説明

オブジェクト位置特定方法、システム、タグ及びユーザインターフェイス装置

構造物1の領域における(置き間違えられた)オブジェクト10を位置特定するオブジェクト位置特定方法、システム、タグ及びユーザインターフェイス装置が提案されている。当該方法は、(i)オブジェクト10を特定するステップと、(ii)光源識別コード35を含む光を発するように変調される複数の光源30を含む照明装置20を設けるステップと、(iii)光源30によって発される光で光感知タグ11を照明するステップと、(iv)光感知タグ11に、該照明を測定し、そして、光源識別コード35によって光感知タグを照明する光源30を識別するように、要求するステップと、(v)光感知タグ11から測定された照明及び光源識別コード35に関するオブジェクト位置特定データを、照明装置20を制御するように構成されるマスタ制御器25へ伝送するステップと、(vi)マスタ制御器25を用いてオブジェクト10に関連するフィードバック信号を提供するステップと、を含む。当該方法は、照明装置20を設けるステップにおいて、構造物1の照明インフラストラクチャ27を使用することを特徴とする。有利には、当該方法は、ユーザが、構造物において動く必要なく所望なオブジェクトの位置についてのフィードバック信号を得ることを可能にする。代わりには、当該方法は、ユーザが、単一の固定位置から構造物又は領域内の多くのオブジェクトを位置特定することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載される、構造物におけるオブジェクトを位置特定する方法に関する。更に、本発明は、請求項9の前段に記載される、構造物におけるオブジェクトを位置特定するシステムに関する。本発明は、請求項13の前段に記載される、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置にも関する。更に、本発明は、請求項16の前段に記載される、光感知タグに関する。このような方法、システム、及びユーザインターフェイス装置は、特に、多くの類似するオブジェクトの間で位置特定されるべきオブジェクトが分散される、図書館、倉庫、及び店舗などの環境において使用され得る。
【背景技術】
【0002】
開示される種類の方法の実施例は、米国特許第7154395号から知られている。この文書は、無線位置特定及び識別方法及びシステムを開示している。この方法及びシステムは、オブジェクトを位置特定するためにユーザインターフェイス装置として制御器/プロジェクタを含む。制御器/プロジェクタは、無線RF出力信号及び可視出力画像の両方を、十分に規定され制限された領域において投影する。画像を形成する照明化画素は、光強度の固有な時間的シーケンスを有する。無線RF出力信号に応答して、オブジェクトにおける光感知タグは、タグを照らす特定の画素の固有の時間的光強度シーケンスを感知する。この時間的シーケンスによる特定の画素を識別することは、タグに、照らされる(画像)領域内における及び照らされる(画像)領域に対するタグ自身の位置特定を可能にさせる。結果的に、タグは、位置特定データを制御器/プロジェクタへ伝送する。位置特定データに従い、タグは、タグにおいて記憶される(例えば、傷みやすい品物の販売期限日などの、オブジェクトの内容に関する)オブジェクトデータを伝送し得、これにより、制御器/プロジェクタが、ユーザへの位置特定フィードバックを拡張するために画像領域において直接オブジェクトデータを投影させる。
【0003】
この対処法の有利な点は、タグを選択し、タグを識別し、タグデータを収集し、タグに関連される情報を表示し、そしてデータと相互作用するための多機能フレームワークを提供するという点にある。このことは、この対処法を、例えば、倉庫管理に関して、有用にする。しかし、米国特許第7154395号に記載される解決法は、投影される画像領域が照明の有効フィールドを制限し、したがって、オブジェクトを位置特定するのに利用可能な有効フィールドを制限するという欠点を有する。したがって、例えば、計算機データベースから存在を知る、置き間違えられたオブジェクトを位置特定することを望む倉庫管理者は、画像領域の視野の制限されたフィールドが原因で、倉庫領域全体(及び棚)を走査する必要があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、構造物のサイズに対して制限のない視界を有する、開示される種類の方法の構造物においてオブジェクトを位置特定する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の本発明に従うオブジェクト位置特定方法により達成される。第1の態様に従うと、本発明は、前記照明装置を設けるステップにおいて、前記構造物の照明インフラストラクチャを使用すること、を特徴とする。
【0006】
