説明

オストメイト用汚物流しユニット

【課題】本発明は、汚物流し部が下降しても排水管の逆勾配を抑制することのできるオストメイト用汚物流しユニットを提供する。
【解決手段】前面に汚物流し部を設けたパネルプレートと、少なくとも一部が可撓性を有し、一端が前記汚物流し部に接続され他端が外部排出口に接続される排水管と、前記パネルプレートを昇降させる昇降手段と、前記パネルプレートの昇降をガイドするガイド手段と、前記パネルプレートの下降時に前記排水管に当接し、前記排水管の逆勾配を抑制する勾配形成手段と、を備えたことを特徴とするオストメイト用汚物流しユニットが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工肛門や人工膀胱などの保持者である「オストメイト」と呼ばれる人々のための汚物流しユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
人工肛門や人工膀胱などの保持者であるオストメイトと呼ばれる人々は、身体の腹部に排泄物(以下、汚物という)を溜めておくための袋、いわゆるパウチを装着しており、時折、トイレにおいて溜まった汚物を廃棄したり、パウチの内面や取出し口に付着した汚物を洗い流すなどの作業を行う必要がある。
【0003】
ここで、このパウチを装着する位置や高さには個人差があり、パウチの装着高さと便器などの高さが同程度でないと前述の作業がしにくくなる。そのため、パウチの装着高さに応じてシンクを昇降させ、汚物を処理する技術が提案されている(特許文献1を参照)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、シンクの下降に伴う排出ホースの撓みについての考慮が全くされていなかった。そのため、シンクが下降した際に排水ホースが撓んで逆勾配が生じ、汚物の排出が悪くなったり、また、シンク側に逆流したりするおそれがあった。
【特許文献1】特開2003−56018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、汚物流し部が下降しても排水管の逆勾配を抑制することのできるオストメイト用汚物流しユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、前面に汚物流し部を設けたパネルプレートと、少なくとも一部が可撓性を有し、一端が前記汚物流し部に接続され他端が外部排出口に接続される排水管と、前記パネルプレートを昇降させる昇降手段と、前記パネルプレートの昇降をガイドするガイド手段と、前記パネルプレートの下降時に前記排水管に当接し、前記排水管の逆勾配を抑制する勾配形成手段と、を備えたことを特徴とするオストメイト用汚物流しユニットが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、汚物流し部が下降しても排水管の逆勾配を抑制することのできるオストメイト用汚物流しユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をする。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットの背面側を説明するための模式図である。
図1(a)、(b)に示すように、オストメイト用汚物流しユニット1の装置本体200の内部には、昇降手段245、排水管400、勾配形成手段401、勾配形成手段402、フラッシュバルブ250、電気温水器270、ホース112aなどが設けられている。
【0009】
尚、図1(a)は、パネルプレート100(汚物流し部110)が上昇端にあるときを示し、図1(b)は、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端にあるときを示している。また、図2は、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端にあるときの模式斜視図である。
【0010】
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットの正面側を説明するための模式斜視図である。
また、図5は、このオストメイト用汚物流しユニットを側面からみた模式図である。
【0011】
これらの図に示すように、パネルプレート100の前面には、汚物流し部110、温度・流量調整用レバー131、シャワー水栓140、棚141、水石けん用タンク150、洗浄ボタン211、トイレットペーパーホルダ212などが設けられている。また、正面の左上方には、上昇操作スイッチ260、下降操作スイッチ261が設けられている。
【0012】
略矩形形状のパネルプレート100は硬質樹脂などから成り、その前面には陶製の汚物流し部110が設けられている。また、パネルプレート100の前面であって、汚物流し部110の直上には棚141が設けられている。棚141には、汚物流し部110に洗浄水を流したりパウチを洗浄したりするためのシャワー水栓140と、温度・流量調整用レバー131と、半固定鏡151とが設けられている。棚141の左側であって、汚物流し部110の直上には水石けん用タンク150が設けられている。パネルプレート100の右側上方にはフラッシュバルブ250(図1参照)を作動させるための洗浄ボタン211が設けられ、その下方にはトイレットペーパーホルダ212が設けられている。
【0013】
また、半固定鏡151の鏡の角度は可変可能となっている。尚、鏡を凸面鏡とすれば、映し出される範囲が大きくなるので鏡も小型ですみ、また、オストメイトの目の高さ、ストーマ位置に関係無く所望の視点からストーマ及びその近傍を見ることができるので、洗浄作業が更に行い易くなる。
【0014】
