説明

オーディオデータ処理装置およびオーディオデータ処理方法

【課題】再生しながら音楽データをリッピングする場合に、CPUの負荷を軽減してリッピング処理の高速化を可能にするオーディオデータ処理装置を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明におけるオーディオデータ処理装置1は、入力した時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データおよび圧縮した圧縮データを生成するエンコーダ5と、エンコーダ5が生成した圧縮データを記憶装置40へ書き込むように、かつ記憶装置40に記憶された圧縮データを読み出すように制御するファイル制御部7と、読み出された圧縮データから中間データおよびオーディオデータを生成するデコーダ9と、エンコーダ5とデコーダ9間で中間データの送受信を行うバイパス手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオデータを圧縮して記憶装置に記録するとともに、そのオーディオデータを再生するオーディオデータ処理装置、およびオーディオデータ処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDなどのオーディオデータをMP3やAAC等のオーディオコーデックにより圧縮してHDDやUSBメモリ等にファイルとして保存し(以下、リッピング機能とよぶ)、かつ同時に圧縮中の楽曲を再生する機能がオーディオ機器に標準的に搭載されるようになってきている。
【0003】
図5は、従来のオーディオデータ処理装置1の構成を示した図である。オーディオデータをリッピングしながら再生する場合のオーディオデータ処理装置1の動作について説明する。システム制御部4は、CD制御部2に指示してPCMデータをPCMデータバッファ3へ読み込ませ、エンコーダ5に指示して音楽データの圧縮データを生成する。次にファイル制御部7に指示して、記憶装置40に圧縮データのファイル書き込みを行う。また、音楽データ再生のため、ファイル制御部7に指示して、記憶装置40からファイルの圧縮データを読み込み、デコーダ9に指示して圧縮データの伸張処理を行い、伸張された音楽データをオーディオ制御部11から出力する。このようなオーディオデータ処理装置1が下記非特許文献1に開示されている。
【0004】
【非特許文献1】「ミドルウエアソリューション」、株式会社ルネサステクノロジ,2007年10月、p.6、[平成19年11月14日検索]、<URL:http://documentation.renesas.com/jpn/products/others/rjj01j0005_mws.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今日、リッピング速度の高速化が望まれており、従来の等速倍から2倍速、4倍速と高速化を可能にするオーディオデータ処理装置が求められている。
【0006】
しかしながら、従来のオーディオ処理装置では、音楽データをリッピングしながら再生する場合、エンコーダとデコーダを同時に処理する必要があるため、CPUに負荷がかかり、リッピング時間を要するという問題があった。
【0007】
そこで本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、音楽データをリッピングしながら再生する場合に、CPUの負荷を軽減してリッピング処理の高速化を可能にするオーディオデータ処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態におけるオーディオデータ処理装置は、入力した時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データおよび圧縮した圧縮データを生成するエンコーダと、エンコーダが生成した圧縮データを記憶装置へ書き込むように、かつ記憶装置に記憶された圧縮データを読み出すように制御するファイル制御部と、読み出された圧縮データから中間データおよびオーディオデータを生成するデコーダと、エンコーダとデコーダ間で中間データの送受信を行うバイパス手段とを備える。
【0009】
本発明の一実施形態におけるオーディオデータ処理方法は、エンコーダより、時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データを生成する工程と、中間データをデコーダにバイパスする工程と、デコーダより、バイパスした中間データから時間領域に変換したオーディオデータを生成する工程とを備える。
【0010】
