オイル劣化抑制装置
【課題】通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができるオイル劣化抑制装置を提供する。
【解決手段】本オイル劣化抑制装置1は、オイルを濾過する濾材10を備える濾過部3と、オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤15を備える劣化抑制部4と、を備え、劣化抑制部は、劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁16を備える。
【解決手段】本オイル劣化抑制装置1は、オイルを濾過する濾材10を備える濾過部3と、オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤15を備える劣化抑制部4と、を備え、劣化抑制部は、劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁16を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイル劣化抑制装置に関し、さらに詳しくは、通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができるオイル劣化抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の濾材として、内燃機関で生じるカーボン、酸、劣化物等を除去するための微粒子(例えば、ハイドロタルサイト等)及び繊維からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この濾材を用いたオイルフィルタでは、例えば、図15に示すように、濾材110を収容するハウジング102には、オイルパンから送られるオイルをハウジング102内部に流入させるオイル流入路107と、濾材110で濾過されたオイルをエンジンの潤滑対象部(例えば、クランクシャフト、シリンダー壁、動弁機構等)に流出させるオイル流出路108と、が形成されている。そして、オイル流入路107からハウジング102内部に流入されるオイルは、濾材110で濾過されつつ微粒子115によりカーボンが除去されてオイル流出路108からエンジンの潤滑部に流出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−296408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のオイルフィルタでは、オイルパンから送られる全てのオイルが濾材を通過する形態(いわゆる、フルフロー形態)であるため、濾材を構成するハイドロタルサイト等の微粒子が抵抗となり圧力損失が上昇してしまう問題がある。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができるオイル劣化抑制装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、オイルを濾過する濾材を備える濾過部と、オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤を備える劣化抑制部と、を備え、前記劣化抑制部は、前記劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁を備えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記流路壁は、渦巻状又は同心円状に設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記流路壁は、波状に形成された波状部を有することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記劣化抑制部と筒状の前記濾過部とを軸方向に沿って収容するハウジングを備え、前記ハウジングの内壁と前記劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積は、前記ハウジングの内壁と前記濾過部の外周側との間の空間の横断面積より小さくされ、前記ハウジングには、前記劣化抑制部の前記濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口が形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項において、前記流路壁は、前記濾過部の外周を覆うように配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のオイル劣化抑制装置によると、劣化抑制部でオイルの劣化が抑制されるとともに濾過部でオイルが濾過される。そして、劣化抑制部では、劣化抑制剤を保持した流路壁の表面側に沿ってオイルが流れることでオイルの劣化が抑制される。これにより、劣化抑制部ではオイルがクロスフローされることとなり、オイルの通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができる。
また、前記流路壁が、渦巻状又は同心円状に設けられている場合は、劣化抑制部の小型化を図りつつオイル流路を大きく確保できるため、オイルの通油抵抗を更に低減できるとともに、劣化抑制部によるオイルの劣化抑制効果を更に高めることができる。
また、前記流路壁が、波状部を有する場合は、渦巻状又は同心円状の隣り合う流路壁の間隔を大きくして更に大きなオイル流路を確保できる。
また、前記劣化抑制部と筒状の前記濾過部とを軸方向に沿って収容するハウジングを備え、前記ハウジングの内壁と前記劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積は、前記ハウジングの内壁と前記濾過部の外周側との間の空間の横断面積より小さくされ、前記ハウジングには、前記劣化抑制部の前記濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口が形成されている場合は、オイル流入路からハウジング内に流入するオイルは、劣化抑制部及び濾過部の順に通過して流れ、劣化抑制部では渦巻状又は同心円状の隣り合う流路壁の隙間をより円滑且つ確実に流れる。
さらに、前記流路壁が、前記濾過部の外周を覆うように配置されている場合は、装置の小型化を図りつつ流路壁の内周側と濾過部の外周側との間にオイル流路を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1に係るオイル劣化抑制装置の縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面拡大図である。
【図3】図1のIII−III線断面拡大図である。
【図4】上記オイル劣化抑制装置の作用を説明するための説明図である。
【図5】上記オイル劣化抑制装置の作用を説明するための説明図である。
【図6】実施例2に係るオイル劣化抑制装置の縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面拡大図である。
【図8】上記オイル劣化抑制装置の作用を説明するための説明図である。