略クランク形状の洗浄管112の一端は、汚物流し部110の上部側面に設けられた給水口110aに接続されている。洗浄管112の他端はパネルプレート100を貫通して装置本体200の内部で、可撓性を有するホース112a(図1参照)によりフラッシュバルブ250(図1参照)と接続されている。フラッシュバルブ250(図1参照)が作動すると、洗浄管112を介して汚物流し部110に洗浄水が供給される。供給された洗浄水は、汚物流し部110の内面の上部全周に設けられたリム部の穴(図示せず)から汚物流し部110の内側面に流出して汚物が洗い流されるようになっている。
【0015】
そして、これらパネルプレート100の前面に設けられたものとパネルプレート100とが一体的に昇降可能となっている。図3は、パネルプレート100が上昇端にある場合を示し、図4は、パネルプレート100が下降端にある場合を示している。
【0016】
汚物流し部110は、汚物の洗浄がしやすいように上面が大きく開口され、リップ部111が設けられている。リップ部111は、オストメイトがこのリップ部111に腹部を押し当てて汚物処理を行うのに適した形状、すなわち、汚物処理中に汚物が漏出しても汚物が汚物流し部110の中に自然に入っていくのに適した形状となっている。また、汚物流し部110の下部に設けられた排水部110bには図示しない封水手段が設けられ、異臭の発生が防止できるようになっている。
【0017】
リップ部111は、汚物流し部110の溢れ面を形成している。ここでいう溢れ面とは、排水部が詰まった時などに、汚物流し部110の外に汚水が流れ出す面のことである。このような溢れ面が形成されていると、排水部が詰まるという異常事態が起きても、汚水は溢れ面から外に流れ出し他の部分が汚れることを抑制することができる。本実施の形態においては、図5に示すように、汚物流し部110の上面形状が前面方向に下方傾斜しているため前面側にあるリップ部111の高さが上面では一番低くなり、リップ部111が溢れ面となる。そのため、排水部が詰まるという異常事態が起きても、汚水がパネルプレート100側に流れ出ることがなく、装置本体200の汚れを抑制することができる。
【0018】
図6は、シャワー水栓140を説明するための模式斜視図である。
図6に示すように、シャワー水栓140には、ホース142と、水栓取り付け部144と、蛇口145とが設けられている。蛇口145は、水栓取り付け部144からホース142とともに引き出して使用することができ、洗浄水を所望の位置や向きで流出させることができる。蛇口145が水栓取り付け部144に装着されている状態では、洗浄水が汚物流し部110内に落下しやすいように、蛇口145は若干前向きに傾斜して設置されている。そのため、蛇口145が水栓取り付け部144に装着されているままでもパウチ内の洗浄がしやすいようになっている。また、蛇口145を引き出すことで、オストメイトが服を脱いでストーマやストーマ周辺を洗浄したり、汚物流し部110内部を局所的に洗浄したりすることがしやすいようになっている。
【0019】
温度・流量調整用レバー131は、水道水と電気温水器270(図1参照)により加熱された水道水(湯)との混合水栓となっている。シャワー水栓140から流出する洗浄水の温度は、温度・流量調整用レバー131を左右にひねる量により調整可能となっている。また、洗浄水の流量は、温度・流量調整用レバー131の引き起こし量により調整可能となっている。
【0020】
装置本体200の外壁部は、例えば、木材から成る合板を用いて形成させることができる。ただし、甲板と呼ばれる天板201には、荷物や着替え等が載せられるようにある程度強度の高い樹脂製の合板を用いることが好ましい。また、装置本体200の左側面の上部にはフック221が設けられており、帽子や衣類等を引っ掛けられるようになっている。 次に、図1に戻ってオストメイト用汚物流しユニット1の背面側、すなわち装置本体200の内部の説明をする。
【0021】
図1に示すように、装置本体200の内部には、パネルプレート100を昇降させるための昇降手段245が設けられている。昇降手段245に内蔵された昇降ロッド245aの先端にはパネルプレート取り付け部300が設けられ、パネルプレート取り付け部300を介して昇降ロッド245aとパネルプレート100とが連結されている。昇降手段245には、例えば、図示しない水圧シリンダが内蔵されており、これも図示しないピストンが水圧により押し上げられることで昇降ロッド245aが押し上げられ、パネルプレート100が上昇するようになっている。尚、水圧シリンダの水圧を減ずれば(排水すれば)、パネルプレート100が自重により下降するようになっている。
【0022】
昇降ロッド245aの断面形状は矩形であり、昇降ロッド245aが挿入されている昇降手段245の穴部の断面形状もこれよりわずかに寸法が大きい矩形をしている。そのため、この穴部がガイド手段の役割を果たし、本実施の形態においては、ガイド手段と昇降手段245とが一体化されていることになる。このガイド手段(穴部)により、昇降ロッド245aの回転方向と倒れ方向の動きが抑えられ、パネルプレート100をほぼ直線的に昇降させることができるようになる。尚、昇降手段245の穴部の他にも補助的なガイド手段を設けるようにすることもできるし、昇降ロッドの断面形状を円形として別途ガイド手段を設けるようにすることもできる。
【0023】
図7は、昇降動作部分の構成を説明するための模式図である。
前述したように、昇降手段245には図示しない水圧シリンダが内蔵されており、水圧シリンダには2ポート電磁弁247aと2ポート電磁弁247bとが配管を介して接続されている。そのため、一次側水道水が2ポート電磁弁247aを介して水圧シリンダに供給できるようになっており、また、水圧シリンダからの排水も2ポート電磁弁247bを介して行えるようになっている。パネルプレート100を上昇させるための上昇操作スイッチ260と、パネルプレート100を下降させるための下降操作スイッチ261は、コントローラ262に電気的に接続されており、また、2ポート電磁弁247aと2ポート電磁弁247bもコントローラ262に電気的に接続されている。そのため、上昇操作スイッチ260または下降操作スイッチ261からの信号を受けたコントローラ262により2ポート電磁弁247aまたは2ポート電磁弁247bが操作され、水圧シリンダへの給排水を制御して昇降手段245の昇降操作が行えるようになっている。
