説明

オフセットインキ組成物

【課題】従来の黄、紅、藍、墨プロセス4色印刷で表現していたRGBの色再現領域よりもより広い色領域を再現することを可能とする浸透乾燥型の印刷インキを提供する。
【解決手段】黄インキ、紅インキ、及び藍インキのうちいずれか2つ又は3つ、並びに墨インキを使用するオフセット印刷において、黄インキとして、濃度値1.10〜1.20の墨インキ上に濃度0.85〜0.95の範囲で刷り重ねた場合のL*値が31以上の不透明性を有する黄インキであることを特徴とするオフセット用印刷インキ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなるオフセットインキ組成物であって、4色で高彩度の色再現性に優れたオフセットインキ組成物に関する。
【0002】
90年代より始まったIT革命は、印刷現場を取り巻く環境を著しくデジタル化の方向へと導いてきており、このデジタル化によって、従来の印刷方式のワークフロー(撮影・ポジ・スキャン・データ・デザイン・EPS・面付け・フィルム・刷版・印刷)が多段階式過程であったのに対し、デジタルカメラによる撮影・DTP・CTP・印刷とその過程を飛躍的に短縮することに成功した。それによって、入稿データの「RGB」化が標準化しつつあり、取り扱われるデータがより色再現領域の広いものへとシフトしつつあるのが現状である。しかし、現在主流となっている黄、紅、藍、墨のプロセス4色(CMYK)からなる平版オフセット印刷では、減色混合による色相となるため、色を重ねるごとに色相に濁りが生じ、必然的に色再現領域がRGBのそれよりも狭いものとなりデジタルデータと印刷物との間の色再現性の差異が問題となっていった。特に浸透乾燥型インキを用いる更紙用印刷(特に新聞印刷)においては、用紙の白色度、平滑性の問題があり、コート紙用印刷よりも、更に色再現領域が狭くにあり、デジタルデータからの見本印刷物との色再現領域の差異が非常に問題となってしまう。
【0003】
また、白色度の劣る新聞用紙等の更紙に印刷する場合は下紙の影響を受けず、黄インキ本来の発色性を出し、広い色再現領域を得るには不透明であることが望ましい。
【0004】
また、オフセット印刷用の藍顔料としては、結晶安定性、分散性に優れたβ型銅フタロシアニン系化合物が一般的に用いられている。更に、緑・紫の色再現領域を拡げるために上記フタロシアニン化合物に対し、フタロシアニン分子のベンゼン環上の水素原子をハロゲン化合物で置換したハロゲン化銅フタロシアニン化合物を必要に応じて混合して使用しているが、白色度の低い新聞印刷ではガモットを拡げる効果が弱く、更に、色相の異なる顔料を併用して用いると色相に濁りを生じるため、単一の顔料によって目的の色相を出すことが望ましい。
【0005】
しかし、フタロシアニン系化合物のその優れた印刷適性から、現在までフタロシアニン系化合物以外の藍顔料は、オフセット用藍顔料として用いられて来なかった。
【0006】
これを解決する手段として、特許文献1では高彩度の印刷システムとして5〜7色のインキセットを使用する印刷方法が確立され、それぞれの特定した色相を持つインキセットを用いる印刷方法として、プロセス4色に橙、緑を加えた6色(ヘキサクロム印刷)やプロセス4色に橙、緑、紫を加えた7色(ハイファイ印刷)等が確立されている。また、ヘキサクロムインキに代表されるように、色再現領域を広げる手段として一部の色に蛍光顔料を含有させるなどの手法もとられるが、印刷適正の劣化(転移不良、光沢低下等)や耐光性不足による印刷物の褪色等のデメリットもある。更に、使用するインキの色数が6色、7色となり、印刷機の胴数6胴以上の高価な多色印刷機を必要とする事に咥え、それと同数の多色分解した版数が必須条件となり、新たに始めるには巨額な設備投資と、色調管理の複雑化などで本システムを用いるには限られた範囲に止まっている。
【特許文献1】特開2001−260516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、従来多く普及している4色印刷機を用いて、RGBの色再現領域、特に従来困難であったG(緑)・B(青紫)の領域を限りなく表現することができる、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなるオフセットインキを提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなるオフセット印刷用インキ組成物において、黄、紅、藍の3色がジスアゾイエロー系化合物を顔料成分とする黄インキと、ローダミン系染料の金属レーキ化合物を顔料成分とする紅インキと、トリフェニルメタン系染料の金属レーキ化合物を顔料成分とする藍インキとの組み合わせからなるオフセットインキ組成物に関するものである。