有利には、構造物の照明インフラストラクチャは、白熱電球バルブ、ハロゲンバルブ、蛍光灯、HIDバルブ及び(無機)有機LEDを含む全ての種類の照明器具を含み、構造物全体に(及び構造物に隣接して)延在する。有利には、当該方法は、ユーザが、構造物において動く必要なく所望なオブジェクトの位置についてのフィードバック信号を得ることを可能にする。代わりには、当該方法は、ユーザが、単一の固定位置から構造物又は領域内の多くのオブジェクトを位置特定することを可能にする。
【0007】
「構造物(construction)」という用語は、自動車などの移動可能格納体を含む(がこれに制限されない)いかなる格納体をも意味する。更にこの用語は、ビル又は自動車などの人によって造られた構造物だけでなく、洞窟などの自然の構造物も含む。更に、「領域(area)」なる用語は、構造物において囲まれた空間又は構造物の周囲の規定される空間のいずれかのサブセットを意味し、すなわち、自由大気中においては、工場の前の駐車場などである。したがって、「領域(area)」という用語は、例えば、ロビー、通路、小部屋、会議室及びオフィス作業スペースなどを含む(がこれらに制限されない)。「領域」は、車両に隣接する規定された空間及び都市の通りをも参照し得る。
【0008】
米国特許第6865347号は、更なる先行技術を含み、構造物におけるオブジェクトの絶対3次元位置を規定する方法を開示し、この方法は、構造物の照明インフラストラクチャの光源の少なくとも1つに対する検出器の相対的位置を決定するために、3次元光学検出器を使用することを含む。更に、光源は、構造物における固定位置(所定の座標系の原点)に対する絶対位置を(放射光の変調により)伝送し、これれにより、検出器がその絶対座標を計算することを可能にする。
【0009】
本発明の実施例において、前記フィードバック信号を提供するステップが、前記オブジェクトの前記位置特定に関連される視覚的フィードバック信号を生成するために、該伝送されたオブジェクト位置特定データに基づき、前記照明インフラストラクチャによって発される前記光を制御するステップを含む。有利には、多くの同様なオブジェクトのなかで分散配置されたオブジェクトが視覚的に目立ち、これにより、ユーザが離れたところから所望のオブジェクトを認識することを可能にする。
【0010】
ある実施例に従うと、本発明は、更に、動的照明の変動及び静的照明の転換からなる群から前記視覚的フィードバック信号を選択するステップを含む。有利には、前記動的照明の変動又は静的照明の転換が、照明インフラストラクチャの光源によって発される光の強度又は色変化を含む。光の色、強度、時間的動的変動を変化させることは、他のオブジェクトに対する所望のオブジェクトの可視性を向上させる。
【0011】
ある実施例は、更に、前記照明インフラストラクチャを、光源の少なくとも第1の群及び第2の群に構成し、前記第1の群によって発される前記光を制御することによって前記視覚的フィードバック信号を生成するステップ、を含む。有利には、構造物の照明インフラストラクチャの一部のみが、オブジェクトを目立たせるように制御される必要がある。有利には、ある実施例は、更に、前記視覚的フィードバック信号とその周囲との間のコントラストを強化するために、前記第2の群によって発される前記光を制御するステップ、を含む。
【0012】
本発明に従うと、ある実施例は、更に、前記オブジェクトを特定するステップ及び前記光感知タグに、該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光感知タグを照明する前記光源を識別するように要求するステップに関して、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置を使用するステップ、を含む。有利には、実施例は、ユーザが、単一の固定位置から構造物内の多くのオブジェクトを位置特定することを可能にする。
【0013】
ある実施例は、更に、測定された照明及び光源識別コードに基づき、前記光源に対して前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置を位置特定するステップと、前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置から前記測定された照明及び光源識別コードに関連する装置位置特定データを前記マスタ制御器へ伝送するステップと、前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置の位置から前記オブジェクトの位置への視覚的案内経路を生成するために、前記照明インフラストラクチャによって発される前記光を制御するステップと、を含む。有利には、実施例は、ユーザへ、ユーザの位置から所望のオブジェクトの位置への案内を提供する。この実施例の実施化は、障害物がユーザが直接オブジェクトを観察するのを阻害する場合に、特に魅力的になる。例として、ユーザは、自身が第1の領域にいる一方で、第2の領域がオブジェクトを含むことを発見する。代替的に、オブジェクトを含む領域は、通路を形成する多くの棚を具備される図書館又は倉庫ホールを構成し、ユーザは、自身が第1の通路にいる一方で、第2の通路がオブジェクトを含むことを発見する。