【0024】
図8は、昇降操作を説明するための模式的なタイミングチャートである。
【0025】
昇降手段245の昇降操作は、正面側に設けられた上昇操作スイッチ260や下降操作スイッチ261により行う。図8に示すように、図示しない水圧シリンダは、上昇操作スイッチ260が押されている間だけ上昇し、下降操作スイッチ261を意識的に操作者が押している間だけ下降するようになっており、操作者による昇降動作中に汚物流し部110等による人体や物体の挟み込みが生じ難いようになっている。さらに、これらスイッチはタッチレススイッチであり、図示しない人体検知手段もしくは動作検知手段へ手をかざすだけで昇降を行えるようになっており衛生的である。タッチレススイッチで使用する人体検知手段もしくは動作検知手段としては赤外線、ミリ波、マイクロ波、静電容量式等を利用したものがあげられる。安全性に関しては、汚物流し部110の下方において汚物流し部110の下部、もしくは汚物流し部110の下方付近のパネルプレート100に図示しないテープスイッチ等の物体検知手段が設けられ、汚物流し部110の下方に物体を検知している間は下降しないように制御的工夫がされている。また、上昇端と下降端は図示しない検出手段で検出してもよいし、タイマーなどにより時間で制御してもよい。
【0026】
ここで、水圧シリンダは洗浄水として使用する一次側水道水の水圧をそのまま利用して昇降動作をさせるようにすることもできるが、これに限定されるわけではない。例えば、ポンプ等を用いて圧力を印加するようにしてもよいし、圧力調整弁を設けて圧力を調整するようにしてもよい。また、水圧シリンダへの水の供給、停止、排水は2ポート電磁弁247a、247b(図2、図7参照)により行われる。電磁弁247a(図2、図7参照)により、水圧シリンダへ水が供給されれば、パネルプレート100を上昇させることができる。2ポート電磁弁247bを閉止することで水の供給を停止させればパネルプレート100の昇降位置を保持することができる。そして、2ポート電磁弁247aを閉止し、2ポート電磁弁247bを開にして水を排出させれば、パネルプレート100を下降させることができる。水圧シリンダからの排水は、図示しない配管を介して装置本体200の外部に排出される。尚、昇降は水圧シリンダに限られず、電動モータと減速機構を組み合わせたもの、エアシリンダ、油圧シリンダなどを用いるようにしてもよい。
【0027】
また、装置本体200の内部には、汚物流し部110からの汚物を洗浄水とともに装置本体200の外部に排出するための排水管400が設けられている。排水管400の一端は汚物流し部110の下部に設けられた排水部110b(図3参照)に接続され、他端は外部排出口Dに接続されている。尚、外部排出口Dは、装置本体200が設置される施設側に設けてもよい。
【0028】
排水管400は、少なくとも一部がいわゆる蛇腹タイプなどの可撓性を有する管で構成され、汚物流し部110が上昇端位置と下降端位置との間のいかなる位置にあっても、汚物を洗浄水とともに確実に排出できるようになっている。排水管400の内、可撓性を有しない部分は、硬質樹脂などからなるストレート管で構成されている。
【0029】
尚、排水管としては、昇降動作に追従できるものであればよく、図9に例示するような全体が蛇腹タイプの排水管400a、図10に例示するような複数の蛇腹タイプの排水管400bを直管からなる接続管などで連結したもの、軟質樹脂製のものなどであってもよい。尚、全体が蛇腹タイプの排水管400aを用いるものとすれば可撓性に優れた昇降動作をさせることができる。複数の蛇腹タイプの排水管400bを直管からなる接続管などで連結したものを用いるものとすれば、破損時には破損部分のみを交換すればたり、また、施設側の外部排出口Dの位置に合わせて排水管400bの長さを調整する場合も簡単に対応することが可能となる。
【0030】
可撓性を有する管を排水管に使用した場合、排水の勢いや排水管自体の重みにより管が上下方向に撓むことがある。特に、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端側にあるときには、可撓性を有する管の長さが余るので管の撓みが大きくなる。管に撓みが生じると逆勾配が生じ排水の流れが悪くなるおそれがある。勾配形成手段401、勾配形成手段402は、可撓性を有する排水管400に逆勾配がつかないように排水管400を規制するためのものである。
【0031】
勾配形成手段401は装置本体200の底部に取り付けられ、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端側にあるときに、水平方向に延在する配管部分の上流側が適正な高さに保たれるようにする。勾配形成手段402はパネルプレート取り付け部300に設けられ、パネルプレート取り付け部300とともに昇降させることで、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端側にあるときに、水平方向に延在する配管部分の下流側が適正な高さに保たれるようにする。
【0032】
図1(a)から分かるように、パネルプレート100(汚物流し部110)が上昇端側にあるときには、勾配形成手段401、勾配形成手段402は排水管400から離隔するようになっている。そのため、排水管400が拘束されず、排水管400の移動量が大きい上昇端側であっても排水管400に無理な力が働くことがない。一方、図1(b)から分かるように、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端側にあるときには、勾配形成手段401、勾配形成手段402と排水管400とが当接するようになっている。この場合、排水管400が拘束されたとしても、下端側では排水管400の移動量が小さいため排水管400に無理な力が働くことがない。勾配形成手段の詳細は後述する。
