説明

オフガス燃焼システム及びその燃焼方法

【課題】オフガス中のメタンを燃焼処理する際に補助燃料や特別な機器を使用しなくても未燃成分の発生を抑制することができ、オフガス中のメタンが大気放散してしまうことを確実に防止することのできるオフガス燃焼システムとその燃焼方法を提供する。
【解決手段】バイオガスからメタンを分離する際に排出されるオフガスを燃焼するオフガス燃焼システム100であって、バイオガスからメタンを分離するメタン分離装置(PSA)1と、PSA1から排出されるオフガスを貯蔵するバッファタンク3と、オフガスの燃焼前にバッファタンク3から放出されるオフガスの圧力を調整する整圧器5と、整圧器5によって圧力が調整されたオフガスを燃焼する燃焼塔6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオフガス燃焼システム及びその燃焼方法に関し、特に、バイオガスからメタンを分離精製する際に排出されるオフガスを燃焼するのに適したオフガス燃焼システム及びその燃焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオガスとは、下水汚泥、食品廃棄物、畜産排泄物等のバイオマス(有機資源)を嫌気性発酵することによって得られるガスである。このバイオガスは非枯渇性の再生可能資源であり、再生可能エネルギーの有効利用の面から、例えばマイクロガスタービンや燃料電池、天然ガス自動車用燃料として期待され、国内外において周辺技術を含めた技術開発が急速に進められている。
【0003】
バイオガスは、約55〜65%のメタン(CH)と約45〜35%の二酸化炭素(CO)を主成分とし、硫化水素・シロキサン類・アンモニア・メチルメルカプタン等の微量の不純物成分も含まれている。このため、バイオガスの有効利用を図るため、例えばバイオガスを発電設備等に利用するためには、有害成分である硫化水素やシロキサン類を除去する必要があり、また、天然ガス自動車燃料や都市ガス燃料として利用するためには、メタンと二酸化炭素を分離し、或いはバイオガス中のメタンを濃縮する必要がある。
【0004】
このような嫌気性発酵プロセスから発生するメタンリッチなバイオガスからメタンを分離して、高純度なメタンを精製する技術としては、例えば、PSA(Pressure Swing Adsorption)法による分離技術や膜分離法に係る分離技術が挙げられる。
【0005】
ここで、図10は、PSA法によるメタン分離装置の概要を示したものであり、このメタン分離装置は、塔内に充填された吸着材によって不要な成分(例えば、バイオガス中のメタン以外の成分である二酸化炭素等)を吸着して除去することで、所定の成分(例えばメタン)を分離することができる。
【0006】
図10に示すメタン分離装置Pおいては、吸着材が充填された塔Pa,Pbが複数(図10では2個)設けられており、各塔Pa,Pbには、バイオガス供給ラインLA、流路切換装置Va、バイオガス供給分岐ラインLBa,LBbを介して、バイオガスが供給される。このように吸着材が充填された塔Pa,Pbにバイオガスを供給し、バイオガス中のメタン以外の成分をその吸着材によって吸着して除去することで、残余のガスにおけるメタン濃度を高めることができる。例えば、バイオガスがメタンと二酸化炭素(CO)のみを含有するのであれば、COを吸着する触媒を充填した塔Pa,Pb内にバイオガスを供給することで、吸着材に吸着されずに塔Pa,Pbから排出されるガスのメタン濃度(或いは純度)を高めることができ、高濃度のメタンをメタン貯蔵タンクで貯蔵することができる。
【0007】
なお、仮に、吸着材を充填した塔を1つのみ設けた場合には、吸着と脱着とを繰り返しながら、吸着の場合にのみバイオガスを供給する必要がある。そのため、メタンの分離(メタン濃度の高度化)をいわゆる「バッチ式」で処理しなければならない。
【0008】
そこで、図10に示すように複数の塔を設け、再生された吸着材が充填された塔にバイオガスを供給し、吸着材の吸着能力が低減した塔については、バイオガスの供給を中止して吸着材の脱着(再生)を行なうようにすることで、連続してメタンの分離或いは精製を行なうことができる。すなわち、ある塔では吸着材によりメタン以外の成分(例えばCO)を吸着し、他の塔ではメタン以外の成分(例えばCO)を脱着して吸着材を再生することにより、バイオガスからメタン以外の成分を、連続的に吸着処理することができる。
【0009】
図10に示すメタン分離装置Pおいては、例えば塔Paが脱着工程にある場合には、この脱着(再生)をするべき吸着材が充填された塔Paを減圧し、吸着材に吸着された成分(例えばCO)を吸着材から分離して塔Pa外へ排出する。この脱着工程での減圧によって塔Pa外へ排出(吸引)されたガスは、オフガスとしてオフガス排出ラインLCa、流路切換装置Vb、オフガス供給ラインLDを介して、例えば燃焼塔等へ供給される。その際、塔Pa以外の塔Pbは吸着工程にあり、吸着材によってメタン以外の成分(例えばCO)を吸着する。なお、塔Paの脱着工程が完了し、塔Pbが脱着工程にある場合には、その脱着工程での減圧によって塔Pb外へ排出(吸引)されたオフガスは、オフガス排出ラインLCb、流路切換装置Vb、オフガス供給ラインLDを介して系外へ排出される。
