説明

エーロゲルを含む防汚組成物

本発明は、さらに、1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物関する。一態様では、エーロゲルは、1種または2種以上の生理活性剤を内包する。一つの好ましい態様では、内包された1種または2種以上の生理活性剤は、時間がたつと、エーロゲルから放出され得る。一態様では、内包された生理活性剤は1種または2種以上の酵素を含む。一つの好ましい態様では、1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物はコーティング組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は,2007年11月12日に出願された米国仮特許出願第60/987,221号の仮ではないものであり、これにより、その米国仮特許出願の内容全体を参照することにより本願明細書に引用したものとする。
【0002】
また、その出願または本出願で引用された特許および非特許の参考文献の全ては、これにより、それらの内容全体を参照することにより本願明細書に引用したものとする。
【背景技術】
【0003】
エーロゲル
エーロゲルは、ゲル由来の低密度固体材料であり、その中では、ゲルの液体成分が気体で置き換えられている。その結果、低密度固体は、絶縁体としての有効性などの様々な特徴的な性質を有する。
【0004】
エーロゲルは、1931年に、Steven Kistlerによって最初に作り出された。エーロゲルは、超臨界乾燥を通じてゲルの液体成分を抽出することによって一般に作製される。これにより、従来の蒸発で発生するように、毛管現象が原因でゲルの固体マトリックスルが壊れるということなく、液体はゆっくりと取り出される。最初のエーロゲルはシリカゲルから作製された。また、アルミナ、酸化クロムおよび酸化スズをベースとしたエーロゲルが記載されている。カーボンエーロゲルが1990年代の初期に開発された。
【0005】
防汚剤
汚損物質の影響を最小にするために、多くの水面下構造が防汚コーティングによって保護されている。しかし、コーティングは海洋生物に対して有毒であることがわかっている。たとえば、非常に低い濃度のトリブチルスズ部分(TBT)、主として一般的に使用されている防汚剤は、(20ng/lの濃度で)マガキの異常な貝殻の成長、およびヨーロッパチヂミボラのメスの生殖器におけるオスの特徴の発達(ここで、生殖の特徴の変化は1ng/lで始まる)を引き起こす。TBTおよびトリフェニルスズ(TPT)などの有機スズおよび船用コーティング中の他の有毒な殺生物剤の禁止は、海運業にとって厳しい問題である。すなわち、コーティングの生産者にとって、船体が汚れるのを防止するための代替技術を開発する大きな課題が存在する。バイオファウリング(biofouling)制御のより安全な方法は活発に研究されている。銅およびその誘導体の化合物は、塗料に、または金属シートとして、どちらかで成功のうちに使用されてきている(たとえば、ムンツメタル(Muntz metal)は、特に、この目的のために作られた。)が、まだ銅の安全性についての議論が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エーロゲルに関する。また、本発明は、1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物に関する。一態様では、エーロゲルは、1種または2種以上の生理活性剤を内包する。一つの好ましい態様では、時間が経過すると、1種または2種以上の内包された生理活性剤がエーロゲルから放出され得る。一態様では、内包された生理活性剤は酵素を含む。
【0007】
定義
エーロゲルは、ゲル由来の低密度固体材料であり、その中では、ゲルの液体成分が気体で置換されている。
【0008】
防汚は、バイオファウリングの蓄積を除去または抑制するプロセスである。
【0009】
防汚種:防汚効果を働きかけるいずれの種。抗微生物種、抗細菌種、抗真菌種、殺生物剤、バイオ駆除剤などの種。生理活性剤および防汚種は、本明細書では交換可能に使用される。
【0010】
バイオ−フィルム:固体または準固体の表面上の微生物体の生育場所。
【0011】
バイオファウリングまたはバイオロジカルファウリング(biological fouling)は、船体のような水面下構造物などの表面上にある微生物、植物、藻類および動物の望ましくない蓄積である。ズブチリシンは、枯草菌から分離されたセリンプロテアーゼの系統群を含む。
【0012】
防汚:バイオ−フィルム中の望ましくない微生物の数を制御、減少、および/または除去する効果。
【0013】
コーティング組成物:対象物をコーティングするための、塗料などの組成物。
【0014】
補因子:酵素に必要な追加の因子。
【0015】
化合物:前記化合物に触媒作用を及ぼすことができる酵素のための基質であって、前記触媒作用により、抗微生物活性を含む抗微生物種を形成する。
【0016】
酵素:複数のアミノ酸を含み、触媒作用を及ぼして基質を生成物に変換することができる生体分子。用語、酵素および前駆体酵素は、他に指摘がなければ、交換可能に使用される。作用により防汚活性を有する防汚種が作り出される場合、酵素は、本明細書で規定されているように化合物に作用を及ぼす。前駆体酵素は、分解または他の方法によって、前記化合物の形態の前記酵素のための基質を酵素に供給することができるいずれかの酵素である。
【0017】
脂質または脂質組成物:酵素の修飾および/またはコーティングに関連して本明細書で使用された場合、脂質は、疎水性基および親水性基である長鎖アルキル基を有する化合物を意味する。
【0018】
海洋生物:望ましくないバイオ−フィルムを形成することができる生物体を含む、水の環境の中で住める、いずれかの生物体。
【0019】
微生物生物体:細菌、酵母、真菌細胞および粘菌を含む原核生物およびより下等の真核生物の類に属するいずれかの生物。
【0020】
酸化酵素:過酸化水素を含む過酸化物を結果として形成する酸化を含む酸化を活性により生じる酵素。
【0021】
塗料は、液体の、液化可能異な、またはマスチックの組成物のいずれかであり、薄層にして表面に塗布した後、不透明の固体フィルムに変わる。
【0022】
塗装は塗料の塗布である。
【0023】
過酸化物:酸化酵素を含む反応から生じる生成物。
【0024】
前駆体化合物:前駆体化合物には、前駆体酵素が触媒作用を及ぼすことができ、抗微生物活性を有する抗微生物を含む防汚種が発生する中で、前記触媒作用により、酵素が触媒作用を及ぼすことができる化合物が形成する。
【0025】
分泌:微生物種の外膜にわたって化合物または前駆体化合物を移動させるプロセス。分泌には、膜にとどまる化合物および外部環境へ後に放出される化合物があてはまる。
【0026】
表面:たとえば、外部環境と接する微生物生物体の外側部分。
【0027】
キセロゲル:キセロゲルは、収縮を妨げないで乾燥させることによりゲルから形成した固体である。キセロゲルは、非常に小さな孔径(1〜10nm)といっしょに、一般に高い気孔率(25%)および非常に大きな表面積(150〜900m2/g)を維持する。溶媒除去が超越臨界の(超臨界の)条件下で起こる場合、ネットワークは収縮せず、エーロゲルとして知られている高い多孔性の低密度材料が作製される。高温でのキセロゲルの熱処理によって粘性焼結が生じ、多孔質ゲルが緻密なガラスに効果的に変わる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は実験の後のイカダの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一態様では、本発明は、キセロゲルと、化合物に作用できる少なくとも1種の酵素とを含み、その作用により防汚活性を含む防汚種を形成する組成物に関する。化合物は、前記組成物の一部を形成することができるが、前記組成物の一部を形成する必要はない。後者は、たとえば、その組成物が防汚効果を及ぼしている外部環境によって化合物が供給される場合である。その組成物は、好ましくは、自己研磨効果を有する。
【0030】
別の態様では、本発明は、エーロゲルと、化合物に作用できる少なくとも1種の酵素とを含み、前記作用により防汚活性を含む防汚種を形成する組成物に関する。その化合物は前記組成物の一部を形成することができるが、前記組成物の一部を形成する必要はない。後者は、たとえば、その組成物が防汚効果を及ぼしている外部環境によって化合物が供給される場合である。その組成物は、好ましくは、自己研磨効果を有する。
【0031】
その組成物は、色素もしくは芳香剤をさらに含む衛生学的組成物をさらに含むコーティング組成物、または、色素および芳香剤の両方をさらに含んだ、上述の本明細書で述べたような組成物になり得る。
【0032】
別の態様では、コーティング組成物を含む上記の組成物を作製する方法、ならびに、下記の本明細書でより詳細に記載されているような使用を含む、上記コーティング組成物の使用が提供される。
【0033】
本発明のさらに別の態様では、船舶用防汚組成物を使用して船舶の表面をコーティングする工程を含み、それにより、その組成物は、その表面に対する腐食分子の吸着を減少させる少なくとも1種のフィルムを形成する、船舶腐食を減少させる方法が提供される。また、その組成物が表面腐食および粒界腐食を妨げる方法が開示される。
【0034】
本発明のさらに追加の態様では、船舶用防汚塗料を使用して船舶の表面をコーティングする工程を含み、それにより、その塗料が、その表面に対する腐食分子の吸着を減少させる少なくとも1種のフィルムを形成する、船舶腐食を減少させる方法が提供される。請求項に記載の発明のさらに別の態様では、その塗料が表面腐食および粒界腐食を妨げる方法が開示される。
【0035】
さらに追加の本発明の態様では、船舶用防汚組成物または船舶用防汚塗料を使用して船舶の表面をコーティングする工程を含み、それにより、その組成物または塗料が、その表面の気孔率を順次減少させるフィルムを作製する、船舶の表面の近くで水の吸収を制限する方法が提供される。
【0036】
さらに別の本発明の態様では、船舶用防汚組成物または船舶用防汚塗料を使用して船舶の表面をコーティングする工程を含む、船舶の表面の抵抗係数を減少させる方法が開示されている。また、本発明は、浸潤剤として作用することができる表面活性剤が、その組成物または塗料と接触した微生物により作製されるところの船舶用防汚組成物または船舶用防汚塗料を使用する方法に向けられている。
【0037】
さらに別の本発明の態様は、船舶用防汚組成物または船舶用防汚塗料を使用して船舶の表面をコーティングする工程を含む、船舶の表面から海洋生成物を除去する方法に向けられている。別の本発明の態様は、海洋生成物が、急激な生成または穏やかな生成であるところの、船舶用防汚組成物または船舶用防汚塗料を使用する方法である。
【0038】
さらに追加の本発明の態様は、船舶用防汚組成物または船舶用防汚塗料を使用する方法に向けられている。ここで、たとえば、加水分解酵素が、既存の成長の滲出物を攻撃し、急激および穏やかな成長をやめさせる。
【0039】
エーロゲルのタイプ:
一態様では、本発明は、シリカエーロゲルまたはカーボンエーロゲルに関する。また、エーロゲルは、アルミナ、酸化クロム、スズおよび臭化酸化物をベースとする。
【0040】
好適な貴金属または遷移金属のイオンを含む溶媒をヒドロゲルにしみ込ませることによって、金属エーロゲルナノ複合材を作製することができる。一態様では、その後、しみ込まされたヒドロゲルにガンマー線を照射し、金属のナノ粒子の沈殿を生じさせる。たとえば、触媒、センサー、電磁シールドとして、および廃棄物処理で、そのような複合材を使用することができる。炭素上の白金触媒に期待される使用は、燃料電池での使用である。
【0041】
カーボンエーロゲルは、小型電気化学二重層スーパーコンデンサの構造に使用される。エーロゲルの高い表面積により、これらのコンデンサは、同じ定格の電解コンデンサに比べて2000〜5000倍に小さくなり得る。エーロゲルスーパーコンデンサは、通常のスーパーコンデンサに比べて非常に低いインピーダンスを有し、非常に高いピーク電流を吸収/発生することができる。
【0042】
エーロゲル組成:
エーロゲルは、先行技術で使用されたいずれかの材料またはそれらの組み合わせからなり得る。
【0043】
タンパク質の貯蔵および放出に対して追加的に必要な特性を付加するために、様々な酸化物ユニットを使用してエーロゲルを作製してもよい。本発明は、ケイ素/酸化チタン、ケイ素/ホウ酸塩、ケイ素/酸化ジルコニウムを含むがこれらに限定されない。
【0044】
シリケートおよびジアルキルシリケートユニットの組み合わせの使用により、親水性もしくは疎水性の特性を有するように、その組成によりエーロゲルを調節することができる。その混合物は、たとえば、98:2、たとえば、96:4、たとえば、95:5、たとえば、94:6、たとえば、92:8、たとえば、90:10、88:12、たとえば、86:14、たとえば、85:15、たとえば、84:16、たとえば、82:18などの100:0〜80:20の範囲内になり得る。一つの好ましい態様では、その混合物は、95:5の範囲になり得る。
【0045】
エーロゲルの生産:
極限環境でコロイダルシリカからなるヒドロゲルを乾燥させることにより、シリカエーロゲルを作製する。特に、そのプロセスは、シリコンアルコキシド前駆体が混ざっている、エタノールのような液体アルコールから始まり、ケイ素二酸化物ゾル−ゲル(シリカゲル)を形成する。その後、超臨界乾燥と呼ばれるプロセスを通じて、アルコールをゲルから除去する。これは、エタノールを液体のアセトンに置換し、その後の液体二酸化炭素との混和性勾配をより良好にし、そして、その二酸化炭素を臨界点の上方に持ってくることによって一般に行われる。このプロセスの変形には、エーロゲルを含む圧力容器の中に超臨界の二酸化炭素を直接注入することも含まれる。最終結果は、ゲルから液体を除去し、ゲル構造を崩壊させることなく、またはゲル構造の体積を減少させることなく、それを気体で置き換えることである。
【0046】
エーロゲル複合材は、様々な連続および非連続の補強材を使用して作製されてきている。エーロゲル複合材を強化して機械的特性を著しく改善させるために、ガラス繊維などの高アスペクト比の繊維が使用されてきた。
【0047】
シリカエーロゲルの製造と同様な方法で、レゾルシノール−ホルムアルデヒドエーロゲル(RFエーロゲル)は作製される。
【0048】
カーボンエーロゲルは、レゾルシノール−ホルムアルデヒドエーロゲルから、不活性ガス雰囲気の中でそれを熱分解させ、炭素の母材を残すことにより作製される。それは、固体形状物、粉末または複合紙として、商業的に利用できる。
【0049】
エーロゲルの物理的および化学的特性:
一つの好ましい態様では、エーロゲルの密度は、0.05〜1.0g/molの範囲内であり、たとえば、0.05g/mol〜0.45g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.4g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.35g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.35g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.25g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.2g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.15g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.1g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.1g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.2g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.25g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.3g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.35g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.4g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.45g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.05g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.95g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.9g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.85g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.8g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.75g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.7g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.65g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.6g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.55g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.45g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.4g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.35g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.25g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.2g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.15g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.1g/mol、たとえば、0.1g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.15g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.2g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.25g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.3g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.35g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.4g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.45g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.5g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.55g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.6g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.65g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.7g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.75g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.8g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.85g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.9g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.95g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.16g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.17g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.18g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.19g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.20g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.21g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.22g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.23g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.24g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.25g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.26g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.27g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.28g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.29g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.29g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.28g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.27g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.26g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.25g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.24g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.23g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.22g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.21g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.20g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.19g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.18g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.17g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.16g/molである。
【0050】
一態様では、エーロゲルは、0.15g/mol〜0.30g/molの密度をだいたい有する。
【0051】
一つの好ましい態様では、エーロゲルの表面積は500m2/g〜2000m2/gの範囲内であり、たとえば、500m2/g〜1950m2/g、たとえば、500m2/g〜1900m2/g、たとえば、500m2/g〜1850m2/g、たとえば、500m2/g〜1800m2/g、たとえば、500m2/g〜1750m2/g、たとえば、500m2/g〜1700m2/g、たとえば、500m2/g〜1650m2/g、たとえば、500m2/g〜1600m2/g、たとえば、500m2/g〜1550m2/g、たとえば、500m2/g〜1500m2/g、たとえば、500m2/g〜1450m2/g、たとえば、500m2/g〜1400m2/g、たとえば、500m2/g〜1350m2/g、たとえば、500m2/g〜1300m2/g、たとえば、500m2/g〜1250m2/g、たとえば、500m2/g〜1200m2/g、たとえば、500m2/g〜1150m2/g、たとえば、500m2/g〜1100m2/g、たとえば、500m2/g〜1050m2/g、たとえば、500m2/g〜1000m2/g、たとえば、500m2/g〜950m2/g、たとえば、500m2/g〜900m2/g、たとえば、500m2/g〜850m2/g、たとえば、500m2/g〜800m2/g、たとえば、500m2/g〜750m2/g、たとえば、500m2/g〜700m2/g、たとえば、500m2/g〜650m2/g、たとえば、500m2/g〜600m2/g、たとえば、500m2/g〜550m2/g、たとえば、500m2/g〜2000m2/g、たとえば、550m2/g〜2000m2/g、たとえば、600m2/g〜2000m2/g、たとえば、650m2/g〜2000m2/g、たとえば、700m2/g〜2000m2/g、たとえば、750m2/g〜2000m2/g、たとえば、800m2/g〜2000m2/g、たとえば、850m2/g〜2000m2/g、たとえば、900m2/g〜2000m2/g、たとえば、950m2/g〜2000m2/g、たとえば、1000m2/g〜2000m2/g、たとえば、1050m2/g〜2000m2/g、たとえば、1100m2/g〜2000m2/g、たとえば、1150m2/g〜2000m2/g、たとえば、1200m2/g〜2000m2/g、たとえば、1250m2/g〜2000m2/g、たとえば、1300m2/g〜2000m2/g、たとえば、1350m2/g〜2000m2/g、たとえば、1400m2/g〜2000m2/g、たとえば、1450m2/g〜2000m2/g、たとえば、1500m2/g〜2000m2/g、たとえば、1550m2/g〜2000m2/g、たとえば、1600m2/g〜2000m2/g、たとえば、1650m2/g〜2000m2/g、たとえば、1700m2/g〜2000m2/g、たとえば、1750m2/g〜2000m2/g、たとえば、1800m2/g〜2000m2/g、たとえば、1850m2/g〜2000m2/g、たとえば、1900m2/g〜2000m2/g、たとえば、1950m2/g〜2000m2/g、たとえば、800m2/g〜1500m2/g、たとえば、850m2/g〜1500m2/g、たとえば、900m2/g〜1500m2/g、たとえば、950m2/g〜1500m2/g、たとえば、1000m2/g〜1500m2/g、たとえば、1050m2/g〜1500m2/g、たとえば、1100m2/g〜1500m2/g、たとえば、1150m2/g〜1500m2/g、たとえば、1200m2/g〜1500m2/g、たとえば、1250m2/g〜1500m2/g、たとえば、1300m2/g〜1500m2/g、たとえば、1350m2/g〜1500m2/g、たとえば、1400m2/g〜1500m2/g、たとえば、1450m2/g〜1500m2/g、たとえば、800m2/g〜1450m2/g、たとえば、800m2/g〜1400m2/g、たとえば、800m2/g〜1350m2/g、たとえば、800m2/g〜1300m2/g、たとえば、800m2/g〜1250m2/g、たとえば、800m2/g〜1200m2/g、たとえば、800m2/g〜1150m2/g、たとえば、800m2/g〜1100m2/g、たとえば、800m2/g〜1050m2/g、たとえば、800m2/g〜1000m2/g、たとえば、800m2/g〜950m2/g、たとえば、800m2/g〜900m2/g、たとえば、800m2/g〜850m2/gである。