【0009】
また、本発明はジスアゾイエロー系化合物として、C.I.ピグメントイエロー12またはC.I.ピグメントイエロー13を5%〜15%含有し、濃度値1.10〜1.20の墨インキ上に0.85〜0.95の範囲で刷り重ねた場合のL*値が31以上の不透明性を有する黄インキに関するものである。
さらに、本発明は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、C.I.ピグメントレッド81又はC.I.ピグメント169又はC.I.ピグメントバイオレット1を15%〜30%含有する上記の紅インキに関するものである。
【0010】
また、本発明は、トリフェニルメタン系染料の金属レーキ化合物として、C.I.ピグメントブルー1、又はC.I.ピグメントブルー2、又はC.I.ピグメントブルー3、又はC.I.ピグメントブルー8、又はC.I.ピグメントブルー9、又はC.I.ピグメントブルー12、又はC.I.ピグメントブルー62、又はC.I.ピグメントグリーン1を5〜25%含有する藍インキに関するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明が提供するオフセットインキ印刷方法を用いることにより、従来の黄、紅、藍、墨プロセス4色印刷で表現していた色再現領域よりも更に広い色領域の再現が可能となり、RGBの色再現領域を限りなく表現することができる。また、本発明では、印刷物の色再現領域を向上させる手段として蛍光顔料を使用していないため、印刷適正、印刷物の経時での褪色等を劣化させることなく、高彩度の印刷物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0013】
本発明は、顔料と、合成樹脂、植物油、石油系溶剤とを必要に応じてステアリン酸アルミニウム、アルミキレート等のゲル化剤と共に加熱溶解したビヒクル成分と、耐摩擦剤等の補助財とからなる黄、紅、藍、墨の4色からなるオフセットインキであって、ISO規格の新聞用ジャパンカラー標準用紙、例えば日本製紙(株)製新聞用紙(JCNペーパー準拠、秤量43g/m、L*:82、a*:−0.4、b*:4.6)に印刷し、黄、紅、藍の各色をGretag Macbeth Spectro Eye(45/0、D50、2度視野:Status T)濃度計にて測定した際の濃度値が、黄が0.85〜0.95、紅が0.88〜1.00、藍が0.84〜1.00の範囲内であるときに単色及び各単色の刷り重ねのL*a*b*表色系による色度(JIS Z 8729)が、黄インキでL*73〜85、好ましくは76〜82、a*:−10〜0、好ましくは−8〜−2、b*60〜70、好ましくは62〜68、紅インキで、L*:50〜60、好ましくは52〜58、a*:45〜55、好ましくは47〜52、b*:−15〜−5、好ましくは−10〜−7、藍インキで、L*:50〜62、好ましくは52〜60、a*:−35〜−25、好ましくは−33〜−27、b*:−35〜−25好ましくは−33〜−27、更には、紅インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:50〜60、a*:37〜47、b*:27〜39、藍インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:50〜60、a*:−47〜−37、b*:16〜26、藍インキ×紅インキの刷り重ねで、L*:35〜45、a*:10〜22、b*:−40〜−30の範囲内になることを特徴とする。
【0014】
色再現領域の表現方法としては、XYZ表色系(CIE1931表色系)、X10Y10Z10表色系(CIE1964表色系)、L*a*b*表色系(CIE1976)、ハンターLab表色系、マンセル表色系、L*u*v*表色系(CIE1976)等が挙げられる。
【0015】
L*a*b*表色系では、色相に関係なく比較できる明るさの度合いとして「明度」をL*で表現し、L*が大きくなるほど色が明るく、小さくなるほど暗くなることを示している。また、各色によって異なる「色相」をa*、b*の値で示し、a*は赤(+)から緑(−)方向、そしてb*は黄(+)から青(−)方向を示し、各方向とも絶対値が大きくなるに従って色鮮やかになり、0に近づくに従ってくすんだ色になることを示している。これによって一つの色を、L*、a*、b*を用いて数値化することが可能となる。また「明度」「色相」とは別に、鮮やかさの度合いを数値化する方法として「彩度(C)」があり、以下の計算式にて求めることができる
【0016】
【数1】

