オンラインレポーティング装置および方法
【課題】民事訴訟や刑事訴追にも使用可能な改良されたグリーフレポーティングメカニズムを提供する。
【解決手段】各々がオンライン仮想環境とやりとりをしている一台または複数台のユーザーに相当する一つまたは複数のアバターを備えたオンライン仮想環境の描写を表示用に生成するディスプレイ生成部と、一台または複数台のユーザーから発信されたコンテンツを受信するよう動作可能なネットワーク通信部と、レポーティング・イベントを起こすためにユーザーにより動作可能な入力装置と、一台または複数台のユーザーから発信されたコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときに可用であったコンテンツを示す情報を生成するよう動作可能なコンテンツ識別部とを備え、リモート装置に対して、該生成された情報を備えたレポートを送信する。
【解決手段】各々がオンライン仮想環境とやりとりをしている一台または複数台のユーザーに相当する一つまたは複数のアバターを備えたオンライン仮想環境の描写を表示用に生成するディスプレイ生成部と、一台または複数台のユーザーから発信されたコンテンツを受信するよう動作可能なネットワーク通信部と、レポーティング・イベントを起こすためにユーザーにより動作可能な入力装置と、一台または複数台のユーザーから発信されたコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときに可用であったコンテンツを示す情報を生成するよう動作可能なコンテンツ識別部とを備え、リモート装置に対して、該生成された情報を備えたレポートを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンタテインメント装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームや、最近では、セカンドライフ(http://secondlife.com/)等のオンライン社会環境において、他のユーザーによる誹謗中傷を伴った行動を報告することができるような手段を提供するものがある。これは、いわゆる「グリーフレポート」という形式をとる。つまりこれは、インゲームまたはウェブベースの形式であって、この中でユーザーは、反社会的ユーザーを特定し、その環境やゲームの管理者に苦情を提出する原因となった事件または挙動を記載することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】http://wiki.secondlife.com/wiki/Help:When_and_how_to_file_an_Abuse_Report
【非特許文献2】http://reviews.ebay.com/How-to-Report-Abuse-in-Second-Life_W0QQugidZ10000000003846269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなレポートは一般的に、反社会的ユーザーに対して警告をしたり、あるいは、ある特定のゲームについて使用停止や使用禁止処分にしたりするために、その反社会的ユーザーを識別することを目的とする。しかしながら、オンラインゲームやオンライン社会環境は、より高度化され、ユーザー自身のデータ、メディア、およびアイデンティティにより複雑に統合されている。従って、これらの性能に対応可能であり、場合によっては民事訴訟や刑事訴追にも使用可能な改良されたグリーフレポーティングメカニズムを提供する必要がある。
【0005】
本発明の実施例は、上記の必要性に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様において、エンタテインメント装置は、各々がオンライン仮想環境とやりとりする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置のユーザーに対応する、一つまたは複数のアバターを備えたオンライン仮想環境の描写を、表示用に生成するよう構成されたディスプレイ生成部と、オンライン仮想環境内での他のユーザーの行為を表すデータを受信し、また、そのオンライン仮想環境とやりとりする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが送信元になっているコンテンツを受信するよう動作可能なネットワーク通信構成と、レポーティング・イベントを引き起こすためにユーザーにより操作可能な入力手段と、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが送信元となっているコンテンツを示す情報であって、該レポーティイング・イベントが引き起こされたときにそのエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するように動作可能なコンテンツ識別手段を備え、該ネットワーク通信構成は、識別されたコンテンツについて報告をするレポートをリモート装置に送信するよう動作可能である。
【0007】
本発明の別の態様において、オンラインレポーティング方法は、オンライン仮想環境に接続して、そのオンライン仮想環境の描写をユーザーに対する表示用に生成するステップと、該オンライン仮想環境内の他のユーザーの行為を表すデータを受信するステップと、該オンライン仮想環境とやりとりをする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが発信元となっているコンテンツを受信するステップと、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが送信元となっているコンテンツを示す情報であって、レポーティング・イベントが引き起こされたときにエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するステップと、その生成された情報を含めたレポートをリモート装置に送信するステップ、とから成ることを特徴とする。
【0008】
従って、ユーザー発信のコンテンツ形式をした悪用の証拠を、オンライン環境の管理者に対するグリーフレポート内に組み込むことができるので有効である。
【0009】
本発明の更なる態様および特徴はそれぞれ、添付の請求の範囲により定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について例証として説明する。
【図1】エンタテインメント装置の概要図である。
【図2】セルプロセッサの概要図である。
【図3】ビデオ・グラフィックプロセッサの概要図である。
【図4】本発明の一実施例によるゲーム・ゾーンの相互接続されたセットの概要図である。
【図5】本発明の一実施例によるホーム環境のオンライン・クライアント/サーバ構成の概要図である。
【図6a】本発明の一実施例によるロビー・ゾーンの概要図である。
【図6b】本発明の一実施例によるロビー・ゾーンの概要図である。
【図6c】本発明の一実施例によるシネマ・ゾーンの概要図である。
【図6d】本発明の一実施例によるデベロッパー/パブリッシャーゾーンの概要図である。
【図7】本発明の一実施例によるオンライントランザクションの方法を示すフローチャートである。
【図8a】本発明の一実施例によるアパート・ゾーンの概要図である。
【図8b】本発明の一実施例によるトロフィ室ゾーンの概要図である。
【図9】本発明の一実施例による対話メニューの概要図である。
【図10】本発明の一実施例による対話式の仮想ユーザー装置の概要図である。
【図11】本発明の一実施例によるホーム環境のオンライン・クライアント/サーバ構成の概要図である。
【図12】本発明の一実施例によるオンラインレポーティング方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
オンラインレポーティング装置および方法を開示する。以下の説明において、いくつかの具体的な詳細事項は、本発明の実施例について十分な理解を図るために示すものである。しかしながら、本発明を実施するためにこれらの具体的な詳細事項を採用する必要がないことは当業者にとって明らかである。逆にいえば、当業者にとって周知の具体的詳細事項は、必要に応じて明瞭化のために省略される。
【0012】
本発明の実施例の一つにおいて、エンタテインメント装置のユーザーは、オンライン仮想環境に入った状態である。この環境において、ユーザーは、誹謗中傷を伴うTシャツを着ている他のユーザーのアバターに遭遇する。このユーザーが、テキスト・ウィンドウを介して他のユーザーに苦情を伝えるがスピーチ・チャンネルを介して誹謗の連発を耳にする。そのような場合、該ユーザーは、手持ち式のコントローラ上のボタンを押してグリーフレポートを起こすことができる(または、グリーフレポートを引き起こすことがオプションになっているメニューシステムに入る)。グリーフレポート処理が起動されると、エンタテインメント装置は、仮想環境に対し鑑識捜査(forensic sweep)を行う。この捜査において、他のユーザーから受信しエンタテインメント装置内にキャッシュされたコンテンツ(上記の誹謗中傷を伴うTシャツを定義しているテクスチャを含む)が集められ、証拠としてグリーフレポートに含められる。ユーザーによるテキストチャットのログ、(例えば)過去2分間のユーザー視点のオーディオ・ビデオレコード、その期間中に遭遇した各アバターの識別子、およびまたは、仮想環境内におけるユーザー位置を中心とした仮想環境の360度スナップショット、を含めるなど、鑑識捜査の一部として他の証拠入手手段を採用することも可能である。これらのレコードはその後、グリーフレポートに添付され、ユーザーは、従来の方法によって、その事件についての自身の印象をレポートの中に組み込むことができる。
【0013】
このようにして、他のユーザーによって仮想環境に持ち込まれた、真に誹謗中傷を伴ったマテリアルまたは不正なマテリアルを正確に検証可能な形で報告することが可能であり、また同時に、取るに足りない、または根拠のない理由で他人の出入りを禁じてしまうためにユーザーがグリーフレポーティングシステムを濫用することができないように制限することが可能である。
【0014】
本発明の実施例において、エンタテインメント装置とは、ソニー(登録商標)のプレイステーション3(登録商標)(PS3(登録商標))である。
【0015】
図1は、ソニー(Sony、登録商標)プレイステーション3(Playstation3、登録商標)エンタテイメント装置の全体システム構造を概略的に示したものである。システムユニット10は、このシステムユニットに接続可能なさまざまな周辺機器を備える。
【0016】
システムユニット10は、セルプロセッサ100と、ランバス(Rambus、登録商標)ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(XDRAM)ユニット500と、専用のビデオ・ランダムアクセスメモリ(VRAM)ユニット250を有するリアリティ・シンセサイザー・グラフィクス・ユニット(Reality Synthesizer graphics unit)200と、I/Oブリッジ700と、を備える。
【0017】
システムユニット10はまた、ディスク440から読み出しを行うブルーレイ(Blu Ray、登録商標)ディスクBD-ROM(登録商標)光学ディスクリーダー430、および取外し可能スロットインハードディスクドライブ(HDD)400を備え、I/Oブリッジ700を介してアクセス可能である。任意に、システムユニットはさらに、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリーカード、メモリースティック(Memory Stick、登録商標)メモリーカード等から読み出しを行う、メモリー・カードリーダー450を備え、同様にI/Oブリッジ700を介してアクセス可能である。
【0018】
このI/Oブリッジ700もまた、4本のユニバーサル・シリアル・バス(USB)2.0ポート710、ギガビットイーサネット(登録商標)ポート(gigabit Ethernet (登録商標)port)720、IEEE802.11b/g無線ネットワーク(Wi-Fi)ポート730、および最大7本までブルートゥース接続をサポートすることが可能なブルートゥース(Bluetooth、登録商標)無線リンクポート740に接続される。
【0019】
動作中、I/Oブリッジ700は、一台または複数台のゲーム・コントローラ751からのデータを含む、すべての無線、USB、およびイーサネット(登録商標)データを処理する。例えば、ユーザーがゲームをする際、I/Oブリッジ700は、ブルートゥース・リンクを介してゲーム・コントローラ751からのデータを受信し、そのデータをセルプロセッサ100へと導く。それに従い、セルプロセッサは、ゲームの現在の状態を更新する。
【0020】
無線、USBおよびイーサネット(登録商標)ポートも、ゲーム・コントローラ751に加えて他の周辺機器に対して接続性を提供する。この周辺機器は例えば、遠隔制御装置752、キーボード753、マウス754、ソニープレイステーションポータブル(Sony Playstation Portable、登録商標)エンタテインメント装置のような携帯エンタテインメント装置755、アイトイ(EyeToy, 登録商標)ビデオカメラのようなビデオカメラ756、およびマイクロホン・ヘッドセット757等である。従って、このような周辺デバイスは、原則としてはワイヤレスでシステムユニット10に接続される。例えば、マイクロホン・ヘッドセット757がブルートゥース・リンクを介して通信中に、携帯エンタテインメント装置755はWi−Fiアドホック接続を介して通信を行うことができる。
【0021】
これらのインターフェースが提供されるということは、プレイステーション3装置はまた、デジタル・ビデオレコーダ(DVRs)、セットトップボックス、デジタル・カメラ、携帯メディアプレイヤー、IP電話、携帯電話、プリンタ、およびスキャナ等の、他の周辺デバイスに対応できる可能性が潜在的にあることを意味する。
【0022】
さらに、レガシーメモリーカードリーダー410を、USBポート710を介してシステムユニットに接続することにより、プレイステーション(Playstation、登録商標)やプレイステーション2(Playstation2、登録商標)により使用される種類のメモリーカード420からの読み出しを可能にする。
【0023】
本実施例において、ゲーム・コントローラ751は、ブルートゥース・リンクを介して無線でシステムユニット10と通信するように動作可能である。しかし、ゲーム・コントローラ751は、その代わりにUSBポートに接続することが可能であり、これにより、ゲーム・コントローラ751のバッテリを充電する電力を供給できる。一つまたは複数のアナログ・ジョイスティックおよび従来の制御ボタンに加え、ゲーム・コントローラも各軸の並進および回転に対応して6自由度の動きに対して感度が高い。結果的に、ゲーム・コントローラのユーザーによるジェスチャおよび動きは、従来のボタンまたはジョイスティック・コマンドに加えて、またはその代わりに、ゲームに対する入力として変換できる。任意に、プレイステーション・ポータブル装置等の、無線で使用可能な他の周辺デバイスを制御装置として使用できる。プレイステーション・ポータブル装置の場合、増設ゲームまたは制御情報(例えば、制御命令またはライフ数)を、装置のスクリーン上に提供できる。他の代替となるまたは補助的な制御装置も使用可能である。例えば、ダンス・マット(図示せず)、ライトガン(図示せず)、ハンドルおよびペダル(図示せず)、または、例えば早押しクイズゲーム用の単一または数個の大きいボタン、といったような特注の制御装置などが使用可能である(これも図示せず)。
【0024】
遠隔制御装置752もまた、ブルートゥース・リンクを介して無線でシステムユニット10と通信するように動作可能である。遠隔制御装置752は、ブルーレイディスクBD−ROMリーダ430の動作と、ディスクコンテンツのナビゲーションに適する制御を備えている。
【0025】
ブルーレイディスクBD−ROMリーダ430は、従来の記録済み追記型CD、および、いわゆるスーパーオーディオCDに加えて、プレイステーションおよびプレイステーション2装置と互換性があるCD−ROMを読みとるように動作可能である。リーダ430は、また、従来の記録済み追記型DVDに加えて、プレイステーション2およびプレイステーション3装置と互換性があるDVD−ROMを読みとるように動作可能である。リーダ430は、さらに、従来の記録済み追記型ブルーレイディスクだけでなく、プレイステーション3装置と互換性があるBD−ROMを読みとるように動作可能である。
【0026】
システムユニット10は、ディスプレイ305と一つまたは複数のラウドスピーカー310を有するモニターまたはテレビセットなどの表示及び音響出力装置300に対して、リアリティ・シンセサイザ・グラフィックス・ユニット200を介してプレイステーション3装置によって作成またはデコードされたオーディオおよびビデオを、オーディオ・ビデオコネクタを通じて供給するよう動作可能である。ビデオ・コネクタ220が、コンポーネント・ビデオ、S-ビデオ、コンポジット・ビデオ、および一つまたは複数の高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI)出力などさまざまなものを含む一方、オーディオ・コネクタ210は、従来のアナログおよびデジタル出力を含む。よって、ビデオ出力は、PALまたはNTSC等の形式であるか,または720P,1080i、または1080p高解像度である。
【0027】
オーディオ処理(作成、デコーディング等)は、セルプロセッサ100により実行される。プレイステーション3装置のオペレーティングシステムは、ドルビー(Dolby、登録商標)5.1サラウンドサウンド、ドルビー(Dolby、登録商標)シアター・サラウンド(DTS)、およびブルーレイ(Blu-Ray、登録商標)ディスクからの7.1サラウンドサウンドのデコーディングをサポートする。
【0028】
本実施例において、ビデオカメラ756は、単一の電荷結合素子(CCD)、LEDインジケータ、およびハードウェアベースのリアルタイムデータ圧縮エンコーディング装置を備える。これにより、圧縮されたビデオデータを、システムユニット10がデコードできるように、MPEG(モーション・ピクチャ・エキスパート・グループ)標準をベースとする内部イメージ等の適切なフォーマットで送信される。カメラLEDインジケータは、システムユニット10からの適切なコントロールデータに応答して、例えば、照明状況が悪いなどを示すために点灯するよう配置される。ビデオカメラ756の具体例は、USB、ブルートゥース、またはWi−Fi通信ポートを介して、システムユニット10にさまざまな形で接続可能である。ビデオカメラの具体例は、一つまたは複数の対応するマイクを有することができ、更にオーディオデータを送信することが可能である。ビデオカメラの具体例において、CCDは、高解像度ビデオ・キャプチャに適する解像度を備えることができる。使用の際、ビデオカメラによって、取り込まれるイメージは、例えば、ゲーム内に組み込まれるか、または、ゲームコントロール入力として解釈される。
【0029】
一般に、システムユニット10の通信ポートの一つを介して、ビデオカメラや遠隔制御装置等の周辺デバイスとの間で生じるデータ通信を正常に行うために、デバイスドライバのような適切なソフトウェアを備えなければならない。デバイスドライバ技術は周知であるので、ここでは詳細を記載しないが、当業者であれば、デバイスドライバまたは同様のソフトウェア・インターフェースがここに記載される本実施例において必要であることを認識するはずである。
【0030】
ここで図2を参照すると、セルプロセッサ100は、四つの基本コンポーネントを備えたアーキテクチャを有する。すなわち、メモリー・コントローラ160とデュアルバス・インターフェース・コントローラ170A,Bを備えた外部入出力構造と、パワー・プロセッシング・エレメント(Power Processing Element)150と呼ばれるメインプロセッサと、シナジスティック・プロセッシング・エレメント(Synergistic Processing Elements、 SPEs)110A〜Hと呼ばれる8つのコプロセッサと、エレメント・インターコネクト・バス(Element Interconnect Bus)180と呼ばれる、上記のコンポーネントを接続する環状データバスである。プレイステーション2装置のエモーション・エンジンの6.2GFLOPsと比べて、セルプロセッサの全体の浮動小数点演算性能は、218GFLOPSである。
【0031】
パワー・プロセッシング・エレメント(PPE、 Power Processing Element)150は、両方向同時マルチスレッドパワー(two-way simultaneous multithreading Power)970に適合し、3.2GHz内部クロックで稼働するパワーPCコア(PPU、 PowerPC core)155を基礎とする。また、PPEは、512kBレベル2(L2)キャッシュと32kBレベル1(L1)キャッシュを備える。PPE150は、1クロックサイクルにつき8回の単一位置演算(single position operations)が可能であり、3.2GHzで25.6GFLOPsに変換する。PPE150の主要な役割は、大部分の計算作業負荷を取り扱うシナジスティック・プロセッシング・エレメント110A〜Hのコントローラとしての機能を果たすことである。動作中、PPE150は、ジョブキューを維持し、シナジスティック・プロセッシング・エレメント110A〜Hのジョブをスケジュールし、その進行をモニターする。これによって、シナジスティック・プロセッシング・エレメント110A〜Hはそれぞれ、ジョブをフェッチして実行し、PPE150と同期するという役割のカーネルを実行する。
【0032】
シナジスティック・プロセッシング・エレメント(SPE)110A〜Hはそれぞれ、シナジスティック・プロセッシング・ユニット(SPU)120A〜Hと、それぞれ順にダイナミックメモリアクセスコントローラ(DMAC)142A〜Hとメモリマネジメントユニット(MMU)144A〜Hとバス・インターフェース(図示せず)を有するメモリーフローコントローラー(MFC)140A〜Hと、を備える。SPU120A〜Hの各々は3.2GHzでクロック制御されるRISCプロセッサであり、それぞれ256kBローカルRAM130A〜Hを備え、原則として4GBに拡張可能である。各SPEは、理論上、25.6GFLOPSの単精度パフォーマンス(single precision performance)を提供する。SPUは、1クロックサイクルにつき、4つの単精度浮動小数点メンバー、4つの32ビット数、8つの16ビット整数、または16個の8ビット整数で動作可能である。同じクロックサイクルにおいて、SPUはさらにメモリ操作を実行できる。このSPU120A〜Hは、システムメモリXDRAM500に直接アクセスしない。SPU120A〜Hにより形成される64ビットアドレスは、MFC140A〜Hに渡され、MFCは、そのDMAコントローラ142A〜Hに対して、エレメント・インターコネクト・バス180とメモリー・コントローラ160を介してメモリにアクセスするよう指示する。
【0033】
エレメント・インターコネクト・バス(EIB)180は、セルプロセッサ100内部の論理的に環状の通信バスであり、上記のプロセッサ・エレメント、すなわち、PPE150、メモリー・コントローラ160、デュアル・バス・インターフェース170A、B、および8つのSPE110A〜Hの、計12のパーティシパントを接続する。パーティシパントは、1クロックサイクルにつき8バイトのレートで、バスに同時にリードライトすることができる。前述のように、SPE110A〜Hはそれぞれ、より長いリードまたはライトのシーケンスをスケジューリングするためのDMAC142A〜Hを備える。EIBは、時計回りの方向に2つ、反時計回りの方向に2つの、4つのチャンネルを備える。結果として、12のパーティシパントについて、どの2つのパーティシパント間においても、最長のステップ・データフローは、しかるべき方向において、6ステップである。従って、12スロットに対する理論上のピーク瞬時EIB帯域幅は、パーティシパント間のアービトレーションによって完全利用を行った場合、1クロックにつき96Bである。これは、3.2GHzのクロック速度で、理論ピークバンド幅307.2GB/s(1秒あたりのギガバイト数)に等しい。
【0034】
メモリー・コントローラ160は、ランバス(Rambus)社により開発されたXDRAMインターフェース162を備える。メモリー・コントローラは、25.6GB/sの理論ピーク帯域幅で、Rambus XDRAM500とインターフェースで接続される。
【0035】
デュアル・バス・インターフェース170A、Bは、Rambus FlexIO(登録商標)システムインターフェース172A、Bを備える。このインターフェースは、12チャネルに体系化され、各チャネルはそれぞれ8ビット幅であり、5つのパスはインバウンドであり、7つはアウトバウンドである。これは、コントローラ170Aを介してセルプロセッサとI/Oブリッジ700の間、コントローラ170Bを介してセルプロセッサとリアリティ・シミュレータ・グラフィックス・ユニット200の間で、62.4GB/s(36.4GB/sアウトバンド、26GB/sインバウンド)の理論ピーク帯域幅を提供する。
【0036】
リアリティ・シミュレータ・グラフィックス・ユニット200に対し、セルプロセッサ100により送信されるデータは、一般的に、頂点を描画するためのコマンドシーケンスであるリストの表示、ポリゴンに対するテクスチャの適用、ライティング条件の特定等を含むものである。
【0037】
ここで図3を参照すると、リアリティ・シミュレータ・グラフィックス(RSX)ユニット200は、NVidia(登録商標)G70/71アーキテクチャを基礎とするビデオ・アクセルレータであり、セルプロセッサ100により作成されたコマンドリストを処理しレンダリングする。RSXユニット200は、セルプロセッサ100のバス・インターフェース・コントローラ170Bと通信するように動作可能なホスト・インターフェース202と、8つの頂点シェイダー205を有する頂点パイプライン204(VP)と、24のピクセル・シェイダー207を有するピクセル・パイプライン206(PP)と、8つの、レンダー・アウトプット・ユニット(ROPs)209を有するレンダー・パイプライン208(RP)と、メモリ・インターフェース210と、ビデオ出力を作成するためのビデオ・コンバータ212を備える。RSX200は、256MBのダブルデータレート(DDR)ビデオRAM(VRAM)250により補完される。これは、600MHzでクロック制御され、理論ピーク帯域幅25.6GB/sでRSX200とインターフェース接続するよう動作可能である。動作中、VRAM250は、フレーム・バッファ214およびテクスチャ・バッファ216を維持する。フレーム・バッファ214が処理中のパイプラインの結果を保存する間、テクスチャ・バッファ216はピクセル・シェイダー207にテクスチャを提供する。RSXはさらに、例えば、テクスチャをVRAM250にロードするために、EIB180を介してメインメモリ500にアクセスすることも可能である。