【0014】
別の態様に従うと、本発明は、請求項9の前段に記載のオブジェクト位置特定システムにおいて、照明装置が、前記構造物の照明インフラストラクチャにおいて含まれることを特徴とするオブジェクト位置特定システムを提供する。本発明のある実施例において、前記照明装置は、該受信された(オブジェクト)位置特定データに基づき、前記光源によって発される前記光を制御することによって、前記オブジェクトに対して又は前記オブジェクトの周囲に視覚的フィードバック信号を生成するように構成される。有利には、多くの同様なオブジェクトのなかで分散配置されたオブジェクトが視覚的に目立ち、これにより、ユーザが離れたところから所望のオブジェクトを認識することを可能にする。
【0015】
ある実施例において、前記照明インフラストラクチャが、光源の少なくとも第1の群及び第2の群を含むように構成される。有利には、有利には、構造物の照明インフラストラクチャの一部のみが、オブジェクトを目立たせるように制御される必要がある。
【0016】
本発明のある実施例は、更に、位置特定されるべき前記オブジェクトを特定するためにオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置を含む。
【0017】
更に別の態様に従うと、本発明は、請求項13の前段に記載のオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置において、当該装置が、ユーザ入力信号に応答して前記光感知タグに、該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光感知タグを照明する前記光源を識別するように要求するように構成される通信手段を含むことを特徴とする。ある実施例において、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置は、更に光検出器を有し、前記光検出器が、当該光検出器の該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光検出器を照明する前記光源を識別するように構成される。有利には、実施例は、オブジェクト位置特定システムが、構造物における自身の位置を決定することを可能にする。より別の実施例において、前記通信手段が、前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置から前記測定された照明及び光源識別コードに関連する装置位置特定データを前記マスタ制御器へ伝送するように更に構成される。有利には、実施例は、ユーザインターフェイス装置の位置からオブジェクトへの十分に照らされた経路を提供するように照明インフラストラクチャを制御するために、ユーザインターフェイス装置と所望のオブジェクトとの間の距離をマスタ制御器が決定することを可能にする。
【0018】
本発明の第4の態様に従うと、本発明は、請求項16の前段に記載の光感知タグにおいて、当該光感知タグが、更に、ユーザ規定要求に応答して、前記照明インフラストラクチャに対する当該光感知タグの位置に依存して、当該光感知タグに対して又は当該光感知タグの近傍において視覚的フィードバック信号を提供するために前記照明インフラストラクチャの前記複数の光源を制御するように前記マスタ制御器へ通信するように構成される、光感知タグを提供する。有利には、ユーザは、自身の位置に依存することなく、タグに対して又はタグの近傍において可視的フィードバック信号を提供するタグを適用し得る。結果的に、タグが照明インフラストラクチャに対して移動する場合であっても、照明インフラストラクチャは、タグに対して又はタグの近傍において可視的フィードバック信号を連続的に提供するように制御され得る。
【0019】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される実施例から明らかであり、これらを参照にして説明される。
【0020】
本発明の更なる詳細、特徴、及び有利な点は、図面と関連させて、例示的及び好ましい実施例の以下の説明において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、従来技術の位置特定システムを示す。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例を示す。
【図3】図3は、本発明の第2の実施例を示す。