【0033】
装置本体200の内部の排水管400の上方には、電気温水器270が設けられている。電気温水器270は、冬場の身体洗浄という観点や汚物の洗浄性という観点からも設けられていた方が好ましい。電気温水器270は、昇降手段245の上方に設けることもできるが、昇降ロッド245aの上昇により残余のスペースが少なくなること、少ないスペースでの配管や配線が煩雑となり、また、配管・配線の作業性も悪いことなどを考慮すれば、排水管400(外部排出口D側)の上方に設けるようにすることが好ましい。この場合、パネルプレート100の昇降時に排水管400が動くので、これと干渉しない位置に電気温水器を設けるようにする。
【0034】
また、排水管400(外部排出口D側)の上方に電気温水器270を設けるようにすれば、空きスペースの有効活用となり、オストメイト用汚物流しユニット1の小型化にも寄与できる。
【0035】
また、装置本体200に設けられる電気温水器270は、パネルプレート100の昇降動作に追従できるように、可撓性を有するホースで温度・流量調整用レバー131と接続されている。
【0036】
また、電気温水器270の膨張水の排出方法として、装置本体200の内部に吐水口空間を設け、トラップを介して膨張水の排出管を排水管400に接続させるようにすることもできる。そのようにすれば、汚物流し部110に膨張水の排出管を別途設ける必要がなくなり、洗浄用途の水栓との混同をも防止することができる。この場合、排水管400(外部排出口D側)の上方に電気温水器270を設けるようにすれば、膨張水の配管経路が簡素化できる。
【0037】
装置本体200の内部の右上方部にはフラッシュバルブ250が設けられており、フラッシュバルブ250には、図示しないバキュームブレーカが設けられている。フラッシュバルブ250は、汚物流し部110に付着した汚物を一次側水道水の水圧を利用して一気に洗い流すためのものであり、洗浄ボタン211を押すことで、洗浄水が洗浄管112を介して汚物流し部110の内面上部全周に形成されたリム部の穴(図示せず)から汚物流し部110の内側面全体にわたって一定時間流出するようになっている。ここで、洗浄管112とフラッシュバルブ250(図1参照)とが可撓性を有するホース112a(図1参照)で接続されているため、パネルプレート100が昇降してもホース112a(図1参照)が撓みその接続を維持することができるようになっている。このようにすれば、フラッシュバルブ250を装置本体200内に固定することができるようになり、パネルプレート100の昇降動作に関わらず一次側水道水の配管252を固定管(例えば、硬質樹脂製の管)とすることができ、常に水圧がかかる一次側水道水の配管252の信頼性を向上させることができる。
【0038】
また、バキュームブレーカは、汚物流し部110が上昇端位置にあるときに汚物流し部110のリップ部111よりも上方に位置するように設けられている。そのため、汚水がバキュームブレーカの空気取り入れ口から侵入したり、上流側(水道水側)が汚水で汚されたりすることを確実に防ぐことができる。バキュームブレーカとしては、スイング弁を用いたものやダックビルを用いたものなどを採用することができる。
【0039】
また、装置本体200の内部には、一次側水道水の配管を温度・流量調整用レバー131などと接続するための可撓性を有するホース(図示せず)や、その他の配管・配線部材などが収容されている。
【0040】
次に、勾配形成手段の詳細について説明をする。
図11は、可撓性を有する管(全体が蛇腹タイプの排水管400aの場合)が撓んだ状態を示す模式図である。
図11示すように、可撓性を有する排水管400aが図中の矢印部分に示すように撓むと、図中の矢印間に逆勾配が生じる。このような逆勾配は排水の流れを悪くし、早期に排出されるべき汚物の停滞を招くため衛生上の観点からも好ましくない。
【0041】
本発明者は検討の結果、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端側にあるときに、水平方向に延在する配管部分を規制する手段を設ければ、逆勾配を抑制することができるとの知見を得た。
【0042】
図1(a)に示すように、パネルプレート100(汚物流し部110)が上昇端側にあるときには、排水部110b(図3参照)の位置が高く外部排出口D迄の落差が大きいので、排水管400に大きな勾配角度θaをつけることができる。また、このようなときには、配管長さに余りが少なく排水管400に張力がかかる状態となるので、排水の勢いや排水管自体の重みによる撓みも少なくなる。したがって、パネルプレート100(汚物流し部110)が上昇端側にあるときには、勾配を設けるために配管を規制する必要性が少ない。
【0043】
これに対し、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端側にあるときには、排水部110b(図3参照)の位置が低く外部排出口D迄の落差が小さいので、排水管400に勾配をつけにくく、また、排水管400の長さが余るので撓みが生じやすく逆勾配となりやすい。
【0044】
そこで、まず、水平方向に延在する配管部分の上流側の高さが下流側の高さより高くなるように、上流側の高さを規制するための勾配形成手段401を設けることとした。勾配形成手段401を設けることにより、水平方向に延在する配管部分の上流側の高さが適正に保たれるので逆勾配となることが抑制される。このときの高さは、後述する勾配角度θbを所定の大きさ以上にすることが好ましい。
【0045】
また、水平方向に延在する配管部分の上流側の高さより下流側の高さが低くなるように、下流側の高さを抑えるための勾配形成手段402をさらに設けるようにすることが好ましい。勾配形成手段402を設けることにより、水平方向に延在する配管部分の下流側の高さが適正に保たれるので逆勾配となることがさらに抑制される。このときの高さは、後述する勾配角度θbを所定の大きさ以上にすることが好ましい。