本発明の他の一実施形態におけるオーディオデータ処理方法は、エンコーダより、時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データおよび圧縮された圧縮データを生成する工程と、デコーダより、この圧縮データから中間データおよびオーディオデータを生成する工程と、デコーダで生成した中間データをエンコーダにバイパスする工程と、エンコーダより、バイパスした中間データから前述の圧縮データと異なった圧縮率の再圧縮データを生成する工程と、圧縮データを記憶装置に書き込む工程とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態におけるオーディオデータ処理装置によれば、中間データの送受信を行うバイパス手段を備えることにより、音楽データをリッピングしながら再生する場合、エンコーダで生成した中間データをデコーダが使用することにより、デコード時のハフマン復号化と逆量子化を省く構成となる。したがって、同時再生時にCPU負荷が軽減され、リッピング処理の高速化が可能になる。
【0012】
本発明の一実施形態におけるオーディオデータ処理方法によれば、音楽データをリッピングしながら再生する場合、エンコーダで生成した中間データをデコーダにバイパスし、デコーダはこの中間データを使用することにより、デコード時のハフマン符号化と逆量子化の処理を省くとができる。したがって、同時再生時にCPU負荷が軽減され、リッピング処理の高速化が可能になる。
【0013】
本発明の他の一実施形態におけるオーディオデータ処理方法によれば、音楽データをリッピングしながら再生する場合、圧縮率の低い圧縮データを使用し、後で圧縮率の高い再圧縮データを作成することができる。したがって、同時再生時に圧縮時間を短縮することができ、CPU負荷が減少し、リッピング処理が高速になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1におけるオーディオデータ処理装置1の構成を示した図である。本発明におけるオーディオデータ処理装置1は、CDに記憶されたオーディオデータを再生および記憶装置に記憶するための処理を行う装置である。オーディオデータ処理装置1には、CDデッキ20、スピーカ30が接続されており、CDに記憶されたオーディオデータを読み出してスピーカ30から出力する。また、記憶装置40が接続されており、オーディオデータを圧縮した圧縮データを生成して記憶装置40に記憶する。
【0015】
このオーディオデータ処理装置1は、CDに記憶されているオーディオデータ(PCMデータ)を入力するCD制御部2、CDから読み出したオーディオデータを保持するPCMデータバッファ3、オーディオデータ処理装置1全体を制御するシステム制御部4、オーディオデータから圧縮データを生成するエンコーダ5、生成された圧縮データを保持する圧縮データバッファ6、記憶装置40へ圧縮データの書き込みおよび読み出しの制御を行うファイル制御部7、読み出された圧縮データを保持する圧縮データバッファ8、圧縮データからオーディオデータを生成するデコーダ9、生成されたオーディオデータを保持する伸張データバッファ10、オーディオデータをスピーカ30から出力するための制御を行うオーディオ制御部11、時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データを保持する中間データバッファ12を備えている。
【0016】
また、エンコーダ5は、時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データを生成する信号処理部13、中間データに量子化、ハフマン符号化を行い圧縮データを生成する圧縮部14を備えている。デコーダ9は、圧縮データに逆量子化、ハフマン復号化を行い中間データを生成する伸張部16、中間データから時間領域に変換したオーディオデータを生成する信号処理部15を備えている。また、エンコーダ5は信号処理部13で生成した中間データを出力できる機能を有している。デコーダ9はエンコーダ5が生成した中間データを伸張部16(ハフマン復号化と逆量子化)処理後のデータとして信号処理部15の入力データに使用できる機能を有している。
【0017】
次に、図1を参照して本実施の形態におけるオーディオデータ処理装置1の動作について説明する。はじめに、通常動作時におけるCDデッキ20にセットされたCDからオーディオデータを抽出して記憶装置40に記憶する所謂リッピング動作について説明する。まず、CD制御部2は、CDデッキ20にセットされたCDからオーディオデータを抽出して、このオーディオデータをPCMデータバッファ3に保持する。次に、エンコーダ5は、PCMデータバッファ3に保持されているオーディオデータを読み出して、このオーディオデータから圧縮データを生成する。具体的には、信号処理部13にて時間領域のオーディオデータからスペクトル領域の中間データに変換し、圧縮部14にて中間データに量子化、ハフマン符号化を行って圧縮データを生成する。次に、生成した圧縮データは圧縮データバッファ6に保持され、ファイル制御部7によって記憶装置40に書き込まれる。
【0018】
次に、通常動作時における記憶装置40に書き込まれた圧縮データを再生する動作について説明する。まず、ファイル制御部7によって記憶装置40に記憶されている圧縮データを読み出し、圧縮データバッファ8に保持する。次に、デコーダ9は、圧縮データバッファ8から圧縮データを読み出して、この圧縮データからオーディオデータを生成する。具体的には、伸張部16にて圧縮データにハフマン復号化、逆量子化を行ってスペクトル領域の中間データを生成し、信号処理部15にてスペクトル領域の中間データから時間領域のオーディオデータに変換する。次に、生成されたオーディオデータは伸張データバッファ10に保持される。オーディオ制御部11は、伸張データバッファ10からオーディオデータを読み出して、このオーディオデータをスピーカ30から出力する。
