説明

オブジェクト識別データをパッケージ識別データと連結するためのシステム

荷送人(15)はパッケージ(13)に入った製品(21)を運送人(19)を介して荷受人(17)に出荷する。運送人のコンピュータシステム(2)は製品(21)に関連したオブジェクト(20)を識別するデータ(23)と、パッケージ(13)を識別するデータ(27)とを受信し、これら2つのデータを連結した上でデータベース(29)に記憶する。オブジェクト(20)は、製品(21)、パッケージ(13)、または一群のパッケージもしくはオブジェクトとして定義することができる。パッケージ(13)が運送人の輸送保管ネットワーク(18)を進む際、それらは1つ以上のポータル(9)を通過し、それぞれのポータルでイベントデータ(31)を生成するために読み取りが行われる。イベントデータ(31)は連結されたデータと保存するためコンピュータシステム(2)に送信され、運送人のネットワーク(18)内における製品(21)に関するステータス情報を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は“UPC(Universal Product Codes)”または“EPC(Electronic Product Codes)”として知られる製品を識別するために使用されるデータの利用法に関する。本発明は製品上にバーコードまたはRFID(radio-frequency identification)タグといったデータを付与して読み取るための技術にも関係している。さらに、本発明は製品が入ったパッケージの運送および関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
EPCは製品に付随した識別子であり、シリアル番号のように製品を一意に識別するために使用される。EPCは製品上に光学的に読取可能な証印(indicia)の形式、例えば1次元乃至2次元バーコード、マキシコード(MaxiCode(登録商標))証印または他の光学的読取可能な形式で付与するこができる。光学的に読取可能な証印を使用する代わりまたは追加として、EPCは製品上に電磁的に読取可能な形式、例えば磁気ストリップ、RFIDなどの形式で付与することができる。
【0003】
様々な産業でEPCの利用を標準化する試みが存在するが、EPCは一般にそのEPCを作成した事業者、通常は製品の製造業者、以外のその製品に関わる事業者にとっては無意味であるという事実が依然として残る。このため、製造業者がある特定の製品を指定するためにEPCを使用する場合、このコードは一般に、製品に関わる他業者、例えば配送業者、小売業者、エンドユーザ、リサイクル業者など、は使用することができない。なぜなら、これらの他業者は一般に製造業者のEPCを読み取るための適切な機器を備えていないからである。例えこうした業者が適切な機器を所有したとしても、標準規格がないために、EPCのデータは一般に、そのEPCを作成した業者からのそのEPCに使用されたデータプロトコルを知らせる更なる情報なくしては解釈することはできない。従って、商業物流における特定の製品の所在地、1つの場所から別の場所への製品の出荷時間、流通網(distribution chain)に沿ったポイントおよび小売店所在地における在庫品目、エンドユーザによって返送された製品の状況および所在地、および製品に関する他の情報といった重要な情報は一般に、当該製品の商業物流に関わる他の事業者が製品上のEPCコードを読み取って読み取られたデータを他の事業者に提供するための機器を一般に持っていないという事実から、失われる。こうしたことから、製品の製造業者およびその製品に関係した供給もしくは流通網に関わる他の指定事業者が製品が商業物流を進む際にその進行状況を見守ることができるようにすることが望ましいだろう。
【0004】
例えばユナイテッド・パーセル・サービス社(United Parcel Service(登録商標),Inc. corporation:UPS)などのパッケージ(梱包輸送物)の運送人は運送人の運送インフラを使用して荷送人から荷受人へ出荷されたパッケージを追跡するための追跡番号を現在提供している。現在行われているように、パッケージを出荷するために使用される各ラベルはそれぞれのパッケージを一意に識別するパッケージ識別番号を有する。個人、一般にパッケージの荷送人は、ウェブブラウザを使用してサーバアプリケーションにログインし、パッケージ識別番号を入力して運送状況を特定することができる。しかしながら、パッケージ識別番号は荷送人の業脈においてどういった製品またはオブジェクトが対応するパッケージに関係しているかに関する一切の情報を提供しないので、パッケージ識別番号は荷送人にとっては無意味である。このことは、荷送人が製品の入ったパッケージを一旦出荷すると、荷送人が出荷したものおよび斯かるパッケージの運送中の状況を見守ることは一般にできなくなることを意味する。この問題は、荷送人が常時、様々な荷受人へ輸送されている多数のパッケージに入った製品を有するときには、大いに拡大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、荷送人、および場合によって荷受人、供給業者、配送業者、小売業者、もしくはエンドユーザといった他の事業者が荷送人から荷受人へ運送中の製品の状況を見守ることができるようにする技術が必要とされている。本発明は様々な形態で従来の技術に伴う上記の欠点を克服し、これまで可能でなかった利点を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1実施形態における運送人コンピュータシステムは、オブジェクトを一意に識別するオブジェクト識別データを受信する。オブジェクトとしては、1つ以上の製品、製品の入ったボックス(box)もしくはコンテナ(container)、または製品が入った一定の数もしくはロット(lot)のボックスもしくはコンテナであることが可能であり、それ(オブジェクト)は荷送人にとってその業務において最も有用となるよう荷送人自身が定義することができる。運送人コンピュータシステムは運送人の輸送保管インフラを使用して荷送人から荷受人へ輸送されるパッケージを一意に識別するパッケージ識別データを取得する。運送人コンピュータシステムはオブジェクト識別データをパッケージ識別データと連結(リンク)する。この連結により、荷送人はパッケージを荷送人から荷受人へ輸送する運送人のインフラ内にあるパッケージに関連したオブジェクトを追跡することが可能となる。パッケージが運送人のネットワーク内にある1つ以上のポータルを通過する際、ポータルに付随した運送人コンピュータシステムのスキャナはパッケージ識別データを読み取ってイベントデータを生成する。イベントデータは、イベントを記述する記述データと、イベントが発生した場所を特定する場所データ(location data)、そしてイベントが発生した時を示す日時データを含むことができる。このイベントデータは、パッケージが運送人の輸送保管ネットワーク18のポータルを通過する際に、連結された(linked)オブジェクト識別データおよびパッケージ識別データと関連付けて記憶するため、各ポータルのスキャナから運送人コンピュータシステムへ報告されることが可能である。こうして、オブジェクトに関係したイベントのデータ記録が取得され、選択的にタグ付けされ、製品に関わる事業者、例えば供給業者、製造業者、配送業者、小売業者、エンドユーザ、リサイクル業者などが有するコンピュータシステムが彼らの業務を効率的にするために利用することができるよう別のコンピュータシステムへアップロードされることが可能である。他の関係したシステムおよび方法も同様にここに開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の他の目的および他の利点と共に本発明の実施形態を添付図面を参照して以下詳細に説明する。図面において類似の符号は類似の構成要素に付される。
【0008】
ここで使用される以下の用語は以下の意味を有するものとする。
【0009】
“および/または”は直前および直後の単語の一方または両方を意味する。
【0010】
“アプリケーション”は、特定のタスクを実行するよう設計された、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムまたはコードである。
【0011】
“ブラウザ・アプリケーション(Browser Application)”は、WWW(World Wide Web)、WWW2、WWW3、インタネット、インタネット2,インタネット3または他の公衆通信回線を介してリソースにアクセスするためにコンピュータによって実行されるソフトウェアである。ブラウザ・アプリケーションの例としてはマイクロソフト・エクスプローラ(Microsoft(登録商標)Explorer)第6.x版およびネットスケープ(Netscap(登録商標))第7.x版がある。
【0012】
“コンピュータ”は、入力データを受信し、そのデータを処理し、そこから出力データを生成することが可能な任意のデバイスであることが可能である。コンピュータは例えば、メーンフレーム(mainframe)、ミニフレーム(miniframe)、サーバ、パーソナルコンピュータ(personal computer:PC)、または個人用携帯情報端末(personal digital assistant:PDA)であることが可能である。こうしたコンピュータは、米国テキサス州ラウンドロックに所在するデル社(Dell(登録商標)Corporation, Round Rock, Texas)、米国カリフォルニア州パロアルトに所在するヒューレットパッカード社(HewlettPackard(登録商標)Corporation; Palo Alto, California)、米国カリフォルニア州サンディアゴに所在するゲートウェイ社(Gateway(登録商標)Corporation, San Diego, California)、IBM社(International Business Machines(登録商標)Corporation)などを含む多くの製造業者(メーカー)から入手することができる。
【0013】
“コンピュータシステム”は、1つ以上のコンピュータおよび任意の付随したデータ記憶装置を備えた、任意のネットワークまたは他の類似のシステムを指す。
【0014】
“データ記憶装置(Data Storage Unit)”または“メモリ”は、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)、ハードディスク型データ記憶装置、および他の類似のデバイスを指す。
【0015】
“事業者(entity)”は、オブジェクトの運送に関わる任意の個人、会社、団体を指す。
【0016】
“入力デバイス”は、キーボード、マウス、ペン、スタイラス、またはコンピュータにデータを入力するために使用される他のデバイスであることが可能である。
【0017】
“オブジェクト”は、一製品、一群の製品、製品の入ったコンテナもしくはボックス、製品の入ったボックスを入れたパレット(palate)もしくはクレート(crate)、または任意の他の規定単位の製品であることが可能である。オブジェクトが何かを規定する他の可能性を排除するものではないが、オブジェクトは通常はパッケージの荷送人によって定められる。
【0018】
“オペレーティングシステム”はコンピュータのプロセッサがコンピュータの他の要素とやり取りすることを可能にする。オペレーティングシステムは、DOS、ウィンドウズ(登録商標)95(Windows(登録商標)95)、ウィンドウズ(登録商標)98(Windows(登録商標)98)、ウィンドウズ(登録商標)2000(Windows(登録商標)2000)、ウィンドウズ(登録商標)NT(Windows(登録商標)NT)、OS/2、OS/360、OS/400、iSeries、eSeries、pSeries、zSeries、UNIX(登録商標)、LINUX、および多くの他のシステムであることが可能である。
【0019】
“出力デバイス”は、コンピュータの表示機能を担う例えばモニタなどのデバイスを指す。
【0020】
“パッケージ(package)”は、製品を入れることができる任意のコンテナ(容器)を含むよう広く定義される。従ってパッケージは、ボックス、封筒、郵便容器、筒、クレート、トランク、パレット、輸送コンテナ、または製品を或る場所から他の場所に輸送する際にその製品を梱包するために使用することができる任意の他の容れ物を含む。
【0021】
“製品(product)”は、任意の製造された単体(ユニット)、選択的にそれ用のパッケージもしくはコンテナを含めて広く定義される。
【0022】
単語の語尾に付いた“(s)”はその単語が意味する実体が1つ以上あることを意味する。
【0023】