【0052】
一つの好ましい態様では、エーロゲルの表面積は800〜1500m2/gの範囲内である。
【0053】
一つの好ましい態様では、エーロゲルの孔径は、1〜25nmの範囲内であり、たとえば、1〜24nm、たとえば、1〜22nm、たとえば、1〜20nm、たとえば、1〜18nm、たとえば、1〜16nm、たとえば、1〜14nm、たとえば、1〜12nm、たとえば、1〜10nm、たとえば、1〜8nm、たとえば、1〜6nm、たとえば、1〜4nm、たとえば、1〜2nm、たとえば、2〜25nm、たとえば、4〜25nm、たとえば、6〜25nm、たとえば、8〜25nm、たとえば、10〜25nm、たとえば、12〜25nm、たとえば、14〜25nm、たとえば、16〜25nm、たとえば、18〜25nm、たとえば、20〜25nm、たとえば、22〜25nm、たとえば、24〜25nm、たとえば、1〜5nm、たとえば、5〜10nm、たとえば、10〜15nm、たとえば、15〜20nm、たとえば、20〜25nm、たとえば、2〜10nm、たとえば、2〜9nm、たとえば、2〜8nm、たとえば、2〜7nm、たとえば、2〜6nm、たとえば、2〜5nm、たとえば、2〜4nm、たとえば、2〜3nm、たとえば、3〜10nm、たとえば、3〜9nm、たとえば、3〜8nm、たとえば、3〜7nm、たとえば、3〜6nm、たとえば、3〜5nm、たとえば、3〜4nm、たとえば、4〜10nm、たとえば、4〜9nm、たとえば、4〜8nm、たとえば、4〜7nm、たとえば、4〜6nm、たとえば、4〜5nm、たとえば、5〜9nm、たとえば、5〜8nm、たとえば、5〜7nm、たとえば、5〜6nm、たとえば、6〜10nm、たとえば、6〜9nm、たとえば、6〜8nm、たとえば、6〜7nm、たとえば、7〜10nm、たとえば、7〜9nm、たとえば、7〜8nm、たとえば、8〜10nm、たとえば、8〜9nm、たとえば、9〜10nmである。
【0054】
エーロゲルの孔径は、だいたい2〜5nmである。
【0055】
エーロゲルの表面は、軽いが堅い発泡体であり、スタイロフォーム(Styrofoam)と花を並べるために使用するグリーンフローラルフォーム(green floral foam)との間の何かのような感触をもつ。エーロゲルは乾燥材料であり、ナノフォームを除いて物理的特性の点でゲルと似ていない。エーロゲルを柔らかく押すと、一般的に跡は残らない。しかし、よりしっかりと押すと、半永久的なくぼみが残るであろう。十分にしっかりと押すと、低密度構造が壊れ、ガラスのように粉砕する。粉砕しやすいという事実にもかかわらず、それは、構造的に非常に強い。強い印象を与えるその耐負荷能力は樹枝状微細構造によるものであり、その中では、平均粒径が2〜5nmである球状粒子がクラスターの中に融合している。これらのクラスターは、100nmよりも小さな孔を有する、ほぼフラクタル鎖である3次元の多孔質構造を形成する。製造プロセスの間に、その孔の平均径および密度を制御することができる。
【0056】
熱の移動の3方法(対流、伝導および輻射)をほとんど無効にするので、エーロゲルは、注目すべき断熱材である。空気はその格子を通って循環することができないので、それらは、良好な対流阻害物質である。シリカは低熱伝導体であるので、シリカエーロゲルは、特に良好な伝導絶縁体である。一方、金属エーロゲルは、より有効性が劣る絶縁体である。炭素は赤外線を吸収し熱に変換するので、カーボンエーロゲルは、良好な輻射絶縁体である。
【0057】
吸湿性の性質により、エーロゲルは乾燥の影響を受け、強力な乾燥剤として作用する。
【0058】
一つの好ましい態様では、エーロゲルは99%空気からなるので、エーロゲルは半透明に見える。エーロゲルが有する色は、サイズの樹枝状構造による可視光のより短い波長のレイリー散乱によるものである。これにより、エーロゲルは、暗い背景に対しては青みがかって見え、明るい背景に対しては白みがかって見える。
【0059】
エーロゲル自体は親水性であるが、化学処理によりエーロゲルを疎水性にすることができる。エーロゲルが水分を吸収した場合、それらは、収縮などの構造変化を通常被り、劣化する。しかし、それらを疎水性にすることにより、劣化を防止することができる。疎水性の内部を有するエーロゲルは、クラックが表面を通った場合であっても、外側の疎水性層のみを有するエーロゲルに比べて劣化しにくい。疎水性処理は加工処理を容易にする。なぜならば、それによりウォータージェットカッターの使用が可能になるからである。
【0060】
その生体親和性により、ドラッグデリバリーシステムとしてエーロゲルを使用することができる。その大きな表面積と多孔質構造とにより、超臨界のCO2から薬を吸収することができる。薬の放出速度をエーロゲルの特性により調整することができる。
【0061】
エーロゲルの表面特性の変質:
官能化の方法により、本発明によるエーロゲルの表面特性を変えることができる。すなわち、エーロゲルの特性を親水性から疎水性の範囲に変えるために異なる官能基を使用することができる。官能基の被覆表面積ならびに官能基のタイプを制御することはこの研究の目標の一つである。原則として、3つの基本的方法で官能化を行うことができる。
【0062】
1.ゲルを作製している間の官能化(ゾル−ゲル)
2.液相官能化(官能化溶液の中にウェットゲルを置くことによる)
3.気相官能化(官能化溶液のガス流の中にエーロゲルを置くことによる)
【0063】
それぞれの方法の作業条件を最適化することにより、エーロゲルの表面上の所望の官能基の官能化の程度を制御することができ、その結果、活性薬品の装填時間ならびに放出時間を調整することができる。
【0064】
ひとつの好ましい態様では、あるケイ素組成物についてアルキル基を含有するモノマーを使用してエーロゲルの疎水性を調整することができる。
【0065】
エーロゲルに内包された生理活性剤:
本発明は、1種または2種以上の生理活性剤をエーロゲルに内包させることに関する。1種または2種以上の生理活性剤は、タンパク質、ペプチド、酵素、プロテアーゼ、小さな有機または無機の分子、多糖類、医薬品組成物もしくはそれらのいずれかの組み合わせの群となり得るが、これらに限定されない。
【0066】
一つの好ましい態様では、1種または2種以上のエーロゲルの中に、1種または2種以上の酵素を内包する。一態様では、1種または2種以上の酵素を1種または2種以上のエーロゲルに内包した結果、時間が経過しても活性が変わらないなど、酵素が安定になる。別の態様では、1種または2種以上のエーロゲルに内包することにより酵素の活性は増加する。
【0067】
一態様では、1種または2種以上のプロテアーゼをエーロゲルの中に内包する。プロテアーゼは、相互に消化し合うために、溶液の中で貯蔵することが一般に難しい。一方、プロテアーゼをエーロゲルの中に内包した場合、それらは相互に接触することはない。
【0068】
また、本発明は、1種または2種以上のズブチリシンをエーロゲルの中に内包することに関する。ズブチリシンは、草菌から分離されたセリンプロテアーゼの系統を含む。
【0069】
別の好ましい態様では、本発明は1種または2種以上の加水分解酵素を内包することに関する。一つの好ましい態様では、これらの加水分解酵素は、多糖類および/または脂質を分解する加水分解酵素を含む。さらに別の態様では、エーロゲルは、1種または2種以上の酸化酵素を内包する。一態様では、これらの酸化酵素により過酸化水素を作製することができる。また、本発明は、過酸化水素を発生させるために、デンプンおよび/もしくはアミラーゼならびに1種または2種以上の酸化酵素を組み合わせたものを取り込むことに関する。
【0070】
別の態様では、1種または2種以上の酵素が、エーロゲルの3次元構造の中に活性的に取り込まれるように官能化される。これにより、酵素は共有結合的にエーロゲルの3次元構造に付着する。
【0071】
一つの好ましい態様では、2種以上の酵素の混合物をエーロゲルの中に内包する。別の態様では、1種または2種以上の酵素および1種または2種以上の他の生理活性剤を同じエーロゲルの中に内包する。さらに別の態様では、2種以上の生理活性剤を同じエーロゲルの中に内包する。一つの好ましい態様では、酵素およびその基質を同じエーロゲルの中に内包する。
【0072】
一つの好ましい態様では、1種または2種以上の生理活性剤がエーロゲルのそれぞれの区画に配置されるような方法で、1種または2種以上の生理活性剤をエーロゲルの中に内包する。
【0073】
一態様では、ヘミセルロース分解活性酵素、アミロース分解活性酵素および/またはセルロース分解活性酵素からなる群から1種または2種以上の酵素を選択することができる。
【0074】
別の好ましい態様では、1種または2種以上の生理活性剤は、エンドペプチターゼを含む。
【0075】
一態様では、エンドペプチターゼは、ズブチリシン(EC 3.4.21.62)を含む。ズブチリシン(EC 3.4.21.62)は、次の特性を有する。(i)約7〜10の範囲内のpHで最適な活性、および(ii)55〜65℃の範囲内の温度で最適な活性。一態様では、ズブチリシン(EC 3.4.21.62)はアルカラーゼ(アルカラーゼ)(登録商標)である。
【0076】
一態様では、ヘミセルロース分解活性酵素は、エンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)、キシラン−エンド−1,3−β−キシロシダーゼ(E.C.3.2.1.32)、グルクロノアラビノキシランエンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.136)、β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.25)、マンナンエンド−1,4−β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.78)およびマンナンエンド−1,6−β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.101)からなる群から選択される。別の好ましい態様では、ヘミセルロース分解活性酵素はキシラナーゼである。一態様では、キシラナーゼはエンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)である。
【0077】
一つの好ましい態様では、アミロース分解活性酵素はアミラーゼになり得る。別の態様では、1種または2種以上のアミロース分解活性酵素は、α−およびβ−アミラーゼ、アミログルコシダーゼ(E.C.3.2.1.3)、プルラナーゼ、α−1,6−エンドグルカナーゼ、α−1,4−エキソグルカナーゼおよびイソアミラーゼからなる群から選択される。また、1種または2種以上のアミロース分解活性酵素はアミログルコシダーゼになり得る。一つの好ましい態様では、アミログルコシダーゼは1,4−α−グルコシダーゼである。
【0078】
一態様では、防汚組成物剤は、1種または2種以上のエーロゲルと、少なくとも1種のキシラナーゼと、少なくとも1種のアミログルコシダーゼとを含む。
【0079】
別の態様では、防汚組成物剤は、1種または2種以上のエーロゲルと、少なくとも1種のエンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)と、少なくとも1種の1,4−α−グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.3)とを含む。
【0080】
一態様では、防汚組成物は、1種または2種以上のエーロゲルと、約0.1〜10重量%の生理活性剤とを含む。別の好ましい態様では、防汚組成物は、1種または2種以上のエーロゲルと、約0.2〜5重量%の生理活性剤とを含む。さらに別の好ましい態様では、防汚組成物は、1種または2種以上のエーロゲルと、約0.5〜1重量%の生理活性剤とを含む。
【0081】
1種または2種以上のエーロゲルの中に1種または2種以上の生理活性剤を内包することができる。2種の生理活性剤が内包された場合、一態様では、本発明は、表1および表2で説明されている組み合わせに関する。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
一態様では、同じタイプの2種の生理活性剤を組み合わせることができる。
【0085】
酸化酵素によって作製された防汚種
本発明による組成物は、少なくとも1種の酵素を好ましくは含む。一態様では、その酵素は、前記酸化酵素に係る基質などの化合物に作用できる酸化酵素であり、前記作用の結果、抗微生物活性を含む抗微生物種を有する防汚種が形成され、そして、前記化合物は前記コーティング組成物の一部を形成しない。
【0086】
より好ましい態様では、その酵素は、酸化酵素であり、その酸化酵素の活性の結果、過酸化物が形成する。
【0087】
エステラーゼを含み、リパーゼ、アミダーゼを含み、プロテアーゼおよび多糖類分解酵素を含む、しかしこれらに限定されない、1種または2種以上の追加の酵素と組み合わせて、酸化酵素はコーティング組成物中に存在し得る。ここで、前記1種または2種以上の追加の酵素は、1種または2種以上の前記酵素に係る1種または2種以上の基質の存在、または非存在下で、単独またはいずれかの組み合わせで含まれる。
【0088】
微生物体が分泌することができる、ポリマーを含む化合物またはその前駆体に、少なくとも1種の酵素が作用するときに、防汚活性を含む防汚種は好ましくは発生する。その化合物は、微生物体によって分泌された、および/または微生物体の表面にあるポリマーを含む前駆体化合物の分解生成物となり得る。ここで、前記分解生成物は、前記前駆体化合物に作用する前駆体酵素によって供給される。
【0089】
結果としてそれらを生成する追加の防汚種および酵素、防汚剤または抗微生物活性を有する本発明の化学種は、たとえば、酵素−基質反応の結果として作製されることが可能ないずれかの化学種となり得る。そのようなものとして、多くの防汚活性を有する化学種、抗細菌/抗真菌活性を有する化学種、生物致死活性を有する化学種およびバイオ駆除剤活性を有する化学種を挙げることができる。
【0090】
一つの好ましい態様では、1種または2種以上のエーロゲルは、1種または2種以上の酵素と1種または2種以上の殺生物剤を含む。
【0091】
このように、微生物体によって好ましくは分泌される化合物の形態の基質と酵素との間の酵素反応によって、抗微生物活性を有する化学種は生産される。抗微生物活性を有する化学種は、酵素と化合物との間の酵素反応の直接の結果として得られたいずれかの化学種、ならびに、さらに進んだ酵素反応および/または化学反応を経たような酵素反応の生成物から形成されたいずれかの化学種になり得る。
【0092】
その化合物は、微生物の分泌生成物に限定されない。本発明の化合物は、ドックに停泊している船の船体などの規定の環境に供給され、酸化酵素を含む少なくとも1種の酵素の作用によって、抗微生物種を含む防汚種に変わることができる非毒性の化合物のいずれかになり得る。
【0093】
さらにまた、i)ポリマーおよび分解生成物を含む、分泌された微生物の生成物での酵素反応と、ii)外来的に添加された化合物または前駆体化合物での酵素反応とを組み合わせることにより、抗微生物種を含む防汚種を生成することができ、酵素反応の前記組み合わせの結果、抗微生物活性を有する抗微生物種を含む1種または2種以上の防汚種が形成されると考えられる。
【0094】
本発明によれば、過酸化水素を含む過酸化物が生成する少なくとも1種の酵素、好ましくは、酸化酵素は、その組成物でコーティングされた表面の汚損を減少または防止するのに効果的な量で、本発明によるコーティング組成物中に含まれる。現在の文脈の中では、用語「効果的な量」は、細菌などの水生生物体、原生動物、藻類および無脊椎動物を含む微生物体、植物および/または動物の、本発明による組成物でコーティングされた表面上での生息を、制御、または除去、または減少、または少なくとも実質的に減少させるのに十分な量を意味する。
【0095】
汚損を十分減少または防止するために必要な少なくとも1種の酵素の量をテストするために、いずれかのタイプの標準または修正防汚生物検定法を適用することができ、それには、Willemsen(1994)により記載されたような生息生物検定法が含まれる。一つの現在のところ好ましい態様では、酵素の量は、コーティング組成物(乾燥重量)の約0.1〜好ましくは10未満%(w/w)の範囲内であり、たとえば、約0.1〜9未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜8未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜7未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜6未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜5.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜5.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜4.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜4.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜3.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜3.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜2.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約2.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約1.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約1,0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約0.5未満%(w/w)である。
【0096】
別の態様では、酵素は、コーティング組成物中に、コーティング組成物(乾燥重量)の約0.2%(w/w)〜約0.4%(w/w)の範囲内で、たとえば、コーティング組成物の約0.4%(w/w)〜約0.6%(w/w)、たとえば、約0.6%(w/w)〜約0.8%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約0.8%(w/w)〜約1.0%(w/w)、たとえば、約1.0%(w/w)〜約1.2%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約1.2%(w/w)〜約1.4%(w/w)、たとえば、約1.4%(w/w)〜約1.6%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約1.6%(w/w)〜約1.8%(w/w)、たとえば、約1.8%(w/w)〜約2.0%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約2.0%(w/w)〜約2.5%(w/w)、たとえば、約2.5%(w/w)〜約3.0%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約3.0%(w/w)〜約3.5%(w/w)、たとえば、約3.5%(w/w)〜約4.0%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約4.0%(w/w)〜約4.5%(w/w)、たとえば、約4.5%(w/w)〜約5.0%(w/w)である。
【0097】
好ましい態様では、少なくとも1種の酵素は、活性の結果、過酸化水素を含む過酸化物が形成する酸化酵素である。本発明により生成した過酸化水素の量は、少なくとも1種の酸化酵素が作用できる利用可能な化合物の量に依存する。Biochem. Biophys. Acta (1968), vol. 151, p 330-342に開示されたJanssenおよびRueliusの方法を使用することによって、生成した過酸化水素の量を測定することができるであろう。
【0098】
好ましい態様で生成した過酸化水素の量は、約、または少なくとも約1nmol/cm2/日であり、たとえば、2nmol/cm2/日、たとえば、3nmol/cm2/日、たとえば、4nmol/cm2/日、たとえば、5nmol/cm2/日、たとえば、2nmol/cm2/日、たとえば、3nmol/cm2/日、たとえば、4nmol/cm2/日、たとえば、5nmol/cm2/日、たとえば、6nmol/cm2/日、たとえば、7nmol/cm2/日、たとえば、8nmol/cm2/日、たとえば、9nmol/cm2/日、たとえば、10nmol/cm2/日、たとえば、12nmol/cm2/日、たとえば、14nmol/cm2/日、たとえば、16nmol/cm2/日、たとえば、18nmol/cm2/日、たとえば、20nmol/cm2/日、たとえば、22nmol/cm2/日、たとえば、24nmol/cm2/日、たとえば、26nmol/cm2/日、たとえば、28nmol/cm2/日、たとえば、30nmol/cm2/日、たとえば、32nmol/cm2/日、たとえば、34nmol/cm2/日、たとえば、36nmol/cm2/日、たとえば、38nmol/cm2/日、たとえば、40nmol/cm2/日、たとえば、42nmol/cm2/日、たとえば、44nmol/cm2/日、たとえば、46nmol/cm2/日、たとえば、48nmol/cm2/日、たとえば、50nmol/cm2/日、たとえば、55nmol/cm2/日、たとえば、60nmol/cm2/日、たとえば、65nmol/cm2/日、たとえば、70nmol/cm2/日、たとえば、75nmol/cm2/日、たとえば、80nmol/cm2/日、たとえば、85nmol/cm2/日、たとえば、90nmol/cm2/日、たとえば、95nmol/cm2/日、たとえば、100nmol/cm2/日、たとえば、110nmol/cm2/日、たとえば、120nmol/cm2/日、たとえば、130nmol/cm2/日、たとえば、140nmol/cm2/日、たとえば、150nmol/cm2/日、たとえば、160nmol/cm2/日、たとえば、170nmol/cm2/日、たとえば、180nmol/cm2/日、たとえば、190nmol/cm2/日、たとえば、200nmol/cm2/日、たとえば、220nmol/cm2/日、たとえば、240nmol/cm2/日、たとえば、260nmol/cm2/日、たとえば、280nmol/cm2/日、たとえば、300nmol/cm2/日、たとえば、320nmol/cm2/日、たとえば、340nmol/cm2/日、たとえば、360nmol/cm2/日、たとえば、380nmol/cm2/日、たとえば、400nmol/cm2/日、たとえば、420nmol/cm2/日、たとえば、440nmol/cm2/日、たとえば、460nmol/cm2/日、たとえば、480nmol/cm2/日、たとえば、500nmol/cm2/日、たとえば、520nmol/cm2/日、たとえば、540nmol/cm2/日、たとえば、560nmol/cm2/日、たとえば、580nmol/cm2/日、たとえば、600nmol/cm2/日、たとえば、620nmol/cm2/日、たとえば、640nmol/cm2/日、たとえば、660nmol/cm2/日、たとえば、680nmol/cm2/日、たとえば、700nmol/cm2/日、たとえば、720nmol/cm2/日、たとえば、740nmol/cm2/日、たとえば、760nmol/cm2/日、たとえば、780nmol/cm2/日、たとえば、800nmol/cm2/日、たとえば、820nmol/cm2/日、たとえば、840nmol/cm2/日、たとえば、860nmol/cm2/日、たとえば、880nmol/cm2/日、たとえば、900nmol/cm2/日、たとえば、920nmol/cm2/日、たとえば、940nmol/cm2/日、たとえば、960nmol/cm2/日、たとえば、980nmol/cm2/日、たとえば、1000nmol/cm2/日である。
【0099】
好ましい酸化酵素には、リンゴ酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、ヘキソース酸化酵素、コレステロール酸化酵素、アリールアルコール酸化酵素、ガラクトース酸化酵素、アルコール酸化酵素、ラソステロール酸化酵素、アスパラギン酸酸化酵素、L−アミノ酸酸化酵素、D−アミノ酸酸化酵素、アミン酸化酵素、D−グルタミン酸酸化酵素、エタノールアミン酸化酵素、NADH酸化酵素、尿酸酸化酵素(ウリカーゼ)、スーパーオキシドジスムターゼなどがあるが、これらに限定されない。
【0100】
一つの好ましい態様では、少なくとも1種の酵素は、クラスEC1.1.3.5の酸化還元酵素のいずれか(しかし、これらに限定されないが)を含むヘキソース酸化酵素である。ヘキソース酸化酵素は、D−グルコースならびにマルトース、ラクトースおよびセロビオースを含む様々な他の還元糖を、酸素が存在する中で酸化して、それらの対応するラクトースとし、続く加水分解で、それぞれのアルドビオン酸にすることができる酵素である。ヘキソース酸化酵素は他の酸化還元酵素、D−グルコースの変換のみを行うグルコース酸化酵素とは異なり、ヘキソース酸化酵素の中では、酵素は、より広い範囲の糖基質を役立たせることができる。
【0101】
ヘキソース酸化酵素は、様々な海洋性藻類種によって天然に生成される。そのような生物種は、とりわけ、すぎのり科に見られる。一つの好ましい態様では、ヘキソース酸化酵素は、海洋性藻類ヤハズツノマタ(Chondrus cripus)から得られる。欧州特許第0 832 245号明細書を参照。また、国際公開第96/40935号パンフレットおよび国際公開第98/13478号パンフレットは、HOX活性でタンパク質を遺伝子コード化する組換えホスト生物体におけるクローン化および発現を開示している。
【0102】
別の好ましい態様では、化合物および酵素は、グルコース/ヘキソース酸化酵素、グルコース/グルコース酸化酵素、Lアミノ酸/Lアミノ酸酸化酵素、ガラクトース/ガラクトース酸化酵素、ラクトース/β−ガラクトシダーゼ/ヘキソース酸化酵素、2−デオキシグルコース/グルコース酸化酵素、ピラノース/ピラノース酸化酵素およびそれらの混合物からそれぞれ選択される。
【0103】
前駆体酵素
少なくとも1種の酵素の作用によって、任意選択的にさらに1種または2種以上の前駆体酵素の最初の作用と組み合わせることによって、抗微生物種を含む防汚種を直接生成することができる。後者の場合、前駆体酵素および前駆体化合物は、前駆体酵素が最終的に化合物を生成するように選択される。
【0104】
前駆体酵素の例は、アミログルコシダーゼを含む多糖類消化酵素のいずれかであり、前駆体化合物の例は、多糖類のいずれかである。
【0105】
したがって、一態様では、コーティング組成物は、たとえばヘキソース酸化酵素などの少なくとも1種の酸化酵素、および、たとえばアミログルコシダーゼなどの少なくとも1種のアミロース分解活性酵素、および/または、たとえばキシラナーゼなどの少なくとも1種のヘミセルロース分解活性酵素、および/または、たとえばセルラーゼなどの少なくとも1種のセルロース分解活性酵素を含むことができ、酸化酵素とアミロース分解活性酵素、酸化酵素とヘミセルロース分解活性酵素、酸化酵素とセルロース分解活性酵素、酸化酵素とアミロース分解活性酵素とヘミセルロース分解活性酵素、酸化酵素とアミロース分解活性酵素とセルロース分解活性酵素、および酸化酵素とヘミセルロース分解活性酵素とセルロース分解活性酵素などの酸化酵素と前述の多糖類分解酵素との組み合わせのいずれかを含む。
【0106】
酸化酵素に代わるものとして、または酸化酵素に加えて、単独または任意の組み合わせで、本発明により多数の他の酵素を採用することができ、その組み合わせは、少なくとも1種の酸化酵素がさらに存在するところの組み合わせを含む。
【0107】
エステラーゼとリパーゼ
エステラーゼとリパーゼとは、短い、中間の、および長い鎖の長さを有する脂肪酸を開裂することができるトリアシルグリセロール加水分解酵素酵素である。エステラーゼとリパーゼとは、微生物体の表面の高分子に関連する細胞壁脂質および他の脂質を分解する。
【0108】
したがって、一態様では、少なくとも1種の酵素がエステラーゼであり、化合物がエステル結合含有化学種である。エステラーゼの例には、カルボキシルエステラーゼ、アリールエステラーゼ、アセチルエステラーゼなどがあるが、これらに限定されない。
【0109】