【0046】
パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端にあるときに、勾配形成手段401、勾配形成手段402に保持されている排水管400の部分は、少なくとも水平である必要がある。ただし、汚物などの排出性を考慮すれば、勾配形成手段401、勾配形成手段402により順勾配を形成させるようにすることが好ましく、また、排水管400の勾配角度θbを大きくする方が好ましい。しかし、装置本体200のスペース、排水管400の伸縮量などの関係から余り大きな勾配角度θbを設けることができない場合もある。本発明者は検討の結果、少なくとも排水管の内径が75mm以上の場合は、勾配が1/排水管の内径より大きくなるような勾配角度θbとすれば、排水の流れが阻害されず、確実に汚物が排出できるとの知見を得た。
【0047】
図12及び図13は、勾配形成手段の断面形状を説明するための模式断面図である。
図12は、図1(b)におけるA−A方向から見た断面を示し、図13は、図1(b)におけるB−B方向から見た断面を示している。
【0048】
図12に示すように、勾配形成手段401には排水管400の下面を保持するための下面保持部401aが設けられている。下面保持部401aの内寸法W1は、排水管400の出入りができるように、排水管400の外径寸法より大きいものとなっている。下面保持部401aには、排水管400が水平方向に振れるのを抑制するための立ち上がり部401bが設けられている。立ち上がり部401bは、配管高さを規制するという観点からは必ずしも必要ではないが、汚物を含んだ洗浄水が排水管400内を流れたときに発生する排水管400の振れを抑制する観点からは設けられていた方が好ましい。
【0049】
図13に示すように、勾配形成手段402には排水管400の上面を保持するための上面保持部402aが設けられている。上面保持部402aの内寸法W2は、排水管400の出入りができるように、排水管400の外径寸法より大きいものとなっている。上面保持部402aには、排水管400が水平方向に振れるのを抑制するための立ち上がり部402bが設けられている。立ち上がり部402bは、配管高さを規制するという観点よりは必ずしも必要ではないが、汚物を含んだ洗浄水が排水管400内を流れたときに発生する排水管400の振れを抑制する観点からは設けられていた方が好ましい。
【0050】
尚、図12および図13において例示した立ち上がり部401b、402bの高さ方向寸法は、図示したものに限られず適宜変更が可能である。また、排水管400の出入りがしやすいように立ち上がり部401b、402bの端部に傾斜部(いわゆる入り勝手部)を設けるようにすることもできるし、排水管400の保護の観点からゴムなどの弾性部材を配管との接触面に設けることもできる。また、例示した断面形状は略コの字状であるが、これに限定されるわけではなく、排水管400の外形形状に合わせたもの(例えば、Uの字状)、斜面を有するもの(例えば、Vの字状)などとすることもできる。排水管400の外形形状に合わせたもの(例えば、Uの字状)や斜面を有するもの(例えば、Vの字状)とすれば、排水管400の振れをさらに抑制することができ、また、その調芯性により排水管400の適正な水平方向位置を出すこともできる。
【0051】
また、図1に例示した勾配形成手段401、勾配形成手段402は、それぞれ水平方向に延在する配管の一部分を保持しているが、水平方向に延在する配管のほぼ全域を保持するようなものであってもよい。
【0052】
また、パネルプレート100(汚物流し部110)の下降端のみならず下降端の少し手前で、下面保持部401a、保持部401bと排水管400との当接が始まるようにしてもよい。
【0053】
図14は、他の具体例にかかる勾配形成手段を説明するための模式図である。
図14(a)は、パネルプレート100(汚物流し部110)が上昇端にあるときを示し、図14(b)は、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端にあるときを示している。
尚、図1と同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
【0054】
図14に示すように、勾配形成手段403には、下面保持部403a、支持部403b、揺動軸403c、ストッパー403d、クッション材403eが設けられている。
【0055】
下面保持部403aは排水管400の下面を保持するためのものであり、その断面形状や立ち上がり部などは前述の下面保持部401aと同様である。そのため、断面形状や立ち上がり部などの説明は省略する。ただし、勾配形成手段401(下面保持部401a)は、水平方向に延在する配管の一部分を保持しているが、下面保持部403aは水平方向に延在する配管のほぼ全域を保持していることが異なる。このように、水平方向に延在する配管のほぼ全域を保持するものとすれば、逆勾配をより確実に抑制することができる。
【0056】
支持部403bは、その下部が装置本体200の底部に取り付けられ、その上部には揺動軸403cを介して下面保持部403aが設けられている。そのため、下面保持部403aは揺動軸403cを中心として揺動自在となっている。
【0057】