【0010】
ここで、吸着工程の際にメタンの純度を高めるためには、バイオガス内のメタン以外の成分(例えばCO)がメタンに混入しない様に注意しなければならない。そこで、吸着材がメタン以外の成分を吸着しなくなり、メタン以外の成分がメタンと共にメタン貯蔵タンク側に出力されないようにするために、一般に吸着材の吸着能力に余裕がある段階で、すなわち塔内の吸着材がメタン以外の成分を吸着する限界に達する以前の段階で、吸着工程から吸着材を再生する脱着工程(再生工程)に切り換える。
【0011】
しかしながら、吸着材の吸着能力に余裕がある段階で当該吸着材を再生する脱着工程に切り換えたとしても、塔内の吸着材には僅かながらメタンが混入し、塔外へ排出されるオフガスにも微量ながらメタンが包含されることが知られている。
【0012】
また、上記したように、脱着工程では塔内を減圧して排出するため、脱着工程に切り換えられた際に当該塔内に残存しているバイオガスもその減圧によって塔外へ排出されてオフガスとして処理される。すなわち、メタンを包含するバイオガス(バイオガスのメタン濃度は60%程度)もオフガスとして塔外へ排出され、オフガスには必然的にメタンが包含されることとなる。
【0013】
なお、図10では、PSA法に関してのみ説明したが、その他のメタン分離装置でも同様な問題が生じ得ることが知られている。例えば、膜分離法は、高分子膜やゼオライト等の無機膜の制御された微細孔によって、複数種類のガスの混合ガスから特定のガスを分離する方法であり、対象ガスの分子の大きさや形状の違いを利用して混合ガスから分離するべき所望のガスを分離することができる。しかし、このような膜分離法によるメタン分離装置においても、オフガスにメタンガスが混入してしまう可能性があることは良く知られている。
【0014】
このように、メタン分離装置によってバイオガスからメタンが分離されたオフガスは、バイオガスに比較して相対的にメタン濃度が低いものの、一般に、約10〜35%のメタン(CH)と約90〜65%の二酸化炭素(CO)を主成分とするガスとなっている。なお、このオフガスのガス組成は、その元となるバイオガスのガス組成やガス分離装置の分離能力によって変化する。
【0015】
従来においては、このような低濃度のメタンを含有するオフガスを大気放散するケースも存在していた。しかしながら、メタンは、同じモル数で比較するとCOの20〜30倍の温暖化係数を有し、すなわち、メタンを大気放散することはCOの大気放散よりも20倍〜30倍のオーダーで地球環境に悪影響を与えてしまうことが知られている。そのため、近年においては、地球温暖化問題や安全性の観点から、このような低濃度のメタンを含有するオフガスであっても直接大気放散することは好ましくないと考えられている。
【0016】
上記問題に対して、補助燃料(例えば都市ガス等)を供給しながらメタンを包含するオフガスを燃焼することで、大気放散されるメタンの量を抑制し、環境負荷を低減する従来技術が存在している。また、特許文献1には、バーナの燃焼状態を検出する検出装置を設けると共に、そのバーナの燃焼状態に応じてバーナに供給される空気を予熱することで、補助燃料を必要とせず、オフガス中のメタンを燃焼処理することができるオフガス燃焼装置が開示されている。
【0017】
また、その他の従来技術として、特許文献2には、メタン濃度やメタン貯蔵量の増加を図るために、脱硫装置と、メタン濃縮装置と、メタン吸蔵剤を充填したガスホルダとを備えた消化ガス貯蔵設備が開示されている。
【0018】
さらに、特許文献3には、低濃度の可燃性ガスでも燃焼可能な希薄ガス燃焼を行い、その燃焼時に発生する燃焼熱によって発電することでシステムの自立運転を行うことができる可燃性ガス処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2010−230299号公報
【特許文献2】特開2001−949号公報
【特許文献3】特開2002−257313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
特許文献1に開示されているオフガス燃焼装置においては、補助燃料(例えば都市ガス等)を追加せずに、比較的安定してオフガス中のメタンを燃焼することができ、ランニングコストを低減することができる。しかしながら、例えばPSA法によるメタン分離装置からオフガスを排出する際には上記するような加圧と減圧を繰り返すために、排出されるオフガスにもそれに起因する圧力変動及び濃度変動が含まれることとなり、燃焼塔でオフガスを直接燃焼する場合にその燃焼塔がオフガスの圧力変動及び濃度変動の影響を強く受けて未燃成分が生成されるといった課題がある。
【0021】