【0017】
Cに関しても同様に、絶対値が大きくなるに従って色鮮やかになり、値が小さくなるにつれてくすんだ色になることを示している。
【0018】
一つの印刷物(印刷物以外のカラースペースも含む)で表現できるすべての色再現領域を演色領域(ガモット)と呼ぶが、ガモットを表す最も簡便な方法として、a*を横軸、b*を縦軸とした2次元空間に、単色ベタ部(黄、紅、藍)、及び、単色ベタ刷り重ね部(黄×紅、紅×藍、藍×黄)計6色のa*対b*の値を、プロットした六角形の面積で表現することが可能である。ガモットの面積が広い程、色再現領域が広いことを示している。
【0019】
本発明に用いられる黄顔料としては、ジスアゾイエロー系化合物、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、等であって、ISO規格の新聞ジャパンカラー標準用紙に印刷した時の墨インキの濃度値が1.10〜1.20の範囲内で印刷した墨インキ上に、濃度0.85〜0.95の範囲で刷り重ねした場合のL*値が31以上の不透明性を有していれば、二次色、三次色の重ね刷りをした際の下刷りインキへの影響が少なく、良好な色再現領域を得ることができる。添加量としては、5〜15重量%が好ましい。更には補色としてC.I.ピグメントイエロー83を上記黄顔料の0.5〜10%、好ましくは2〜5%加えて使用することも可能である。
【0020】
本発明で使用される紅顔料としては、ローダミンB、ローダミン3G、ローダミン6G等のローダミン系染料のモリブデン、タングステン金属レーキ化合物、又は、フェロシアニン化銅レーキ化合物、例えばC.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントバイオレット1等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これら紅顔料は単独で使用しても良く、また2種類以上組み合わせて使用することも可能である。これらの紅顔料は、全インキに対し10〜30%、より好ましくは10〜20%含有させるのが良い。
【0021】
本発明で使用される藍顔料としては、トリフェニルメタン系染料のモリブデン、タングステン金属レーキ化合物、例えば、C.I.ピグメントブルー1、又はC.I.ピグメントブルー2、又はC.I.ピグメントブルー3、又はC.I.ピグメントブルー8、又はC.I.ビグメントブルー9、又はC.I.ピグメントブルー12、又はC.I.ピグメントブルー62、又はC.I.ピグメントグリーン1等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの藍顔料は2種類以上を組み合わせて使用することも可能であり、全インキに対し5〜25%より好ましくは8〜20%含有させるのが良い。
【0022】
本発明で使用される墨顔料としては、カーボンブラック、例えばC.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
【0023】
本発明に用いられる合成樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂変性アルキッド樹脂、ロジンエステル等が考えられる。好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂を使用する。ロジン変性フェノール樹脂は、特に限定されないが、重量平均分子量1〜30万のものを使用するのが好ましい。分子量1万以下ではインキの粘弾性が低下し、40万以上ではインキとしての流動性が不十分となる。
【0024】
本発明に用いられる植物油としては、例えば菜種油、ヤシ油、綿実油、落花生油、パーム油、コーン油、オリーブ油、亜麻仁油、大豆油、サフラワー油、桐油等の植物油由来のものが例示できると共に、それらの熱重合油及び酸素吹き込み重合油等も使用できる。また、本発明ではこれらの植物油を単独で使用しても良いし、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
【0025】
また、本発明に用いられる石油系溶剤は、芳香族炭化水素の含有率が1%以下で、アニリン点が75〜95℃、好ましくは80〜95℃及び沸点が260〜350℃、好ましくは280℃〜350℃の範囲にある石油系溶剤である。石油系溶剤のアニリン点が75℃未満の場合には、樹脂を溶解させる能力が高すぎる為、インキのセット性が遅くなり好ましくなく、また95℃を越える場合には樹脂の溶解性が乏しい為、光沢、着肉等カ゛悪くなり好ましくない。また、石油系溶剤の沸点が260℃未満の場合には、印刷機上でのインキの溶剤蒸発が多くなり、インキの流動性の劣化により、インキがローラー、ブランケット、版等への転移性が悪くなり好ましくない。また、350℃を越える場合には、ヒートセット型のインキの乾燥が劣るため好ましくない。
【0026】
更に、本発明の平版インキ組成物には、必要に応じて ゲル化剤、顔料分散財、金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イオン系海面活性剤、多価アルコール等の添加剤を便宜使用することができる。
【実施例】
【0027】
次に具体的により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら記載実施例に限定されるものではない。尚、以下の記述の部は重量部、%は重量%を表す。
(オフセット用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスAの製造)
コンデンサー、温度計、及び攪拌機を装着した四つ口フラスコにロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製:重量平均分子量15万、酸価20、軟化点160℃)38.5部、大豆油30部、AFソルベント5号(新日本石油(株)製)30部を仕込み、180℃に昇温して、同温で30分間攪拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み、180℃で30分間攪拌してオフセット用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスA(以下ゲルワニスAと称す)を得た。
【0028】
インキ実施例(黄インキ)
表1のような配合にてC.I.ピグメントイエロー12(東洋インキ製造(株)製LIONOL YELLOW 1243−P)をニーダー中で温度75℃の条件下、ゲルワニスAを徐々に添加して混練して一次脱水を行った。次にニーダー温度100℃〜120℃、減圧度76mmHgの条件下で1時間バキュームし、ベースインキ中の水分を0.5%以下になるように二次脱水を行った。脱水後、残りのゲルワニスA、AFソルベント5号、大豆油を添加して混練して希釈し、ニーダーより未分散ベースインキを取り出した。取り出したベースインキをロール温度60℃の3本ロールを用いて、分散粒子系測定機(グラインドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉し、黄のベースインキ1を得た。次いで、ベースインキ1に対して、表2の配合でゲルワニスA、大豆油、コンパウンド、AFソルベント5号を添加し黄インキ1を得た。
【0029】
インキ実施例(紅インキ)
黄インキと同様に、表1の配合にてC.I.ピグメントレッド81(不二化成(株)製ファナルローズRNN−P)を用い、紅のベースインキ2を得た。次いで、ベースインキ2に対して、表2の配合でゲルワニスA、大豆油、コンパウンド、AFソルベント5号を添加し紅インキ2を得た。
【0030】
インキ実施例(藍インキ)
表2の配合にて、C.I.ピグメントブルー8をワニスと混合し、分散粒子系測定機(グラインドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉後、更に大豆油、コンパウンド、AFソルベント5号を添加し藍インキ3を得た。
【0031】
尚、比較となるインキは一般的な新聞インキを使用する。
【0032】
黄インキの不透明性の評価については、以下の試験法で評価した。
【0033】
濃度値1.10〜1.20の範囲内で印刷した墨インキ上に、濃度0.85〜0.95の範囲で黄インキを刷り重ねし、L*を測定した。結果を図1に示す。
実施例の黄インキは、濃度値を0.95まで上げてもL*が31以上で、下地の墨インキを隠蔽し、黄インキ本来の発色性が出て演色性を広げている(L*は値が小さいほど黒く、大きくなるほど白くなることを示している)。
一方、比較例はL*が低く、下地の墨インキの影響が出てしまい、演色性が狭くなってしまう。
【0034】
印刷評価試験
上記実施例及び比較例のインキについて、下記印刷条件の下、黄、紅、藍の各ベタ濃度値を、黄:0.85〜0.95、紅:0.88〜1.00、藍:0.84〜1.00の範囲内で印刷し、印刷物の評価を実施した。尚、墨インキは、一般的なオフセット用新聞印刷インキを使用し、濃度値1.12〜1.20の範囲内で印刷した。
【0035】
印刷条件
印刷機 :LITHOPIA BT2−800 NEO(三菱重工(株))
:刷り順:墨→藍→紅→黄
用紙 :新聞用更紙:超軽量紙(秤量43g/m2)(日本製紙(株))
(測色値:L*:82、a*:−0.4、b*:4.6)
湿し水 :NEWSKING ALKY(東洋インキ製造(株))0.5%水道水溶液 印刷速度:10万部/時