【0038】
頂点パイプライン204は、主に、描くべき画像内のポリゴンを定義する頂点の変形処理および変換処理をする。
【0039】
ピクセル・パイプライン206は、主に、これらのポリゴンに、色、テクスチャ、およびライティングを加える処理を行う。ここにはどのようなピクセル透明度も含まれ、赤、緑、青およびアルファ(透明度)値を、処理済ピクセル各々に対して作成する。テクスチャ・マッピングは、単に表面にグラフィックイメージを適用する。あるいは、バンプ・マッピング(テクスチャ値に従って表面の概念上の方向に摂動を加え、ライティングモデルにおいて、最も明るい部分と暗い部分を作り出す)、または、変位マッピング(加えられたテクスチャがさらに頂点位置を摂動させ、テクスチャと一致する変形した表面を作成する)を含むことも可能である。
【0040】
レンダー・パイプライン208は、ピクセル間の深度比較を行い、どのピクセルを最終イメージで描くかを判断する。また任意に、介在ピクセル処理が深さ値に影響を及ぼさない場合(例えば、透明度マッピングまたは変位マッピングがない場合)、レンダー・パイプラインおよび頂点パイプライン204は、その間で深さ情報を伝えることができ、それによりピクセル処理の前に閉塞要素の除去を可能にして全体のレンダリング効率を改善する。さらに、レンダー・パイプライン208はまた、結果として生じるイメージに対して、フルスクリーン・アンチエイリアス処理といったような事後効果を加える。
【0041】
頂点シェイダー205およびピクセル・シェイダー207は双方とも、シェイダーモデル3.0標準に基づくものである。複合パイプラインを使って、クロックサイクル毎に最高136回までシェイダー・オペレーションを実行することが可能であるので、1秒間に748億回のシェイダー・オペレーションが可能となり、1秒につき最高8億4000万の頂点および100億ピクセルを出力する。RSX200の全体の浮動小数点性能は、1.8TFLOPである。
【0042】
一般的に、RSX200は、セルプロセッサ100と密接に協働して動作する。例えば、爆発の表示をするとき、あるいは雨や雪などの天気効果を表示するときに、シーン内で多数の粒子を探知し、更新し、描画しなければならない。このような場合、セルプロセッサのPPU155は、一つまたは複数のSPE110A〜Hをスケジュールして、粒子の各々のバッチの軌道を演算する。一方、RSX200は、エレメント・インターコネクト・バス180、メモリー・コントローラ160、およびバス・インターフェース・コントローラ170Bを介して、メインシステムメモリ500から、RAM250内に現在保持されていないテクスチャデータ(例えば、雪片)にアクセスできる。SPE110A〜H、またはその各々は、演算された粒子特性(一般的に、位置とアティテュードを示す座標と法線)を、直接ビデオRAM250に対して出力する。SPE110A〜HそれぞれのDMAコントローラ142A〜Hは、バス・インターフェース・コントローラ170Bを介して、ビデオRAM 250に対処する。このように、実際には、割り当てられたSPEが、タスクの持続のためにビデオ・プロセッシング・パイプラインの一部となる。
【0043】
一般的に、PPU155は、このような方法で利用可能な8つのSPEのうち6つに対してタスクをアサインする。1つのSPEをオペレーティングシステムのために確保し、一方で1つのSPEを効率的に使用不能とする。1つのSPEを使用不能にすることによって、セルプロセッサ製造過程に対し、かなり高いレベルの許容度を実現する。というのはこれによって、1つのSPEの製造プロセスに障害があってもよいからである。あるいは、8つのすべてのSPEが機能する場合、セルプロセッサの寿命中に、他のSPEのうちの1つによって後で障害が起こった場合に備えて、第8番目のSPEが余剰範囲を提供する。
【0044】
PPU155は、SPEに対し、何通りかの方法によりタスクをアサインできる。例えば、DVDへのアクセス、ビデオ・オーディオ・デコーディング、およびエラーマスキングのような複合動作の各ステップを処理するために、各ステップを別々のSPEにアサインしつつSPEをつなげることができる。その代わりに、またはそれに加えて、上記の粒子アニメーション例のように、入力データに対して同時に作用するように、2つまたはそれ以上のSPEを割り当てることが可能である。
【0045】
セルプロセッサ100およびまたはRSX200により実現されるソフトウェアの命令は、製造時点で供給されてHDD400に保存される場合、およびまたは、光ディスクや固体メモリのようなデータキャリアまたは記憶媒体に対して供給される場合、あるいは、有線または無線ネットワークもしくはインターネット接続、あるいはこれらの組み合わせ等の伝送媒体を介して供給される場合がある。
【0046】
製造時に供給されるソフトウェアは、システム・ファームウェアと、プレイステーション3装置のオペレーティングシステム(OS)とを備える。動作中、OSは、ユーザーが様々な機能から選択できるように、ユーザーインターフェースを提供する。これらの機能は、ゲームをすること、音楽を聴くこと、写真を見ること、または動画を見ることなどを含む。このインターフェースは、水平にアレンジされた機能カテゴリを有する、いわゆるクロスメディアバー(XMB)の形態をとる。ユーザーは、ゲーム・コントローラ751、遠隔制御装置752、または他の適切なコントロールデバイスを用いて、水平に並ぶ機能アイコン(機能を表す)の上を移動し、所望の機能アイコンを反転表示することにより指図を行う。このアイコンの地点で、この機能に関連するオプションが、この機能アイコンの中央位置において、垂直方向にスクロール可能なオプションアイコンのリストとして現れ、同じような方法で指図が行われる。しかし、ゲーム、オーディオまたはムービーディスク440が、BD−ROM光ディスクリーダー430に挿入されている場合は、プレイステーション3装置は、自動的に適切なオプションを選択し(例えば、ゲームを開始する)、または、関連するオプションを提供する(例えば、オーディオディスクを演奏する、またはそのコンテンツをHDD400に圧縮する等の選択を行う)。
【0047】
さらに、OSは、オンライン性能を提供する。オンライン性能とは、ウェブ・ブラウザ、追加的なゲームコンテンツ、デモンストレーション・ゲーム(デモ)、および他のメディアをダウンロードすることができるオンラインストアとのインターフェース、現在の装置のユーザーにより指名された他のプレイステーション3を有するユーザーとの間で、利用可能な周辺デバイスに応じたテキスト、オーディオ、またはビデオ等によるオンライン通信を提供するフレンズマネジメント性能等を含む。このオンライン性能は、適切に構成されたゲームを実行中に、オンライン通信、コンテンツダウンロードおよびコンテンツ購入を提供し、またプレイステーション3自体のファームウェアおよびOSの更新を提供する。尚、「オンライン」という用語は、さまざまな種類の無線接続に適用できるので、ワイヤが物理的に存在することを意味するのではないことはいうまでもない。
【0048】
本発明の実施例において、上記のオンライン性能は、PS3 10のユーザーおよび現在オンライン状態である他のPS3のユーザーのアバター(グラフィック描写)が住む仮想環境との対話(インタラクション)を含む。
【0049】
仮想対話環境を可能にするソフトウェアは、通常はHDD400に常駐しており、ダウンロードした、あるいは光ディスク440上に格納された、あるいは他の適切な手段によってアクセスされたソフトウェアによりアップグレードおよびまたは拡張できる。あるいは、フラッシュメモリカード420、光ディスク440、または中央サーバ(図示せず)上にこのソフトウェアを常駐させてもよい。
【0050】
本発明の実施例において、仮想対話環境(以下、「ホーム」環境と称する)は、クロスメディア・バーから選択される。その次に、このホーム環境は、3Dビデオゲームと同様の従来の方法で制御ソフトウェアをロードし実行することによって、3Dモデルおよびテクスチャをビデオメモリ250へロードし、ホーム環境を表現しているシーンを描写することを開始する。その代わりに、またはそれに追加して、ホーム環境は、別のゲーム等の他のプログラムによって開始してもよい。
【0051】
ここで、ホーム環境の概念上のマップを表示する図4と、ホーム環境のオンライン・クライアント/サーバ構成の概略図である図5を参照すると、ユーザーのアバターは、デフォルトでロビー・ゾーン1010内に生じる。しかしながら、ユーザーは、マップの他のゾーン1010〜1060(後で詳述)の中から選択し、選択ゾーンをロードしアバターをそのゾーン内で生じさせることができる。本発明の実施例において、マップ・スクリーンは、更に、利用可能なゾーンがランキングオプション等の管理ツールとともにリストされるサイドバーを備え、ゾーンがユーザーの好みの順序でリストされるようにするか、もしくは最近に追加された順、およびまたはA−Z順のようなリストにすることができる。さらに、検索インターフェースによって、ユーザーは名前によって、ゾーンを検索できる。本発明の実施例において、どの時点においても、利用可能なゾーンの数は、ユーザーのPS3にローカルに格納されたものよりも数多く存在する。ローカルな利用可能性は、リスト上で色分けされるか、または、リストをフィルタにかけ、ローカルに利用可能なゾーンのみを表示するようにしてもよい。ユーザーがローカルで利用できないゾーンを選択する場合、そのゾーンはホーム環境サーバ2010からダウンロードすることができる。
【0052】
ここで図6aを参照すると、ロビー・ゾーン1010は、一般的に、屋根付きの広場に類似するものであり、公園用地(草、木、彫刻など)および集合スペース(例えばオープンエリア、シングルベンチ、あるいは座席の列等)を備え、ここでユーザーは、アバターを介して出会うことができる。
【0053】
一般的にロビー・ゾーン1010はまた、ゲームや他のコンテンツもしくは製品のための静止広告あるいは可動広告をディスプレイする広告掲示板を備える。これらの広告掲示版は、ロビーの壁にかけられたり、あるいは単独で立てられたりする。
【0054】
ロビー・ゾーン1010はまた、予告編や、人目を引くような広告、またはサードパーティである提供者からの他のコンテンツを表示するオープンエア型シネマ1012を備えてもよい。このようなコンテンツは一般的に、ホーム環境をロードする際にPS3 10が接続されるホーム環境サーバ2010からストリームあるいはダウンロードされる。これは以下に詳述する。
【0055】
シネマスクリーンは、その前面にアバターのための座席が付いており、例えば、アバターが座席に座ると、そのアバターのユーザーにより認識されるカメラアングルによってスクリーンを網羅するようになっている。
【0056】
ここで図6bを参照すると、ロビー・ゾーン1010はまた、ビリヤード台、ボウリング場、およびまたはゲームセンター等として機能する、一般的な娯楽施設1014を備えてもよい。ビリヤードやボウリングゲームは、アバターを介して実行することが可能であり、例えば、アバターが、ビリヤードのキューまたはボウリングのボールを手に持ち、このようなゲームを通常行う方法で制御されるようになる。ゲームセンターでは、アバターがテレビゲーム機に取り組むと、ホーム環境は、選択されたテレビゲームをほぼフルスクリーンで表示するよう切換えてもよい。このようなゲームは、例えば、スペース・インベーダ(登録商標)、またはパックマン(登録商標)等のクラシックなゲームセンターのゲームまたはコンソールゲームであってもよい。これは、メモリと処理という観点では比較的小さく、ホーム環境内でPS3によってエミュレートする、あるいは、ホーム環境へのプラグインとして実行することできる。この場合、一般的にユーザーは、アバターによる表現をせずに、直接ゲームを制御する。ユーザーがゲームを止めたり、アバターをテレビゲーム機から離したりした場合には、ゲームは、デフォルトのホーム環境ビューへと切換えられる。クラシックなゲームセンターのゲームに加えて、ユーザーが作成したゲームコンテンツを、一つまたは複数の仮想テレビゲーム機上に出してもよい。このようなコンテンツは、定期的にダウンロードされる新しい入選コンテンツとともにフィーチャーされるような、オンライン競技の対象であってもよい。
【0057】
ロビー・ゾーン1010に加えて、その他のゾーン(例えば、部屋、エリア、または他の建造物であるゾーン1020、1030、1040、1050および1060)もまた利用可能である。これらのゾーンは、実際には図4と同様のマップ・スクリーンを介してアクセスされるか、または、ユーザーはロビーからのさまざまな出口1016へと自分たちのアバターを案内することによって、他のエリアに歩いて行くことができる。
【0058】
一般的に、出口1016は、次のエリアへのトンネルまたは通路という形態をとる(同様に控え室の形態をとってもよい)。アバターがトンネルまたは控え室にいる間に、次のゾーンがメモリへロードされる。ロビーおよび次のゾーンはトンネルまたは控え室の同一モデルを含む。または、そのモデルは双方に対する共有資源である。いずれにしても、ユーザーのアバターは、同じ位置において、ロビーをベースにしたバージョンから、トンネルまたは控え室の新規のゾーンをベースにしたバージョンへと再配置される。このようにして、全体の環境を同時にメモリに保持する必要なく、ユーザーのアバターは見かけ上、ホーム環境全体を途切れることなく歩くことが可能である。
【0059】
ここで図6cを参照すると、利用可能なゾーンの一つであるシネマ・ゾーン1020である。このシネマ・ゾーン1020は、シネマ・コンプレックス(複数作品を上映する映画館)に類似するもので、上記のおよび以下に詳述するように、ホーム環境サーバ2010からダウンロードまたはストリームされた予告編、映画、テレビ番組、または広告等のコンテンツを表示することが可能な、または、HDD400もしくはブルーレイディスク等の光学ディスク440に格納されたコンテンツを表示することが可能な複数のスクリーンを備える。
【0060】
一般的に、シネマ・コンプレックスは、一般的には(それに限らないが)近日上映の映画のポスター広告1024とともに、注目度の高い予告や広告をすべての訪問者に対して表示するスクリーン1022を特徴としている入口領域を有する。ある特定のスクリーン、および予告やポスターの選択表示は、PS3に登録されたユーザーの年齢により制限される。この年齢制限は、ホーム環境内のどのゾーンにおいても、年齢制限タグが対応づけられた表示コンテンツであればいかなるものにも適用される。
【0061】
さらに、本発明の実施例において、シネマ・コンプレックスは、フィーチャーされたコンテンツが利用可能なスクリーン・ルームをいくつか提供しており、ユーザーはそこから選択を行うことができる。一つのスクリーン・ルームにおいて、ダウンロード、ストリームまたはローカルに格納されたメディアを仮想シネマ環境内で上映することが可能であり、この環境内において、スクリーンは、座席列、スクリーン・カーテン等を伴った部屋の中に設置されている。この映画は、潜在的にはホーム環境にいる全てのユーザーが利用可能である。したがって、例えばウェブ・ブロードキャストのように共通にストリームされた題材を見る場合のように、他のユーザーのアバターが見えるようにしてもよい。あるいは、スクリーンが全体表示領域を占めるように、ユーザーがズームインできるようにしてもよい。
【0062】
また、ここで図6dを参照すると、別のゾーンのタイプとして、デベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030がある。一般的に、このようなゾーンが複数利用可能であってよい。任意に、それぞれのゾーンが、ロビーゾーン1010からのそれぞれ出口がある。あるいは、一部のまたはすべてのゾーンがロビーからの出口を共有し、各利用可能なゾーンに共通のまたは複製されたトンネルや控室のモデル内から別々の出口を有する。あるいは、これらのゾーンは、ポップアップメニュー形式のメニューから、または標識セットから選択する等のように、ホーム環境内からのメニューから選ぶことができる。後者の場合、接続するトンネルまたは控室が、選択されたデベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030にのみリンクするよう現れる。代わりに、またはそれに加えて、このようなゾーンはマップ・スクリーンを介して選択することが可能であり、結果としてメモリにロードされたゾーンとなり、アバターはこの選択されたゾーン内に再度生み出されることになる。
【0063】
デベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030は、追加的な仮想環境を提供し、これは、デベロッパーの外観や雰囲気を反映するものであるか、またはパブリッシャーの製品、ブランド、およびマークを反映するものであってもよい。
【0064】
デベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030は、ホーム環境に対する補助的なソフトウェアモジュールであって、ゾーンの構成および外観を提供するために、通常は付加的三次元モデルおよびテクスチャから成る。
【0065】
さらに、ホーム環境を実現するように動作可能なソフトウェアは、アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を介してサードパーティ・ソフトウェアの統合化をサポートする。したがって、デベロッパーは自身のゾーンのホーム環境の範囲内で、自身の機能的コンテンツを統合化できる。これは、以下の形態のいずれかまたはすべてを採用することができる。
i. ゲームの予告編または有名人による推薦というような特定のコンテンツのダウンロードやストリーミング。
ii. ゾーン範囲内でのアバターの外観、行動および/またはコミュニケーション・オプションの変更。
iii. 任意に、ブランドまたは図形によりデベロッパーまたはパブリッシャーのゲームであることを思い起こさせるようなバスケットボール1032またはゴルフレンジ1034などの、一つまたは複数のゲームの提供。
iv. デベロッパーの、またはパブリッシャーのゲームを代表する一つまたは複数の対話シーンまたはビネットであって、プレイヤーがゲームの態様を経験し、ゲームの具体的なスキルを磨き、ゲームの制御に慣れることができるようにするもの。
v.アリーナ、リング、道場、コートまたは類似のエリア1036は、遠隔でプレイされるゲームがアバター1038によってライブで描写され、観客が観戦できる。
【0066】
例えば、デベロッパーのゾーンは、デベロッパーのテーマカラーで、そのロゴをフィーチャーしているコンコースに似ているものであり、そこを、サッカーネットまたはスキート射撃場レンジ等の野外ゲームエリアにする。さらに、ゲーム固有のキャラクタが乗っているブース(図示せず)により、ユーザーのアバターがエンターして一時的にゲームの主要キャラクタへと変身できるようにするか、もしくは、一人称視点に拡大させ、フィーチャーされたゲームからのシーンに似せた、さらに別の部屋へと入る。ここで、ユーザーは、そのゲームからの別のキャラクタとやりとりをして、キーとなるシーンを最後まで実行する。コンコースに戻ると、ゲームや他のコンテンツについての広告が壁に表示される。ゾーンの終端部において、フットサルの試合が行われているアリーナへとコンコースが開かれる。ここでのプレイヤーおよびボールの位置は、他国にいる上級ゲームクランなどの有名なグループによって、現在プレイされているゲームに該当するものである。
【0067】
本発明の実施例において、デベロッパー/パブリッシャーゾーンは、ダウンロードできるようになっている。その代わりにまたはそれに加えて、帯域幅を減らすために、これらのゾーンは、雑誌のディスク上のデモコンテンツとして供給することも可能であるし、あるいは、購入したデベロッパーまたはパブリッシャーのゲームをインストールする処理の一部として、ディスクからインストールしたりアップグレードしたりしてもよい。後者の二例においては、その後のゲームの購入または登録によって、さらなるゾーンコンテンツがロック解除されるか、あるいはダウンロードされるようにしてもよい。いずれにしても、追加的な修正およびタイムリーな広告および予告媒体を、必要に応じてダウンロードすることが可能である。
【0068】
これに類似したゾーンは、商業ゾーン1040である。ここでもまた、デベロッパーおよびパブリッシャーゾーンに対する方法と似たような方法でアクセス可能な複数の商業ゾーンがあってもよい。デベロッパー/パブリッシャーゾーン1030のように、商業ゾーン1040は、三次元モデルやテクスチャの形式の、一つまたは複数の商業ベンダーを代表する仮想資産を備え、実世界の店舗、ブランド、アイデンティティの描写を可能にし、地理的およびまたは主題的にゾーン内でグループ化することができる。
【0069】
商業ゾーン内のスペースは、いわゆる「仮想不動産」としてサードパーティによって賃借できる。例えば、小売業者は、ホーム環境サーバ2010を介して行われる、ホーム環境の定期的な更新の一部として商業ゾーン1040内に含まれる店舗のレンダリングを持つために、例えば月次更新または年次更新ベースで支払いを行ってもよい。小売業者は、上記の商業施設に対して、定期的にまたはアイテムごとに追加的な支払いを行ってもよい。このようにして、ホーム環境のユーザーに対して商業的存在を提供できる。
【0070】
また、商業ゾーンは、API(アプリケーション・プログラム・インタフェース)を介してホーム環境と一体化できる補助的なソフトウェアを備えており、追加的なコミュニケーション・オプション(店舗固有の名称、商品、取引のオプション等)を提供し、また、購入のために商品やサービスのオンラインデータベースにアクセスし、現在の価格、商品の有無、および配送オプション等を決定する追加機能を提供する。このような機能にアクセスするには、メニュー(ポップアップメニュー、あるいは、例えば壁紙上などホーム環境範囲内)を介してもよいし、あるいは、自動化アバターとのコミュニケーションによるものであってもよい。アバター間のコミュニケーションについては、更に詳細に後述する。
【0071】
デベロッパーおよびパブリッシャーがまた、商業ゾーンの範囲内で店舗を提供できることはいうまでもなく、さらに、デベロッパー/パブリッシャーと商業ゾーンとの間をつなげるトンネルを提供することもいうまでもない。例えば、トンネルによって、デベロッパーゾーンを、デベロッパーのゲームを販売する店舗にリンクさせることができる。このようなトンネルは、いくつかのゾーンからの出口が、同じ店内トンネルから現れるというような『多数 対 1』の変型である。この場合、トンネルを再度使用するのであれば、一般的に、ユーザーを他の可能性があるゾーンの一つに向けるのではなく、むしろ以前のゾーンへとユーザーを戻すようにトンネルを構成してもよい。
【0072】
本発明の実施例において、ホーム環境を実現しているソフトウェアは、PS3のOSにより提供されるオンライン・コンテンツ購入システムに対するアクセスを有する。デベロッパー、パブリッシャー、および店舗オーナーは、自身のオンライントランザクションを容易にするIPアドレスとクエリーテキストを特定するためのインターフェースを介して、このシステムを使用できる。あるいは、ユーザーは、そのPS3登録詳細とクレジットカードの詳細を直接利用できるようにし、ホーム環境のどこでも、適切に使用可能なオブジェクト、ゲーム、広告、予告編または映画を選択することによって、そのアイテムやサービスの購入を選択できる。特に、ホーム環境サーバ2010は、ユーザーのクレジットカードと他の詳細を格納し、任意に認証することが可能であり、この詳細情報はユーザーが入力をしなくてもトランザクションにおいて使用できるようになっている。このようにして、ホーム環境はトランザクションの仲介として作用する。あるいは、このような詳細情報は、PS3に格納することが可能であり、PS3あるいはホーム環境サーバのいずれかによって認証することが可能である。
【0073】
ここで図7も参照すると、本発明の実施例における販売方法は、ステップS2102において、ユーザーがホーム環境内でアイテム(商品またはサービス)を選択することを含む。ステップS2104において、PS3 10は、オブジェクトに対応する識別データをホーム環境サーバ2010に送信し、ホーム環境サーバはステップS2016において、(好ましくはユーザーのIPアドレスに対応する国内で)好適なプロバイダからそのアイテムを入手できるかを確認する。このアイテムが入手不能である場合、S2017において、ユーザーのPS3 10に対してメッセージを送信することによりユーザーにその旨を知らせる。あるいは、最初に、一つまたは複数の二次プロバイダからの可用性についてチェックし、これらのプロバイダのうちの一つからの供給がユーザーに受け入れ可能であるかどうかを任意に確認する。ステップS2108において、ホーム環境サーバは、ユーザーの登録支払詳細をデータ記憶装置から抽出して、それらを認証する。利用できる有効な支払方法がない場合、ホーム環境は、ユーザーが安全な(すなわち、暗号化された)接続を介して新しい詳細情報を入力するようにリクエストしてもよい。有効な支払方法が利用できる場合、ステップS2110において、ホーム環境サーバは、適切なサードパーティの支払プロバイダに、ユーザーのアカウントから送金するようリクエストする。最後に、S2112において、ホーム環境サーバは、好適なプロバイダに対してアイテムの発注を行い、必要に応じてユーザーの配送アドレスまたはIPアドレスを与え、好適なプロバイダのアカウントに適切な支払いを送金する。
【0074】
このように、商取引は特に小売店に限られるものではない。同様に、もし店舗内でディスプレイされている商品やサービスの好適なプロバイダが、小売店のオーナーであると設定されているのであれば、自身の商取引アプリケーションを提供する必要はない。商品またはサービスがデジタル処理で提供することができるところでは、任意に、好適なプロバイダから直接ダウンロードするか、またはホーム環境サーバ2010を介してダウンロードされる。
【0075】
上記のパブリック・ゾーンに加えて、個々のユーザーに私有のゾーンがあり、これは個々のユーザーによってのみアクセス可能であるか、あるいはそのユーザーからの招待によってアクセス可能にしてもよい。これらのゾーンもまた、共同利用のロビーエリアからの出口があるが、アバターが入ると(あるいはマップ・スクリーンを介して選択されると)、ユーザー専用のそれぞれのバージョンのゾーンをロードする。
【0076】