【図9】その他の形態の劣化抑制部を説明するための説明図であり、(a)は流路壁が同心円状に設けられた形態を示し、(b)は流路壁が波状部を有する形態を示す。
【図10】更にその他の形態の劣化抑制部の斜視図である。
【図11】更にその他の形態の劣化抑制部の縦断面展開図である。
【図12】更にその他の形態の劣化抑制部の縦断面展開図である。
【図13】更にその他の形態の劣化抑制部を説明するための説明図であり、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図14】更にその他の形態の劣化抑制部を説明するための説明図であり、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を有する形態を示す。
【図15】従来のオイルフィルタの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.オイル劣化抑制装置
本実施形態1.に係るオイル劣化抑制装置(1、21)は、オイルを濾過する濾材(10)を備える濾過部(3、23)と、オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤(15、27)を備える劣化抑制部(4、24)と、を備え、劣化抑制部は、劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁(16、28)を備えることを特徴とする(例えば、図1及び図6等参照)。
【0011】
なお、上記「粉状の劣化抑制剤」は、オイルの劣化を抑制できる限り、その種類、劣化抑制形態等は特に問わない。この劣化抑制剤としては、例えば、ハイドロタルサイト、ビスマス、炭酸セリウム、水酸化ジルコニア、チタン酸担持ジルコニア、オキシ炭酸ジルコニア等の無機イオン交換剤、ダイアイオン(商品名)等のイオン交換樹脂剤などを挙げることができる。これらのうち、オイル中の異物(特に、エンジンで生じる酸性物質等)の吸着性、耐熱性及び耐環境性といった観点から、ハイドロタルサイトであることが好ましい。また、上記劣化抑制剤の平均粒子径は、例えば、0.01〜500μm(好ましくは5〜200)であることができる。なお、上記「平均粒子径」とは、レーザー光回折法による粒度分布測定において累積重量が50%となる時の粒子径(メジアン径)を意図する。
【0012】
上記「流路壁」は、劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する限り、その材質、形状等は特に問わない。この流路壁は、通常、多孔層である。この流路壁としては、例えば、不織布、紙、織物、編物等の繊維体、ウレタン等の樹脂連泡体、樹脂多孔質フィルムなどを挙げることができる。この流路壁の空隙率は、例えば、0.5〜0.99(好ましくは0.8〜0.99)であることができる。これにより、劣化抑制剤を適当に分散して保持できるとともに、オイルが滲入し易く且つ厚さ方向に通過し難くい流路壁とすることができる。なお、上記「空隙率」は、通常、{1−〔流路壁の目付量/(流路壁の厚さ×流路壁を構成する材質の密度)〕}の式で算定される。この流路壁の目付量とは、流路壁の単位面積当たりの重量を意図する。
【0013】
本実施形態1.のオイル劣化抑制装置(1)としては、例えば、上記流路壁(16、31、33、38)は、渦巻状又は同心円状に設けられている形態(例えば、図2、図9及び図10等参照)を挙げることができる。この場合、通常、オイルは隣り合う流路壁の隙間を通過することで劣化が抑制される。なお、上記流路壁の巻き数、厚さ等はオイル流量等に応じて適宜選択できる。
【0014】
上述の形態の場合、例えば、上記流路壁(33、38)は、波状に形成された波状部(34)を有することができる(例えば、図9(b)及び図10等参照)。この場合、例えば、上記流路壁(34)は、上記波状部(34)の両表面側に積層される板状部(35)を有することができる(例えば、図10等参照)。これにより、オイル流路を高強度なハニカム構造とすることができる。
【0015】
上述の形態の場合、例えば、上記劣化抑制部(4)と筒状の濾過部(3)とを軸方向に沿って収容するハウジング(2)を備え、ハウジングの内壁と劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積(S1)は、ハウジングの内壁と濾過部の外周側との間の空間の横断面積(S2)より小さくされ、ハウジングには、劣化抑制部の濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口(7)が形成されていることができる(例えば、図1〜図3等参照)。この場合、例えば、上記オイル流入口(7)は、劣化抑制部(4)の軸方向の端面と対向して開口していることができる(例えば、図1等参照)。これにより、オイルは、渦巻状又は同心円状の隣り合う流路壁の間を更に円滑且つ確実に流れる。なお、上記各横断面積の比(S1/S2)は、例えば、0.1〜1(好ましくは0.25〜0.75)であることができる。
【0016】
本実施形態1.のオイル劣化抑制装置(21)としては、例えば、上記流路壁(28)は、濾過部(23)の外周を覆うように配置されている形態(例えば、図6等参照)を挙げることができる。この場合、例えば、筒状の上記濾過部(23)及び劣化抑制部(24)を収容するハウジング(2)を備え、ハウジングには、濾過部及び劣化抑制部のうちの少なくとの一方の軸方向の端面と対向して開口するオイル流入路(7)が形成されていることができる(例えば、図6等参照)。これにより、オイルは、流路壁と濾材との隙間をさらに円滑且つ確実に流れる。
【実施例】
【0017】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、エンジンオイル(以下、単に「オイル」とも記載する。)の劣化を抑制するオイル劣化抑制装置を例示する。
【0018】
<実施例1>
(1)オイル劣化装置の構成
本実施例に係るオイル劣化抑制装置1は、図1に示すように、ハウジング2内に軸方向に並んで収容される濾過部3及び劣化抑制部4を備えている。このハウジング2は、軸方向の一端側を開放した有底筒状の第1ケース5及び第2ケース6を備えている。これら各ケース5、6は、その開放端側に形成されたネジ部により着脱可能に固定されている。
【0019】
上記第1ケース5の底部には、ハウジング2内部にオイルを流入させるオイル流入路7と、ハウジング2内部からオイルを流出させるオイル流出路8と、が形成されている。このオイル流入路7は、劣化抑制部4の軸方向の端面と対向して開口している。また、オイル流入路7は、配管等を介してオイルを貯留するオイルパン9(図5参照)に接続されている。また、オイル流出路8は、エンジン内部に形成された通路等を介してエンジンの潤滑対象部(例えば、クランクシャフト、シリンダー壁、動弁機構等)に接続されている。
【0020】