【0019】
次に、CDデッキ20にセットされたCDからオーディオデータを抽出して記憶装置40に記憶しながらオーディオデータを再生する動作(以下、同時再生動作と記載)について説明する。ここで、同時再生動作時におけるリッピング動作については上述した動作と同様のため説明を省略し、再生動作について説明する。システム制御部4は、リッピング動作時にエンコーダ5の信号処理部13で変換された中間データを中間データバッファ12に保持する。次に、システム制御部4は、中間データバッファ12から中間データを読み出してデコーダ9の信号処理部15に入力する。次に、システム制御部4は、エンコーダ5に圧縮データ生成の指示(リッピング動作における指示)を行うと同時にデコーダ9に伸張データを生成するよう指示する。デコーダ9は、中間データバッファ12から入力された中間データを伸張部16におけるハフマン復号化と逆量子化処理後のデータとして扱い、スペクトル領域の中間データから時間領域のオーディオデータに変換する。次に、生成されたオーディオデータは伸張データバッファ10に保持される。次に、システム制御部4はオーディオ制御部11に指示して、オーディオデータをスピーカ30から出力する。
【0020】
以上より、図1に示す本実施形態におけるオーディオデータ処理装置1によれば、中間データバッファ12を備えることにより、音楽データをリッピングしながら再生する場合、エンコーダ5で生成した中間データをデコーダ9にバイパスして、デコーダ9はこの中間データを使用することにより、デコード時のハフマン符号化と逆量子化の処理を省くことができる。したがって、同時再生時にCPU負荷が軽減され、リッピング処理の高速化が可能になる。
【0021】
図2は、本実施の形態のオーディオデータ処理装置1の別の構成を示した図である。図1のオーディオデータ処理装置1と異なる点は、同時再生動作時において、ファイル制御部7が中間データバッファ12の空き容量に応じて、中間データバッファ12に保持された中間データを一旦記憶装置40へ記憶させる点である。通常オーディオ再生レートよりも高速でリッピングされるため、同時再生動作が進むと、中間データバッファ12の容量を超えた中間データが生成されることが考えられる。図2におけるオーディオデータ処理装置1は、このような場合を解決するための構成である。
【0022】
図2を参照して、同時再生動作について説明する。ここで、リッピング動作については図1に示すオーディオデータ処理装置1の動作と同様のため説明を省略し、再生動作について説明する。システム制御部4は、リッピング動作時にエンコーダ5の信号処理部13で変換された中間データを中間データバッファ12に保持する。ここで、中間データバッファ12に保持される中間データがメモリ容量を超えるときは、ファイル制御部7は中間データを記憶装置40に記憶させる。次に、記憶装置40に記憶された中間データのデコード処理を行うときに、ファイル制御部7は記憶装置40から中間データを読み出して中間データバッファ12に保持する。次に、システム制御部4は、中間データバッファ12から中間データを読み出してデコーダ9の信号処理部15に入力する。その後の動作は図1に示すオーディオデータ処理装置1と同様のため説明を省略する。
【0023】
また、通常動作時におけるリッピング動作および記憶装置40に書き込まれた圧縮データを再生する動作は、図1に示すオーディオデータ処理装置1の動作と同様のため説明を省略する。
【0024】
以上より、図1に示したオーディオ処理装置と同様の効果に加え、リッピングが進んだ場合であっても、中間データバッファ12のメモリ容量を気にせずに同時再生動作を行うことができる。
【0025】
<実施の形態2>
図3は、本発明の実施の形態2におけるオーディオデータ処理装置1の構成を示した図である。実施の形態1と異なる点は、同時再生動作時におけるリッピング動作において、中間データを記憶装置40に記憶する点である。すなわち、同時再生動作時において、エンコーダ5は圧縮部14(量子化、ハフマン符号化)の処理を行わないで、リッピング動作のCPU負荷を減らした構成である。
【0026】
図3を参照して、同時再生動作について説明する。ここで、再生動作は実施の形態1と同様のため説明を省略し、リッピング動作について説明する。まず、CD制御部2は、CDデッキ20にセットされたCDからオーディオデータを抽出して、このオーディオデータをPCMデータバッファ3に保持する。次に、エンコーダ5は、PCMデータバッファ3に保持されているオーディオデータを読み出して、信号処理部13にてこの時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換して中間データを生成する。次に、生成した中間データは中間データバッファ12に保持され、ファイル制御部7によって記憶装置40に書き込まれる。
