説明

オキシメチレンポリマー、その製造方法及びその使用

【課題】オキシメチレンポリマー、その製造方法及びその使用の提供。
【解決手段】
二峰性の分布又はより高い態様及び1乃至5質量%の低分子量画分の標的含有量を有するオキシメチレンポリマーである。これらのポリマーの成形品は、高い弾性係数を伴う高い低温ノッチ付衝撃強度によって区別される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた低温ノッチ付衝撃強度及び高い弾性係数を有する成形品の製造のための新規なオキシメチレンポリマー、その使用及びオキシメチレンポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オキシメチレンポリマーは、ホルムアルデヒドのアニオン重合により得られる。実用化に必要なポリマーの熱安定性を確保するために、前記のようにして得られたポリマーは、安定した末端基、例えば末端エーテル基又はエステル基の導入によりエンドキャップ(endcap)される。この例は、独国特許出願公告第1,158,709(B)号明細書、米国特許第3,998,791号明細書、米国特許第3,393,179号明細書、独国特許出願公開第1,445,225(A1)号明細書、独国特許出願公告第1,158,709(B)号明細書、米国特許第4,097,453号明細書及び米国特許第3,161,616号明細書に見られる。
【0003】
末端エステル基でエンドキャップ(endcap)されたオキシメチレンポリマーは、昇温で又は塩基性環境中で分解されるが、末端エーテル基でエンドキャップ(endcap)されたオキシメチレンポリマーは、より高い化学安定性により区別される。しかしながら、これらのポリマーを製造するために今まで提案された方法は、ポリマーをエンドキャップ(endcap)することに対して分離工程を含み(例えば特許文献6参照)、そして実用化に必要な高分子量はこの方法では達成されない。さらに、このポリマー−類似反応は定量的に起こらず、このことは低収率及び/又は高い分解率をまだ有する生成物をもたらす。
【0004】
ホルムアルデヒドのアニオン重合により、前記のようにして得られたホモポリマーは、単峰性の分子量分布を有する(ポリマー分解及び安定性,92(2007),2181−2189)。
【0005】
また、安定したオキシメチレンポリマーは、ホルムアルデヒド単位、好ましくはトリオキサンを形成するモノマーを少量のコモノマーと共にカチオン共重合に加え、そしてその結果、少量のオキシメチレン単位を実質上不規則に鎖に組み込むことにより製造され得る。分子量の調整は、移動剤、一般的なジアルキルホルマールによって達成される。アルカリ性媒体(加水分解)中、最初のオキシアルキレン単位までの不安定な末端の分解により、(コモノマーからの)安定した末端ヒドロキシアルキル基及び(移動剤からの)末端アルキル基を有する共重合体は、前記のようにして得られる。それ故、例えば欧州特許出願公開第504,405(A1)号明細書は、オキシメチレン単位に加えて、少ない割合の他のオキシアルキレン単位、具体的には、オキシエチレン単位を含み、また末端ホルミル基の含有量が少ないオキシメチレンポリマーを開示する。オキシメチレン単位の割合に基づき、他のオキシアルキレン単位の割合は、0.07乃至0.5mol%である。オキシアルキレン単位が前記含有量を超えると、熱安定性及び温水安定性が不十分なポリマーが形成する。該ポリマーは、触媒としてペルフルオロアルカンスルホン酸(誘導体)の選択された量の存在下、製造され、そして水及びギ酸の含有量が少ないモノマーが使用される。重合混合物の失活は、選択された結晶質の塩基性吸着剤、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の吸着剤を添加することによって達成される。したがって、オキシアルキレン単位の含有量が相対的に高いコポリマーを製造することもまた可能である。
【0006】
前記重合条件下、塊状重合かどうかにかわらず、形成されたポリマーは重合の初期段階において沈殿され、不活性溶媒の存在下における重合又は懸濁重合が行われる。これはその後、常に、二峰性の分子量分布を導く:分子量分布の曲線における最大値は、比較的低分子量、例えば2,000乃至5,000ダルトンで、通常存在する;分子量分布の曲線における更なる最大値は、比較的高分子量、例えば50,000−100,000ダルトンで、通常存在する;低分子量画分の質量分率は、5乃至15%である。低分子量画分は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定され得る。これらのかなりの量の低分子量画分は、ポリマーの機械的性質に対するわずかな影響もない。