【図4】図4は、本発明の応用例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、構造物1におけるオブジェクト10(例えば、倉庫における複数の積み重ねられた箱など)を位置特定するためにユーザインターフェイス装置としてプロジェクタ(すなわち照明装置20)を含む、従来技術の位置特定システムを示す。プロジェクタは、(i)画素化ランプ(すなわち、複数の光源30)、(ii)例えばランプを制御するためのマスタ制御器25、及び(iii)RF信号を伝送及び送信するための送受信器14を含む。プロジェクタは、十分に規定され制限された領域において、無線RF出力信号及び可視的出力画像フィールド100を投影する。画像フィールド100を形成する照明された画素101は、固有の光強度の時間的シーケンス(光源識別コード35)を含む。無線RF出力信号に応答して、(i)光検出器12、(ii)送受信器13及び(図示されない)メモリを有するマイクロコントローラを含む、光感知タグ11は、オブジェクト10において、タグ11を照らす特定の画素101の固有の時間的光強度シーケンスを感知する。この時間的シーケンスによる特定の画素101を識別することは、タグ11に、照らされる(画像フィールド100)領域内における及び照らされる(画像)領域に対するタグ自身を位置特定することを可能にさせる。結果的に、タグ11は、位置データをプロジェクタへ伝送する。位置特定データに加えて、タグ11は、タグにおいて記憶される(例えば、傷みやすい品物の販売期限日などの、オブジェクトの内容に関する)オブジェクトデータを伝送し得、これにより、プロジェクタが、ユーザへの位置特定フィードバックを拡張するために画像フィールド100において直接オブジェクトデータを投影することを可能にする。
【0023】
したがって、(置き間違えられた)オブジェクト10を位置特定することを望む倉庫管理者は、オブジェクト10を位置特定するために、構造物1を歩き回り、そして、プロジェクタで全ての積層物を走査する必要がある。従来技術の方法及びシステムは、プロジェクタの画像フィールド100の外側のオブジェクト10を位置特定することを可能にしない。このことは、従来技術の方法に固有の物質的リソース及び時間割り当ての必要性が原因により、かなり問題を構成し、倉庫管理者に対する大いなる経済損失を生じさせる。
【0024】
本発明は、構造物1の領域において(光感知タグ11を含む)オブジェクト10を位置特定するオブジェクト位置特定方法を提供すること及び、照明装置20を提供することにおいて構造物1の照明インフラストラクチャ27を用いることによって(図2参照)、この問題に関する解決法を提供する。有利には、当該方法は、構造物全体1を探し回る必要なく、所望のオブジェクト10の位置特定に関するフィードバックを提供する。
【0025】
本発明によって提供される方法に従うと、倉庫管理者は、オブジェクト10を特定する。ある実施例において、この特定は、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40を用いて行われる。その後、タグIDを含む無線(RF)信号を伝送することは、タグ11に、構造物1の照明インフラストラクチャ27の光源30によって提供される照明を測定するように要求する。この目的に関して、光感知タグ11を組み込むオブジェクト10は、光検出器12、送受信器13及び(図示されない)メモリを有するマイクロコントローラを含む。
【0026】
能動的バッテリ電源RFIDタグが、適切に使用され得る。しかし、受動型RFタグの使用は、それらが比較的に高価なバッテリパックを必要としないので、有利である。光検出器は、受動型RFタグのサイズ及び電源要件と適合するいくつかの種類のセンサのうちの1つである。有利には、受動型RFタグに照明を測定するよう要求するRF信号は、受動型RFタグの電源立ち上げ及び活性化させ得る。その時点までは、必要がないので、受動型RFタグは光検出をしていない。
【0027】
本発明に従うと、照明インフラストラクチャ27は、タグを照明する光を提供する。オブジェクト10の位置特定を可能にするために、照明インフラストラクチャ27を構成する光源30は、光源識別コード35を含むために、発される光を、人間の目による視覚的知覚を超える周波数で変調する。光源30においてスペクトラム拡散変調器を組み込むことは、この変調を効率的に実施化させる。有利には、CDMA、すなわち符号分割多重化アクセス方式、符号化は、十分に分化された光源識別コード35を提供する。CDMA符号化スキームは、オン/オフキーイングに基づき得る。オン/オフキーイング(OOK)変調は、搬送波の存在又は欠如としてデジタルデータを表わす。最も簡単な形式において、特定持続時間に関する搬送の存在はバイナリ「1」を表わし、同一の持続時間に関する欠如はバイナリ「0」を表わすが、原則的に、いかなるデジタル符号化スキームも使用され得る。代替的に、変調方法は、二相(BP)変調の一般化であり得る。
【0028】
光源識別コード35を決定することは、タグ11が、個別の光源30からの照明への寄与を計算することを可能にする。識別される光源に基づき、タグ11は、オブジェクトの位置に関する情報を含むオブジェクト位置特定データを生成する。
【0029】