図8aを参照すると、これらのゾーンの第一のものは、アパート・ゾーン1050である。本発明の実施例において、これはユーザーがカスタマイズできるゾーンであって、ここでは、壁紙、フローリング、絵画、家具、外の風景および照明のようなフィーチャー1052について選択や配置できる。家具の中には、機能的にPS3にリンクする機能的家具1054がある。例えば、アパート1050にはテレビが配置されており、ここでいくつかのストリームされたビデオ放送、またはPS3のHDD400または光学ディスク440に格納されたメディアのうちの一つを見ることができる。同様に、インターネット・ラジオ・ストリームに対する予め選択されたリンクを含む、ラジオまたはハイファイを選択することが可能である。さらに、ユーザーの作品や写真を、壁掛けおよび絵画の形で、部屋の中にインポートすることができる。
【0077】
任意に、ユーザー(図8aにおいて、アバター1056により描写される)は、より大きいアパート、および/または、より大きいテレビ、ビリヤード台または自動化された非プレイヤーアバター等の追加的商品を購入できる。他の考えられるアイテムとしては、ジム、スイミングプール、またはディスコエリアなどがある。これらの後者の場合、追加的なキャラクタ機能性を提供するための付加的制御用ソフトウェアまたはコンフィギュレーション・ライブラリを、APIを介してホーム環境と統合させる。これは、上記に記した商業ゾーンおよびデベロッパー/パブリッシャーゾーン1030、1040に対して説明されたものと同様な方法での統合である。
【0078】
このような購入は、ホーム環境サーバに登録されたクレジットカード詳細を使用して行うことができる。支払と引き換えに、サーバは、関連するアイテムがユーザーのアパート内で使用できるようにロック解除する承認キーをダウンロードする。あるいは、アイテムに対応づけられた三次元モデル、テクスチャ、およびいかなるソフトウェアもまた、ホーム環境サーバまたは認可されたサードパーティのサーバからダウンロードすることが可能であり、さらにまた任意に承認キーと対応づけてもよい。例えば、このキーは、PS3 10のファームウェア・デジタルシリアル番号との対応付けを必要とし、これによって未承認の配信を防止する。
【0079】
ユーザーのアパートは、それぞれのユーザーから招待によってのみ他人がアクセスできる。この招待は、友人リスト内からの特定の友人に対する継続招待という形式をとってもよいし、別のユーザーに与えたシングルセッションパスの形式をとってもよく、ユーザーが現在のホーム環境にとどまっている間のみ有効である。このような招待は、ホーム環境サーバ2010により維持される対応関係の形式をとってもよく、または、招待された者としてのステータスの再確認を可能とするピア・ツー・ピアベースでPS3装置間に供給されるデジタルキーの形式をとってもよい。
【0080】
本発明の実施例において、招待されたユーザーは、アパートのユーザーがアパート内にいるときにのみアパートに入ることが可能であり、アパートのユーザーがそこからいなくなると、自動的にロビーに戻される。一方、アパート内では、そこに存在する関係者(ユーザーと位置データの両方)間のすべてのコミュニケーションは単にピア・ツー・ピアである。
【0081】
アパート内においてはまた、ユーザーに対し、作品、スライドショー、招待した客と一緒の音声またはビデオ等、自家製コンテンツを共有する機会を提供し、また、パブリック・ゾーン内の他のユーザーから予想される介入を受けずに友人とやりとりする機会を提供する。
【0082】
招待客がユーザーのアパートに入る際、部屋の構成およびその中の備品は、各々のオブジェクトおよび位置データに対するIDコードを使用して、出席者間のピア・ツー・ピア方式で送信される。ユーザーとゲストの間で部屋またはアイテムが共通に保持されていない場合、ゲストのPS3上でそれを実現するために必要とされるモデル、テクスチャ、および任意のコードもまた、ユーザーがアパート内におり、ユーザーとゲストがこのセッションでオンラインにいる間にのみ使用されるような、一回のみ使用するキーまたは同様の制約とともに、送信することが可能である。
【0083】
図8bを参照すると、同様に招待によってのみアクセスできるさらに別のプライベートスペースは、ユーザーのトロフィ・ルーム1060である。トロフィ・ルーム1060は、ゲームプレイの間に獲得したトロフィ1062を表示できるスペースを提供する。
【0084】
例えば、あるサードパーティ・ゲームは、魔法のクリスタルを探し出すことから構成される。もしプレイヤーがうまくクリスタルを見つけた場合は、サードパーティ・ゲームはこれをトロフィ・ルーム1060用に指名し、トロフィ・ルーム1060をロードする際にホーム環境ソフトウェアによってアクセスされるファイル領域に、このクリスタルを表す三次元モデルとテクスチャを配置する。ホーム環境を実現しているソフトウェアは、トロフィ・ルーム内でこのクリスタルをトロフィとして描写できる。
【0085】
ユーザーのトロフィ・ルームを見せようと関係者が招待されると、一時的にトロフィを見るために必要とされるモデルおよびテクスチャが、ユーザーのPS3から他の関係者のPS3までピア・ツー・ピアベースで送信される。これは、トロフィ・ルームに入るということを予想して、最初の招待の後のバックグラウンド・アクティビティとして実行することが可能であり、あるいは、関係者が、接続トンネル/控室に入るとき、あるいは、マップ・スクリーンからユーザーがトロフィ・ルームを選択するときに実行してもよい。任意に、別の関係者もまたそのトロフィを持っている場合、その関係者が訪問しているユーザーから該当するトロフィはダウンロードしない。したがって、本発明の実施例において、各トロフィは、識別コードを備える。
【0086】
代わりに、またはそれに加えて、トロフィ・ルームは、グループのメンバー、あるいは、いわゆる「クラン」と呼ばれるものの間で共有され、クランのいずれかのメンバーにより獲得されたトロフィが、ピア・ツー・ピアベースで、そのクランの他のメンバーへと送信されるようにする。したがって、クランの全てのメンバーは、トロフィの共通のセットを見ることになる。
【0087】
代わりに、またはそれに加えて、ユーザーは、ホーム環境のすべてのメンバーに対して継続招待にすることが可能であり、これにより誰もがトロフィ・ルームを訪問できる。商業ゾーンおよびデベロッパー/パブリッシャーゾーンと同様に、例えば、プライベート、グループベース、およびパブリックのトロフィ・ルーム等、複数の部屋が実現可能である。上記のように、ホーム環境内でのポップアップメニューや標識からの選択によって、あるいは、アバターのところまで歩み寄って関連するユーザーを識別し、ロビーからのトロフィ・ルームへの出口を使うことでそのユーザーの(パブリックの)トロフィ・ルームに入ることを選択することによって、これらの複数の部屋を管理することができる。
【0088】
代わりに、またはそれに加えて、パブリック・トロフィ・ルームを提供できる。この部屋は、最も多くのトロフィを有する、またはトロフィ値スコアリング・スキームによると最もよい総合点を有するその人のトロフィを、ホーム環境の現在のインスタンス内で表示するものでよい。あるいは、集約されたトロフィ・ルームであってもよく、そのホーム環境のインスタンスにおいて、ユーザーのIDとともに、何人かのユーザーあるいはすべてのユーザーからの最高のトロフィまたはトロフィのセレクションを見せるものでもよい。このように、例えば、ユーザーは、苦労したゲームからのトロフィを見つけて、そのホーム環境にいる誰がそれを獲得したかを識別し、その人のところに出向いてどのようにしてそれを獲得したかについて話をすることができる。あるいは、パブリック・トロフィ・ルームは、複数のホーム環境に亘る中で最高のトロフィを備えるようにしてもよく、地理的なグループ、ある特定の年齢のグループ、またはある特定のゲームグループ内の、あるいは世界的に見て最高のゲーム参加者を識別する。代わりに、またはそれに加えて、ベストスコアのゲーム参加者のリーダーボードを提供し、ライブで更新することも可能である。
【0089】
場合によっては、それぞれが付加的な三次元モデル、テクスチャおよび制御ソフトを備えた、非常にたくさんのサードパーティ・ゾーンが追加的に利用可能になる可能性がある。結果として、HDD400上のかなりの量のスペースは、ホーム環境ゾーンによって占められることになる。
【0090】
従って、本発明の実施例においては、ユーザーのホーム環境に現在対応づけられているサードパーティ・ゾーンの数を制限することが可能である。第一の例として、既存のものが削除されるまでは別のサードパーティ・ゾーンが追加されないように、最大メモリアロケーションが使用可能である。代わりに、またはそれに加えて、サードパーティ・ゾーンは、地理的関連性またはユーザーの興味(ホーム環境への登録時または後日にサーバ2010とのインターフェースを介して申告されたもの)によって制限するようにし、これらの基準によりユーザーと関連するサードパーティ・ゾーンのみがダウンロードされるようにしてもよい。このようなシステムの下で、新しいサードパーティ・ゾーンが利用可能になった場合、上記の基準によってユーザーに対する関連性が評価され、現在格納されている少なくとも一つのゾーンよりも関連性が高い場合には、ユーザーのPS3上に格納されている現在関連性が最も低いサードパーティ・ゾーンと入れ換える。
【0091】
関連性を判断する他の基準は、指名された友人の興味やインストールされたゾーン、あるいは、ユーザーのPS3上で実行されたゲームや他のメディアに対するゾーンの関連性を含む。
【0092】
ダウンロードまたはディスクのいずれかにより、ユーザーが明確にゾーンをインストールするかどうかによって更なるゾーンが認められる。
【0093】
上記のように、ホーム環境内において、ユーザーはアバターにより表示される。ホーム環境を実現しているソフトウェアは、ユーザーのアパートをカスタマイズする方法と同様の方法で、予め設定されたオプションの選択により、ユーザーのアバターのカスタマイズを可能にする。ユーザーは、性別および肌の色を選び、それぞれに利用可能なオプションを組み合わせて、顔の表情および髪の毛をカスタマイズすることができる。ユーザーは、また、広範囲に亘る衣類から選択ができる。この機能をサポートするために、広範囲にわたるアバター用の三次元モデルおよびテクスチャが提供される。本発明の実施例において、ユーザーは、衣類の上に表示するための自分自身のテクスチャをインポートすることができる。一般的に、各アバターの外観を定義しているパラメータは約40バイトしか占めないので、住民のいるホーム環境につなぐときにホームサーバを介して迅速に配布できる。
【0094】
ホーム環境にいる各アバターは、アバター上のバブル内に表示されるユーザーIDまたはニックネームにより識別される。バブルが拡がってしまうことを制限するために、アバターが含むテキストが容易に読みとれるほどアバターが近付いたとき、あるいは、アバターが対話できるほど近いとき、およびまたは、ユーザーの視点の中心に近いとき、バブルはビューの中へ消えていく。
【0095】
アバターは、従来からあるサードパーティ・ゲーム方式(例えば、ゲーム・コントローラ751を使用するなど)でユーザーにより制御され、ホーム環境を歩き回れるようになっている。アバターの行為のいくつかには前後関係がある。従って、例えば、座る、というオプションは、アバターが座席近くにいるときのみ利用可能となる。他のアバターの行為、例えば選択された感情やジェスチャの表現、あるいは、なんらかのコミュニケーション・オプションなどは、いつでも利用可能である。アバターの行動は、ゲーム・コントローラ751を使用することにより決定され、動作等のアクションに対して直接、あるいは、ゲーム・コントローラ751上の適切なキーを押すことにより呼び出されるポップアップメニューを介して、アクションの選択をすることによって決定される。
【0096】
このようなメニューを介して利用できるオプションはさらに、アバターの外観および衣類の更なる変更、感情、ジェスチャおよび動作の選択を含む。例えば、ユーザーがホーム環境内で知っている誰かに会ったときに、ユーザーは、アバターが笑ったり、手を振ったり、上下にジャンプしたりすることを選択できる。
【0097】
ユーザーはまた、テキストまたは音声を使用するアバターを介して、互いにコミュニケーションをとることができる。
【0098】
本発明の実施例で、テキストによって対話をするために、必要に応じてその名前のバブルと入れ換えて、対応するアバター上のポップアップ・バブルにメッセージが現れる。
【0099】
ここで図9を参照すると、メッセージを作成するために、ユーザーは、予め設定された一定の範囲のメッセージが設けられているポップアップメニュー1070を起動させることができる。これらは、完全なメッセージであってもよいが、代わりにまたはそれに加えて、入れ子構造のメニューという形をとってもよい。このナビゲーションは、選択されたオプションを連結することによって、メッセージを生成する。
【0100】
代わりに、またはこれに加えて、仮想キーボードを表示することも可能であり、ゲーム・コントローラ751を用いたナビゲーションによって、テキストを自由に生成できるようにしてもよい。もし実際のキーボード753を、ブルートゥースを介して接続するのであれば、その時のテキストは、バブル内に直接タイプすることができる。
【0101】
本発明の実施例において、ロビーもまた、ホーム環境サーバがホストとしてチャット・チャンネルを提供できる。これによって、従来のチャット機能を可能にする。
【0102】
音声によってコミュニケーションをとるためには、ユーザーは、ブルートゥース・ヘッドセット757等の利用可能なマイクを持っている必要がある。本発明の実施例においては、ゲーム・コントローラ751上のボタンを押すことによって、音声オプションを選択することにより、または、ホーム環境を実現しているソフトウェア内の音声アクティビティ検出器を用いて、ホーム環境内でユーザーが話すことができる。話すときに、音声アイコンがアバターの頭上に現れ、例えば、必要に応じて音量設定を調節するように他のユーザーに注意を喚起する。
【0103】
音声は、ユーザーのPS3がサンプルをとり、Code Excited Linear Prediction(CELP)コーデック(または他の周知のVoIP適用のコーデック)を使用してコード化されて、(ユーザーのアバターを囲んでいる仮想環境内で、予め設定された領域の範囲内に任意に提供された)8人の最も近いアバターにピア・ツー・ピア方式で送信される。8人よりも多い他のアバターが予め設定された領域の範囲内にいる場合、音声を受信した一つまたは複数のPS3は、領域内にいる、その音声を受信しなかったそれぞれユーザーアバターを有する他のPS3に対して、アドホック方式でその音声を転送する。本発明の実施例において、この機能を統合するために、PS3は、予め設定された領域内にアバターがいるすべてのPS3に対して音声フラグを送信し、関連する(話をしている)アバターの頭上に音声アイコンを配置できるようにし(ユーザーがより簡単に話し手を識別できるようにし)、また、PS3に対してその送信について通知できるようにする。各PS3は、アバターの相対位置から、どれが音声を受信しないかを判断することができ、仮想環境内で最も近いアバターであればどのアバターでも、そのPS3に対して音声を転送することを選ぶことができる。あるいは、その領域内のPS3は互いの接続を確認することが可能であり、その音声を受信しなかったPS3とのラグが最も低いものであればどのPS3であっても、音声を転送することができる。
【0104】
8人という数の制限は例示であり、実際の数は、音声圧縮率および利用可能な帯域幅というようなファクターに依存する。
【0105】
本発明の実施例において、このような音声はまた、携帯電話番号を指定した場合に、携帯電話ネットワークのような他のネットワークに中継できる。これは、ホーム環境サーバを介して携帯電話ネットワークのゲートウェイサーバに対して音声の経路設定をすることにより、あるいは、ユーザー自身の携帯電話に対してブルートゥース送信することにより実現可能である。後者の場合、携帯電話は、PS3とインターフェースをとりコールの経路設定するために、ミドルウェア(例えばJava(登録商標)アプレット)を必要とする。
【0106】
このように、ユーザーはホーム環境内で、ユーザーの電話を使って誰かとコンタクトをとることができる。似たような方法で、ユーザーはまた自分の携帯電話で誰かにテキスト・メッセージを送ることができる。
【0107】
音声に対するものと同様に、本発明の実施例において、ソニー(登録商標)アイトイ(登録商標)ビデオカメラが備えられているPS3のユーザーは、例えば、ホーム環境内のポップアップスクリーンを介して、またはホーム環境内のテレビや、アバターが手に持っているソニー(登録商標)プレイステーション・ポータブル(登録商標)(PSP)等の類似する装置を介して、ビデオチャットモードを使用可能である。この場合、オーディオ・コーデックに追加して、あるいはそれに代えて、ビデオ・コーデックが使用される。
【0108】
任意に、最近会話をした相手のユーザーのアバターをハイライトすることが可能であり、もっとも頻度高く話した人のアバターは、例えば、名前の隣のアイコンによって、またはアバターの周囲のグローレベルなどにより、もっと目立つようにハイライトすることが可能である。
【0109】
再度、図5を参照すると、ユーザーがPS3 10上のホーム環境を起動させることを選択すると、ローカルに格納されたソフトウェアがホーム環境のグラフィック表示を生成し、複数のオンラインホーム環境2021、2022、2023、2024の一つにユーザーを割り当てるホーム環境サーバ2010に接続する。明確化のため、4つのホーム環境のみを示す。
【0110】
場合によっては、数万人もの多くのユーザーが一度にオンライン状態になる可能性があることが考えられる。結果として、超過密状態を防ぐため、ホーム環境サーバ2010は、数多くの別々のオンラインホーム環境をサポートする。同様に、例えば異なる国々において、多くの別々のホーム環境サーバが存在してもよい。
【0111】
一旦、あるホーム環境のあるインスタンスに割り当てられると、PS3はまず、アバターの外観に関する情報をアップロードする。その後、継続状態で、自身のアバターの位置データをホーム環境サーバに対して供給し、ホーム環境サーバから、そのオンラインホーム環境内の他のアバターの位置データを受信する。実際は、この位置アップデートは、帯域幅を制限するために定期的(例えば2秒ごと)であるので、他のPS3は動作を補間しなければならない。このようなキャラクタ動作の補間は、オンラインゲームでは周知である。さらに、各アップデートは、一連の位置を提供することが可能であり、(ある程度のタイムラグを伴った)動作の反復を改善し、あるいは、現行の動作の外挿を改善する。
【0112】
さらに、ホーム環境2024内の他のPS3、2131、2032、2033のIPアドレスは共有されており、前記アドレス間で音声のような他のデータをピア・ツー・ピア方式で送信することが可能である。それによって、ホーム環境サーバにより処理されるデータに必要な帯域幅を減らすことができる。
【0113】
ホーム環境内が過密状態になることを防ぐために、それぞれのホーム環境は、例えば、最大数64ユーザーをサポートするようにする。
【0114】
ユーザーが接続するホーム環境を選択するときは、いくつかのファクターを考慮することが可能であり、それぞれはPS3により供給されるか、およびまたは登録プロセスを介してホーム環境サーバに知らされているか、のいずれかにである。これらのファクターは、以下を含むがこれに限定されるものではない。
i. PS3の地理的位置。
ii. ユーザーが好む言語。
iii. ユーザーの年齢。
iv. 現在のユーザーの「友人リスト」内のいずれかのユーザーがある特定のホーム環境にすでに存在するかどうか。
v.ユーザーのPS3内に現在あるゲームディスクは何であるか。
vi. ユーザーのPS3上で最近プレイされたゲームは何であるか。
【0115】
このように、例えば、スイスのティーンエイジャーが、最高ユーザー年齢は16で、主たる言語はフランス語ということで、スイスのサーバ上のホーム環境に接続する。他の例では、PS3に搭載された「レボリューション」のコピーを持っているユーザーは、他のユーザーの多くが、現在同じゲームを搭載しているホーム環境に接続をし、それによって、マルチプレイヤーゲームの編成を容易に行うことができる。後者の場合、PS3 10は、BD−ROM430 内にロードされたゲームを検出し、ホーム環境サーバ2010に知らせる。それに従い、サーバはホーム環境を選択する。
【0116】
さらに別の例において、ユーザーは、その友人リストで識別される三人のユーザーがいるホーム環境に接続される。この後者の例において、友人リストとは、あるユーザーが定期的に会いたいと思っている他のユーザーから受信したユーザー名および任意にIPアドレスのリストである。異なるグループの友人が、異なるホーム環境サーバに配置されている場合(例えば現行ユーザーのみが両方のセットに共通の友人である場合)、そのユーザーは、最も友人が多い方のサーバに接続されるか、あるいは、選択するオプションを与えられる。
【0117】
逆に、ユーザーは、その環境に加わる一人または複数の友人を招待して、ホーム環境間で切り替えを行い、その友人と合流してもよい。この場合、ユーザーは、ポップアップメニューまたはホーム環境から(例えば壁紙上のスクリーンまたは情報ブースを介して)、友人リストを見ることが可能であり、誰がオンライン状態かを判断できる。ユーザーは、その後、ピア・ツー・ピア接続を使用して、または、友人がホーム環境内にいる、もしくはIPアドレスを知らない場合は、ホーム環境サーバを介して、友人に招待状を送信できる。その後、この友人は、参加の招待を受け入れるか、あるいは断ることができる。
【0118】
招待を容易にするために、一般的に、ホーム環境サーバは、特定のホーム環境に対して最大サポート人数よりも少ないユーザーを割当て、それによって、このような追加的なユーザー招待の割当てができるようにする。このいわゆる「ソフト・リミット」は、例えば、処理能力の90%であって、例えば、人々がオンラインで友人と出会う機会が多くなる夕方や週末に変化するように順応可能であってもよい。
【0119】
本発明の実施例において、数人の友人が同じホーム環境内にいる場合には、マップ上の名前を表示することによって、あるいはサイドバー上のゾーン名に対応づけることにより、それらの友人が現在いるゾーンをマップスクリーンに強調表示してもよい。
【0120】
ここで図10も参照すると、さらに、ゲーム・コントローラ751を使って呼び出し画面上にポップアップすることができる仮想のソニー(登録商標)プレイステーション・ポータブル(登録商標)(PSP)エンタテインメント装置1072を使用することにより、ホーム環境の優先傾向、設定、機能、および任意に他の機能性を見たり、調整したり、アクセスすることができる。そしてユーザーは、仮想PSP上の表示されたPSPクロスメディア・バー1074を介して、これらのオプション、設定、および機能性にアクセスすることができる。上記のように、PSPはまた、ビデオ・チャットのためのインターフェースとして使用可能である。
【0121】
本発明の実施例において、ユーザーがホーム環境を離れたいときは、ゲーム・コントローラ751上の適切なキーを選択する、ポップアップメニューから終了オプションを選択する、マップ・スクリーン内から終了を選択する、仮想PSPを介したオプションを選択する、または、ロビー・ゾーン内の主出口を歩いて通り抜けることによって、離れることができる。
【0122】
一般的に、ホーム環境から出ると、PS3 10は、PS3クロスメディア・バーへと戻ることになる。
【0123】
最後に、ホーム環境ソフトウェアを基礎として、独立してPS3クロスメディア・バーからアクセス可能な、付加的な別の環境を想定できることはいうまでもない。例えば、スーパーマーケットは、ホーム環境サーバによる方式と同様の方式でサポートされる、スーパーマーケット環境を提供できる無料のディスクを供与できる。選択の際、ユーザーのアバターは、スーパーマーケットの仮想演出(棚に応用された三次元モデルまたはテクスチャ)内に表示された商品をブラウズし、上記のように購入するために商品をクリックすることができる。このようにして、小売業者は自身のユーザーベースで、オンライン・ショッピング機能を提供し更新できる。
【0124】
ここで図11を参照すると、本発明の実施例において、オンラインシステムは、ホーム環境サーバ2010と連結しているユーザーのPS3 10と、複数の他のユーザーのPS3である2031、2032、2033を備え、これらの他のユーザーのPS3のすべてはともに、ホーム環境2024の、あるインスタンスとやりとりをしている。例えば、図11において、エンタテインメント装置2032の他のユーザーの一人が、Tシャツ用のテクスチャとしてある画像をインポートすることにより、その画像を有するTシャツを着るように自分のアバターをカスタマイズしたとする。上記のように、あるPS3がそのホーム環境のインスタンスに割り当てられる際、最初にそのPS3のユーザーのアバターの外見に関する情報をサーバ2010にアップロードする。このようにアバターがカスタマイズされた場合、アバターは、いかなるカスタマイズで使用されるテクスチャであってもそれを組み込むことができる。本実施例において、これは、Tシャツに適用されたテクスチャとする。このテクスチャは、ホーム環境の同じインスタンス内にいる他のPS3にサーバによって配信される。これによって、関連するユーザーのアバターをそれぞれのディスプレイ上で環境内に描写する際に、他の残りのユーザーは、そのテクスチャを見ることができる。もうひとつの方法として、ピア・ツー・ピアリンク2040を介して、テクスチャを配信することも可能である。
【0125】
例示の目的で、上記の場合に、他のユーザーが、誹謗中傷を伴った画像を見せるように自分たちのアバターのTシャツをカスタマイズしたとする。このような行動は、(タイプで打たれた対話での誹謗中傷を伴った言語とは異なり)自動的に検出することは困難なので、あたかもなんらかの別のカスタマイズであるかのように配信されてしまう可能性がある。しかしながら、第一のPS3 10のユーザーがホーム環境内で、このカスタマイズされたアバターに遭遇したときに、そのユーザーは、アバターのTシャツ上の画像が誹謗中傷を伴うことに気づく。これに対して、このユーザーは、例えばテキスト・バブルを使って、カスタマイズされたアバターに対し、その画像を取り除いてほしいということを伝える。それに応答して、このカスタマイズされた画像のユーザーは、上記のピア・ツー・ピア対話機能を使って、この第一のPS3 10のユーザーに対して口汚く罵ったとする。
【0126】
本発明の実施例においては、この第一のPS3 10のユーザーは、そのゲーム・コントローラ751上に割り当てられたボタンを押すことが可能であり、それによってグリーフレポート処理が引き起こされる。または、このボタンによってグリーフレポート処理へのアクセスを可能とするメニューを立ち上げることもできる。
【0127】