図1に本発明のシステム1を示す。システム1は、コンピュータ3およびデータ記憶装置5を含むコンピュータシステム2を具備する。システム1はそれぞれのポータル91、92、・・・、9Nに付随したスキャナ71、72、・・・、7Nも具備する。コンピュータ3はポータル91、92、・・・、9Nのスキャナ71、72、・・・、7Nとネットワーク11を介して通信するよう接続されることができる。ポータル91、92、・・・、9Nはパッケージ13が荷送人15から荷受人17へ運送人19の輸送ネットワーク内を輸送される際の単にパッケージ13の経路に沿った場所(ロケーション)である。ポータル91、92、・・・、9Nは運送人19がパッケージ13を荷送人15から受け取るポイント、例えば運送車両、保管倉庫、保管施設や、船舶、トレーラトラック、鉄道、および航空機といった長距離輸送手段、配送センターまたはハブ、および/または荷受人17がパッケージの配達を受け取る場所に位置付けることが可能である。ポータル91、92、・・・、9Nは従ってパッケージが荷送人15から荷受人17へ移動する際に通過するどの場所でも可能である。通常、ポータル91、92、・・・、9Nは運送人19の施設内および可能なら車両内にも置かれるが、本開示の目的にとってはポータルが排他的に運送人が所有するものかあるいは運営するものかは一切問われることはなく、他の事業者がポータルに関わる(ついでに言えば事業者は一切関わらない)可能性もある。ここで使用される添え字“N”はパッケージ13が荷送人15から荷受人17への途上で通過するポータルの数に等しい正の整数を表す。
【0024】
パッケージ13は製品21を含む。図1の特定の例では、製品21が入ったパッケージ13がオブジェクト20として定義される。通常、パッケージ13の荷送人15は荷送人の業務がどのように運営されコントロールされるかに基づいてオブジェクト20が何かを定義する。例えば、自動車、コンピュータ、家庭電化製品などの比較的大型の製品に対しては、荷送人15は個々の製品21毎に製造され出荷された製品を追跡する。この場合、荷送人15が出荷のため製品20をパッケージで運送人19に提供した後に荷送人15がその製品の状況(ステータス)を追跡することができるように、オブジェクト20は製品21に直接関連するよう定義することが可能である。図1の特別なケースである別の例として、オブジェクト20は製品21が入ったパッケージ13として定義されることができる。カミソリや鉛筆、塗料、飲料、シェービングクリームの缶などのより小型の製品に対しては、荷送人である製造業者15にとってオブジェクト20を追跡目的のため製品21が入ったパッケージ13に関連するよう定義することは最も有用かもしれない。従って、オブジェクト20は荷送人がその業務を管理運営する点で荷送人に関心のあるオブジェクトの運送の追跡において荷送人15にとって有用となるよう可変的に定義されることができる。
【0025】
オブジェクト20がポータル91、92、・・・、9Nを通過する際にオブジェクト20を検出し識別することが可能となるよう、オブジェクト20にオブジェクト識別データ23を付随させることができる。オブジェクト識別データ23は光学的に読取可能または電磁的に読取可能な形式が可能である。それは、製品21に添付されるステッカー、タグ、ラベル、印字、チップ、またはその他の類似アイテムが可能である。例えば、オブジェクト識別データ23は1次元乃至2次元バーコード、磁気ストリップ、RFIDタグもしくはチップ、または他の類似のアイテムの形態が可能である。通常、オブジェクト識別データ23をオブジェクト20に添付するのは荷送人15であるが、他の事業者がこの機能を実行する可能性を排除するものではない。
【0026】
図1において、製品21はパッケージ13内に含まれ、図1の特定の例ではその製品の入ったパッケージはオブジェクト20と定義される。パッケージ13を荷送人15から荷受人17へ送るために、斯かるパッケージにはパッケージ識別データ27が記された出荷ラベル25を提供することができる。出荷ラベル25は、テープ、粘着性裏張り、パッケージに取り付けられたポーチ、または他の手段を使ってパッケージ23に添付される。運送人の運送保管インフラおよびコンピュータ制御の追跡システムの目的のためパッケージ識別データ27はそれが添付されたパッケージ13を一意に識別する。パッケージ識別データ27は出荷ラベル25に事前に印刷されたデータまたは証印(例えば1次元乃至2次元バーコード、マキシコード、磁気ストリップ、RFIDなど)として含められることが可能である。ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)社および他の事業者を含む多くの運送人は、それらの顧客が利用できるよう、それぞれに例えばシリアル番号の形の固有のパッケージ識別データ27が付与された出荷ラベル25を提供する。
【0027】
代わりに、UPSキャンパスシップ(UPSCampusShipTM)またはUPSインタネット(UPSInternetTM)といったブラウザによるアクセス可能なウェブサービスを利用すれば出荷ラベル25をオンラインで作成することが可能である。この場合、運送人のコンピュータシステム2のコンピュータ3はネットワーク11上で荷送人15と相互作用し、その上にパッケージ識別データ27を有する出荷ラベル25を作成する。荷送人15はパッケージ識別データ27を有する出荷ラベル25を運送人コンピュータシステム2からダウンロードしてそれをプリンタ59に出力し、それを出荷のためパッケージ13に添付する。
【0028】
更に別の代わりの実施形態として、出荷ラベル25および関連するパッケージ識別データ27は、運送人店舗にあるセルフサービス機器によって生成し、パッケージ13に添付することができる。出荷ラベル25および関連するパッケージ識別データ27を生成する特定の方法に関係なく、パッケージ識別データは運送人19が荷送人15からパッケージを受け取りそれを内部の輸送保管インフラ18を経由して輸送し受取人17にパッケージを配達する際にポータル91、92、・・・、9Nにわたってパッケージを追跡するのに使用することができる。多くの商業的なパッケージ運送人は運送人自身の内部的および外部的な両方の業務においてパッケージを追跡することを可能にするためにパッケージ識別データまたは追跡番号を使用し、顧客が運送人のウェブサイトにアクセスしてパッケージの状況を把握することができるようにする。しかしながら、パッケージ13が荷受人15への輸送のため運送人19に一旦渡されると、パッケージ13で送られた製品を荷送人15が見守ることは一般にできなくなる。
【0029】
重要なことは、この問題を克服するために、システム2のコンピュータ3はパッケージ識別データ27をパッケージ13に入った製品21を識別するオブジェクト識別データ23と連結することができる。オブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27の間の連結関連性はコンピュータ3によってデータ記憶装置5のデータベース29に記憶させることができる。オブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27の関連付けによって、荷送人15は、如何なるオブジェクト24が運送人の輸送保管ネットワーク18内を輸送中であるか、並びに輸送中のオブジェクトの位置および状況も把握することができるようになる。更に具体的に言えば、パッケージ13が運送人19の輸送ネットワーク18を輸送される際にパッケージ13はその途上にあるポータル91、92、・・・、9Nを通過する。ポータルは運送人の輸送保管ネットワーク18内に位置付けられ、パッケージのポータルの通過はある決まったイベントを表す。例えば、ポータルは表1に示すように輸送ネットワーク内に配置することができる。
【0030】
【表1】

【0031】
こうして、図1に示すように、運送人19がパッケージ13をその輸送保管ネットワーク18を輸送する際に、ポータル91、92、・・・、9Nのスキャナ71、72、・・・、7Nはそれぞれのイベントデータ311、312、・・・、31Nをネットワーク11を経由してシステム2のコンピュータ3に報告する。パッケージ識別データ27は好ましくは、スキャナ71、72、・・・、7Nによってそれぞれのイベントデータ311、312、・・・、31Nと一緒に報告され、それによりシステム2のコンピュータ3は斯かるイベントデータをパッケージ識別データ27と関連付けて記憶することが可能となる。パッケージ識別データ27およびオブジェクト識別データ23の間の関連付けのおかげで、イベントデータ311、312、・・・、31Nに関係したイベントはオブジェクト20、この場合にはパッケージ13、と結び付けられる。こうして、コンピュータ3およびデータ記憶装置5を介して、オブジェクト20が運送人の輸送ネットワーク18を進む際のオブジェクト20の状況を容易に特定することが可能である。運送人の作業員は、コンピュータ3および記憶装置5がその一部となり得るコンピュータネットワークを使ってパッケージの状況を特定することができる。また、荷送人、荷受人、またはパッケージ13に関連した供給業者もしくは顧客といったビジネスパートナーは、ブラウザまたは他の類似のアプリケーションを実装したコンピュータ・デバイスを使って、ネットワーク11を介してコンピュータ3にアクセスすることができる。これにより、斯かる事業者はデータベース29にアクセスして、オブジェクト20、この場合にはパッケージ13が運送人の物流ネットワーク19を輸送される際にそのオブジェクト13の状況を特定することが可能になる。これは、荷送人15が使用する業脈におけるオブジェクト20を識別するオブジェクト識別データ23を、イベントデータ21が運送人によってそれに基づいて追跡されるパッケージ識別データ27と連結することによって可能とされる。権限のある事業者はこのデータを使用してオブジェクト20に関連した製品21に関係した彼らの業務をコントロールすることができる。これには、製品在庫、製品を製造、梱包、出荷するのに必要な補給品およびリソースの発注のコントロール、製品を輸送するための配送・物流のコントロールなどが含まれることがあり得る。
【0032】
オブジェクト識別データ23は荷送人15によって通信ネットワーク11を介して運送人19へ提供することができる。例えば、運送人19がパッケージ13を受け取る前に荷送人15がパッケージ識別データ27が事前に印字された出荷ラベル25を使用して製品21をパッケージ13それ自体に梱包する場合、荷送人15はパッケージ識別データ27およびオブジェクト識別データ23をネットワーク11を介して運送人19に提供することができる。これは荷送人15がそれぞれのパッケージ識別データ27に関連したオブジェクト識別データ23を1つ以上記録したデータファイルをシステム2のコンピュータ3にアップロードすることによって実行可能である。代わりに、1つ以上のスキャナ71、72、・・・、7Nがパッケージ識別データおよびオブジェクト識別データの両セットのデータを読取り可能な場合にはコンピュータ3はパッケージ識別データ27をそれぞれのオブジェクト識別データ23と組み合わせた形で取得することができる。例えば、図1に示すように、スキャナ71はパッケージ13が運送人の輸送ネットワーク18を運送される際にそのパッケージ13に遭遇する最初のスキャナであって、オブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27をコンピュータ3に報告してデータベース29にそれらをリンク関連付けした上で記憶されるようにする。パッケージ13および関連するオブジェクト20に遭遇する最初のポータル91のスキャナ71にオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27を報告させることによって、荷送人から荷受人17への運送の過程で早期にこのデータに荷送人15がアクセスできるよう、このデータは結び付けられることができる。いずれのオプションでも、コンピュータ3は、このコンピュータがパッケージ識別データ27に関連したイベントデータ311、322、・・・、31Nをそれぞれのオブジェクト識別データ23に連結することを可能にする記録をそのデータベースに作成する。これにより、荷送人と、場合によっては製品に関わる他業者は、パッケージ13が運送人の輸送ネットワーク18内を輸送かつ/または保管される際にパッケージ13内の製品21の状況を確認することができるようになる。
【0033】
図2に本発明によるシステム1のより具体的な態様を示す。図2の文脈では、荷送人15は製品21の製造業者である。荷送人の業務は生産ライン33を含む。生産ライン33は製品21を保持するためのコンテナ35を載せるコンベヤ37を含む。コンテナ35はコンベヤ37に載って機械39を通過するが、このとき機械は原料または材料41、43を処理して製品21を製造する。機械21はコンテナ35を製品21で満たし、それらを封印する。コンベヤ49に載って移動する際、ボックス13はオブジェクト識別データ23を斯かるパッケージ上に置く機械45を通過する。コンテナ35に入った仕上がった製品21は機械39を出て、コンベヤ49に載って移動するボックスまたはパッケージ13に積み込まれる。それぞれの製品21を収めた仕上がったパッケージ13は、本例では荷送人15によって、荷送人兼製造業者が追跡を望むオブジェクト20に対応するものと見なされる。このように、生産ライン33は荷受人17へ出荷するためのオブジェクト20の流れを作り出す。このことから、荷受人17に出荷されたオブジェクト20の状況を追跡することは多くの製品およびパッケージが生産と同時に出荷されるという事実から荷送人15など一般的な製造業者にとってかなりの仕事であることはお判りいただけよう。