また、特許文献2に開示されている消化ガス貯蔵設備においては、メタンの吸蔵容量の大きいメタン吸蔵剤を充填したガスホルダを設けることで、ガス貯蔵と比較して容積当たりのメタン貯蔵量が多くなり、設備の小型化を実現することができると共に、バッファ効果によって安定した運転が可能となる。その一方で、ガスホルダから放出されるメタンガスには依然として圧力変動が含まれる可能性があり、ガスホルダから放出されたメタンガスを直接燃焼すると未燃成分が生成されてしまう可能性がある。それ故、ガス分離装置によってバイオガスからメタンが分離精製された後のオフガスに上記ガスホルダを適用した場合にも、ガスホルダから放出されるメタンガスには依然として圧力変動が含まれる可能性がある。
【0022】
さらに、特許文献3に開示されている可燃性ガス処理システムにおいては、ガス発生量が比較的少なく、且つガス濃度が比較的低い小規模な可燃性ガス発生源に対してバイオガスを適切に処理することができるものの、更に低濃度であって、濃度変動や圧力変動の相対的に大きなオフガスに適用し得ることについては一切開示されていない。
【0023】
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、バイオガスからメタンを分離する際に排出されるオフガスに低濃度のメタンが含有されている場合に、このオフガス中のメタンを燃焼処理する際に補助燃料や特別な機器を使用しなくても未燃成分の発生を抑制することができ、オフガス中のメタンが大気放散してしまうことを確実に防止することのできるオフガス燃焼システムとその燃焼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記目的を達成すべく、本発明のオフガス燃焼システムは、バイオガスからメタンを分離する際に排出されるオフガスを燃焼するオフガス燃焼システムであって、バイオガスからメタンを分離するメタン分離装置と、前記メタン分離装置から排出されるオフガスを貯蔵するバッファタンクと、前記オフガスの燃焼前に前記バッファタンクから放出される該オフガスの圧力を調整する整圧器と、前記整圧器によって圧力が調整された前記オフガスを燃焼する燃焼塔と、を備えることを特徴とする。
【0025】
上記する態様によれば、メタン分離装置でバイオガスからメタンを精製分離する際に排出されるオフガスが一時的にバッファタンクに貯蔵されることで、オフガス中のメタン濃度変動を低減することができる。なお、このオフガス中の成分の濃度変動の要因としては、例えば嫌気性発酵によって得られるバイオガスが有する濃度変動やメタン分離装置から排出される際にオフガスに生じ得る濃度変動等を挙げることができる。
【0026】
さらに、オフガスの燃焼前に整圧器によってオフガスの圧力が調整されることで、オフガスの圧力変動を所定の範囲内まで低減することができ、例えば圧力変動の少ない略一定圧のガスを燃焼塔へ供給することができる。
【0027】
したがって、メタン精製後のオフガスが有する濃度変動と圧力変動の双方を低減して安定した特性のオフガスを燃焼塔に供給することができ、補助燃料を使用しなくてもオフガスの安定した燃焼を持続させることができる、燃焼時に発生し得る未燃成分の生成を確実に抑制することができる。なお、バッファタンクの容量や燃焼塔に供給されるオフガスの圧力については、燃焼塔の燃焼状態に応じて適宜設定することができ、燃焼塔の燃焼性能に応じた所定の範囲内まで濃度変動と圧力変動を抑制することができれば、燃焼時に発生し得る未燃成分の生成を抑制することができる。
【0028】
ここで、メタン分離装置としては、PSA法や膜分離法等による分離方法を適用することができる。特に、PSA法によるメタン分離装置の場合には、上記するように加圧と減圧を繰り返すことで吸着材からガスを脱着させるため、膜分離法によるメタン分離装置の場合と比較して相対的に濃度変動と圧力変動が大きくなる可能性が高い。したがって、特にPSA法によるメタン分離装置から排出されるオフガスを燃焼する場合には、オフガスの濃度変動と圧力変動を確実に低減する必要がある。また、PSAの分離性能によってもそのオフガスの濃度変動と圧力変動は変化する。そこで、そのようなPSA法による分離装置を用いる場合にも、バッファタンクと整圧器の双方を設け、それらの容量や圧力をある特定の範囲に具備させることで、PSAの分離性能等に影響されず、濃度変動や圧力変動を所定の範囲内まで低減することが本発明者等によって見出された。
【0029】
また、本発明のオフガス燃焼システムの好ましい態様では、前記燃焼塔には、前記バイオガスが供給されるようになっていることを特徴とする。さらに、本発明のオフガス燃焼システムの別の好ましい態様では、前記オフガス燃焼システムは、該燃焼塔へのオフガスの供給とバイオガスの供給を切り替える切替バルブを備えることを特徴とする。
【0030】
一般に、メタン分離装置から排出されるオフガスはメタン濃度が低い(20%程度)ため、このオフガスによって燃焼塔(バーナ)を確実に着火させることは難しい。そこで、最初にメタン濃度の高い(60%程度)バイオガスを用いて燃焼塔を着火させ、燃焼塔を所定温度まで予熱した後、オフガス燃焼に切り替えることで、安定したオフガス燃焼を保証することができる。
【0031】