当該方法は、有利には、参照座標系に対する(従来技術の方法及びシステムが行う必要があるような)絶対的又は相対的位置を決定する必要はない。本発明の方法は、単純に、照明インフラストラクチャ27のマスタ制御器25に、所望のタグ11によって識別される光源30及びタグIDに関するオブジェクト位置特定データを提供する。マスタ制御器25は、参照座標系に対するオブジェクト10の絶対的又は相対的位置をも計算する必要はない。受信されるデータを使用すると、マスタ制御器25は、単純に、オブジェクト10の位置に関する視覚的フィードバック信号を管理者へ提供するために、インフラストラクチャ27の照明設定を調整する。
【0030】
本発明の実施例において、視覚的フィードバック信号は、単純に、位置特定されるオブジェクト10に対する又はその周囲における光のスポットなどの、静的照明転換(alternation)である。このスポットは、周囲よりも高い照明レベルを有する。有利には、このことは、管理者が、オブジェクトが多くの類似のオブジェクトのなかに分散配置されているとしても、離れたところからスポットを認識することを可能にする。代替的に、視覚的フィードバック信号は、オブジェクト10に対する又はその周囲における光の時間依存の点滅などの、動的照明変動を構成し得る。有利には、動的変動又は静的転換は、照明の強度又は色変化を含む。光の色、強度、及び/又は時間的動的変動を変化させることは、他のオブジェクトに対する所望のオブジェクトの可視性を向上させる。
【0031】
本発明の実施例において、当該方法は、光源30を第1の群31及び第2の群32に構成し、第1の群のみからの光源によって発される光を制御/調整することによって、管理者に対して視覚的フィードバック信号を生成する。有利には、構造物1の照明インフラストラクチャ27における光源30の一部のみが、オブジェクト10を目立たせるために制御される必要がある。有利には、このことは、例えば、所望のオブジェクト10を含まない構造物1の領域における照明を、転換されないままにする。ある実施例において、当該方法は、更に、前記視覚的フィードバック信号とその周囲との間のコントラストを強化するために、前記第2の群32からの光源30によって発される前記光を制御/調整する。例えば、第2の群32は、第1の群31における光源に隣接して光源30を有する。マスタ制御器25に第2の群の光源によって発される光を調光又は減光させることは、強化を実施化させる。代替的に、第2の群32によって発される光の色は、第1の群31によって発される光の色と対照をなす。
【0032】
ある実施例において、本発明は、位置特定されるべきオブジェクト10を特定し、オブジェクト10によって組み込まれる光感知タグ11に、該照明を測定し、そして、光源識別コード35によって光源35を識別するための、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40を使用する。オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40は、PDAなどの、ハンドヘルド装置であり得る。代替的に、構造物1の領域を規定する壁又は制御室における固定された位置に存在し得る。有利には、識別要求を伝達するために、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40は、送受信器などの、通信手段41を含む。
【0033】
図3に示される実施例において、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40は、有利には、光検出器42を組み込む。このことは、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40が、光検出器42において測定される照明に基づき、光源30に対する自身の位置を特定することを可能にする。通信手段41及び光検出器42を光感知タグ11に組み込むように構成することは実行可能な選択肢を形成することを注意されるべきである。測定された照明及び光源識別コード35に関する装置位置データのその後のマスタ制御器25への伝送は、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40から(所望の)オブジェクト10の位置への視覚的案内経路を生成するために、照明インフラストラクチャ27によって発される光の強度を制御することを可能にする。オブジェクト10に対する又はオブジェクト10の周囲における視覚的フィードバック信号を用いるのと同様に、視覚的案内経路50は、動的照明変動又は静的照明転換を用いて生成され得る。同様に、変動及び転換は、強度又は色変化を含み得る。有利には、実施例は、第1領域におけるユーザの位置から第2領域において含まれる所望のオブジェクトの位置への案内をユーザへ提供する。代替的に、オブジェクトを含む領域は、通路を形成する多くの棚を具備される図書館又は倉庫ホールを構成し、ユーザは、自身が第1の通路にいる一方で、第2の通路がオブジェクトを含むことを発見する。
【0034】
