説明

オーガー充填装置

【課題】オーガースクリューを内装した円筒部の先端に設けた格子に対して大きな曲げ抵抗がかかって被充填物の吐き出しがスムースにいかない。
【解決手段】ファンネルの下部に、オーガースクリュー5を内装した円筒部6を設けると共に、前記円筒部6の下端に抵抗板8を設け、前記オーガースクリュー5を回転駆動する駆動装置を装備し、前記抵抗板8に、放射状の格子11を形成すると共に、この格子11に被充填物を抵抗板8の開口部9側に導くための傾斜面が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状の被充填物を包装袋に充填するオーガー充填装置に関し、より詳しくは、粉末を投入するファンネル(所謂、ホッパー)の下端部に、被充填物を送り出すオーガースクリューが配置された円筒形状の円筒部が取り付けられ、この円筒部の下端に、被充填物の通過を許容すると共に、被充填物の無用な落下を防止するオーガー充填装置の抵抗板の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
オーガー充填装置は、穀物粉等の被充填物を投入したファンネルの下部に円筒形状の円筒部を備え、ファンネル中心部にオーガー回転軸が軸支され、円筒部内にオーガースクリューが配置され、円筒部の下端部に粉状物が自然落下しないように、抵抗板が取り付けられている。
【0003】
従来の抵抗板の構造は、粉粒体が自然落下するのを防止するために、円形の枠部に、菊花のような放射状や碁盤目状に格子が形成され、この格子の抵抗により紛体の落下を抑制し、ボタ落ちを押さえている。しかし、実際のところ、抵抗板の抵抗が過大な割にはボタ落ち抑制の効果を発揮していない。つまり、格子の開口を大きくするとボタ落ちがしやすくなり、逆に小さくすると充填能力の減少や静電気の発生、ダマ化等の弊害が発生する。
【0004】
前記従来の抵抗板は、放射状の格子では中心部付近に比較的鋭角なV字形状の切れ込みができ、碁盤目状の格子では円形の枠部に近い周辺部に、他と比べて小さい扇形の開口部ができる。前記のようなV字形状の切れ込みや扇形の開口部に紛体が付着して目詰まりを起こしていた。
【0005】
そこで、特許文献1の抵抗板は、円形の枠部内に、同心の小円の曲線ブリッジを形成し、枠部と小円の曲線ブリッジとの間を放射状に格子で区切り、鋭角なV字形状の切れ込みや小さい扇形の開口部を無くすようにしている。
【特許文献1】特許第2728129号特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この特許文献1の抵抗板の問題点は、オーガースクリューを内装した円筒部の先端出口では被充填物の粉末は斜め螺旋形状に吐き出されているにもかかわらず、抵抗板の格子には同一水平面で鉛直方向の抵抗が働くことになり、格子に対する大きな曲げ抵抗となっている点である。
【0007】
本発明は、被充填物の吐き出し時には抵抗が軽く、オーガースクリュー停止時には被充填物がボタ落ちしにくいオーガー充填装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のオーガー充填装置は、ファンネル下部に、オーガースクリューを内装した円筒部を設けると共に、前記円筒部の下端に抵抗板を設け、前記オーガースクリューを回転駆動する駆動装置を装備した、オーガー充填装置であって、前記抵抗板に、格子を形成すると共に、この格子に被充填物を抵抗板の開口部側に導くための傾斜面が形成されている。
【0009】
本発明は上記構成により、被充填物は抵抗板の開口部からオーガースクリューの回転方向にスムースに吐き出されることとなり、吐き出す時には抵抗板の格子との抵抗が軽く、オーガースクリューの停止時には傾斜面によって被充填物のボタ落ちを少なくすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のオーガー充填装置は、被充填物の吐き出し時には抵抗が軽く、オーガースクリュー停止時には被充填物がボタ落ちしにくい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のオーガー充填装置の全体正面図
【図2】本発明のオーガー充填装置の部分拡大断面図
【図3】本発明のオーガー充填装置の抵抗板の平面図
【図4】本発明の抵抗板の使用状態の説明図