したがって、上記する態様によれば、切替バルブを切り替えることで、たとえばメタン分離処理前のバイオガスを燃焼塔に供給することができ、最初にこの余剰バイオガスで燃焼塔を確実に着火させ、且つ燃焼塔を所定温度まで予熱することができる。また、オフガス燃焼において燃焼塔の温度が低下するような場合にも、切替バルブをバイオガス供給側に切り替えることで、燃焼塔にメタン濃度の高いバイオガスを供給することができ、燃焼塔の安定した燃焼を保証することができる。
【0032】
ここで、前記切替バルブは、前記バッファタンクと前記整圧器の間に設けられており、前記燃焼塔へ供給されるバイオガスの圧力を調整できるようになっているのが好ましい。燃焼塔へ供給されるバイオガスの圧力を調整できることで、バイオガスが圧力変動を含んでいる場合にも、圧力調整後のバイオガスを燃焼塔の供給することができ、燃焼塔でバイオガスを安定的に燃焼させることができ、バイオガスの燃焼時に発生し得る未燃成分の生成量を抑制することができる。
【0033】
また、本発明のオフガス燃焼方法は、バイオガスからメタンを分離する際に排出されるオフガスを燃焼するオフガス燃焼方法であって、バイオガスからメタンを分離するメタン分離工程と、前記メタン分離工程で排出されるオフガスを貯蔵するオフガス貯蔵工程と、前記オフガスの貯蔵後且つ燃焼前の該オフガスの圧力を調整するオフガス整圧工程と、圧力が調整された前記オフガスを燃焼するオフガス燃焼工程と、からなることを特徴とする。
【0034】
上記する燃焼方法によれば、メタン分離工程で排出されるオフガスを貯蔵するオフガス貯蔵工程を設けることで、オフガスの濃度変動を低減することができると共に、貯蔵後且つ燃焼前のオフガスの圧力を調整するオフガス整圧工程を設けることで、オフガスの圧力変動を低減することができる。したがって、オフガスを燃焼するオフガス燃焼工程において、濃度変動と圧力変動が低減された安定した特性のオフガスを燃焼させることができ、補助燃料を使用しなくてもオフガスの燃焼時に発生し得る未燃成分の生成を確実に抑制することができる。なお、燃焼に用いられるオフガスの濃度や圧力については、燃焼工程の燃焼状態に適した範囲内で適宜設定することができる。
【0035】
ここで、前記メタン分離工程は、PSA法や膜分離法を用いて行うことができるものの、特にPSA法によれば、上記するようにオフガスの濃度変動と圧力変動が大きくなる可能性が高いことから、オフガス貯蔵工程と整圧工程の双方を行うことで、このオフガスの濃度変動と圧力変動を効果的に低減することができる。
【0036】
また、本発明のオフガス燃焼方法の好ましい態様では、前記オフガス燃焼工程よりも前工程として、前記バイオガスを燃焼するバイオガス燃焼工程を含むことを特徴とする。この態様によれば、例えば燃焼塔(バーナ)でオフガスを燃焼させるオフガス燃焼工程以前に、メタン濃度の高いバイオガスを燃焼して燃焼塔(バーナ)を確実に着火させることができ、前記燃焼塔を予熱することができるため、その後のオフガス燃焼工程における安定した燃焼を実現することができる。
【0037】
また、前記バイオガス燃焼工程において、圧力調整後のバイオガスを燃焼するのが好ましい。圧力調整後のバイオガスを燃焼することで、圧力変動の少ないバイオガスを安定して燃焼させることができ、バイオガスの燃焼時に発生し得る未燃成分の生成量を抑制することができる。
【発明の効果】
【0038】
以上の説明から理解できるように、本発明のオフガス燃焼システムとその燃焼方法によれば、オフガス中のメタンを燃焼処理する際に補助燃料を使用しなくても、未燃成分の発生を抑制することのできるオフガス燃焼システムとその燃焼方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるオフガス燃焼システムの一実施の形態を示すブロック図。
【図2】図1に示すオフガス燃焼システムの燃焼方法を説明するフローチャート。
【図3】実施例1及び比較例1,2で使用する燃焼塔の概略を示す図。
【図4】比較例1のオフガス燃焼システムの一実施の形態を示すブロック図。
【図5】比較例2のオフガス燃焼システムの一実施の形態を示すブロック図。
【図6】実施例1の各測定結果を説明したものであり、(a)は、バッファタンクの内圧を示す図、(b)は、燃焼塔に供給されるオフガスの圧力と排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度の関係を示す図。
【図7】比較例1の各測定結果を説明したものであり、(a)は、PSAから排出されたオフガスの圧力を示す図、(b)は、バッファタンク前後のオフガス熱量を示す図。
【図8】比較例1の燃焼塔に供給されるオフガスの圧力と排ガス中の一酸化炭素及びメタンの濃度の関係を示す図。
【図9】実施例2の排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度の測定結果を示す図。
【図10】PSA法によるメタン分離装置の概要を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に基づき説明する。図1は本発明によるオフガス燃焼システムの一実施の形態を示したものである。図2は図1に示すオフガス燃焼システムの燃焼方法を説明したものである。