【0034】
出荷コーディネータ51はユニット53を操作する。出荷コーディネータ51はユニット53を使用してパッケージ識別データ27を有する出荷ラベル25を作成することができる。既に述べたように、出荷ラベル25を作成するプロセスは様々な異なる方法で実行することができる。例えば、ユニット53は、荷受人の名前およびアドレスといった情報をパッケージ識別データ27がその上に事前に印刷された出荷ラベル25の上に直に印字することにより出荷ラベル25を作成するための、タイプライタ、ワードプロセッサ、またはコンピュータであることが可能である。代わりに、出荷コーディネータ51によって操作されるユニット53はウェブブラウザを走らせるコンピュータであることが可能で、それにより出荷コーディネータは荷送人コンピュータ23を介して、状況に応じてネットワーク11上でゲートウェイまたはアクセスポイント(point-of-presence:POP)としての機能を果たす荷送人内部のコンピュータ55を介して、ネットワーク11の運送人システム2のコンピュータ3とやり取りすることが可能となる。コンピュータ55は、荷送人の製造作業および業務に必要とされる業務プロセスを実施するためのアプリケーションを記憶することができるデータ記憶装置57にも接続されることができる。どの場合においても、コンピュータ53がコンピュータ3にアクセスしてUPSキャンパスシップ(UPSCampusShipTM)またはUPSインタネット(UPSInternetTM)ウェブベースサービスによって提供可能なアプリケーションを実行するやり取りを通じて、出荷コーディネータ51はパッケージ識別データ27を含む出荷ラベル25を作成することができる。コンピュータ3はパッケージ識別データ27を生成し、通信ネットワーク11を介してコンピュータ53に“ソフト”形式でダウンロードされた電子出荷ラベル25に生成されたパッケージ識別データを組み込む。出荷コーディネータ51はコンピュータ53を操作してパッケージ識別データ27を有する出荷ラベル25をプリンタ59から出力する。出荷コーディネータ51はパッケージ識別データ27を有する出荷ラベル25を製品21を含むパッケージ13上に添付する。次に出荷コーディネータ51は運送人19にパッケージ13を提供する。これは、パッケージを集荷のため受け渡し場所(drop location)、運送人店舗(carrier store)、またはサービスセンターに持ち込み、また、運送人19に電話して例えば荷送人の所在地での集荷を要請することによって実行することができる。
【0035】
パッケージ13は、パッケージ識別データ27、および選択的にオブジェクト識別データ23も読み取るために使用される手持ち式またはトラックに備え付けのスキャナ71が付随可能なポータル91を通過する。加えて、スキャナ71および/またはコンピュータ3は前記のデータを対応するイベント、この場合には“パッケージは集荷されました(package pickup)”イベント、の日時を示すデータでタイムスタンプすることができる。イベントは作業員61がこうしたイベントを示すデータを手持ちサイズのユニット71で入力することによって明示することも可能である。代わりに、コンピュータ3は、パッケージ識別データ27および選択的にオブジェクト識別データ23にも関連したイベントが最初のイベント31“パッケージは集荷されました”であることを、それがコンピュータ3がパッケージ13に一意に関連したパッケージ識別データ27を受け取った最初の出来事であるという事実に基づいて判定するようプログラムされることができる。更に別の代替形態として、パッケージ13を集荷するために輸送手段67を派遣する場合、コンピュータ3は集荷のスケジュールを組んでいるデータを記憶しており、従って読み取られたデータがイベント“パッケージは集荷されました”に関連していることを、記憶装置5にパッケージ識別データ13と関連付けて記憶されたこのデータを参照することによって判定することができる。イベントデータを識別するための他の代替形態についても当該技術分野の当業者であれば思いつくことであろう。
【0036】
“パッケージは集荷されました(package pickup)”イベントに関連した一具体例を提供するため、ポータル91において、作業員61はパッケージ13を受け取って出荷ラベル25、特にパッケージ識別データ27を、送受信機網67に提供される無線信号を生成するスキャナ71を使って読み取る。送受信機網67は、携帯電話機または無線送受信機、基地局、および中継局から成る、遠隔通信産業において周知の公衆通信回線または個人用通信回線であることが可能である。オプションとして、スキャナ71はライン・オブ・サイト(line-of-sight)を要しない電磁式リーダを装備することができ、従ってパッケージ131内側のオブジェクト識別データ2111、2112を読み取ることが可能である。例えば、図2の例には当てはまらないが、オブジェクト識別データ23はスキャナ71が斯かるデータを問い合わせることができる製品コンテナ35上のRFIDタグまたはチップに記憶することができる。これにより、製品に付随したオブジェクト識別データ23をその製品がパッケージ13内側にあったとしても読み取ることが可能となる。こうして、図2の例では、荷送人15は製品それ自体ではなく製品21の入ったパッケージ13を関連するオブジェクト20として選択していることを想定したが、他の態様では、荷送人15はオブジェクト20を製品21と結び付けることが可能である。
【0037】
スキャナ63は、パッケージ識別データ35を、選択的にオブジェクト識別データ21と一緒に読み取って送受信機67へ送信する。代わりに、出荷ラベル25、より具体的にはそのパッケージ識別データ27は、パッケージ13が配達トラック67に積み込まれる際にその配達トラック67の後部に設置されたスキャナ65によって読み取ることができる。スキャナ71は、パッケージ識別データ27、および選択的にオブジェクト識別データ23もそれが読取可能な場合に、送受信機網67に無線送信することができる。送受信機網67はパッケージ識別データ27および任意の付随するオブジェクト識別データ23をコンピュータ3に供給し、コンピュータ3は斯かるデータをタイムスタンプしてデータ記憶装置5に記憶する。代わりに、オブジェクト識別データ23は関連するパッケージ識別データ27と共に荷送人15からコンピュータ53を使ってネットワーク11を介してアップロードされるデータファイルでコンピュータ3に提供することができる。コンピュータ3はパッケージ識別データ27をオブジェクト識別データとリンク関連付けて記憶する。これにより、荷送人15はコンピュータシステム49のユニット53を使用して関心のあるオブジェクト20に関係するイベントデータ31にアクセスすることが可能となる。この情報は、製品を製造または梱包するのに必要な材料の供給業者、配送業者、卸売業者、および製品の小売業者、製品に関心のあるアナリストもしくはコンサルタント、製品もしくはそれ用のコンテナのリサイクル業者、を含む製品に関わるまたは関心のある他業者のみならず、荷送人15にとってもかなり有用である。
【0038】
短距離輸送車67は配送ハブ(distribution hub)または倉庫(warehouse)69の入口(entrance)または取入口(intake)側にあるポータル92に進む。製品21の入ったパッケージ13がスキャナ72の有効範囲内を通過する際、そのパッケージ識別データ27が読み取られ、運送人のコンピュータ3に送信される。これは、スキャナ72がその目的に適している場合には送受信機網67およびネットワーク11の無線通信によって、あるいは代わりに配送ハブ69に付随したコンピュータ71によって、実施が可能である。コンピュータ71はスキャナ72と、ネットワーク11を介してコンピュータ3と接続し、スキャナ72によって読み取られたパッケージ識別データ27を受信してそれをネットワーク11を介してコンピュータ3に送信することができる。さらに、スキャナ72はパッケージ識別データ271と一緒にスキャナ72を一意に識別するデータを送信することができる。これは、IP(internet protocol)、MAC(media access control)、DLC(data link control)、またはスキャナ72に付随した他のアドレスもしくはデータであることが可能である。スキャナ72の位置はこの場合(ハブ69の入口に固定されている)は動いたりしないので、このスキャナに関連したイベントデータ312は不変で“パッケージは集荷側配送ハブで受け取られました(package received at pickup distribution hub)”である。こうして、スキャナ72はイベントデータ312を明示的に示すデータを送信するようプログラムされることができるが、コンピュータ3は代わりに、こうしたユニットからコンピュータ3へ送信されるスキャナ72を識別するデータに基づいて、ポータル92に関連したイベントデータ312を認識するようプログラムされることができる。
【0039】
本例において製品21を含むパッケージ13であるオブジェクト20は荷送人15および荷受人17の必要に応じて実際上任意の長さの時間だけ配送ハブ69に保管しておくことができる。パッケージの保管期間は荷受人17へ残りの道のりを輸送する準備が整うのに必要な時間であることが可能である。代わりに、パッケージした製品は数日から数年まで長期間に亘って、あるいは荷受人17が必要とするまで、保管しておくことができる。従って、製品を即座に出荷するサービスに加えて、配送ハブ69は荷送人15または荷受人17のために運送人13によって提供される倉庫機能の役割を果たすことができる。
【0040】
どの場合でも、パッケージ13を荷受人17に出荷することが望まれるときには、パッケージは配送ハブ施設69の出口にあるポータル93を通り抜ける。輸送手段73はハブ施設69からパッケージ131を取り出すために使用することができる。パッケージ131がポータル93を通過する際、ハブ出口に隣接して置かれたスキャナ73はパッケージ識別データ271を読み取り、このデータをコンピュータ3にネットワーク11もしくはコンピュータ71を介して無線で送信する。コンピュータ71は、ダイアルアップ接続クライアント、ハブ施設内部のネットワークからのゲートウェイ、またはネットワーク11上のPOP(Point of Presence)であることが可能である。スキャナ73はそれを一意に識別する識別データをコンピュータ3に送信することができる。本場合にはスキャナ73の位置はハブ施設69の出口ドアのところに固定されているので、コンピュータ3は、パッケージ識別データ271がスキャナ73によって斯かるスキャナを識別するデータによって報告されていることを決定すると同時に、ポータル93に関連したイベントデータ313が“パッケージは集荷側配送ハブを出ました(package exited pickup distribution hub)”であることを認識するようプログラムされることができる。斯かるデータを受信すると、コンピュータ3はイベントデータ313をタイムスタンプしてそのイベントデータがパッケージ13が配送ハブ69を出た日時を含むようにすることができる。代わりに、スキャナ73は、イベントを示すイベントデータ313を、イベントを識別するデータおよびそのイベントの場所、日時を含めて、明示的に生成し送信することができる。こうしてコンピュータ3は、イベントの記述“パッケージは集荷側配送ハブを出ました(package exited pickup distribution hub)”や日時を含むイベントデータ313を受信かつ/または生成し、それをパッケージ識別データ27とリンク関連付けてデータ記憶装置5に記憶することができる。パッケージ識別データ27はオブジェクト識別データ21とリンクしているので、運送人ネットワーク19内におけるパッケージの状況を見守ることができることは荷送人15、荷受人17、および/または製品に関わる他の事業者にとって有益である。
【0041】