【0007】
その一方で、単峰性の分子量分布を有し、また衝撃強度及び曲げ弾性係数の向上によって区別されるオキシメチレンポリマーもまた、トリオキサンのカチオン重合から知られている(欧州特許出願公開第0716105(A1)号明細書)。該向上は、単峰性のモル質量分布、0.3乃至0.9mol%のコモノマー含有量及び1乃至5g/10分のメルトボリュームレートを確立することにより達成される。
【0008】
これらのポリマーの製造は、昇温において均一相中重合によって達成される。結果的に、二次反応が大いに発生し、そして製造中におけるポリマー収率は制限される。
【0009】
最終的に、既知のオキシメチレンポリマーは、直鎖状の低分子量オキシメチレン留分をカチオン重合による従来法で製造されたオキシメチレンポリマーと混合させることにより製造される(米国特許第6,388,049(B1)号明細書)。この混合は、従来法で製造されたオキシメチレンポリマー100部につき1乃至500部の範囲で達成される。基本高分子中、少なくとも5%の低分子量画分を根幹として、ポリマー中、少なくとも6%乃至84%の範囲で低分子量画分を有するオキシメチレンポリマーは、前記のように記述されている。ほとんどは、この低分子量画分は直鎖状ポリマーを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公告第1,158,709(B)号明細書
【特許文献2】米国特許第3,998,791号明細書
【特許文献3】米国特許第3,393,179号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第1,445,225(A1)号明細書
【特許文献5】米国特許第4,097,453号明細書
【特許文献6】米国特許第3,161,616号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第504,405(A1)号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第0716105(A1)号明細書
【特許文献9】米国特許第6,388,049(B1)号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】ポリマー分解及び安定性,92(2007),2181−2189
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、極めて高い低温ノッチ付衝撃強度及びより一層増加した弾性係数によって区別される成形品を生み出すために、それ自体が既知である成形加工によって加工され得る、選択されたオキシメチレンポリマーを提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、コモノマー単位のオキシメチレン単位に対するモル比が0.008未満におけるホモポリマー又はコポリマーであるオキシメチレンポリマーに関し、該オキシメチレ
ンポリマーは少なくとも二峰性の分子量分布を有し、そして10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子量オキシメチレンポリマーの割合が、該オキシメチレンポリマーの全質量に基づき、1乃至5質量%である。好ましくは、コモノマー単位のオキシメチレン単位に対するモル比は0.0004乃至0.005である。
【0014】
特に好ましくは、本発明によるオキシメチレンポリマーは、全ての末端基に基づき、少なくとも70%の末端アルキルエーテル基の割合を有する。
【0015】
本発明によるオキシメチレンポリマーについては、10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子量のオキシメチレンポリマーの割合は、該オキシメチレンポリマーの全質量に基づき、1乃至5質量%である。低分子量画分は、好ましくは50質量%を超える、特に好ましくは80質量%を超える環状ポリオキシメチレンを占める。直鎖状と環状画分との差異は、MALDI−TOF−MS(マトリクス支援レーザー脱離イオン化質量分析法)によって区別され得る。
【0016】
本発明によるオキシメチレンポリマーは、少なくとも二峰性の分子量分布を有する。これは好ましくは、二峰性の分布であるがより高い態様を有する分布もまたよい。
【0017】
好ましい実施態様では、生成物は、オキシメチレン単位に基づき、
構造
−O−(CH2X
(構造中、Xは2乃至8の整数を表す。)