先行技術のシステムにあるように、ユーザーは、自分の意見に従ってハプニングの詳細を含めることができるフォームを提供されている。ゾーン内にいるすべてのアバター、あるいは仮想環境内のユーザー自身の位置からある一定の半径内にいるアバター、およびまたは(まだそのゾーン内にいるかどうかにかかわらず)ユーザーが最近対話をしたユーザーのすべてのアバターのエイリアスを提供することによって、自動的にこのフォームを補助することができる。これによって、ユーザーによる、さらに正確なレポーティングが可能となる。このエイリアスのリストは、アルファベット順、対話時間、または、近接性など、さまざまな方法でソートすることができる。
【0128】
しかしながら、上記の例示におけるフォームでは、そのユーザーが行っている告発を立証することができない。というのは、ホーム環境の管理者がグリーフレポートについて調べる時までに、Tシャツのデザインを検証できなくなっている可能性があるからである。また、もちろんピア・ツー・ピアのチャットはホーム環境サーバを完全にバイパスするものであり、管理者が独自に検証することできない。
【0129】
結果として、本発明の実施例において、グリーフレポーティングシステムは、他のユーザーから発信されたコンテンツであって、ホーム環境サーバを介してまたはピア・ツー・ピア接続を介して受信されたコンテンツに対して、仮想環境の鑑識捜査(forensic sweep)を行い、このコンテンツまたはその証拠を照合して、拡張グリーフレポートとする。
【0130】
この鑑識捜査(forensic sweep)は、いくつかの形式をとることができる。実施例の一つにおいて、グリーフレポートを起こすためにボタンを押す際(あるいはグリーフレポートへのアクセスを許可するメニューを呼び出す際)、PS3は、自身の仮想環境描写の現状をフリーズし、レポートを開始したユーザーの概念上の視点あるいは位置を基準として、仮想環境についての実質的に360度横方向スナップショットを生成する。これによって、ユーザーがレポートを作成する前に誹謗中傷を伴った画像から目を離してしまう、あるいは、相手のユーザーのアバターが左か右に歩いて視界から出て行ってしまう、という可能性があっても釈明をすることができる。任意に、このスナップショットに透かしを入れ、タイムスタンプと、ユーザーIDやPS3のシリアル番号等の他の詳細を組み込むことにより、なりすましによるレポートを制限する。そのようなスナップショットの視野は、その環境、または、その環境管理者の好みによって変化する。例えば、レポーティングをしているユーザーの位置を概ね中心とした半球画像であってもよいし、あるいは、例えばユーザーが環境内において、概念上の地表よりも上部にいるのであれば球状画像であってもよい。一般的に、このスナップショットは、ユーザー発信のコンテンツが、ユーザーの位置から見える方向であればいかなる方向でも網羅する。より簡単な実施例においては、ユーザーがレポートを開始した時点でそのユーザーが見ている表示のスクリーンショットを使用してもよい。
【0131】
これに代えてまたはこれに加えて、PS3は、上記のように他のユーザーが発信したすべてのコンテンツを識別し、かつ、そのホーム環境のオンラインセッションにおいて使用するためにPS3により一時的に格納されるコンテンツを識別する。不必要な相手が関わらないように、そして、管理者が検討するデータ量を制限するために、任意に、ユーザーからの所定半径内にいるアバターまたはオブジェクトに関連するコンテンツのみを識別する。これは、ユーザーは、素早く苦情を報告するものであり、ある一定の距離が離れたアイテムは見ることができないので苦情のもとである可能性が低いという前提にもとづく。
【0132】
これに代えてまたはこれに加えて、PS3は、他のユーザーから発信されたコンテンツであって、グリーフレポートが引き起こされる時点までの時間帯にユーザーが遭遇した、すべてのコンテンツを追跡する。例えば、レポートが起こされる前の三分間(あるいは、なんらかの別の時間帯)内に、ユーザーからのある特定の距離の範囲に入ったユーザー発信のコンテンツを追跡する。これはまた、それまでに遭遇したもののうち最後のN個のユーザー発信アセット、として実現できる。ここでNは、経験的に決定した数である。いずれかの場合において、このような追跡データは、PS3のローリング・バッファに保持することが可能であり、この識別されたコンテンツ、あるいはアセットは、グリーフレポートの一部として含めるために、PS3のメモリまたは記憶装置から照合される。
【0133】
本発明の一実施例において、そのユーザー発信コンテンツがホーム環境サーバから配信される場合、レポートのアップロードファイルサイズを縮小するために、グリーフレポートにはコンテンツ識別子のみが組み込まれる。識別されたコンテンツは、ホーム環境サーバにより受信されると、管理者がそのレポートを検討できるまでサーバにより保持される。このようなコンテンツ識別子は、ホーム環境サーバによって転送される際にユーザー発信コンテンツに添付してもよく、また、ソースユーザーやマシンについての詳細、およびまたはセッションやインスタンスの詳細を含んでもよい。
【0134】
これに代えてあるいはこれに加えて、PS3は、そのHDD400上に環状バッファ用のスペースを取っておくことができる。このスペースに対し、ユーザーのディスプレイとスピーカーに送られた出力の記録をすることができる。このオーディオ・ビデオ記録は、例えば、レポート処理の起動前の最後の3分間のプレイを示すものであってよく、この記録は一旦レポートが引き起こされれば中止される。任意に、この記録に透かしを入れ、タイムスタンプと、ユーザーIDやPS3のシリアル番号等の他の詳細を組み込むことにより、なりすましによるレポートを制限する。任意に、この記録は元々表示された画像よりも解像度を低くする。
【0135】
このような記録は、ピア・ツー・ピアの音声リンクにより配信されたものなどのように一過性の誹謗を取り込み、なんらかの誹謗状況に対して、報告をしているユーザーが、どの程度までその原因になっているか、または、誹謗中傷をしていると嫌疑をかけられた者を弁護するための、なんらかの他の緩和要素を決定する手助けとなる。任意に、報告をしているユーザーは、ビデオを検討し、送信用に関連する部分のみを選択することができる。環状バッファは、いかなる構成の記憶領域であってもよく、前のデータは、最終的には、進行しながら後のデータによって上書きされる。
【0136】
同様に、そのような環状バッファ内にオーディオのみを代わりに記録してもよい。この場合は一般的に、同様の対象時間に対して、より小さい環状バッファで事足りる。
【0137】
いずれかの場合において、報告をしているユーザーのPS3が受信し、そのユーザーにより聞かれる音声内に含まれるオーディオストリームは、別途記録されることが好ましく、およびまたは、その音声の発信者を識別するデータに対応していることが好ましい。
【0138】
これに代えてまたはこれに加えて、そのユーザーのチャットログの全体コピーあるいは部分コピー(例えば、そのユーザーが関与しているテキストチャットの記録)をレポートに含めることができる。
【0139】
ユーザーがグリーフレポートを完成しサブミットすることを決めた場合、上記に記載された一つまたは複数の実施例内で照合された証拠がレポート内に組み込まれ、ホーム環境サーバに送信され、ここで、管理者によって検討されるのを待つ。
【0140】
このグリーフレポートは、以下から成るリストから一項目または複数項目を、自動的に組み込むことができる。
【0141】
i.日付およびタイムスタンプ、
ii.ゾーンおよびインスタンス識別データ、
iii.報告をしているユーザーが関与するテキスト通信のログ、
iv.PS3のIPアドレスデータ(グリーフレポートを作成しているユーザー用、および任意に、ホーム環境内でそのユーザーの所定半径内にいる一つまたは複数のアバターのPS3、あるいはそのユーザーとのピア・ツー・ピア接続がアクティブである、または最近アクティブであったPS3)、
v.PS3のハードウェア識別データ、
vi.報告をしているユーザーの近接部分を含むゾーン内の他のすべてのユーザー用の識別データと、任意に、そのレポートより前の所定期間内に、報告をしているユーザーのゾーンを去った他のユーザー用の識別データ、
vii.そのレポートより前の所定期間内に、報告をしているユーザーがやりとりをした他のユーザー用の識別データ、
viii.ユーザー識別データ、
ix.ユーザーの言語嗜好データ、および
x.ユーザーアバターの外見のデータ、およびまたは、ユーザーのプロファイルデータ(これは、誹謗中傷が宗教的または人種差別的意図があるかどうかを判断する際に関係する)。
【0142】
ユーザーのゲーム・コントローラ751上に割り当てられたボタンは、「パニック・ボタン」と呼ばれ、本発明の一実施例においては、オンライン環境の現在の視野を不明瞭なものにし(例えば、ぼやかし)、およびまたはメニュースクリーンに置き換える。これによって、いかなる誹謗中傷を伴ったマテリアルでもすばやく視界から取り除くことができる。任意に、ユーザーは、そのメニュー/レポート内にいる間は事実上、ホーム環境から一時停止状態にしてもよく、それによって、これ以上の音声や他のコミュニケーション(ポップアップウィンドウなど)の受信を防ぐこともできる。従って、ホーム環境サーバに対してそのユーザーらのPS3が送信した信号に応じて、それらのアバターは相手のユーザーの視界から消えるか、あるいは、「停止」等のメッセージがそれらのアバターの上に現れるようにしてもよい。
【0143】
パニック・ボタンにより呼び出されたメニューは、グリーフレポートをサブミットするオプションを提供する。任意に、ユーザーが現在の誹謗状態を回避することができるように、それほど極端ではない他のメカニズムを提供することも可能である。というのは、すべての事情がグリーフレポートのサブミットを正当化できるとは限らないからである。これらの他の手段には、ホーム環境におけるユーザー自身の描写において、相手のユーザーの音声を消すとか、無視するということを含んでもよい。それによって、相手のユーザーが使用するどの会話バブルにも、テキストが表示されず、およびまたはそのユーザーからはいかなる音声も伝えられず、およびまたはそのアバターに対するどんなカスタマイズも、ゲーム内デフォルトに置き換えられる。これによって、あるユーザーが、当事者以外のユーザーに影響を与えることなく、相手のユーザーの出力を事実上無視することができる。
【0144】
他のオプションは、ホーム環境内で別の場所へとランダムにテレポートすることである。これによって、誹謗的なユーザーを回避する(ランダムな選択によりユーザーがその現在位置の近くに戻って再配置されないようにチェックする)。これは、誹謗的なユーザーが誰かの動きを止めようとしている場合や、定常的に嫌がらせをしている場合に役に立つ。ランダムな配置の代わりに、ユーザーが、プライベートアパートメント・ゾーンへとテレポートできるようにしてもよいし、あるいは、選択ができるようにゾーンのリストを提供してもよい。
【0145】
他のオプションとしては、ホーム環境の異なるインスタンスへと、完全に切り換えることである。これは、もしユーザーが、ホーム環境のある特定のインスタンスの全体的なトーンや雰囲気を好まない場合に役立つ。任意に、現行のユーザーは、誹謗的なユーザーをブラックリスト化することができる。それによって、今後、この誹謗ユーザーを含むホーム環境のインスタンス内に、現行のユーザーが絶対に現れないようにする。このようなブラックリストは、ユーザーのエイリアス/デバイスIPアドレスデータを含み、ユーザーごとにホーム環境サーバによって保持されるか、あるいは、ログイン処理の一部としてユーザーのPS3から送信してもよい。
最後のオプションは、ホームから完全に離れ、PS3クロスメディア・バーに戻ることである。
本発明の一実施例において、グリーフレポート処理を故意に煩わしいものにすることも可能である。例えば、ユーザーに詳細事項をいくつかエンターするよう要求したり、進捗バーあるいは他の時間の引き延ばしを追加したりする。これにより、取るに足らない理由でグリーフレポートをサブミットする気をなくすことにつながる。
【0146】
グリーフレポーティング処理の間、管理者が効果的なレビューを容易に行えるようにするために、ドロップダウンメニューや他のオプション選択インターフェースを使って、レポーティングをするユーザーが報告している誹謗内容の性質をカテゴライズするようユーザーに要求してもよい。カテゴライズされる誹謗の種類には、ポルノやわいせつなマテリアルの使用、無礼な振る舞い、生々しく描いた暴力行為、年齢制限ゾーンにおける成人向けコンテンツ、憎悪発言、不法行為またはその促進もしくは容認、電話番号や電子メールアドレス等の個人情報のばらまき、スパミング、著作権侵害、あるいは、他のいかなる使用条件違反も含まれる。
【0147】
グリーフレポートティング処理の最後で確認画面が与えられ、グリーフレポートを要約し、その送信が完了したことを確認する。レポーティングを行ったユーザーに対し、管理者とのコンタクトを希望することができるかどうかを示すことも可能である。
【0148】
本発明の一実施例において、一旦グリーフレポートが完了したら、ユーザーに対しては、誹謗的状況を回避するために上記に概説したメカニズムを再度提供する。それによって、ユーザーは、レポーティング処理から抜けた後にその誹謗的状況に戻らなくて済む。
【0149】
ここで図12を参照すると、オンラインレポーティング方法は、
第一のステップにおいては、オンライン仮想環境に接続し(s10)およびユーザーに対して表示を行うためにその描写を生成し、
第二のステップにおいては、オンライン仮想環境内の他のユーザーの行為を表すデータを受信し(s20)、
第三のステップにおいては、同じオンライン仮想環境に居住する一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツを受信し(s30)、
第四のステップにおいては、レポーティング・イベントを起こし(s40)、
第五のステップにおいては、同じオンライン仮想環境に居住する一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツであって、レポーティング・イベントが起されたときにそのエンタテインメント装置に対して可用であったコンテンツを識別し(s50)、
第六のステップにおいては、同じオンライン仮想環境に居住する一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツを特定するレポートを、リモート装置に対して送信する(s60)。
【0150】
上記のステップは、かならずしもすべて記載された順序である必要はないことはいうまでもない。例えば、仮想環境の描写を作成する前に、カスタマイズ・コンテンツを受信してもよい。
【0151】
当業者であれば、上記に開示された装置のさまざまな実施例の作用に該当する、上記の方法をさまざまに変形させたものは本発明の範囲内であると考え、以下を含むがこれに限定されない。
【0152】
− ユーザーは、詳細についてそれ自体をフォームという手段でサブミットする。
【0153】
− コンテンツは、360度ビューを作成することによって収集される。
【0154】
− コンテンツは、報告の時点で、ユーザーの所定半径内のすべてのユーザー発信マテリアルとして識別される。
【0155】
− コンテンツは、報告より前の所定期間内でユーザーの所定半径内で遭遇したすべてのユーザー発信マテリアルとして識別される。
【0156】
− コンテンツは、ユーザーの体験記録を参照して集められる。
【0157】
− 適用可能な場合には、コンテンツ参照番号またはID番号を使って、このようなコンテンツを報告する。
【0158】
− コンテンツをサーバ(例えばホーム環境サーバ、または専用レポーティングサーバ)にアップロードすることによってこのようなコンテンツを報告する。
【0159】
− 相手のユーザーの音声を消す、あるいは、テレポーティングしてそのユーザーから離れる等、グリーフレポートの提出に代わる方法を提供する。
【0160】
本発明の実施例は、なんらかの適切な様式で実現されることはいうまでもない。特に、エンタテイメント装置またはサーバ内の一つまたは複数のプロセッサをソフトウェアで再構成することにより、実施例を実現することが含まれる。従って、従来からある均等な装置の既存の部品に対して必要とされる適応化は、コンピュータプログラム製品の形で実施される。このコンピュータプログラム製品は、プロセッサ実現可能な命令を備え、このような命令は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、ハードディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、または、これらまたは他の記憶媒体とのなんらかの組合せ等のデータキャリアに格納されている、あるいは、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、インターネット、または、これらまたは他のネットワークとの組合せ等のネットワーク上のデータ信号を介して送信される。または、ASCI(application specific integrated circuits、特定用途向け集積回路)またはFPGA(Field Programmable Gate Array、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)や、従来の均等装置を適用する際の使用に適する他の構成可能な回路等のハードウェアで実現してもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンタテインメント装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームや、最近では、セカンドライフ(http://secondlife.com/)等のオンライン社会環境において、他のユーザーによる誹謗中傷を伴った行動を報告することができるような手段を提供するものがある。これは、いわゆる「グリーフレポート」という形式をとる。つまりこれは、インゲームまたはウェブベースの形式であって、この中でユーザーは、反社会的ユーザーを特定し、その環境やゲームの管理者に苦情を提出する原因となった事件または挙動を記載することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】http://wiki.secondlife.com/wiki/Help:When_and_how_to_file_an_Abuse_Report
【非特許文献2】http://reviews.ebay.com/How-to-Report-Abuse-in-Second-Life_W0QQugidZ10000000003846269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなレポートは一般的に、反社会的ユーザーに対して警告をしたり、あるいは、ある特定のゲームについて使用停止や使用禁止処分にしたりするために、その反社会的ユーザーを識別することを目的とする。しかしながら、オンラインゲームやオンライン社会環境は、より高度化され、ユーザー自身のデータ、メディア、およびアイデンティティにより複雑に統合されている。従って、これらの性能に対応可能であり、場合によっては民事訴訟や刑事訴追にも使用可能な改良されたグリーフレポーティングメカニズムを提供する必要がある。
【0005】
本発明の実施例は、上記の必要性に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様において、エンタテインメント装置は、各々がオンライン仮想環境とやりとりする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置のユーザーに対応する、一つまたは複数のアバターを備えたオンライン仮想環境の描写を、表示用に生成するよう構成されたディスプレイ生成部と、オンライン仮想環境内での他のユーザーの行為を表すデータを受信し、また、そのオンライン仮想環境とやりとりする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが送信元になっているコンテンツを受信するよう動作可能なネットワーク通信構成と、レポーティング・イベントを引き起こすためにユーザーにより操作可能な入力手段と、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが送信元となっているコンテンツを示す情報であって、該レポーティイング・イベントが引き起こされたときにそのエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するように動作可能なコンテンツ識別手段を備え、該ネットワーク通信構成は、識別されたコンテンツについて報告をするレポートをリモート装置に送信するよう動作可能である。
【0007】
本発明の別の態様において、オンラインレポーティング方法は、オンライン仮想環境に接続して、そのオンライン仮想環境の描写をユーザーに対する表示用に生成するステップと、該オンライン仮想環境内の他のユーザーの行為を表すデータを受信するステップと、該オンライン仮想環境とやりとりをする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが発信元となっているコンテンツを受信するステップと、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーが送信元となっているコンテンツを示す情報であって、レポーティング・イベントが引き起こされたときにエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するステップと、その生成された情報を含めたレポートをリモート装置に送信するステップ、とから成ることを特徴とする。
【0008】
従って、ユーザー発信のコンテンツ形式をした悪用の証拠を、オンライン環境の管理者に対するグリーフレポート内に組み込むことができるので有効である。
【0009】
本発明の更なる態様および特徴はそれぞれ、添付の請求の範囲により定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について例証として説明する。
【図1】エンタテインメント装置の概要図である。
【図2】セルプロセッサの概要図である。
【図3】ビデオ・グラフィックプロセッサの概要図である。
【図4】本発明の一実施例によるゲーム・ゾーンの相互接続されたセットの概要図である。
【図5】本発明の一実施例によるホーム環境のオンライン・クライアント/サーバ構成の概要図である。
【図6a】本発明の一実施例によるロビー・ゾーンの概要図である。
【図6b】本発明の一実施例によるロビー・ゾーンの概要図である。
【図6c】本発明の一実施例によるシネマ・ゾーンの概要図である。
【図6d】本発明の一実施例によるデベロッパー/パブリッシャーゾーンの概要図である。
【図7】本発明の一実施例によるオンライントランザクションの方法を示すフローチャートである。
【図8a】本発明の一実施例によるアパート・ゾーンの概要図である。
【図8b】本発明の一実施例によるトロフィ室ゾーンの概要図である。
【図9】本発明の一実施例による対話メニューの概要図である。
【図10】本発明の一実施例による対話式の仮想ユーザー装置の概要図である。
【図11】本発明の一実施例によるホーム環境のオンライン・クライアント/サーバ構成の概要図である。
【図12】本発明の一実施例によるオンラインレポーティング方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
オンラインレポーティング装置および方法を開示する。以下の説明において、いくつかの具体的な詳細事項は、本発明の実施例について十分な理解を図るために示すものである。しかしながら、本発明を実施するためにこれらの具体的な詳細事項を採用する必要がないことは当業者にとって明らかである。逆にいえば、当業者にとって周知の具体的詳細事項は、必要に応じて明瞭化のために省略される。
【0012】
本発明の実施例の一つにおいて、エンタテインメント装置のユーザーは、オンライン仮想環境に入った状態である。この環境において、ユーザーは、誹謗中傷を伴うTシャツを着ている他のユーザーのアバターに遭遇する。このユーザーが、テキスト・ウィンドウを介して他のユーザーに苦情を伝えるがスピーチ・チャンネルを介して誹謗の連発を耳にする。そのような場合、該ユーザーは、手持ち式のコントローラ上のボタンを押してグリーフレポートを起こすことができる(または、グリーフレポートを引き起こすことがオプションになっているメニューシステムに入る)。グリーフレポート処理が起動されると、エンタテインメント装置は、仮想環境に対し鑑識捜査(forensic sweep)を行う。この捜査において、他のユーザーから受信しエンタテインメント装置内にキャッシュされたコンテンツ(上記の誹謗中傷を伴うTシャツを定義しているテクスチャを含む)が集められ、証拠としてグリーフレポートに含められる。ユーザーによるテキストチャットのログ、(例えば)過去2分間のユーザー視点のオーディオ・ビデオレコード、その期間中に遭遇した各アバターの識別子、およびまたは、仮想環境内におけるユーザー位置を中心とした仮想環境の360度スナップショット、を含めるなど、鑑識捜査の一部として他の証拠入手手段を採用することも可能である。これらのレコードはその後、グリーフレポートに添付され、ユーザーは、従来の方法によって、その事件についての自身の印象をレポートの中に組み込むことができる。
【0013】
このようにして、他のユーザーによって仮想環境に持ち込まれた、真に誹謗中傷を伴ったマテリアルまたは不正なマテリアルを正確に検証可能な形で報告することが可能であり、また同時に、取るに足りない、または根拠のない理由で他人の出入りを禁じてしまうためにユーザーがグリーフレポーティングシステムを濫用することができないように制限することが可能である。
【0014】
本発明の実施例において、エンタテインメント装置とは、ソニー(登録商標)のプレイステーション3(登録商標)(PS3(登録商標))である。
【0015】
図1は、ソニー(Sony、登録商標)プレイステーション3(Playstation3、登録商標)エンタテイメント装置の全体システム構造を概略的に示したものである。システムユニット10は、このシステムユニットに接続可能なさまざまな周辺機器を備える。
【0016】
システムユニット10は、セルプロセッサ100と、ランバス(Rambus、登録商標)ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(XDRAM)ユニット500と、専用のビデオ・ランダムアクセスメモリ(VRAM)ユニット250を有するリアリティ・シンセサイザー・グラフィクス・ユニット(Reality Synthesizer graphics unit)200と、I/Oブリッジ700と、を備える。
【0017】
