カブトガニC因子蛋白質と(b)界面活性剤とを含む試薬と接触させて試験試料-試薬混合物を形成し、(2)C因子基質と接触させ接触試験試料を形成させる。C因子基質の開裂により検出可能なシグナルが生成する。接触試験試料について、検出可能なシグナルの有無をアッセイする。エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の検出可能なシグナルにより、試験試料中におけるエンドトキシンの存在が示される。
【0006】
本発明の他の態様は、試験試料中のエンドトキシンの検出方法である。試験試料を(1)(a)組換えカルシノスコルピウス・ロタンディカウダC因子蛋白質と(b)界面活性剤とを含む試薬、および(2)N-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンと接触させ接触試験試料を形成させる。C因子蛋白質は、C因子蛋白質をコードするベクターを含む宿主細胞を上清中、C因子蛋白質が上清中に発現されるような条件下で培養する方法により作成する。接触試験試料を、蛍光シグナルの有無についてアッセイする。エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の検出可能なシグナルにより、試験試料中におけるエンドトキシンの存在が示される。
【0007】
本発明の他の態様は、試験試料中のエンドトキシンの検出方法である。試験試料を、上記のように精製カブトガニC因子蛋白質と界面活性剤とを含む試薬と接触させ、試験試料-試薬混合物を形成させる。試験試料-試薬混合物をC因子基質と接触させる。この場合、C因子基質の開裂が起こると検出可能なシグナルが生成する。接触試験試料-試薬混合物を、検出可能なシグナルの有無についてアッセイする。エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の検出可能なシグナルにより、試験試料中におけるエンドトキシンの存在が示される。
【0008】
本発明のさらに他の態様は、試験試料中のエンドトキシンの検出方法である。試験試料を、組換えカルシノスコルピウス・ロタンディカウダC因子蛋白質と界面活性剤とを含む試薬と接触させる。C因子蛋白質は、C因子蛋白質が上清中に発現されるような条件下で、C因子蛋白質をコードするベクターを含む宿主細胞を上清中で培養する方法により作成される。試験試料-試薬混合物をN-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンと接触させる。接触試験試料-試薬混合物を、蛍光シグナルの有無についてアッセイする。エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の蛍光シグナルにより、試験試料中におけるエンドトキシンの存在が示される。
【0009】
本発明のさらに他の態様はエンドトキシンを検出するためのキットである。キットは上記のように(a)精製カブトガニC因子蛋白質と(b)界面活性剤とを含む試薬を、試験試料中のエンドトキシンを検出する方法のための説明書と共に備える。本方法は、(1)試験試料を、上記のように(a)精製カブトガニC因子蛋白質と(b)界面活性剤とを含む試薬と接触させて試験試料-試薬混合物を形成する段階;(2)試験試料-試薬混合物をC因子基質と接触させる段階(ここでC因子基質の開裂により検出可能なシグナルが発生する);および(3)接触試験試料-試薬混合物を、検出可能なシグナルの有無についてアッセイする段階(ここで、エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の検出可能なシグナルにより、試験試料中におけるエンドトキシンの存在が示される)を含む。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明はエンドトキシンを検出するための試薬およびその試薬の使用方法である。試薬は、精製カブトガニC因子蛋白質および界面活性剤を含む。この試薬は、C因子に対する基質と共に使用することができ、この基質が開裂すると、検出可能なシグナルが発生し、試験試料中のエンドトキシンが検出される。界面活性剤が存在すると、エンドトキシンによる精製C因子の活性化が3〜7倍も増強され、試験試料中のエンドトキシンレベルのより迅速で高感度の測定が可能となる。試薬は好ましくは組換えC因子を含み、このためカブトガニ血リンパを連続供給する必要が無くなる。
【0011】
精製C因子
本発明の試薬の1つの要素として精製カブトガニC因子蛋白質が含まれる。4種の周知のカブトガニ、リムラス・ポリフェムス(Limulus polyphemus)、カルシノスコルピウス・ロタンディカウダ(Carcinoscorpius rotundicauda)、タキプレウス・トリデンタタ(Tachypleudus tridentata)、またはタキプレウス・ギガス(Tachpleudus gigas)のいずれかに由来する精製天然C因子を、本発明の実施に使用することができる。天然C因子は生物化学的に精製することができ、または精製C因子は組換えにより生成することができる。
【0012】
本明細書で使用される「精製C因子」とは、以後で定義するように、30重量%未満の、4種の周知のカブトガニのいずれかに由来する非-C因子天然変形細胞ライセート成分を含むC因子蛋白質組成物を意味する。組成物は特に、組換えC因子蛋白質を有する細胞培養上清を含む(下記を参照のこと)。天然の基源からカブトガニC因子を精製するための方法は周知であり、例えば、Nakamuraら、Eur.J.Biochem.154、511-21、1986;Navasら、Biochem.Intl.21、805-13、1990;Tokunagaら、J.Biochem.109、150-157、1991;米国特許第5,985,590号および米国特許第5,716,834号において開示されている。これらの方法または等価物のいずれかを使用して精製C因子を得ることができる。実施例11を参照のこと。C因子調製物の純度は、SDSゲル電気泳動などの当技術分野において周知の任意の手段により評価することができる。
【0013】
好ましくは、精製C因子は組換えにより生成される。タキプレウス・トリデンタタおよびカルシノスコルピウス・ロタンディカウダ由来の天然C因子に対するアミノ酸配列は周知であり、これらの蛋白質に対する天然のコード配列も周知である。配列番号:1および3は、それぞれ配列番号:2および4で示されるタキプレウス・トリデンタタC因子アミノ酸配列に対するコード配列を提供する。配列番号:5および7は、それぞれ配列番号:6および8で示されるカルシノスコルピウス・ロタンディカウダC因子アミノ酸配列に対するコード配列を提供する。遺伝暗号の縮重のため、これらの天然C因子蛋白質の各々をコードする多くの他の配列を考えることができ、本発明は特にこれらのコード配列のいずれかを使用して精製C因子を作成しようとするものである。
【0014】
本発明はまた、変異体がC因子酵素活性を保持するという条件で、天然の、および天然でない、すなわち組換えにより作成したC因子変異体の使用を含む。C因子酵素活性は、当技術分野において周知のC因子酵素活性に対する任意のアッセイ法を使用して評価することができる。例えば、Tokunagaら、J.Biochem.109、150-157、(1991)およびNakamuraら、Eur.J.Biochme.176、89-94、1988を参照のこと。以下の実施例1および13において記述したエンドトキシンアッセイ法を使用することもできる。天然のC因子変異体としては、例えば、C因子mRNAスプライス変異体または突然変異C因子遺伝子の生成物が挙げられる。
【0015】
天然でないC因子変異体は、塩基置換、付加、または欠失を用いてC因子活性を有する蛋白質を生成させることにより構築することができる。天然でないC因子変異体は、Blast2整合プログラム(Blosum62、Expect 10、標準遺伝暗号)を使用して決定されるように、天然C因子と、50、75、80、85、90、95、97、98、または99%も異なることがある。C因子活性を保持する天然の、および組換えにより生成したC因子の断片もまた、本発明の実施に使用することができる。このように、本明細書で使用されるように「C因子」は上記特性を有する天然の、および天然ではない蛋白質および蛋白質断片を含む。
【0016】
組換えにより蛋白質を生成する方法は当技術分野では周知であり、一般に、C因子蛋白質をコードする発現ベクターを含む宿主細胞を上清中、蛋白質が発現される条件下で培養する段階を含む。発現された蛋白質を回収することができ、または、好ましくは発現された蛋白質を組換えC因子の基源として直接使用する。このように、「精製C因子」は特に、組換えC因子を有する上清を含む。組換えC因子の生成に有益な宿主細胞には、酵母細胞および昆虫細胞が含まれるが、これらに限定されるものではない。ピチア・パストリス(Pichia pastoris)およびサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)宿主細胞内でのカルシノスコルピウス・ロタンディカウダC因子の組換え生成は特に、米国特許第5,985,590号において開示されている。
【0017】
組換えC因子を得る特に好ましい方法は、実施例2〜5において記述するように、バキュロウイルスシステム中で蛋白質を生産するものである。簡単に言うと、C因子コード配列をpFASTBAC1にクローニングする。得られた組換えプラスミドを、mini-attTn7標的部位を有するbacmidおよびヘルパープラスミドを含むDH10BACコンピテント細胞へ形質転換する。ヘルパープラスミドにより提供される転移蛋白質の存在下では、pFASTBACプラスミド上のmini-attTn7転移因子がbacmid上のmini-attTn7標的部位に転移することができる。lacZac遺伝子の分裂により組換えbacmidを含むコロニーを同定する。組換えbacmidを含む選択したDH10BACクローンから高分子量DNAを調製する。その後、このDNAを使用してS9昆虫細胞にトランスフェクトすると、細胞は組換えC因子を分泌する。本発明の特に驚くべき発見は、培養細胞から分離した分泌C因子を含む培地を、さらに精製せずに、界面活性剤(下記)と共にエンドトキシンアッセイ法における試薬として使用することができるということである。
【0018】
界面活性剤
本発明の試薬はまた界面活性剤を含む。本発明の実施に有用な界面活性剤には、米国特許第4,322,217号で記述されているものが含まれるが、他の界面活性剤も使用することができる。有益な界面活性剤には、構造中に陰イオン性基および陽イオン性基の両方を含む両性界面活性剤が含まれる。例えば、化学式A:

(R1は1〜4の炭素原子を有するアルキレンラジカルであり、
Yは(1)水素、(2)例えば1〜4の炭素原子を含む置換または未置換低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、もしくはヒドロキシなどを含む任意の有毒でない、化学的に適した置換基であり;
R2およびR3はそれぞれ、1〜4の炭素原子を含む置換または未置換低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ヘドロキシエチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ、プロピルなどから選択され;
nは0または1であり、
n=0である場合、R4は例えば約8〜約18の炭素原子を含む置換または未置換アルキルであり、および
n=1である場合、R4は約1〜約6の炭素原子を有するアルキレンラジカルであり、R5は例えば約8〜約18の炭素原子を含む置換または未置換アルキルである)
により表されるスルホベタインである。
【0019】
「アルキレン」という用語は、ポリメチレンラジカルおよび他の二価の飽和脂肪族ラジカルの両方を含む。このように、アルキレンラジカルにより提供される結合では分枝があってもよい。「低級」という用語は1〜4の炭素原子を含むラジカルを意味する。
【0020】
本発明の試薬において使用することができるスルホベタインは当技術分野において周知であり、両性界面活性剤として記述されている。そのような化合物の調製については、例えば、Fernley、J.Am.Oil Chem.Soc.55、98-103(1978)および米国特許第3,280,179号において記述されている。好ましいスルホベタイン界面活性剤では、上記構造のR2およびR3はメチルである。R1がプロピレンであることも好ましい。
【0021】
有益なスルホベタイン界面活性剤の1つの型は、nが0であり、R4が約8〜18の炭素原子を有するアルキルラジカル、好ましくは直鎖アルキルラジカルである上記構造を有する。これらのスルホベタイン界面活性剤では、R4成分の都合のよい基源は獣脂脂肪アルコールであり、これは様々な鎖長の混合物からなり、典型的な組成は約66%のC18、30%のC16、および4%のC14などである。他の都合のよい基源は蒸留ココナッツ脂肪アルコールの中央切断部(middle cut)であり、これもまた様々な鎖長の混合物からなり、典型的な組成は約66%のC12、23%のC14、および9%のC16、および2%のC10である。
【0022】
nが0である上記構造の特定のスルホベタイン界面活性剤は米国特許第3,539,521号において記述されている。この型の特に好ましい界面活性剤はN-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホナートであり、これは、商標名ZWITTERGENT 3-14でCalbiochem-Behring Corporationから市販されている。
【0023】
有益なスルホベタイン界面活性剤の他の型は、nが1であり、R4が約1〜約6の炭素原子を有するアルキレンラジカルである上記構造を有する。nが1であるこれらのスルホベタインでは、R5は約8〜約18の炭素原子を有するアルキルラジカルである。R5は直鎖であることが好ましい。前述したように、約10〜約18の炭素原子を有するアルキルラジカルの好都合な基源は、獣脂脂肪アルコールおよびココナッツ脂肪アルコールである。nが1である上記構造の特定のスルホベタイン界面活性剤は米国特許第3,280,179号において記述されている。
【0024】
特に好ましいスルホベタイン界面活性剤は、3-(N,N-ジメチル-N-アシルアミドプロピルアンモニオ)-2-ヒドロキシ-プロパン-1-スルホナートであり、ここで、アシル基は獣脂脂肪アルコールまたはココナッツ脂肪アルコール由来であり、ココナッツ脂肪アルコールが好ましい。獣脂またはココナッツ脂肪アルコールのこれらの誘導体の通常の調製では、アシル基に対し様々な炭素鎖長を有するスルホベタインの混合物が得られることは、当業者には認識されるであろう。前記のように、これらの脂肪アルコールは大体、所望の数の炭素原子、すなわち約8〜約18の炭素原子を有するアシル基を提供する炭素鎖を含む。このように、獣脂またはココナッツ脂肪アルコールから得られるこれらの混合物は、本発明の試薬のためのスルホベタイン界面活性剤を提供するのに有益である。
【0025】
本発明の試薬において使用するのに特に好ましいこの型の材料は、N-ココアミド-プロピル-N,N-ジメチル-N-2-ヒドロキシプロピルスルホベタインである。この一例はLONZAINE CSであり、これはニュージャージー州フェアローン所在のLonza,Inc.から市販されている。
【0026】
他の両性界面活性剤としては、化学式B:

により示されるN-長鎖アミノカルボン酸、化学式C:

により示されるN-長鎖イミノジカルボン酸、および化学式D:

により示されるN-長鎖アルキルまたはアミドベタインが挙げられる(式中、R1、R2、R3、R4、Yおよびnは化学式Aにおいて有する意味と同じ意味を有し、Mは水素または塩形成金属であり、Y'は化学式AのYと同じ意味を有する)。YおよびY'は同じであっても異なってもよい。特定の両性界面活性剤の例は、N-アルキルβ-アミノプロピオン酸、N-アルキル-β-イミノジプロピオン酸、およびN-アルキル-N,N-ジメチルグリシンであり;アルキル基は、例えばココ脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール(もしくはラウリル-ミリスチル混合物)、水素化獣脂アルコール、セチル、ステアリル、またはそのようなアルコールのブレンドから誘導されてもよい。置換アミノプロピオン酸およびイミノジプロピオン酸はしばしばナトリウムまたは他の塩形態で供給され、それらもまた本発明の試薬において使用することができる。
【0027】
特定の例としては、EMCOL CC 37-18の名でWitco Chemical Corporationから販売されているココベタイン、LONZAINE COの名でLonza Inc.から販売されているココアミドプロピルベタイン、およびDERIPHAT 160の名でHenkel Corporationから販売されているN-獣脂-β-イミノジプロピオン酸二ナトリウムが挙げられる。
【0028】
他の両性界面活性剤の例は、長鎖脂肪酸(例えば、10〜20の炭素原子)をジエチレントリアミンおよび2〜6の炭素原子を有するモノハロカルボン酸と反応させることにより得られるもの、例えば、1-ココ-5-ヒドロキシエチル-5-カルボキシメチルイミダゾリンなどの脂肪イミダゾリンである。特定の例としては、Lonza,Inc.からAMOPHOTERGE K-2の名で市販されているココイミダゾリン、およびLonza,Inc.からAMOPHOTERGE KJ-2の名で市販されているカプリンジカルボキシイミダゾリンが挙げられる。
【0029】
有益の界面活性剤の他の例には、分子構造中に親水性基および親油基を含み、ならびに水性媒質中でイオン化し親油基および親水基の両方を含む陰イオンとなる化合物として一般に記述される陰イオン性合成界面活性剤が含まれる。アルキルアリールスルホナート、アルカンスルフェート、および硫酸化オキシエチル化アルキルフェノールが陰イオン型の界面活性化合物の例である。
【0030】
アルキルアリールスルホナートは化学式E:

で表される合成陰イオン性界面活性剤の1つのクラスである。
【0031】
化学式Eにおいて、R6は約1〜約24の炭素原子を有する直鎖または分枝炭化水素ラジカルであり、少なくとも1つのR6は少なくとも8の炭素原子を有し;n1は1〜3であり;n2は1〜2であり;Arはフェニルまたはナフチルラジカルであり、YおよびMは化学式Bの場合と同じ意味を有する。R6は例えば、メチル、エチル、ヘキシル、オクチル、テトラオクチル、イソ-オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどとすることができる。
【0032】
アルキルアリールスルホナートの例となる化合物としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、メチルドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エイコソシルナフタレンスルホン酸カリウム、ウンデシルナフタレンスルホン酸エチルアミンおよびドコシルナフタレンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0033】
アルキルスルフェートは、化学式F:

(式中、R5およびMは化学式Bの場合と同じ意味を有する)
で表される合成陰イオン性界面活性剤の1つのクラスである。陰イオン性界面活性剤のアルキルスルフェートクラスの例となる化合物としてはオクタデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ノニル硫酸ナトリウム、デシル硫酸アンモニウム、テトラデシル硫酸カリウム、ジエタノールアミノオクチルスルフェート、オクタデシル硫酸トリエタノールアミン、およびノニル硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0034】
硫酸化オキシエチル化アルキルフェノールは、化学式G:

(式中、Aは酸素、硫黄、カルボナミド(carbonamide)基、チオカルボナミド基、カルボキシル基、またはチオカルボキシルエステル基であり、Zは3〜8の整数であり、R5およびMは化学式Bの場合と同じ意味を有する)
で表される合成陰イオン性界面活性剤の1つのクラスである。硫酸化オキシエチル化アルキルフェノールクラスの陰イオン性界面活性剤の例となる化合物としては、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシ硫酸アンモニウム、ドデシルフェノキシトリエチレンオキシ硫酸ナトリウム、デシルフェノキシテトラエチレンオキシ硫酸エタノールアミン、およびオクチルフェノキシトリエチレンオキシ硫酸カリウムが挙げられる。
【0035】
有益な界面活性剤の他の例としては、イオン化しないが酸素化された側鎖から親水性が得られる化合物、例えばポリオキシエチレンとして広く記述することができる非イオン性界面活性化合物が挙げられ;分子の親油性部分は脂肪酸、フェノール、アルコール、アミド、またはアミンに由来してもよい。化合物は、通常、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを脂肪酸、1または複数のヒドロキシル基を含む直鎖もしくは分枝アルコール、フェノール、チオフェノール、アミド、またはアミンと反応させポリオキシアルキレングリコエーテルおよびエステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシアルキレンチオフェノール、ポリオキシアルキレンアミドなどを形成させることにより得られる。脂肪酸、アルコール、フェノール、チオフェノール、アミド、またはアミン1モルあたり、約3〜約30、より好ましくは10〜30モルのアルキレンオキシドを反応させることが一般的には好ましい。
【0036】
これらの非イオン性界面活性剤の例は、アルキレンオキシドを8〜18の炭素原子を有する脂肪族アルコール、例えばオクチル、ノニル、デシル、オクタデシル、ドデシル、テトラデシルなどと、エステル基が10〜20炭素原子を含む六価アルコールのモノエステル、例えばソルビタンモノラウリレート、ソルビタンモノオレエートおよびソルビタンモノパルミテートと、ブチル、ジブチル、アミル、オクチル、ドデシル、テトラデシルなどのアルキル基が4〜20の間の炭素原子を含むアルキルフェノールと、またはアルキル基が1〜8の間の炭素原子を含むアルキルアミンと、反応させることにより得られる生成物である。
【0037】
合成非イオン性界面活性剤の例となる化合物としては、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと以下のものとを縮合させることにより得られる生成物が挙げられる:プロピレングリコール、エチレンジアミン、ジエチレングリコール、ドデシルフェノール、ノニルフェノール、テトラデシルアルコール、N-オクタデシルジエタノールアミド、N-ドデシルモノエタノールアミド、TWEEN 80という名で販売されているポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートおよびTWEEN 20という名で販売されているポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートが挙げられる。
【0038】
他の非イオン性界面活性剤としては、化学式H:

(式中、R5は化学式Aの場合と同じ意味を有し、R7およびR8はそれぞれメチルまたはエチルラジカルである)
に対応する長鎖第三アミンオキシドが挙げられる。化学式中の矢印は半極性結合の従来の表示である。本発明において使用するのに適したアミンオキシドの例としては、ジメチルドデシルアミンオキシド、ジメチルオクチルアミンオキシド、ジメチルデシルアミンオキシド、ジメチルトリデシルアミンオキシド、およびジメチルヘキサデシルアミンオキシドが挙げられる。
【0039】
陽イオン性界面活性剤もまた界面活性剤として使用することができる。そのような作用物質は、有機疎水性基および陽イオン性可溶化基を含む界面活性化合物である。典型的な陽イオン性可溶化基はアミンおよび第四官能基である。そのような陽イオン性界面活性剤は、化学式I:

(式中、R5、YおよびY'は化学式Cの場合と同じ意味を有する)
により表される。
【0040】
適した合成陽イオン界面活性剤の他の例としては、化学式J:

(式中、Rは約12〜22の炭素原子のアルキル基である)
のものなどのジアミン、例えばN-2アミノエチルステアリルアミンおよびN-2-アミノエチルミリスチルアミン;化学式K:

のものなどのアミド結合アミン、例えばN-2アミノエチルステアリルアミドおよびN-アミノエチルミリスチルアミド;窒素原子に結合した官能基の典型的には1つが1〜3の炭素原子を含むアルキル基、例えばフェニル基などの不活性置換基を有する1〜3の炭素アルキル基であり、ハロゲン、アセテート、メチルスルフェートなどの陰イオンが存在する第四アンモニウム化合物が挙げられる。典型的な第四アンモニウム化合物は、エチル-ジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ベンジル-ジメチル-ステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチル-ステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルセチルアンモニウムブロミド、ジメチルエチルジラウリルアンモニウムクロリド、ジメチル-プロピル-ミリスチルアンモニウムクロリド、および対応するメトスルフェートおよびアセテートである。
【0041】
他の適した陽イオン界面活性剤は化学式L:

(式中、R5は化学式Aの場合と同じ意味を有し、aはそれぞれ1〜15の整数である)
により表される。1つの例は水素化獣脂のポリエチレングリコールアミンであり、この場合R5が獣脂ラジカルを示しa+aは平均値5を有する。
【0042】
C因子-界面活性剤試薬において使用するのに有益な他の界面活性剤としては、Triton X-100、Triton X-114、オクチル-β-D-チオグルコシド(OTG、Amresco #J575)、Genapol C-100(アルキルポリオキシエチレンC12E10;Calbiochem #345794)、Tween 20、およびTween 80が挙げられる。
【0043】
C因子-界面活性剤試薬
本発明の試薬を形成するために、精製C因子および界面活性剤を水溶液中で混合する。この目的のための適した緩衝溶液は30mM Tris、pH 8.0、30mM NaCl、および0.3% 乳糖を含む。本発明の試薬中の精製C因子濃度は好ましくは0.03〜3μg/mlの範囲である。本発明の試薬中の界面活性剤の濃度は好ましくは0.001〜0.003%の範囲である。精製C因子および界面活性剤の最適濃度は、例えばC因子の純度および特別な界面活性剤に依り変化する。精製C因子および界面活性剤の最適濃度は定例試験を用いて決定することができる。実施例1および13において例示したアッセイ法においては、界面活性剤ZWITERGENT 3-14の最適濃度は0.0025%である。
【0044】
エンドトキシンアッセイ法
上記試薬を、試験試料中のエンドトキシンを検出するためのアッセイ法において使用することができる。試験試料はエンドトキシンを検出することが有益な任意の試料とすることができ、例えば水、緩衝液などの水溶液、薬学的調製物(例えば、ワクチン、静脈注射用流体、薬物調製物)、生物医学的な画像化試薬(例えば、染料、放射性溶液)、酵素調製物(例えば、コラゲナーゼ)、組織培地、飲料、血液、尿、脳脊髄液、リンパ、血清、および水または水溶液を固体試料、例えば食品または外科用手袋と共にインキュベートすることにより形成される溶液である。
【0045】
2段階または1段階アッセイ法のいずれかを実施することができる。2段階アッセイ法(実施例1)を実施するために、精製C因子および界面活性剤を含む試薬と共に試験試料をインキュベートし、その後、開裂すると検出可能なシグナルが発生するC因子基質を添加する。1段階アッセイ法(実施例13)を実施するために、エンドトキシン、精製C因子および界面活性剤を含む試薬、ならびに基質を共に添加する。
【0046】
開裂すると蛍光シグナルを発する基質は特に好ましく、例えば、N-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド-4-メチルクマリン(「DPR」、Bachem 1-1560.0050)およびN-t-BOC-Val-Pro-Arg-7-アミド-4-メチルクマリン(「VPR」、Bachem 1-1120.0050)である。DPRの濃度は一般に約10〜100mM、25〜100mM、5〜100mM、75〜100mM、25〜75mM、50〜75mM、25〜50mM、または50〜75mMの範囲である。VPRの濃度は一般に約50〜200mM、50〜150mM、50〜100mM、50〜75mM、75〜150mM、または75〜100mMの範囲である。
【0047】
特別な基質に対する最適濃度は変化する。例えば、DPRに対する最適濃度は50mMであり、一方、VPRに対する最適濃度は100mMである。さらに、特別な基質は試験試料中に存在すると予測されるエンドトキシンレベルに依り選択することができる。VPR基質はより高いエンドトキシン濃度でより良好な直線範囲を有し、DPR基質はより低いエンドトキシン濃度でより良好な直線範囲を有する。このように、DPRはより高い感度が望ましいアッセイ法において使用することができ、VPRはより高いエンドトキシンレベルが予測され、および必要とされる感度がより低い場合に好ましい基質である。
【0048】
蛍光は当技術分野において周知の任意の方法を用いて測定することができる。蛍光計を上記DPRまたはVPR基質と共に使用する場合、励起を360、380、390または395nm(5〜40nmのスリット幅)に設定し、発光を440または460nmで測定する(2.5〜40nmのスリット幅)。測定は、標準エンドトキシン濃度曲線に対し定性的または定量的とすることができる。
【0049】
アッセイ法は透明容器、例えばガラスまたはポリスチレン組織培養プレート内で実施することができ、または黒色容器内で実施することができる(例えば、黒色96-ウェルマイクロプレート)。所望であれば、アッセイ法は、例えば96-ウェルミクロタイタプレートを用い、複数の試料の高スループットスクリーニングに適合させることができる。
【0050】
キット
本発明はまたエンドトキシンを検出する際に使用するためのキットを提供する。キットは上記のように精製カブトガニC因子蛋白質および界面活性剤を含む。試薬を使用してエンドトキシンを検出するための説明書を含めることができる。キットはまたアッセイ法において使用するためのC因子基質を含むことができる。
【0051】
本開示において引用した全ての特許、特許出願、および参考文献は参照により明白に本明細書に組み込まれる。上記開示は一般に本発明を記述する。下記の特定の実施例を参照することにより、より完全な理解が得られる。下記実施例は説明目的のみのために提供するものであり、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0052】
実施例1
2段階エンドトキシンアッセイ法
組換えC因子産生Sf9細胞由来の組換えカルシノスコルピウス・ロタンディカウダC因子を含む培地を用いて、エンドトキシンを1時間、アッセイ緩衝液(30mM Tris、pH 8.0、30mM NaCl、0.3% 乳糖、および0.0025% Zwittergent 3-14)中で前インキュベートした。基質N-t-Boc-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド-4-メチルクマリン(DPR-クマリン)を混合物に添加し最終濃度50mMとした。活性化C因子による基質の開裂により生じる蛍光を15〜20分後に測定した。結果を図4に示す。最終濃度100mMの基質N-t-Boc-Val-Pro-Arg-7-アミド-4-メチルクマリンを使用して実施した同様のアッセイ法の結果を図5に示す。
【0053】
実施例2
bacmid DNA-C因子のSf9細胞へのトランスフェクションおよび組換えウイルス上清の回収
50U/mlのペニシリンおよび50mg/mlのストレプトマイシンを含む昆虫細胞培地(ICCM)の6-ウェル組織培養プレートに、Sf9細胞を35mmウェルあたり5×106密度で播種する。Insect-Xpress(BioWhittaker Cat.#04-10270)またはSf-900 SFMが適した培地であるが、SF9細胞が増殖する任意の匹敵する培地を使用することができる。プレートを27℃で1時間インキュベートし、細胞を定着させる。一方、下記のものを調製する(各ウェル毎):(1)100mlのICCMに溶解した7mgのbacmid-C因子DNA(抗生物質無し)および(2)6mlのCELLFECTIN(Gibco-BRL)+100mlのICCM(抗生物質無し)。溶液(1)および(2)を穏やかに混合し、室温で1時間インキュベートする。この混合物に、0.8mlのICCM(抗生物質無し)を添加する。
【0054】
付着したSf9細胞を2mlのICCM(抗生物質無し)を用いて穏やかに洗浄する。1mlのCELLFECTIN-DNA複合体を各ウェルに添加し、27℃で5時間インキュベートする。トランスフェクション混合物を完全に除去し、抗生物質を含む2mlのICCMを添加する。27℃で96時間インキュベートした後、細胞培養上清を収集する。上清を5000rpmで10分間、SIGMA 3K10回転ローター、Nr.11133中で遠心分離し澄ませる。組換えバキュロウイルスを含む上清を4℃で保存する。
【0055】
実施例3
組換えウイルスストックの増幅
単層または懸濁液のいずれかでSf9細胞を用いてウイルス増幅を実施することができる。単層培養では、75cm2の組織培養フラスコ内で80%の集密度の日齢1のSf9細胞の培養物から培地をデカントする。0.1〜1のMOIを用いて細胞単層に1mlのウイルス(実施例2)を感染させる。ウイルスストックをMillipore GV millexフィルタ(黄色;低蛋白質結合)を用いて無菌濾過する。ウイルス接種物の計算は下記の通りである:

このように、1×107細胞では、2×107pfu/mlのウイルス力価で、接種物の体積は0.5mlである。接種物の体積は細胞に導入する前にICCMで1mlに調節する。
【0056】
フラスコを数回揺り動かし、細胞単層が完全に1mlのウイルス接種物により被覆されることを確認する。その後フラスコを27℃で1時間、揺り動かさずにインキュベートする。インキュベーション後、フラスコを直立に置き、14mlのICCMを新たに添加する。その後フラスコを27℃で3日間インキュベートする。
【0057】
培養上清を無菌の発熱物質を含まない管内に収集し、Sigma 3K10回転ローターを用い2000rpmで10分間、4℃で遠心分離する。すぐに使用する場合、ウイルスストックは4℃で保存する。長期保存では、ウイルスストックを-80℃に置く。
【0058】
懸濁培養では、バイアル増幅には生存率>95%の対数期増殖Sf9細胞を使用する。細胞密度および生存率を決定する。Sf9細胞を新しいInsectXPRESSで希釈し、1×106/mlとする。下記のように、0.02(ウイルス/細胞)のMOIで増幅すべきウイルスをSf9培養物に添加する:

【0059】
スピナーフラスコを、90〜120rpmで常に撹拌しながら27℃+/-2℃で3日間インキュベートする。細胞培養物を無菌遠心分離瓶に移し、2000rpm、10分間4℃で遠心分離する。上清を無菌容器内に収集し、細胞ペレットを廃棄する。上清を0.45μmのフィルタを通して無菌容器内に濾過する。上清をさらに無菌の0.2μmのフィルタを通して無菌容器内に濾過する。最終ウイルスストックを2〜8℃で光から保護して保存する。力価決定を実施例4で例示するように実施する。
【0060】
実施例4
バキュロウイルスの滴定
ウイルス力価(プラーク形成単位(PFU)/ml)はプラークアッセイ法、終点希釈、または他のウイルス力価キット(例えば、Clontech #K1599-1によるBacPAK Baculovirus Rapid Titer Kit)を用いて決定することができる。プラークアッセイ法は固定化単層培養において実施する。実施すべきプラークアッセイ法は下記のように決定される:
プラークアッセイ数=ウイルス希釈数×4(四つ組)+2陽性対照および2陰性対照
例えば、ウイルス希釈に対し(各希釈は四つ組ウェル)、105、106、107、108は16-ウェルプラークアッセイ法となるであろう。プラークアッセイ法では、総20ウェルに対し、2陽性対照および2陰性対照を含むこと。
【0061】
10% FBS血清培地で5×105細胞/mlの密度の細胞懸濁液を調製する。上記細胞懸濁液を用い、2ml/ウェルで6-ウェルプレートに播種する。実験2時間前に細胞を付着させる。細胞は〜80%の集密度である。
【0062】
4.5mlの培地および0.5mlのウイルスストックを用い無菌15ml管内で10-倍連続ウイルス希釈物を調製する。各ウェルから培地を吸引する。ウイルス希釈物1ml/ウェルを添加し、27℃で2時間インキュベートする。
【0063】
1.3x SF-900II(Gibco-BRL #10967-032)を27℃で温める。4%のアガロース(Gibco 18300-012)を融解し50℃の水浴で保持する。1.3x培地および4%のアガロースを3:1の比率で添加し、1%のアガロースの培地を作成する。この寒天を40℃の水浴で保持する(例えば、フードに持っていくことができるビーカー内)。
【0064】
アガロース混合物が固化しないように作業を迅速に行い、細胞単層からウイルス溶液を吸引する。2mlの1%アガロースを各ウェルに添加する。カバーをわずかに開けて10分間プレートをフード内に置く。プレートを逆にし、湿度を与えるために湿った紙タオルと共に密閉ボックスに入れる。27℃で5〜7日間、またはプラークが十分に形成されるまでインキュベートする。
【0065】
感染後7日目に、0.5mlの0.033% ニュートラルレッド(水に溶解)を添加し、3分インキュベートし、廃棄する。または、0.5mlの0.1% トリパンブルー(水に溶解)を添加し、揺り動かしてカバーし、3分静置し、廃棄する。プレートを2時間インキュベートする。ライトボックスおよび拡大鏡を利用して、各プレート上のプラークを計数する。下記の式:
ウイルス力価(pfu/ml)=プラークの#×ウイルス希釈
を用いてウイルス力価を計算する。
【0066】
実施例5
無血清培養物での組換えC因子産生のためのSf9細胞の感染
生存率の高いSf9細胞を使用する(例えば、血清を含まない状態で95〜100%の生存率)。対数期のSf9細胞を懸濁培養において1.5×106〜2.5×106細胞/mlの間の細胞密度となるまで培養する。組換えC因子産生はまた、単層培養で増殖させたSf9細胞を感染させることにより実施することができる。細胞密度および生存率を決定する。Sf9細胞をフレッシュInsectXPRESSで希釈し1.5×106細胞/mlとする。組換えバキュロウイルス高力価ストックをSf9培養物に、1のMOIで(ウイルス/細胞)で、下記のように:

添加する。
【0067】
感染後72時間で、培養上清を回収する。細胞培養物を無菌遠心分離瓶に移し、2000rpmで10分間、4℃で遠心分離する。上清を無菌容器内に集め、細胞ペレットを廃棄する。0.45μmフィルタを通して上清を無菌容器内に濾過する。さらに、上清を無菌0.2μmフィルタを通して無菌容器内に濾過する。この培養上清は組換えC因子を含み、4℃で最高1年まで保存することができ、直接使用して本発明によるエンドトキシン検出のための試薬を形成することができる。
【0068】
実施例6
無血清培地で適合させたSf9細胞の培養および継代培養
Sf9細胞は27℃にてCO2非存在下で増殖する。最大曝気が好ましい。スピナー培養瓶を使用する場合、側面のねじぶたを緩めると曝気が増大する。無血清培地で増殖するように適合されたSf9細胞は4〜5日の間隔で決まりきった段階に基づき継代すべきである。
【0069】
蓋を緩め最大曝気処理をしながら、100mlの培地を含む250mlのスピナーまたはシェーククラスコ内で5.0×105細胞/mlで継代する。90〜100rpmで培養物を撹拌する。細胞生存率は約90%を超えるはずである。
【0070】
27℃のインキュベーターから4〜5日齢の培養物を除去し、70%のアルコールを塗布する。1アリコートの細胞懸濁液を取り出し、トリパンブルー染料を用いて細胞生存率および総細胞数を決定する。5×105細胞/mlとするのに必要な細胞希釈物を決定する。ストック培養フラスコを数度かき回し、計算に基づき適当な量の細胞懸濁液を取り出す。最終培養物体積を構成し100mlとするのに十分な予め温めたフレッシュ培地を含む新規250mlのスピナーフラスコに接種する。培養物をインキュベータに戻す。撹拌速度を90〜100rpmに設定する。
【0071】
実施例7
Sf9細胞の無血清培養物の凍結保存
Sf9細胞を単層または懸濁液のどちらかにおいて増殖させる。生存率>90%で増殖の対数増殖中期(約2日)の細胞を収集する。条件培地を氷上および無菌フィルタ上で保持する。
【0072】
トリパンブルー染料除去法を用いて細胞生存率を決定する。最終密度1〜2×107細胞/mlを得るために必要とされる凍結培地(50%の血清を含まないフレッシュICCM培地および50%の条件培地中の7.5%DMSO;無菌濾過)の体積を計算する。凍結保存混合物を氷上で保持する。一方、懸濁液から3分間800rpm/500×gで遠心分離する。多くの細胞がペレットとならず、上清中に存在する場合試料を廃棄する。
【0073】
決定した体積の冷却した凍結保存混合物中に細胞ペレットを再懸濁させ1〜2×107細胞/mlを得る。直ちに、1〜1.5mlのアリコートの細胞懸濁液を低温バイアル中に分配する。細胞を-70〜-90℃で4時間、液体窒素の上部ガス相上で凍結させる。バイアルを液体窒素中に沈める。
【0074】
実施例8
凍結保存した無血清Sf9細胞の回収
37℃の水浴中でちょうど融解するまで高速撹拌することによりバイアルを溶かす。水浴からバイアルを除去し、無菌70%イソプロパノールを塗布する。バイアルを開け、バイアルの中身を除去し適当なサイズの無菌遠沈管に入れ;細胞懸濁液を、インキュベータ内で27℃+/-2℃で平衡させた5体積のInsectXPRESS培地(または等価物)で希釈する。希釈した懸濁液を125×Gで10分間遠心分離する。流体を廃棄し、細胞を廃棄した流体と等しいある体積の培地に再懸濁させる。細胞数および生存率を決定する。無血清培地を使用して、生存可能な細胞密度を2×105細胞/ml〜3×105細胞/mlの間に調整する。フラスコを、連続振り混ぜおよび100〜125回転/分に設定された回転プラットホームシェーカー上の27℃+/-2℃のインキュベータ内に移す。培養物の生存可能な細胞数が少なくとも26時間毎に2倍となれば、培養物は実施例6において記述されるように拡大するかもしれない。
【0075】
実施例9
Sf9細胞の懸濁培養への適合
100mlの懸濁培養を開始するには、Sf9細胞の6〜10集密度の75cm2の単層T-フラスコが必要である。フラスコを一方の手に持ち、もう一方の手の掌にそれを軽くたたきつけることによりフラスコの底から細胞を取り除く。細胞懸濁液をプールし、生存率の計数を実施する。
【0076】
250mlのスピナフラスコに含まれる完全な、血清を添加したまたは血清を含まない成長培地を用いて室温で約5×105生存可能細胞/mlとなるように細胞懸濁液を希釈する。撹拌機ブレードの上面が細胞懸濁液のわずか上方にあるようにしてもよい。これによりさらに曝気が提供される。横手の蓋を4分の1回転することにより緩めるべきである。
【0077】
細胞を27℃、100rpmの一定撹拌速度でインキュベートする。生存可能細胞数が1〜2×106細胞/mlに到達すると(播種後3〜7日)継代し、培養物生存率が>80%となるまで一継代あたり5rpmで撹拌速度を増加させる。スピナフラスコで100rpmの撹拌速度が達成されるまで、またはシェーカーフラスコ培養物では130〜140rpmが達成されるまで繰り返す。この点で、継代中に播種密度を3×105細胞/mlまで減少させる。
【0078】
細胞の大きな凝集塊が持続する場合(例えば、1凝集塊あたり>10細胞)、スピナ/シェーカーフラスコを撹拌せずに2〜3分静置し、その後継代する。これにより、より大きな凝集塊は底に沈降する。懸濁細胞の上部3分の1を計数および新規培養物への播種のためにプールする。この手順は、単一の細胞として増殖する細胞群のために選択する。凝集が減少するまでこの段階を2〜3回繰り返す必要があるかもしれない。
【0079】
実施例10
組換えC因子アッセイ法に対する異なる界面活性剤および異なる界面活性剤濃度の効果
以下の試薬は示した製造業者から購入した:Zwittergent 3-14(Calbiochem、Cat#693017)、Tween20(ICN、Cat#194841)、Tween80(ICN、Cat#194842)、Triton X-114(ICN、Cat#193971)、n-オクチル-β-D-チオグリコピラノシド(OTG、Amresco、Cat# J575)、およびTriton X-100(ICN、Cat#194854)。20μlの各界面活性剤(最終濃度の〜10X)、150μlのEU/ml EC-6、10μlのrFC上清031901I、20μlの300mM Tris、pH8.0、および20μlの0.55mM DPR-クマリン基質を用いて組換えC因子(rFC)アッセイ法を実施した。アッセイ法の結果を390/440nm、5分/サイクルで設定したCytofluor読み取り機を用いて38℃で1時間、読み取った。データを30分後にグラフ化した。
【0080】
結果
図1〜3および9〜11に示すように、低濃度のZwittergent 3-14、Tween20、Tween80、Triton X-114、OTG、Genapol C-100およびTriton X-100はrFCアッセイ結果を2〜7倍増強した。Zwittergent 3-14、Triton X-114、OTG、およびTriton X-100の増強濃度範囲は狭いが、一方、Tween20、Tween80、およびGenapol C-100の増強濃度範囲は広い。
【0081】
表1は9つの界面活性剤について試験することにより得られた結果を要約したものである。これらの界面活性剤は3つの群に分割することができる:組換えC因子活性を増強するための濃度範囲が狭い界面活性剤、組換えC因子活性を増強するための濃度範囲が広い面活性剤、および組換えC因子活性を阻害する界面活性剤。
【表1】