ストッパー403dは、その下部が装置本体200の底部に取り付けられ、その上面にはクッション材403eが設けられている。ストッパー403dの上面に設けられたゴムなどの弾性体からなるクッション材403eが、下面保持部403aの底面と当接し、下面保持部403aの角度、すなわち勾配角度θbが決定、維持される。尚、クッション材403eは必ずしも必要ではなく、ストッパー403dの上面と下面保持部403aの底面とが直接当接するようにすることもできる。ただし、衝撃吸収や消音などの観点からはクッション材403eを設けるようにした方が好ましい。ストッパー403dは、図示しないネジ機構などでその高さを可変することができ、下面保持部403aの角度、すなわち勾配角度θbを可変することができるようになっている。図示しないネジ機構は、ストッパー403dの上面とクッション材403eとの間に設けるようにしてもよい。また、ストッパー403dは、装置本体200の底部に取り付けられるようにしているが、これに限定されるわけではなく、支持部403bなどの固定された部分に設けるようにしてもよい。尚、勾配角度θbについては前述したため、説明は省略する。
【0058】
図14(b)に示すように、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端側にあるときには、勾配形成手段403(下面保持部403a)が水平方向に延在する配管部分の下面側を保持し、前述したストッパー403dの作用により適正な下面保持部403aの角度、すなわち勾配角度θbが確保できるようになっている。尚、図14(a)に示すように、パネルプレート100(汚物流し部110)が上昇端側にあるときには、勾配形成手段403(下面保持部403a)は排水管400から離隔するようになっている。
【0059】
また、下面保持部403aは、揺動軸403cを中心として揺動自在となっているので、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端にくる手前から下面保持部403aと排水管400とを当接させることができ、より広い昇降範囲内での排水管400の撓み抑止、逆勾配の抑止を図ることができる。尚、例えば、上面保持部402aを揺動自在とすることもでき、この場合もより広い昇降範囲内での排水管400の撓み抑止、逆勾配の抑止を図ることができる。
【0060】
図15も、他の具体例にかかる勾配形成手段を説明するための模式斜視図である。
図15(a)は、パネルプレート100(汚物流し部110)が下降端にあるときを示し、図15(b)は、左規制手段404a、右規制手段404bの外観を示している。
【0061】
本具体例は、図1で説明をした勾配形成手段401、勾配形成手段402に左規制手段404a、右規制手段404bを加えたものである。そのため、左規制手段404a、右規制手段404b以外のものの説明は省略する。
【0062】
洗浄水、特に、汚物を含んだ洗浄水が排水管400内を一気に流れるときには、排水管400のコーナー部分(方向変換部分)で大きな衝撃が発生する。この衝撃が、排水管400の振動となり水勢が吸収されて排水が阻害されたり、また、排水ホースが接続部から外れたり破損したりするおそれがある。
【0063】
本発明者は検討の結果、衝撃が一番大きい排水管のコーナー部分(方向変換部分)に規制手段を設けるようにすれば、排水管400の振動を抑えることができ、水勢の吸収、接合部分からの外れ、破損などを抑制することができるとの知見を得た。
【0064】
図15(a)に示すように、排水管400のコーナー部分(方向変換部分)には、左規制手段404aと右規制手段404bとが設けられている。左規制手段404a、右規制手段404bの下部は、装置本体200の底部に取り付けられている。左規制手段404a、右規制手段404bの断面形状は略L字形であり、この略L字形断面の内側の面と振動した排水管400とを当接させることにより、振動が抑制されるようになっている。排水管400が振動していない状態では、左規制手段404a、右規制手段404bの内側の面と排水管400とが接しないように隙間が設けられている。この隙間の寸法は、排水管400の強度や振動の状況などに応じて適宜決定される。
【0065】
図15(b)に示した矢印E、矢印F、矢印Gは、洗浄水が排水管400内を流れるときの方向を示している。排水部110b(図3参照)から排出された汚物を含んだ洗浄水は矢印Eの方向に流れ、最初のコーナー部分(方向変換部分)でその方向を矢印Fの方向に変え、次のコーナー部分(方向変換部分)でその方向を矢印Gの方向に変える。そして、それぞれのコーナー部分(方向変換部分)で流れの方向が変えられるときに、汚物を含んだ洗浄水が排水管400の内壁に衝突し、衝突方向(流れの方向)に平行な方向の振動が発生する。すなわち、最初のコーナー部分(方向変換部分)では矢印Eの方向に平行な方向、次のコーナー部分(方向変換部分)では矢印Fの方向に平行な方向の振動が発生する。
【0066】
本具体例においては、それぞれのコーナー部分(方向変換部分)に発生する振動の主方向に、略直交するような当接面を有する左規制手段404a、右規制手段404bを設けている。そのため、排水管400の振動時には、排水管400と左規制手段404a、右規制手段404bとが当接するので、発生する振動を抑制することができる。ここで、実際の振動には方向の異なる成分も含まれており、また、前述の当接による跳ね返りにより新たに異なる方向の振動が生ずる場合もある。本実施の形態に係る左規制手段404a、右規制手段404bの断面形状は、図15(b)に示すように略L字形であるため、前述の当接面に略直交する面が方向の異なる振動を当接することで抑制する役割を果たし、さらに振動を抑えることができる。
【0067】
尚、排水管400と左規制手段404a、右規制手段404bとが当接する部分にゴムなどの弾性部材を設けて排水管400の保護を図ることもできる。また、排水管400の出入りがしやすいように左規制手段404a、右規制手段404bの上部端面に傾斜部(いわゆる入り勝手部)を設けるようにすることもできる。また、左規制手段404a、右規制手段404bの高さも図示したものには限られず、適宜変更することができる。例えば、上昇端においても排水管400と当接可能な高さとすることもできる。また、規制手段の数も図示したものに限られず適宜変更することができる。例えば、コーナー部分(方向変換部分)の数に合わせて規制手段の数を増減させることもできるし、排水の勢いが衰える下流側の規制手段を省くこともできる。