さらに別の態様では、少なくとも1種の酵素/前駆体酵素は、トリアシルグリセロールリパーゼ、リポタンパク質リパーゼなどのリパーゼであるが、これらに限定されない。
【0110】
プロテアーゼ
表面の汚損に関連するタンパク質の材料は、プロテアーゼによって崩壊される。Neurath Science 224,350-357, 1984で論評されているように、プロテアーゼの仲間はよく知られている。非毒性防汚コーティング組成物で使用するための候補をこれらの仲間、セリンプロテアーゼのタイプIおよびIIの例であるトリプシンとサブチリシン、スルフヒドリルプロテアーゼの例であるパパイン、酸性プロテアーゼの例であるペプシン、ならびにメタロプロテアーゼのタイプIおよびIIの例であるカルボキシペプチダーゼAおよびBおよびサーモリシンから選ぶことができる。関連する他のプロテアーゼは、アミノペプチダーゼ、コラゲナーゼならびにカルシウムおよびATP−活性化プロテアーゼであり、それぞれは、数多くの例を有する。
【0111】
したがって、さらに追加した態様では、少なくとも1種の酵素/前駆体酵素は、ズブチリシン、キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カテプシン、パパイン、クロモパパイン、ペプシン、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、サーモリシン、カルシウム活性化プロテアーゼ、ATP−活性化プロテアーゼ、アミノペプチダーゼおよびカルボキシペプチダーゼなどのエキソペプチダーゼ、ならびにエンドペプチターゼなどのプロテアーゼであるが、これらに限定されない。
【0112】
好ましい酵素の1つの種類は、ズブチリシンである。ズブチリシンはセリンエンドペプチターゼである。例には、ズブチリシンBPN’(ズブチリシンB、ズブチロペプチダーゼB、ズブチロペプチダーゼC、ナガーゼ、ナガーゼプロテイナーゼ、ズブチリシンノボ(Novo)、バクテリアルプロテイナーゼノボ(bacterial proteinase Novo)として、また知られている)およびズブチリシンカールスバーグ(subtilisin Carlsberg)(ズブチリシンA、ズブチロペプチダーゼA、アルカラーゼノボ(alcalase Novo))がある。今では、EC3.4.21.62(以前はEC3.4.4.16)は、IUBMB Enzyme nomenclatureの下で分類され、EC3.4.21.14に含まれている。ズブチリシン酵素は、様々な枯草菌腫および他のかん菌種によって生成される。
【0113】
ズブチリシンの追加の例には、たとえば、アルカラーゼ(alcalase);アルカラーゼ0.6L;アルカラーゼ2.5L;ALK−エンザイム;バチロペプチダーゼ(bacillopeptidase)A;バチロペプチダーゼB;バチルスズブチルスアルカラインプロテイナーゼビオプラーゼ(Bacillus subtilis alkaline proteinase bioprase);ビオプラーゼAL15;ビオプラーゼAPL30;コリスチナーゼ(colistinase);(また、コメントを参照);ズブチリシンJ;ズブチリシンS41;ズブチリシンセンダイ(Sendai);ズブチリシンGX;ズブチリシンE;ズブチリシンBL;ゲネナーゼ(genenase)I;エスペラーゼ(esperase);マキサターゼ(maxatase);アルカラーゼ;サーモアーゼ(thermoase)PC10;プロテアーゼXXVIIサーモアーゼ;スーパーアーゼ(superase);ズブチリシンDY;ズブチロペプチダーゼ;SP266;サビナーゼ(savinase)8.0L;サビナーゼ4.0T;カズサーゼ(kazusase);プロテアーゼVIII;オプチクリーン(opticlean);バチルスアルカラインプロテイナーゼ;プロチン(protin)A3L;サビナーゼ;サビナーゼ16.0L;サビナーゼ32.0LEX;オリエンターゼ(orientase)10B;プロテアーゼがあるが、これらに限定されない。
【0114】
したがって、特に好ましいプロテアーゼの1つは、ズブチリシンタイプ(EC3.4.21.62)のエンドペプチターゼである。アルカラーゼ(登録商標)などの市販の酵素製剤の形態でズブチリシンタイプのプロテアーゼを適用することができる。アルカラーゼ(登録商標)は、高温および中程度のアルカリ度で性能が良いという特徴を有するセリンタイプのプロテアーゼである。現在の好ましい態様では、酵素製剤アルカラーゼ2.5L、タイプDX(登録商標)が適用された。しかし、アルカラーゼ2.0T(登録商標)、アルカラーゼ3.0T(登録商標)およびアルカラーゼ2.5L、タイプDX(登録商標)を含む他のアルカラーゼ(登録商標)生成物を、本発明にしたがって適用することができることもまた予想される。そのようなアルカラーゼ(登録商標)酵素製剤は、ノボザイムズ(Novozymes)(ノボザイムズ、ノボ エレ、2880 バウスヴェア、デンマーク)から入手可能である。
【0115】
しかし、本発明により成功裏に適用することができる、アルカラーゼ(登録商標)のプロテアーゼと実質的に同じ特徴を有する他のプロテアーゼもまた、本発明の範囲内である。したがって、アルカラーゼと実質的に同じ温度およびpHの性質を有する、ズブチリシンなどの他のプロテアーゼを使用することができることが予想される。ノボザイム(Novozyme)A/S(B259f−GB)からの製品仕様書で、アルカラーゼの温度およびpHの性質を見つけることができる。
【0116】
したがって、以下の性質を有し、好都合に適用することができるズブチリシンタイプのプロテアーゼ(EC3.4.21.62)は、本発明の範囲内である。(i)約7〜10、たとえば、7.5よりも大きな値から約10の範囲内のpHで活性が最適、および(ii)約55℃もしくは55℃よりも大きな温度から約65℃の範囲内の温度で活性が最適である。
【0117】
多糖類分解酵素
多糖類を分解することができる酵素/前駆体酵素は、一般に、活性化すると過酸化物を生成する酸化酵素と組み合わせることが望ましい。その理由は、多糖類消化酵素は、微生物の粘着性構造の多糖類成分を分解することができ、ならびに/または、好ましくは単糖類および/もしくは二糖類の構成単位に重要な構造の微生物の多糖類を分解することができるからである。そのような化合物およびそれらの前駆体は酸化酵素に関する基質であり、したがって、それらの形成物は過酸化物の後に続く生成を高める。さらに、本発明の多糖類消化酵素は、問題の汚損生物体の付着、または続く成長、変態もしくは複製を防止もしくは妨げることができる。
【0118】
したがって、さらに追加の態様では、少なくとも1種の酵素/前駆体酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、β−グルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グリコシダーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヒアルロニダーゼ、β−グルクロニダーゼなどの多糖類消化酵素であるが、これらに限定されない。
【0119】
酵素β−アミラーゼ、β−グルコシダーゼおよびグリコシダーゼは、多糖類を分解することができる酵素のグループに全て属する。ペクチナーゼおよびセルラーゼは、2種の広範に分布する植物の細胞壁および細胞壁結合組織マトリックスの構造ポリマーである、ペクチンおよびセルロースをそれぞれ分解する酵素である。また、リゾチームおよびアクロモペプチダーゼ(achromopeptidase)も細胞壁を分解することができ、後者は、微生物に対して特別に優れた範囲の活性を有する。ヒアルロン酸およびコラーゲンは、動物において類似した構造的役割を有し、ヒアルロニダーゼおよびコラゲナーゼによってそれぞれ分解される。また、β−グルクロニダーゼは、ヒアルロン酸を分解するであろう。
【0120】
さらに、好ましい多糖類分解酵素は、「ヘミセルロース分解活性」酵素、「セルロース分解活性」酵素、および「アミロース分解活性」酵素である。エンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)、キシラン−エンド−1,3−β−キシロシダーゼ(E.C.3.2.1.32)、グルクロノアラビノキシランエンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.136)、β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.25)、マンナンエンド−1,4−β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.78)、およびマンナンエンド−1,6−β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.101)などのキシランおよびマンナンを含む、一般にヘミセルロースと呼ばれている化合物および前駆体化合物のグループに属する少なくとも1種のサブスタンスを分解する能力を有するキシラナーゼなどの酵素に第1のグループは属する。
【0121】
また、「セルロース分解活性」を有する酵素は、セルラーゼと一般に呼ばれており、本明細書では、任意のセルロース加水分解酵素を示すために使用される。
【0122】
本文脈の中では、「アミロース分解活性」酵素には、α−アミラーゼおよびβ−アミラーゼなどのアミラーゼ、アミログルコシダーゼ、プルラナーゼ、α−1,6−エンドグルカナーゼ、α−1,4−エキソグルカナーゼ、ならびにイソアミラーゼがある。
【0123】
好ましい態様では、上述の酵素は、少なくとも1種の酸化酵素との組み合わせで存在する。したがって、化合物に作用でき、作用の結果、抗菌性の化学種を形成する酸化酵素を含むエーロゲルをコーティング組成物が、たとえば含む場合、さらに追加の態様で、エーロゲルおよび/またはコーティング組成物は、1種または2種以上の以下のものを含むことができる。
上述のグループからの少なくとも1種のエステラーゼ、任意選択的に前記エステラーゼに係る基質なしで、および/または、
上述のグループからの少なくとも1種のリパーゼ、任意選択的に前記リパーゼに係る基質なしで、および/または、
上述のグループからの少なくとも1種のプロテアーゼ、任意選択的に前記プロテアーゼに係る基質なしで、および/または、
上述のグループからの少なくとも1種の多糖類分解酵素、任意選択的に前記酵素に係る基質なし。
【0124】
少なくとも1種の酸化酵素との組み合わせで上述の酵素の好ましい組み合わせには、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、加水分解酵素に係る基質が任意選択的にない、少なくとも1種の加水分解酵素とを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のエステラーゼとを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、加水分解酵素に係る基質が任意選択的にない、少なくとも1種のリパーゼとを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、加水分解酵素に係る基質が任意選択的にない、少なくとも1種のプロテアーゼとを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、加水分解酵素に係る基質が任意選択的にない、少なくとも1種の多糖類消化酵素とを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素を含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のエステラーゼと、少なくとも1種のリパーゼとを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のエステラーゼと、少なくとも1種のプロテアーゼとを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のエステラーゼと、少なくとも1種の多糖類消化酵素とを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のエステラーゼと、少なくとも1種のリパーゼと、少なくとも1種のプロテアーゼとを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のエステラーゼと、少なくとも1種のリパーゼと、少なくとも1種の多糖類消化酵素とを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のエステラーゼと、少なくとも1種のリパーゼと、少なくとも1種のプロテアーゼと、少なくとも1種の多糖類消化酵素とを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のリパーゼと、少なくとも1種のプロテアーゼとを含むコーティング組成物、
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のリパーゼと、少なくとも1種のプロテアーゼと、少なくとも1種の多糖類消化酵素とを含むコーティング組成物、および
酸化酵素に係る基質がない、少なくとも1種の酸化酵素と、少なくとも1種のプロテアーゼと、少なくとも1種の多糖類消化酵素とを含むコーティング組成物がある。
【0125】
したがって、1種または2種以上の酵素に係る基質は、コーティング組成物および/またはエーロゲルの中に存在し得るし、存在し得ないことが理解されるであろう。
【0126】
様々な態様では、エーロゲルを含む上述のコーティング組成物は、使用される1種または2種以上の酵素および/または1種または2種以上の前駆体酵素に係る基質を含まない。したがって、上述のコーティング組成物のいずれか1つは、i)エステラーゼが存在する場合、少なくとも1種のエステラーゼに係る基質のいずれも含まず、ii)リパーゼが存在する場合、少なくとも1種のリパーゼに係る基質のいずれも含まず、iii)プロテアーゼが存在する場合、少なくとも1種のプロテアーゼに係る基質のいずれも含まず、iv)多糖類消化酵素が存在する場合、少なくとも1種の多糖類消化酵素に係る基質のいずれも含まず、v)前駆体酵素に係る基質を含まない。
【0127】
追加の態様では、本発明による上述のコーティング組成物は、i)任意選択的に追加の酵素との組み合わせで、少なくとも1種のエステラーゼおよびリパーゼが存在する場合、エステラーゼおよびリパーゼに係る基質を含まず、ii)任意選択的に追加の酵素との組み合わせで、少なくとも1種のエステラーゼおよびプロテアーゼが存在する場合、エステラーゼおよびプロテアーゼに係る基質を含まず、iii)任意選択的に追加の酵素との組み合わせで、少なくとも1種のエステラーゼおよび多糖類消化酵素が存在する場合、エステラーゼおよび多糖類消化酵素に係る酵素を含まず、iv)任意選択的に追加の酵素との組み合わせで、少なくとも1種のリパーゼおよびプロテアーゼが存在する場合、リパーゼおよびプロテアーゼに係る基質を含まず、v)任意選択的に追加の酵素との組み合わせで、少なくとも1種のリパーゼおよび多糖類消化酵素が存在する場合、リパーゼおよび多糖類消化酵素に係る基質を含まず、ならびに、vi)任意選択的に追加の酵素との組み合わせで、少なくとも1種のプロテアーゼおよび多糖類消化酵素が存在する場合、プロテアーゼおよび多糖類消化酵素に係る基質を含まない。
【0128】
本発明では、コーティング組成物に含まれる少なくとも1種の酵素は、任意の1種または2種以上の精製酵素または粗製酵素であり得る。酵素の出所には、微生物、植物および動物がある。コーティング組成物の中に酵素を混合する場合、酵素を直接混合してもよいし、もしくは、別の化学種で修飾させた後にそれを使用することもできるし、または、固定化酵素の形態で混合してもよいし、使用することができる。固定化には、他にもあるが、とりわけ、逆ミセルの中に取り込まれた酵素、脂質または表面活性剤で修飾された酵素、ポリエチレングリコールで修飾された酵素、およびポリマーマトリックスに固定化された酵素がある。
【0129】
ロジン
一態様では、本発明のコーティング組成物の中に少なくとも1種のロジンを含むことが好ましい。ロジンは、たとえば松の木の含油樹脂の中に天然にある固形材料であり、生きている木の含有樹脂滲出物から、老齢の切り株から、およびクラフト紙製造の複生成物として作製されるトールオイルから一般に得られる。
【0130】
ロジン化合物は、防汚塗料のバインダーとして使用するために非常に望ましい性質の多くを、たとえば、人間に対して正しく非毒性であり、他のバインダーの多くと適合性があり、そして、比較的安く、天然資源から容易に得られるという性質を有する。
【0131】
したがって、ロジンはバインダーとして塗料に使用され、それゆえ、たとえば、エポキシ、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチレート、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体のような高分子バインダー成分などの、合成の、より毒性のあるバインダーのむしろ非毒性代替物を提供する。
【0132】
ロジンは、ゴムロジン、ウッドロジンに、またはその原料を示すトールオイルロジンに一般に分類される。多価アルコールのエステルの形態で、分子の固有の不飽和を通して重合したロジンの形態で、または水素化ロジンの形態で、無修飾でロジン材料を使用することができる。したがって、たとえば、水素化、脱水素化、重合、エステル化および他の後処理プロセスによってロジンをさらに処理することができる。さらに、たとえば遊離カルボン酸基を有するロジンは金属と反応することができ、それによりロジン金属塩を形成する。
【0133】
したがって、本発明の防汚塗料組成物のロジン化合物は、ロジン、ロジン誘導体およびロジン金属塩から選択された少なくとも1つのものである。ロジンの例には、トールロジン、ゴムロジン、およびウッドロジンがある。ロジン誘導体の例には、水素化ロジン、ロジンと無水マレイン酸とを反応させることによって得られる改質ロジン、ホルミル化ロジン、および重合ロジンがある。ロジン金属塩の例には、ロジン酸亜鉛、ロジン酸カルシウム、ロジン酸銅、ロジン酸マグネシウム、および他の金属の化合物とロジンとの反応生成物がある。
【0134】
酵素と組み合わせて使用する場合、非天然由来の合成バインダーで作製された塗料組成物の中の酵素に比べて、前記酵素の活性は、ロジンから実質的に影響を受けないという有益な効果を天然由来のロジンは有する。したがって、プロテアーゼおよび非天然由来の合成バインダーを含む塗料組成物に酵素活性がないことが発見された。
【0135】
さらに、ロジンは、酵素を固定する効果を有すると信じられており、したがって、塗料組成物から環境の中へ酵素が放出されるのを防止する。
【0136】
本発明による組成物は、ロジン化合物を含む。ここで、ロジン化合物の含有率は、約5〜約60重量%の範囲内である。ロジン化合物の量は約10%よりも高く、たとえば、約20重量%までであることが好ましい。しかし、組成物中のロジン化合物の量は、約30%までなることができ、たとえば、約40%まで、約50%まで、そして約55%までになり得ると、また,予想される。したがって、本発明により着色された組成物は、約10〜30重量%の範囲内の量のロジン化合物を好都合なことに含む可能性があり、ラッカー組成物は、約60重量%までのロジン化合物を含む可能性がある。
【0137】
樹脂
ロジン化合物に代わるものとして、以下に記載された樹脂などの好適な樹脂化合物のいずれかを採用することができる。
【0138】
たいていの植物によって生成される樹脂は、粘性液体であり、主に揮発性流動テルペンから一般的になり、樹脂が粘稠性および粘着性を有するようにする、より少ない量の溶解した非揮発性固体成分を有する。樹脂中の一般的なテルペンのほとんどは、二環式テルペンα−ピネン、β−ピネン、δ−3カレンおよびサビネン、単環式テルペンリモネンおよびテルピノレン、ならびに、より少ない量の三環式セスキテルペンロンギホレン、カリオフィレンおよびδ−カジネンである。また、樹脂のいくつかは、樹脂酸を高い割合で含む。
樹脂のそれぞれの成分を分別蒸留で分離することができる。
【0139】
異なる組成物を有する樹脂を作り出す植物は少なく、ジェフリー松(Jeffrey Pine)およびグレイ松(Gray Pine)がもっとも有名であり、その揮発性成分の大部分は純粋なn−ペプタンであり、テルペンはわずかであるか、または入っていない。ジェフリー松の樹脂から蒸留された特別に純粋なn−ヘプタンは、ヘプタンの他の異性体が混ざっておらず、ガソリンの品質のオクタン価スケールでのゼロ点を規定するものとして使用されるようになった。ヘプタンは非常に燃えやすいので、それを含有している樹脂の蒸留は非常に危険である。似てはいるがテルペンを作り出すポンデローサ松(Ponderosa Pine)とジェフリー松を間違えたため、カルフォルニアでは、爆発した樹脂蒸留所がいくつかある。
【0140】
柔らかい場合、いくつかの樹脂はオレオレジンとして知られており、安息香酸またはケイ皮酸を含む場合、それらはバルサムと呼ばれる。自然の状態では、他の樹脂生成物はゴムまたは粘性物質との混合物であり、ゴム樹脂として知られている。多くの化合物樹脂は、精油とそれらとの混合剤と異なった特徴的なにおいを有する。
【0141】
ある樹脂は化石化された状態で得られ、コハクがこの種類でもっとも有名な例であり、また、アフリカンコパールおよびニュージーランドのカウリガムは半化石化された状態で得られる。
【0142】
蒸留により揮発性テルペン成分が除去され、固体化された樹脂はロジンとして知られている。典型的なロジンは透明または半透明な固まりであり、ガラス状の割れ目およびわずかな黄色または茶色を有しており、無臭またはテレペンチンのほんのかすかなにおいおよび味がする。
【0143】
1)それは、水には溶けず、アルコール、精油、エーテルおよび熱い脂肪油にはたいてい溶ける。2)熱の影響下での軟化および融解により、昇華は不可能であり、明るいが煙が多い炎を伴って燃える。
【0144】
これは、樹脂酸と命名されている有機酸を含む異なった物質の複合混合物を含む。これらは、テルペンと近い関係にあり、部分的な酸化を通してテレペンから誘導される。樹脂酸はアルカリに溶けて樹脂石けんを形成することができ、酸を使用して処理することによって精製された樹脂酸がその樹脂石けんから再生される。樹脂酸の例は、アビエチン酸(シルビン酸)、C20302、シーダーに含まれるプリカト酸、およびピマル酸、C20352、ガリポ(gallipot)樹脂の抗生物質である。また、熱アルコールの方法でアビエチン酸をロジンから抽出することができる。それは小葉の中で結晶化し、酸化でトリメリット酸、イソフタル酸およびテレビン酸を生じさせる。ピマル酸は、アビエチン酸によく似ており、真空中で蒸留されたときアビエチン酸から取り出される。それは3種類の異性体からなると考えられている。
【0145】
合成樹脂は天然の樹脂と同じ性質−を有する材料−固化させることができる粘性のある液体である。それらは、有機化合物のエステル化またはソーピング(soaping)によって一般に製造される。典型的な種類は、重合−重付加または重縮合反応を通して製造され、接着剤および複合材料用の熱硬化ポリマーとして使用されるエポキシ樹脂である。使用されている樹脂の75%を構成する1種以上のカテゴリーは不飽和ポリエステル樹脂である。イオン交換樹脂は、水の浄化および有機反応の触媒の用途を有する別の重要な種類である。樹脂の他の例には、AT−10レジンおよびメラミン樹脂がある。
【0146】
忌避物質
また、抗微生物種およびそれらの固定化手段を含み、上述したようなロジンを含む防汚種を作り出すことができる少なくとも1種の酵素に加えて、本発明のコーティング組成物は、汚損、特にマクロファウリング(macrofouling)に有益な追加の物質を含むことができる。そのような物質のグループの1つは、マクロファウリング生物体の忌避物質と呼ばれている。忌避物質は、微生物体を引きつけるよりはむしろ寄せつけない生物学的活性化合物のグループに属する。
【0147】
本発明による忌避物質は、マクロファウリング生物体の捕食者(または他の非適合性生物体)によって形成される有害な材料に一般に関連する分子を含む。その材料の例は、一般にヒトデによって排出され、それにより、イタヤガイのような被食生物体はすぐにその材料に反応し、そこから逃げようとする。本明細書に記載されているように表面に付着されている場合、忌避物質は自由に拡散しないが、生物体が保護されている表面に接触した場合、反応して逃避反応を引き出すであろう。これの例は、精製化学忌避物質または活性化学忌避物質を含む混合懸濁液であり、サンゴまたは藻類の調整品を粉砕し部分的に分別することによって得られるであろう。選択する忌避物質は、表面の汚損を避けるためにサンゴ、海藻および他の水生生物体によって使用されるそれらの天然生成物である。
【0148】
表面活性剤
また、忌避物質として作用できる天然生成物に加えて、表面活性剤を付着させることによって表面を保護することができる。忌避物質のいくつかは表面活性剤であり、逆も同様である。しかし、表面活性剤は、その語のあらゆる意味で忌避物質として一般にみなされないので、それらは、本発明の酵素および/または忌避物質と組み合わせて有益な効果を有する、別個の種類の生理活性剤とみなされる。
【0149】
表面活性剤は、本発明のコーティング組成物の上または内部に固定化された場合でさえ、生物体が表面に付着するのを抑制する効果を有することができる。固定化表面活性剤の具体例は、それぞれ、第4級アンモニウム、ジパルミトイルフォスファチジルコリン、アラルキルスルホン酸塩およびスクロースエステルなどのカチオン性、アニオン性および非イオン性表面活性剤である。他の例は、Kirk- Othmer Encyclopedia of Chemical Technology Vol.22, p332-432, John Wiley & Sons, New York,1983に説明されている。
【0150】
タンニン酸
本発明によるコーティング組成物に組み込むことができる化合物のさらに別の例は、タンニン酸であり、タンニンの代表的な化合物は、海洋性褐藻類のある生物種(たとえば、サーガサン(Sargassum))によって分泌される化合物の仲間であり、それは葉の表面の細菌のコロニー形成を抑えるように見える(SieburthとConover(1965)Nature 205 52)。これは、非毒性防汚コーティングとして有用であり、肉眼的生物もしくは微生物の付着に必要な酵素反応を妨害するように作用する化合物の種類の典型例である。このカテゴリーの中の候補化合物には、コウジ酸および同様のポリフェノール酸化酵素抑制物質がある。これらの抑制物質は、接合剤形成材料の架橋を妨害するであろう。等価ののものは、グルコシルトランスフェラーゼ抑制物質であり、それは、接着に使用される多糖類接着剤の形成を妨げ、ムステェイン(mutastein)、リボシトリン(ribocitrin)、1−デオキシノジリマイシン(deoxynojirimycin)、アカルボース(acarbose)、およびN−メチルデオキシノジリマイシン(methyldeoxynojirimycin)がこれらの典型例であろう。
【0151】
内包機能
一つの好ましい態様では、1種または2種以上の生理活性剤は、エーロゲルの中に内包され、1種または2種以上の生理活性剤を安定化させる。
【0152】
一つの好ましい態様では、1種または2種以上の生理活性剤は、エーロゲルの中に内包され、1種または2種以上の生理活性剤の活性が保持され、または改善される。
【0153】
一つの好ましい態様では、1種または2種以上の生理活性剤は、エーロゲルの中に内包され、1種または2種以上の生理活性剤の熱安定性が保持され、または改善される。
【0154】
エーロゲルの分解
エーロゲルは、時間がたつと分解する。エーロゲルは、自己研磨効果を含む。内包された1種または2種以上の生理活性剤は、時間がたつと表面にさらされるであろう。一態様では、内包された1種または2種以上の生理活性剤は、制御された放出で1種または2種以上のエーロゲルから放出されるであろう。
【0155】
一態様では、コーティング組成物の加水分解可能部分の加水分解が自己研磨効果を作り出す。水中に入れられると、加水分解可能部分は、コーティング組成物と水相との間の界面でゆっくりと加水分解する。十分な親水性基が形成された場合、コーティング組成物は水溶性になり、溶けて「自己研磨」効果が生じる。
【0156】
一つの好ましい態様では、自己研磨効果は、真性自己研磨効果を含む。別の態様では、自己研磨効果は、単純自己研磨効果を含む。
【0157】
内包された1種または2種以上の生理活性剤のリーチングは、ゆっくりであるか、もしくは、エーロゲルが水もしくは別の液体に数時間にわたってさらされている場合、起こらない。リーチングは、内包された全タンパク質を基準に計算すると37℃で1時間あたり0〜2%であろう。