を0.04乃至0.5mol%含有する。
【0018】
オキシメチレン単位−O−(CH22−は、特に好ましい。
【0019】
メルトボリュームレート MVRとして特徴付けられる、これらのポリマーの分子量は幅広い範囲内で調整され得る。荷重2.16kg、190℃においてEN ISO 1133に従って測定された、標準的なMVR値は0.1乃至100g/10分であり、好ましくは1乃至80g/10分であり、特に好ましくは2乃至20g/10分である。
【0020】
本発明による生成物は、例えば、ガス気密重合反応器中、65℃を超える温度でモノマー(好ましくはトリオキサン及びジオキソラン)と分子量調整剤(好ましくはメチラール)の混合物にカチオン開始剤を添加することにより、製造され得る。前記反応混合物は、沈殿ポリマーの結晶化熱を受けて温まる。適切な場合、特定温度分布(重合時間の関数として重合温度T=f(t))が確立され得るように、さらなる熱が供給され得る。前記反応混合物は、重合の終わりに再度均質になるように温度分布が確立され得る。均質な溶融物に塩基性成分(例えばトリエチルアミン)を添加することにより、重合は停止する。低分子量画分は沈殿重合の開始時に形成され、そして重合活性溶融物中再び消失するので、低分子量画分の含有量は塩基性成分の添加時間により、又は重合の温度分布により、1質量%乃至5質量%の標的方法で調整され得る。その後、粗ポリマーは後処理され、存在する不安定な末端ヘミアセタール基は、加水分解や配合や製造が行われることにより分解される。この工程段階は当業者に既知である。
【0021】
必要に応じて、少量の分岐剤が使用され得る。通常、該分岐剤の量は、オキシメチレンポリマーの製造に使用されるモノマーの全量に基づいて、1質量%を超えず、好ましくは0.3質量%を超えない。好ましい分岐剤は、多官能性エポキシド、多官能性グリシジルエーテル又は多官能性環状ホルマールである。
【0022】
好ましい連鎖移動剤(調整剤)は、式(I)
1−(−O−CH2r−O−R2 (I)
(式中、R1及びR2は、互いに独立して、直鎖状又は分岐状のアルキル基、特に炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、好ましくは直鎖状である。)
である表される化合物である。
【0023】
特に好ましくは、R1及びR2は、互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、特にメチル基である。
rは、整数であり、1乃至9の値である。
【0024】
特に好ましい連鎖移動剤は、rが1である式(I)で表される化合物であり、特に非常に好ましいのは、メチラールである。
【0025】
ポリマーにおいて末端OH基の標的製造に対して、プロトンを移動する連鎖移動剤を使用することもまた可能である。この基の例は、水、ギ酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ブタンジオール、グリセロール又は1,1,1−トリメチロールプロパンのような一価及び多価アルコールである。これらのプロトン性移動剤を使用することによって、その後の加水分解において安定した末端アルキレン−OH基を導く、一定の割合の不安定な末端ヘミアセタール基が初めに生じる。好ましい移動剤は、多価アルコールである。
【0026】
前記連載移動剤は、通常、モノマー混合物に基づき、質量20,000ppmまで、好ましくは100乃至5,000ppm、特に好ましくは200乃至2000ppmの量で使用される。
【0027】
使用され得る開始剤は、フッ化又は塩化アルキルスルホン酸及びアリールスルホン酸のような、特に強プロトン酸である。これらの例は、プロトン酸のエステル又は無水物のようなトリフルオロメタンスルホン酸又はその誘導体、特にアルキルエステルのようなトリフルオロメタンスルホン酸無水物又はトリフルオロメタンスルホン酸エステルである。また適切な開始剤は、過塩素酸及びそのエステルである。本発明によれば、開始剤は10-4mol未満の濃度中、重合を開始する前記化合物である。原則として、例えば、開始剤として、例えばBF3又はBF3エーテルのようなルイス酸を使用することもまた可能であるが、やや高濃度で使用される。
【0028】
また一方、本発明によるポリマーは、単峰性の分布を有するオキシメチレンポリマー及び二峰性の分布又はより高い態様を有する従来型のオキシメチレンポリマーを混合させることにより製造され、該オキシメチレンポリマーは、5乃至15質量%の低分子量画分を含有する。単峰性の分布を有するポリオキシメチレンポリマーは、欧州特許出願公開第0716105号明細書に詳細に記載されている。この記載に照らして、単峰性の分布を有するオキシメチレンポリマーは、分子量分布において一つのピークのみを有するこれらのポリマーを意味していると理解され、このピークは10,000ダルトンを超えて、好ましくは30,000乃至200,000ダルトンに存在する。