長距離輸送では、パッケージ131は輸送中の保護および取扱のため輸送コンテナ75に収納することができる。輸送手段73はパッケージ131の入った輸送コンテナ75を持ち上げそれを長距離輸送手段77に積み込む。輸送手段77は、パッケージ131が入った輸送コンテナ75を比較的長距離輸送するための航空機、鉄道、トレーラトラック、船舶、あるいは他の手段であることが可能である。パッケージ131は輸送手段77に積み込むためにハブ施設69から移動させられる際、パッケージ131はポータル94を通過し、そこでパッケージ識別データ271がスキャナ74によって読み取られる。読み取られたデータは無線ネットワーク67および/またはネットワーク11によってコンピュータ3へ直接送信されることが可能である。代わりに、スキャナ94はコンピュータ74と接続することができ、コンピュータ74は前記のデータをネットワーク11を介してコンピュータ3に送信する。どちらの場合でも、スキャナ74は斯かるスキャナを一意に識別するデータも送信することができる。スキャナ74が或る場所に固定されている場合、コンピュータ3は記憶装置5から、ポータル94に関連するイベントデータ314が記述“パッケージは長距離輸送中です(package on long-haultransport)”またはそれに場所が伴ったものを含むデータを検索するようプログラムされることができる。コンピュータ3はスキャナ74から受信したパッケージ識別データ27を日時でタイムスタンプして記憶装置5に記述データと一緒にイベントデータ314として記憶することもできる。代わりに、記述データ、場所データ、日時データのいずれかまたは全部はスキャナ74および/またはコンピュータ79によって生成することができ、記憶装置5にパッケージ識別データ27と関連付けて記憶するためにコンピュータ3に送信することができる。
【0042】
製品21が入ったパッケージ13は長距離輸送手段77で荷受人17に比較的近い場所まで輸送される。パッケージ131が輸送手段77から下ろされる際、パッケージはポータル95を通り抜け、そこでスキャナ75はパッケージ識別データ271を読み取る。他のポータルおよびそれらのスキャナに関して説明されたのと同様に、スキャナ75は読み取られたパッケージ識別データ271を、選択的にイベントデータ315と一緒に、ネットワーク11、67を介してまたはスキャナ75およびネットワーク11に接続されたコンピュータ81を介して無線送信し、斯かるデータをコンピュータ3に提供する。代わりに、イベントデータ315の1つ以上のアイテムは、直接コンピュータ3によって、または斯かるデータを記憶装置5から検索することによって、生成することができる。イベントデータ315は一般に、イベントの記述、例えば“パッケージは長距離輸送から離れました(package off long-haultransport)”を特定するデータと、イベントが発生した場所(例えばポータル95の位置)およびイベントの日時などの他のデータとから成る。コンピュータ3はパッケージ131が運送人19の輸送物流ネットワーク18を進む際にイベントデータ315をパッケージ識別データ271と関連付けてパッケージ131に関係したイベントに関する記録の一部として記憶する。
【0043】
輸送手段83は長距離輸送手段77からパッケージ13を収納する輸送コンテナ75を荷降ろしするために使用することができる。輸送手段83はパッケージ13を一時保管または長期間保管するために配送ハブ85まで輸送する。パッケージ13がスキャナ76が設置されたポータル96を通過する際、斯かるスキャナはパッケージ識別データ27を検出して、それをコンピュータ3へ送信する。加えて、スキャナ76はコンピュータ3に、イベントに関係した記述、例えば記述“パッケージは荷受側配送ハブに到着しました(package arrived at receive distribution hub)”と、イベントの日時と、イベントの場所を含むイベントデータ316の一部または全てを送信することができる。代わりに、スキャナ76およびコンピュータ87は斯かるユニットまたはそれに関連した1つ以上のアドレスを識別するデータを生成してコンピュータ3に提供することができる。コンピュータ3は斯かるデータを使用して、前記のユニットのIDまたはアドレスと記憶装置5に記憶されたデータとの設定された関連性に基づいて、一部または全てのイベントデータ316を生成することができる。スキャナ76は斯かるデータをネットワーク11、67を介して無線送信することができる。代わりに、スキャナ76は斯かるデータをコンピュータ3へコンピュータ87およびネットワーク11を介して送信することができる。コンピュータ3はイベントデータ316をパッケージ識別データ27と関連付けてデータ記憶装置5に記憶する。
【0044】
製品21を含むパッケージ13はそのパッケージの荷送人および/または荷受人の必要に応じて配送ハブ85に長期または短期の保管ができる。荷送人15および/または荷受人17が決めることができる適切な時期に、荷受人17に配達するためパッケージ13はハブ施設85において作業員89および/または輸送手段91によって集荷される。パッケージ131を輸送する作業員89および/または輸送手段91がハブ施設85を出るとき、パッケージはハブ施設の出口に付随したポータル97を通過する。スキャナ77はパッケージ識別データ271を読み取り、コンピュータ3にネットワーク67、11を介して送信する。代わりに、配送ハブ85に付随したコンピュータ87は、スキャナ77からこのデータの一部または全てを受信するよう接続されることが可能で、かつそれをコンピュータ3にネットワーク11を介して送信するよう接続されることも可能である。パッケージ識別データ271に加えて、スキャナ77および/またはコンピュータ87はイベントデータ317を生成して、それをコンピュータ3に送信することができる。代わりに、コンピュータ3は、スキャナ77および/またはコンピュータ87を一意に識別する識別データまたはアドレスデータに基づいて記憶装置5からイベントデータ317を生成または検索することができる。斯かる(識別またはアドレス)データはスキャナ77および/またはコンピュータ87からコンピュータ3へパッケージ識別データ271と一緒に送信することができる。コンピュータ3は、スキャナ77および/またはコンピュータ87を識別するデータが特定のイベントまたはポータル、すなわちイベントデータ317およびポータル97、に関連することを認識するようプログラムされることができる。コンピュータ3はスキャナ77および/またはコンピュータ87の識別子またはアドレスに基づいて対応するイベントデータ317をデータ記憶装置5から検索することができる、あるいは単に斯かるデータを対応するイベントデータ317に関連したものとして認識するようプログラムされる場合がある。それがどのように生成または決定されたかに関わらず、イベントデータ317は、イベントを記述する英数字データ、例えば“パッケージは荷受側配送ハブを出ました(package exited receive distribution hub)”を、コンピュータ3、ハブ施設85のスキャナ77もしくはコンピュータ87によって生成されたタイムスタンプで示されたイベントの日時と一緒に、含むことができる。
【0045】
作業員89および/または短距離輸送手段91は、製品2111、2112を含むパッケージ131を、荷受人17への配達を意味する最後のポータル98を通過して輸送する。作業員89は手持ち式スキャナ78を使ってパッケージ識別データ271を読み取る。代わりに、作業員89が輸送手段91のホールドからパッケージ131を取り出すとき、その輸送手段に取り付けられたスキャナ78がパッケージの出荷ラベル25からパッケージ識別データ27を読み取ることができる。読み取られたパッケージ識別データ27は、選択的にスキャナによって生成されたあるいは作業員89によってスキャナにキーパッドを使って入力されたイベントデータ318と一緒に、記憶装置5に記憶するためネットワーク11を介して好ましくは無線でコンピュータ3に送信される。代わりに、コンピュータ3はスキャナ78から受信した何か他のデータからイベントデータ318を生成または検索することができる。このデータは、例えばスキャナまたはそのスキャナに関連したアドレス、例えば多くのデータ伝送プロトコルに特有のソースもしくは論理アドレス、を識別するためのものであり得る。コンピュータ3は受信したイベントデータ318をパッケージ識別データ271と関連付けてデータ記憶装置5に記憶する。このプロセスはパッケージ131を荷受人17に配達することで完了する。
【0046】
パッケージの配達プロセスが完了すると、データ記憶装置5のデータベース29は運送人の物流ネットワークを輸送されたパッケージに関係したイベントの完全な記録を含む。より具体的には、データベース29は、パッケージ識別データ27と関連付けて記憶されたイベントデータ311〜318から成る。その上、オブジェクト識別データ2311、2312はパッケージ識別データ271とリンク関連付けて記憶されているので、運送人の物流ネットワークを進んでいるときの任意の時点におけるそれぞれのオブジェクト20の状況(ステータス)は荷送人15が彼自身のコンピュータ49を使用して運送人コンピュータ2にアクセスすることによって特定することができる。
【0047】
コンピュータ3はデータベース29に含まれるデータをコンピュータシステム93にアップロードして斯かるデータが運送人19以外の他業者がアクセスすることができるようプログラムされることができる。より具体的には、コンピュータ3はコンピュータ95のネットワークアドレスを示すデータを検索することができる。コンピュータ3はこのネットワークアドレスを定期的にあるいはスキャナ7から製品21に関係したイベントデータ31を受信した後に検索するようプログラムされることができる。コンピュータ3はこのネットワークアドレスを使用してオブジェクト識別データ23を対応するイベントデータ311〜318と一緒にコンピュータシステム93に送信する。コンピュータシステム93はコンピュータ95およびデータ記憶装置97から成る。コンピュータ95はオブジェクト識別データ23を受信してデータ記憶装置93からネットワークアドレスを検索する。コンピュータ95は次にオブジェクト識別データ23および対応するイベントデータ311〜318をコンピュータシステム99にアップロードする。コンピュータシステム99はコンピュータ101およびデータ記憶装置103から成る。コンピュータシステム99は、オブジェクト識別データ2311、2312および対応するイベントデータ311〜318を受信し、このデータを記憶装置103に記憶して製品31に関心のある他業者がそのデータにアクセスすることができるようにするよう、プログラムされることができる。記憶装置への記憶に先立って、コンピュータ101は、このデータをXML(eXtensible Mark-up Language)タグその他を使ってタグ付けし、それによりオブジェクト20に関心のある事業者がそのデータにアクセスするために使用することができる異なる種類のコンピュータシステムおよびアプリケーションがそのデータを認識することができるようにすることができる。
【0048】
図3に本発明の一実施形態によるデータフローを示す。図3のデータフローはパッケージを出荷するためのUPSキャンパスシップ(UPSCampusShipTM)またはUPSインタネット(UPSInternetTM)ウェブサイトサービスに基づくもので、図2のコンピュータ3、53およびデータ記憶装置5で実施することができる。荷送人15は荷送人識別データ105を入力してそれをコンピュータ3に送信するためにコンピュータ53上で実行されるウェブサイトブラウザを使用する。荷送人識別データ105はログインIDまたはユーザネームおよびパスワードから成り得る。コンピュータ3は荷送人識別データ105を使ってデータベース29に照会し、それに基づいて対応する運送人アカウントデータ107を特定する。運送人アカウントデータ107はパッケージの運送を追跡することが望まれる場合に荷送人15のアカウントを一意に識別するアカウント番号から成り得る。アカウント番号はパッケージの運送および/または保管に対する料金を請求するために運送人19も使用することができる。荷送人はコンピュータ53を使用して荷受人データ109を入力して運送人19に送信する。荷受人データ109は荷受人の名前およびアドレスデータから成り得る。運送人コンピュータ3はこのデータを受信し、荷送人15が出荷したいパッケージ13を一意に識別するパッケージ識別データ27を生成する。運送人コンピュータ3は荷受人データ109およびパッケージ識別データ27を含む電子出荷ラベルまたは“ソフトな”出荷ラベル25を作成する。運送人コンピュータ3は出荷ラベル25を荷送人のコンピュータ53にダウンロードする。荷送人はパッケージ13内の製品21を示すオブジェクト識別データ23をネットワーク11を介して運送人コンピュータ3に送信する。運送人コンピュータ3はオブジェクト識別データ23をパッケージ識別データ27と関連付けてデータ記憶装置5に記憶する。
【0049】
荷送人15は出荷ラベル25をプリントアウトしてパッケージ13に添付し、それを運送人19に提供する。パッケージ13が運送人の輸送保管物流ネットワークを通過する際、パッケージ13はそれがポータル91、92、・・・、9Nを通過する際にそれぞれのスキャナ71、72、・・・、7Nによって読み取られる。スキャナ71、72、・・・、7Nはパッケージ識別データ27と、選択的にそれぞれのイベントデータ311、312、・・・、31Nもコンピュータ3に報告する。代わりに、コンピュータ3は、パッケージ識別データ27を報告するスキャナ71、72、・・・、7Nの中からある特定のスキャナを示す識別データまたはアドレスデータによってイベントデータ311、312、・・・、31Nを特定するようプログラムされることが可能である。コンピュータ3はイベントデータ311、312、・・・、31Nをパッケージ識別データ27と関連付けてデータベース29に記憶する。オブジェクト識別データ23はパッケージ識別データ27と結び付いているので、パッケージ13に関係したイベントデータ31は容易に特定できる。