システムユニット10はまた、ディスク440から読み出しを行うブルーレイ(Blu Ray、登録商標)ディスクBD-ROM(登録商標)光学ディスクリーダー430、および取外し可能スロットインハードディスクドライブ(HDD)400を備え、I/Oブリッジ700を介してアクセス可能である。任意に、システムユニットはさらに、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリーカード、メモリースティック(Memory Stick、登録商標)メモリーカード等から読み出しを行う、メモリー・カードリーダー450を備え、同様にI/Oブリッジ700を介してアクセス可能である。
【0018】
このI/Oブリッジ700もまた、4本のユニバーサル・シリアル・バス(USB)2.0ポート710、ギガビットイーサネット(登録商標)ポート(gigabit Ethernet (登録商標)port)720、IEEE802.11b/g無線ネットワーク(Wi-Fi)ポート730、および最大7本までブルートゥース接続をサポートすることが可能なブルートゥース(Bluetooth、登録商標)無線リンクポート740に接続される。
【0019】
動作中、I/Oブリッジ700は、一台または複数台のゲーム・コントローラ751からのデータを含む、すべての無線、USB、およびイーサネット(登録商標)データを処理する。例えば、ユーザーがゲームをする際、I/Oブリッジ700は、ブルートゥース・リンクを介してゲーム・コントローラ751からのデータを受信し、そのデータをセルプロセッサ100へと導く。それに従い、セルプロセッサは、ゲームの現在の状態を更新する。
【0020】
無線、USBおよびイーサネット(登録商標)ポートも、ゲーム・コントローラ751に加えて他の周辺機器に対して接続性を提供する。この周辺機器は例えば、遠隔制御装置752、キーボード753、マウス754、ソニープレイステーションポータブル(Sony Playstation Portable、登録商標)エンタテインメント装置のような携帯エンタテインメント装置755、アイトイ(EyeToy, 登録商標)ビデオカメラのようなビデオカメラ756、およびマイクロホン・ヘッドセット757等である。従って、このような周辺デバイスは、原則としてはワイヤレスでシステムユニット10に接続される。例えば、マイクロホン・ヘッドセット757がブルートゥース・リンクを介して通信中に、携帯エンタテインメント装置755はWi−Fiアドホック接続を介して通信を行うことができる。
【0021】
これらのインターフェースが提供されるということは、プレイステーション3装置はまた、デジタル・ビデオレコーダ(DVRs)、セットトップボックス、デジタル・カメラ、携帯メディアプレイヤー、IP電話、携帯電話、プリンタ、およびスキャナ等の、他の周辺デバイスに対応できる可能性が潜在的にあることを意味する。
【0022】
さらに、レガシーメモリーカードリーダー410を、USBポート710を介してシステムユニットに接続することにより、プレイステーション(Playstation、登録商標)やプレイステーション2(Playstation2、登録商標)により使用される種類のメモリーカード420からの読み出しを可能にする。
【0023】
本実施例において、ゲーム・コントローラ751は、ブルートゥース・リンクを介して無線でシステムユニット10と通信するように動作可能である。しかし、ゲーム・コントローラ751は、その代わりにUSBポートに接続することが可能であり、これにより、ゲーム・コントローラ751のバッテリを充電する電力を供給できる。一つまたは複数のアナログ・ジョイスティックおよび従来の制御ボタンに加え、ゲーム・コントローラも各軸の並進および回転に対応して6自由度の動きに対して感度が高い。結果的に、ゲーム・コントローラのユーザーによるジェスチャおよび動きは、従来のボタンまたはジョイスティック・コマンドに加えて、またはその代わりに、ゲームに対する入力として変換できる。任意に、プレイステーション・ポータブル装置等の、無線で使用可能な他の周辺デバイスを制御装置として使用できる。プレイステーション・ポータブル装置の場合、増設ゲームまたは制御情報(例えば、制御命令またはライフ数)を、装置のスクリーン上に提供できる。他の代替となるまたは補助的な制御装置も使用可能である。例えば、ダンス・マット(図示せず)、ライトガン(図示せず)、ハンドルおよびペダル(図示せず)、または、例えば早押しクイズゲーム用の単一または数個の大きいボタン、といったような特注の制御装置などが使用可能である(これも図示せず)。
【0024】
遠隔制御装置752もまた、ブルートゥース・リンクを介して無線でシステムユニット10と通信するように動作可能である。遠隔制御装置752は、ブルーレイディスクBD−ROMリーダ430の動作と、ディスクコンテンツのナビゲーションに適する制御を備えている。
【0025】
ブルーレイディスクBD−ROMリーダ430は、従来の記録済み追記型CD、および、いわゆるスーパーオーディオCDに加えて、プレイステーションおよびプレイステーション2装置と互換性があるCD−ROMを読みとるように動作可能である。リーダ430は、また、従来の記録済み追記型DVDに加えて、プレイステーション2およびプレイステーション3装置と互換性があるDVD−ROMを読みとるように動作可能である。リーダ430は、さらに、従来の記録済み追記型ブルーレイディスクだけでなく、プレイステーション3装置と互換性があるBD−ROMを読みとるように動作可能である。
【0026】
システムユニット10は、ディスプレイ305と一つまたは複数のラウドスピーカー310を有するモニターまたはテレビセットなどの表示及び音響出力装置300に対して、リアリティ・シンセサイザ・グラフィックス・ユニット200を介してプレイステーション3装置によって作成またはデコードされたオーディオおよびビデオを、オーディオ・ビデオコネクタを通じて供給するよう動作可能である。ビデオ・コネクタ220が、コンポーネント・ビデオ、S-ビデオ、コンポジット・ビデオ、および一つまたは複数の高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI)出力などさまざまなものを含む一方、オーディオ・コネクタ210は、従来のアナログおよびデジタル出力を含む。よって、ビデオ出力は、PALまたはNTSC等の形式であるか,または720P,1080i、または1080p高解像度である。
【0027】
オーディオ処理(作成、デコーディング等)は、セルプロセッサ100により実行される。プレイステーション3装置のオペレーティングシステムは、ドルビー(Dolby、登録商標)5.1サラウンドサウンド、ドルビー(Dolby、登録商標)シアター・サラウンド(DTS)、およびブルーレイ(Blu-Ray、登録商標)ディスクからの7.1サラウンドサウンドのデコーディングをサポートする。
【0028】
本実施例において、ビデオカメラ756は、単一の電荷結合素子(CCD)、LEDインジケータ、およびハードウェアベースのリアルタイムデータ圧縮エンコーディング装置を備える。これにより、圧縮されたビデオデータを、システムユニット10がデコードできるように、MPEG(モーション・ピクチャ・エキスパート・グループ)標準をベースとする内部イメージ等の適切なフォーマットで送信される。カメラLEDインジケータは、システムユニット10からの適切なコントロールデータに応答して、例えば、照明状況が悪いなどを示すために点灯するよう配置される。ビデオカメラ756の具体例は、USB、ブルートゥース、またはWi−Fi通信ポートを介して、システムユニット10にさまざまな形で接続可能である。ビデオカメラの具体例は、一つまたは複数の対応するマイクを有することができ、更にオーディオデータを送信することが可能である。ビデオカメラの具体例において、CCDは、高解像度ビデオ・キャプチャに適する解像度を備えることができる。使用の際、ビデオカメラによって、取り込まれるイメージは、例えば、ゲーム内に組み込まれるか、または、ゲームコントロール入力として解釈される。
【0029】
一般に、システムユニット10の通信ポートの一つを介して、ビデオカメラや遠隔制御装置等の周辺デバイスとの間で生じるデータ通信を正常に行うために、デバイスドライバのような適切なソフトウェアを備えなければならない。デバイスドライバ技術は周知であるので、ここでは詳細を記載しないが、当業者であれば、デバイスドライバまたは同様のソフトウェア・インターフェースがここに記載される本実施例において必要であることを認識するはずである。
【0030】
ここで図2を参照すると、セルプロセッサ100は、四つの基本コンポーネントを備えたアーキテクチャを有する。すなわち、メモリー・コントローラ160とデュアルバス・インターフェース・コントローラ170A,Bを備えた外部入出力構造と、パワー・プロセッシング・エレメント(Power Processing Element)150と呼ばれるメインプロセッサと、シナジスティック・プロセッシング・エレメント(Synergistic Processing Elements、 SPEs)110A〜Hと呼ばれる8つのコプロセッサと、エレメント・インターコネクト・バス(Element Interconnect Bus)180と呼ばれる、上記のコンポーネントを接続する環状データバスである。プレイステーション2装置のエモーション・エンジンの6.2GFLOPsと比べて、セルプロセッサの全体の浮動小数点演算性能は、218GFLOPSである。
【0031】
パワー・プロセッシング・エレメント(PPE、 Power Processing Element)150は、両方向同時マルチスレッドパワー(two-way simultaneous multithreading Power)970に適合し、3.2GHz内部クロックで稼働するパワーPCコア(PPU、 PowerPC core)155を基礎とする。また、PPEは、512kBレベル2(L2)キャッシュと32kBレベル1(L1)キャッシュを備える。PPE150は、1クロックサイクルにつき8回の単一位置演算(single position operations)が可能であり、3.2GHzで25.6GFLOPsに変換する。PPE150の主要な役割は、大部分の計算作業負荷を取り扱うシナジスティック・プロセッシング・エレメント110A〜Hのコントローラとしての機能を果たすことである。動作中、PPE150は、ジョブキューを維持し、シナジスティック・プロセッシング・エレメント110A〜Hのジョブをスケジュールし、その進行をモニターする。これによって、シナジスティック・プロセッシング・エレメント110A〜Hはそれぞれ、ジョブをフェッチして実行し、PPE150と同期するという役割のカーネルを実行する。
【0032】
シナジスティック・プロセッシング・エレメント(SPE)110A〜Hはそれぞれ、シナジスティック・プロセッシング・ユニット(SPU)120A〜Hと、それぞれ順にダイナミックメモリアクセスコントローラ(DMAC)142A〜Hとメモリマネジメントユニット(MMU)144A〜Hとバス・インターフェース(図示せず)を有するメモリーフローコントローラー(MFC)140A〜Hと、を備える。SPU120A〜Hの各々は3.2GHzでクロック制御されるRISCプロセッサであり、それぞれ256kBローカルRAM130A〜Hを備え、原則として4GBに拡張可能である。各SPEは、理論上、25.6GFLOPSの単精度パフォーマンス(single precision performance)を提供する。SPUは、1クロックサイクルにつき、4つの単精度浮動小数点メンバー、4つの32ビット数、8つの16ビット整数、または16個の8ビット整数で動作可能である。同じクロックサイクルにおいて、SPUはさらにメモリ操作を実行できる。このSPU120A〜Hは、システムメモリXDRAM500に直接アクセスしない。SPU120A〜Hにより形成される64ビットアドレスは、MFC140A〜Hに渡され、MFCは、そのDMAコントローラ142A〜Hに対して、エレメント・インターコネクト・バス180とメモリー・コントローラ160を介してメモリにアクセスするよう指示する。
【0033】
エレメント・インターコネクト・バス(EIB)180は、セルプロセッサ100内部の論理的に環状の通信バスであり、上記のプロセッサ・エレメント、すなわち、PPE150、メモリー・コントローラ160、デュアル・バス・インターフェース170A、B、および8つのSPE110A〜Hの、計12のパーティシパントを接続する。パーティシパントは、1クロックサイクルにつき8バイトのレートで、バスに同時にリードライトすることができる。前述のように、SPE110A〜Hはそれぞれ、より長いリードまたはライトのシーケンスをスケジューリングするためのDMAC142A〜Hを備える。EIBは、時計回りの方向に2つ、反時計回りの方向に2つの、4つのチャンネルを備える。結果として、12のパーティシパントについて、どの2つのパーティシパント間においても、最長のステップ・データフローは、しかるべき方向において、6ステップである。従って、12スロットに対する理論上のピーク瞬時EIB帯域幅は、パーティシパント間のアービトレーションによって完全利用を行った場合、1クロックにつき96Bである。これは、3.2GHzのクロック速度で、理論ピークバンド幅307.2GB/s(1秒あたりのギガバイト数)に等しい。
【0034】
メモリー・コントローラ160は、ランバス(Rambus)社により開発されたXDRAMインターフェース162を備える。メモリー・コントローラは、25.6GB/sの理論ピーク帯域幅で、Rambus XDRAM500とインターフェースで接続される。
【0035】
デュアル・バス・インターフェース170A、Bは、Rambus FlexIO(登録商標)システムインターフェース172A、Bを備える。このインターフェースは、12チャネルに体系化され、各チャネルはそれぞれ8ビット幅であり、5つのパスはインバウンドであり、7つはアウトバウンドである。これは、コントローラ170Aを介してセルプロセッサとI/Oブリッジ700の間、コントローラ170Bを介してセルプロセッサとリアリティ・シミュレータ・グラフィックス・ユニット200の間で、62.4GB/s(36.4GB/sアウトバンド、26GB/sインバウンド)の理論ピーク帯域幅を提供する。
【0036】
リアリティ・シミュレータ・グラフィックス・ユニット200に対し、セルプロセッサ100により送信されるデータは、一般的に、頂点を描画するためのコマンドシーケンスであるリストの表示、ポリゴンに対するテクスチャの適用、ライティング条件の特定等を含むものである。
【0037】
ここで図3を参照すると、リアリティ・シミュレータ・グラフィックス(RSX)ユニット200は、NVidia(登録商標)G70/71アーキテクチャを基礎とするビデオ・アクセルレータであり、セルプロセッサ100により作成されたコマンドリストを処理しレンダリングする。RSXユニット200は、セルプロセッサ100のバス・インターフェース・コントローラ170Bと通信するように動作可能なホスト・インターフェース202と、8つの頂点シェイダー205を有する頂点パイプライン204(VP)と、24のピクセル・シェイダー207を有するピクセル・パイプライン206(PP)と、8つの、レンダー・アウトプット・ユニット(ROPs)209を有するレンダー・パイプライン208(RP)と、メモリ・インターフェース210と、ビデオ出力を作成するためのビデオ・コンバータ212を備える。RSX200は、256MBのダブルデータレート(DDR)ビデオRAM(VRAM)250により補完される。これは、600MHzでクロック制御され、理論ピーク帯域幅25.6GB/sでRSX200とインターフェース接続するよう動作可能である。動作中、VRAM250は、フレーム・バッファ214およびテクスチャ・バッファ216を維持する。フレーム・バッファ214が処理中のパイプラインの結果を保存する間、テクスチャ・バッファ216はピクセル・シェイダー207にテクスチャを提供する。RSXはさらに、例えば、テクスチャをVRAM250にロードするために、EIB180を介してメインメモリ500にアクセスすることも可能である。
【0038】
頂点パイプライン204は、主に、描くべき画像内のポリゴンを定義する頂点の変形処理および変換処理をする。
【0039】
ピクセル・パイプライン206は、主に、これらのポリゴンに、色、テクスチャ、およびライティングを加える処理を行う。ここにはどのようなピクセル透明度も含まれ、赤、緑、青およびアルファ(透明度)値を、処理済ピクセル各々に対して作成する。テクスチャ・マッピングは、単に表面にグラフィックイメージを適用する。あるいは、バンプ・マッピング(テクスチャ値に従って表面の概念上の方向に摂動を加え、ライティングモデルにおいて、最も明るい部分と暗い部分を作り出す)、または、変位マッピング(加えられたテクスチャがさらに頂点位置を摂動させ、テクスチャと一致する変形した表面を作成する)を含むことも可能である。
【0040】
レンダー・パイプライン208は、ピクセル間の深度比較を行い、どのピクセルを最終イメージで描くかを判断する。また任意に、介在ピクセル処理が深さ値に影響を及ぼさない場合(例えば、透明度マッピングまたは変位マッピングがない場合)、レンダー・パイプラインおよび頂点パイプライン204は、その間で深さ情報を伝えることができ、それによりピクセル処理の前に閉塞要素の除去を可能にして全体のレンダリング効率を改善する。さらに、レンダー・パイプライン208はまた、結果として生じるイメージに対して、フルスクリーン・アンチエイリアス処理といったような事後効果を加える。
【0041】
頂点シェイダー205およびピクセル・シェイダー207は双方とも、シェイダーモデル3.0標準に基づくものである。複合パイプラインを使って、クロックサイクル毎に最高136回までシェイダー・オペレーションを実行することが可能であるので、1秒間に748億回のシェイダー・オペレーションが可能となり、1秒につき最高8億4000万の頂点および100億ピクセルを出力する。RSX200の全体の浮動小数点性能は、1.8TFLOPである。
【0042】
一般的に、RSX200は、セルプロセッサ100と密接に協働して動作する。例えば、爆発の表示をするとき、あるいは雨や雪などの天気効果を表示するときに、シーン内で多数の粒子を探知し、更新し、描画しなければならない。このような場合、セルプロセッサのPPU155は、一つまたは複数のSPE110A〜Hをスケジュールして、粒子の各々のバッチの軌道を演算する。一方、RSX200は、エレメント・インターコネクト・バス180、メモリー・コントローラ160、およびバス・インターフェース・コントローラ170Bを介して、メインシステムメモリ500から、RAM250内に現在保持されていないテクスチャデータ(例えば、雪片)にアクセスできる。SPE110A〜H、またはその各々は、演算された粒子特性(一般的に、位置とアティテュードを示す座標と法線)を、直接ビデオRAM250に対して出力する。SPE110A〜HそれぞれのDMAコントローラ142A〜Hは、バス・インターフェース・コントローラ170Bを介して、ビデオRAM 250に対処する。このように、実際には、割り当てられたSPEが、タスクの持続のためにビデオ・プロセッシング・パイプラインの一部となる。
【0043】
一般的に、PPU155は、このような方法で利用可能な8つのSPEのうち6つに対してタスクをアサインする。1つのSPEをオペレーティングシステムのために確保し、一方で1つのSPEを効率的に使用不能とする。1つのSPEを使用不能にすることによって、セルプロセッサ製造過程に対し、かなり高いレベルの許容度を実現する。というのはこれによって、1つのSPEの製造プロセスに障害があってもよいからである。あるいは、8つのすべてのSPEが機能する場合、セルプロセッサの寿命中に、他のSPEのうちの1つによって後で障害が起こった場合に備えて、第8番目のSPEが余剰範囲を提供する。
【0044】
PPU155は、SPEに対し、何通りかの方法によりタスクをアサインできる。例えば、DVDへのアクセス、ビデオ・オーディオ・デコーディング、およびエラーマスキングのような複合動作の各ステップを処理するために、各ステップを別々のSPEにアサインしつつSPEをつなげることができる。その代わりに、またはそれに加えて、上記の粒子アニメーション例のように、入力データに対して同時に作用するように、2つまたはそれ以上のSPEを割り当てることが可能である。
【0045】
セルプロセッサ100およびまたはRSX200により実現されるソフトウェアの命令は、製造時点で供給されてHDD400に保存される場合、およびまたは、光ディスクや固体メモリのようなデータキャリアまたは記憶媒体に対して供給される場合、あるいは、有線または無線ネットワークもしくはインターネット接続、あるいはこれらの組み合わせ等の伝送媒体を介して供給される場合がある。
【0046】
製造時に供給されるソフトウェアは、システム・ファームウェアと、プレイステーション3装置のオペレーティングシステム(OS)とを備える。動作中、OSは、ユーザーが様々な機能から選択できるように、ユーザーインターフェースを提供する。これらの機能は、ゲームをすること、音楽を聴くこと、写真を見ること、または動画を見ることなどを含む。このインターフェースは、水平にアレンジされた機能カテゴリを有する、いわゆるクロスメディアバー(XMB)の形態をとる。ユーザーは、ゲーム・コントローラ751、遠隔制御装置752、または他の適切なコントロールデバイスを用いて、水平に並ぶ機能アイコン(機能を表す)の上を移動し、所望の機能アイコンを反転表示することにより指図を行う。このアイコンの地点で、この機能に関連するオプションが、この機能アイコンの中央位置において、垂直方向にスクロール可能なオプションアイコンのリストとして現れ、同じような方法で指図が行われる。しかし、ゲーム、オーディオまたはムービーディスク440が、BD−ROM光ディスクリーダー430に挿入されている場合は、プレイステーション3装置は、自動的に適切なオプションを選択し(例えば、ゲームを開始する)、または、関連するオプションを提供する(例えば、オーディオディスクを演奏する、またはそのコンテンツをHDD400に圧縮する等の選択を行う)。
【0047】
さらに、OSは、オンライン性能を提供する。オンライン性能とは、ウェブ・ブラウザ、追加的なゲームコンテンツ、デモンストレーション・ゲーム(デモ)、および他のメディアをダウンロードすることができるオンラインストアとのインターフェース、現在の装置のユーザーにより指名された他のプレイステーション3を有するユーザーとの間で、利用可能な周辺デバイスに応じたテキスト、オーディオ、またはビデオ等によるオンライン通信を提供するフレンズマネジメント性能等を含む。このオンライン性能は、適切に構成されたゲームを実行中に、オンライン通信、コンテンツダウンロードおよびコンテンツ購入を提供し、またプレイステーション3自体のファームウェアおよびOSの更新を提供する。尚、「オンライン」という用語は、さまざまな種類の無線接続に適用できるので、ワイヤが物理的に存在することを意味するのではないことはいうまでもない。
【0048】
本発明の実施例において、上記のオンライン性能は、PS3 10のユーザーおよび現在オンライン状態である他のPS3のユーザーのアバター(グラフィック描写)が住む仮想環境との対話(インタラクション)を含む。
【0049】
仮想対話環境を可能にするソフトウェアは、通常はHDD400に常駐しており、ダウンロードした、あるいは光ディスク440上に格納された、あるいは他の適切な手段によってアクセスされたソフトウェアによりアップグレードおよびまたは拡張できる。あるいは、フラッシュメモリカード420、光ディスク440、または中央サーバ(図示せず)上にこのソフトウェアを常駐させてもよい。
【0050】
本発明の実施例において、仮想対話環境(以下、「ホーム」環境と称する)は、クロスメディア・バーから選択される。その次に、このホーム環境は、3Dビデオゲームと同様の従来の方法で制御ソフトウェアをロードし実行することによって、3Dモデルおよびテクスチャをビデオメモリ250へロードし、ホーム環境を表現しているシーンを描写することを開始する。その代わりに、またはそれに追加して、ホーム環境は、別のゲーム等の他のプログラムによって開始してもよい。
【0051】
ここで、ホーム環境の概念上のマップを表示する図4と、ホーム環境のオンライン・クライアント/サーバ構成の概略図である図5を参照すると、ユーザーのアバターは、デフォルトでロビー・ゾーン1010内に生じる。しかしながら、ユーザーは、マップの他のゾーン1010〜1060(後で詳述)の中から選択し、選択ゾーンをロードしアバターをそのゾーン内で生じさせることができる。本発明の実施例において、マップ・スクリーンは、更に、利用可能なゾーンがランキングオプション等の管理ツールとともにリストされるサイドバーを備え、ゾーンがユーザーの好みの順序でリストされるようにするか、もしくは最近に追加された順、およびまたはA−Z順のようなリストにすることができる。さらに、検索インターフェースによって、ユーザーは名前によって、ゾーンを検索できる。本発明の実施例において、どの時点においても、利用可能なゾーンの数は、ユーザーのPS3にローカルに格納されたものよりも数多く存在する。ローカルな利用可能性は、リスト上で色分けされるか、または、リストをフィルタにかけ、ローカルに利用可能なゾーンのみを表示するようにしてもよい。ユーザーがローカルで利用できないゾーンを選択する場合、そのゾーンはホーム環境サーバ2010からダウンロードすることができる。
【0052】
ここで図6aを参照すると、ロビー・ゾーン1010は、一般的に、屋根付きの広場に類似するものであり、公園用地(草、木、彫刻など)および集合スペース(例えばオープンエリア、シングルベンチ、あるいは座席の列等)を備え、ここでユーザーは、アバターを介して出会うことができる。
【0053】
一般的にロビー・ゾーン1010はまた、ゲームや他のコンテンツもしくは製品のための静止広告あるいは可動広告をディスプレイする広告掲示板を備える。これらの広告掲示版は、ロビーの壁にかけられたり、あるいは単独で立てられたりする。
【0054】
ロビー・ゾーン1010はまた、予告編や、人目を引くような広告、またはサードパーティである提供者からの他のコンテンツを表示するオープンエア型シネマ1012を備えてもよい。このようなコンテンツは一般的に、ホーム環境をロードする際にPS3 10が接続されるホーム環境サーバ2010からストリームあるいはダウンロードされる。これは以下に詳述する。
【0055】
シネマスクリーンは、その前面にアバターのための座席が付いており、例えば、アバターが座席に座ると、そのアバターのユーザーにより認識されるカメラアングルによってスクリーンを網羅するようになっている。
【0056】