【0158】
内包された1種または2種以上の生理活性剤のエーロゲルからのリーチングは、エーロゲル組成物の変更および/またはアニールにより変わる。
【0159】
汚損防止のためのエーロゲルの使用
一態様では、汚損生物体は、細菌、原生動物、菌類、藻類および無脊椎動物からなる群から選択される水生生物体を含む。一つの好ましい態様では、水生生物体は、フジツボおよびゴカイから選択される。別の態様では、水生生物体は、バラヌスガリタス(Balanus galeatus)、タテジマフジツボ、エルミニアスモデスタス(Elminius modestus)、ヨーロッパフジツボおよびバラヌスバラノイデス(Balanus balanoides)を含むバルナクルス(barnacles)亜綱である。
【0160】
一つの好ましい態様では、内包された1種または2種以上の生理活性剤を含むエーロゲルは、防汚効果および/または表在底生生物防止効果を有する。防汚は、バイオファウリングの蓄積を除去もしくは妨げるプロセスである。
【0161】
バイオファウリングもしくは生物学上の汚損は、船体のような水面下構造物などの表面上における微生物、植物、藻類および動物の望ましくない蓄積である。また、バイオファウリングは、生きている海洋生物の表面上でも発生し、それは、表在底生生物として知られている。また、バイオファウリングは、膜型バイオリアクターおよびらせん巻逆浸透膜などの膜システムでも見つかる。同じように、それは、大型産業設備および発電所の冷却水循環でも汚損として見つかる。
【0162】
バイオファウリングをミクロファウリング(microfouling)−バイオフィルム形成および細菌付着−、ならびにマクロファウリング−より大きな生物体の付着に分けられ、その主な原因は、フジツボ、ゴカイ、多毛類虫、コケムシ類、および海藻である。これらの生物体は、一緒になって汚損群集を形成する。
【0163】
それぞれは小さい、蓄積されたバイオファウリング物質は、莫大な量を形成することができ、それは、船舶の操縦性および運搬能力を著しく減少させる。汚損により、海洋養殖、海運業、海軍の船舶、および海水パイプラインの整備の際の物資および経済的コストが莫大になる。
【0164】
バイオファウリングは、水に沈んだ表面のいずれか、たとえば、船舶に発生し得る。バイオファウリングにさらされ得る表面の他の例は、養殖における、いずれかの装置、膜、網、測定装置もしくは他の設備である。
【0165】
また、バイオファウリングは、地下水の井戸でも起こり得る。そこでは、付着が採取流量を制限する。そして、バイオファウリングは、大洋に敷設されているパイプの外面および内面にも起こり得る。後者の場合、それがパイプを通る海水の流れを遅くすることが現れ、チューブクリーニングプロセスでそれを除去しなくてはならない。
【0166】
一つの好ましい態様では、防汚組成物を塗布するための表面は、少なくとも時折、水に浸される表面であり、ここで、前記水には、淡水、海水、または汽水がある。小型の船および大型の船を含む船舶、船体、沖合の設備、パイプ、橋の基礎構造、桟橋、および養魚用の網を含む水産養殖の器具からなる群から表面は選択され得る。
【0167】
別の好ましい態様では、内包される1種または2種以上の生理活性剤を含むエーロゲルは抗細菌効果を有する。一つの好ましい態様では、抗細菌効果を有するエーロゲルは、乳製品産業などの食料製品で採用され得る。別の態様では、抗細菌効果を有するエーロゲルは、手術室などの病院で使用され得る。
【0168】
コーティング組成物の抗微生物効果
本発明のコーティング組成物は、微生物の成長の形態での汚損、および/または組成物でコーティングされた対象物でのバイオ−フィルムの形成を減少および/または除去することができる。その微生物体は、たとえば、細菌、ウィルス、真菌細胞および粘菌であり得る。水中の環境に関して、その微生物体は海洋生物である。
【0169】
コーティング組成物の少なくとも1種の酵素を選択するとき、他の物事の中で保護される表面のタイプ、表面が見いだされる環境、および保護が要求される対象物の生物体を考慮しなければならない。
【0170】
固定されるべき酵素の選択の基礎となる一般原理は、特定のタイプの酵素の存在量は、酵素によって作り出された抗微生物種を含む防汚種が防汚効果を有する標的生物体との表面接触の十分に可能な頻度に比例すべきであるということである。
【0171】
海洋防汚効果
例として、海洋環境の中の生息生物体に対する短期間の保護は、海洋性藻類および細菌の生息および成長によって堆積されたフィルムの形成を阻止する点を重点的に取り扱うことができる。この場合、表面に組み込まれる生物に作用する材料は、殺菌剤と殺藻類剤とを等しく散布することができる。
【0172】
したがって、本発明による組成物の抗微生物効果は、他の中で以下のグループの微生物体:細菌、真菌、藻類、原生動物、海綿動物、腔腸動物、扁形動物、紐形動物、輪虫類、コケムシ、腕足動物、環形動物、節足動物、軟体動物、棘皮動物および脊索動物、に向けられる。
【0173】
一つの興味深いケースは、水中の環境でビブリオ種の成長および/または表面への付着を妨げる点である。ビブリオ種は、合成した細胞外の多糖類(スライム(slime))によって、一緒になって密集することが多い。もっともよく知られたビブリオ種は、コレラ、消化器官の中での細菌の成長によって生み出された毒から生ずる激しい下痢の病気の原因となるコレラ菌である。したがって、一つの好ましい態様では、本発明は、また、コレラ菌が存在する環境の中でコレラの発生の恐れを防止および/または減少させることに関する。本方法は、少なくとも一種の酸化酵素と、コレラ菌を含むビブリオ種によって分泌された多糖類を分解することができる多糖類分解酵素とを含む、本発明による組成物で、パイプ、フィルター、タンクなどをコーティングする工程を含む。
【0174】
たとえば、水の環境の中のフジツボのみを除去することができる抗微生物種を含む防汚種の改良により、汚損問題の部分のみが解決されるであろう。汚損群集の一時的な成長についての研究で、たいてい細菌が、水中に沈んでいる表面にコロニーを形成する最初の生物体であることが明らかにされている。付着した細菌は、次の細胞外のポリマー接着剤を作り出し、結局、基底の表面が細胞外のマトリックスの中に付着している細菌(ひとまとめにして細菌フィルムと呼ばれる)でコーティングされるようになる。
【0175】
海洋性無脊椎動物の幼生により続いて起こる他の微生物によるコロニー形成の速度は、細菌フィルムの最初の形成に依存することが多い。したがって、細菌フィルム形成のプロセスを減少および/または除去させることができるコーティング組成物の改良により、重要な防汚効果を有することが期待されている。
【0176】
少ない数のタンパク質および炭水化物は、微生物体の広い範囲の細胞壁の重要な構造成分を構成する。コラーゲン、セルロース、およびキチン質は、3種の豊富にある構造ポリマーである。たとえば、キチン質は、無関節腕足類の貝殻母材、外肛動物(たとえば、コケムシ)の外骨格、カイメンの芽球(カイメンのライフサイクルの分散段階)の殻、ヒドロ虫の刺胞動物の囲皮(外皮の外側の層)、真菌の細胞壁、および節足動物の表皮の重要な成分である。追加の関連の多糖類は、マンナン、ガラクトマンナン、アルギン酸塩、ラミナラン、カラゲナン(carregeenan)(イオタおよびカッパ)およびかんてんである。
【0177】
したがって、コラーゲンおよび/またはセルロースおよび/またはキチン質を含む上記のポリマーの1種または2種以上のいずれかを分解することができるいずれかの酵素を、任意選択的に上記酵素に係る基質なしで、好ましくは、酸化酵素と組み合わせて、前記酸化酵素に係る基質なしで、本発明のコーティング組成物の中に含めることができる。
【0178】
ほとんどの汚損生物体の外皮は、永久的な変態後の付着および接着の主な器官である。したがって、細胞壁もしくは外皮の重要な生化学的な成分の合成の妨害、またはそのような構造成分の分解のいずれか、または接着に含まれる酵素プロセスの妨害は、強い防汚作用を発揮するだろう。
【0179】
細菌および藻類のフィルム生成は、ほとんどのマクロファウリングにとって欠くことのできないことであり得るので、この用語は、単細胞生物体よりも大きな生物体の水中の表面への付着を指す。ミクロファウリングが起こらないので、これは、きっと、含む必要があるかもしれないマクロファウリング生物体の付着プロセスを崩壊させることができる酵素または他の化学防汚剤が少ししかない、または、ないケースであろう。
【0180】
しかし、フジツボ幼生が多量に生息している範囲では、特に、フジツボ幼生の生息を妨害する酵素はより重要であり、表面に、より好ましくはより広い部分に組み込まれるべきである。
【0181】
一態様では、本発明によるコーティング組成物によって、対象物の表面に位置する、本質的に1種または2種以上の酵素の単層が形成される。たとえば、表面上に、近接する分子の中心間でおよそ40オングストロームの距離の間隔があけられた場合、およそ50,000ダルトンの分子量を有する酵素は、単層を提供するだろう。この間隔は、およそ20オングストロームのストークス半径であると想定される。しかし、完全な単層が存在することが必須ではない。より長い距離を超える生物活性化合物の間隔で、望ましい活性を維持することができる。生物学的活性化学物質が最初の接触のそれぞれのポイントで汚損生物体の反応に有効であることを確実にするために、1,000オングストローム以下、より好ましくは100オングストローム以下のの間隔が好ましい。
【0182】
海水、河口域および無塩水環境を含む水中環境と同様に、非水中を含め、全てのタイプの環境で、本発明のコーティング組成物を使用することができる。また、自然環境(すなわち、人間の介入なしで生物圏の他の部分と自由に接触し、材料を自由に交換するもの)に加えて、本明細書で使用されたように、用語「水中の環境」には、冷却塔、無塩水および塩水の配管システム、保護を受ける膜「表面」を含む真水化および他の濾過システム、ならびに他の水中の環境があり、それらは創作および整備を人類の介入に頼る。
【0183】
本明細書で使用されているように、用語「自然環境」には、沼、湖、浚渫された河床および港、ならびに他の広い水域がある。それは、人類の活動によって最初は作り出されたが、しかし、その環境への、およびその環境からの水の供給は人間の介入に頼らない。
【0184】
フジツボおよび藻類などの汚損生物体の多くは一般公衆によく知られているが、当業者は、本明細書で使用されているように、用語、汚損生物体は、水中の環境で表面に付着することができ、生きている生物体のいずれかを指すことを認めるであろう。
【0185】
藻類のグループは、非常に多様であり、おそらく相互に関連しない。藻類の6つの門があり、いくつかは単細胞のものであり、いくつかは多細胞のものである。分類学の体系のいくつかでは、後の3つの門は、栄養法のモードに関係なく全ての真核生物、単細胞の生物体を含む原生生物界に含まれる。
【0186】
たとえば、以下に関連して、藻類を特徴付けることができる。
1.光合成色素。いくつかの色素は、クロロフィルをマスクし、褐藻類門の一般名をその名称に与えている。その補助色素は、PSII反応中心に関与している。
2.養分貯蔵化学は重要な識別特徴である。ほとんどの植物がそうしているように、デンプンの形態でエネルギーを蓄えている生物は全くいない。様々な門に関して独自の貯蔵化学が存在する。
3.べん毛構造は、べん毛がある細胞を有するそれらの門に関して有効な識別特徴である。べん毛の数、べん毛の形態およびその定位は、門を特徴付ける。
4.細胞壁化学は別の識別特徴である。
5.時々、門の構成員の生息場所も重要であり得る。
【0187】
紅藻植物門が紅色植物である。
1.色素−フィコビリン、フィコエリトリンおよびフィコシアニンは、全ての藻類および緑色植物に共通でありクロロフィルを通常マスクする色素である。
2.養分貯蔵材料−フロリディアンスターチは多糖類材料である。
3.細胞壁材料−紅色植物は、かんてんなどのねばねばするマトリックスの中に埋め込まれている多糖類材料(セルロースもしくは他のなんらかのもの)のマクロフィブリル網様構造を有しいる。いくつかの海に住む型は、壁の中でCaCO3を作り出すことができ、堅い構造を与える。
4.べん毛のタイプおよび数−紅色植物は、自動性の細胞を決して作り出さない。それらは自動性細胞を作り出さないのみならず、自動性細胞を決して有さないように見える。
5.生息場所−紅色植物はたいてい海洋生物であるが、淡水タイプが少し存在する。
6.紅色植物のライフサイクルは、胞子体および配偶体に加えて第3世代が存在することによって複雑である。
【0188】
ファエオフィタ(Phaeophyta)は褐藻類である。このグループは、海藻および岩藻を含む。
1.色素−褐藻類は、補助色素としてフコキサンチンを有し、クロロフィルaおよびcをマスクし、茶色がかった色を与える。
2.養分貯蔵材料−ラミナリンは、褐藻類独自の多糖類養分貯蔵材料である。
3.細胞壁材料は、ケルプから取り入れるアルギンと呼ばれる粘質材料を含む。
4.べん毛のタイプおよび数−褐藻類は、不等毛藻のべん毛がある細胞を有する。一方は前方に方向付けられた羽型べん毛であり、他方のべん毛は後方に方向付けられた尾型である。
5.生息場所−褐藻類は全て海洋生物である。
6.個々のライフサイクルのタイプは、褐藻類によって例示されている。
・シオミドロは、同形世代交代を有する線状藻類である。
・ラミナリアは、異形世代交代を有するケルプである。配偶体は、微視的であり、胞子体は巨視的である。
・ヒバマタは、配偶子減数分裂を有するロックウィード(rockweed)である。この生物体の世代交代はない。配偶子嚢、造精器および卵祖細胞は、生殖器巣の中で作り出される。生殖器巣の多くは、二又に枝分かれした葉状体の端の生殖器床にある。減数分裂は配偶子の生成で起こる。
【0189】
緑藻植物門は緑色藻類である。色合い、細胞分裂および養分貯蔵材料の点が似ているので、陸上植物は、緑藻植物門から由来したと考えられている。
1.色素−クロロフィルbが補助色素である。
2.養分貯蔵材料はデンプンである。
3.細胞壁材料−主としてセルロースであるが、いくつかの海に住む型はCaCO3を加えることができる。
4.緑藻植物門のべん毛のタイプおよび数は、羽型を有する等長毛べん毛である。
5.緑藻植物門の生息場所は淡水および海である。
6.緑藻植物門の生物分類は、細胞分裂の方法、べん毛の着生および細胞の内部構造に基づいて3つの綱に分けられる。
・細胞分裂の方法は隔膜形成体またはファイフィコプラストに関連する。
・べん毛の着生は頂端または頂端近くである。
・細胞の内部構造は、べん毛機構の近くで見つかる微細管システムの所有に関連する。また、ペルオキシソームの所有は光呼吸に関連する。
7.緑藻植物門の綱
・車軸藻類は陸上植物にもっとも似ているグループである。それらは、隔膜形成体の形成によって有糸分裂を行い、陸上植物に特有の微小管システムを有し、頂端近くにまれている組み込まれているべん毛を有する。このグループの生物体の例は、スパイロジャイラ(Spyrogyra)、チリモ類および緑藻類コレオカエテである。
・アオサ藻綱は、大部分は、世代交代を有する海洋生物である。アオサのライフサイクルは、胞子減数分裂を有する同形世代交代を有する。細胞分裂が起こっているとき、これらの生物体はフィコプラストを作り出し、分裂の間、核エンペロープが持続する。
・細胞分裂が起こっているとき、緑藻類は、フィコプラストを作り出し、分裂の間、核エンペロープは持続する。クラミドモナス(Chlamydamonas)のように接合子減数分裂を有する形態がたくさんある。
【0190】
黄金色植物門は単細胞の藻類である。
1.黄金色植物門の特徴は、褐藻類と同様な特徴である。
黄金色植物門の3つの綱がある。
・色素はクロロフィルaおよびクロロフィルcを含む。
それらは、多量の茶色がかった色素、フコキサンチンによって通常マスクされる。
・黄金色植物門の中の養分貯蔵は、クリソラミナラン(chrysolaminarin)−炭水化物と呼ばれている。
・黄金色植物の細胞は細胞壁がなくてもよく、またはセルロースの細胞壁を有してもよい。いくつかの構成員はシリカのうろこまたは殻を有する。
2.黄金色植物門の綱
・黄金色植物は、主に淡水のプランクトン生物体である。それらは、明確に定義された細胞壁を欠くが、シリカのうろこを有する。これらの生物体のほとんどがべん毛を有する。
・珪藻綱は珪藻である。これらは、淡水および海の環境における重要な植物プランクトン生物体である。それらは、複雑な模様を有するシリカ細胞壁の存在によって特徴付けられる。それらはクロロフィルaおよびcならびに、茶色がかった色を与えるフコキサンチンを有する。それらが有性生殖を行うとき、べん毛がある細胞、オス精細胞のみが現れる。それは2つのべん毛を有し、ひとつは尾型であり、1つは羽型である。
・黄緑藻綱は黄色および緑色の藻類である。なぜならば、それらはフコキサンチンを欠いており、緑色がかった色を示すからである。実験室で見られるフシナシミドロはこの綱に属する。
【0191】
炎色藻植物は、淡水および海を生息場所にする重要な植物プランクトン生物体である。
1.炎色藻植物の特徴
・渦べん毛藻類は、クロロフィルaおよびcならびにペリジニンと呼ばれる茶色がかった色素を含む。
・炎色藻植物の養分貯蔵材料はデンプンである。
・それらを有するそれらの細胞壁は、セルロースの板の形態であり、それゆえ、甲冑渦べん毛藻類の名前がその門のいくらかの構成員に与えられる。
・炎色藻植物は2つのべん毛を有する。ひとつのべん毛は、ベルトに似ている細胞を取り囲む。他のべん毛は、細胞の後ろで引きずっている。
2.渦べん毛藻類の特徴
・これらの生物体のいくつかは、有害な赤潮の原因である。
・これらの生物体のいくつかは、生物発光が可能である。
【0192】
ユーグレナべん毛虫は、細胞壁を欠く単細胞の藻類である。
1.ユーグレナべん毛虫の特徴
・ミドリムシ様べん毛虫類は、クロロフィルaおよびbならびにカロチノイドを有する。それらは、緑色藻類と同じ若草色を有する。
・ミドリムシ様べん毛虫類の養分貯蔵材料は、パラミロン、多糖類材料である。
・ユーグレナべん毛虫は細胞壁を欠いている。その代わり、それらは、ペリクルと呼ばれるタンパク質のコーティングを有する。それらは、細胞壁を欠いているので、形状を変えることができる。
・ミドリムシ様べん毛虫類は2つのべん毛を有するが、ひとつのべん毛のみが細胞の頂端の食道から現れている。他の短いべん毛は、基本的に遊泳の補助として機能しない。
【0193】
上述の藻類の全てまたはいくつかによるミクロファウリングの防止および/または除去または少なくとも実質的削減は、本発明の範囲内である。
【0194】
細菌および藻類などの単細胞の生物体の水に沈んでいる表面への付着を表すために用語、ミクロファウリングは使用される。いくつかのケースでは、これらのミクロファウリング生物体は、さらなる生物体を表面に引き寄せる化学的信号を分泌することができ、それにより汚損の速度が増加する。フジツボなどのマクロファウリング物質は、最初のミクロファウリング層が形成された後、表面へ付着するようになる。
【0195】
マクロファウリングの前にミクロファウリングは発生するかもしれないので、微生物体の水中の表面への付着を妨げるプロセスのいずれかは、起こる汚損の全体量を減少させるであろう。したがって、フジツボの付着を防止することができる活性成分は汚損鎖の末端に作用し、一方、細菌などの単細胞の生物体の付着を防止するように作用する活性種は汚損鎖の発端に作用する。したがって、ミクロファウリングを防止する化学種は、全てのタイプの汚損の定着に対していくらかの抑制効果を有してもよい。そのような特に好ましい、抗微生物種を含む防汚種のひとつは、酸化酵素によって作り出された過酸化水素などの過酸化物である。
【0196】
本明細書に記載されているように本発明の方法によって制御することができる追加の防汚生物体には、以下のものなどがあるが、甲殻類および他の海洋性成長物に限定されない。
【0197】
チューブワーム(Tube Worms):多毛類;門 環形動物;亜綱 オニオソメ;科 カンザシゴカイ
【0198】
ゴカイ:二枚貝類;門 軟体動物;亜綱 翼形亜綱;科 イガイ
【0199】
二枚貝:二枚貝類;門 軟体動物;亜綱 異歯亜綱;科 マルスダレガイ
【0200】
コケムシ類:コケムシ類;門 コケムシ動物;亜目 フサコケムシ(無嚢)およびヒラコケムシ(有嚢);属 ヒラコケムシ
【0201】
フジツボ:甲殻類;門 節足動物;亜門 甲殻
【0202】
しかし、本明細書の上述から明らかなように、本発明は、また、たとえば、船体の形状の能力を妨げ、海洋構造の基体に損傷を与え、設備の見込みのある寿命を一般に短くし、そして活動の費用を増大させることができる穏やかな成長に対して有用性を有する。穏やかな成長形態の例には以下のものがある。
【0203】
藻類(植物):ウミウチワおよびミル
【0204】
コケムシ類(動物):フサコケムシ(Bugula Neretina)
【0205】
ヒドロ虫(動物):オベリア
【0206】
ケヤリ目(動物):
【0207】
デラヤマリナ(Delaya Marina)(海洋性細菌):ジブリア(Zibria)
【0208】
また、本発明による組成物、コーティングおよび/または塗料は、表面フィルムに直接攻撃することによって機能することができ、たとえば、フィルムのタンパク質および多糖類の加水分解を通して崩壊させる。これは、たとえば、船舶の船体での大量の海洋生物(細菌、真菌、フジツボなどを含む)の蓄積へと最後に導く連鎖を妨げるであろう。
【0209】
表面フィルムを構成する多糖類およびタンパク質を崩壊させる細胞外酵素を使用することによって、上記の攻撃を成し遂げることができる。この点において、キーとなる加水分解酵素は、プロテアーゼ、α−アミラーゼ、アミログリコシダーゼおよびキシラナーゼである。
【0210】
また、コーティングおよび/または塗料が塗布されている船舶の表面の表面張力を変えることによってコーティングおよび/または塗料は機能することができる。表面張力のそのような変化は、望ましくない海洋生物による表面のコロニー形成を崩壊させることができる。
【0211】
これらには限定されないが、小型の船の船体、海洋標識、隔壁、杭、水入口、床、屋根および屋根板を含む様々な表面で、本明細書に開示された方法および組成物を使用することができる。たとえば、海洋標識の汚損を最小にするために、本方法および組成物を使用することができる。上記標識は、浮いている対象物の多くのカテゴリーを構成し、海洋生成物の蓄積により非常に害される。
【0212】
同様に、本方法および組成物を海洋隔壁に使用することができる。隔壁構造での海洋生成物の蓄積は、長い期間にわたって隔壁構造に有害である。さらに、成長物は、審美的に不愉快および危険な著しく短い期間の効果を起こす。さらに、硬い成長物のざらざらした粗い特性の結果、船は大きなダメージを受ける可能性がある。
【0213】
同様に、熱交換器、蒸発器、凝縮器および火炎およびフラッシングシステムの海洋生成物による汚損による妨害を最小にするために本発明を使用することができ、したがって、これにより、全てのカテゴリーの海洋構造ための整備コストが著しく減少する。
【0214】
本発明による組成物および/または塗料は、様々な加水分解酵素を含むことができる。しかし、そのような加水分解酵素なしで本発明を実施することができる。好適な酵素の例には、たとえば、アルカラーゼなどのズブチリシンを含むプロテアーゼ、アミラーゼ、アミログリコシダーゼ、キシラナーゼおよび先行技術で知られている他の加水分解酵素がある。選択された加水分解酵素は、不必要なまたは望ましくない海洋生物による付着を妨げるもしくは減少させるように作用すべきである。選択された加水分解酵素は、さらされることになる海洋環境で残存および活性化できるようにすべきである。
【0215】
本発明による組成物および/または塗料は、不必要な、または望ましくない微生物の成長を減少させるのに有効な量の上記の酵素を含む。そのような組成物および/または塗料は、当業者に知られている他の形態に加えて、塗料、ラッカー、ペースト、積層物、エポキシ、樹脂、ワックス、ゲルおよびにかわを含む様々な形態であり得る。
【0216】
本組成物および/または塗料は、ポリマー、オリゴマー、モノマーでもよく、必要に応じて架橋剤または硬化促進剤を含んでもよい。上記組成物および/または塗料は、当業者に知られている目的を達成するために上記のものに加えて他の添加剤を含んでもよい。上記の他の添加剤には、防腐剤、色素、染料、フィラー、表面活性剤、および当業者に知られている他の添加剤がある。
【0217】
選択された防汚種
過酸化物は、本発明による抗微生物種を含む防汚種の非常に好ましいグループの一つを一般に構成する。過酸化水素は、抗微生物種を含む現在のところもっとも好ましい防汚種の例である。
【0218】
過酸化水素を生成することができる酵素−化合物の組み合わせのいずれかを使用することができ、酵素が酸化酵素であり、前記酸化酵素で化合物を酸化することができるところの組み合わせを含む。
【0219】
前記酸化酵素とそれにより酸化されるべき前記化合物との組み合わせには、リンゴ酸酸化酵素−リンゴ酸、グルコース酸化酵素−グルコース、ヘキソース酸化酵素−グルコース、コレステロール酸化酵素−コレステロール、アリールアルコール酸化酵素−アリールアルコール、ガラクトース酸化酵素−ガラクトース、アルコール酸化酵素−アルコール、ラソステロール酸化酵素−ラソステロール、アスパラギン酸酸化酵素−アスパラギン酸、L−アミノ酸酸化酵素−L−アミノ酸、D−アミノ酸酸化酵素−D−アミノ酸、アミン酸化酵素−アミン、D−グルタミン酸酸化酵素−グルタミン、エタノールアミン酸化酵素−エタノールアミン、NADH酸化酵素−NADH、尿酸酸化酵素(ウリカーゼ)−尿酸、スーパーオキシドジスムターゼ−スーパーオキシドラジカルなどのような組み合わせ(酵素−基質)がある。
【0220】
前記酸化酵素と化合物との間の酵素反応は過酸化水素を生ずる。本発明によるコーティング組成物と接触する外部環境に酸素または酸素および水のどちらかが存在する場合、酵素反応は進行することができる。
【0221】
たとえば、溶解した酸素を含む海水だけでなく、大気中の空気のみからも上記酸素は供給される。本発明の酵素反応は海水を含む外部環境で発生し、その結果、過酸化水素が前記環境で生成する。
【0222】
抗微生物活性を有する追加の好ましい化学種には、カルボキシル基含有化学種、水酸基含有化学種、アミノ基含有化学種、アルデヒド基含有化学種、およびキトサン分解生成物があるが、これらに限定されない。
【0223】
カルボキシル基含有化学種には、様々な有機酸化学種がある。たとえば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モノクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ソルビン酸、ウンデシレン酸などの脂肪族酸、シュウ酸などの二塩基酸、安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、ケイ皮酸などの芳香族カルボン酸およびそれらの誘導体およびハロゲン化物がある。カルボキシル基含有化学種を生成することができる酵素-化合物の組み合わせのいずれかを適用し得る。
【0224】
上記のエステル結合含有化学種は、本質的に特に限定されないが、他の中に、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、カプロイルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコールを有する前記カルボキシル基含有化学種のいずれかのエステル、フェノール、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコールを有する前記カルボキシル基含有化学種のいずれかのエステル、エチレングリコール、グリセロールなどの多価アルコールを有する前記カルボキシル基含有化学種のいずれかのエステル、前記脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは多価アルコールの誘導体またはハロゲン化物を有するカルボキシル基含有化学種のいずれかのエステルを含む。
【0225】
上記のエステル結合含有化学種は、前記カルボン酸基含有化学種を作り出すための上記コーティング組成物の中で、前記エステラーゼによって加水分解される。反応システムに水が存在する場合、この酵素反応は以下にしたがって進むことができる。
【0226】
1COOR1 + H2O => R1COOH + R1OH
【0227】
上記の反応図でR1はカルボン酸残基を表し、R2はアルコール残基を表す。
【0228】
上記コーティング組成物を対象物に塗布した場合、たとえば、大気からの水分が反応に供給され、その結果、抗微生物種を含む防汚種が作り出され、抗微生物効果が達成される。コーティング組成物が、水の環境の中に、たとえば、海水などの水の中に置かれるべき対象物に塗布された場合、結果として抗微生物種を含む防汚種を生成する反応が起こる。