【0082】
Zwittergent 3-14の増強/阻害効果はまた、精製リムルス(Limulus)C因子を使用して試験した(図6)。同様の増強/阻害効果が観察されたが、相対C因子活性比、増強および阻害界面活性剤濃度は組換えC因子アッセイ法におけるものと異なった。
【0083】
実施例11
リムルスC因子に対する抗血清
我々はリムルスからC因子を単離し、その蛋白質に対する抗血清を作成した。リムルスライセートを初めて、S-100ゲル濾過後陽イオン-イオン交換カラムにより分離した。画分に対し、N-t-BOC-Val-Pro-Arg 7-アミド-4-メチル-クマリン基質を用いてC因子活性についてアッセイした。リムルスC因子を酵素アッセイ法およびSDS-PAGEにより決定されるように80%の均一性で73倍精製した。リムルスC因子の分子量は非還元条件下ではSDS-PAGEによると117kDaであった。還元SDS-PAGEにより、重鎖および軽鎖に対応する79kDaおよび40kDaの2つの主バンドが見られた。トリプシンペプチド配列により、リムルスC因子配列はアジア種と>90%の配列同一性で厳密に一致した。リムルスC因子に対する特定のポリクローナル抗体をウサギにおいて作成した。抗C因子精製IgGはLPSによるC因子の活性化を阻害したが、いったんC因子をLPSにより活性化するとプロテアーゼ活性に何の効果も示さなかった。C因子抗血清により、リムルスライセートによるLPSの初期認識におけるこの蛋白質の重要性が証明された。
【0084】
実施例12
界面活性剤の存在下でのエンドトキシン検出における感度の増加
1段階、1時間終点アッセイ法を実施した。標準曲線のためにエンドトキシンO55:B5、0.01、0.1、1および10 EU/mlを使用した。ブランクおよびエンドトキシン標準(それぞれ100μl)を96-ウェルプレートに添加した。組換えC因子上清、アッセイ緩衝液(150mM NaCl、150mM Tris、pH 8.0、および1.5%乳糖、0.0125%のZwittergent有りまたは無し)および基質溶液(水に溶解した0.2mM)を1:4:5の比率で混合した。この混合物を各ブランクおよびエンドトキシン標準に添加した。蛍光を0時間および1時間の時点で記録した。蛍光の差(Δ蛍光)をブランクを用いて標準化した。標準化したΔ蛍光をlog-logスケールでエンドトキシン濃度に対しグラフ化した。各データ点は2組のアッセイ法の結果である。
【0085】
結果を図7に示す。界面活性剤を含めると、エンドトキシン検出感度は10倍増加した。
【0086】
実施例13
1段階エンドトキシンアッセイ法
100μlのブランクおよびエンドトキシン標準の各々を用いて、96ウェルプレートで1段階エンドトキシンアッセイ法を実施することができる。1:4:5の比率の組換えC因子上清(バキュロウイルス感染Sf9細胞培地)、緩衝液(150mM Tri、pH8.0、150mM NaCl、1.5% β-乳糖、および0.0125% Zwittergent3-14)および蛍光原基質(DPR-クマリン、0.2mM)の混合物100μlをプレートのウェルに添加する。プレートを37℃で1時間インキュベートする。蛍光マイクロプレート読み取り装置において励起および発光をそれぞれ390nmおよび440nmで読み取る。
【0087】
1段階組換えC因子エンドトキシンアッセイ法の結果を図8に示す。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】組換えC因子活性に対するZwittergent 3〜14およびTween 20の効果を示すグラフである。
【図2】組換えC因子活性に対するZwittergent 3〜14およびTween 80の効果を示すグラフである。
【図3】組換えC因子活性に対するZwittergent 3〜14およびTriton X-114の効果を示すグラフである。
【図4】DPR(N-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド−4-メチル)-クマリン基質を用いたエンドトキシン検出を示すプロットである。
【図5】VPR(N-t-BOC-Val-Pro-Arg-7-アミド−4-メチル)-クマリン基質を用いたエンドトキシン検出を示すプロットである。
【図6】異なるZwittergent濃度でのリムルス(Limulus)C因子活性を示すグラフである。
【図7】界面活性剤の存在下および非存在下におけるエンドトキシン感度を示すグラフである。
【図8】基質としてDPR-クマリンを使用した、1時間、1段階エンドトキシンアッセイ法の結果を示すグラフである。
【図9】組換えC因子活性に対するZwittergent 3〜14およびオクチルチオグリコシドの効果を示すグラフである。
【図10】組換えC因子活性に対するZwittergent 3〜14およびGenapol C-100の効果を示すグラフである。
【図11】組換えC因子活性に対するZwittergent 3〜14およびTX-100の効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製カブトガニC因子蛋白質と
界面活性剤
とを含む、エンドトキシンを検出するための試薬。
【請求項2】
界面活性剤が以下の(I)〜(V)からなる群より選択される、請求項1記載の試薬:
(I)以下の化学式により表される両性界面活性剤:




(式中、
R1は1〜4の炭素原子を有するアルキレンラジカルであり;
YおよびY'はそれぞれ、(1)水素、(2)低級アルキル、または(3)ヒドロキシ低級アルキルであり;
R2およびR3はそれぞれ、(1)低級アルキルまたは(2)ヒドロキシ低級アルキルであり;
nは0または1であり、nが0である場合、R4は約8〜約18の炭素原子を含むアルキルであり;
nが1である場合、R4は1〜約6の炭素原子を有するアルキレンラジカルであり;
R5は約8〜約18の炭素原子を含むアルキルであり;および
Mは水素、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムである);
(II)以下の化学式により表される陰イオン性界面活性剤:


(式中、
R5、Y、およびMは上記と同じ意味を有し;
R6は8〜24の炭素原子のアルキルであり;
n1は1〜3の整数であり;
n2は1または2であり;および
Arはフェニルまたはナフチルである);
(III)以下の化学式により表される陽イオン性界面活性剤:

(式中、
R5、Y、およびY'は上記と同じ意味を有する);
(IV)以下の化学式により表される非イオン性界面活性剤:

(式中、
R5は上記と同じ意味を有し;
R7およびR8はそれぞれメチルまたはエチルである);ならびに
(V)約10〜30モルのエチレンオキシドの、10〜20の炭素原子を含むエステル基を有する6炭素原子を含む6価アルコールのモノエステルとの縮合生成物からなる群より選択される非イオン性界面活性剤。
【請求項3】
カブトガニがリムラス・ポリフェムスである、請求項1記載の試薬。
【請求項4】
カブトガニがカルシノスコルピウス・ロタンディカウダである、請求項1記載の試薬。
【請求項5】
カブトガニがタキプレウス・トリデンタツスである、請求項1記載の試薬。
【請求項6】
カブトガニがタキプレウス・ギガスである、請求項1記載の試薬。
【請求項7】
C因子蛋白質が上清中に発現されるような条件下で、C因子蛋白質をコードするベクターを含む宿主細胞を上清中で培養する方法によりC因子蛋白質が作成される、請求項1記載の試薬。
【請求項8】
宿主細胞がSf9細胞である、請求項7記載の試薬。
【請求項9】
カブトガニがカルシノスコルピウス・ロタンディカウダである、請求項7記載の試薬。
【請求項10】
界面活性剤が、ZWITTERGENT 3-14、Triton X-100、Triton X-114、オクチル-β-D-チオグルコシド、Genapol C-100、Tween 20、およびTween 80からなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか一項記載の試薬。
【請求項11】
以下の段階を含む、試験試料中のエンドトキシンを検出する方法:
試験試料を(1)(a)精製カブトガニC因子蛋白質と(b)界面活性剤とを含む試薬および(2)C因子基質と接触させる段階であって、C因子基質の開裂により検出可能なシグナルが生成されて接触試験試料が形成され試験試料-試薬-基質混合物が形成される段階;ならびに
接触試験試料を、検出可能なシグナルの有無についてアッセイする段階であって、エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の検出可能なシグナルにより、試験試料中におけるエンドトキシンの存在が示される段階。
【請求項12】
カブトガニがリムラス・ポリフェムスである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
カブトガニがカルシノスコルピウス・ロタンディカウダである、請求項11記載の方法。
【請求項14】
カブトガニがタキプレウス・トリデンタツスである、請求項11記載の方法。
【請求項15】
カブトガニがタキプレウス・ギガスである、請求項11記載の方法。
【請求項16】
C因子蛋白質が上清中に発現されるような条件下で、C因子蛋白質をコードするベクターを含む宿主細胞を上清中で培養する方法によりC因子蛋白質が作成される、請求項11記載の方法。
【請求項17】
宿主細胞がSf9細胞である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
カブトガニがカルシノスコルピウス・ロタンディカウダである、請求項15記載の方法。
【請求項19】
界面活性剤が、ZWITTERGENT 3-14、Triton X-100、Triton X-114、オクチル-β-D-チオグルコシド、Genapol C-100、Tween 20、およびTween 80からなる群より選択される、請求項11〜18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
C因子基質が、N-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンおよびN-t-BOC-Val-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンからなる群より選択される、請求項11記載の方法。
【請求項21】
以下の段階を含む、試験試料中のエンドトキシンを検出する方法:
試験試料を(1)(a)組換えカルシノスコルピウス・ロタンディカウダC因子蛋白質(該C因子蛋白質は、C因子蛋白質が上清中に発現されるような条件下で、C因子蛋白質をコードするベクターを含む宿主細胞を上清で培養する方法により作成される)と(b)界面活性剤とを含む試薬、および(2)N-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンと接触させて接触試験試料を形成させる段階;ならびに
接触試験試料を、蛍光シグナルの有無についてアッセイする段階であって、エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の蛍光シグナルにより、試験試料中におけるエンドトキシンの存在が示される段階。
【請求項22】
宿主細胞がSf9細胞である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
(a)精製カブトガニC因子蛋白質と(b)界面活性剤とを含む試薬;および
請求項11記載の方法を実施するための説明書
を備える、エンドトキシンを検出するためのキット。
【請求項24】
C因子基質をさらに含み、C因子基質の開裂により検出可能なシグナルが生成される、請求項23記載のキット。
【請求項25】
C因子基質が、N-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンおよびN-t-BOC-Val-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンからなる群より選択される、請求項24記載のキット。
【請求項26】
C因子蛋白質が上清中に発現されるような条件下で、C因子蛋白質をコードするベクターを含む宿主細胞を上清中で培養する方法により精製C因子が作成される、請求項23記載のキット。
【請求項27】
宿主細胞がSf9細胞である、請求項26記載のキット。
【請求項28】
以下の段階を含む、試験試料中のエンドトキシンを検出する方法:
試験試料を(a)精製カブトガニC因子蛋白質と(b)界面活性剤とを含む試薬と接触させ、試験試料-試薬混合物を形成する段階;
試験試料-試薬混合物をC因子基質と接触させる段階であって、C因子基質の開裂により検出可能なシグナルが生成される段階;および
接触試験-試薬混合物を、検出可能なシグナルの有無についてアッセイする段階であって、エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の検出可能なシグナルにより、試験試料中のエンドトキシンの存在が示される段階。
【請求項29】
以下の段階を含む、試験試料中のエンドトキシンを検出する方法:
試験試料を(a)組換えカルシノスコルピウス・ロタンディカウダC因子蛋白質(該C因子蛋白質は、C因子蛋白質が上清中に発現されるような条件下で、C因子蛋白質をコードするベクターを含む宿主細胞を上清中で培養する方法により作成される)と(b)界面活性剤とを含む試薬と接触させて試験試料-試薬混合物を形成させる段階;
試験試料-試薬混合物をN-t-BOC-Asp(Obzl)-Pro-Arg-7-アミド−4-メチルクマリンと接触させる段階;および
接触試験試料-試薬混合物を、蛍光シグナルの有無についてアッセイする段階であって、エンドトキシンを含まない対照試料に比べ増大したある量の蛍光シグナルにより、試験試料中のエンドトキシンの存在が示される段階。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−150903(P2009−150903A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41698(P2009−41698)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【分割の表示】特願2003−508913(P2003−508913)の分割
【原出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(504006021)ロンザ ウォカーズビル インコーポレーティッド (1)
【Fターム(参考)】