ここで図6bを参照すると、ロビー・ゾーン1010はまた、ビリヤード台、ボウリング場、およびまたはゲームセンター等として機能する、一般的な娯楽施設1014を備えてもよい。ビリヤードやボウリングゲームは、アバターを介して実行することが可能であり、例えば、アバターが、ビリヤードのキューまたはボウリングのボールを手に持ち、このようなゲームを通常行う方法で制御されるようになる。ゲームセンターでは、アバターがテレビゲーム機に取り組むと、ホーム環境は、選択されたテレビゲームをほぼフルスクリーンで表示するよう切換えてもよい。このようなゲームは、例えば、スペース・インベーダ(登録商標)、またはパックマン(登録商標)等のクラシックなゲームセンターのゲームまたはコンソールゲームであってもよい。これは、メモリと処理という観点では比較的小さく、ホーム環境内でPS3によってエミュレートする、あるいは、ホーム環境へのプラグインとして実行することできる。この場合、一般的にユーザーは、アバターによる表現をせずに、直接ゲームを制御する。ユーザーがゲームを止めたり、アバターをテレビゲーム機から離したりした場合には、ゲームは、デフォルトのホーム環境ビューへと切換えられる。クラシックなゲームセンターのゲームに加えて、ユーザーが作成したゲームコンテンツを、一つまたは複数の仮想テレビゲーム機上に出してもよい。このようなコンテンツは、定期的にダウンロードされる新しい入選コンテンツとともにフィーチャーされるような、オンライン競技の対象であってもよい。
【0057】
ロビー・ゾーン1010に加えて、その他のゾーン(例えば、部屋、エリア、または他の建造物であるゾーン1020、1030、1040、1050および1060)もまた利用可能である。これらのゾーンは、実際には図4と同様のマップ・スクリーンを介してアクセスされるか、または、ユーザーはロビーからのさまざまな出口1016へと自分たちのアバターを案内することによって、他のエリアに歩いて行くことができる。
【0058】
一般的に、出口1016は、次のエリアへのトンネルまたは通路という形態をとる(同様に控え室の形態をとってもよい)。アバターがトンネルまたは控え室にいる間に、次のゾーンがメモリへロードされる。ロビーおよび次のゾーンはトンネルまたは控え室の同一モデルを含む。または、そのモデルは双方に対する共有資源である。いずれにしても、ユーザーのアバターは、同じ位置において、ロビーをベースにしたバージョンから、トンネルまたは控え室の新規のゾーンをベースにしたバージョンへと再配置される。このようにして、全体の環境を同時にメモリに保持する必要なく、ユーザーのアバターは見かけ上、ホーム環境全体を途切れることなく歩くことが可能である。
【0059】
ここで図6cを参照すると、利用可能なゾーンの一つであるシネマ・ゾーン1020である。このシネマ・ゾーン1020は、シネマ・コンプレックス(複数作品を上映する映画館)に類似するもので、上記のおよび以下に詳述するように、ホーム環境サーバ2010からダウンロードまたはストリームされた予告編、映画、テレビ番組、または広告等のコンテンツを表示することが可能な、または、HDD400もしくはブルーレイディスク等の光学ディスク440に格納されたコンテンツを表示することが可能な複数のスクリーンを備える。
【0060】
一般的に、シネマ・コンプレックスは、一般的には(それに限らないが)近日上映の映画のポスター広告1024とともに、注目度の高い予告や広告をすべての訪問者に対して表示するスクリーン1022を特徴としている入口領域を有する。ある特定のスクリーン、および予告やポスターの選択表示は、PS3に登録されたユーザーの年齢により制限される。この年齢制限は、ホーム環境内のどのゾーンにおいても、年齢制限タグが対応づけられた表示コンテンツであればいかなるものにも適用される。
【0061】
さらに、本発明の実施例において、シネマ・コンプレックスは、フィーチャーされたコンテンツが利用可能なスクリーン・ルームをいくつか提供しており、ユーザーはそこから選択を行うことができる。一つのスクリーン・ルームにおいて、ダウンロード、ストリームまたはローカルに格納されたメディアを仮想シネマ環境内で上映することが可能であり、この環境内において、スクリーンは、座席列、スクリーン・カーテン等を伴った部屋の中に設置されている。この映画は、潜在的にはホーム環境にいる全てのユーザーが利用可能である。したがって、例えばウェブ・ブロードキャストのように共通にストリームされた題材を見る場合のように、他のユーザーのアバターが見えるようにしてもよい。あるいは、スクリーンが全体表示領域を占めるように、ユーザーがズームインできるようにしてもよい。
【0062】
また、ここで図6dを参照すると、別のゾーンのタイプとして、デベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030がある。一般的に、このようなゾーンが複数利用可能であってよい。任意に、それぞれのゾーンが、ロビーゾーン1010からのそれぞれ出口がある。あるいは、一部のまたはすべてのゾーンがロビーからの出口を共有し、各利用可能なゾーンに共通のまたは複製されたトンネルや控室のモデル内から別々の出口を有する。あるいは、これらのゾーンは、ポップアップメニュー形式のメニューから、または標識セットから選択する等のように、ホーム環境内からのメニューから選ぶことができる。後者の場合、接続するトンネルまたは控室が、選択されたデベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030にのみリンクするよう現れる。代わりに、またはそれに加えて、このようなゾーンはマップ・スクリーンを介して選択することが可能であり、結果としてメモリにロードされたゾーンとなり、アバターはこの選択されたゾーン内に再度生み出されることになる。
【0063】
デベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030は、追加的な仮想環境を提供し、これは、デベロッパーの外観や雰囲気を反映するものであるか、またはパブリッシャーの製品、ブランド、およびマークを反映するものであってもよい。
【0064】
デベロッパーまたはパブリッシャーゾーン1030は、ホーム環境に対する補助的なソフトウェアモジュールであって、ゾーンの構成および外観を提供するために、通常は付加的三次元モデルおよびテクスチャから成る。
【0065】
さらに、ホーム環境を実現するように動作可能なソフトウェアは、アプリケーション・プログラム・インタフェース(API)を介してサードパーティ・ソフトウェアの統合化をサポートする。したがって、デベロッパーは自身のゾーンのホーム環境の範囲内で、自身の機能的コンテンツを統合化できる。これは、以下の形態のいずれかまたはすべてを採用することができる。
i. ゲームの予告編または有名人による推薦というような特定のコンテンツのダウンロードやストリーミング。
ii. ゾーン範囲内でのアバターの外観、行動および/またはコミュニケーション・オプションの変更。
iii. 任意に、ブランドまたは図形によりデベロッパーまたはパブリッシャーのゲームであることを思い起こさせるようなバスケットボール1032またはゴルフレンジ1034などの、一つまたは複数のゲームの提供。
iv. デベロッパーの、またはパブリッシャーのゲームを代表する一つまたは複数の対話シーンまたはビネットであって、プレイヤーがゲームの態様を経験し、ゲームの具体的なスキルを磨き、ゲームの制御に慣れることができるようにするもの。
v.アリーナ、リング、道場、コートまたは類似のエリア1036は、遠隔でプレイされるゲームがアバター1038によってライブで描写され、観客が観戦できる。
【0066】
例えば、デベロッパーのゾーンは、デベロッパーのテーマカラーで、そのロゴをフィーチャーしているコンコースに似ているものであり、そこを、サッカーネットまたはスキート射撃場レンジ等の野外ゲームエリアにする。さらに、ゲーム固有のキャラクタが乗っているブース(図示せず)により、ユーザーのアバターがエンターして一時的にゲームの主要キャラクタへと変身できるようにするか、もしくは、一人称視点に拡大させ、フィーチャーされたゲームからのシーンに似せた、さらに別の部屋へと入る。ここで、ユーザーは、そのゲームからの別のキャラクタとやりとりをして、キーとなるシーンを最後まで実行する。コンコースに戻ると、ゲームや他のコンテンツについての広告が壁に表示される。ゾーンの終端部において、フットサルの試合が行われているアリーナへとコンコースが開かれる。ここでのプレイヤーおよびボールの位置は、他国にいる上級ゲームクランなどの有名なグループによって、現在プレイされているゲームに該当するものである。
【0067】
本発明の実施例において、デベロッパー/パブリッシャーゾーンは、ダウンロードできるようになっている。その代わりにまたはそれに加えて、帯域幅を減らすために、これらのゾーンは、雑誌のディスク上のデモコンテンツとして供給することも可能であるし、あるいは、購入したデベロッパーまたはパブリッシャーのゲームをインストールする処理の一部として、ディスクからインストールしたりアップグレードしたりしてもよい。後者の二例においては、その後のゲームの購入または登録によって、さらなるゾーンコンテンツがロック解除されるか、あるいはダウンロードされるようにしてもよい。いずれにしても、追加的な修正およびタイムリーな広告および予告媒体を、必要に応じてダウンロードすることが可能である。
【0068】
これに類似したゾーンは、商業ゾーン1040である。ここでもまた、デベロッパーおよびパブリッシャーゾーンに対する方法と似たような方法でアクセス可能な複数の商業ゾーンがあってもよい。デベロッパー/パブリッシャーゾーン1030のように、商業ゾーン1040は、三次元モデルやテクスチャの形式の、一つまたは複数の商業ベンダーを代表する仮想資産を備え、実世界の店舗、ブランド、アイデンティティの描写を可能にし、地理的およびまたは主題的にゾーン内でグループ化することができる。
【0069】
商業ゾーン内のスペースは、いわゆる「仮想不動産」としてサードパーティによって賃借できる。例えば、小売業者は、ホーム環境サーバ2010を介して行われる、ホーム環境の定期的な更新の一部として商業ゾーン1040内に含まれる店舗のレンダリングを持つために、例えば月次更新または年次更新ベースで支払いを行ってもよい。小売業者は、上記の商業施設に対して、定期的にまたはアイテムごとに追加的な支払いを行ってもよい。このようにして、ホーム環境のユーザーに対して商業的存在を提供できる。
【0070】
また、商業ゾーンは、API(アプリケーション・プログラム・インタフェース)を介してホーム環境と一体化できる補助的なソフトウェアを備えており、追加的なコミュニケーション・オプション(店舗固有の名称、商品、取引のオプション等)を提供し、また、購入のために商品やサービスのオンラインデータベースにアクセスし、現在の価格、商品の有無、および配送オプション等を決定する追加機能を提供する。このような機能にアクセスするには、メニュー(ポップアップメニュー、あるいは、例えば壁紙上などホーム環境範囲内)を介してもよいし、あるいは、自動化アバターとのコミュニケーションによるものであってもよい。アバター間のコミュニケーションについては、更に詳細に後述する。
【0071】
デベロッパーおよびパブリッシャーがまた、商業ゾーンの範囲内で店舗を提供できることはいうまでもなく、さらに、デベロッパー/パブリッシャーと商業ゾーンとの間をつなげるトンネルを提供することもいうまでもない。例えば、トンネルによって、デベロッパーゾーンを、デベロッパーのゲームを販売する店舗にリンクさせることができる。このようなトンネルは、いくつかのゾーンからの出口が、同じ店内トンネルから現れるというような『多数 対 1』の変型である。この場合、トンネルを再度使用するのであれば、一般的に、ユーザーを他の可能性があるゾーンの一つに向けるのではなく、むしろ以前のゾーンへとユーザーを戻すようにトンネルを構成してもよい。
【0072】
本発明の実施例において、ホーム環境を実現しているソフトウェアは、PS3のOSにより提供されるオンライン・コンテンツ購入システムに対するアクセスを有する。デベロッパー、パブリッシャー、および店舗オーナーは、自身のオンライントランザクションを容易にするIPアドレスとクエリーテキストを特定するためのインターフェースを介して、このシステムを使用できる。あるいは、ユーザーは、そのPS3登録詳細とクレジットカードの詳細を直接利用できるようにし、ホーム環境のどこでも、適切に使用可能なオブジェクト、ゲーム、広告、予告編または映画を選択することによって、そのアイテムやサービスの購入を選択できる。特に、ホーム環境サーバ2010は、ユーザーのクレジットカードと他の詳細を格納し、任意に認証することが可能であり、この詳細情報はユーザーが入力をしなくてもトランザクションにおいて使用できるようになっている。このようにして、ホーム環境はトランザクションの仲介として作用する。あるいは、このような詳細情報は、PS3に格納することが可能であり、PS3あるいはホーム環境サーバのいずれかによって認証することが可能である。
【0073】
ここで図7も参照すると、本発明の実施例における販売方法は、ステップS2102において、ユーザーがホーム環境内でアイテム(商品またはサービス)を選択することを含む。ステップS2104において、PS3 10は、オブジェクトに対応する識別データをホーム環境サーバ2010に送信し、ホーム環境サーバはステップS2016において、(好ましくはユーザーのIPアドレスに対応する国内で)好適なプロバイダからそのアイテムを入手できるかを確認する。このアイテムが入手不能である場合、S2017において、ユーザーのPS3 10に対してメッセージを送信することによりユーザーにその旨を知らせる。あるいは、最初に、一つまたは複数の二次プロバイダからの可用性についてチェックし、これらのプロバイダのうちの一つからの供給がユーザーに受け入れ可能であるかどうかを任意に確認する。ステップS2108において、ホーム環境サーバは、ユーザーの登録支払詳細をデータ記憶装置から抽出して、それらを認証する。利用できる有効な支払方法がない場合、ホーム環境は、ユーザーが安全な(すなわち、暗号化された)接続を介して新しい詳細情報を入力するようにリクエストしてもよい。有効な支払方法が利用できる場合、ステップS2110において、ホーム環境サーバは、適切なサードパーティの支払プロバイダに、ユーザーのアカウントから送金するようリクエストする。最後に、S2112において、ホーム環境サーバは、好適なプロバイダに対してアイテムの発注を行い、必要に応じてユーザーの配送アドレスまたはIPアドレスを与え、好適なプロバイダのアカウントに適切な支払いを送金する。
【0074】
このように、商取引は特に小売店に限られるものではない。同様に、もし店舗内でディスプレイされている商品やサービスの好適なプロバイダが、小売店のオーナーであると設定されているのであれば、自身の商取引アプリケーションを提供する必要はない。商品またはサービスがデジタル処理で提供することができるところでは、任意に、好適なプロバイダから直接ダウンロードするか、またはホーム環境サーバ2010を介してダウンロードされる。
【0075】
上記のパブリック・ゾーンに加えて、個々のユーザーに私有のゾーンがあり、これは個々のユーザーによってのみアクセス可能であるか、あるいはそのユーザーからの招待によってアクセス可能にしてもよい。これらのゾーンもまた、共同利用のロビーエリアからの出口があるが、アバターが入ると(あるいはマップ・スクリーンを介して選択されると)、ユーザー専用のそれぞれのバージョンのゾーンをロードする。
【0076】
図8aを参照すると、これらのゾーンの第一のものは、アパート・ゾーン1050である。本発明の実施例において、これはユーザーがカスタマイズできるゾーンであって、ここでは、壁紙、フローリング、絵画、家具、外の風景および照明のようなフィーチャー1052について選択や配置できる。家具の中には、機能的にPS3にリンクする機能的家具1054がある。例えば、アパート1050にはテレビが配置されており、ここでいくつかのストリームされたビデオ放送、またはPS3のHDD400または光学ディスク440に格納されたメディアのうちの一つを見ることができる。同様に、インターネット・ラジオ・ストリームに対する予め選択されたリンクを含む、ラジオまたはハイファイを選択することが可能である。さらに、ユーザーの作品や写真を、壁掛けおよび絵画の形で、部屋の中にインポートすることができる。
【0077】
任意に、ユーザー(図8aにおいて、アバター1056により描写される)は、より大きいアパート、および/または、より大きいテレビ、ビリヤード台または自動化された非プレイヤーアバター等の追加的商品を購入できる。他の考えられるアイテムとしては、ジム、スイミングプール、またはディスコエリアなどがある。これらの後者の場合、追加的なキャラクタ機能性を提供するための付加的制御用ソフトウェアまたはコンフィギュレーション・ライブラリを、APIを介してホーム環境と統合させる。これは、上記に記した商業ゾーンおよびデベロッパー/パブリッシャーゾーン1030、1040に対して説明されたものと同様な方法での統合である。
【0078】
このような購入は、ホーム環境サーバに登録されたクレジットカード詳細を使用して行うことができる。支払と引き換えに、サーバは、関連するアイテムがユーザーのアパート内で使用できるようにロック解除する承認キーをダウンロードする。あるいは、アイテムに対応づけられた三次元モデル、テクスチャ、およびいかなるソフトウェアもまた、ホーム環境サーバまたは認可されたサードパーティのサーバからダウンロードすることが可能であり、さらにまた任意に承認キーと対応づけてもよい。例えば、このキーは、PS3 10のファームウェア・デジタルシリアル番号との対応付けを必要とし、これによって未承認の配信を防止する。
【0079】
ユーザーのアパートは、それぞれのユーザーから招待によってのみ他人がアクセスできる。この招待は、友人リスト内からの特定の友人に対する継続招待という形式をとってもよいし、別のユーザーに与えたシングルセッションパスの形式をとってもよく、ユーザーが現在のホーム環境にとどまっている間のみ有効である。このような招待は、ホーム環境サーバ2010により維持される対応関係の形式をとってもよく、または、招待された者としてのステータスの再確認を可能とするピア・ツー・ピアベースでPS3装置間に供給されるデジタルキーの形式をとってもよい。
【0080】
本発明の実施例において、招待されたユーザーは、アパートのユーザーがアパート内にいるときにのみアパートに入ることが可能であり、アパートのユーザーがそこからいなくなると、自動的にロビーに戻される。一方、アパート内では、そこに存在する関係者(ユーザーと位置データの両方)間のすべてのコミュニケーションは単にピア・ツー・ピアである。
【0081】
アパート内においてはまた、ユーザーに対し、作品、スライドショー、招待した客と一緒の音声またはビデオ等、自家製コンテンツを共有する機会を提供し、また、パブリック・ゾーン内の他のユーザーから予想される介入を受けずに友人とやりとりする機会を提供する。
【0082】
招待客がユーザーのアパートに入る際、部屋の構成およびその中の備品は、各々のオブジェクトおよび位置データに対するIDコードを使用して、出席者間のピア・ツー・ピア方式で送信される。ユーザーとゲストの間で部屋またはアイテムが共通に保持されていない場合、ゲストのPS3上でそれを実現するために必要とされるモデル、テクスチャ、および任意のコードもまた、ユーザーがアパート内におり、ユーザーとゲストがこのセッションでオンラインにいる間にのみ使用されるような、一回のみ使用するキーまたは同様の制約とともに、送信することが可能である。
【0083】
図8bを参照すると、同様に招待によってのみアクセスできるさらに別のプライベートスペースは、ユーザーのトロフィ・ルーム1060である。トロフィ・ルーム1060は、ゲームプレイの間に獲得したトロフィ1062を表示できるスペースを提供する。
【0084】
例えば、あるサードパーティ・ゲームは、魔法のクリスタルを探し出すことから構成される。もしプレイヤーがうまくクリスタルを見つけた場合は、サードパーティ・ゲームはこれをトロフィ・ルーム1060用に指名し、トロフィ・ルーム1060をロードする際にホーム環境ソフトウェアによってアクセスされるファイル領域に、このクリスタルを表す三次元モデルとテクスチャを配置する。ホーム環境を実現しているソフトウェアは、トロフィ・ルーム内でこのクリスタルをトロフィとして描写できる。
【0085】
ユーザーのトロフィ・ルームを見せようと関係者が招待されると、一時的にトロフィを見るために必要とされるモデルおよびテクスチャが、ユーザーのPS3から他の関係者のPS3までピア・ツー・ピアベースで送信される。これは、トロフィ・ルームに入るということを予想して、最初の招待の後のバックグラウンド・アクティビティとして実行することが可能であり、あるいは、関係者が、接続トンネル/控室に入るとき、あるいは、マップ・スクリーンからユーザーがトロフィ・ルームを選択するときに実行してもよい。任意に、別の関係者もまたそのトロフィを持っている場合、その関係者が訪問しているユーザーから該当するトロフィはダウンロードしない。したがって、本発明の実施例において、各トロフィは、識別コードを備える。
【0086】
代わりに、またはそれに加えて、トロフィ・ルームは、グループのメンバー、あるいは、いわゆる「クラン」と呼ばれるものの間で共有され、クランのいずれかのメンバーにより獲得されたトロフィが、ピア・ツー・ピアベースで、そのクランの他のメンバーへと送信されるようにする。したがって、クランの全てのメンバーは、トロフィの共通のセットを見ることになる。
【0087】
代わりに、またはそれに加えて、ユーザーは、ホーム環境のすべてのメンバーに対して継続招待にすることが可能であり、これにより誰もがトロフィ・ルームを訪問できる。商業ゾーンおよびデベロッパー/パブリッシャーゾーンと同様に、例えば、プライベート、グループベース、およびパブリックのトロフィ・ルーム等、複数の部屋が実現可能である。上記のように、ホーム環境内でのポップアップメニューや標識からの選択によって、あるいは、アバターのところまで歩み寄って関連するユーザーを識別し、ロビーからのトロフィ・ルームへの出口を使うことでそのユーザーの(パブリックの)トロフィ・ルームに入ることを選択することによって、これらの複数の部屋を管理することができる。
【0088】
代わりに、またはそれに加えて、パブリック・トロフィ・ルームを提供できる。この部屋は、最も多くのトロフィを有する、またはトロフィ値スコアリング・スキームによると最もよい総合点を有するその人のトロフィを、ホーム環境の現在のインスタンス内で表示するものでよい。あるいは、集約されたトロフィ・ルームであってもよく、そのホーム環境のインスタンスにおいて、ユーザーのIDとともに、何人かのユーザーあるいはすべてのユーザーからの最高のトロフィまたはトロフィのセレクションを見せるものでもよい。このように、例えば、ユーザーは、苦労したゲームからのトロフィを見つけて、そのホーム環境にいる誰がそれを獲得したかを識別し、その人のところに出向いてどのようにしてそれを獲得したかについて話をすることができる。あるいは、パブリック・トロフィ・ルームは、複数のホーム環境に亘る中で最高のトロフィを備えるようにしてもよく、地理的なグループ、ある特定の年齢のグループ、またはある特定のゲームグループ内の、あるいは世界的に見て最高のゲーム参加者を識別する。代わりに、またはそれに加えて、ベストスコアのゲーム参加者のリーダーボードを提供し、ライブで更新することも可能である。
【0089】
場合によっては、それぞれが付加的な三次元モデル、テクスチャおよび制御ソフトを備えた、非常にたくさんのサードパーティ・ゾーンが追加的に利用可能になる可能性がある。結果として、HDD400上のかなりの量のスペースは、ホーム環境ゾーンによって占められることになる。
【0090】
従って、本発明の実施例においては、ユーザーのホーム環境に現在対応づけられているサードパーティ・ゾーンの数を制限することが可能である。第一の例として、既存のものが削除されるまでは別のサードパーティ・ゾーンが追加されないように、最大メモリアロケーションが使用可能である。代わりに、またはそれに加えて、サードパーティ・ゾーンは、地理的関連性またはユーザーの興味(ホーム環境への登録時または後日にサーバ2010とのインターフェースを介して申告されたもの)によって制限するようにし、これらの基準によりユーザーと関連するサードパーティ・ゾーンのみがダウンロードされるようにしてもよい。このようなシステムの下で、新しいサードパーティ・ゾーンが利用可能になった場合、上記の基準によってユーザーに対する関連性が評価され、現在格納されている少なくとも一つのゾーンよりも関連性が高い場合には、ユーザーのPS3上に格納されている現在関連性が最も低いサードパーティ・ゾーンと入れ換える。
【0091】
関連性を判断する他の基準は、指名された友人の興味やインストールされたゾーン、あるいは、ユーザーのPS3上で実行されたゲームや他のメディアに対するゾーンの関連性を含む。
【0092】
ダウンロードまたはディスクのいずれかにより、ユーザーが明確にゾーンをインストールするかどうかによって更なるゾーンが認められる。
【0093】
上記のように、ホーム環境内において、ユーザーはアバターにより表示される。ホーム環境を実現しているソフトウェアは、ユーザーのアパートをカスタマイズする方法と同様の方法で、予め設定されたオプションの選択により、ユーザーのアバターのカスタマイズを可能にする。ユーザーは、性別および肌の色を選び、それぞれに利用可能なオプションを組み合わせて、顔の表情および髪の毛をカスタマイズすることができる。ユーザーは、また、広範囲に亘る衣類から選択ができる。この機能をサポートするために、広範囲にわたるアバター用の三次元モデルおよびテクスチャが提供される。本発明の実施例において、ユーザーは、衣類の上に表示するための自分自身のテクスチャをインポートすることができる。一般的に、各アバターの外観を定義しているパラメータは約40バイトしか占めないので、住民のいるホーム環境につなぐときにホームサーバを介して迅速に配布できる。
【0094】
ホーム環境にいる各アバターは、アバター上のバブル内に表示されるユーザーIDまたはニックネームにより識別される。バブルが拡がってしまうことを制限するために、アバターが含むテキストが容易に読みとれるほどアバターが近付いたとき、あるいは、アバターが対話できるほど近いとき、およびまたは、ユーザーの視点の中心に近いとき、バブルはビューの中へ消えていく。
【0095】
アバターは、従来からあるサードパーティ・ゲーム方式(例えば、ゲーム・コントローラ751を使用するなど)でユーザーにより制御され、ホーム環境を歩き回れるようになっている。アバターの行為のいくつかには前後関係がある。従って、例えば、座る、というオプションは、アバターが座席近くにいるときのみ利用可能となる。他のアバターの行為、例えば選択された感情やジェスチャの表現、あるいは、なんらかのコミュニケーション・オプションなどは、いつでも利用可能である。アバターの行動は、ゲーム・コントローラ751を使用することにより決定され、動作等のアクションに対して直接、あるいは、ゲーム・コントローラ751上の適切なキーを押すことにより呼び出されるポップアップメニューを介して、アクションの選択をすることによって決定される。