【0229】
上記アミド結合含有化学種には、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族アミンを有する前記カルボキシル基含有化学種のいずれかのアミド、ならびにアニリン、トルイジン、キシリジンなどの芳香族アミンおよびヘキシルアニリン、オクチルアニリン、ノニルアニリン、ドデシルアニリンなどのアルキルアニリンを有する前記カルボキシル基含有化学種のいずれかのアミドなどがあるが、これらに限定されない。
【0230】
上記水酸基含有化学種には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、ヘキシルアルコールなどの脂肪族アルコール、フェノール、シクロフェノールなどの芳香族アルコール、およびクレゾール、キシレノールなど、レゾルシノール、ベンジルアルコールなどのアルキルフェノール、ならびに前記脂肪族もしくは芳香族アルコールの誘導体およびハロゲン化物があるが、これらに限定されない。
【0231】
水酸基含有化学種を作り出すことができる酵素−化合物の組み合わせのいずれかを適用できる。一態様では、その酵素はエステラーゼであり、その化合物は、エステル結合含有化学種である。そのエステラーゼおよびエステル結合含有化学種は、本明細書で前に記述された化学種を含むが、これらの化学種に限定されない。
【0232】
上記アミノ基含有化学種には、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミンなどの脂肪族アミン、およびアニリン、トルイジン、キシリジン、p−n−ヘキシルアニリン、p−n−オクチルアニリン、p−ノニルアニリン、p−ドデシルアニリンなどの芳香族アミンなどがあるが、これらに限定されない。
【0233】
前記アミノ基含有化学種を作り出すことができる酵素−化合物の組み合わせのいずれかを使用できる。その酵素がプロテアーゼを含むアミダーゼであり、その化合物がアポリペプチドを含むアミド結合含有化学種であるケースが好ましい。アミダーゼおよびアミド結合含有化学種には、本明細書で前に記述された化学種があるが、これらの化学種に限定されない。
【0234】
アルデヒド基含有化学種には、ホルムアルデヒド、グリオキサール、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、カプロンアルデヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド、ラウリンアルデヒド、ステアリンアルデヒド、オレインアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド、ならびにp−n−ヘキシルベンズアルデヒド、p−オクチルベンズアルデヒド、p−オレイルベンズアルデヒド、バニリン、ピペロナールなどのベンズアルデヒドおよびその誘導体、サリチルアルデヒド、シンナムアルデヒドなどがあるが、これらに限定されない。
【0235】
前記アルデヒド基含有化学種を作り出すことができる酵素−化合物の組み合わせのいずれかを使用することができ、その酵素がアルコールデヒドロゲナーゼであり、その化合物が脂肪族アルコール、たとえば、メタノール、エタノールなどであるケース、その酵素がアルコール酸化酵素であり、その化合物がメタノール、エタノールなどの脂肪族アルコールであるケース、その酵素がアリールアルコールデヒドロゲナーゼであり、その化合物がフェノール、クレゾールなどの芳香族アルコールであるケース、およびその酵素がアミン酸化酵素であり、その化合物がブチルアミン、ヘキシルアミンなどの脂肪族アミンであるケースなどを含む。
【0236】
キトサンの分解生成物を作り出すことができる酵素−化合物の組み合わせのいずれかを適用できる。その酵素がキトサン分解酵素であり、その化合物がキトサンであるケースが好ましい。
【0237】
酵素の濃度
一つの好ましい態様では、たとえば、1〜85重量%、たとえば、1〜80重量%、たとえば、1〜75重量%、たとえば、1〜70重量%、たとえば、1〜65重量%、たとえば、1〜60重量%、たとえば、1〜55重量%、たとえば、1〜50重量%、たとえば、1〜45重量%、たとえば、1〜40重量%、たとえば、1〜35重量%、たとえば、1〜30重量%、たとえば、1〜25重量%、たとえば、1〜20重量%、たとえば、1〜25重量%、たとえば、1〜20重量%、たとえば、1〜15重量%、たとえば、1〜10重量%、たとえば、1〜5重量%、たとえば、1〜4重量%、たとえば、1〜4重量%、たとえば、1〜3重量%、たとえば、1〜2重量%、たとえば、5〜90重量%、たとえば、10〜90重量%、たとえば、15〜90重量%、たとえば、20〜90重量%、たとえば、25〜90重量%、たとえば、30〜90重量%、たとえば、35〜90重量%、たとえば、40〜90重量%、たとえば、45〜90重量%、たとえば、50〜90重量%、たとえば、55〜90重量%、たとえば、60〜90重量%、たとえば、65〜90重量%、たとえば、70〜90重量%、たとえば、75〜90重量%、たとえば、80〜90重量%、たとえば、85〜90重量%、たとえば、1〜5重量%、たとえば、5〜10重量%、たとえば、10〜15重量%、たとえば、15〜20重量%、たとえば、20〜25重量%、たとえば、25〜30重量%、たとえば、30〜35重量%、たとえば、35〜40重量%、たとえば、40〜45重量%、たとえば、45〜50重量%、たとえば、50〜55重量%、たとえば、55〜60重量%、たとえば、60〜65重量%、たとえば、65〜70重量%、たとえば、70〜75重量%、たとえば、75〜80重量%、たとえば、80〜85重量%、たとえば、85〜90重量%などの1〜90重量%の酵素をエーロゲルは含む。
【0238】
一つの好ましい態様では、本発明は、有機溶媒を含むコーティング組成物中の生理活性剤の量を増加させる方法に関し、前記方法は、
a)有機溶媒を含むコーティング組成物を用意する工程、
b)中に閉じ込められた1種または2種以上の生物学的活性酵素を含むエーロゲルを用意する工程、
c)工程a)で用意されたコーティング組成物を、工程b)で用意された、中に閉じ込められた1種または2種以上の生物学的酵素を含むエーロゲルと混合する工程、
d)それにより、有機溶媒および中に閉じ込められた1種または2種以上の生物学的活性酵素を含むエーロゲルを含むコーティング組成物を得る工程を含み、
前記1種または2種以上の生物学的活性酵素は、前記1種または2種以上の酵素が前記エーロゲル構造の中に閉じ込められていない場合に比べて、より高い濃度で存在し、および/またはより生物学的活性を有する。
【0239】
本発明のコーティング組成物の追加の成分
一つの好ましい態様では、エーロゲルを含む防汚組成物は、少なくとも1種の殺藻剤、殺草剤、殺真菌剤、軟体動物駆除剤または防汚活性を示す他の化合物をさらに含む。
【0240】
一つの好ましい態様では、エーロゲルを含む防汚組成物は、海の用途および顔料に好適なバインダー成分をさらに含む。
【0241】
本明細書で上述された本発明のコーティング組成物は、成分の少なくとも1種を固定し、任意選択的に酵素を固定するためにバインダーをさらに含むことができる。
【0242】
コーティング、ラッカー、染料、エナメルなどで本発明のコーティング組成物を調合することができ、本明細書では以降、一般に「コーティング」と呼ぶ。
【0243】
戸外木造部、集中暖房システムの外部表面および船体から選択される表面の処理のために、好ましくは、コーティング組成物は調合される。ビヒクルは、少なくとも1種の酵素および/またはいずれかの追加の防汚剤化合物の活性をいずれかの活性を妨げるべきでない。
【0244】
コーティング組成物に好適な溶媒は、たとえば、米国特許第5,071,479号明細書に開示されており、水ならびに、脂肪族炭化水素、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素、脂肪族および、100℃と320℃との間、好ましくは150℃と230℃との間の沸点を有する芳香族炭化水素の混合物、高芳香族石油留出物、たとえば、溶媒ナフサ、蒸留したタール油およびそれらの混合物、ブタノール、オクタノールおよびグリコールなどのアルコール、植物油および鉱油、アセトンなどのケトン、ミネラルスピリットおよびケロシンなどの石油蒸留物、塩素化炭化水素、グリコールエステル、グリコールエステルエーテル、これらの誘導体および混合物を含む有機溶媒を含む。
【0245】
その溶媒は、無極性または、水、任意選択的に、一般にミネラルスピリットとも呼ばれるホワイトスピリッツの中で見つかる芳香族および脂肪族溶媒の混合物などの油性または油のような低揮発性有機溶媒との混合物と混合した水などの極性であってもよい。
【0246】
その溶媒は、希釈剤、乳化剤、浸潤剤、分散剤または他の表面生理活性剤の少なくとも1種を概して含んでもよい。好適な乳化剤の例は、米国特許第5071479号明細書に開示されており、ノニルフェノール−エチレンオキシドエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールエーテルまたは脂肪酸のポリオキシエチレンソルビタンエーテル、それらの誘導体および混合物を含む。
【0247】
好適な表面コーティング材料のいくつかを、本発明の組成物および/またはコーティングに組み込んでもよい。取引が認められているコーティング材料の例は、溶剤型システム中のポリ塩化ビニル樹脂、溶剤型システム中の塩化ゴム、溶媒型または水システム中のアクリル樹脂およびメタクリル樹脂、水分散または溶剤型システムとしての塩化ビニル酢酸ビニルコポリマーシステム、ブタジエン−スチレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、およびブタジエン−スチレン−アクリロニトリルゴムなどのブタジエンコリマー、アマニ油などの乾性油、アルキド樹脂、アスファルト、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、それらの誘導体および混合物である。
【0248】
本発明の組成物および/またはコーティングは、二酸化チタン、酸化第二鉄、シリカ、タルク、またはチャイナクレーなどの無機色素、カーボンブラックまたは海水に溶けない染料などの有機色素、それらの誘導体およびそれらの混合物から選択された色素を含むことができる。
【0249】
また、本発明のコーティング組成物は、可塑剤、レオロジー特性調整剤、他の従来の成分およびそれらの混合物を含むことができる。
【0250】
本発明のコーティング組成物は、水中の環境にさらされる材料を保護するために使用される組成物の中で従来から使用されている補助剤を、任意選択的にさらに含む。追加の殺真菌剤、補助の溶媒、脱泡剤、固定剤、可塑剤、UV−安定剤または安定性増強剤などの加工添加剤、水に可溶または不溶の染料、着色顔料、乾燥剤、腐食抑制物質、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸などの増粘剤または沈降防止剤、皮張り防止剤、誘導体およびそれらの混合物からこれらの補助剤を選択してもよい。
【0251】
一態様では、本発明は、上述のコーティング組成物を含む船舶用防汚剤を提供する。好ましくは、その防汚剤は、自己研磨可能である。
【0252】
本発明の一態様では、酵素は、好ましくは内包、たとえば、半透過性膜に内包される。一方のタイプの酵素を、他方のタイプの酵素とそれぞれ独立して内包してもよいし、一緒に内包してもよい。汚損物質に接触すると酵素が放出されるように内包する材料を選択してもよい。この方法では、汚損物質と接触したとき、防汚化学種を供給する、または防汚化合物の供給を増加させる組成物を提供することができる。また、防汚化学種および内包材料の交互の層が確実に酵素を連続的に放出させる。
【0253】
使用即可能な製品として、または濃縮物として、本発明の組成物を供給することができる。使用即可能な製品は、水に溶けた、水に分散した、油に溶けた、油に分散した、エマルジョンまたはエーロゾル調整品の形態でもよい。たとえば、コーティングための添加剤として濃縮物を使用することができ、また、追加の溶媒または懸濁剤を使用して、使用の前に濃縮物を薄めることができる。
【0254】
噴射剤として使用するのに好適な揮発性液体の中で、好適な溶媒の中に溶けた、または懸濁した本発明の組成物を、通常の方法で組み込むことにより本発明によるエーロゾル調整品を得ることができる。
【0255】
また、米国特許第5,071,479号明細書で検討されたように、本発明のコーティング組成物は、防腐剤および/またはコーティングにおいて有用であると知られている追加成分を含むことができる。そのような成分には、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、パラフィンなどの固定剤、エチルグリコールアセテートおよびメトキシプロピルアセテートなどの補助溶剤、安息香酸エステルおよびフタレート、たとえば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートおよびジドデシルフタレートなどの可塑剤、誘導体およびそれらの混合物がある。また、任意選択的に、染料、着色顔料、腐食抑制物質、化学的安定剤または、コバルトオクテート(cobalt octate)およびナフテン酸コバルトなど乾燥剤(ドライヤー(乾燥剤))を特定の用途によって、含ませてもよい。
【0256】
刷毛塗り、スプレー、ロールコーティング、ディッピングおよびそれらの組み合わせを含む先行技術で知られている技術のいずれかで、本発明の組成物および/またはコーティングを塗布することができる。
【0257】
悪い影響を受けない温度で様々な成分を単純に混ぜることによって、本発明の組成物を調合することができる。調合条件は、決定的ではない。装置および方法は、コーティングの製造の際、慣例的に使用されたものであり、同じような組成物を好都合に使用することができる。
【0258】
塗料
別の態様では、塗料または、木材、金属、石材、レンガ、コンクリートおよびプラスチックなどのいずれのタイプの表面の保護のためにの保存剤に入っている薬剤として1種または2種以上の生理活性剤を含むエーロゲルが使用される。本発明は、たとえば、家屋の塗装および木材または金属の保護に関する。
【0259】
一つの好ましい態様では、塗料または他のタイプのコーティング組成物は、エーロゲル粒子を含む。
【0260】
一つの好ましい態様では、塗料または他のタイプのコーティング組成物は、1種または2種以上の予め作製されたエーロゲルを含む。1種または2種以上のエーロゲルを、塗料または他のタイプのコーティング組成物と混合した後、1種または2種以上のエーロゲルの物理的および化学的特性は影響を受け得る。
【0261】
一つの好ましい態様では、防汚塗料組成物は、少なくとも1種のズブチリシン(EC 3.4.21.62)を含み、前記ズブチリシンは、以下の特性を有する。(i)約7〜10の範囲内のpHで最適な活性、(ii)約55〜65℃の範囲内の温度で最適な活性。別の態様では、防汚塗料組成物はズブチリシンアルカラーゼ(登録商標)を含む。一つの好ましい態様では、その防汚塗料組成物は、アルカラーゼ(登録商標)アルカラーゼ2.5L、Type DX(登録商標)を含む。
【0262】
塗料は、薄層に表面に塗布した後、不透明な固体フィルムに変わるいずれかの液体、液化可能、またはマスチック組成物である。
【0263】
着色コーティングでコーティングすることによって、対象物または表面に対して保護、装飾(たとえば、色を加える)、または、機能性を付加するために、塗料または保存剤は使用される。保護の例は、金属の腐食を阻止することである。装飾の例は、部屋のインテリアにお祝いの装飾を加えることである。機能性付加の例は、表面の光の反射または熱の放射を和らげることである。機能性の別の例は、設備およびパイプラインの危険性または機能を認識させるための色の使用であろう。
【0264】
ほぼいずれの種類の対象物に対しても塗料を塗布することができる。多くの他の使用のほかに、芸術の創出で、産業上のコーティングで、運転の補助(道路の表面のマーキング)として、または腐食もしくは水による損傷を防止するためのバリヤーとして、それは使用される。最終製品は塗られた物品自体であるので、塗料は半製品もしくは中間生産物である。
【0265】
また、様々なテクスチャおよびパターンを作り出すために、釉薬に塗料を混合することができる。この方法は、フォーフィニッシュ(faux finish)と呼ばれている。
【0266】
また、本発明は、塗料の缶に入れての保存に関する。
【0267】
塗料の成分
塗料には3つの主要成分がある。
1)顔料、
2)バインダー、または、非揮発性ビヒクルもしくは樹脂として知られている、および、
3)ビヒクルまた、揮発性ビヒクルとして知られており、また、溶媒と呼ばれている。
【0268】
顔料
顔料は、色および不透明のような上記の特性を与え、光沢、膜流および保護能力などの性質に影響を与える。一般に顔料を2つの主要なタイプに分類することができる。すなわち、主顔料または隠ぺい顔料と不活性または体質顔料。
【0269】
主要な現代の白色の隠ぺい顔料は、二酸化チタンである。酸化亜鉛は、ある重要な使用法で弱い白色顔料である。着色隠ぺい顔料は、2つの主要なカテゴリーになり、それらは、たいていより明るくない土色である無機、および一般により明るく、しかし高価な色である有機である。
【0270】
不活性顔料は、天然または合成タイプに分かれる。天然顔料には、様々な粘土、炭酸カルシウム、マイカ、シリカおよびタルクがある。合成品には、仮焼した粘土、永久白、沈殿炭酸カルシウムおよび合成シリカがあるであろう。
【0271】
また、塗料を不透明にする隠ぺい顔料は、紫外光の有害な効果から基質を保護する。
【0272】
鉛塗料が使用された鉛顔料などのいくつかの顔料は、有毒である。米国消費者製品安全委員会によって、1978年に、住宅に使用するための塗料において鉛が機能的に禁止される以前に、塗料製造業者は、色つきの食品にさえ使用できるより毒性の少ない代用品、チタン白(二酸化チタン)に白色鉛顔料を置き換えることを始めた。
【0273】
19世紀に二酸化チタンは塗料に使用された。今日、ほとんどの塗料で使用されている二酸化チタンは、塗料膜の中のより最適な間隔によってより促進されるより良好な有効性を介してのより良好な外装の耐久性またはより良好な隠蔽能力(不透明度)などの様々な理由のため、酸化ケイ素または酸化アルミニウムと一緒に塗布されることが多い。また、不透明性は、二酸化チタン粒子の最適な大きさによって改善される。
【0274】
本発明は、1種または2種以上のエーロゲルおよび1種または2種以上の生理活性剤を含み、先行技術に記載された顔料のいずれかまたはそれらの組み合わせのいずれかをさらに含む防汚コーティング組成物に関する。
【0275】
バインダー
バインダーまたは樹脂は、塗料における事実上フィルムを形成する成分である。それは、付着を与え、顔料を一緒に結合し、光沢素質、外装耐久性、柔軟性および靱性のような性質に強く影響を与える。
【0276】
バインダーには、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、メラミン樹脂、エポキシまたはオイルなどの合成または天然の樹脂がある。
【0277】
乾燥または硬化のメカニズムにしたがってバインダーを分類することができる。4つの一般的なものは、単一の溶媒の蒸発、酸化架橋、触媒重合および融合(coalescence)である。
【0278】
乾燥と硬化とは2つの異なるプロセスであることに留意してください。乾燥はビヒクルの蒸発に一般に関し、一方、硬化はバインダーの重合に関する。化学的性質および組成物に基づいて、任意の特定の塗料は、どちらかの、または両方のプロセスを受けることができる。したがって、乾燥のみする塗料、乾燥し、その後、硬化するもの、および硬化のための乾燥によらないものがある。
【0279】
単一溶媒の蒸発による塗料は、溶媒に溶けた固体バインダーを含む。これは、溶媒が蒸発した場合、固体膜を形成する。そして、その膜を再び溶媒に再溶解することができる。
溶媒に溶けた染料から構成される非目荒れ染料がそうであるように、伝統的なニトロセルロースラッカーは、このカテゴリーに入る。
【0280】
酸化架橋によって硬化する塗料は、一般に一液型コーティングである。それは、塗布され空気中の酸素にさらされると、バインダー成分を架橋させ重合させるプロセスを開始させる。伝統的なアルキドエナメルはこのカテゴリーに入るであろう。
【0281】
触媒作用の重合によって硬化する塗料は、樹脂と硬化剤を混ぜることによって始まる化学反応を経由して重合する一般に二液型コーティングである。それは、硬いプラスチック構造を形成することによって硬化する。組成物によっては、それらは溶媒を蒸発させることによって早く乾燥させる必要があり得る。伝統的な二液型エポキシまたはポリウレタンはこのカテゴリーに入るであろう。
【0282】
ラテックス塗料は、融合と呼ばれるプロセスで硬化する。そのプロセスでは、最初に水、その後に微量または融合溶媒が気化して一緒に取り出され、ラテックスバインダー粒子を一緒に柔らかくし、それらを融合させて、不可逆の結合網目構造にし、その結果、塗料は、本来はそれを輸送していた溶媒/水に再溶解しなくなる。
【0283】
最近の環境要求事項では、揮発性有機化合物(VOC)の使用を禁止しており、特に産業上の目的のために代替の硬化方法が開発されている。UV硬化塗料では、溶媒は最初に蒸発し、その後、紫外光によって硬化が開始する。粉末コーティングでは、溶媒は少ししか、または全くなく、乾燥粉末を塗布した後、基体を加熱することによって流れおよび硬化が生み出される。
【0284】
本発明は、1種または2種以上のエーロゲルおよび1種または2種以上の理活性剤を含み、先行技術に記載されたバインダーのいずれかまたはそれらの組み合わせのいずれかをさらに含む防汚コーティング組成物に関する。
【0285】
ビヒクルまたは溶媒
ビヒクルの主な目的は、塗料の粘度を調整することである。それは、揮発しやすく、塗料膜の一部にならない。また、それは、流れおよび塗布の性質を制御することができる。それの主な機能は、非揮発性成分ためのキャリヤーとして機能である。
【0286】
水は、水性塗料のための主なビヒクルである。
【0287】
溶剤型、ときどき油性と呼ばれる、塗料は、脂肪族、芳香族、アルコールおよびケトンを含む、ビヒクルとしての溶媒の様々な組み合わせを有する。これらには、石油蒸留物、アルコール、ケトン、エステル、グリコールエーテルなどの有機溶媒がある。また、揮発性低分子量合成樹脂は、時々、希釈剤として役立つ。
【0288】
本発明は、1種または2種以上のエーロゲルおよび1種または2種以上の生理活性剤を含み、先行技術に記載されているビヒクルもしくは溶媒のいずれか、またはそれらの組み合わせのいずれかをさらに含む防汚コーティング組成物に関する。
【0289】
添加剤
3つの主な成分のカテゴリーの他に、塗料は、普通は非常に少しの量しか添加しない、非常に多様なその他の添加剤を有することができる。いくつかの例には、ウェットエッジ(wet edge)を改善し、顔料安定性を改善し、凍結防止の性質を与え、発泡を制御し、皮張りを制御するなどのための添加剤がある。他の添加剤は、増粘剤、融合溶媒または細菌の成長と戦うための殺生物剤でもよい。
【0290】
本発明は、1種または2種以上のエーロゲルおよび1種または2種以上の生理活性剤を含み、先行技術に記載されたコーティング組成物添加剤のいずれか、またはそれらの組み合わせのいずれかをさらに含む防汚コーティング組成物に関する。
【0291】
フィラーは、膜を厚くするのに役に立ち、その構造を支え、塗料の体積を簡単に増加させる。全ての塗料がフィラーを含むとは限らない。また、フィラーとして機能する顔料は単に「顔料」と呼ばれる。すなわち、「フィラー」は一般に無色で不透明である。所望の色を与えるために、結果として得られた白まがいの色を顔料で調整する必要がある。通常のフィラーは安価で不活性であり、たとえば、タルク、ライム、バライト、粘土などである。塗料に基づいて、塗料膜のほとんどが、顔料/フィラーおよびバインダーからなるようにしてもよく、残りは他の添加剤である。
【0292】
顔料および染料の他に、他のタイプの添加剤には、触媒、増粘剤、安定剤、乳化剤、調質剤、粘着力促進剤、平坦化剤(非光沢化剤)などがある。
【0293】
塗布後、塗料は凝固し、半硬化乾燥になる。バインダーのタイプに基づいて、この硬化は、硬化(重合)、蒸発、または、さらに冷却によって起こる相変化の結果である。油性塗料では、硬化は酸化の形態を取り、たとえば、アマニ油は酸化してリノキシンを形成し、ワニスを作り出す。他の普通の硬化した膜は、ポリウレタンまたはメラミン樹脂などの架橋剤から作られ、アクリルポリエステルまたはポリウレタン樹脂と反応し、硬化反応の進行をより速くするかより穏やかな状態にするのに役に立つ触媒が存在することが多い。これらの硬化した膜塗料は、耐溶媒または耐水になり得る。
【0294】
ラテックス塗料は、サブミクロンのポリマー粒子の水性分散液である。塗料の関係で用語「ラテックス」は、水性分散液を単に意味する。ラテックスゴム(ゴムの木の樹液は歴史的にラテックスと呼ばれている。)は成分ではない。これらの分散液は、乳化重合によって調合される。水が蒸発したとき、ポリマー粒子は融合し、固体膜を形成する。ポリマー自体は、水に対して(そして、一般にいくつかの他の溶媒にも)耐性を有する。いくつかのポリマーとの加水分解効果と同様に、塗料中の残りの表面活性剤は塗料を軟化しやすいようにし、時間がたつと水によって分解する。
【0295】
さらに他の膜はバインダーの冷却によって形成する。たとえば、ろうまたはワックス塗料は、暖かいとき液体であり、冷却すると硬化する。
【0296】
本発明は、1種または2種以上のエーロゲルおよび1種または2種以上の生理活性剤を含み、先行技術に記載されたその他のコーティング組成物剤のいずれか、またはそれらの組み合わせのいずれかをさらに含む防汚コーティング組成物に関する。
【0297】
生成物の変形
・下塗り剤は、塗装の前に材料に載せる予備コーティングである。下塗りは、表面に対する塗料のより良好な接着を確実にし、塗料の耐久性を増加させ、そして、塗られた材料のための追加の保護を提供する。
・ワニスおよびセラックは、色を変えないで保護コーティングを与える。それらは顔料のない塗料である。
・ウッドステイン(Wood stain)は、とても「薄く」、粘度が低いタイプの塗料であり、フィルムの表面の先端に残るよりはむしろ顔料が表面に広がるように調合される。ステインは、大部分は、顔料または染料ならびに少量のバインダーを有する溶媒であり、表面コーティングを供給することなく色を加えるように主として作られる。
・ラッカーは、通常、速乾の溶媒系塗料またはワニスであり、特に硬く耐久性のある仕上げ塗りを作り出す。
・エナメル塗料は、乾燥すると、特に硬く、一般的に光沢を有する仕上げ塗りになる塗料である。エナメルは、油性塗料にワニスを加えることによって作製することができる。
・うわ薬は、フォーペインティング(Faux Painting)および芸術塗装で、乾燥時間を遅くし透光性を増加させるために、塗料と一緒に使用される添加剤である。
・屋根コーティングは、損傷することなく伸ばしたり、本来の形に戻したりできる弾性の性質を有する流動性のある塗布膜である。それは、ポリウレタンフォームに対してUV保護を与え、屋根の修復システムの一部として広く使用される。
・指頭画法用の絵の具。
・もっぱら染料を使用して一般に作製される(顔料なし)点、およびバインダーの薄膜が残らないように作られる点を除いて、インクは塗料と似ている。
・二酸化チタンは、永続し、良好な被覆粉末であるので、家屋用塗料および画家用塗料の両方のために広く使用される。酸化チタン顔料は広く成分に使用される。チタニウム塗料は、赤外の優れた反射物であり、熱が原因で観測状況が悪くなる太陽観測所で広範に使用される。
・反落書き塗料は、グラフィティアーティストによる表面のマーキングを阻止するために使用される。犠牲と非接着との2つのカテゴリーがある。犠牲コーティングは、通常、高圧力水を使用して表面を圧力洗浄し、落書きおよびコーティングを除去する(それゆえ、犠牲)ことによって落書きを除去させる透明なコーティングである。継続して保護するために、後でそれらを再び塗布しなければならない。これは、彫刻および大理石の壁などの自然に見える石工建築およびきれいにするのが難しいより粗い表面にもっとも一般に使用される。非接着コーティングは、透明な高性能コーティングであり、通常、落書きが非常に少ししか接着できない触媒添加ポリウレタンである。落書きが見つかった後、基礎をなす基体または保護コーティングに損傷を与えることなく、溶媒洗浄を使用してそれを除去することができる。より滑らかな表面に、および特に壁画を含む他に塗布された表面わたって使用されたとき、これらはもっともよく働く。