【0068】
次に、オストメイト用汚物流しユニット1の作用について説明をする。オストメイト用汚物流しユニット1は駅のトイレや街の公衆トイレなどのパブリックスペースに設置され、不特定のオストメイトに利用されるものである。
【0069】
本実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットにおいては、前述した勾配形成手段の作用により逆勾配が抑制されるので、確実な汚物の排出をすることができる。そのため、駅のトイレや街の公衆トイレなどのパブリックスペースにおける公衆衛生の向上に寄与することができる。
【0070】
また、このオストメイト用汚物流しユニット1をオストメイトが使用する際には、ジャケットなどの衣類をフック221に引っ掛けるとともに、荷物や着替えをユニット上面の天板201上に載せておくことができる。
【0071】
まず、昇降手段245により汚物流し部110を昇降させて、リップ部111の高さが適切となるように汚物流し部110の高さを調整する。例えば、オストメイトのストーマのすぐ下にリップ部111がくるように汚物流し部110の高さを調整する。
【0072】
尚、汚物流し部110の高さの調整は、図示しない操作スイッチなどを操作することにより行う。
【0073】
本実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニット1においては、汚物流し部110の高さが下降端付近であっても前述した勾配形成手段の作用により逆勾配が抑制され、確実な汚物の排出をすることができる。
【0074】
オストメイトは、汚物流し部110を最適な高さまで昇降させた後に、身体に装着していたパウチを外して、図6に示したようにシャワー水栓140からの洗浄水でこのパウチの内部を洗浄したり、ストーマ及びその周辺を洗浄したりする。この際、半固定鏡151を用いてストーマ及びその周辺を見ながら洗浄を行うことができるし、冬場などにおいては、シャワー水栓140から所望の温度の洗浄水を流すこともできる。また、水石けん用タンク150から水石けんを出して、手やパウチなどの洗浄を行うこともできるので、衛生上の観点からも好ましい。
【0075】
また、前述したように、蛇口145を引き出さない状態での吐水方向が、汚物流し部110の内壁部に向かうようになっているため、汚物流し部110の内壁部が常に洗い流され衛生上の観点からも好ましい。
【0076】
こうした汚物処理動作を行っている最中に、例えば、汚物がストーマから勢い良く飛び出したり、パウチ内やストーマ廻りの汚物の量、状態、洗い方などによっては汚物が周囲に飛び散ったりして、不本意にも周辺を汚してしまうことがあるが、シャワー水栓140は汚物流し部110より上方に配置されているので、このような場合であっても汚物がシャワー水栓140に付着することはなく、衛生性を確保することができる。
【0077】
次に、シャワー水栓140を用いてストーマ及びその周辺を洗った後、トイレットペーパーなどでストーマやその周辺に付いた洗浄水を拭き取り、新しいパウチをストーマに装着する。
【0078】
次に、洗浄水をシャワー水栓140から流出させると同時に、または、その後に、洗浄ボタン211を押してフラッシュバルブ250を作動させて汚物流し部110の内壁面を洗い流すとともに、排水管400を介して汚物をユニットの外部に一気に排出させる。
【0079】
本実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニット1においては、前述した排水管400のコーナー部分(方向変換部分)に設けた規制手段の作用により、排水管の振動が抑制され、排水管が接合部分から外れたり、破損したりするのを抑制することができる。
【0080】
尚、これら一連の作業において必要となるもの、例えば、温度・流量調整用レバー131、シャワー水栓140、水石けん用タンク150、半固定鏡151、洗浄ボタン211、トイレットペーパーホルダ212なども汚物流し部110と共に昇降するため、オストメイトにとって使い易いシステムとなっている。
【0081】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をした。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0082】
例えば、オストメイト用汚物流しユニット1、パネルプレート100、汚物流し部110、給水口110a、排水部110b、リップ部111、洗浄管112、ホース112a、温度・流量調整用レバー131、シャワー水栓140、棚141、ホース142、水栓取り付け部144、蛇口145、水石けん用タンク150、半固定鏡151、装置本体200、天板201、洗浄ボタン211、トイレットペーパーホルダ212、フック221、昇降手段245、昇降ロッド245a、2ポート電磁弁247a、2ポート電磁弁247b、フラッシュバルブ250、配管252、上昇操作スイッチ260、下降操作スイッチ261、コントローラ262、電気温水器270、排水管400、排水管400a、排水管400b、勾配形成手段401、下面保持部401a、立ち上がり部401b、勾配形成手段402、上面保持部402a、立ち上がり部402b、勾配形成手段403、下面保持部403a、支持部403b、揺動軸403c、ストッパー403d、クッション材403e、左規制手段404a、右規制手段404bなどの形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。具体的には、例えば、汚物流し部110の材質は陶製の代わりに硬質樹脂等であってもよい。
【0083】
また、外部排出口Dの位置も例示したものに限定されるわけではなくオストメイト用汚物流しユニットが設置される施設に合わせて適宜変更することができる。例えば、外部排出口Dを左側、昇降手段を右側に設けるようにしたものであってもよい。
【0084】