【0096】
このようなメニューを介して利用できるオプションはさらに、アバターの外観および衣類の更なる変更、感情、ジェスチャおよび動作の選択を含む。例えば、ユーザーがホーム環境内で知っている誰かに会ったときに、ユーザーは、アバターが笑ったり、手を振ったり、上下にジャンプしたりすることを選択できる。
【0097】
ユーザーはまた、テキストまたは音声を使用するアバターを介して、互いにコミュニケーションをとることができる。
【0098】
本発明の実施例で、テキストによって対話をするために、必要に応じてその名前のバブルと入れ換えて、対応するアバター上のポップアップ・バブルにメッセージが現れる。
【0099】
ここで図9を参照すると、メッセージを作成するために、ユーザーは、予め設定された一定の範囲のメッセージが設けられているポップアップメニュー1070を起動させることができる。これらは、完全なメッセージであってもよいが、代わりにまたはそれに加えて、入れ子構造のメニューという形をとってもよい。このナビゲーションは、選択されたオプションを連結することによって、メッセージを生成する。
【0100】
代わりに、またはこれに加えて、仮想キーボードを表示することも可能であり、ゲーム・コントローラ751を用いたナビゲーションによって、テキストを自由に生成できるようにしてもよい。もし実際のキーボード753を、ブルートゥースを介して接続するのであれば、その時のテキストは、バブル内に直接タイプすることができる。
【0101】
本発明の実施例において、ロビーもまた、ホーム環境サーバがホストとしてチャット・チャンネルを提供できる。これによって、従来のチャット機能を可能にする。
【0102】
音声によってコミュニケーションをとるためには、ユーザーは、ブルートゥース・ヘッドセット757等の利用可能なマイクを持っている必要がある。本発明の実施例においては、ゲーム・コントローラ751上のボタンを押すことによって、音声オプションを選択することにより、または、ホーム環境を実現しているソフトウェア内の音声アクティビティ検出器を用いて、ホーム環境内でユーザーが話すことができる。話すときに、音声アイコンがアバターの頭上に現れ、例えば、必要に応じて音量設定を調節するように他のユーザーに注意を喚起する。
【0103】
音声は、ユーザーのPS3がサンプルをとり、Code Excited Linear Prediction(CELP)コーデック(または他の周知のVoIP適用のコーデック)を使用してコード化されて、(ユーザーのアバターを囲んでいる仮想環境内で、予め設定された領域の範囲内に任意に提供された)8人の最も近いアバターにピア・ツー・ピア方式で送信される。8人よりも多い他のアバターが予め設定された領域の範囲内にいる場合、音声を受信した一つまたは複数のPS3は、領域内にいる、その音声を受信しなかったそれぞれユーザーアバターを有する他のPS3に対して、アドホック方式でその音声を転送する。本発明の実施例において、この機能を統合するために、PS3は、予め設定された領域内にアバターがいるすべてのPS3に対して音声フラグを送信し、関連する(話をしている)アバターの頭上に音声アイコンを配置できるようにし(ユーザーがより簡単に話し手を識別できるようにし)、また、PS3に対してその送信について通知できるようにする。各PS3は、アバターの相対位置から、どれが音声を受信しないかを判断することができ、仮想環境内で最も近いアバターであればどのアバターでも、そのPS3に対して音声を転送することを選ぶことができる。あるいは、その領域内のPS3は互いの接続を確認することが可能であり、その音声を受信しなかったPS3とのラグが最も低いものであればどのPS3であっても、音声を転送することができる。
【0104】
8人という数の制限は例示であり、実際の数は、音声圧縮率および利用可能な帯域幅というようなファクターに依存する。
【0105】
本発明の実施例において、このような音声はまた、携帯電話番号を指定した場合に、携帯電話ネットワークのような他のネットワークに中継できる。これは、ホーム環境サーバを介して携帯電話ネットワークのゲートウェイサーバに対して音声の経路設定をすることにより、あるいは、ユーザー自身の携帯電話に対してブルートゥース送信することにより実現可能である。後者の場合、携帯電話は、PS3とインターフェースをとりコールの経路設定するために、ミドルウェア(例えばJava(登録商標)アプレット)を必要とする。
【0106】
このように、ユーザーはホーム環境内で、ユーザーの電話を使って誰かとコンタクトをとることができる。似たような方法で、ユーザーはまた自分の携帯電話で誰かにテキスト・メッセージを送ることができる。
【0107】
音声に対するものと同様に、本発明の実施例において、ソニー(登録商標)アイトイ(登録商標)ビデオカメラが備えられているPS3のユーザーは、例えば、ホーム環境内のポップアップスクリーンを介して、またはホーム環境内のテレビや、アバターが手に持っているソニー(登録商標)プレイステーション・ポータブル(登録商標)(PSP)等の類似する装置を介して、ビデオチャットモードを使用可能である。この場合、オーディオ・コーデックに追加して、あるいはそれに代えて、ビデオ・コーデックが使用される。
【0108】
任意に、最近会話をした相手のユーザーのアバターをハイライトすることが可能であり、もっとも頻度高く話した人のアバターは、例えば、名前の隣のアイコンによって、またはアバターの周囲のグローレベルなどにより、もっと目立つようにハイライトすることが可能である。
【0109】
再度、図5を参照すると、ユーザーがPS3 10上のホーム環境を起動させることを選択すると、ローカルに格納されたソフトウェアがホーム環境のグラフィック表示を生成し、複数のオンラインホーム環境2021、2022、2023、2024の一つにユーザーを割り当てるホーム環境サーバ2010に接続する。明確化のため、4つのホーム環境のみを示す。
【0110】
場合によっては、数万人もの多くのユーザーが一度にオンライン状態になる可能性があることが考えられる。結果として、超過密状態を防ぐため、ホーム環境サーバ2010は、数多くの別々のオンラインホーム環境をサポートする。同様に、例えば異なる国々において、多くの別々のホーム環境サーバが存在してもよい。
【0111】
一旦、あるホーム環境のあるインスタンスに割り当てられると、PS3はまず、アバターの外観に関する情報をアップロードする。その後、継続状態で、自身のアバターの位置データをホーム環境サーバに対して供給し、ホーム環境サーバから、そのオンラインホーム環境内の他のアバターの位置データを受信する。実際は、この位置アップデートは、帯域幅を制限するために定期的(例えば2秒ごと)であるので、他のPS3は動作を補間しなければならない。このようなキャラクタ動作の補間は、オンラインゲームでは周知である。さらに、各アップデートは、一連の位置を提供することが可能であり、(ある程度のタイムラグを伴った)動作の反復を改善し、あるいは、現行の動作の外挿を改善する。
【0112】
さらに、ホーム環境2024内の他のPS3、2131、2032、2033のIPアドレスは共有されており、前記アドレス間で音声のような他のデータをピア・ツー・ピア方式で送信することが可能である。それによって、ホーム環境サーバにより処理されるデータに必要な帯域幅を減らすことができる。
【0113】
ホーム環境内が過密状態になることを防ぐために、それぞれのホーム環境は、例えば、最大数64ユーザーをサポートするようにする。
【0114】
ユーザーが接続するホーム環境を選択するときは、いくつかのファクターを考慮することが可能であり、それぞれはPS3により供給されるか、およびまたは登録プロセスを介してホーム環境サーバに知らされているか、のいずれかにである。これらのファクターは、以下を含むがこれに限定されるものではない。
i. PS3の地理的位置。
ii. ユーザーが好む言語。
iii. ユーザーの年齢。
iv. 現在のユーザーの「友人リスト」内のいずれかのユーザーがある特定のホーム環境にすでに存在するかどうか。
v.ユーザーのPS3内に現在あるゲームディスクは何であるか。
vi. ユーザーのPS3上で最近プレイされたゲームは何であるか。
【0115】
このように、例えば、スイスのティーンエイジャーが、最高ユーザー年齢は16で、主たる言語はフランス語ということで、スイスのサーバ上のホーム環境に接続する。他の例では、PS3に搭載された「レボリューション」のコピーを持っているユーザーは、他のユーザーの多くが、現在同じゲームを搭載しているホーム環境に接続をし、それによって、マルチプレイヤーゲームの編成を容易に行うことができる。後者の場合、PS3 10は、BD−ROM430 内にロードされたゲームを検出し、ホーム環境サーバ2010に知らせる。それに従い、サーバはホーム環境を選択する。
【0116】
さらに別の例において、ユーザーは、その友人リストで識別される三人のユーザーがいるホーム環境に接続される。この後者の例において、友人リストとは、あるユーザーが定期的に会いたいと思っている他のユーザーから受信したユーザー名および任意にIPアドレスのリストである。異なるグループの友人が、異なるホーム環境サーバに配置されている場合(例えば現行ユーザーのみが両方のセットに共通の友人である場合)、そのユーザーは、最も友人が多い方のサーバに接続されるか、あるいは、選択するオプションを与えられる。
【0117】
逆に、ユーザーは、その環境に加わる一人または複数の友人を招待して、ホーム環境間で切り替えを行い、その友人と合流してもよい。この場合、ユーザーは、ポップアップメニューまたはホーム環境から(例えば壁紙上のスクリーンまたは情報ブースを介して)、友人リストを見ることが可能であり、誰がオンライン状態かを判断できる。ユーザーは、その後、ピア・ツー・ピア接続を使用して、または、友人がホーム環境内にいる、もしくはIPアドレスを知らない場合は、ホーム環境サーバを介して、友人に招待状を送信できる。その後、この友人は、参加の招待を受け入れるか、あるいは断ることができる。
【0118】
招待を容易にするために、一般的に、ホーム環境サーバは、特定のホーム環境に対して最大サポート人数よりも少ないユーザーを割当て、それによって、このような追加的なユーザー招待の割当てができるようにする。このいわゆる「ソフト・リミット」は、例えば、処理能力の90%であって、例えば、人々がオンラインで友人と出会う機会が多くなる夕方や週末に変化するように順応可能であってもよい。
【0119】
本発明の実施例において、数人の友人が同じホーム環境内にいる場合には、マップ上の名前を表示することによって、あるいはサイドバー上のゾーン名に対応づけることにより、それらの友人が現在いるゾーンをマップスクリーンに強調表示してもよい。
【0120】
ここで図10も参照すると、さらに、ゲーム・コントローラ751を使って呼び出し画面上にポップアップすることができる仮想のソニー(登録商標)プレイステーション・ポータブル(登録商標)(PSP)エンタテインメント装置1072を使用することにより、ホーム環境の優先傾向、設定、機能、および任意に他の機能性を見たり、調整したり、アクセスすることができる。そしてユーザーは、仮想PSP上の表示されたPSPクロスメディア・バー1074を介して、これらのオプション、設定、および機能性にアクセスすることができる。上記のように、PSPはまた、ビデオ・チャットのためのインターフェースとして使用可能である。
【0121】
本発明の実施例において、ユーザーがホーム環境を離れたいときは、ゲーム・コントローラ751上の適切なキーを選択する、ポップアップメニューから終了オプションを選択する、マップ・スクリーン内から終了を選択する、仮想PSPを介したオプションを選択する、または、ロビー・ゾーン内の主出口を歩いて通り抜けることによって、離れることができる。
【0122】
一般的に、ホーム環境から出ると、PS3 10は、PS3クロスメディア・バーへと戻ることになる。
【0123】
最後に、ホーム環境ソフトウェアを基礎として、独立してPS3クロスメディア・バーからアクセス可能な、付加的な別の環境を想定できることはいうまでもない。例えば、スーパーマーケットは、ホーム環境サーバによる方式と同様の方式でサポートされる、スーパーマーケット環境を提供できる無料のディスクを供与できる。選択の際、ユーザーのアバターは、スーパーマーケットの仮想演出(棚に応用された三次元モデルまたはテクスチャ)内に表示された商品をブラウズし、上記のように購入するために商品をクリックすることができる。このようにして、小売業者は自身のユーザーベースで、オンライン・ショッピング機能を提供し更新できる。
【0124】
ここで図11を参照すると、本発明の実施例において、オンラインシステムは、ホーム環境サーバ2010と連結しているユーザーのPS3 10と、複数の他のユーザーのPS3である2031、2032、2033を備え、これらの他のユーザーのPS3のすべてはともに、ホーム環境2024の、あるインスタンスとやりとりをしている。例えば、図11において、エンタテインメント装置2032の他のユーザーの一人が、Tシャツ用のテクスチャとしてある画像をインポートすることにより、その画像を有するTシャツを着るように自分のアバターをカスタマイズしたとする。上記のように、あるPS3がそのホーム環境のインスタンスに割り当てられる際、最初にそのPS3のユーザーのアバターの外見に関する情報をサーバ2010にアップロードする。このようにアバターがカスタマイズされた場合、アバターは、いかなるカスタマイズで使用されるテクスチャであってもそれを組み込むことができる。本実施例において、これは、Tシャツに適用されたテクスチャとする。このテクスチャは、ホーム環境の同じインスタンス内にいる他のPS3にサーバによって配信される。これによって、関連するユーザーのアバターをそれぞれのディスプレイ上で環境内に描写する際に、他の残りのユーザーは、そのテクスチャを見ることができる。もうひとつの方法として、ピア・ツー・ピアリンク2040を介して、テクスチャを配信することも可能である。
【0125】
例示の目的で、上記の場合に、他のユーザーが、誹謗中傷を伴った画像を見せるように自分たちのアバターのTシャツをカスタマイズしたとする。このような行動は、(タイプで打たれた対話での誹謗中傷を伴った言語とは異なり)自動的に検出することは困難なので、あたかもなんらかの別のカスタマイズであるかのように配信されてしまう可能性がある。しかしながら、第一のPS3 10のユーザーがホーム環境内で、このカスタマイズされたアバターに遭遇したときに、そのユーザーは、アバターのTシャツ上の画像が誹謗中傷を伴うことに気づく。これに対して、このユーザーは、例えばテキスト・バブルを使って、カスタマイズされたアバターに対し、その画像を取り除いてほしいということを伝える。それに応答して、このカスタマイズされた画像のユーザーは、上記のピア・ツー・ピア対話機能を使って、この第一のPS3 10のユーザーに対して口汚く罵ったとする。
【0126】
本発明の実施例においては、この第一のPS3 10のユーザーは、そのゲーム・コントローラ751上に割り当てられたボタンを押すことが可能であり、それによってグリーフレポート処理が引き起こされる。または、このボタンによってグリーフレポート処理へのアクセスを可能とするメニューを立ち上げることもできる。
【0127】
先行技術のシステムにあるように、ユーザーは、自分の意見に従ってハプニングの詳細を含めることができるフォームを提供されている。ゾーン内にいるすべてのアバター、あるいは仮想環境内のユーザー自身の位置からある一定の半径内にいるアバター、およびまたは(まだそのゾーン内にいるかどうかにかかわらず)ユーザーが最近対話をしたユーザーのすべてのアバターのエイリアスを提供することによって、自動的にこのフォームを補助することができる。これによって、ユーザーによる、さらに正確なレポーティングが可能となる。このエイリアスのリストは、アルファベット順、対話時間、または、近接性など、さまざまな方法でソートすることができる。
【0128】
しかしながら、上記の例示におけるフォームでは、そのユーザーが行っている告発を立証することができない。というのは、ホーム環境の管理者がグリーフレポートについて調べる時までに、Tシャツのデザインを検証できなくなっている可能性があるからである。また、もちろんピア・ツー・ピアのチャットはホーム環境サーバを完全にバイパスするものであり、管理者が独自に検証することできない。
【0129】
結果として、本発明の実施例において、グリーフレポーティングシステムは、他のユーザーから発信されたコンテンツであって、ホーム環境サーバを介してまたはピア・ツー・ピア接続を介して受信されたコンテンツに対して、仮想環境の鑑識捜査(forensic sweep)を行い、このコンテンツまたはその証拠を照合して、拡張グリーフレポートとする。
【0130】
この鑑識捜査(forensic sweep)は、いくつかの形式をとることができる。実施例の一つにおいて、グリーフレポートを起こすためにボタンを押す際(あるいはグリーフレポートへのアクセスを許可するメニューを呼び出す際)、PS3は、自身の仮想環境描写の現状をフリーズし、レポートを開始したユーザーの概念上の視点あるいは位置を基準として、仮想環境についての実質的に360度横方向スナップショットを生成する。これによって、ユーザーがレポートを作成する前に誹謗中傷を伴った画像から目を離してしまう、あるいは、相手のユーザーのアバターが左か右に歩いて視界から出て行ってしまう、という可能性があっても釈明をすることができる。任意に、このスナップショットに透かしを入れ、タイムスタンプと、ユーザーIDやPS3のシリアル番号等の他の詳細を組み込むことにより、なりすましによるレポートを制限する。そのようなスナップショットの視野は、その環境、または、その環境管理者の好みによって変化する。例えば、レポーティングをしているユーザーの位置を概ね中心とした半球画像であってもよいし、あるいは、例えばユーザーが環境内において、概念上の地表よりも上部にいるのであれば球状画像であってもよい。一般的に、このスナップショットは、ユーザー発信のコンテンツが、ユーザーの位置から見える方向であればいかなる方向でも網羅する。より簡単な実施例においては、ユーザーがレポートを開始した時点でそのユーザーが見ている表示のスクリーンショットを使用してもよい。
【0131】
これに代えてまたはこれに加えて、PS3は、上記のように他のユーザーが発信したすべてのコンテンツを識別し、かつ、そのホーム環境のオンラインセッションにおいて使用するためにPS3により一時的に格納されるコンテンツを識別する。不必要な相手が関わらないように、そして、管理者が検討するデータ量を制限するために、任意に、ユーザーからの所定半径内にいるアバターまたはオブジェクトに関連するコンテンツのみを識別する。これは、ユーザーは、素早く苦情を報告するものであり、ある一定の距離が離れたアイテムは見ることができないので苦情のもとである可能性が低いという前提にもとづく。
【0132】
これに代えてまたはこれに加えて、PS3は、他のユーザーから発信されたコンテンツであって、グリーフレポートが引き起こされる時点までの時間帯にユーザーが遭遇した、すべてのコンテンツを追跡する。例えば、レポートが起こされる前の三分間(あるいは、なんらかの別の時間帯)内に、ユーザーからのある特定の距離の範囲に入ったユーザー発信のコンテンツを追跡する。これはまた、それまでに遭遇したもののうち最後のN個のユーザー発信アセット、として実現できる。ここでNは、経験的に決定した数である。いずれかの場合において、このような追跡データは、PS3のローリング・バッファに保持することが可能であり、この識別されたコンテンツ、あるいはアセットは、グリーフレポートの一部として含めるために、PS3のメモリまたは記憶装置から照合される。
【0133】
本発明の一実施例において、そのユーザー発信コンテンツがホーム環境サーバから配信される場合、レポートのアップロードファイルサイズを縮小するために、グリーフレポートにはコンテンツ識別子のみが組み込まれる。識別されたコンテンツは、ホーム環境サーバにより受信されると、管理者がそのレポートを検討できるまでサーバにより保持される。このようなコンテンツ識別子は、ホーム環境サーバによって転送される際にユーザー発信コンテンツに添付してもよく、また、ソースユーザーやマシンについての詳細、およびまたはセッションやインスタンスの詳細を含んでもよい。
【0134】
これに代えてあるいはこれに加えて、PS3は、そのHDD400上に環状バッファ用のスペースを取っておくことができる。このスペースに対し、ユーザーのディスプレイとスピーカーに送られた出力の記録をすることができる。このオーディオ・ビデオ記録は、例えば、レポート処理の起動前の最後の3分間のプレイを示すものであってよく、この記録は一旦レポートが引き起こされれば中止される。任意に、この記録に透かしを入れ、タイムスタンプと、ユーザーIDやPS3のシリアル番号等の他の詳細を組み込むことにより、なりすましによるレポートを制限する。任意に、この記録は元々表示された画像よりも解像度を低くする。
【0135】
このような記録は、ピア・ツー・ピアの音声リンクにより配信されたものなどのように一過性の誹謗を取り込み、なんらかの誹謗状況に対して、報告をしているユーザーが、どの程度までその原因になっているか、または、誹謗中傷をしていると嫌疑をかけられた者を弁護するための、なんらかの他の緩和要素を決定する手助けとなる。任意に、報告をしているユーザーは、ビデオを検討し、送信用に関連する部分のみを選択することができる。環状バッファは、いかなる構成の記憶領域であってもよく、前のデータは、最終的には、進行しながら後のデータによって上書きされる。
【0136】
同様に、そのような環状バッファ内にオーディオのみを代わりに記録してもよい。この場合は一般的に、同様の対象時間に対して、より小さい環状バッファで事足りる。
【0137】
いずれかの場合において、報告をしているユーザーのPS3が受信し、そのユーザーにより聞かれる音声内に含まれるオーディオストリームは、別途記録されることが好ましく、およびまたは、その音声の発信者を識別するデータに対応していることが好ましい。
【0138】
これに代えてまたはこれに加えて、そのユーザーのチャットログの全体コピーあるいは部分コピー(例えば、そのユーザーが関与しているテキストチャットの記録)をレポートに含めることができる。
【0139】
ユーザーがグリーフレポートを完成しサブミットすることを決めた場合、上記に記載された一つまたは複数の実施例内で照合された証拠がレポート内に組み込まれ、ホーム環境サーバに送信され、ここで、管理者によって検討されるのを待つ。
【0140】
このグリーフレポートは、以下から成るリストから一項目または複数項目を、自動的に組み込むことができる。
【0141】
i.日付およびタイムスタンプ、
ii.ゾーンおよびインスタンス識別データ、
iii.報告をしているユーザーが関与するテキスト通信のログ、
iv.PS3のIPアドレスデータ(グリーフレポートを作成しているユーザー用、および任意に、ホーム環境内でそのユーザーの所定半径内にいる一つまたは複数のアバターのPS3、あるいはそのユーザーとのピア・ツー・ピア接続がアクティブである、または最近アクティブであったPS3)、
v.PS3のハードウェア識別データ、
vi.報告をしているユーザーの近接部分を含むゾーン内の他のすべてのユーザー用の識別データと、任意に、そのレポートより前の所定期間内に、報告をしているユーザーのゾーンを去った他のユーザー用の識別データ、
vii.そのレポートより前の所定期間内に、報告をしているユーザーがやりとりをした他のユーザー用の識別データ、
viii.ユーザー識別データ、
ix.ユーザーの言語嗜好データ、および
x.ユーザーアバターの外見のデータ、およびまたは、ユーザーのプロファイルデータ(これは、誹謗中傷が宗教的または人種差別的意図があるかどうかを判断する際に関係する)。
【0142】
ユーザーのゲーム・コントローラ751上に割り当てられたボタンは、「パニック・ボタン」と呼ばれ、本発明の一実施例においては、オンライン環境の現在の視野を不明瞭なものにし(例えば、ぼやかし)、およびまたはメニュースクリーンに置き換える。これによって、いかなる誹謗中傷を伴ったマテリアルでもすばやく視界から取り除くことができる。任意に、ユーザーは、そのメニュー/レポート内にいる間は事実上、ホーム環境から一時停止状態にしてもよく、それによって、これ以上の音声や他のコミュニケーション(ポップアップウィンドウなど)の受信を防ぐこともできる。従って、ホーム環境サーバに対してそのユーザーらのPS3が送信した信号に応じて、それらのアバターは相手のユーザーの視界から消えるか、あるいは、「停止」等のメッセージがそれらのアバターの上に現れるようにしてもよい。
【0143】
パニック・ボタンにより呼び出されたメニューは、グリーフレポートをサブミットするオプションを提供する。任意に、ユーザーが現在の誹謗状態を回避することができるように、それほど極端ではない他のメカニズムを提供することも可能である。というのは、すべての事情がグリーフレポートのサブミットを正当化できるとは限らないからである。これらの他の手段には、ホーム環境におけるユーザー自身の描写において、相手のユーザーの音声を消すとか、無視するということを含んでもよい。それによって、相手のユーザーが使用するどの会話バブルにも、テキストが表示されず、およびまたはそのユーザーからはいかなる音声も伝えられず、およびまたはそのアバターに対するどんなカスタマイズも、ゲーム内デフォルトに置き換えられる。これによって、あるユーザーが、当事者以外のユーザーに影響を与えることなく、相手のユーザーの出力を事実上無視することができる。
【0144】
他のオプションは、ホーム環境内で別の場所へとランダムにテレポートすることである。これによって、誹謗的なユーザーを回避する(ランダムな選択によりユーザーがその現在位置の近くに戻って再配置されないようにチェックする)。これは、誹謗的なユーザーが誰かの動きを止めようとしている場合や、定常的に嫌がらせをしている場合に役に立つ。ランダムな配置の代わりに、ユーザーが、プライベートアパートメント・ゾーンへとテレポートできるようにしてもよいし、あるいは、選択ができるようにゾーンのリストを提供してもよい。
【0145】
他のオプションとしては、ホーム環境の異なるインスタンスへと、完全に切り換えることである。これは、もしユーザーが、ホーム環境のある特定のインスタンスの全体的なトーンや雰囲気を好まない場合に役立つ。任意に、現行のユーザーは、誹謗的なユーザーをブラックリスト化することができる。それによって、今後、この誹謗ユーザーを含むホーム環境のインスタンス内に、現行のユーザーが絶対に現れないようにする。このようなブラックリストは、ユーザーのエイリアス/デバイスIPアドレスデータを含み、ユーザーごとにホーム環境サーバによって保持されるか、あるいは、ログイン処理の一部としてユーザーのPS3から送信してもよい。
最後のオプションは、ホームから完全に離れ、PS3クロスメディア・バーに戻ることである。