【0041】
図1に示すオフガス燃焼装置100は、PSA法によるメタン分離装置(PSA)1、メタン貯蔵タンク2、バッファタンク3、切替バルブ4、整圧器5、燃焼塔6、及び制御手段であるコントロールユニット10を備えている。
【0042】
PSA1は、バイオガス供給ラインL1を介して、図示しないバイオガス供給源と連通している。また、PSA1は、メタンガス搬送ラインL2によってメタン貯蔵タンク2と連通しており、バイオガス供給源からPSA1へ供給されたバイオガスは、例えば図10で示すようなPSA1でメタンが精製分離され、分離後の高濃度のメタンがメタンガス搬送ラインL2を介してメタン貯蔵タンク2へ貯蔵される。
【0043】
また、PSA1は、オフガス排出ラインL3によってバッファタンク3と連通しており、PSA1から排出される低濃度のメタンを含むオフガスは、バッファタンク3に一時的に貯蔵される。なお、バッファタンク3の容量は、オフガスの燃焼条件等に応じて適宜設定することができる。
【0044】
バッファタンク3は、オフガス供給ラインL4によって燃焼塔6と連通しており、オフガス供給ラインL4には、切替バルブ4と整圧器5が介装されている。ここで、メタンガス供給ラインL1は、分岐点B1でバイパスラインL5が分岐しており、バイパスラインL5は、オフガス供給ラインL4上に介装された切替バルブ4と連通している。これにより、オフガス供給ラインL4において、燃焼塔6に供給するガスを、バッファタンク3から放出されるオフガスと、バイパスラインL5から供給される余剰バイオガスとで切り替えることができる。なお、オフガス供給ラインL4を通るガスは、整圧器5によってその圧力が調整された後、燃焼塔6に供給される。
【0045】
また、燃焼塔6には排ガスラインL6が接続されており、排ガスラインL6は大気に開放しており、オフガスやバイオガスの燃焼後の排ガスは、排ガスラインL6を介して大気放散される。
【0046】
なお、コントロールユニット10は、PSA1の起動や停止、燃焼塔6の起動や停止を制御すると共に、PSA1の脱着工程等の制御を行うことができる。また、バッファタンク3のガス成分の濃度や圧力等の情報、燃焼塔6の燃焼状態の情報等に基づいて、バッファタンク3の開閉や、切替バルブ4の切替、整圧器5の圧力制御、燃焼塔6の燃焼状態の制御等を行うことができる。
【0047】
次いで、図2を参照して、図1に示すオフガス燃焼システムの燃焼方法を説明する。
【0048】
まず、PSA1によって有機資源等(バイオマス)から得られるバイオガスに含まれるメタンを分離精製する(S11)。この分離精製された高濃度のメタンは、メタン貯蔵タンク2に貯蔵される(S12)。
【0049】
バイオガスからメタンが分離された後にPSA1から排出されるオフガスはバッファタンク3に貯蔵される(S13)。バッファタンク3に一時的に貯蔵されたオフガスは、例えばコントロールユニット10の信号に基づいてバッファタンク3から放出され、整圧器5によってその圧力が所定の範囲内(例えば略一定)に調整される(S14)。なお、このとき、図1に示すオフガス供給ラインL4上の切替バルブ4は、オフガスを燃焼塔6に供給するようになっている。
【0050】
そして、燃焼塔6で圧力調整後のオフガスを燃焼し(S15)、燃焼後の排ガスを大気に放出する(S16)。
【0051】
また、本システムの始動時における燃焼塔6の着火の際(すなわち、オフガスの燃焼前)には、切替バルブ4はバイオガスを燃焼塔6に供給するようになっており、燃焼塔6でバイオガスを燃焼する。バイパスラインL5を流れるバイオガスは、PSA1でメタンが分離される以前の状態であるため、オフガスに比較してメタンの含有量が多い。そのため、バイパスラインL5を経由して流れるバイオガスを燃焼塔6に供給して、燃焼塔6を着実に着火させて燃焼塔6を予熱する。なお、燃焼塔6に供給されるバイオガスも、整圧器5によって圧力が調整される。燃焼塔6が所定の温度まで予熱されると、その情報がコントロールユニット10に送信され、コントロールユニット10から切替バルブ4に対して切替信号が送信されて、上記するようにオフガスを燃焼塔6に供給する。なお、オフガスの燃焼時においても、燃焼塔6の燃焼状態に応じて切替バルブ4を切り替え、燃焼塔6にバイオガスを供給することができる。
【0052】
[オフガス燃焼後の排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度に関する実験とその結果]
本発明者等は、上記図1に示す構成からなる実施例1,2と、以下の図4,5に示す構成からなる比較例1,2について、オフガス燃焼システムを流れるオフガスの濃度や圧力等、オフガス燃焼後の排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度を測定した。なお、実施例1及び比較例1,2では、約35%のメタンと約65%の二酸化炭素を主成分とするオフガスを燃焼させた後の排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度を測定し、実施例2では、約18%のメタンと約82%の二酸化炭素を主成分とするオフガスを燃焼させた後の排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度を測定した。
