説明

オキサゾリジン誘導体の製造方法

【課題】高収率で安価に下記式(VI)で示される化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】次式(I):
【化1】


[式中、R1は低級アルキル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基を示す。] の水酸基を、テトラヒドロピラニル基又は置換基を有するシリル基で保護する第1工程、エステル加水分解して次式(III):
【化2】


[式中、R2はテトラヒドロピラニル基、置換基を有するシリル基を示す。]
の化合物にする第2工程、この化合物を混合酸無水物に変換した後、光学活性4-フェニル-2-オキサゾリジノンと反応させる第3工程、得られた化合物を脱保護する第4工程からなる次式(VI)
【化3】


で示される化合物の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジフェニルアゼチジノン誘導体の製造に有用な、3−[(5S)−(4−フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、或は3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4R)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次式で表されるエゼチミブ:[1-(4-フルオロフェニル)-(3R)-[3-(4-フルオロフェニル)-(3S)-ヒドロキシプロピル]-(4S)-(4-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-2-オン]:
【0003】
【化1】

【0004】
のごときヒドロキシアルキル置換ジフェニルアゼチジノン誘導体は、アテローム性動脈硬化症の予防及び治療において有用な血清コレステロール低下剤である。このジフェニルアゼチジノン誘導体の製造方法には、次式(VI):
【0005】
【化2】

【0006】
で示される化合物:[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オンが使用されている。すなわち、式(VI)で示される化合物の水酸基を適当な保護基(例えば、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、アセチル基等)で保護した化合物が合成中間体に使用されている(特許文献1〜4)。
上記の式(VI)で示される化合物の製造方法は、従来から種々提案されている。例えば、次式(VII):
【0007】
【化3】

【0008】
で示される化合物:3-[5-(4-フルオロフェニル)-5-オキソペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オンを還元して製造する方法が提案され、立体選択的微生物還元反応による方法(特許文献5)、或は(R)-テトラヒドロ-1-メチル-3,3-ジフェニル-1H,3H-ピロロ(1,2-c)(1,2,3)-オキサザボロリジンを触媒に用いた不斉還元反応による方法(特許文献1、特許文献6、非特許文献1)が知られている。しかし、触媒的不斉還元では、次式(VIII):
【0009】
【化4】

【0010】
で示される化合物が生成し、この式(VIII)の化合物は後の工程においても除去が困難であるという問題点を有している。
また、上記の式(VII)で示される化合物を、(-)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランを還元剤に用いて還元反応させて、3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オン(VI)を合成する方法が提案されている。(特許文献2)。この反応は高い選択性を示すが、化学量論量の還元剤を必要とするため、コスト高になる難点がある。
また、次式(IX):
【0011】
【化5】

【0012】
で示される化合物:5-(4-フルオロフェニル)-5-オキソペンタン酸メチルエステルを、 (-)-B-クロロジイソピノカンフェイルボランにより不斉還元して、次式(X) :
【0013】
【化6】

【0014】
で示される化合物:(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタン酸メチルエステルへ変換し、その後エステルの加水分解して、次式(XI):
【0015】
【化7】

【0016】
で示される化合物:(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタン酸とした後、酸処理により次式(XII):
【0017】
【化8】

【0018】
で示される化合物:(6S)-6-(4-フルオロフェニル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オンを合成する方法が知られている(特許文献7)。この方法は、化合物(X)又は(XI)の環化しやすい性質を利用している。このように化合物(X)又は(XI)は環化しやすいので、この化合物(X)又は(XI)と光学活性4-フェニル-2-オキサゾリジノン(IV)とを反応させて、3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オン(VI)を合成するのは困難である。
【0019】
【特許文献1】米国特許第6,207,822号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/066120号パンフレット
【特許文献3】特表2002-531546号公報
【特許文献4】特開2005−53931号公報
【特許文献5】米国特許第 5,618,707号明細書
【特許文献6】米国特許第6,627,757号明細書
【特許文献7】国際公開第2004/099132号パンフレット
【非特許文献1】Tetrahedron Letters, 2003, 44, 801.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、高収率で、下記の式(VI)で示される3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、或は3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4R)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オンを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本願発明は、次の第1工程〜第4工程からなる、3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、或は3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4R)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オンの製造方法である。
すなわち、
(1) 次式(I):
【0022】
【化9】

【0023】
[式中、R1は分岐してもよい低級アルキル基(炭素数1〜5)、アリル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンジル基を示す。]
で示される化合物の水酸基を保護して次式(II):
【0024】
【化10】

【0025】
[式中、R2はテトラヒドロピラニル基、又は置換基を有するシリル基を示す。]
で示される化合物を得る第1工程、
(2) 式(II)で示される化合物をエステル加水分解して、次式(III):
【0026】
【化11】

【0027】
で示される化合物を得る第2工程、
(3) 式(III)で示される化合物を混合酸無水物に変換した後、次式(IV):
【0028】
【化12】

【0029】
で表される光学活性4-フェニル-2-オキサゾリジノンと反応させて、次式(V):
【0030】
【化13】

【0031】
で示される化合物を得る第3工程、
(4) 式(V)で示される化合物を脱保護する第4工程、
からなることを特徴とする次式(VI):
【0032】
【化14】