・反登り塗料は、乾燥しない塗料であり、それは、普通のものに見えるが、さらに、非常に滑りやすい。強盗および破壊者が登るのを防止するために、それは、配水管および棚に普通使用され、多くの公衆の場所で見つかる。人がその塗料がコーティングされた対象物を登ろうと試みたとき、それは、登ることを難しくするのと同様に、こすれて登る人に落ちる。
・揮発性有機化合物を含まない溶媒なしの塗料である無VOC塗料は、1980年代の後期以来、利用されてきた。合体剤または融合溶媒として0.3%と5.0%との間のいすれかのVOCを一般に含む低VOC塗料は、1960年代以来、使用されてきた。
【0298】
本発明の好ましい方法および使用
本発明の好ましい使用には、以下の方法があるが、それらに限定されない。
【0299】
汚損生物体によって接触される表面、または前記接触の危険がある表面を処理する方法であって、前記方法は、前記表面を、本発明による組成物と、前記組成物またはコーティング組成物の有効な量で、接触させる工程を含み、前記接触が結果として前記汚損を除去するか、または前記汚損を少なくとも減少させる。
【0300】
表面の汚損を防止または減少させる方法であって、前記方法は、前記表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が結果として前記表面の汚損を防止または減少させる。
【0301】
汚損生物体を含む流動性組成物によって接触される表面を処理する方法であって、前記方法は、前記表面を、本発明による組成物と、前記組成物またはコーティング組成物の有効な量で、接触させる工程を含み、前記接触が前記表面の汚損を防止するか、または、結果として前記表面の汚損を減少させる。
【0302】
上記表面は、少なくとも部分的に海水に浸されて得るか、またはそれらは、換気のためのパイプの内側もしくは外側の表面もしくは建築物の内壁となり得る。
【0303】
本発明による追加の方法は以下である。
【0304】
表面を消毒する方法であって、前記方法は、表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記表面を消毒する。
【0305】
表面から微生物体を除去する方法であって、前記方法は、表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記表面から微生物を除去する。
【0306】
対象物をコーティングする方法であって、前記方法は、表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記対象物をコーティングする。
【0307】
表面を封止する方法であって、前記方法は、表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として外部環境から前記表面を封止する。
【0308】
海洋腐食を減少または除去する方法であって、前記方法は、表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として海洋腐食を減少または除去する。
【0309】
表面を保護する方法であって、前記方法は、表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記表面を保護する。
【0310】
望ましくない微生物の細胞を殺す方法であって、前記方法は、表面を、本発明による組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として望ましくない微生物の細胞を殺す。
【0311】
防汚種を発生させる方法であって、前記方法は、化合物に作用できる少なくとも1種の酵素を含む組成物を用意する工程、前記化合物をさらに用意する工程、および前記少なくとも1種の酵素を前記化合物と接触させることによって前記防汚種を形成する工程を含み、前記作用が、結果として防汚活性を含む防汚種を形成し、前記化合物は前記組成物の一部を形成しない。
【0312】
本発明による塗装組成物を作る方法であって、前記方法は、少なくとも1種の顔料および、化合物に作用できる少なくとも1種の酵素を用意する工程、前記少なくとも1種の酵素のためのキャリヤーをさら用意する工程、および前記少なくとも1種の酵素を前記キャリヤーと接触させることによって前記組成物を形成する工程を含み、前記作用が、結果として防汚活性を含む防汚種を形成し、前記化合物が前記組成物の一部を形成しない。
【0313】
本発明の好ましい使用には以下のものがあるが、これらに限定されない。
【0314】
コーティング組成物を製造するときの酸化酵素活性を含む少なくとも1種の酵素の使用であって、前記コーティング組成物は前記酸化酵素活性のための基質を全く含まない。
【0315】
住居システムの中を清潔にするときの酸化酵素活性を含む少なくとも1種の酵素の使用であって、前記システムは前記酸化酵素活性のための基質を全く含まない。
【0316】
他の方法では達成できない分子の分散した分布で、疎水相の中にタンパク質を散布するために、エーロゲルをビヒクルで使用してもよい。
【0317】
混合物から作られたフィルムに対しての研磨速度に影響を及ぼすために、エーロゲルを使用してもよい。
【0318】
フィルム形成混合物の粘性に影響を及ぼすためにエーロゲルを使用することができ、フィルム形成を最適化することができる。
【0319】
別の好ましい態様では、本発明に記載されているエーロゲル材料は断熱材料のために使用される。
【0320】
別の態様では、本発明によるエーロゲルは、こぼれをきれいにするための化学吸収剤として使用される。また、エーロゲルを触媒または触媒の担体として使用することができる。
【0321】
別の態様では、エーロゲルは化粧品の薬剤として使用される。
【0322】
レゾルシノール−ホルムアルデヒドエーロゲル(フェノールホルムアルデヒド樹脂に化学的に似ているポリマー)は、カーボンエーロゲルを製造するための前駆体として、または、大きな表面を有する有機絶縁体が望まれているとき、主として使用される。それらは、約600m2/gの表面積を有する高密度材料として生じる。
【0323】
一態様では、本発明は、表面または材料の汚損の防止、削減または除去での使用のための防汚コーティング組成物、たとえば、塗装組成物に関係する。一態様では、前記表面または材料は、海水または淡水などの水に浸され、前記水に浸されている間に汚損生物体によって汚されてきた。一態様では、組成物はエーロゲルを含む。追加の態様では、前記エーロゲルは、エステラーゼなどの少なくとも1種の酵素を含む。
【0324】
一態様では、材料が海水または淡水などの水に浸されることから生じる汚損の除去、削減または防止に本発明の方法を使用してもよい。
【0325】
一態様では、本発明の方法および組成物は、たとえば、船体、ブイ、または水にさらされる他の構造体などの海水または淡水に浸されてきた材料または表面の汚損の削減、防止または除去での使用に、特に好適である。
【0326】
本発明は、本発明の組成物および方法は、有毒な物質を使用することなく効果的に汚損を防ぐことができる点で特に有利である。
【実施例】
【0327】
例1
エーロゲルは酸化ケイ素を含む。エーロゲルは、アルコールに溶けているテトラアルコキシシロキサンの加水分解によって得られる。生じたネットワークから超臨界のCO2との交換によって、アルコールは後に除去される。エーロゲルがつぶれることなく、この溶媒を蒸発させることができる。
【0328】
エーロゲルは、ウェットゲルの乾燥によって得られる。このプロセスの間に液体はゲルのナノ気孔から除去される。乾燥は、超臨界のCO2または別の超臨界の溶媒が存在する中で実施される。液相から超臨界相へ直接進み、その後、超臨界相から気相へ直接進むことが重要である。超臨界乾燥に代わるものは、DCCA(Drying Control Chemical Additives)、雰囲気圧乾燥および冷結乾燥の使用である。
【0329】
ウェットゲルはゾル−ゲルプロセスで得られる。ゾル−ゲルプロセスは、100℃未満の温度で一般に実施される。無機ゲルの、主として金属酸化物を作製するために、その反応は、無機ゲルが1種または2種以上のメタルアルコキシドの加水分解で得られるように溶液中の金属水酸化物を濃縮することによって一般に起こる。第1の工程(ゾルと呼ばれている)では、小さな独立した多かれ少なかれ架橋したコロイド粒子がコロイド懸濁液の中で形成される。第2の工程(ゲルと呼ばれている)では、これらのコロイド粒子が相互に結合する。この3次元ネットワークは、ゲルとして知られている。もし、3次元ネットワークが、個々の粒子が選択されるのではなく、前駆体溶液から、線状ポリマー鎖から生じる場合、ポリマーゲルが得られる。
【0330】
例2
エーロゲルは、例1に記載されたようにして得られる。エーロゲルは、1種または2種以上の酵素および/または1種または2種以上の他の生理活性剤をさらに含む。ネットワークが生成している間、1種または2種以上の酵素および/または1種または2種以上の他の生理活性剤をアルコールに加える。このプロセスの結果、エーロゲルの中に1種または2種以上の酵素および/または1種または2種以上の他の生理活性剤は内包される。例2に記載されたような酵素を含むコロイド粒子を作製した後、例1に記載されたプロセスを中断してもよい。1種または2種以上の異なる活性成分を添加してネットワークを完了させてもよい。これにより、空間的に分布した活性化合物を制御することができる。
【0331】
例3
エーロゲルは、例1または2に記載されたようにして得られる。エーロゲルは、エーロゲルの疎水性を調整するために、1〜10%のジメチルジアルコキシシロキサンをさらに含む。疎水性を同様に調整するために、他のアルコキシシロキサンを使用してもよい。
【0332】
例4
エーロゲルは、例1、2または3に記載されたようにして得られる。SiをTi、Alまたはホウ素で完全に、または部分的に置き換える。この置換はエーロゲルの安定性に影響する。統計的にこの置換を導入することができる。コロイド粒子の生成によって空間的に不均一なエーロゲルを得ることが可能である。
【0333】
例5
エーロゲルは、例1、2、3または4に記載されたようにして得られる。1種または2種以上の酵素および/またはタンパク質は、アミノ基(NH2)および/またはチオール基(SH)および/またはOH基で改質される。スクシンイミド、グルタルアルデヒドもしくはイソシアン基と一緒に、望ましい基をタンパク質および/または酵素に固定することができる。一つの好ましい態様では、置換基としてポリエチレングリコール(PEG)が使用される。PEGに代わるものは、長いアルキル鎖および/またはアクリルおよび/またはビニル基に連結されたPEGである。
【0334】
例6
エスペラーゼ(Esperase)はエーロゲルの中に内包される。テトラペプチド染色法は、エスペラーゼがエーロゲルの中に内包された後、その活性を保つことを示す。エーロゲルが内包しているエスペラーゼを80℃で、24時間加熱しても、加熱の後に酵素活性が保たれていることが示される。水の中でエーロゲルが内包しているエスペラーゼを80℃で、24時間加熱すると、酵素活性が減少することが示される。これは、エスペラーゼがエーロゲルの中に内包されることによって安定することを示す。
【0335】
例7
2種の異なる自己研磨溶媒系塗料は、2種の異なるプロテアーゼを含むエーロゲルと一緒に調合されてきた。その塗料を有するパネルを、デンマークのエルシノア港(Elsinore Harbour)の海水の中に(5月〜10月を含めて)6ヶ月の期間浸した。その期間の後、汚損は観察されなかったか、または対照と比較して藻類粘液の非常に薄い層が検出された。
【0336】
例8
エーロゲルおよびプロテアーゼを含む同じ種類の調合での試験場所は、デンマークのイソイ湾(Ishoj Harbour)に配置されている帆船の舵の両側に適用する。6ヶ月後の航海シーズンの後の検査では、従来の銅系防汚塗料と同じ汚損の程度のとても薄い藻類粘液が見られた。
【0337】
例9
エーロゲルは、例1、2、3または4に記載されたようにして得られる。1種または2種以上の酵素および/またはタンパク質は、アミノ基(NH2)および/またはチオール基(SH)および/またはOH基で改質される。置換基には、SiR1R2R3R4基(式中、R1はSiを酵素に連結させ、R2、R3およびR4はCl、Br、IおよびOR5の中から選択される(式中R5はアルキル基である。)。)がある。好ましい態様は、R5=CH3およびR2=R3=R4=OR5である。これにより、水にさらされるゲルの表面で酵素の寿命を変えるゲルのネットワークの中に酵素を化学的に連結することができる。
【0338】
例10
【表3】

【0339】
例11
本発明による組成物は、イカダの上のよく規定されたパネルに塗布され、イカダはデンマークのエルシノア港の水の中に浸した。結果が評価されるまで、イカダは6ヶ月間浸された。また、従来の塗料および対照を有するパネルがイカダの上に付け加えられた。以下の表に示すように、イカダのパネルは処理された。
【0340】
試験イカダのパネル
【表4】

組成物は、以下の成分を含む上記の表に示されるようにイカダに塗布された。
MPT3:基礎塗料(数字「3」は、樹脂希釈剤と比較したロジンの量に関する。)
MPT7:基礎塗料(数字「7」は、樹脂希釈剤と比較したロジンの量に関する。)
SE:溶媒エポキシ塗料
Z:亜鉛
S:硫化物
A:エーロゲル
P:ポラザイム
E:エスペラーゼ
シグマ:正の対照(従来の防汚塗料、シグマ 銅系生成物+殺生剤)
ミルエクストラ(Mille Xtra):正の対照(従来の防汚塗料、ヘムペル(Hempel)自己研磨銅系生成物)
【0341】
6ヶ月の試験期間の終わりに、0から5までの評点を使用してイカダ上のそれぞれのパネルの汚損を評価した。ここで、0は、汚損成長がなく、5は、汚損成長によってパネルが完全に覆われている。結果は、以下の表で示されるようなものである。実験の後のイカダの写真を図1として付け加える。以下の表の数量化は図1の写真に基づく。
【0342】
試験イカダのパネル上の成長の数量化
【表5】

【0343】
試験の結果は、MPT7−Z−AEパネル(パネル4および11)は、試験の終わりで、もっとも少ない汚損であった。これらのパネルは、エーロゲル、エスペラーゼ酵素および亜鉛を含む基礎塗料MPT7で処理されてきている。MPT7−Z−AEパネルは、従来のシグマ銅系塗料と同じくらいよく、ことによると従来のシグマ銅系塗料に比べてさらに少しよいことを示した。この結果は、思いがけなくはっきりしており、本発明の有利な効果を支持している。また、エーロゲルおよび酵素の両方を含む組成物(パネル2、3、4、6、10および11)は、酵素がないエーロゲルを含むパネル(パネル5および9)よりも概して汚損の防止がより良好であることが明かであった。
【0344】
例12
以下の本明細書の表に示されたように、ヨット、エリカ(Erica)からのゴムは9種の異なるコーティングで塗られた。デニッシュ(Danish)の海水での航海シーズン(5ヶ月)の後、その結果が評価された。評価は、0から5までの評点を使用した成長の数量化である。ここで、0は、汚損成長がなく、5は、汚損成長によってパネルが完全に覆われている。
【0345】
スターボードサイド(starbord side)のゴム
【表6】

【0346】
臨港のゴム
【表7】

【0347】
試験の評価
【表8】

【表9】

【0348】
試験された組成物は以下のものである。
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングして表面の汚損を削減または防止するための1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項2】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の有機エーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項3】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の無機エーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項4】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上のシリカエーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項5】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上のカーボンエーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項6】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の酸化アルミニウムエーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項7】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の酸化クロムエーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項8】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の酸化スズエーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項9】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の臭化酸化物エーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項10】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上のケイ素/チタニアエーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項11】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上のケイ素/ホウ酸塩エーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項12】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上のケイ素/ジルコン酸塩エーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項13】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の金属エーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項14】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上のレゾルシノール−ホルムアルデヒドエーロゲルである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項15】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、先行技術に記載されたエーロゲルまたはそれらの組み合わせのいずれかである請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項16】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、異なる請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項17】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、同一である請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項18】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、たとえば、0.05g/mol〜0.45g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.4g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.35g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.35g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.25g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.2g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.15g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.1g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.1g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.2g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.25g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.3g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.35g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.4g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.45g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.05g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.95g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.9g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.85g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.8g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.75g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.7g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.65g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.6g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.55g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.5g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.45g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.4g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.35g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.25g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.2g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.15g/mol、たとえば、0.05g/mol〜0.1g/mol、たとえば、0.1g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.15g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.2g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.25g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.3g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.35g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.4g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.45g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.5g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.55g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.6g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.65g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.7g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.75g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.8g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.85g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.9g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.95g/mol〜1.0g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.16g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.17g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.18g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.19g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.20g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.21g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.22g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.23g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.24g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.25g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.26g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.27g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.28g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.29g/mol〜0.3g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.29g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.28g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.27g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.26g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.25g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.24g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.23g