【0050】
図4はほぼ全体的に図3と類似しているが、図4ではオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27の間の関連性は図3のように荷送人15によって提供される代わりに、スキャナ7、好ましくはスキャナ71(これは製品21が運送人19によって荷受人17に輸送される際に製品21に遭遇する最初のスキャナであるので)によって提供される。コンピュータ3はオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27を受信し、それらを互いに関連付けて、パッケージ13およびそれに含まれる製品21がポータル91、92、・・・、9Nを通過して荷受人17に輸送されるときにイベントデータがそれぞれのスキャナ71、72、・・・、7Nによって生成される際に、そのイベントデータ311、312、・・・、31Nと一緒に、データ記憶装置5に記憶する。
【0051】
図5にコンピュータシステム2、93、99によって実施されるより詳細なデータフローを示す。運送人コンピュータシステム2は、運送人アカウントデータ107およびそれに関係した荷送人識別データ105、並びに荷送人識別データ105に関係したオブジェクト識別データ27およびそれにリンクしたそれぞれのパッケージ識別データ23から成るセットとを含むデータベース29を記憶する。パッケージ識別データ23は、本例では製品21を含むパッケージ13に関連した対応するオブジェクト20に関係するイベントに関連するイベントデータ31と関連付けられている。運送人コンピュータシステム2はタグ115、117、および1191〜119Nをそれぞれのオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ311〜31Nと関連付けて、他業者のコンピュータシステムが異なるデータフォーマットおよびプロトコルをビジネスアプリケーションに使用する場合でも、このようなデータを使用する業者間のタグに採用された標準的な意味に基づいて、他のコンピュータシステムがそれらを読み出し解釈することができるようにすることもできる。運送人コンピュータシステム2はオブジェクト識別データ27をコンピュータシステム93に送信する。本例では、コンピュータシステム93は、ドメインネームアドレスをIPアドレスに変換するインタネットサービスである“ドメインネームサービス(domain name service)”あるいはDNSと類似の機能を果たすことから“オブジェクトネーミングサービス(object naming service:ONS)”と称される。コンピュータシステム93はオブジェクト識別データ27を受信して、パッケージ識別データ27によって特定された製品に対応するデータを含むコンピュータシステム93内でコンピュータ101の対応するネットワークアドレス111を検索する働きをする。オブジェクト識別データ27に加えて、コンピュータシステム2はパッケージ識別データ23およびイベントデータ311〜31Nもタグ115、117、および1191〜119Nと一緒にコンピュータシステム93に送信することができる。コンピュータシステム93はネットワークアドレス111を使用してコンピュータシステム99にアクセスし、オブジェクト識別データ27および対応するパッケージ識別データ23およびイベントデータ311〜31Nを、対応するタグ115、117、および1191〜119Nと一緒に、PML(physical mark-up language)コンピュータシステム99に送信する。コンピュータシステム99は斯かるデータおよびそれらのタグをデータベース114に記憶する。タグ115、117、および1191〜119Nは、荷送人15、荷受人17、運送人19、および/または場合により荷送人および/または荷受人によってタグ付きデータ(tagged data)を見ることを許された製品に関わる他の権限のある事業者の一部または全ての間で標準化することができる。タグ115、117、および1191〜119Nは、荷送人、荷受人、運送人、および/または他の権限のある事業者のコンピュータシステムによって使用され、対応するデータ27、23、311〜31Nが斯かるシステムによって実行されるビジネスアプリケーションに使用されることができるようにすることができる。例えば、これらのビジネスアプリケーションとしては、在庫管理ソフト、顧客伝票発行ソフト、調達ソフト、およびコンピュータシステムを動かすビジネスに使用される他のソフトウェアが挙げられる。
【0052】
代わりに、コンピュータ93が運送人コンピュータシステム2からオブジェクト識別データ27、パッケージ識別データ23、およびイベントデータ311〜31Nを受信してそれらを記憶するためにPCLコンピュータシステム99へ送信するのとは対照的に、ONS(object naming service)コンピュータシステム93は以下のように動作することができる。オブジェクト識別データ27を運送人コンピュータシステム2から受信するとすぐに、ONSコンピュータシステム93はデータベース113から対応するネットワークアドレス111を検索し、それを運送人コンピュータシステム2へ返信する。続いて運送人コンピュータシステム2は受信したネットワークアドレス111を使用して、対応するオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、イベントデータ311〜31N、およびそれぞれのタグ115、117、1191〜119NをPMLコンピュータシステム99に送信する。PMLコンピュータシステム99はタグ付きのオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ311〜31Nを受信し、それらをデータベース114に記憶する。タグ115、117、および1191〜119Nを使用することにより、オブジェクト識別データ27、パッケージ識別データ23、およびイベントデータ311〜31Nは、斯かるデータにアクセスすることが許されたコンピュータシステムのビジネスアプリケーションによって読み出され、解釈されることが可能である。
【0053】
タグ115、117、および1191〜119Nは以下の表に示すようにXMLフォーマットにあることが可能である。
【表2】

【0054】
この表の中で、タグ<product#id#data ></product#id#data>は、データ“F127.C238.DF1B.17CC”がオブジェクト識別データ27であることを示しており、タグ<package#id#data></package#id#data>は英数字文字列“1ZE263730197073389”がパッケージ識別データ23であることを示しており、タグ<event#1></event#1>はタグの間のデータが第1イベントデータ1191であることを示しており、タグ<description></description>は文字列“パッケージは集荷されました(package pick up)”が第1イベントの記述であることを示し、タグ<location></location>は“ジョージア州アトランタ・サービスセンター5(service center 5-Atlanta,Georgia)”が第1イベントが発生した場所であることを示し、“2003年2月28日午前11時14分(02.28.2003-11:14AM)”に関連したタグ<date#time></date#time>はイベントが発生した日時を示している。同様に、タグ<event#N></event#N>はこれらのタグの間のデータがパッケージ13に関係した第Nイベントに関連していることを示しており、<description></description>タグは文字列“パッケージは配達されました(package delivered)”が第Nイベントの記述であることを示しており、タグ<location></location>は英数字文字列“98101ワシントン州シアトル市ウィンディウェイ504番地、ハリー・ジョーンズ(Harry Jones, 504 Windy Way, Seattle,Washington98101)”は第Nイベントが発生した場所であることを示し、タグ<date#time></date#time>は英数字文字列“2003年3月1日午前10時02分(3.1.2003-10:02AM)”がイベントが発生した日時であることを示している。コンピュータシステムのビジネスアプリケーションがタグ115、117、および1191〜119Nを認識するようプログラムされている場合、それらは対応するタグ付きデータ27、23、311〜31Nを斯かるアプリケーションで使用するため検索し処理することができる。こうして、前記のタグによって、製品13に関わるビジネス業務を改善するために斯かるビジネスアプリケーションがデータにアクセスしてそれを使用することが可能となる。
【0055】
図6に、記述データ122、場所データ124、日時データ126、および場合により他のデータ含むことができるイベントデータ31を示す。図を参照することにより、イベントデータ311、・・・、31Nは対応する記述データ1221、・・・、122N、場所データ1241、・・・、124N、および日時データ1261、・・・、126Nから成り得ることが理解されよう。
【0056】
図7に、スキャナ71、・・・、7Nおよび/またはポータル91、・・・、9Nを一意に識別するソース番号またはアドレスであることが可能なスキャナ識別データ1321、・・・、132Nに関するルックアップテーブル130を収めたデータベース128を記憶したデータ記憶装置5を示す。識別データ1321、・・・、132Nは対応するイベントデータ311、・・・、31Nと関連付けられている。イベントデータ311、・・・、31Nはイベントの性質を記述する記述データ1221、・・・122Nと、イベントが発生した場所を記述する場所データ1241、・・・124Nとから成る。パッケージ13がスキャナ71、・・・、7Nに対応するポータル91、・・・、9Nを通過したことに応えてポータル91、・・・、9Nのスキャナ71、・・・、7Nがそれぞれのパッケージ識別データ27を報告するとき、斯かるポータルに付随するスキャナまたはコンピュータは識別データ1321、・・・、132Nを運送人コンピュータシステム2のコンピュータ3に報告する。コンピュータ3は識別データ1321、・・・、132Nを使用することによりデータ記憶装置5に照会して対応するイベントデータ311、・・・、31Nを取得することができる。ポータル91、・・・、9Nは本例では斯かるポータルについて常に同じイベントに関連しているので、コンピュータ3はルックアップテーブル130を使用してイベントの性質を記述する記述データ122とイベントが発生した場所を記述する場所データ124を検索する。こうして、特定のイベントデータ31についてはイベントを報告するスキャナおよび/またはコンピュータによって提供される必要はなく、これにより付随するデータトラヒックを処理するために必要とされる帯域幅の量が減る。
【0057】
パッケージ13、オブジェクト20、および製品21の間の関係が設定されなければならないことは理解されるはずである。この関係は、(1)オブジェクト20は図8Aに示すようにパッケージ13内にある単一の製品21と直接関係する、(2)オブジェクト20は図8Bに示すように2つ以上の製品21を含むパッケージ13に関係する、そして(3)オブジェクト20は図8Cに示すように、パレットまたはロットといった、いくつかの製品21をそれぞれ含む複数のパッケージ13に関係する、ものとして設定することができる。また図8Dに示すように、オブジェクト20は子オブジェクト(child objects)201、・・・、20Nを含む親オブジェクト(parent object)であることが可能である。図8Dの例では、親オブジェクト20は一群の子オブジェクト201、・・・、20Nであり、子オブジェクト201、・・・、20Nは各々、製品21が入ったそれぞれのパッケージ13と関係することができる。本開示の範囲内において、パッケージ13、オブジェクト20、および製品21の間の多数の他の組み合わせ、編成、および関係が当業者には思い浮かばれるであろう。通常、荷送人15はオブジェクト20が製品21とどのような関係にあるかを設定する。しかし、このことは製品21に関わる他の事業者がそれら自身のオブジェクトを使用して製品を照会することを排除するものではない。オブジェクト20は対応するオブジェクト識別データ21でタグ付けされ、パッケージ13は対応するパッケージ識別データ27でタグ付けされる。次のステップは、運送人コンピュータシステム2に斯かるデータを提供して、そのデータを結び付けて荷送人がオブジェクトを追跡することができるようにすることである。
【0058】