【0029】
二峰性の分布を有するポリマー及びより高い態様を有するポリマーについては、分別によって低分子量画分を分離することにより、本発明によるポリマーを得ることもできる。
【0030】
このように得られた本発明によるオキシメチレンポリマーから製造される成形品は、良好な化学安定性と相まって極めて優れた低温ノッチ付衝撃強度及び高い弾性係数を有する。
【0031】
成形は、既知の成形過程、例えばブロー成形又は射出成形により達成される。
【0032】
本発明はまた、良好な低温ノッチ付衝撃強度を有する成形品の製造のための、上述のオキシメチレンポリマーの使用に関する。
【実施例】
【0033】
以下の実施例は本発明を制限することなく、本発明について説明する。
【0034】
実施例1(本発明)
重合は、個々に調整可能なほぼ同じ長さの加熱ステージ(=領域 1〜7)を7つ有するガス気密、圧力安定二軸押出機中で行った。出発化合物は、HPLCポンプを用いて測定し、重合のために該出発化合物を押出機に入れる前に静的混合要素により予混合領域中で効率良く混合した。使用した不活性化剤は、1,3−ジオキソラン中、0.2質量%のトリエチルアミンの混合物であった。この溶液を40g/hの送出速度で領域5と6の間で測定した。
トリフルオロメタンスルホン酸300ppm及びトリエチルアンモニウム水素トリフラート600ppmが溶解した、80℃に予熱した4kg/hのトリオキサン及び40g/hのメチラールを軸回転速度120rpmで押出機中に注入した。圧力は押出機の末端における圧力調整バルブによって18バールで一定に保った。個々の加熱領域における温度は次の通りである。
領域 : 1 2 3 4 5 6 7
温度(℃):110 120 135 150 160 170 170
押出機中での滞留時間は約1分であった。ポリマーは溶融物として排出し、受取用容器に集めた。冷却後、ポリマー試料は沸点でジメチルアセトアミド(=DMAc)に溶解し、不安定な鎖末端を取り除くため約1時間沸騰した。冷却後沈殿したポリマーをメタノールで2回沸騰し、ろ過及び乾燥した。ポリマーの分子量分布は、3質量%の低分子量画分であった。
【0035】
比較例2乃至4
比較例2として、欧州特許出願公開第0716105号明細書の実施例1におけるオキシメチレンポリマーを再現した。
比較例3のオキシメチレンポリマーは次の通り製造した:メチラール中トリフルオロメタンスルホン酸(200ppm)溶液0.1mLを撹拌しながら、100℃において1,3,5−トリオキサン100g及び1,3−ジオキソラン0.7gの混合物に加えた。約5分の反応時間後、固形化した反応生成物を沸点でDMAcに溶解し、不安定な鎖末端を取り除くため1時間還流した。冷却後、沈殿したポリマーをメタノールで2回沸騰し、ろ過及び乾燥した。
【0036】
比較例4として、市販品であるデルリン(Delrin)[登録商標]を使用し、特徴付けた。
【0037】
実施例の詳細を下記の表に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例5:オキシメチレンポリマーからの低分子量成分の分離
2.5mL/10分のメルトボリュームレート及び10質量%の低分子量画分の割合を有するオキシメチレンポリマー4gを10分間、オートクレーブにおいて撹拌しながら、85質量%のメタノール、15質量%の水及びトリエチルアミン500ppmの混合物40g中、170℃で加熱した。(撹拌しないで)室温まで冷却後、単純デカンテーションにより、上澄みの混濁液を底面にある粗ポリマー粒子から単離した。乾燥後、粗ポリマー粒子は3.4gの質量及び5質量%の低分子量画分を有した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コモノマー単位のオキシメチレン単位に対するモル比が0.008未満であり、また少なくとも二峰性の分子量分布を有するホモポリマー又はコポリマーであるオキシメチレンポリマーであって、
10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子量オキシメチレンポリマーの割合が、該オキシメチレンポリマーの全質量に基づき、1乃至5質量%であるところの、オキシメチレンポリマー。
【請求項2】