上記濾過部3は、図1及び図3に示すように、オイルを濾過する濾材10と、この濾材10を支持する筒状のプロテクタ11と、を備えている。この濾材10は、不織布製のシート材をひだ折りして筒状(「菊花状」とも称される。)とされている。また、プロテクタ11は、濾材10を支持する第1支持部11aと、この第1支持部11aの一端側に連なり劣化抑制部4を支持する第2支持部11bと、を有している。この第1支持部11aには、多数の貫通孔12が形成されている。また、プロテクタ11は、その軸方向の一端側と第2ケース6の底部との間に設けられたバネ14により第1ケース5側に向かって付勢されている。また、プロテクタ11の軸方向の他端側は、第1ケース5の底部に形成された凸部5aに嵌挿されている。
【0021】
ここで、上記ハウジング2の内部空間は、濾材10及びプロテクタ11により、オイル流入路7に連なる濾過前の上流側空間R1(すなわち、濾過前のオイルが存在する空間)と、オイル流出路8に連なる濾過後の下流側空間R2(すなわち、濾過後のオイルが存在する空間)とに仕切られている。
【0022】
上記劣化抑制部4は、図1及び図2に示すように、オイルの劣化を抑制するハイドロタルサイトからなる粉状の劣化抑制剤15と、この劣化抑制剤15を保持し且つオイル流路を形成する流路壁16と、を備えている。この流路壁16は、プロテクタ11の第2支持部11bの外周側に巻き付けられ、ハウジング2の軸を中心として渦巻状に配置されている。また、流路壁16は、不織布製の多孔層からなり、その空隙率が約0.90とされている。よって、流路壁16は、劣化抑制剤15を適当に分散して保持するとともにオイルが滲入し易く且つ厚さ方向に通過し難くいものとされている。なお、本実施例では、流路壁16を成形する過程で粉状の劣化抑制剤15が分散混入されるものとする。また、上記劣化抑制部4及び濾過部3の軸方向の端縁はゴム製のシール材17で密封されている。
【0023】
ここで、上記第1ケース5の内周壁と劣化抑制部4の外周側との間の空間の横断面積S1(図2参照)は約240mm2とされ、第2ケース6の内周壁と濾過部3の外周側との間の空間の横断面積S2(図3参照)は約460mm2とされている。このように、上記間隔S1を間隔S2より小さく設定することで、オイルは渦巻状の隣り合う流路壁16の隙間を円滑且つ確実に流れる。
【0024】
(2)オイル劣化抑制装置の作用
次に、上記構成のオイル劣化抑制装置1の作用について説明する。ポンプ18(図5参照)の作動によりオイルパン9内に貯留されるオイルがオイル劣化抑制装置1に送られる。そして、図1に示すように、オイル流入路7に送られるオイルは、ハウジング2内部の上流側空間R1内に流入してハウジング2の軸方向に沿って流れて劣化抑制部4及び濾過部3を順次通過する。この劣化抑制部4において、オイルは、渦巻状の隣り合う流路壁16の隙間及びハウジング2の内壁と最外周側の流路壁16との間を通過する。このとき、流路壁16の表面側を流れるオイルは、流路壁16内に滲入して劣化抑制剤17と接触することで劣化が抑制されてから流路壁16の表面側に戻る(図4参照)。そして、劣化抑制部4を通過したオイルは、濾過部3に至り、濾材10によりオイル中の異物(例えば、塵埃、金属磨耗片、スラッジ等)が捕捉され、プロテクタ11の貫通孔12を介して下流側空間R2及びオイル流出路8を通ってエンジンの潤滑対象部に送られる。
【0025】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例によると、劣化抑制部4でオイルの劣化が抑制されるとともに濾過部3でオイルが濾過される。そして、劣化抑制部4では、劣化抑制剤15を保持した流路壁16の表面側に沿ってオイルが流れることでオイルの劣化が抑制される。これにより、劣化抑制部4ではオイルがクロスフローされることとなり、オイルの通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができる。
【0026】
また、本実施例では、流路壁16が、渦巻状に設けられているので、劣化抑制部4の小型化を図りつつオイル流路を大きく確保できる。よって、オイルの通油抵抗を更に低減できるとともに、劣化抑制部4によるオイルの劣化抑制効果を更に高めることができる。
【0027】
さらに、本実施例では、劣化抑制部4と筒状の濾過部3とを軸方向に沿って収容するハウジング2を備え、ハウジング2の内壁と劣化抑制部4の外周側との間の空間の横断面積S1は、ハウジング2の内壁と濾過部3の外周側との間の空間の横断面積S2より小さくされ、ハウジング2には、劣化抑制部4の濾過部3から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口7が形成されているので、オイル流入路7からハウジング2内に流入するオイルは、劣化抑制部4及び濾過部3の順に通過して流れ、劣化抑制部4では渦巻状の隣り合う流路壁16の隙間をより円滑且つ確実に流れる。特に、本実施例では、オイル流入口7が、劣化抑制部4の軸方向の端面と対向しているので、オイルは、渦巻状の隣り合う流路壁16の間を更に円滑且つ確実に流れる。
【0028】
<実施例2>
次に、本実施例2に係るオイル劣化抑制装置について説明する。なお、本実施例2のオイル劣化抑制装置において、上記実施例1に係るオイル劣化抑制装置1と略同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略する。
【0029】
(1)オイル劣化装置の構成
本実施例に係るオイル劣化抑制装置21は、図6及び図7に示すように、ハウジング2内に収容される複数組(図中2組)の濾過部23及び劣化抑制部24を備えている。このハウジング2は、第1ケース5及び第2ケース6を備えている。この第1ケース5の底部に形成されたオイル流入路7は、一方の組の濾過部23及び劣化抑制部24の軸方向の端面と対向して開口している。
【0030】
上記濾過部23は、オイルを濾過する濾材10と、この濾材10を支持する筒状のプロテクタ25と、を備えている。このプロテクタ25は、一方の組の濾材10を支持する第1支持部25aと、この第1支持部25aの軸方向の一端側に連なり他方の組の濾材10を支持する第2支持部25bと、を有している。これら各支持部25a、25bには、多数の貫通孔12が形成されている。
【0031】
ここで、上記ハウジング2の内部空間は、濾材10及びプロテクタ25により、オイル流入路7に連なる濾過前の上流側空間R1(すなわち、濾過前のオイルが存在する空間)と、オイル流出路8に連なる濾過後の下流側空間R2(すなわち、濾過後のオイルが存在する空間)とに仕切られている。
【0032】
上記劣化抑制部24は、オイルの劣化を抑制するハイドロタルサイトからなる粉状の劣化抑制剤27と、この劣化抑制剤27を保持し且つオイル流路を形成する円筒状の流路壁28と、を備えている。この流路壁28は、濾過部23の外周を覆うように配置されている。具体的には、流路壁28は、濾材10の外周側に接着剤等により固定されている。また、流路壁28は、不織布製の多孔層からなり、その空隙率が約0.98とされている。よって、流路壁28は、劣化抑制剤27を適当に分散して保持するとともにオイルが滲入し易く且つ厚さ方向に通過し難くいものとされている。なお、本実施例では、流路壁28を成形する過程で粉状の劣化抑制剤27が分散混入されるものとする。
【0033】
(2)オイル劣化抑制装置の作用