当該方法は、2人の管理者が同時にこの方法を使用することを可能にすることを注意するすべきである。ある実施例において、マスタ制御器25へ伝送される装置位置データは、任意追加的にオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置IDを含む。このID情報は、マスタ制御器が、ユーザインターフェイス装置IDに対応する光学特性を有する視覚的案内経路50を生成することを可能にする。例えば、案内経路50は、異なる色を有する。代替的に、異なるサイズの色スポット又は形状が、案内経路50を形成する。
【0035】
視覚的案内経路50を生成することに加えて、本発明の実施例に従うマスタ制御器25は、オブジェクト10の位置についての情報をオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置40へ伝送し得る。その場合、参照座標系に対する絶対的又は相対的位置を決定することは、必須要件を形成する。マスタ制御器25は、例えば、ルックアップテーブルなどの、メモリに記憶された光源30の位置に関する情報及びオブジェクトの位置における測定された照明レベルに基づきこのような絶対的又は相対的位置を決定し得る。例えば、光源30を点光源と記述することにより、標準光理論は、照明レベルが、光源と測定点との間の距離の逆数の二乗に従い減少することを教示する。非点光源に関しては、同一の理論が、照明レベルの他の距離依存性を提供する。マスタ制御器25は、光源30によって発される光の強度を制御するので、マスタ制御器25は、照明への個々の寄与及び標準三角測量を用いて、オブジェクトの位置を特定し得る。
【0036】
ある態様に従うと、本発明は、光感知タグ11を提供する。この光感知タグ11は、(i)照明インフラストラクチャ27の複数の光源30によって提供される照明を測定し、(ii)該発された光に含まれる光源識別コード35によって当該光感知タグ11を照明する前記光源30を識別し、(iii)前記測定された照明及び前記光源識別コード35に関するデータを、前記照明インフラストラクチャ27のマスタ制御器25へ伝送するように構成される。更に、光感知タグは、更に、ユーザ規定要求に応答して、前記照明インフラストラクチャ27に対する当該光感知タグの位置に依存して、当該光感知タグ11に対して又は当該光感知タグの近傍において視覚的フィードバック信号を提供するために前記照明インフラストラクチャ27の前記複数の光源30を制御するように前記マスタ制御器25へ命令するように構成される。
【0037】
ある実施例(図4)において、ペーパークリップ又はペンなどの挟むことが可能な機器80は、タグ11を有する。ある実施例において、タグは、ペーパークリップ80の位置又は「状態」に依存して照明インフラストラクチャ27を命令する。例えば、命令は、スポットライトが、タグ11に対して又はその周囲において焦点を合わされるようにさせる。ペーパークリップ80の「状態」は、使用される文脈上の状況を示す。このような文脈上の状況の例は、ペーパークリップ80がオブジェクトにおいて挟まれているか否かである。別の例は、ペーパークリップが挟まれる本90が開いているか閉じられているかである。更に、ペーパークリップ80の位置、動き及び/又は無機は、本が読まれているか否かを提供し得る。本90の読まれていない状況において、タグ11は、照明インフラストラクチャ27に、平均的な光強度(通常100乃至500luxの間のいずれか)で基本的な照明レベルを提供するように命令する。しかし、本90が読まれるために開かれており、ペーパークリップが本に挟まれている場合、読書スポットライトが本に焦点を定められ、これにより、活動に関して適切な照明レベルを(年配の)読者に提供する。
【0038】
ペーパークリップ80のある実施例において、クリップの開口の幅は、例えば、光強度、スポットサイズ、又は色などの、照明インフラストラクチャ27の光源によって発される光の照明パラメータを制御する。例として、ペーパークリップ80が数ページのみを挟む場合、タグは、通常のスポットライトを提供するようにインフラストラクチャへ命令する。しかし、タグが多くのページを挟む場合、より明るいスポットライトが提供される。
【0039】
ある実施例において、ペン80がタグ11を含む。ペンをクリックすることが、タグが、照明インフラストラクチャ27に適切な照明パターンを提供するように命令することを誘起させ得る。(動きセンサによって検出される)書くためにペンを使用する場合、スポットライトは、書いている位置に提供され得る。ペンの回転は、光強度又は色を転換させ得る。代替的に、ペンのオン/オフをトグルすることは、照明設定を制御するためのユーザ相互作用を提供し得る。ある実施例において、タグ11は、一群の光効果でタグを(再)プログラムするために、メモリを具備され得る。有利には、プログラミングは、無線接続(USB、ブルートゥース、RFなど)を使用するが、原理的に、典型的なディップスイッチも使用され得る。
【0040】
別の応用例は、例えばファッションショップにおける棚において提示されるバッグなど店舗において販売可能な品物に対する可狭機器80において含まれる光感知タグ11を用いる。品物においてタグを挟むことは、自動的に、照明インフラストラクチャ27の照明設定を制御する。例えば、タグ11の応用例は、正しい照明設定を保証する。有利には、このような応用例は、顧客が検討した後に品物の位置を変える場合に、照明について心配する必要がないので、店舗店員を手助けする。