【0053】
まず、実施例1,2及び比較例1,2で使用した燃焼塔について説明する。実施例1,2及び比較例1,2においては、オフガスに含まれるメタンガスの濃度が低く、また、燃焼時のオフガスの圧力も低いことから、燃焼塔としては、低濃度且つ低圧混合気の可燃性ガスを燃焼し得る燃焼塔を使用した。その燃焼塔の概略を図3に示す。
【0054】
図3に示す燃焼塔6は、基台61上に配置されたバーナ62と中空円筒形状の燃焼筒63から大略構成されている。燃焼筒63は、内筒65、外筒66、仕切り部材67を有し、仕切り部材67は、円筒状の仕切り71とこの仕切り71の一端に固設したフランジ72とで構成されている。
【0055】
バーナ62は、内筒65の略中心に配置され、内筒65の内部空間は、燃焼後の排ガスを排出する排ガスラインL61を構成している。また、内筒65と外筒66は同心に配置され、内筒65と外筒66とによって円筒状の空間64が形成されている。また、内筒65と外筒66は上端部で環状の蓋68に接続しており、円筒状の空間64の上端は蓋68によって閉塞されている。さらに、内筒65、外筒66の下端部の一部には切欠きが形成されており、図示するように、内筒65の切欠きの上縁部65Aは、外筒66の切欠きの上縁部66Aよりも上方に設けられている。この切欠きによって、外気から内筒65の内部へ燃焼用空気を流入させることができる。
【0056】
ここで、仕切り部材67の円筒状の仕切り71の直径は、内筒65の外径よりも大きく、外筒66の内径よりも小さく設定されている。仕切り部材67は、内筒65や外筒66と同心に配置され、フランジ72によって基台61の上面に据え付けられている。なお、仕切り部材67の仕切り71の高さは、図示するように、内筒65及び外筒66の高さよりも相対的に低い。
【0057】
次いで、図3に示す燃焼塔6の空気や燃料の流れについて説明する。
【0058】
まず、燃焼筒63の外部の空気は、外筒66の下端に設けられた切欠きを通り(矢印X1)、外筒66と仕切り71との間を流れ(矢印X2)、仕切り71の上端を回って、仕切り71と内筒65との間を流れ(矢印X3)、内筒65の下端に設けられた切欠きを通って(矢印X4)、内筒65の内部空間にあるバーナ62へ供給される。このバーナ62に供給される空気は、内筒65と外筒66との間を流れる間にバーナ62の燃焼排ガスによって予熱される。
【0059】
なお、内筒65の外周面65Bには、螺旋状のガイド69が形成されており、この螺旋状のガイド69によって、仕切り71と内筒65との間を流れる空気が螺旋状の流路を流れることで、バーナ62に供給される空気が予熱される時間が長くなり、且つ均一な空気がバーナ62に供給される。
【0060】
また、基台61には、上記する燃焼用空気の不足による不完全燃焼を防止するために2つの調整用空気ラインL62,L63が設けられている。したがって、バーナ62でオフガスやバイオガスを燃焼する際に排出される排ガス中の一酸化炭素(CO)やメタン(CH)等を検出し、不完全燃焼であると判断した場合には、調整用空気ラインL62,L63を介してバーナ62に更なる調整用空気を供給することができる。
【0061】
なお、外筒66の外周側には、断熱材70が被覆されている。また、燃焼筒63には、バーナ62の燃焼状態を観察するための覗き孔60が設けられている。
【0062】
次に、上記燃焼塔を用いた実施例1,2及び比較例1,2それぞれのオフガス燃焼システムの構成について説明する。
【0063】
[実施例1,2]
実施例1,2では、図1に示す構成からなるオフガス燃焼システムを使用した。ここで、バイオガスとしては有機資源等(バイオマス)から得られるガスを用いた。また、PSAとしては、2塔式のPSAメタン分離装置(最大処理能力12m/h)を使用し、それぞれの塔について吸着周期160秒で吸着と脱着を繰り返した(図10参照)。PSAに流入するバイオガスの流量は10m/hであり、メタン貯蔵タンクに貯蔵される濃縮メタンとPSAから排出されるオフガスの流量は、それぞれ5m/hであった。なお、その際の濃縮メタンの吐出圧力の最大値は0.3MPaGであり、オフガスの吐出圧力は約0.03〜6.0kPa(図7(a)参照)であった。また、上記オフガスを貯蔵するバッファタンクの容量は0.5mである。
【0064】
[比較例1]
比較例1のオフガス燃焼システムは、図4に示すように、整圧器を備えていない点で実施例1,2と相違している。その他の構成については実施例1,2と同様であり、使用するPSAやバッファタンクの性能も同じである。すなわち、メタン分離装置1'でメタンが分離された後のオフガスは一時的にバッファタンク3'に貯蔵され、その貯蔵後のオフガスが切替バルブ4'を介して燃焼塔6'に供給されて燃焼される。なお、図1に示すコントロールユニットについては図示を省略している。