次に、上記構成のオイル劣化抑制装置21の作用について説明する。図6に示すように、オイル流入路7に送られるオイルは、ハウジング2内部の上流側空間R1内に流入してハウジング2の軸方向に沿って流れて複数組の劣化抑制部24及び濾過部23を順次通過する。各組の劣化抑制部24及び濾過部23において、オイルは、流路壁28の内周側と濾材10の外周側との間及びハウジング2の内壁と流路壁28の外周側との間を通過する。このとき、流路壁28の表面側を流れるオイルは、流路壁28に滲入して劣化抑制剤27と接触することで劣化が抑制されてから流路壁28の表面側に戻る(図8参照)。そして、劣化が抑制されたオイルは、濾過部23に至り、濾材10によりオイル中の異物(例えば、塵埃、金属磨耗片、スラッジ等)が捕捉され、プロテクタ25の貫通孔12を介して下流側空間R2及びオイル流出路6を通ってエンジンの潤滑対象部に送られる。
【0034】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のオイル劣化抑制装置21によると、実施例1のオイル劣化抑制装置1と略同様の作用効果を奏することに加えて、流路壁28が、濾過部23の外周を覆うように配置されているので、装置21の小型化を図りつつ流路壁28の内周側と濾過部23の外周側との間にオイル流路を構成できる。
【0035】
さらに、本実施例では、劣化抑制部24と筒状の濾過部23とを収容するハウジング2を備え、ハウジング2には、濾過部23及び劣化抑制部24の軸方向の端面と対向して開口するオイル流入路7が形成されているので、オイルは流路壁28と濾材10との隙間をより円滑且つ確実に流れる。
【0036】
尚、本発明においては、上記実施例1及び2に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例1では、渦巻状に配置される流路壁16を例示したが、これに限定されず、例えば、図9(a)に示すように、同心円状に配置される流路壁31としてもよい。
【0037】
また、上記実施例1及び2では、板状部のみからなる流路壁16、28を例示したが、これに限定されず、例えば、図9(b)に示すように、波状に形成された波状部からなる流路壁33を採用してもよい。これにより、隣り合う流路壁33の間隔を大きくして更に大きなオイル流路を確保できる。また、例えば、図10に示すように、波状に形成された波状部34と、この波状部34の両表面側に積層される板状部35と、を有し、一方の板状部35と波状部34との間に第1流路36を形成し且つ他方の板状部35と波状部34との間に第2流路37を形成してなる流路壁38を採用してもよい。これにより、オイル流路を高強度なハニカム構造とすることができる。
【0038】
上記ハニカム構造の流路壁38を採用する場合は、例えば、図11に示すように、第1流路36の長尺方向の一端側を封止材40で封止するとともに、第2流路37の長尺方向の他端側を封止材40で封止して構成してもよい。また、例えば、図12に示すように、第1流路36の長尺方向の両端側を封止材40で封止するとともに、第1流路36内に劣化抑制剤を封入して構成してもよい。
【0039】
また、上記実施例1及び2では、ハウジング2の軸方向に沿ってオイルが流れる流路壁16、28を例示したが、これに限定されず、例えば、図13に示すように、ハウジング2の軸方向に対して蛇行してオイルが流れる迷路構造を有する流路壁41を採用したり、図14に示すように、ハウジング2の軸を中心としてらせん状にオイルが流れる流路壁42を採用したりしてもよい。
【0040】
また、上記実施例1及び2では、不織布製の濾材10を例示したが、これに限定されず、例えば、濾材の材質としては、不織布、紙、織物、編物等の繊維体、ウレタン等の樹脂連泡体、樹脂多孔質フィルムなどを採用することができる。
【0041】
また、上記実施例1では、ハウジング2の内壁と流路壁16の外周面との間に隙間を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、ハウジング2の内壁に流路壁16の外周面を接触させるようにしてもよい。また、上記実施例2では、濾材10の外周側に流路壁28を固定するようにしたが、これに限定されず、例えば、ハウジング2の内壁に流路壁28を固定するようにしてもよい。また、上記実施例2では、単一の筒状の流路壁28を例示したが、これに限定されず、例えば、渦巻状又は同心円状の流路壁を採用してもよい。
【0042】
また、上記実施例1及び2では、ハウジング2が分解可能とされ、濾過部3、23及び劣化抑制部4、24を直接的に交換する形態(いわゆる、エレメント交換型)のオイル劣化抑制装置1、21を例示したが、これに限定されず、例えば、ハウジング2を含む装置全体を交換する形態(いわゆる、スピンオン型)のオイル劣化抑制装置としてもよい。
【0043】
また、上記実施例1及び2では、流路壁16、28内に劣化抑制剤15、27を保持し、流路壁16、28内へオイルを滲入させてオイルを劣化抑制剤に接触させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、流路壁の表面から露出するように劣化抑制剤を保持し、流路壁の表面側でオイルを劣化抑制剤に接触させるようにしてもよい。
【0044】
さらに、上記実施例1及び2では、ウェットサンプエンジンで用いられるオイル劣化抑制装置1、21を例示したが、これに限定されず、例えば、ドライサンプエンジンで用いられるオイル劣化抑制装置としたり、自動変速機で用いられるオイル劣化抑制装置としたりしてもよい。
【0045】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0046】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
オイルの劣化を抑制する技術として広く利用される。特に、乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車両のエンジンオイルの劣化を抑制する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0048】
1、21;オイル劣化抑制装置、2;ハウジング、3,23;濾過部、4,24;劣化抑制部、10;濾材、15,27;劣化抑制剤、16,28,31,33,38,41,42;流路壁。