【図5】本発明の他の抵抗板の使用状態の説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本実施の形態について図面を用いて説明する。図1はオーガー充填装置の全体正面図である。この図において、1は、漏斗状のファンネルを示し、上部から被充填物が投入され、被充填物が貯留されている。このファンネル1の上部に駆動モータ(駆動装置)2が装備され、このモータ2の回転軸3にオーガー回転軸4が垂直方向に接続されている。
【0013】
前記オーガー回転軸4の下部延長部には、オーガースクリュー5を備えており、このオーガースクリュー5は円筒部6内に収納されている。図2に示すように、前記円筒部6の下端部には、抵抗板8が嵌め込まれている。この抵抗板8については、さらに詳細に後述する。
【0014】
前記のように、ファンネル1に被充填物が投入されて貯留されると、駆動モータ2が回転して、オーガー回転軸4を介してオーガースクリュー5が回転する。オーガースクリュー5が回転することにより、オーガースクリュー5の羽根によって、ファンネル1内の被充填物が円筒部6内を通過して下方に送られる。下方に移動した被充填物は抵抗板8の開口部9から包装袋10内に落下して充填される。
【0015】
本発明の抵抗板8は、前記従来の抵抗板のように放射状に格子11が形成されているが、図3に示すように、従来の抵抗板とは異なり、格子11の一側に傾斜面12が形成されている。この傾斜面12はオーガースクリュー5の回転方向に対して斜めに下る方向に形成されている。
【0016】
傾斜面12の先端側の水平面に対する角度は、約20°〜60°の間が好ましく、さらに好ましいのは30°〜50°、最も好ましいのは約45°である。さらに、平面視において、抵抗板8の開口部9の平面積と、傾斜面12を含む格子11の平面積との比率は0対10〜5対5が好ましい。0対10というのは、隣接する格子11が重なりあって、平面視において開口部9が見えない状態であるが、隣接する格子11の側縁の上下方向に隙間が開いており、その隙間から被充填物が押し出される状態を示している。なお、開口部9の比率を大きくしすぎると当然ながら、ボタ落ちが多くなり好ましくない。
【0017】
前記のような構成によって、図4に示すように、被充填物は抵抗板8の開口部9からオーガースクリュー5の回転方向にスムースに吐き出されることとなり、吐き出す時には抵抗板8の格子11との抵抗が軽く、オーガースクリューの停止時には傾斜面12によって被充填物のボタ落ちを少なくすることができる。
【0018】
図4の格子11の断面形状は台形をしているが、格子11の断面形状はこのような台形に限定されず、例えば、図示していないが直角三角形であってもよい。さらに、図5に示すような傾斜面12を持った板体13であってもよい。さらに、傾斜面12は平らなものに限定されるものではなく、緩やかに湾曲に窪んだ面であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、オーガースクリューによって、被充填物を充填するオーガー充填装置において有用である。
【符号の説明】
【0020】
1 ファンネル
2 駆動モータ(駆動装置)
5 オーガースクリュー
6 円筒部
8 抵抗板
9 開口部
11 格子
12 傾斜面
13 板体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンネル下部に、オーガースクリューを内装した円筒部を設けると共に、前記円筒部の下端に抵抗板を設け、前記オーガースクリューを回転駆動する駆動装置を装備した、オーガー充填装置であって、
前記抵抗板に、格子を形成すると共に、この格子に被充填物を抵抗板の開口部側に導くための傾斜面が形成されていることを特徴とする計量充填装置。
【請求項2】
抵抗板の傾斜面はオーガースクリューの回転方向に対して斜めに下る方向に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のオーガー充填装置。
【請求項3】
抵抗板の断面形状が台形、三角形、傾斜板の何れかであることを特徴とする、請求項1に記載のオーガー充填装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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