図9に荷送人15のコンピュータシステム49および/または作業員51が実行することができる方法を示す。ステップS1において、コンピュータシステム49および/または作業員51は製品21に関連したオブジェクト20に関係したオブジェクト識別データ23を決定する。これはスキャナを使ってオブジェクト20に添付されたオブジェクト識別データ23を読み取ることによって実行できる。ステップS2において、コンピュータシステム49および/または作業員51はオブジェクト20に付随した出荷ラベル25からパッケージ識別データ27を読み取る。パッケージ識別データ27は肉眼によって読み取られる、あるいは荷送人の所在地にあるスキャナによって読取り可能である。ステップS3において、作業員51はコンピュータシステム49を操作してオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27を運送人コンピュータシステム2に送信する。運送人コンピュータシステム2はこうしてオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27を取得してオブジェクト20を製品21の入ったパッケージ13と結び付ける。
【0059】
図10に本発明の一般的な方法のフローチャートを示す。本方法は、運送人コンピュータシステム2、あるいはより具体的にはデータ記憶装置5を備えたコンピュータ3によって実行されることができる。ステップS1において、オブジェクト識別データ23が受信される。それは運送人コンピュータシステム2によって、荷送人コンピュータシステム49から、またはポータル9にあるスキャナ7から受信されることができる。ステップS2においてパッケージ識別データ27が生成される。これは任意選択ステップであって運送人コンピュータシステムによって実行されることができる、あるいはそれは事前に印字された出荷ラベル25から作業員41が操作する荷送人コンピュータシステム49によって提供されることができる。ステップS3において、オブジェクト識別データ23はパッケージ識別データ27と連結される。このデータ関連付けはコンピュータ3によってデータ記憶装置5のデータベース29に記録または連結されたデータとして記憶されることができる。ステップS4においてイベントデータが受信される。このステップは製品21を含むパッケージ13が運送人19の輸送保管ネットワーク18のポータル91、・・・、9Nを通過する際にスキャナ7からイベントデータ31を受信するコンピュータ3によって実行されることができる。ステップS5において、イベントデータ31はオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27と関連付けて記憶される。このステップはコンピュータ3がイベントデータ31をオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ27と関連付けてデータ記憶装置5に記憶することによって実行されることができる。
【0060】
図11に本発明によるコンピュータシステム2、49、93、99によって実行することができる方法のフローチャートを示す。ステップS1において運送人コンピュータシステム2はオブジェクト識別データ27を受信する。ステップS2において、運送人コンピュータシステム2はパッケージ識別データ23を生成する。ステップS3において、運送人コンピュータシステム2はオブジェクト識別データ27とパッケージ識別データ23をそれらを互いに関連付けてデータベース29に記憶することによって連結する。ステップS4において、コンピュータシステム2はパッケージ識別データ27を含む出荷ラベル25を作成し、ステップS5において、斯かる出荷ラベル25を荷送人15に提供する。これは、出荷ラベルを運送人コンピュータシステム2から荷送人コンピュータシステム49へ“ソフトな”形式、すなわち電子的もしくは光学的な形式で送ることによって実行されることができる。ステップS6において、運送人19はパッケージ13を荷送人15から荷受人17へ輸送する。ステップS7において、パッケージ13が輸送される際に、コンピュータシステム2はパッケージが通過するポータルのそれぞれのスキャナ7からイベントデータ31を受信する。ステップS8において、コンピュータ3はイベントデータ31を、連結された製品識別データ13およびパッケージ識別データ27と対応付けて記憶する。ステップS9において、コンピュータ3は、オブジェクト識別データ、パッケージ識別データ、およびイベントデータにタグ付けする。ステップS10において、コンピュータシステム2はオブジェクト識別データ27をONSコンピュータシステム93に送信する。ステップS11において、運送人コンピュータシステム2はPMLコンピュータシステム99に対応するネットワークアドレス111を受信する。ステップS12において、運送人コンピュータシステムは、連結されたタグ付けされたオブジェクト識別データ23およびパッケージ識別データ23を、対応するイベントデータ31と一緒に、PMLコンピュータシステム99に送信する。
【0061】
図12に、以下のような違いを有する図11の方法に類似した代わりの方法を示す。ステップS1において、運送人19は、オブジェクト識別データ23と共に、製品21が入ったパッケージ13を受け取る。ステップS2において、オブジェクト識別データ23は、本例ではパッケージ13であるオブジェクト20から読み取られる。これは、製品21の入ったパッケージ13に添付されたオブジェクト識別データ23を読み取るのにライン・オブ・サイトを要しない電磁式スキャナで実行されることができる。ステップS3乃至S13は図11のS2乃至S12の繰り返しになるので、これらのステップの詳細は既に提供した方法ステップの説明と重複するので省略をする。
【0062】
図13AにONSコンピュータシステム93によって実行される方法を示す。ステップS1において、ONSコンピュータシステム92はオブジェクト識別データ23を、PMLコンピュータシステム99に記憶された製品13に関連するデータにアクセスするためのリクエストを示している要求元(requesting)コンピュータシステムから受信する。ステップS2において、ONSコンピュータシステム93はPMLコンピュータシステム101のネットワークアドレス111を検索する。ステップS3において、ONSコンピュータシステム93はそのネットワークアドレス111を要求元コンピュータシステムに送信する。ONSコンピュータシステム93は、要求元コンピュータシステムが斯かるネットワークアドレスにアクセスすることが許可されている場合にのみ、斯かるデータを提供するようプログラムされることができる。これは、ユーザネームおよびパスワード、要求元事業者もしくはコンピュータシステムの認証、ONSコンピュータシステム93によって認識される暗号化鍵の使用、および当該分野において周知の多数の他の方法、に基づいて実行されることができる。
【0063】
図13BにONSコンピュータシステム93によって実行される代わりの方法を示す。ステップS1において、ONSコンピュータシステム93は別のコンピュータシステムから、オブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ31を受信する。ステップS2において、ONSコンピュータシステム93はPMLコンピュータシステム99に対応するネットワークアドレス111を検索する。ステップS3において、コンピュータシステム93はネットワークアドレス111を使用して、オブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ31をPMLコンピュータシステム99に送信する。
【0064】
図14AにPMLコンピュータシステム99によって実行される方法を示す。ステップS1において、PMLコンピュータシステム99は、タグ付きのオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ31を受信する。ステップS2において、PMLコンピュータシステム99は、オブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ31を、それぞれのタグ115、117、1191〜119Nと対応付けて記憶する。
【0065】
図14BにPMLコンピュータシステム99によって実行される方法を示す。ステップS1において、PMLコンピュータシステム99はデータへのアクセスをリクエストしている別のコンピュータシステムからリクエストを受信する。このリクエストは、リクエストされるデータのタイプを示す1つ以上のタグ115、117、1191〜119Nに加え、リクエスト対象の本例ではパッケージ13であるオブジェクト20を識別するオブジェクト識別データ23を含む。PMLコンピュータシステム99は、要求元コンピュータシステム99が斯かるデータにアクセスする権限があるかどうかを例えばユーザまたはコンピュータシステムを特定することによって判定すると共に、斯かる事業者が事前に登録された認証データに基づいて斯かるデータにアクセスする権限があるかどうかを要求側が適切な鍵を持っているかどうかで判定するようプログラムされることができる。要求側が斯かるデータにアクセする権限があると仮定すると、ステップS2において、PMLコンピュータシステム99はリクエストと共に提出されたタグ115、117、1191〜119Nを使用して、対応するオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ31を検索する。ステップS3において、PMLコンピュータシステム99は、リクエストされたオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ31を、要求元コンピュータシステムに送信する。
【0066】
図15に、供給業者121、123、125がオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、およびイベントデータ31を利用できることからいかに利益を享受することができるかの一例を示す。供給業者121は荷送人15にその荷送人が製品21を保管して荷受人17に輸送するために必要なボックスまたはパッケージ13を供給する。供給業者(側)コンピュータシステム127はコンピュータシステム49、93、および/または99に接続され、タグ付きのオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27,およびイベントデータ31を受信することができる。コンピュータシステム127は荷送人の製品のためのボックスまたはパッケージ13を製作する機械129に接続されることができる。コンピュータシステム127上で走るビジネスアプリケーションはタグ付きデータを使用して、パッケージボックス13をいくつ製作するか、斯かるボックスをいつ製作するか、ボックスおよびそれに付属する他の物を製作するのに必要な材料をいつ発注するかなどに関して供給業者121が正しい判断を下すことを支援することができる。こうして、運送人の輸送保管ネットワーク18内の他に荷送人の所在地における製品の状況に関するデータが利用できることは供給業者121がその業務を適切に運営するのを支援する。
【0067】
これと同じことが本例では製品21を入れるために荷送人15が使用するコンテナ21を製造する供給業者123についても当てはまる。供給業者123のコンピュータシステム131はコンピュータシステム49,93、および/または99の一部または全てに接続され、タグ付きのオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ23、およびイベントデータ31を受信することができる。供給業者123は従って機械133を使用してコンピュータシステム131上で実行されるビジネスアプリケーションによって決まる速度でコンテナ35を製造することができる。
【0068】
同様に、供給業者125は製品13を製造するための原料または材料43、45を製造する。供給業者125のコンピュータシステム135はコンピュータシステム49,93、および/または99の一部または全てに接続され、タグ付きのオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ23、およびイベントデータ31を受信することができる。供給業者125のコンピュータシステム135上で実行されるビジネスアプリケーションは、タグ付きデータに基づいていつおよび/またはどういった速度で原料または材料43、45が製造されるべきかを決定するために使用されることができる。その上、供給業者125は、発注すべきコンテナの数量を決める際に、材料43、45のためのコンテナが利用のためいくつリサイクルまたは返送されているかを決定することができる。
【0069】
図16に示すように、荷送人15が製品21の製造業者であるこの図に開示された特定の実施形態は製品21に関わる可能な荷送人の一例であることは理解されるはずである。図13に示すように、荷送人15および荷受人17は、製品13に関連した製造業者151、小売業者153、配送業者155、エンドユーザ157、リサイクル業者159、および供給業者161を含む任意の2つの事業者であることが可能である。それぞれのコンピュータシステム149、163、165、167、169、171は図2のコンピュータシステム2、49、93、99の1つ以上のコンピュータシステムと接続され、それぞれの業務の運営に使用するためにタグ付きのオブジェクト識別データ23、パッケージ識別データ27、および/またはイベントデータ31を受信することができる。