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイル劣化抑制装置に関し、さらに詳しくは、通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができるオイル劣化抑制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の濾材として、内燃機関で生じるカーボン、酸、劣化物等を除去するための微粒子(例えば、ハイドロタルサイト等)及び繊維からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この濾材を用いたオイルフィルタでは、例えば、図15に示すように、濾材110を収容するハウジング102には、オイルパンから送られるオイルをハウジング102内部に流入させるオイル流入路107と、濾材110で濾過されたオイルをエンジンの潤滑対象部(例えば、クランクシャフト、シリンダー壁、動弁機構等)に流出させるオイル流出路108と、が形成されている。そして、オイル流入路107からハウジング102内部に流入されるオイルは、濾材110で濾過されつつ微粒子115によりカーボンが除去されてオイル流出路108からエンジンの潤滑部に流出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−296408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のオイルフィルタでは、オイルパンから送られる全てのオイルが濾材を通過する形態(いわゆる、フルフロー形態)であるため、濾材を構成するハイドロタルサイト等の微粒子が抵抗となり圧力損失が上昇してしまう問題がある。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができるオイル劣化抑制装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、オイルを濾過する濾材を備える濾過部と、オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤を備える劣化抑制部と、を備え、前記劣化抑制部は、前記劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁を備えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記流路壁は、渦巻状又は同心円状に設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記流路壁は、波状に形成された波状部を有することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、前記劣化抑制部と筒状の前記濾過部とを軸方向に沿って収容するハウジングを備え、前記ハウジングの内壁と前記劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積は、前記ハウジングの内壁と前記濾過部の外周側との間の空間の横断面積より小さくされ、前記ハウジングには、前記劣化抑制部の前記濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口が形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項において、前記流路壁は、前記濾過部の外周を覆うように配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のオイル劣化抑制装置によると、劣化抑制部でオイルの劣化が抑制されるとともに濾過部でオイルが濾過される。そして、劣化抑制部では、劣化抑制剤を保持した流路壁の表面側に沿ってオイルが流れることでオイルの劣化が抑制される。これにより、劣化抑制部ではオイルがクロスフローされることとなり、オイルの通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができる。
また、前記流路壁が、渦巻状又は同心円状に設けられている場合は、劣化抑制部の小型化を図りつつオイル流路を大きく確保できるため、オイルの通油抵抗を更に低減できるとともに、劣化抑制部によるオイルの劣化抑制効果を更に高めることができる。
また、前記流路壁が、波状部を有する場合は、渦巻状又は同心円状の隣り合う流路壁の間隔を大きくして更に大きなオイル流路を確保できる。
また、前記劣化抑制部と筒状の前記濾過部とを軸方向に沿って収容するハウジングを備え、前記ハウジングの内壁と前記劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積は、前記ハウジングの内壁と前記濾過部の外周側との間の空間の横断面積より小さくされ、前記ハウジングには、前記劣化抑制部の前記濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口が形成されている場合は、オイル流入路からハウジング内に流入するオイルは、劣化抑制部及び濾過部の順に通過して流れ、劣化抑制部では渦巻状又は同心円状の隣り合う流路壁の隙間をより円滑且つ確実に流れる。
さらに、前記流路壁が、前記濾過部の外周を覆うように配置されている場合は、装置の小型化を図りつつ流路壁の内周側と濾過部の外周側との間にオイル流路を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1に係るオイル劣化抑制装置の縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面拡大図である。
【図3】図1のIII−III線断面拡大図である。
【図4】上記オイル劣化抑制装置の作用を説明するための説明図である。
【図5】上記オイル劣化抑制装置の作用を説明するための説明図である。
【図6】実施例2に係るオイル劣化抑制装置の縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面拡大図である。
【図8】上記オイル劣化抑制装置の作用を説明するための説明図である。
【図9】その他の形態の劣化抑制部を説明するための説明図であり、(a)は流路壁が同心円状に設けられた形態を示し、(b)は流路壁が波状部を有する形態を示す。
【図10】更にその他の形態の劣化抑制部の斜視図である。
【図11】更にその他の形態の劣化抑制部の縦断面展開図である。
【図12】更にその他の形態の劣化抑制部の縦断面展開図である。
【図13】更にその他の形態の劣化抑制部を説明するための説明図であり、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を示す。
【図14】更にその他の形態の劣化抑制部を説明するための説明図であり、(a)は平面図を示し、(b)は正面図を有する形態を示す。
【図15】従来のオイルフィルタの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.オイル劣化抑制装置
本実施形態1.に係るオイル劣化抑制装置(1、21)は、オイルを濾過する濾材(10)を備える濾過部(3、23)と、オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤(15、27)を備える劣化抑制部(4、24)と、を備え、劣化抑制部は、劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁(16、28)を備えることを特徴とする(例えば、図1及び図6等参照)。
【0011】
なお、上記「粉状の劣化抑制剤」は、オイルの劣化を抑制できる限り、その種類、劣化抑制形態等は特に問わない。この劣化抑制剤としては、例えば、ハイドロタルサイト、ビスマス、炭酸セリウム、水酸化ジルコニア、チタン酸担持ジルコニア、オキシ炭酸ジルコニア等の無機イオン交換剤、ダイアイオン(商品名)等のイオン交換樹脂剤などを挙げることができる。これらのうち、オイル中の異物(特に、エンジンで生じる酸性物質等)の吸着性、耐熱性及び耐環境性といった観点から、ハイドロタルサイトであることが好ましい。また、上記劣化抑制剤の平均粒子径は、例えば、0.01〜500μm(好ましくは5〜200)であることができる。なお、上記「平均粒子径」とは、レーザー光回折法による粒度分布測定において累積重量が50%となる時の粒子径(メジアン径)を意図する。