印刷物測定条件
濃度 :Gretag Macbeth Spectro Eye(45/0、D50、2度視野:Status T)にて印刷物の単色(黄、紅、藍、墨)ベタ部の濃度値を測定。
【0036】
測色 :Gretag Macbeth Spectro Eye(45/0、D50、2度視野:Status T)にて印刷物の単色ベタ部(黄、紅、藍)、及び、単色ベタ刷り重ね部(黄×紅、紅×藍、藍×黄)のL*、a*、b*値を測定。C値はa*及びb*から下記の計算式にて求めた。
【0037】
【数2】

【0038】
結果を図2に示す。比較例と比べて実施例のC値が大きく、印刷物の彩度が高い。また、a*を横軸、b*縦軸とした2次元空間に、各a*、b*値をプロットし、2次元のガモットで比較した結果、実施例の色再現領域が広いことがわかる。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】「黄インキの不透明性の評価に関する図である。」
【図2】「本発明による印刷物の測定結果に関する図である。」

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黄インキ、紅インキ、及び藍インキのうちいずれか2つ又は3つ、並びに墨インキを使用するオフセット印刷において、
前記、黄インキが、ジスアゾイエロー系化合物として、C.I.ピグメントイエロー12又はC.I.ピグメントイエロー13を5〜15%含有し、濃度値1.10〜1.20の墨インキ上に濃度0.85〜0.95の範囲で刷り重ねた場合のL*値が31以上の不透明性を有する黄インキ、
前記、紅インキが、ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、C.I.ピグメントレッド81又はC.I.ピグメントレッド169又はC.I.ピグメントバイオレット1を15〜20%含有する紅インキ
前記、藍インキが、トリフェニルメタン系染料の金属レーキ化合物として、C.I.ピグメントブルー1又はC.I.ピグメントブルー2又はC.I.ピグメントブルー3又はC.I.ピグメントブルー8又はC.I.ピグメント9又はC.I.ピグメントブルー12又はC.I.ピグメントブルー62、又はC.I.ピグメントグリーン1を5〜25%含有する藍インキ
であることを特徴とするオフセット用印刷インキ。
【請求項2】
オフセット用印刷インキが浸透乾燥型印刷インキである請求項1記載のオフセット用印刷インキ
【請求項3】
請求項1または2記載のオフセット用印刷インキを印刷してなる印刷物

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−255126(P2008−255126A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95295(P2007−95295)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】