【0070】
本発明は特定の実施形態および実施例に関して説明されてきたが、必ずしも本発明の範囲をそれらの特定の実施形態および実施例に限定する意図はない。従って、特許請求の範囲の請求項に文字通りに定められる内容に加え、その全ての変更、変形、均等物が特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】製品識別データをパッケージ識別データと連結し、パッケージが運送人の輸送保管ネットワークを通過する際にイベントデータを受信してそれを前記の連結されたデータと関連付けて記憶するためのシステムのブロック図である。
【図2】オブジェクト識別データをパッケージ識別データと連結し、パッケージが運送人コンピュータシステムの1つ以上のポータルを通過する際にそのパッケージに関係したイベントデータを記憶するためのシステムのより詳細なブロック図である。
【図3】オブジェクト識別データをパッケージ識別データと連結し、更にパッケージが運送人の輸送保管ネットワークの1つ以上のポータルを通過する際に梱包製品に関係したイベントデータを記憶するためのシステムのデータフローの第1態様を示した図である。
【図4】オブジェクト識別データをパッケージ識別データと連結し、更にパッケージが運送人の輸送保管ネットワークの1つ以上のポータルを通過する際に梱包製品に関係したイベントデータを記憶するためのシステムのデータフローの第2態様を示した図である。
【図5】本発明による、運送人コンピュータシステム、ONSコンピュータシステム、およびPMLコンピュータシステムの間のデータフローを示した図である。
【図6】記述データ、場所データ、および日時データを含むイベントデータを示した図である。
【図7】スキャナまたはポータル識別データがイベントデータと関連付けて列挙されたデータベースを含むデータ記憶装置のブロック図である。
【図8】製品の入ったパッケージを輸送するために荷送人コンピュータシステムによって実行される方法のフロー図である。
【図9】オブジェクト識別データをパッケージ識別データと連結し、パッケージおよびその製品に関係したイベントデータを連結されたデータと関連付けて記憶するために運送人コンピュータシステムによって実行される方法のフロー図である。
【図10】オブジェクト識別データをパッケージ識別データと関連付けて記憶するための方法の第1の比較的詳細な実施形態を示した図である。
【図11】オブジェクト識別データをパッケージ識別データと関連付けて記憶するための方法の第2の比較的詳細な実施形態を示した図である。
【図12】オブジェクト識別データをパッケージ識別データと関連付けて記憶するための方法の第3の比較的詳細な実施形態を示した図である。
【図13A】オブジェクト識別データを使用してPMLコンピュータシステムのネットワークアドレスを生成するためにONSコンピュータシステムによって実行される方法の第1の実施形態を示した図である。
【図13B】オブジェクト識別データを使用してPMLコンピュータシステムのネットワークアドレスを生成するためにONSコンピュータシステムによって実行される方法の第2の実施形態を示した図である。
【図14A】オブジェクト識別データ、パッケージ識別データ、イベントデータ、および対応するタグをPMLコンピュータシステムに記憶するための方法を示した図である。
【図14B】オブジェクト識別データ、パッケージ識別データ、およびイベントデータにアクセスするためのリクエストをPMLコンピュータシステムで処理するための方法を示した図である。
【図15】記憶されたオブジェクト識別データ、パッケージ識別データ、およびイベントデータを使用して荷送人コンピュータシステムと商取引することができる供給業者のブロック図である。
【図16】製品製造業者、小売業者、配送業者、供給業者、リサイクル業者、エンドユーザが彼らの業務の中でオブジェクト識別データ、パッケージ識別データ、およびイベントデータをどのように利用することができるかを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の製品(21)が入った少なくとも1つのパッケージ(13)を識別するパッケージ識別データ(27)を、製品(21)に関係したオブジェクト(20)を識別するオブジェクト識別データ(23)と関連付けて記憶する、ことを特徴とする運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項2】
前記オブジェクト(20)は製品(21)それ自体であることを特徴とする請求項1に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項3】
前記オブジェクト(20)はパッケージ(13)であることを特徴とする請求項1に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項4】
前記オブジェクト(20)は一群のパッケージ(13)であることを特徴とする請求項1に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項5】
前記オブジェクト(20)は、製品(21)それ自体、製品(21)が入ったパッケージ(13)、あるいは製品(21)が入った一群のパッケージ(13)を、製品(21)の荷送人(15)によって指定されたものとして識別するように、前記荷送人(15)によって可変的に定義することができる、ことを特徴とする請求項1に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項6】
前記オブジェクト(20)は、それぞれのオブジェクト識別データ(23)によって識別される少なくとも1つの子オブジェクト(201〜20N)を含む親オブジェクト(20)である、ことを特徴とする請求項1に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項7】
前記オブジェクト識別データ(23)は少なくとも1つの電子製品コード(EPC)を備えることを特徴とする請求項1に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項8】
前記オブジェクト識別データ(23)のEPCコードはオブジェクト(20)に添付されたRFIDタグにプログラムされていることを特徴とする請求項7に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項9】
前記パッケージ(13)に関係したイベントを示すイベントデータ(31)を受信し、そのイベントデータをパッケージ識別データ(27)と関連付けて記憶する、ことを特徴とする請求項1に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項10】
前記イベントデータ(31)はこのイベントデータ(31)に関連したイベントを記述する記述データ(122)を備えることを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項11】
前記イベントの記述は、“パッケージは集荷されました”、“パッケージは集荷側配送ハブで受け取られました”、“パッケージは集荷側配送ハブを出ました”、“パッケージは長距離輸送中です”、“パッケージは長距離輸送を離れました”、“パッケージは荷受側配送ハブに到着しました”、“パッケージは荷受側配送ハブを出ました”および“パッケージは配達されました”のうち少なくともいずれか1つの記述を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項12】
前記イベントデータ(31)はイベントが発生した場所を示す場所データ(124)を備えることを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項13】
前記場所は、受け渡し場所、運送人店舗、サービスセンター、集荷輸送手段、荷送人の所在地、荷送側配送ハブのパッケージ取入口、荷送側配送ハブのパッケージ取出口、長距離輸送へのパッケージ取入口、長距離輸送からのパッケージ取出口、荷受側配送ハブのパッケージ取入口、荷受側配送ハブのパッケージ取出口、および荷受人の所在地のうち少なくともいずれか1つの場所を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項14】
前記イベントデータ(31)はイベントが発生した日時を示すデータ(126)を備えることを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項15】
前記パッケージ識別データ(27)、オブジェクト識別データ(23)、およびイベントデータ(31)のうち少なくともいずれか1つのデータにタグ付けすることを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項16】
前記パッケージ識別データ(27)およびオブジェクト識別データ(23)の少なくとも一方のデータにタグ付けすることを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項17】
前記オブジェクト識別データ(23)およびパッケージ識別データ(27)を荷送人(15)のコンピュータ(55)から通信ネットワーク(11)を介して受信することを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項18】
前記オブジェクト識別データ(23)を荷送人(15)のコンピュータ(55)から通信ネットワーク(11)を介して受信し、パッケージ識別データ(27)を運送人の物流ネットワーク(18)内にある少なくとも1つのスキャナ(7)から受信する、ことを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項19】
前記オブジェクト識別データ(23)およびパッケージ識別データ(27)を運送人の物流ネットワーク(18)内にある少なくとも1つのスキャナ(7)から受信することを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項20】
前記パッケージ(13)に添付するためのパッケージ識別データ(27)を表示するラベル(25)を印刷するためにパッケージ識別データ(27)を生成してそのデータを荷送人(15)のコンピュータ(55)に送信することを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項21】
前記イベントデータ(31)を運送人の物流ネットワーク(18)内にある少なくとも1つのスキャナ(7)から受信することを特徴とする請求項9に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項22】
製品(21)に直接的または間接的に関連したオブジェクト(20)を識別するオブジェクト識別データ(23)を受信し、製品(21)がそれに入って出荷されるパッケージ(13)を識別するパッケージ識別データ(27)を取得し、前記オブジェクト識別データ(23)を前記パッケージ識別データ(27)と連結し、そのパッケージ識別データを含む出荷ラベル(25)を生成し、運送人の物流ネットワーク(18)によって受け取られ前記荷送人(15)から荷受人(17)に輸送されるパッケージに添付するためにその出荷ラベルを前記荷送人(15)に提供すると共に、パッケージが前記荷送人から荷受人へ輸送される際に運送人の物流ネットワークの1つ以上のポータル(9)で生成されたイベントデータ(31)を受信して、そのイベントデータを、前記連結されたオブジェクト識別データおよびパッケージ識別データと対応付けて記憶する、ことを特徴とする運送人コンピュータシステム。
【請求項23】
前記オブジェクト(20)は製品(21)であることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項24】
前記オブジェクト(20)はパッケージ(13)であることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項25】
前記オブジェクト(20)は一群のパッケージ(13)であることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項26】
前記オブジェクト(20)は、製品(21)それ自体、製品(21)が入ったパッケージ(13)、あるいは製品(21)が入った一群のパッケージ(13)を、製品(21)の荷送人(15)によって指定されたものとして識別するように、前記荷送人(15)によって可変的に定義することができる、ことを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項27】