【0012】
上記「流路壁」は、劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する限り、その材質、形状等は特に問わない。この流路壁は、通常、多孔層である。この流路壁としては、例えば、不織布、紙、織物、編物等の繊維体、ウレタン等の樹脂連泡体、樹脂多孔質フィルムなどを挙げることができる。この流路壁の空隙率は、例えば、0.5〜0.99(好ましくは0.8〜0.99)であることができる。これにより、劣化抑制剤を適当に分散して保持できるとともに、オイルが滲入し易く且つ厚さ方向に通過し難くい流路壁とすることができる。なお、上記「空隙率」は、通常、{1−〔流路壁の目付量/(流路壁の厚さ×流路壁を構成する材質の密度)〕}の式で算定される。この流路壁の目付量とは、流路壁の単位面積当たりの重量を意図する。
【0013】
本実施形態1.のオイル劣化抑制装置(1)としては、例えば、上記流路壁(16、31、33、38)は、渦巻状又は同心円状に設けられている形態(例えば、図2、図9及び図10等参照)を挙げることができる。この場合、通常、オイルは隣り合う流路壁の隙間を通過することで劣化が抑制される。なお、上記流路壁の巻き数、厚さ等はオイル流量等に応じて適宜選択できる。
【0014】
上述の形態の場合、例えば、上記流路壁(33、38)は、波状に形成された波状部(34)を有することができる(例えば、図9(b)及び図10等参照)。この場合、例えば、上記流路壁(34)は、上記波状部(34)の両表面側に積層される板状部(35)を有することができる(例えば、図10等参照)。これにより、オイル流路を高強度なハニカム構造とすることができる。
【0015】
上述の形態の場合、例えば、上記劣化抑制部(4)と筒状の濾過部(3)とを軸方向に沿って収容するハウジング(2)を備え、ハウジングの内壁と劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積(S1)は、ハウジングの内壁と濾過部の外周側との間の空間の横断面積(S2)より小さくされ、ハウジングには、劣化抑制部の濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口(7)が形成されていることができる(例えば、図1〜図3等参照)。この場合、例えば、上記オイル流入口(7)は、劣化抑制部(4)の軸方向の端面と対向して開口していることができる(例えば、図1等参照)。これにより、オイルは、渦巻状又は同心円状の隣り合う流路壁の間を更に円滑且つ確実に流れる。なお、上記各横断面積の比(S1/S2)は、例えば、0.1〜1(好ましくは0.25〜0.75)であることができる。
【0016】
本実施形態1.のオイル劣化抑制装置(21)としては、例えば、上記流路壁(28)は、濾過部(23)の外周を覆うように配置されている形態(例えば、図6等参照)を挙げることができる。この場合、例えば、筒状の上記濾過部(23)及び劣化抑制部(24)を収容するハウジング(2)を備え、ハウジングには、濾過部及び劣化抑制部のうちの少なくとの一方の軸方向の端面と対向して開口するオイル流入路(7)が形成されていることができる(例えば、図6等参照)。これにより、オイルは、流路壁と濾材との隙間をさらに円滑且つ確実に流れる。
【実施例】
【0017】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、エンジンオイル(以下、単に「オイル」とも記載する。)の劣化を抑制するオイル劣化抑制装置を例示する。
【0018】
<実施例1>
(1)オイル劣化装置の構成
本実施例に係るオイル劣化抑制装置1は、図1に示すように、ハウジング2内に軸方向に並んで収容される濾過部3及び劣化抑制部4を備えている。このハウジング2は、軸方向の一端側を開放した有底筒状の第1ケース5及び第2ケース6を備えている。これら各ケース5、6は、その開放端側に形成されたネジ部により着脱可能に固定されている。
【0019】
上記第1ケース5の底部には、ハウジング2内部にオイルを流入させるオイル流入路7と、ハウジング2内部からオイルを流出させるオイル流出路8と、が形成されている。このオイル流入路7は、劣化抑制部4の軸方向の端面と対向して開口している。また、オイル流入路7は、配管等を介してオイルを貯留するオイルパン9(図5参照)に接続されている。また、オイル流出路8は、エンジン内部に形成された通路等を介してエンジンの潤滑対象部(例えば、クランクシャフト、シリンダー壁、動弁機構等)に接続されている。
【0020】
上記濾過部3は、図1及び図3に示すように、オイルを濾過する濾材10と、この濾材10を支持する筒状のプロテクタ11と、を備えている。この濾材10は、不織布製のシート材をひだ折りして筒状(「菊花状」とも称される。)とされている。また、プロテクタ11は、濾材10を支持する第1支持部11aと、この第1支持部11aの一端側に連なり劣化抑制部4を支持する第2支持部11bと、を有している。この第1支持部11aには、多数の貫通孔12が形成されている。また、プロテクタ11は、その軸方向の一端側と第2ケース6の底部との間に設けられたバネ14により第1ケース5側に向かって付勢されている。また、プロテクタ11の軸方向の他端側は、第1ケース5の底部に形成された凸部5aに嵌挿されている。
【0021】
ここで、上記ハウジング2の内部空間は、濾材10及びプロテクタ11により、オイル流入路7に連なる濾過前の上流側空間R1(すなわち、濾過前のオイルが存在する空間)と、オイル流出路8に連なる濾過後の下流側空間R2(すなわち、濾過後のオイルが存在する空間)とに仕切られている。
【0022】
上記劣化抑制部4は、図1及び図2に示すように、オイルの劣化を抑制するハイドロタルサイトからなる粉状の劣化抑制剤15と、この劣化抑制剤15を保持し且つオイル流路を形成する流路壁16と、を備えている。この流路壁16は、プロテクタ11の第2支持部11bの外周側に巻き付けられ、ハウジング2の軸を中心として渦巻状に配置されている。また、流路壁16は、不織布製の多孔層からなり、その空隙率が約0.90とされている。よって、流路壁16は、劣化抑制剤15を適当に分散して保持するとともにオイルが滲入し易く且つ厚さ方向に通過し難くいものとされている。なお、本実施例では、流路壁16を成形する過程で粉状の劣化抑制剤15が分散混入されるものとする。また、上記劣化抑制部4及び濾過部3の軸方向の端縁はゴム製のシール材17で密封されている。
【0023】
ここで、上記第1ケース5の内周壁と劣化抑制部4の外周側との間の空間の横断面積S1(図2参照)は約240mm2とされ、第2ケース6の内周壁と濾過部3の外周側との間の空間の横断面積S2(図3参照)は約460mm2とされている。このように、上記間隔S1を間隔S2より小さく設定することで、オイルは渦巻状の隣り合う流路壁16の隙間を円滑且つ確実に流れる。
【0024】
(2)オイル劣化抑制装置の作用