前記コモノマー単位のオキシメチレン単位に対するモル比が0.0004乃至0.005である、請求項1に記載のオキシメチレンポリマー。
【請求項3】
末端アルキルエーテル基の割合が、全ての末端基に基づき、少なくとも70%である、請求項1又は2に記載のオキシメチレンポリマー。
【請求項4】
一般式
R−O−(CH2O)p−(CS2SO)q−R’
[式中、R及びR’はアルキル基を表し、sは2乃至10の整数を表し、p及びqはコモ
ノマーの平均化したランダムフラクション(random fraction)を表し、q/pは0.008未満である。]で表されるポリマーを少なくとも70%含むオキシメ
チレンポリマーであって、該オキシメチレンポリマーは少なくとも二峰性の分子量分布を有するものであり、
10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子量オキシメチレンポリマーの割合が、該オキシメチレンポリマーの全質量に基づき1乃至5質量%である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオキシメチレンポリマー。
【請求項5】
低分子量成分が50質量%を超える環状オキシメチレンポリマーを占める、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオキシメチレンポリマー。
【請求項6】
低分子量成分が80質量%を超える環状オキシメチレンポリマーを占める、請求項1乃至5のいずれか1項に記載されたオキシメチレンポリマー。
【請求項7】
10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子量オキシメチレンポリマーの分子量分布が1.5未満、好ましくは1.2未満の分散度Mw/Mnを有する、請求項1乃至6のいずれかに1項に記載のオキシメチレンポリマー。
【請求項8】
前記オキシメチレン単位が−O−(CH22−である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のオキシメチレンポリマー。
【請求項9】
ホルムアルデヒド単位を形成するモノマー、好ましくはトリオキサンは、適切な場合には、C−C単位を形成するコモノマーと共にそして連鎖移動剤及びカチオン重合開始剤と共に重合される方法であって、
最初に沈殿重合は最終段階において均質に為され、そして塩基性化合物の添加により停止し、重合の温度分布及び時間を調整して、
これにより1乃至5質量%の低分子量成分の含有量を有するオキシメチレンポリマーを形成する方法である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のオキシメチレンポリマーの製造方法。
【請求項10】
オキシメチレンポリマーの全質量に基づき、5質量%を超える10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子量オキシメチレンポリマーの割合を有するオキシメチレンポリ
マーが分別沈殿によって、5質量%未満の低分子量オキシメチレンポリマーの割合を有するオキシメチレンポリマーに変換される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のオキシメチレンポリマーの製造方法。
【請求項11】
オキシメチレンポリマーの全質量に基づき、5質量%を超える10,000ダルトン未満の分子量を有する低分子量オキシメチレンポリマーの割合を有するオキシメチレンポリマー、及び、二峰性の分布を有するオキシメチレンポリマーを互いに混合する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のオキシメチレンポリマーの製造方法。
【請求項12】
良好な低温ノッチ付衝撃強度を有する成形品の製造のための、請求項1又は8のいずれか1項に記載のオキシメチレンポリマーの使用。


【公表番号】特表2011−516705(P2011−516705A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504367(P2011−504367)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002715
【国際公開番号】WO2009/127388
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(505110619)ティコナ ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】