本発明の一実施例において、グリーフレポート処理を故意に煩わしいものにすることも可能である。例えば、ユーザーに詳細事項をいくつかエンターするよう要求したり、進捗バーあるいは他の時間の引き延ばしを追加したりする。これにより、取るに足らない理由でグリーフレポートをサブミットする気をなくすことにつながる。
【0146】
グリーフレポーティング処理の間、管理者が効果的なレビューを容易に行えるようにするために、ドロップダウンメニューや他のオプション選択インターフェースを使って、レポーティングをするユーザーが報告している誹謗内容の性質をカテゴライズするようユーザーに要求してもよい。カテゴライズされる誹謗の種類には、ポルノやわいせつなマテリアルの使用、無礼な振る舞い、生々しく描いた暴力行為、年齢制限ゾーンにおける成人向けコンテンツ、憎悪発言、不法行為またはその促進もしくは容認、電話番号や電子メールアドレス等の個人情報のばらまき、スパミング、著作権侵害、あるいは、他のいかなる使用条件違反も含まれる。
【0147】
グリーフレポートティング処理の最後で確認画面が与えられ、グリーフレポートを要約し、その送信が完了したことを確認する。レポーティングを行ったユーザーに対し、管理者とのコンタクトを希望することができるかどうかを示すことも可能である。
【0148】
本発明の一実施例において、一旦グリーフレポートが完了したら、ユーザーに対しては、誹謗的状況を回避するために上記に概説したメカニズムを再度提供する。それによって、ユーザーは、レポーティング処理から抜けた後にその誹謗的状況に戻らなくて済む。
【0149】
ここで図12を参照すると、オンラインレポーティング方法は、
第一のステップにおいては、オンライン仮想環境に接続し(s10)およびユーザーに対して表示を行うためにその描写を生成し、
第二のステップにおいては、オンライン仮想環境内の他のユーザーの行為を表すデータを受信し(s20)、
第三のステップにおいては、同じオンライン仮想環境に居住する一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツを受信し(s30)、
第四のステップにおいては、レポーティング・イベントを起こし(s40)、
第五のステップにおいては、同じオンライン仮想環境に居住する一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツであって、レポーティング・イベントが起されたときにそのエンタテインメント装置に対して可用であったコンテンツを識別し(s50)、
第六のステップにおいては、同じオンライン仮想環境に居住する一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツを特定するレポートを、リモート装置に対して送信する(s60)。
【0150】
上記のステップは、かならずしもすべて記載された順序である必要はないことはいうまでもない。例えば、仮想環境の描写を作成する前に、カスタマイズ・コンテンツを受信してもよい。
【0151】
当業者であれば、上記に開示された装置のさまざまな実施例の作用に該当する、上記の方法をさまざまに変形させたものは本発明の範囲内であると考え、以下を含むがこれに限定されない。
【0152】
− ユーザーは、詳細についてそれ自体をフォームという手段でサブミットする。
【0153】
− コンテンツは、360度ビューを作成することによって収集される。
【0154】
− コンテンツは、報告の時点で、ユーザーの所定半径内のすべてのユーザー発信マテリアルとして識別される。
【0155】
− コンテンツは、報告より前の所定期間内でユーザーの所定半径内で遭遇したすべてのユーザー発信マテリアルとして識別される。
【0156】
− コンテンツは、ユーザーの体験記録を参照して集められる。
【0157】
− 適用可能な場合には、コンテンツ参照番号またはID番号を使って、このようなコンテンツを報告する。
【0158】
− コンテンツをサーバ(例えばホーム環境サーバ、または専用レポーティングサーバ)にアップロードすることによってこのようなコンテンツを報告する。
【0159】
− 相手のユーザーの音声を消す、あるいは、テレポーティングしてそのユーザーから離れる等、グリーフレポートの提出に代わる方法を提供する。
【0160】
本発明の実施例は、なんらかの適切な様式で実現されることはいうまでもない。特に、エンタテイメント装置またはサーバ内の一つまたは複数のプロセッサをソフトウェアで再構成することにより、実施例を実現することが含まれる。従って、従来からある均等な装置の既存の部品に対して必要とされる適応化は、コンピュータプログラム製品の形で実施される。このコンピュータプログラム製品は、プロセッサ実現可能な命令を備え、このような命令は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、ハードディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、または、これらまたは他の記憶媒体とのなんらかの組合せ等のデータキャリアに格納されている、あるいは、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、インターネット、または、これらまたは他のネットワークとの組合せ等のネットワーク上のデータ信号を介して送信される。または、ASCI(application specific integrated circuits、特定用途向け集積回路)またはFPGA(Field Programmable Gate Array、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)や、従来の均等装置を適用する際の使用に適する他の構成可能な回路等のハードウェアで実現してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンタテインメント装置であって、
各々がオンライン仮想環境とやりとりをしている一台または複数台のリモートエンタテインメント装置のユーザーに相当する一つまたは複数のアバターを備えたオンライン仮想環境の描写を、表示用に生成するよう構成されたディスプレイ生成部と、
該オンライン仮想環境内で他のユーザーの行為を描写するデータを受信するよう動作可能であり、かつ、該オンライン仮想環境とやりとりをする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツを受信するよう動作可能なネットワーク通信部と、
レポーティング・イベントを起こすためにユーザーにより動作可能な入力装置と、
一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときにエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するよう動作可能なコンテンツ識別部と、を備え、
前記ネットワーク通信部は、前記生成された情報を備えたレポートをリモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテイメント装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、ユーザーに提示されていた視野を概ね取り込んだスクリーンショットを生成するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項3】
請求項1に記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、仮想環境におけるユーザー視点を基準として概ね360度の横方向視野を生成するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときに仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときより前の所定時間内に、仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項6】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記エンタテインメント装置は、環状バッファを備え、かつ、前記エンタテインメント装置は、エンタテインメント装置のユーザーに対して表示された視野の映像を該環状バッファに記録し、該記録は、レポーティング・イベントが起こされたときに中断されるよう動作可能であり、
前記コンテンツ識別部は、該環状バッファ内の一部またはすべての映像をレポート内に組み込むよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項7】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記ネットワーク通信部は、一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツを備えたレポートをリモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項8】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記ネットワーク通信部は、元々リモート装置を介して配信された、一人または複数のユーザー発信のコンテンツに対するコンテンツ識別コードを備えるレポートを、該リモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項9】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記ネットワーク通信部は、
i.日付およびタイムスタンプ、
ii.ロケーションデータ、
iii.報告をしているユーザーが関与するテキスト通信のログ、
iv.エンタテインメント装置の識別データ、
v.コンテンツを発信したエンタテインメント装置の識別データ、
vi.エンタテインメント装置のハードウェア識別データ、
vii.報告をしているユーザーの識別データ、
viii.報告をしているユーザーのアバター外見データ、
ix.報告をしているユーザーのプロファイルデータ、および
x.他のユーザー識別データ、
から成るリストから選択される一項目または複数項目を備えたレポートを、リモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項10】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
ユーザーインターフェース生成部を備え、
前記ネットワーク通信部は、仮想環境の異なるインスタンスへと接続を切り換えるために、管理サーバにリクエストを送信するよう動作可能であり、
該インターフェース生成部は、仮想環境の異なるインスタンスへと切り換えをするためのオプションをエンタテインメント装置のユーザーに与えるユーザーインターフェースを作成することを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項11】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置は、
ユーザーが、レポーティング・イベントが起こされる前の状況に関して文書による詳細をサブミットすることができるレポートフォームを生成するよう動作可能なユーザーインターフェース生成部を備えることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項12】
オンラインレポーティング方法であって、
オンライン仮想環境に接続し、該オンライン仮想環境の描写を、ユーザーに対する表示用に生成するステップと、
該オンライン仮想環境内で他のユーザーの行為を表すデータを受信するステップと、
該オンライン仮想環境とやりとりをする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツを受信するステップと、
レポーティング・イベントを起こすステップと、
一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときにエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するステップと、
リモート装置に対して、前記生成された情報を備えたレポートを送信するステップと、
を備えることを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、ユーザーに提示されていた視野を概ね取り込んだスクリーンショットを生成するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、仮想環境におけるユーザーの位置を基準として概ね360度の横方向視野を生成するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項15】
請求項12から請求項14のいずれかに記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項16】
請求項12から請求項14のいずれかに記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときより前の所定時間内に、仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項17】
請求項12から請求項16のいずれかに記載の方法であって、
エンタテインメント装置のユーザーに対して表示された視野の映像を環状バッファに記録するステップであって、この記録はレポーティング・イベントが起こされたときに中断されるステップと、
該環状バッファ内の一部またはすべての映像を前記レポート内に組み込むステップと、
を備えることを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項18】
請求項12から請求項17のいずれか一つに記載の方法であって、
前記レポートを送信するステップは、元々リモート装置を介して配信された、一人または複数のユーザー発信のコンテンツに対するコンテンツ識別コードを備えるレポートを、該リモート装置に送信するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項19】
請求項12から請求項18のいずれか一つに記載の方法であって、
前記レポートを送信するステップは、
i.日付およびタイムスタンプ、
ii.ロケーションデータ、
iii.報告をしているユーザーが関与するテキスト通信のログ、
iv.エンタテインメント装置の識別データ、
v.コンテンツを発信したエンタテインメント装置の識別データ、
vi.エンタテインメント装置のハードウェア識別データ、
vii.報告をしているユーザーの識別データ、
viii.報告をしているユーザーのアバター外見データ、
ix.報告をしているユーザーのプロファイルデータ、および
x.他のユーザー識別データ、
から成るリストから選択される一項目または複数項目を送信することを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項20】
前記の方法の請求項に記載された各ステップを実現するためのコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項20のプログラムを備えたコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
エンタテインメント装置であって、
各々がオンライン仮想環境とやりとりをしている一台または複数台のリモートエンタテインメント装置のユーザーに相当する一つまたは複数のアバターを備えたオンライン仮想環境の描写を、表示用に生成するよう構成されたディスプレイ生成部と、
該オンライン仮想環境内で他のユーザーの行為を描写するデータを受信するよう動作可能であり、かつ、該オンライン仮想環境とやりとりをする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツを受信するよう動作可能なネットワーク通信部と、
レポーティング・イベントを起こすためにユーザーにより動作可能な入力装置と、
一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときにエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するよう動作可能なコンテンツ識別部と、を備え、
前記ネットワーク通信部は、前記生成された情報を備えたレポートをリモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテイメント装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、ユーザーに提示されていた視野を概ね取り込んだスクリーンショットを生成するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項3】
請求項1に記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、仮想環境におけるユーザー視点を基準として概ね360度の横方向視野を生成するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときに仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンタテインメント装置であって、
前記コンテンツ識別部は、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときより前の所定時間内に、仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項6】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記エンタテインメント装置は、環状バッファを備え、かつ、前記エンタテインメント装置は、エンタテインメント装置のユーザーに対して表示された視野の映像を該環状バッファに記録し、該記録は、レポーティング・イベントが起こされたときに中断されるよう動作可能であり、
前記コンテンツ識別部は、該環状バッファ内の一部またはすべての映像をレポート内に組み込むよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項7】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記ネットワーク通信部は、一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツを備えたレポートをリモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項8】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記ネットワーク通信部は、元々リモート装置を介して配信された、一人または複数のユーザー発信のコンテンツに対するコンテンツ識別コードを備えるレポートを、該リモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項9】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
前記ネットワーク通信部は、
i.日付およびタイムスタンプ、
ii.ロケーションデータ、
iii.報告をしているユーザーが関与するテキスト通信のログ、
iv.エンタテインメント装置の識別データ、
v.コンテンツを発信したエンタテインメント装置の識別データ、
vi.エンタテインメント装置のハードウェア識別データ、
vii.報告をしているユーザーの識別データ、
viii.報告をしているユーザーのアバター外見データ、
ix.報告をしているユーザーのプロファイルデータ、および
x.他のユーザー識別データ、
から成るリストから選択される一項目または複数項目を備えたレポートを、リモート装置に送信するよう動作可能であることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項10】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置であって、
ユーザーインターフェース生成部を備え、
前記ネットワーク通信部は、仮想環境の異なるインスタンスへと接続を切り換えるために、管理サーバにリクエストを送信するよう動作可能であり、
該インターフェース生成部は、仮想環境の異なるインスタンスへと切り換えをするためのオプションをエンタテインメント装置のユーザーに与えるユーザーインターフェースを作成することを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項11】
前記各項のいずれか一つに記載のエンタテインメント装置は、
ユーザーが、レポーティング・イベントが起こされる前の状況に関して文書による詳細をサブミットすることができるレポートフォームを生成するよう動作可能なユーザーインターフェース生成部を備えることを特徴とするエンタテインメント装置。
【請求項12】
オンラインレポーティング方法であって、
オンライン仮想環境に接続し、該オンライン仮想環境の描写を、ユーザーに対する表示用に生成するステップと、
該オンライン仮想環境内で他のユーザーの行為を表すデータを受信するステップと、
該オンライン仮想環境とやりとりをする一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数の他のユーザーから発信されたコンテンツを受信するステップと、
レポーティング・イベントを起こすステップと、
一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから発信されたコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときにエンタテイメント装置に対して可用であったコンテンツを示す情報を生成するステップと、
リモート装置に対して、前記生成された情報を備えたレポートを送信するステップと、
を備えることを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、ユーザーに提示されていた視野を概ね取り込んだスクリーンショットを生成するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、仮想環境におけるユーザーの位置を基準として概ね360度の横方向視野を生成するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項15】
請求項12から請求項14のいずれかに記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときに、仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項16】
請求項12から請求項14のいずれかに記載の方法であって、
前記コンテンツを識別するステップは、一台または複数台のリモートエンタテインメント装置の一人または複数のユーザーから受信したコンテンツであって、前記レポーティング・イベントが起こされたときより前の所定時間内に、仮想環境内のユーザーの位置から所定距離のところまでの仮想環境内で実体化されたすべてのコンテンツを照合するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項17】
請求項12から請求項16のいずれかに記載の方法であって、
エンタテインメント装置のユーザーに対して表示された視野の映像を環状バッファに記録するステップであって、この記録はレポーティング・イベントが起こされたときに中断されるステップと、
該環状バッファ内の一部またはすべての映像を前記レポート内に組み込むステップと、
を備えることを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項18】
請求項12から請求項17のいずれか一つに記載の方法であって、
前記レポートを送信するステップは、元々リモート装置を介して配信された、一人または複数のユーザー発信のコンテンツに対するコンテンツ識別コードを備えるレポートを、該リモート装置に送信するステップを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項19】
請求項12から請求項18のいずれか一つに記載の方法であって、
前記レポートを送信するステップは、
i.日付およびタイムスタンプ、
ii.ロケーションデータ、
iii.報告をしているユーザーが関与するテキスト通信のログ、
iv.エンタテインメント装置の識別データ、
v.コンテンツを発信したエンタテインメント装置の識別データ、
vi.エンタテインメント装置のハードウェア識別データ、
vii.報告をしているユーザーの識別データ、
viii.報告をしているユーザーのアバター外見データ、
ix.報告をしているユーザーのプロファイルデータ、および
x.他のユーザー識別データ、
から成るリストから選択される一項目または複数項目を送信することを含むことを特徴とするオンラインレポーティング方法。
【請求項20】
前記の方法の請求項に記載された各ステップを実現するためのコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項20のプログラムを備えたコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−48825(P2011−48825A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186771(P2010−186771)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【分割の表示】特願2010−527510(P2010−527510)の分割
【原出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(502070679)ソニー コンピュータ エンタテインメント ヨーロッパ リミテッド (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【分割の表示】特願2010−527510(P2010−527510)の分割
【原出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(502070679)ソニー コンピュータ エンタテインメント ヨーロッパ リミテッド (40)
【Fターム(参考)】
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