次に、上記構成のオイル劣化抑制装置1の作用について説明する。ポンプ18(図5参照)の作動によりオイルパン9内に貯留されるオイルがオイル劣化抑制装置1に送られる。そして、図1に示すように、オイル流入路7に送られるオイルは、ハウジング2内部の上流側空間R1内に流入してハウジング2の軸方向に沿って流れて劣化抑制部4及び濾過部3を順次通過する。この劣化抑制部4において、オイルは、渦巻状の隣り合う流路壁16の隙間及びハウジング2の内壁と最外周側の流路壁16との間を通過する。このとき、流路壁16の表面側を流れるオイルは、流路壁16内に滲入して劣化抑制剤17と接触することで劣化が抑制されてから流路壁16の表面側に戻る(図4参照)。そして、劣化抑制部4を通過したオイルは、濾過部3に至り、濾材10によりオイル中の異物(例えば、塵埃、金属磨耗片、スラッジ等)が捕捉され、プロテクタ11の貫通孔12を介して下流側空間R2及びオイル流出路8を通ってエンジンの潤滑対象部に送られる。
【0025】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例によると、劣化抑制部4でオイルの劣化が抑制されるとともに濾過部3でオイルが濾過される。そして、劣化抑制部4では、劣化抑制剤15を保持した流路壁16の表面側に沿ってオイルが流れることでオイルの劣化が抑制される。これにより、劣化抑制部4ではオイルがクロスフローされることとなり、オイルの通油抵抗を減らして圧力損失の上昇を抑制することができる。
【0026】
また、本実施例では、流路壁16が、渦巻状に設けられているので、劣化抑制部4の小型化を図りつつオイル流路を大きく確保できる。よって、オイルの通油抵抗を更に低減できるとともに、劣化抑制部4によるオイルの劣化抑制効果を更に高めることができる。
【0027】
さらに、本実施例では、劣化抑制部4と筒状の濾過部3とを軸方向に沿って収容するハウジング2を備え、ハウジング2の内壁と劣化抑制部4の外周側との間の空間の横断面積S1は、ハウジング2の内壁と濾過部3の外周側との間の空間の横断面積S2より小さくされ、ハウジング2には、劣化抑制部4の濾過部3から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口7が形成されているので、オイル流入路7からハウジング2内に流入するオイルは、劣化抑制部4及び濾過部3の順に通過して流れ、劣化抑制部4では渦巻状の隣り合う流路壁16の隙間をより円滑且つ確実に流れる。特に、本実施例では、オイル流入口7が、劣化抑制部4の軸方向の端面と対向しているので、オイルは、渦巻状の隣り合う流路壁16の間を更に円滑且つ確実に流れる。
【0028】
<実施例2>
次に、本実施例2に係るオイル劣化抑制装置について説明する。なお、本実施例2のオイル劣化抑制装置において、上記実施例1に係るオイル劣化抑制装置1と略同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略する。
【0029】
(1)オイル劣化装置の構成
本実施例に係るオイル劣化抑制装置21は、図6及び図7に示すように、ハウジング2内に収容される複数組(図中2組)の濾過部23及び劣化抑制部24を備えている。このハウジング2は、第1ケース5及び第2ケース6を備えている。この第1ケース5の底部に形成されたオイル流入路7は、一方の組の濾過部23及び劣化抑制部24の軸方向の端面と対向して開口している。
【0030】
上記濾過部23は、オイルを濾過する濾材10と、この濾材10を支持する筒状のプロテクタ25と、を備えている。このプロテクタ25は、一方の組の濾材10を支持する第1支持部25aと、この第1支持部25aの軸方向の一端側に連なり他方の組の濾材10を支持する第2支持部25bと、を有している。これら各支持部25a、25bには、多数の貫通孔12が形成されている。
【0031】
ここで、上記ハウジング2の内部空間は、濾材10及びプロテクタ25により、オイル流入路7に連なる濾過前の上流側空間R1(すなわち、濾過前のオイルが存在する空間)と、オイル流出路8に連なる濾過後の下流側空間R2(すなわち、濾過後のオイルが存在する空間)とに仕切られている。
【0032】
上記劣化抑制部24は、オイルの劣化を抑制するハイドロタルサイトからなる粉状の劣化抑制剤27と、この劣化抑制剤27を保持し且つオイル流路を形成する円筒状の流路壁28と、を備えている。この流路壁28は、濾過部23の外周を覆うように配置されている。具体的には、流路壁28は、濾材10の外周側に接着剤等により固定されている。また、流路壁28は、不織布製の多孔層からなり、その空隙率が約0.98とされている。よって、流路壁28は、劣化抑制剤27を適当に分散して保持するとともにオイルが滲入し易く且つ厚さ方向に通過し難くいものとされている。なお、本実施例では、流路壁28を成形する過程で粉状の劣化抑制剤27が分散混入されるものとする。
【0033】
(2)オイル劣化抑制装置の作用
次に、上記構成のオイル劣化抑制装置21の作用について説明する。図6に示すように、オイル流入路7に送られるオイルは、ハウジング2内部の上流側空間R1内に流入してハウジング2の軸方向に沿って流れて複数組の劣化抑制部24及び濾過部23を順次通過する。各組の劣化抑制部24及び濾過部23において、オイルは、流路壁28の内周側と濾材10の外周側との間及びハウジング2の内壁と流路壁28の外周側との間を通過する。このとき、流路壁28の表面側を流れるオイルは、流路壁28に滲入して劣化抑制剤27と接触することで劣化が抑制されてから流路壁28の表面側に戻る(図8参照)。そして、劣化が抑制されたオイルは、濾過部23に至り、濾材10によりオイル中の異物(例えば、塵埃、金属磨耗片、スラッジ等)が捕捉され、プロテクタ25の貫通孔12を介して下流側空間R2及びオイル流出路6を通ってエンジンの潤滑対象部に送られる。
【0034】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のオイル劣化抑制装置21によると、実施例1のオイル劣化抑制装置1と略同様の作用効果を奏することに加えて、流路壁28が、濾過部23の外周を覆うように配置されているので、装置21の小型化を図りつつ流路壁28の内周側と濾過部23の外周側との間にオイル流路を構成できる。
【0035】
さらに、本実施例では、劣化抑制部24と筒状の濾過部23とを収容するハウジング2を備え、ハウジング2には、濾過部23及び劣化抑制部24の軸方向の端面と対向して開口するオイル流入路7が形成されているので、オイルは流路壁28と濾材10との隙間をより円滑且つ確実に流れる。
【0036】
尚、本発明においては、上記実施例1及び2に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例1では、渦巻状に配置される流路壁16を例示したが、これに限定されず、例えば、図9(a)に示すように、同心円状に配置される流路壁31としてもよい。
【0037】
また、上記実施例1及び2では、板状部のみからなる流路壁16、28を例示したが、これに限定されず、例えば、図9(b)に示すように、波状に形成された波状部からなる流路壁33を採用してもよい。これにより、隣り合う流路壁33の間隔を大きくして更に大きなオイル流路を確保できる。また、例えば、図10に示すように、波状に形成された波状部34と、この波状部34の両表面側に積層される板状部35と、を有し、一方の板状部35と波状部34との間に第1流路36を形成し且つ他方の板状部35と波状部34との間に第2流路37を形成してなる流路壁38を採用してもよい。これにより、オイル流路を高強度なハニカム構造とすることができる。