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.22g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.21g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.20g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.19g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.18g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.17g/mol、たとえば、0.15g/mol〜0.16g/molなどの0.05〜1.0g/molの範囲内の密度を有する請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項19】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、たとえば、500m2/g〜1950m2/g、たとえば、500m2/g〜1900m2/g、たとえば、500m2/g〜1850m2/g、たとえば、500m2/g〜1800m2/g、たとえば、500m2/g〜1750m2/g、たとえば、500m2/g〜1700m2/g、たとえば、500m2/g〜1650m2/g、たとえば、500m2/g〜1600m2/g、たとえば、500m2/g〜1550m2/g、たとえば、500m2/g〜1500m2/g、たとえば、500m2/g〜1450m2/g、たとえば、500m2/g〜1400m2/g、たとえば、500m2/g〜1350m2/g、たとえば、500m2/g〜1300m2/g、たとえば、500m2/g〜1250m2/g、たとえば、500m2/g〜1200m2/g、たとえば、500m2/g〜1150m2/g、たとえば、500m2/g〜1100m2/g、たとえば、500m2/g〜1050m2/g、たとえば、500m2/g〜1000m2/g、たとえば、500m2/g〜950m2/g、たとえば、500m2/g〜900m2/g、たとえば、500m2/g〜850m2/g、たとえば、500m2/g〜800m2/g、たとえば、500m2/g〜750m2/g、たとえば、500m2/g〜700m2/g、たとえば、500m2/g〜650m2/g、たとえば、500m2/g〜600m2/g、たとえば、500m2/g〜550m2/g、たとえば、500m2/g〜2000m2/g、たとえば、550m2/g〜2000m2/g、たとえば、600m2/g〜2000m2/g、たとえば、650m2/g〜2000m2/g、たとえば、700m2/g〜2000m2/g、たとえば、750m2/g〜2000m2/g、たとえば、800m2/g〜2000m2/g、たとえば、850m2/g〜2000m2/g、たとえば、900m2/g〜2000m2/g、たとえば、950m2/g〜2000m2/g、たとえば、1000m2/g〜2000m2/g、たとえば、1050m2/g〜2000m2/g、たとえば、1100m2/g〜2000m2/g、たとえば、1150m2/g〜2000m2/g、たとえば、1200m2/g〜2000m2/g、たとえば、1250m2/g〜2000m2/g、たとえば、1300m2/g〜2000m2/g、たとえば、1350m2/g〜2000m2/g、たとえば、1400m2/g〜2000m2/g、たとえば、1450m2/g〜2000m2/g、たとえば、1500m2/g〜2000m2/g、たとえば、1550m2/g〜2000m2/g、たとえば、1600m2/g〜2000m2/g、たとえば、1650m2/g〜2000m2/g、たとえば、1700m2/g〜2000m2/g、たとえば、1750m2/g〜2000m2/g、たとえば、1800m2/g〜2000m2/g、たとえば、1850m2/g〜2000m2/g、たとえば、1900m2/g〜2000m2/g、たとえば、1950m2/g〜2000m2/g、たとえば、800m2/g〜1500m2/g、たとえば、850m2/g〜1500m2/g、たとえば、900m2/g〜1500m2/g、たとえば、950m2/g〜1500m2/g、たとえば、1000m2/g〜1500m2/g、たとえば、1050m2/g〜1500m2/g、たとえば、1100m2/g〜1500m2/g、たとえば、1150m2/g〜1500m2/g、たとえば、1200m2/g〜1500m2/g、たとえば、1250m2/g〜1500m2/g、たとえば、1300m2/g〜1500m2/g、たとえば、1350m2/g〜1500m2/g、たとえば、1400m2/g〜1500m2/g、たとえば、1450m2/g〜1500m2/g、たとえば、800m2/g〜1450m2/g、たとえば、800m2/g〜1400m2/g、たとえば、800m2/g〜1350m2/g、たとえば、800m2/g〜1300m2/g、たとえば、800m2/g〜1250m2/g、たとえば、800m2/g〜1200m2/g、たとえば、800m2/g〜1150m2/g、たとえば、800m2/g〜1100m2/g、たとえば、800m2/g〜1050m2/g、たとえば、800m2/g〜1000m2/g、たとえば、800m2/g〜950m2/g、たとえば、800m2/g〜900m2/g、たとえば、800m2/g〜850m2/gなどの500m2/g〜2000m2/gの範囲内の表面積を有する請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項20】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、たとえば、1〜24nm、たとえば、1〜22nm、たとえば、1〜20nm、たとえば、1〜18nm、たとえば、1〜16nm、たとえば、1〜14nm、たとえば、1〜12nm、たとえば、1〜10nm、たとえば、1〜8nm、たとえば、1〜6nm、たとえば、1〜4nm、たとえば、1〜2nm、たとえば、2〜25nm、たとえば、4〜25nm、たとえば、6〜25nm、たとえば、8〜25nm、たとえば、10〜25nm、たとえば、12〜25nm、たとえば、14〜25nm、たとえば、16〜25nm、たとえば、18〜25nm、たとえば、20〜25nm、たとえば、22〜25nm、たとえば、24〜25nm、たとえば、1〜5nm、たとえば、5〜10nm、たとえば、10〜15nm、たとえば、15〜20nm、たとえば、20〜25nm、たとえば、2〜10nm、たとえば、2〜9nm、たとえば、2〜8nm、たとえば、2〜7nm、たとえば、2〜6nm、たとえば、2〜5nm、たとえば、2〜4nm、たとえば、2〜3nm、たとえば、3〜10nm、たとえば、3〜9nm、たとえば、3〜8nm、たとえば、3〜7nm、たとえば、3〜6nm、たとえば、3〜5nm、たとえば、3〜4nm、たとえば、4〜10nm、たとえば、4〜9nm、たとえば、4〜8nm、たとえば、4〜7nm、たとえば、4〜6nm、たとえば、4〜5nm、たとえば、5〜9nm、たとえば、5〜8nm、たとえば、5〜7nm、たとえば、5〜6nm、たとえば、6〜10nm、たとえば、6〜9nm、たとえば、6〜8nm、たとえば、6〜7nm、たとえば、7〜10nm、たとえば、7〜9nm、たとえば、7〜8nm、たとえば、8〜10nm、たとえば、8〜9nm、たとえば、9〜10nmなどの1〜25nmの範囲内の孔径を有する請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項21】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、2〜5nmの孔径を有する請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項22】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、シリケートおよびジアルキルシリケート単位を使用することによって親水性の性質を有するように調整される請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項23】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、シリケートおよびジアルキルシリケート単位を使用することによって疎水性の性質を有するように調整される請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項24】
前記1種または2種以上のエーロゲルの疎水性が、シリケートおよびジアルキルシリケート単位を使用することによって調整される請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項25】
前記シリケートおよびジアルキルシリケート単位が、たとえば、たとえば、98:2、たとえば、96:4、たとえば、95:5、たとえば、94:6、たとえば、92:8、たとえば、90:10、たとえば、88:12、たとえば、86:14、たとえば、85:15、たとえば、84:16、たとえば、82:18などの100:0〜80:20の範囲内で混合された請求項24に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項26】
前記1種または2種以上のエーロゲルの前記疎水性が、官能化によって調整される請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項27】
前記官能化が、前記1種または2種以上のエーロゲルの作製中に発生する請求項26に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項28】
前記官能化が、液相官能化によって発生する請求項26に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項29】
前記官能化が、気相官能化によって発生する請求項26に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項30】
前記1種または2種以上のエーロゲルの前記疎水性が、ケイ素組成物のアルキル基を含むモノマーを使用することによって調整される請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項31】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、生体適合する請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項32】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、時間がたつと分解する請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項33】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、自己研磨効果を含む請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項34】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、内包された1種または2種以上の生理活性剤をさらに含む請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項35】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、時間がたつと前記1種または2種以上のエーロゲルから放出される請求項34に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項36】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、1種または2種以上のタンパク質を含む請求項34に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項37】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、1種または2種以上の酵素を含む請求項34に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項38】
前記1種または2種以上の酵素が、1種または2種以上のヘミセルロース分解活性酵素を含む請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項39】
前記1種または2種以上の酵素が、1種または2種以上のアミロース分解活性酵素を含む請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項40】
前記1種または2種以上の酵素が、1種または2種以上のセルロース分解活性酵素を含む請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項41】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、1種または2種以上のエンドペプチターゼを含む請求項34に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項42】
前記1種または2種以上のエンドペプチターゼが、ズブチリシン(EC 3.4.21.62)を含む請求項41に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項43】
前記ズブチリシン(EC 3.4.21.62)が、以下の特徴:(i)約7〜10の範囲内のpHで最適な活性、および(ii)約55〜65℃の範囲内の温度で最適な活性、を有する請求項42に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項44】
前記ズブチリシン(EC 3.4.21.62)が、アルカラーゼ(登録商標)である請求項42に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項45】
前記1種または2種以上のヘミセルロース分解活性酵素が、エンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)、キシランエンド−1,3−β−キシロシダーゼ(E.C.3.2.1.32)、グルクロノアラビノキシランエンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.136)、β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.25)、マンナンエンド−1,4−β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.78)およびマンナンエンド−1,6−β−マンノシダーゼ(E.C.3.2.1.101)からなる群から選択される請求項38に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項46】
前記1種または2種以上のヘミセルロース分解活性酵素が、キシラナーゼである請求項38に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項47】
前記1種または2種以上のキシラナーゼが、エンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)である請求項46に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項48】
前記1種または2種以上のアミロース分解活性酵素が、アミラーゼである請求項39に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項49】
前記1種または2種以上のアミロース分解活性酵素が、α−およびβ−アミラーゼ、アミログルコシダーゼ(E.C.3.2.1.3)、プルラナーゼ、α−1,6−エンドグルカナーゼ、α−1,4−エキソグルカナーゼならびにイソアミラーゼからなる群から選択される請求項39に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項50】
前記1種または2種以上のアミロース分解活性酵素が、アミログルコシダーゼである請求項39に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項51】
前記アミログルコシダーゼが、1,4−α−グルコシダーゼである請求項50に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項52】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、少なくとも1種のキシラナーゼおよび少なくとも1種のアミログルコシダーゼを含む請求項34に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項53】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、少なくとも1種のエンド−1,4−β−キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)および少なくとも1種の1,4−α−グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.3)を含む請求項34に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項54】
前記1種または2種以上の酵素が、化合物に作用できる1種または2種以上の酸化酵素活性を有し、前記作用の結果、防汚活性を含む防汚種が形成され、前記化合物が前記組成物の一部を形成しない請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項55】
前記1種または2種以上の酸化酵素活性が、結果として過酸化物を形成する請求項54に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項56】
前記過酸化物が、過酸化水素である請求項55に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項57】
前記1種または2種以上の酵素が、ハロペルオキシダーゼでない請求項54に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項58】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、Cl、BrおよびIを含むハロゲンを含まない請求項54に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項59】
前記化合物が、還元され得る糖類を含むか、または還元され得る糖類からなる請求項54〜58のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項60】
前記化合物が、グルコース、アミノ酸、ガラクトース、ラクトース、2−デオキシグルコースおよびピラノースからなる、それらの混合物を含む群から選択される請求項59に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項61】
前記化合物が、グルコース、マルトース、ラクトースおよびセロビオースである請求項60に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項62】
前記化合物が、グルコースである請求項60に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項63】
前記酵素が、リンゴ酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、ヘキソース酸化酵素、コレステロール酸化酵素、アリールアルコール酸化酵素、ガラクトース酸化酵素、アルコール酸化酵素、ラソステロール酸化酵素、アスパラギン酸酸化酵素、L−アミノ酸酸化酵素、D−アミノ酸酸化酵素、アミン酸化酵素、D−グルタミン酸酸化酵素、エタノールアミン酸化酵素、NADH酸化酵素、尿酸酸化酵素(ウリカーゼ)およびスーパーオキシドジスムターゼからなる群から選択される請求項59〜62のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項64】
前記酵素が、ヘキソース酸化酵素活性を含む請求項59〜62のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項65】
前記酵素が、カラゲナンから分離される請求項63または64に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項66】
前駆体化合物を消化することができる少なくとも1種の前駆体酵素をさらに含む請求項59〜65のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項67】
前駆体酵素が、多糖類消化酵素である請求項66に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項68】
前記多糖類消化酵素が、ヘミセルロース分解活性を含む請求項67に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項69】
前記多糖類消化酵素が、アミロース分解活性を含む請求項67に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項70】
前記多糖類消化酵素が、セルロース分解活性を含む請求項67に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項71】
前記多糖類消化酵素の基質が、セルロース、ヘミセルロースおよびキチン質からなる群から選択される請求項67に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項72】
前記多糖類消化酵素のための前記基質が、前記組成物の一部を形成しない請求項71に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項73】
前記1種または2種以上の酵素が、1種または2種以上のリパーゼを含む請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項74】
前記リパーゼのための前記基質が、前記組成物の一部を形成しない請求項73に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項75】
前記組成物が、エステラーゼをさらに含む請求項1〜74のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項76】
前記エステラーゼのための前記基質が、前記組成物の一部を形成しない請求項75に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項77】
前記組成物が、プロテアーゼをさらに含む請求項1〜76のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項78】
前記プロテアーゼが、ズブチリシンタイプである請求項77に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項79】
前記プロテアーゼが、アルカラーゼである請求項77に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項80】
前記プロテアーゼのための前記基質が、組成物の一部を形成しない請求項77〜79のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項81】
前記プロテアーゼが、活性の結果、化合物を形成する前駆体酵素である請求項77〜80のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項82】
前記組成物が、リパーゼをさらに含む請求項1〜81のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項83】
前記リパーゼのための前記基質が、組成物の一部を形成しない請求項82に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項84】
前記1種または2種以上の酵素が、1種または2種以上の加水分解酵素を含む請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項85】
前記1種または2種以上の加水分解酵素が、1種または2種以上の多糖類を分解する請求項84に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項86】
前記1種または2種以上の加水分解酵素が、1種または2種以上の脂質を分解する請求項84に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項87】
前記1種または2種以上の酵素が、前記1種または2種以上のエーロゲルの3次元構造の中に活性的に組み込まれるように官能化される請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項88】
前記1種または2種以上のエーロゲルの中に内包された後、前記1種または2種以上の酵素がその活性を保持する請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項89】
前記1種または2種以上のエーロゲルの中に内包された後、前記1種または2種以上の酵素が、増加した活性を有する請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項90】
前記1種または2種以上の酵素が、1種または2種以上のエーロゲルの中に、それらの基質と一緒に内包される請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項91】
前記1種または2種以上の酵素が、前記1種または2種以上のエーロゲルの中に、それらの基質なしで内包される請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項92】
前記1種または2種以上の酵素が、前記1種または2種以上のエーロゲルの中に、1種または2種以上の他の生理活性剤と一緒に内包される請求項37に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項93】
前記1種または2種以上の生理活性剤が、前記エーロゲルの個々の区画に位置されている請求項1〜92のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項94】
前記1種または2種以上のエーロゲルの中に内包された後、前記1種または2種以上の生理活性剤が、その活性を保持する請求項1〜93のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項95】
前記1種または2種以上のエーロゲルの中に内包された後、前記1種または2種以上の生理活性剤が、その活性を改善する請求項1〜94のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項96】
前記1種または2種以上のエーロゲルの中に内包された後、前記1種または2種以上の生理活性剤が、安定化される請求項1〜95のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項97】
前記1種または2種以上のエーロゲルの中に内包された後、前記1種または2種以上の生理活性剤が、その熱的安定性を保持する請求項1〜96のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項98】
前記1種または2種以上のエーロゲルの中に内包された後、前記1種または2種以上の生理活性剤が、その熱的安定性を改善する請求項1〜97のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項99】
前記組成物が、ロジンをさらに含む請求項1〜98のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項100】