また、パネルプレート100は厳密な意味で垂直方向に昇降する必要はなく、垂直に近い斜め方向に昇降してもよい。
また、オストメイト用汚物流しユニット1にシャワー水栓140以外の固定水栓を設けるようにしてもよい。
また、前述した各具体例が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットの背面側を説明するための模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットの背面側を説明するための模式斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットの正面側を説明するための模式斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットの正面側を説明するための模式斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るオストメイト用汚物流しユニットを側面からみた模式図である。
【図6】シャワー水栓を説明するための模式斜視図である。
【図7】昇降動作部分の構成を説明するための模式図である。
【図8】昇降操作を説明するための模式的なタイミングチャートである。
【図9】全体が蛇腹タイプの排水管を例示するための模式斜視図である。
【図10】複数の蛇腹タイプの排水管を連結した排水管を例示するための模式斜視図である。
【図11】可撓性を有する管が撓んだ状態を示すための模式図である。
【図12】勾配形成手段の断面形状を説明するための模式断面図である。
【図13】勾配形成手段の断面形状を説明するための模式断面図である。
【図14】他の具体例にかかる勾配形成手段を説明するための模式図である。
【図15】他の具体例にかかる勾配形成手段を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0086】
1 オストメイト用汚物流しユニット、θa 勾配角度、θb 勾配角度、100 パネルプレート、110 汚物流し部、110a 給水口、110b 排水部、111 リップ部、112 洗浄管、112a ホース、131 流量調整用レバー、140 シャワー水栓、141 棚、142 ホース、144 部、145 蛇口、150 用タンク、151 半固定鏡、200 装置本体、2003 特開、201 天板、211 洗浄ボタン、212 トイレットペーパーホルダ、221 フック、245 昇降手段、245a 昇降ロッド、247 電磁弁、250 フラッシュバルブ、252 配管、270 電気温水器、300 パネルプレート取り付け部、400 排水管、400a 排水管、400b 排水管、401 勾配形成手段、401a 下面保持部、401b 保持部、402 勾配形成手段、402a 上面保持部、402b 部、403 勾配形成手段、403a 下面保持部、403b 支持部、403c 揺動軸、403d ストッパー、403e クッション材、404a 左規制手段、404b 右規制手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に汚物流し部を設けたパネルプレートと、
少なくとも一部が可撓性を有し、一端が前記汚物流し部に接続され他端が外部排出口に接続される排水管と、
前記パネルプレートを昇降させる昇降手段と、
前記パネルプレートの昇降をガイドするガイド手段と、
前記パネルプレートの下降時に前記排水管に当接し、前記排水管の逆勾配を抑制する勾配形成手段と、
を備えたことを特徴とするオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項2】
前記勾配形成手段は、前記パネルプレートの上昇時に前記排水管から離隔することを特徴とする請求項1記載のオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項3】
前記勾配形成手段は、前記パネルプレートの下降端において前記排水管が略水平となる部分に当接することを特徴とする請求項1または2に記載のオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項4】
前記勾配形成手段には、前記排水管の下面を保持する下面保持部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項5】
前記勾配形成手段には、前記排水管の下面を保持する下面保持部と、前記排水管の上面を保持する上面保持部と、が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項6】
前記下面保持部は、揺動自在に設けられていることを特徴とする請求項4または請求項5記載のオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項7】
前記勾配形成手段は、前記排水管に順勾配を形成させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項8】
前記順勾配の勾配は、(1/前記排水管の内径) より大きいことを特徴とする請求項7記載のオストメイト用汚物流しユニット。
【請求項9】
洗浄水が流れるときの衝撃で振動する前記排水管に当接する規制手段を前記排水管のコーナー部分の近傍にさらに設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のオストメイト用汚物流しユニット。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−111231(P2008−111231A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293316(P2006−293316)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】