【0038】
上記ハニカム構造の流路壁38を採用する場合は、例えば、図11に示すように、第1流路36の長尺方向の一端側を封止材40で封止するとともに、第2流路37の長尺方向の他端側を封止材40で封止して構成してもよい。また、例えば、図12に示すように、第1流路36の長尺方向の両端側を封止材40で封止するとともに、第1流路36内に劣化抑制剤を封入して構成してもよい。
【0039】
また、上記実施例1及び2では、ハウジング2の軸方向に沿ってオイルが流れる流路壁16、28を例示したが、これに限定されず、例えば、図13に示すように、ハウジング2の軸方向に対して蛇行してオイルが流れる迷路構造を有する流路壁41を採用したり、図14に示すように、ハウジング2の軸を中心としてらせん状にオイルが流れる流路壁42を採用したりしてもよい。
【0040】
また、上記実施例1及び2では、不織布製の濾材10を例示したが、これに限定されず、例えば、濾材の材質としては、不織布、紙、織物、編物等の繊維体、ウレタン等の樹脂連泡体、樹脂多孔質フィルムなどを採用することができる。
【0041】
また、上記実施例1では、ハウジング2の内壁と流路壁16の外周面との間に隙間を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、ハウジング2の内壁に流路壁16の外周面を接触させるようにしてもよい。また、上記実施例2では、濾材10の外周側に流路壁28を固定するようにしたが、これに限定されず、例えば、ハウジング2の内壁に流路壁28を固定するようにしてもよい。また、上記実施例2では、単一の筒状の流路壁28を例示したが、これに限定されず、例えば、渦巻状又は同心円状の流路壁を採用してもよい。
【0042】
また、上記実施例1及び2では、ハウジング2が分解可能とされ、濾過部3、23及び劣化抑制部4、24を直接的に交換する形態(いわゆる、エレメント交換型)のオイル劣化抑制装置1、21を例示したが、これに限定されず、例えば、ハウジング2を含む装置全体を交換する形態(いわゆる、スピンオン型)のオイル劣化抑制装置としてもよい。
【0043】
また、上記実施例1及び2では、流路壁16、28内に劣化抑制剤15、27を保持し、流路壁16、28内へオイルを滲入させてオイルを劣化抑制剤に接触させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、流路壁の表面から露出するように劣化抑制剤を保持し、流路壁の表面側でオイルを劣化抑制剤に接触させるようにしてもよい。
【0044】
さらに、上記実施例1及び2では、ウェットサンプエンジンで用いられるオイル劣化抑制装置1、21を例示したが、これに限定されず、例えば、ドライサンプエンジンで用いられるオイル劣化抑制装置としたり、自動変速機で用いられるオイル劣化抑制装置としたりしてもよい。
【0045】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0046】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
オイルの劣化を抑制する技術として広く利用される。特に、乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車両のエンジンオイルの劣化を抑制する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0048】
1、21;オイル劣化抑制装置、2;ハウジング、3,23;濾過部、4,24;劣化抑制部、10;濾材、15,27;劣化抑制剤、16,28,31,33,38,41,42;流路壁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルを濾過する濾材を備える濾過部と、
オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤を備える劣化抑制部と、を備え、
前記劣化抑制部は、前記劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁を備えることを特徴とするオイル劣化抑制装置。
【請求項2】
前記流路壁は、渦巻状又は同心円状に設けられている請求項1記載のオイル劣化抑制装置。
【請求項3】
前記流路壁は、波状に形成された波状部を有する請求項2記載のオイル劣化抑制装置。
【請求項4】
前記劣化抑制部と筒状の前記濾過部とを軸方向に沿って収容するハウジングを備え、
前記ハウジングの内壁と前記劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積は、前記ハウジングの内壁と前記濾過部の外周側との間の空間の横断面積より小さくされ、前記ハウジングには、前記劣化抑制部の前記濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口が形成されている請求項2又は3に記載のオイル劣化抑制装置。
【請求項5】
前記流路壁は、前記濾過部の外周を覆うように配置されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のオイル劣化抑制装置。
【請求項1】
オイルを濾過する濾材を備える濾過部と、
オイルの劣化を抑制する粉状の劣化抑制剤を備える劣化抑制部と、を備え、
前記劣化抑制部は、前記劣化抑制剤を保持し且つオイル流路を形成する流路壁を備えることを特徴とするオイル劣化抑制装置。
【請求項2】
前記流路壁は、渦巻状又は同心円状に設けられている請求項1記載のオイル劣化抑制装置。
【請求項3】
前記流路壁は、波状に形成された波状部を有する請求項2記載のオイル劣化抑制装置。
【請求項4】
前記劣化抑制部と筒状の前記濾過部とを軸方向に沿って収容するハウジングを備え、
前記ハウジングの内壁と前記劣化抑制部の外周側との間の空間の横断面積は、前記ハウジングの内壁と前記濾過部の外周側との間の空間の横断面積より小さくされ、前記ハウジングには、前記劣化抑制部の前記濾過部から離間した側の軸方向の一端側の近傍に開口するオイル流入口が形成されている請求項2又は3に記載のオイル劣化抑制装置。
【請求項5】
前記流路壁は、前記濾過部の外周を覆うように配置されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のオイル劣化抑制装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−100744(P2013−100744A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243927(P2011−243927)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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