【0065】
[比較例2]
比較例2のオフガス燃焼システムは、図5に示すように、バッファタンクを備えていない点で実施例1,2と相違している。その他の構成については実施例1,2と同様であり、使用するPSAの性能も同じである。すなわち、メタン分離装置1''でメタンが分離された後のオフガスは、切替バルブ4''を介して整圧器5''で圧力が調整され、その圧力調整後のオフガスが燃焼塔6''に供給されて燃焼される。なお、図1に示すコントロールユニットについては図示を省略している。
【0066】
[オフガス燃焼システムを流れるオフガスの濃度及び圧力と、オフガス燃焼後の排ガス中の一酸化炭素及びメタンの濃度の関係]
以下、本発明者等によって測定された、実施例1,2及び比較例1,2それぞれの、オフガス燃焼システムを流れるオフガスの濃度及び圧力とオフガス燃焼後の排ガス中の一酸化炭素及びメタンの濃度の関係について説明する。
【0067】
まず、相対的にメタン濃度の高いオフガス(約35%のメタンと約65%の二酸化炭素を主成分とする)を燃焼させた実施例1及び比較例1,2の測定結果について説明する。
【0068】
[実施例1]
図6は、実施例1における各測定結果を説明したものであり、図6(a)は、バッファタンクの内圧、図6(b)は、燃焼塔に供給されるオフガスの圧力と排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度の関係を説明したものである。なお、バッファタンクの濃度変動については、図7に示す比較例1で測定したオフガス熱量に基づいて説明する。
【0069】
まず、図7(a)に示すように、PSAから排出されたオフガスの圧力は、約0.03〜6kPaの間で周期的に変動することが確認された。また、図7(b)に示すように、バッファタンクに貯蔵される前のオフガスの熱量は、0〜28MJ/Nmの間で周期的に変動することが確認された。この変動周期は、PSAの吸着周期(160秒)と同等であった。また、オフガス中の可燃成分はメタンのみであるため、オフガス熱量とメタン濃度とは相関を有する。したがって、バッファタンクに貯蔵される前のオフガスのメタン濃度が周期的に変動していることが確認された。それに対してバッファタンクから放出されたオフガス熱量は14〜15MJ/Nmで略一定であることが確認できた。すなわち、バッファタンクを設けることで、メタン濃度の濃度変動が低減され、メタン濃度の均一化が行われたことが実証された。
【0070】
しかしながら、図6(a)に示すように、実施例1におけるバッファタンクの内圧は、30〜60kPaの間で周期的に変動している。この内圧の変動周期も、PSAの吸着周期と連関しており、PSAの切替直後でタンク内圧が高くなり、PSAの切替直前でタンク内圧が低くなることが確認できた(PSAの吸着周期160秒)。このように、PSAの切替を行うことで、バッファタンクのみではオフガスの圧力変動を確実に低減することができないことが実証された。
【0071】
図6(b)は、燃焼塔に供給されるオフガスの圧力と排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度の関係を示したものである。なお、8分までの領域R1では、燃焼塔の着火と予熱のためにバイオガスを燃焼させた。
【0072】
図示するように、実施例1では、10〜23分までの領域R2で、燃焼塔に供給されるオフガスの圧力を整圧器によって0.21kPaに調整してオフガスを燃焼させた。この領域R2では、燃焼時の未燃成分であるメタン濃度が約400ppm、一酸化炭素濃度が約40ppmまで低減された。また、23〜42分までの領域R3では、オフガスの圧力をさらに低減し、整圧器によって0.16kPa以下に調整してオフガスを燃焼させた。この領域R3では、メタン濃度が約30ppmまで低減され、一酸化炭素はほぼ排出されないことが実証された。
【0073】
[比較例1]
図8は、比較例1での、燃焼塔に供給されるオフガスの圧力と排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度の関係を説明したものである。なお、実施例1と同様、12分までの領域R1'では燃焼塔の着火と予熱のためにバイオガスを燃焼させた。
【0074】
図7(b)を参照して説明したように、比較例1においても、バッファタンクを設けることで、燃焼塔に供給されるオフガス中のメタン濃度の変動を低減することができる。しかしながら、図6(a)で説明したように、バッファタンク内のオフガスの圧力は、PSAの切替に起因した周期的な変動を有している。
【0075】
したがって、図8に示すように、オフガス燃焼時(約13分以降の領域R2')に燃焼塔に供給されるオフガスの圧力も、0〜8.2kPaの間で周期的に変動することが確認された。このようにオフガスの圧力が大きく変動したために燃焼塔での燃焼が不安定となり、この比較例1では、排ガス中にメタンが2000ppm以上、一酸化炭素が1000ppm以上発生することが実証された。なお、メタン濃度や一酸化炭素濃度のピークが平坦となっているのは、測定器の測定限界を超えた濃度のメタンや一酸化炭素が検出されたためである。