【0033】
で示される化合物の製造方法である。
上記の製造方法において、式(I)の化合物としてR1がメチル基である化合物、式(II)の化合物としてR2がテトラヒドロピラニル基である化合物を用いるのが好ましい。また、上記の製造方法において、式(I)の化合物としてR1がメチル基である化合物、式(II)の化合物としてR2が置換基を有するシリル基である化合物を用いるのが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、式(I)の化合物の水酸基をテトラヒドロピラニル基又は置換基を有するシリル基で保護して、エステル加水分解及び光学活性4-フェニル-2-オキサゾリジノンとの反応を行わせ、その後脱保護して目的物質である3−[(5S)−(4−フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、或は3-[(5S)-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシペンタノイル]-(4R)-フェニル-1,3-オキサゾリジン-2-オンを得るようにしたので、高収率で安価に目的物質を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の製造方法を工程順に説明する。
(1)第1工程:第1工程は、式(I)で示される化合物の水酸基の保護により式(II)で示される化合物を得る工程である。
本発明の出発原料である式(I)の化合物:5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-ヒドロキシペンタン酸メチルエステルは、既知の方法で製造できる(例えば、国際公開第2004/099132号パンフレット、国際公開第2005/066120号パンフレット)。
【0036】
式(I)の化合物におけるR1 としては、分岐してもよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等)、アリル基、置換基を有してもよいフェニル基(例えば、フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基等)又は置換基を有してもよいベンジル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、ヨードベンジル基、メチルベンジル基、メトキシベンジル基等)が挙げられる。
【0037】
式(I)で示される化合物の水酸基の保護により式(II)で示される化合物を得るが、この式(II)の化合物のR2としては、テトラヒドロピラニル基又は置換基を有するシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等)が挙げられる。
【0038】
R2 がテトラヒドロピラニル基である場合、反応は3,4-ジヒドロ-2H-ピランと酸触媒の存在下で行われる。酸触媒としてメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル錯体, ピリジ二ウムp-トルエンスルホナート等が使用できる。酸触媒の使用量は、5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-ヒドロキシ吉草酸メチルエステル(I)に対して1〜20モル%であり、好ましくは1〜5モル%である。反応溶媒としてジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル等が挙げられ、反応は0℃〜室温で行われる。
【0039】
R2が置換基を有するシリル基である場合は、塩基存在下、対応するハロゲン化合物を使用する。塩基には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、N,N-エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、イミダゾ−ル、水素化カリウム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等が使用できる。反応は通常、エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等の不活性溶媒中、0℃から溶媒還流温度で行われる。
【0040】
(2)第2工程:第2工程は、式(II)で示される化合物のエステル加水分解により式(III)で示される化合物を得る工程である。
この工程でエステル加水分解に使用する酸として、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。塩基として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、これらは、水溶液として使用する。反応溶媒として水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等が使用でき、反応は、0℃〜溶媒還流温度で行われる。
【0041】
(3)第3工程:第3工程は、式(III)で示される化合物と式(IV)で示される4-フェニル-2-オキサゾリジノンとの反応により式(V)で示される化合物を得る工程である。
反応は(III)で示される化合物を塩基存在下、クロロ炭酸エチルで処理して対応する混合酸無水物、すなわち次式(XIII)で示される化合物:
【0042】
【化15】