前記オブジェクト(20)は、それぞれのオブジェクト識別データ(23)によって識別される少なくとも1つの子オブジェクトを備える親オブジェクトである、ことを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項28】
前記オブジェクト識別データ(23)はパッケージ(13)の荷送人(15)のコンピュータシステム(55)から受信されることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項29】
前記受信されたオブジェクト識別データ(23)はいずれか1つのポータル(9)のスキャナ(7)によって生成されたものであることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項30】
前記パッケージ識別データ(27)はパッケージ(13)の荷送人(15)のコンピュータシステム(55)からそのパッケージ識別データを受信することによって取得されることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項31】
前記パッケージ識別データ(27)はこのパッケージ識別データを生成することによって取得されることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項32】
前記オブジェクト識別データ(23)、パッケージ識別データ(27)、およびイベントデータ(31)のうち少なくともいずれか1つのデータにタグ付けすることを特徴とする請求項22に記載の運送人コンピュータシステム(2)。
【請求項33】
パッケージ(13)を運送人(19)が荷送人(15)から荷受人(17)へ輸送するためのシステムにおいて、
前記パッケージ(13)がポータル(9)を通過する際にそのパッケージを読み取ることによってパッケージを識別するパッケージ識別データ(27)を取得するそれぞれのスキャナ(7)を有する少なくとも1つのポータル(9)と、
前記ポータル(9)から前記パッケージ識別データ(27)を受信し、そのパッケージ識別データ(27)を受信したことに応えて前記荷送人(15)から前記荷受人(17)へのルートにおけるパッケージ(13)の状況を示すイベントデータ(31)を生成するよう接続されたコンピュータ(3)と、
該コンピュータ(3)に接続されているデータ記憶装置(5)であって、前記パッケージ(13)に入って出荷された製品(21)に関係したオブジェクト(20)を識別するオブジェクト識別データ(23)を前記パッケージ識別データと関連付けて記憶し、かつ前記イベントデータを前記パッケージ識別データと関連付けて記憶するデータベース(29)を有するデータ記憶装置(5)とを備える、ことを特徴とするパッケージ輸送システム(1)。
【請求項34】
前記オブジェクト(20)は製品(21)であることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項35】
前記オブジェクト(20)はパッケージ(13)であることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項36】
前記オブジェクト(20)は一群のパッケージ(13)であることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項37】
前記オブジェクト(20)は、製品(21)それ自体、1つ以上の製品(21)が入ったパッケージ(13)、あるいはそれぞれの製品(21)が入った一群のパッケージ(13)となるように荷送人(15)によって可変的に定義することができる、ことを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項38】
前記オブジェクト(20)はそれぞれのオブジェクト識別データ(23)を有する少なくとも1つの子オブジェクトを含む親オブジェクトであることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項39】
前記オブジェクト識別データ(23)および関連するパッケージ識別データ(27)は荷送人(15)のコンピュータシステム(55)によってコンピュータ(3)に提供され、コンピュータ(55)はオブジェクト識別データ(23)をパッケージ識別データ(27)と関連付けてデータ記憶装置(5)のデータベース(29)に記憶する、ことを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項40】
前記オブジェクト識別データ(23)および関連するパッケージ識別データ(27)は、運送人(18)がパッケージ(13)を荷送人(15)から荷受人(17)に輸送する際にそのパッケージ(13)に遭遇する最初のポータル(9)のスキャナ(7)によって提供されることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項41】
前記スキャナ(7)はパッケージ(13)に添付された出荷ラベル(25)からパッケージ識別データ(27)を読み取る光学スキャナ(7)を備えることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項42】
前記パッケージ識別データ(27)は光学スキャナ(7)によって読み取られるバーコードの形態にあることを特徴とする請求項41に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項43】
前記スキャナ(7)はパッケージ(13)の中にある製品(21)から少なくともオブジェクト識別データ(23)を読み取る電磁式スキャナから成ることを特徴とする請求項41に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項44】
前記オブジェクト識別データ(23)は電磁式スキャナ(7)によって読み取られるRFIDタグに符号化されていることを特徴とする請求項43に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項45】
前記ポータル(9)は運送人(19)の輸送保管ネットワーク(18)内における荷送人(15)から荷受人(17)へのルート上のパッケージ(13)の状況に関係したイベントに関連していることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項46】
前記ポータル(9)は、受け渡し場所、運送人店舗、サービスセンター、集荷輸送手段、荷送人の所在地、荷送側配送ハブのパッケージ取入口、荷送側配送ハブのパッケージ取出口、長距離輸送へのパッケージ取入口、長距離輸送からのパッケージ取出口、荷受側配送ハブのパッケージ取入口、荷受側配送ハブのパッケージ取出口、および荷受人の所在地のうちいずれか1つの場所に位置する、ことを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項47】
前記コンピュータ(3)はパッケージ識別データ(27)をコンピュータ(3)に報告するスキャナ(7)およびポータル(9)の少なくとも一方のIDに基づいてイベントデータを生成することを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項48】
前記データ記憶装置(5)は、ポータル(9)およびスキャナ(7)の少なくとも一方を識別するデータ(132)を対応するイベントデータ(31)と関連付けて記憶し、コンピュータ(3)はパッケージ識別データ(27)と共に受信されたポータルおよびスキャナ(7、9)の少なくとも一方を識別するデータ(132)を使用して、データ記憶装置(5)にパッケージ識別データ(27)と関連付けて記憶するために対応するイベントデータ(31)を識別する、ことを特徴とする請求項47に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項49】
前記データ記憶装置(5)はイベントに関連した記述データ(122)を記憶し、コンピュータ(3)はパッケージ識別データ(27)をコンピュータ(3)に報告するスキャナ(7)およびポータル(9)の少なくとも一方のIDを使用することによって記述データ(122)をイベントを記述するイベントデータ(31)の一部として生成する、ことを特徴とする請求項47に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項50】
前記記述データ(122)は、“パッケージは集荷されました”、“パッケージは集荷側配送ハブで受け取られました”、“パッケージは集荷側配送ハブを出ました”、“パッケージは長距離輸送中です”、“パッケージは長距離輸送を離れました”、“パッケージは荷受側配送ハブに到着しました”、“パッケージは荷受側配送ハブを出ました”および“パッケージは配達されました”のうち少なくともいずれか1つの記述としてイベントを記述する文字列を備える、ことを特徴とする請求項49に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項51】
前記イベントデータ(31)はイベントが発生した場所を示す場所データ(124)を備えることを特徴とする請求項47に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項52】
前記コンピュータ(3)は、コンピュータ(3)によってパッケージ識別データ(27)と共に受信されるスキャナ(7)およびポータル(9)の少なくとも一方を識別するデータ(132)に基づいて、イベントが発生した場所を特定する、ことを特徴とする請求項51に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項53】
前記スキャナ(7)はイベントデータ(31)に対応するイベントが発生した場所を示す場所データ(124)を生成し、この場所データはスキャナ(7)によって報告されるパッケージ識別データ(27)に付属する、ことを特徴とする請求項52に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項54】
前記場所は、受け渡し場所、運送人店舗、サービスセンター、集荷輸送手段、荷送人の所在地、荷送側配送ハブのパッケージ取入口、荷送側配送ハブのパッケージ取出口、長距離輸送へのパッケージ取入口、長距離輸送からのパッケージ取出口、荷受側配送ハブのパッケージ取入口、荷受側配送ハブのパッケージ取出口、および荷受人の所在地のうち少なくともいずれか1つの場所を含む、ことを特徴とする請求項53に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項55】
前記イベントデータ(31)はイベントが発生した日時を示すデータ(126)を備えることを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項56】
前記コンピュータ(3)は、スキャナ(7)から受信したパッケージ識別データ(27)を日時データ(126)でタイムスタンプし、それをパッケージ識別データ(27)と関連付けてデータ記憶装置(5)に記憶する、ことを特徴とする請求項55に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項57】
前記スキャナ(7)はパッケージ識別データ(27)にタイムスタンプし、それをパッケージ識別データ(27)に関連したイベントデータ(31)としてデータ記憶装置(5)に記憶するためにコンピュータ(3)に送信する、ことを特徴とする請求項55に記載のパッケージ輸送システム(1)。
【請求項58】
前記コンピュータ(3)は、オブジェクト識別データ(23)、パッケージ識別データ(27)、およびイベントデータ(31)のうち少なくともいずれか1つのデータにタグ付けして、外部のコンピュータシステムが斯かるデータを読み出し解釈することができるようにする、ことを特徴とする請求項33に記載のパッケージ輸送システム(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−528830(P2007−528830A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518980(P2006−518980)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/022566
【国際公開番号】WO2005/008554
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(397008339)ユナイテッド パーセル サービス オブ アメリカ インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】United Parcel Service of America, Inc.
【住所又は居所原語表記】55 Glenlake Parkway, NE, Atlanta,Georgia 30328, U.S.A.
【Fターム(参考)】