【0041】
本発明は上述の実施例を参照にして説明されているが、代替的な実施例も同一の目的を達成するのに使用され得ることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、上述の実施例に制限されないが、例えば、所定の領域の制限を超えてオブジェクトが可搬されることがアラームシステムを起動させるようなセキュリティシステムなどの、他の何れかのオブジェクト位置特定応用例へも適用され得る。更に及び単なる例として、本発明は、帰着の旅客を彼の自動車へと案内する、空港駐車場において導入される、自動車位置特定システムにおいて適用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の領域におけるオブジェクトを位置特定する方法であって、前記オブジェクトが光感知タグを含み、当該方法が、
−位置特定されるべき前記オブジェクトを特定するステップと、
−光源識別コードを含む光を発するように変調される複数の光源を含む照明装置を設けるステップと、
−前記光源によって発される光で前記光感知タグを照明するステップと、
−前記光感知タグに、該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光感知タグを照明する前記光源を識別するように、要求するステップと、
−前記光感知タグから前記測定された照明及び前記光源識別コードに関するオブジェクト位置特定データを、前記照明装置を制御するように構成されるマスタ制御器へ伝送するステップと、
−前記マスタ制御器を用いて前記オブジェクトに関連するフィードバック信号を提供するステップと、
を含む、方法において、
−前記照明装置を設けるステップにおいて、前記構造物の照明インフラストラクチャを使用すること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記フィードバック信号を提供するステップが、前記オブジェクトの前記位置に関連される視覚的フィードバック信号を生成するために、該伝送されたオブジェクト位置特定データに基づき、前記照明インフラストラクチャによって発される前記光を制御するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、更に、動的照明の変動及び静的照明の転換からなる群から前記視覚的フィードバック信号を選択するステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記動的照明の変動又は静的照明の転換が、強度又は色変化を含む、方法。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れか一項に記載の方法であって、更に、前記照明インフラストラクチャを、光源の少なくとも第1の群及び第2の群に構成するステップ、及び、前記第1の群によって発される前記光を制御することによって前記視覚的フィードバック信号を生成するステップ、を含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、更に、前記視覚的フィードバック信号とその周囲との間のコントラストを強化するために、前記第2の群によって発される前記光を制御するステップ、を含む方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法であって、更に、前記オブジェクトを特定するステップ及び前記光感知タグに、該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光感知タグを照明する前記光源を識別するように要求するステップに関して、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置を使用するステップ、を含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、更に、
測定された照明及び光源識別コードに基づき、前記光源に対して前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置を位置特定するステップと、
前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置から前記測定された照明及び光源識別コードに関連する装置位置特定データを前記マスタ制御器へ伝送するステップと、
前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置の位置から前記オブジェクトの位置への視覚的案内経路を生成するために、前記照明インフラストラクチャによって発される前記光を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