【0076】
[比較例2]
比較例2においては、燃焼塔に供給されるガスを、バイオガスからオフガスに切り替えた直後に燃焼塔が失火し、燃焼を継続させることができなかった。その理由としては、バッファタンクを設けなかったために、図7(b)に示すように、PSAから排出されたオフガス中のメタン濃度が大きく変動しており、燃焼塔におけるメタン濃度も大きく変動し、可燃成分を安定的に燃焼塔に供給できなかったためであると考えられる。
【0077】
次に、相対的にメタン濃度の低いオフガス(約18%のメタンと約82%の二酸化炭素を主成分とする)を燃焼させた実施例2の測定結果について説明する。なお、実施例2のオフガス燃焼システムにおいては、実施例1と同様に、バッファタンクを設けることで、メタン濃度の濃度変動が低減されてメタン濃度が略均一となり、整圧器を設けることで、オフガスの圧力が略一定に維持されることが実証されているため、メタン濃度とオフガス圧力を所定値に調整した状態で前記オフガスを燃焼させた。
【0078】
[実施例2]
図9は、実施例2の排ガス中の一酸化炭素及びメタン濃度の測定結果を示したものである。図示するように、相対的にメタン濃度の低いオフガスを燃焼させた場合には、一酸化炭素濃度が約5〜10ppmまで低減され、メタンはほぼ排出されないことが実証され、たとえば実施例1の相対的にメタン濃度の高いオフガスを燃焼させた場合と比較して、排ガス中のメタン濃度がより一層低減されることが確認された。
【0079】
このように、バッファタンクと整圧器の双方を備えることで、オフガス中のメタンの濃度変動と圧力変動を燃焼状態に応じた所定の範囲内まで効果的に抑制できるため、未燃成分の生成を抑制して安定的にメタン濃度の低いオフガスを燃焼させることができることが実証された。また、バイオガスからメタンが分離されて生成されるオフガスの広範囲に亘って未燃成分の生成を抑制して安定的にオフガスを燃焼させることができることが実証された。
【符号の説明】
【0080】
1…メタン分離装置(PSA)、2…メタン貯蔵タンク、3…バッファタンク、4…切替バルブ、5…整圧器、6…燃焼塔、10…コントロールユニット、100…オフガス燃焼システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオガスからメタンを分離する際に排出されるオフガスを燃焼するオフガス燃焼システムであって、
バイオガスからメタンを分離するメタン分離装置と、
前記メタン分離装置から排出されるオフガスを貯蔵するバッファタンクと、
前記オフガスの燃焼前に前記バッファタンクから放出される該オフガスの圧力を調整する整圧器と、
前記整圧器によって圧力が調整された前記オフガスを燃焼する燃焼塔と、を備えるオフガス燃焼システム。
【請求項2】
前記メタン分離装置は、PSA法または膜分離法を用いてメタンを分離する請求項1に記載のオフガス燃焼システム。
【請求項3】
前記燃焼塔には、前記バイオガスが供給されるようになっている請求項1または2に記載のオフガス燃焼システム。
【請求項4】
前記オフガス燃焼システムは、前記燃焼塔への前記オフガスの供給と前記バイオガスの供給とを切り替える切替バルブを備える請求項3に記載のオフガス燃焼システム。
【請求項5】
前記切替バルブは、前記バッファタンクと前記整圧器の間に設けられており、前記燃焼塔へ供給される前記バイオガスの圧力を調整できるようになっている請求項4に記載のオフガス燃焼システム。
【請求項6】
バイオガスからメタンを分離する際に排出されるオフガスを燃焼するオフガス燃焼方法であって、
バイオガスからメタンを分離するメタン分離工程と、
前記メタン分離工程で排出されるオフガスを貯蔵するオフガス貯蔵工程と、
前記オフガスの貯蔵後且つ燃焼前の該オフガスの圧力を調整するオフガス整圧工程と、
圧力が調整された前記オフガスを燃焼するオフガス燃焼工程と、からなるオフガス燃焼方法。
【請求項7】
前記メタン分離工程は、PSA法または膜分離法を用いて行われる請求項6に記載のオフガス燃焼方法。
【請求項8】
前記オフガス燃焼工程よりも前工程として、前記バイオガスを燃焼するバイオガス燃焼工程を含む請求項6または7に記載のオフガス燃焼方法。
【請求項9】
前記バイオガス燃焼工程において、圧力調整後の前記バイオガスを燃焼する請求項8に記載のオフガス燃焼方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−215376(P2012−215376A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−56095(P2012−56095)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(591196429)タカミツ工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】