【0043】
に変換した後、塩化リチウム及び光学活性4-フェニル-2-オキサゾリジノン、例えば(S)-(+)-4-フェニル-2-オキサゾリジノンを添加する。上記の塩基としてトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。反応溶媒としてテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル等が挙げられ、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等を補助溶媒として使用できる。塩化リチウムの使用量は、光学活性4-フェニル-2-オキサゾリジノンに対して1等量である。反応は通常、0℃〜溶媒還流温度で行われる。
【0044】
(4)第4工程:第4工程は、式(V)で示される化合物の脱保護により本発明の目的物質である式(VI)で示される化合物を得る工程である。
脱保護反応は酸の存在下で行う。使用する酸としては、フッ化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル錯体等が使用できる。反応溶媒として水、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等が挙げられ、反応は通常、-78℃〜溶媒還流温度で行われる。また、R2が置換基を有するシリル基の場合、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド等のフッ素系試薬を使用してもよい。
【0045】
上記製造方法により得られた反応生成物は、遊離のまま或は付加塩として単離され、精製される。塩は、通常の造塩反応に付すことにより製造できる。単離、精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、ろ過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の化学操作を適用して行われる。
【実施例】
【0046】
下記の実施例で本発明を更に詳しく説明する。これらの例は単なる実例であって本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲で変化させてもよい。
(A) 5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ) ペンタン酸の合成
5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-ヒドロキシペンタン酸メチルエステル(3.20 g)のジクロロメタン(14.3 mL) 溶液に、室温で3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(1.7 mL)とピリジ二ウムp-トルエンスルホナート(0.036 g)を加え、15時間攪拌した。反応液に10% 水酸化ナトリウム水溶液(11.4 mL)を加え、ジクロロメタンを減圧留去した。メタノール(24.0 mL)を加え、室温で1時間攪拌した。メタノールを減圧留去し、残留水層をn-ヘプタンにて洗浄した(第1工程)。水層に10%塩酸水溶液を加えてpH約5とした後、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧留去し、5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ) ペンタン酸(3.96 g、94% 収率) を淡黄色油状物として得た(第2工程)。
1H-NMR (CDCl3) δ= 1.43-1.89 (m, 10H), 2.31-2.40 (m, 2H), 3.26-3.28, 3.47-3.53, 3.88-3.92 (m, 2H), 4.34-4.36, 4.80-4.81 (m, 1H), 4.54-4.57, 4.66-4.69 (m, 1H), 6.98-7.04 (m, 2H), 7.23-7.33 (m, 2H), 10.09 (bs, 1H).
【0047】
(B) 3-[5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ペンタノイル]-(4S)-フェニルオキサゾリジン-2-オンの合成
5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ) ペンタン酸(3.94 g)のテトラヒドロフラン(42.6 mL)溶液に、約-5℃でトリエチルアミン(7.5 mL)とクロロ炭酸エチル(1.3 mL)を加えた後、同温で攪拌した。1時間後、反応液に(S)-4-フェニル-2-オキサゾリジノン(1.97 g)と塩化リチウム(0.56 g)を加え、室温で2時間25分間攪拌した。反応液をトルエンで希釈した後、この溶液を5%水酸化ナトリウム水溶液、水にて洗浄した。溶媒を減圧留去して3-[5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ペンタノイル]-(4S)-フェニルオキサゾリジン-2-オンを無色油状物として得た(第3工程)。
1H-NMR (CDCl3) δ= 1.40-1.84 (m, 10H), 2.91-2.98 (m, 2H), 3.23-3.27, 3.45-3.51, 3.83-3.88 (m, 2H), 4.24-4.26 (m, 1H), 4.32-4.75 (m, 1H), 4.50-4.69 (m, 2H), 5.37-5.42 (m, 1H), 6.95-7.00 (m, 2H), 7.19-7.38 (m, 7H).
【0048】
(C) 3-[5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニルオキサゾリジン-2-オンの製造
3-[5−(4-フルオロフェニル)-(5S)-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)ペンタノイル]-(4S)-フェニルオキサゾリジン-2-オンのテトラヒドロフラン(24.0 mL)溶液に10%塩酸水溶液(4.8 mL)を加えた後、30分間加熱還流した。反応液にトルエンを加え、水にて洗浄した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して3-[5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-ヒドロキシペンタノイル]-(4S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン(82%収率)を無色油状物として得た(第4工程)。
1H-NMR (CDCl3) δ=1.68-1.75 (m, 4H), 2.00 (d, 1H, J=4Hz), 2.95-2.99 (m, 2H), 4.28 (dd, 1H, J=4Hz, 9Hz), 4.68 (t, 1H, J=9Hz), 5.41 (dd, 1H, J=4Hz, 9Hz), 6.98-7.02 (m, 2H9, 7.25-7.40 (m, 7H).
【0049】
また、上記の第3工程で、(S)-4-フェニル-2-オキサゾリジノンに代えて、(R)-4-フェニル-2-オキサゾリジノンを用いることにより、 3-[5-(4-フルオロフェニル)-(5S)-ヒドロキシペンタノイル]-4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オンを得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1) 次式(I):
【化1】

[式中、R1は分岐してもよい低級アルキル基(炭素数1〜5)、アリル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンジル基を示す。]
で示される化合物の水酸基を保護して次式(II):
【化2】

[式中、R2はテトラヒドロピラニル基、又は置換基を有するシリル基を示す。]
で示される化合物を得る第1工程、
(2) 式(II)で示される化合物をエステル加水分解して、次式(III):
【化3】

で示される化合物を得る第2工程、
(3) 式(III)で示される化合物を混合酸無水物に変換した後、次式(IV):
【化4】

で表される光学活性4-フェニル-2-オキサゾリジノンと反応させて、次式(V):
【化5】

で示される化合物を得る第3工程、
(4) 式(V)で示される化合物を脱保護する第4工程、
からなることを特徴とする次式(VI):
【化6】

で示される化合物の製造方法。
【請求項2】
式(I)の化合物としてR1がメチル基である化合物、また式(II)の化合物としてR2がテトラヒドロピラニル基である化合物を用いる請求項1記載の式(VI)で示される化合物の製造方法。
【請求項3】
式(I)の化合物としてR1がメチル基である化合物、また式(II)の化合物としてR2が置換基を有するシリル基であるの化合物を用いる請求項1記載の式(VI)で示される化合物の製造方法。


【公開番号】特開2008−31131(P2008−31131A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209419(P2006−209419)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(592086318)壽製薬株式会社 (24)
【Fターム(参考)】