前記組成物が、1種または2種以上の防水剤をさらに含む請求項1〜99のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項101】
前記組成物が、1種または2種以上の表面活性剤をさらに含む請求項1〜100のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項102】
前記組成は、タンニン酸をさらに含む請求項1〜101のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項103】
前記組成物が、1種または2種以上の芳香剤をさらに含む請求項1〜102のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項104】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、約0.1〜10重量%の生理活性剤を含む請求項32に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項105】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、約0.2〜5重量%の生理活性剤を含む請求項32に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項106】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、約0.5〜1重量%の生理活性剤を含む請求項32に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項107】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上のペプチドを含む請求項32に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項108】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の医薬品組成物を含む請求項32に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項109】
前記1種または2種以上のエーロゲルが、1種または2種以上の小分子を含む請求項32に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項110】
前記表面が、少なくとも時折水に浸される表面であり、前記水が、淡水、塩水または汽水を含む請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項111】
前記表面が、小型の船および大型の船を含む船舶、船体、沖合の設備、パイプ、橋の基礎構造、桟橋、および養魚用の網を含む水産養殖の器具からなる群から選択される請求項110に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項112】
少なくとも1種の殺藻剤、殺草剤、殺真菌剤、軟体動物駆除剤または防汚活性を示す他の化合物をさらに含む請求項1に記載の1種または2種以上のエーロゲルを含む防汚組成物。
【請求項113】
請求項1〜112のいずれか1項に記載の1種または2種以上のエーロゲルおよびキャリヤーを含む防汚組成物を含むコーティング組成物。
【請求項114】
前記コーティング組成物が、木材、金属、石材、レンガ、コンクリートおよびプラスチックなどの表面の保護のために使用される請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項115】
前記コーティング組成物が、うわ薬を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項116】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の顔料を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項117】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上のバインダーを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項118】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上のビヒクルを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項119】
前記1種または2種以上の顔料が、1種または2種以上の主顔料または隠ぺい顔料を含む請求項116に記載のコーティング組成物。
【請求項120】
1種または2種以上の顔料が、1種または2種以上の不活性または体質顔料を含む請求項116に記載のコーティング組成物。
【請求項121】
前記1種または2種以上の下塗り剤または隠ぺい顔料が、二酸化チタンを含む請求項119に記載のコーティング組成物。
【請求項122】
前記1種または2種以上の下塗り剤または隠ぺい顔料が、酸化亜鉛を含む請求項119に記載のコーティング組成物。
【請求項123】
前記1種または2種以上の下塗り剤または隠ぺい顔料が、1種または2種以上の無機着色隠ぺい顔料を含む請求項119に記載のコーティング組成物。
【請求項124】
前記1種または2種以上の下塗り剤または隠ぺい顔料が1種または2種以上の有機着色隠ぺい顔料を含む請求項119に記載のコーティング組成物。
【請求項125】
前記1種または2種以上の不活性または体質顔料が、天然タイプの顔料を含む請求項120に記載のコーティング組成物。
【請求項126】
前記1種または2種以上の天然タイプの顔料が、様々な粘土、炭酸カルシウム、マイカ、シリカおよびタルクからなる群から選択され得る請求項125に記載のコーティング組成物。
【請求項127】
前記1種または2種以上の不活性または体質顔料が、合成タイプの顔料を含む請求項120に記載のコーティング組成物。
【請求項128】
前記1種または2種以上の合成タイプの顔料が、仮焼した粘土、永久白、沈殿炭酸カルシウムおよび合成シリカからなる群から選択され得る請求項127に記載のコーティング組成物。
【請求項129】
前記1種または2種以上のバインダーが、1種または2種以上の天然バインダーを含む請求項117に記載のコーティング組成物。
【請求項130】
前記1種または2種以上のバインダーが、1種または2種以上の合成バインダーを含む請求項117に記載のコーティング組成物。
【請求項131】
前記1種または2種以上のバインダーが、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、メラミン樹脂、エポキシおよびオイルからなる群から選択され得る請求項117に記載のコーティング組成物。
【請求項132】
前記1種または2種以上のバインダーが、単一の溶媒が蒸発するタイプである請求項117に記載のコーティング組成物。
【請求項133】
前記1種または2種以上のバインダーが、酸化架橋タイプである請求項117に記載のコーティング組成物。
【請求項134】
前記1種または2種以上のバインダーが、触媒重合タイプである請求項117に記載のコーティング組成物。
【請求項135】
前記1種または2種以上のバインダーが、融合タイプである請求項117に記載のコーティング組成物。
【請求項136】
前記1種または2種以上のビヒクルが加えられて、前記コーティング組成物の粘性を調整する請求項118に記載のコーティング組成物。
【請求項137】
前記1種または2種以上のビヒクルが、水を含む請求項118に記載のコーティング組成物。
【請求項138】
前記1種または2種以上のビヒクルが、1種または2種以上のオイルを含む請求項118に記載のコーティング組成物。
【請求項139】
前記1種または2種以上のビヒクルが、1種または2種以上の溶媒を含む請求項118に記載のコーティング組成物。
【請求項140】
前記1種または2種以上の溶媒が、脂肪族、芳香族、アルコール、ケトンを含む請求項139に記載のコーティング組成物。
【請求項141】
前記1種または2種以上の溶媒が、1種または2種以上の有機溶媒を含む請求項139に記載のコーティング組成物。
【請求項142】
前記1種または2種以上の有機溶媒が、石油蒸留物、アルコール、ケトン、エステル、グリコールエーテルを含む請求項141に記載のコーティング組成物。
【請求項143】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の希釈剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項144】
前記1種または2種以上の希釈剤が、揮発性低分子量合成樹脂を含む請求項143に記載のコーティング組成物。
【請求項145】
前記コーティング組成物が、ウェットエッジを改善する1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項146】
前記コーティング組成物が、顔料安定性を改善する1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項147】
前記コーティング組成物が、凍結防止の性質を与える1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項148】
前記コーティング組成物が、発泡を制御する1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項149】
前記コーティング組成物が、皮張りを制御する1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項150】
前記コーティング組成物が、増粘剤として機能する1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項151】
前記コーティング組成物が、融合溶媒として機能する1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項152】
前記コーティング組成物が、殺生物剤として機能する1種または2種以上の添加剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項153】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上のフィラーを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項154】
前記1種または2種以上のフィラーが、タルク、ライム、バライトおよび粘土からなる群から選択され得る請求項153に記載のコーティング組成物。
【請求項155】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の触媒を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項156】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の安定剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項157】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の乳化剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項158】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の調質剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項159】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の粘着力促進剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項160】
前記コーティング組成物が、1種または2種以上の平坦化剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項161】
前記コーティング組成物が、ラテックス塗料を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項162】
前記コーティング組成物が、下塗り剤を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項163】
前記コーティング組成物が、ワニスを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項164】
前記コーティング組成物が、セラックを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項165】
前記コーティング組成物が、ウッドステインを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項166】
前記コーティング組成物が、ラッカーを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項167】
前記コーティング組成物が、エナメル塗料を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項168】
前記コーティング組成物が、うわ薬を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項169】
前記コーティング組成物が、屋根コーティングを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項170】
前記コーティング組成物が、指頭画法用の絵の具を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項171】
前記コーティング組成物が、インクを含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項172】
前記コーティング組成物が、反落書き塗料を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項173】
前記コーティング組成物が、反登り塗料を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項174】
前記コーティング組成物が、無VOC塗料を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項175】
前記コーティング組成物が、低VOC塗料を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項176】
前記コーティング組成物が、たとえば、約0.1〜9未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜8未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜7未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜6未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜5.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜5.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜4.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜4.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜3.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜3.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜2.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約2.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約1.5未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約1.0未満%(w/w)、たとえば、約0.1〜約0.5未満%(w/w)などの約0.1〜好ましくは10未満%(w/w)の範囲内の1種または2種以上の酵素を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項177】
前記コーティング組成物が、たとえば、約0.2%(w/w)〜約0.4%(w/w)の範囲内の、たとえば、コーティング組成物の約0.4%(w/w)〜約0.6%(w/w)、たとえば、約0.6%(w/w)〜約0.8%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約0.8%(w/w)〜約1.0%(w/w)、たとえば、約1.0%(w/w)〜約1.2%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約1.2%(w/w)〜約1.4%(w/w)、たとえば、約1.4%(w/w)〜約1.6%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約1.6%(w/w)〜約1.8%(w/w)、たとえば、約1.8%(w/w)〜約2.0%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約2.0%(w/w)〜約2.5%(w/w)、たとえば、約2.5%(w/w)〜約3.0%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約3.0%(w/w)〜約3.5%(w/w)、たとえば、約3.5%(w/w)〜約4.0%(w/w)、たとえば、コーティング組成物の約4.0%(w/w)〜約4.5%(w/w)、たとえば、約4.5%(w/w)〜約5.0%(w/w)の範囲内の1種または2種以上の酵素を含む請求項113に記載のコーティング組成物。
【請求項178】
水生生物体による表面の汚損を防止する方法であって、前記方法が、有効な量の請求項113〜177のいずれか1項に記載の防汚コーティング組成物を前記表面に塗布する工程を含む方法。
【請求項179】
前記水生生物体が、細菌、原生動物、菌類、藻類および無脊椎動物からなる群から選択される請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記水生生物体が、フジツボおよびゴカイから選択される請求項178に記載の方法。
【請求項181】
前記水生生物体が、バラヌスガリタス、タテジマフジツボ、エルミニアスモデスタス、ヨーロッパフジツボおよびバラヌスバラノイデスを含むバルナクルス亜綱である請求項178に記載の方法。
【請求項182】
汚損生物体によって接触される表面、または前記接触の危険がある表面を処理する方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物またはコーティング組成物の有効な量で、接触させる工程を含み、前記接触が結果として前記汚損を除去するか、または前記汚損を少なくとも減少させる方法。
【請求項183】
表面の汚損を防止または減少させる方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が結果として前記表面の汚損を防止または減少させる方法。
【請求項184】
汚損生物体を含む流動性組成物によって接触される表面を処理する方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物またはコーティング組成物の有効な量で、接触させる工程を含み、前記接触が前記表面の汚損を防止するか、または、結果として前記表面の汚損を減少させる方法。
【請求項185】
前記表面が、少なくとも部分的に海水に浸されている請求項178〜184のいずれか1項に記載の方法。
【請求項186】
前記表面が、換気のためのパイプの内側または外側の表面である請求項178〜184のいずれか1項に記載の方法。
【請求項187】
前記表面が、建築物の内壁である請求項178〜184のいずれか1項に記載の方法。
【請求項188】
表面を消毒する方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記表面を消毒する方法。
【請求項189】
表面から微生物体を除去する方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記表面から微生物を除去する方法。
【請求項190】
対象物をコーティングする方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記対象物をコーティングする方法。
【請求項191】
表面を封止する方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として外部環境から前記表面を封止する方法。
【請求項192】
海洋腐食を減少または除去する方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として海洋腐食を減少または除去する方法。
【請求項193】
表面を保護する方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として前記表面を保護する方法。
【請求項194】
望ましくない微生物の細胞を殺す方法であって、前記方法が、前記表面を、請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物と、前記組成物もしくはコーティング組成物の有効な量で、または衛生学的組成物と接触させる工程を含み、前記接触が、結果として望ましくない微生物の細胞を殺す方法。
【請求項195】
防汚種を発生させる方法であって、前記方法が、化合物に作用できる少なくとも1種の酵素を含む組成物を用意する工程、前記化合物をさらに用意する工程、および前記少なくとも1種の酵素を前記化合物と接触させることによって前記防汚種を形成する工程を含み、前記作用が、結果として防汚活性を含む防汚種を形成し、前記化合物が、前記組成物の一部を形成せしない方法。
【請求項196】
請求項1〜177のいずれか1項に記載の組成物を作る方法であって、前記方法が、少なくとも1種の顔料および、化合物に作用できる少なくとも1種の酵素を用意する工程、前記少なくとも1種の酵素のためのキャリヤーをさら用意する工程、および前記少なくとも1種の酵素を前記キャリヤーと接触させることによって前記組成物を形成する工程を含み、前記作用が、結果として防汚活性を含む防汚種を形成し、前記化合物が、前記組成物の一部を形成しない方法。
【請求項197】
コーティング組成物を製造するときの酸化酵素活性を含む少なくとも1種の酵素の使用であって、前記コーティング組成物が、前記酸化酵素活性のための基質を全く含まない使用。
【請求項198】
住居システムの中を清潔にするときの酸化酵素活性を含む少なくとも1種の酵素の使用であって、前記システムが、前記酸化酵素活性のための基質を全く含まない使用。
【請求項199】
1種または2種以上の酵素の制御された放出のための分解できる防汚コーティング組成物であって、
前記防汚コーティング組成物が、
i)1種または2種以上のポリマーを使用して強化されたエーロゲル基体を含む複合組成物、および
ii)1種または2種以上の酵素が防汚活性を汚損生物体に及ぼすことを可能にする形態で、前記複合組成物に内包され、結合された1種または2種以上の酵素を含み、
前記複合組成物が、前記汚損生物体が存在する環境の中で、時間とともに徐々に分解されることができ、
前記複合組成物が徐々に分解する結果、前記1種または2種以上の酵素が、前記汚損生物体が存在する環境に、徐々に、さらされるか、または放出される防汚コーティング組成物。
【請求項200】
i)液体アルコールをシリコンアルコキシド前駆体と混合して、二酸化ケイ素ゾル−ゲル(シリカゲル)を作製する工程、
ii)超臨界乾燥により前記シリカゲルを乾燥することによって前記アルコールを除去する工程を含むエーロゲルを作製する方法。
【請求項201】
i)アルコールに溶けているテトラアルコキシシロキサンを加水分解する工程、
ii)超臨界CO2と置換することによって前記アルコールを除去する(シリカゲル)工程を含むエーロゲルを作製する方法。
【請求項202】
i)アルコールに溶けているテトラアルコキシシロキサンを加水分解する工程、
ii)DCCA(Drying Control Chemical Additives)を加えることによって、前記アルコールを除去する工程を含むエーロゲルを作製する方法。
【請求項203】
i)アルコールに溶けているテトラアルコキシシロキサンを加水分解する工程、
ii)雰囲気圧乾燥により前記アルコールを除去する工程を含むエーロゲルを作製する方法。
【請求項204】
i)アルコールに溶けているテトラアルコキシシロキサンを加水分解する工程、
ii)冷結乾燥により前記アルコールを除去する工程を含むエーロゲルを作製する方法。
【請求項205】
ゾル−ゲルプロセスを含むエーロゲルを作製する方法。
【請求項206】
前記ゾル−ゲルプロセスが、100℃未満の温度で実施される請求項205に記載の方法。
【請求項207】
前記エーロゲルが、前記エーロゲルの疎水性を調整するために1〜10%のジメチルジアルコキシシロキサンをさらに含む請求項200〜206のいずれか1項に記載の方法。
【請求項208】
前記Siが、Ti、Alおよび/またはBrで置換される請求項200〜207のいずれか1項に記載の方法。
【請求項209】
前記Siが、Ti、Alおよび/またはBrで部分的に置換される請求項200〜208のいずれか1項に記載の方法。
【請求項210】
1種または2種以上の生理活性剤を内包させる工程をさらに含む請求項200〜209のいずれか1項に記載の方法。
【請求項211】
前記内包された1種または2種以上の生理活性剤が、改質され、そして前記エーロゲルの3次元ネットワークの中に組み込まれる請求項210に記載の方法。
【請求項212】
前記1種または2種以上の生理活性剤の改質が、1種または2種以上のアミノ基の改質を含む請求項211に記載の方法。
【請求項213】
前記1種または2種以上の生理活性剤の改質が、1種または2種以上のチオール基の改質を含む請求項211に記載の方法。
【請求項214】
前記1種または2種以上の生理活性剤の改質が、1種または2種以上のOH基の改質を含む請求項211に記載の方法。
【請求項215】
請求項200〜214のいずれか1項に記載の方法によって作り出されたエーロゲルの3次元ネットワークの中に組み込まれた1種または2種以上の生理活性剤を含むエーロゲル。
【請求項216】
有機溶媒を含むコーティング組成物中の生理活性剤の量を増加させる方法であって、
前記方法が、
e)有機溶媒を含むコーティングを用意する工程、
f)中に閉じ込められた1種または2種以上の生物学的活性酵素を含むエーロゲルを用意する工程、
g)工程a)で用意された前記コーティング組成物を、工程b)で用意された、中に閉じ込められた前記1種または2種以上の生物学的酵素を含む前記エーロゲルと混合する工程、
h)それによって、有機溶媒を含むコーティング組成物および中に閉じ込められた1種または2種以上の生物学的活性酵素を含むエーロゲルを得る工程を含み、
前記1種または2種以上の生物学的活性酵素は、前記1種または2種以上の酵素が前記エーロゲル構造に内包されていない場合に比べて、より高い濃度で存在し、および/または、より高い生物学的活性を有する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−503302(P2011−503302A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533437(P2010−533437)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050272
【国際公開番号】WO2009/062518
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510130859)ビオロクス アクティーゼルスカブ (1)
【Fターム(参考)】