構造物の領域におけるオブジェクトを位置特定するシステムであって、当該システムが、
−光源識別コードを含むように変調される光を発するように構成され、更に、光感知タグを照明するように構成される複数の光源を含む照明装置と、
−前記オブジェクトに接続される又は近傍に配置されることが可能である光感知タグであって、該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光感知タグを照明する前記光源を識別するように、構成される光感知タグと、
−前記光感知タグから前記測定された照明及び前記光源識別コードに関するオブジェクト位置特定データを受け取るように構成され、更に、前記オブジェクトの位置に関連されるフィードバック信号を提供するように構成される、マスタ制御器と、
を有する、システムにおいて、
−前記照明装置が、前記構造物の照明インフラストラクチャにおいて含まれることを特徴とする、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記照明インフラストラクチャが、該受信された位置特定データに基づき、前記光源によって発される前記光を制御することによって、前記オブジェクトに対して又は前記オブジェクトの周囲に視覚的フィードバック信号を生成するように構成される、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、前記照明インフラストラクチャが、光源の少なくとも第1の群及び第2の群を含むように構成される、システム。
【請求項12】
請求項9乃至11の何れか一項に記載のシステムであって、更に、位置特定されるべき前記オブジェクトを特定するためにオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置を含む、システム。
【請求項13】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の方法及び請求項9乃至12の何れか一項に記載のシステムにおいて使用するオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置において、当該装置が、ユーザ入力信号に応答して前記光感知タグに、該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光感知タグを照明する前記光源を識別するように要求するように構成される通信手段を含むことを特徴とする、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置。
【請求項14】
請求項13に記載のオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置であって、更に光検出器を有し、前記光検出器が、当該光検出器の該照明を測定し、そして、前記光源識別コードによって前記光検出器を照明する前記光源を識別するように構成される、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置。
【請求項15】
請求項14に記載のオブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置であって、前記通信手段が、前記オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置から前記測定された照明及び光源識別コードに関連する装置位置特定データを前記マスタ制御器へ伝送するように更に構成される、オブジェクト位置特定ユーザインターフェイス装置。
【請求項16】
光感知タグであって、
−照明インフラストラクチャの複数の光源によって提供される照明を測定し、
−該発された光に含まれる光源識別コードによって当該光感知タグを照明する前記光源を識別し、
−前記測定された照明及び前記光源識別コードに関するデータを、前記照明インフラストラクチャのマスタ制御器へ伝送する、
ように構成される光感知タグにおいて、
−当該光感知タグが、更に、ユーザ規定要求に応答して、前記照明インフラストラクチャに対する当該光感知タグの位置に依存して当該光感知タグに対して又は当該光感知タグの近傍において視覚的フィードバック信号を提供するために、前記照明インフラストラクチャの前記複数の光源を制御するように前記マスタ制御器へ通信するように構成されることを特徴とする、光感知タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−529572(P2010−529572A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511753(P2010−511753)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052231
【国際公開番号】WO2008/152545
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】