【0027】
システム制御部4は、記憶した中間データから圧縮データの生成を、CPUの空き時間に実行するように制御する。CPUの空き時間がある場合、ファイル制御部7は、記憶装置40から中間データを読み出して中間データバッファ12に保持する。次に、システム制御部4は、中間データバッファ12から中間データを読み出してエンコーダ5の圧縮部14に入力する。エンコーダ5の圧縮部14は、中間データに量子化、ハフマン符号化を行って圧縮データを生成する。次に、生成した圧縮データは圧縮データバッファ6に保持され、ファイル制御部7によって記憶装置40に書き込まれる。
【0028】
また、通常動作時におけるリッピング動作および記憶装置40に書き込まれた圧縮データを再生する動作は、図1に示すオーディオデータ処理装置1の動作と同様のため説明を省略する。
【0029】
以上より、音楽データをリッピングしながら再生する場合、実施の形態1と同様の効果に加え、エンコーダ5の量子化、ハフマン符号化の処理を行わない分CPU負荷が減少し、リッピング処理がさらに高速になる。
【0030】
<実施の形態3>
図4は、本発明の実施の形態3におけるオーディオデータ処理装置1の構成を示した図である。実施の形態1と異なる点は、同時再生動作時であっても再生用の中間データを生成せずに、圧縮率の低い圧縮データを生成し、さらに後で再圧縮を行う点である。
【0031】
図4を参照して同時再生動作について説明する。リッピング動作は実施の形態1と同様のため説明を省略する。ただし、エンコーダ5の圧縮部14で生成する圧縮データは圧縮率の低いデータとする。同時再生動作時における再生動作は、実施の形態1において記憶装置40に書き込まれた圧縮データを再生する動作と同様のため説明を省略する。次に、再圧縮を行う動作について説明する。ファイル制御部7は、記憶装置40から圧縮データを読み出して圧縮データバッファ8に保持する。次に、デコーダ9は、圧縮データバッファ8に保持されている圧縮データを読み出して、伸張部16にて中間データを生成する。次に、生成した中間データは中間データバッファ12に保持される。システム制御部4は、エンコーダ5の圧縮部14に入力する。エンコーダ5は、中間データに量子化、ハフマン符号化を行って圧縮率の高い再圧縮データを生成する。次に、生成した再圧縮データは圧縮データバッファ6に保持され、ファイル制御部7によって記憶装置40に書き込まれる。
【0032】
また、通常動作時におけるリッピング動作および記憶装置40に書き込まれた圧縮データを再生する動作は、図1に示すオーディオデータ処理装置1の動作と同様のため説明を省略する。
【0033】
以上より、圧縮率の異なる圧縮データの再作成が可能となり、音楽データをリッピングしながら再生する場合は圧縮率の低い圧縮データを使用することで、同時再生時に圧縮時間を短縮することができ、CPU負荷が減少し、リッピング処理が高速になる。
【0034】
<実施の形態4>
本発明の実施の形態4におけるオーディオデータ処理装置1は、中間データを使用したデコード処理を圧縮中ファイルの同時再生時のときのみに行う。詳しくは、同じ曲に対してエンコードとデコード処理を行っているときのみに中間データを使用したデコード処理を行う。通常オーディオ再生レートよりも高速でリッピングされるので、リッピングと同時にCDを再生する場合、しばらく時間が経過すると、再生中の曲以降の曲が記憶装置40に記憶されることになる。従って、記憶装置40に圧縮データが充分記憶されているときは、その後のデコード処理は記憶装置40に記憶されている圧縮データを使用する。
【0035】
以上より、再生しながら音楽データをリッピングする場合、中間データを使用する処理ではデコード時のハフマン復号化と逆量子化を行わないため、CPU負荷が軽減され、リッピング処理の高速化が可能になる。
【0036】
<実施の形態5>
本発明の実施の形態5におけるオーディオデータ処理装置1は、図2から4に示した記憶装置40に例えばSDRAM、USBメモリ等の高速メモリを用いる。その他の構成は実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0037】
以上より、記憶装置40に記憶された圧縮データのアクセス時間が短縮され、リッピング速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1におけるオーディオデータ処理装置の構成を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるオーディオデータ処理装置の別の構成を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるオーディオデータ処理装置の構成を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態3におけるオーディオデータ処理装置の構成を示した図である。
【図5】従来技術におけるオーディオデータ処理装置の構成を示した図である。
【符号の説明】
【0039】
1 オーディオデータ処理装置、2 CD制御部、3 PCMデータバッファ、4 システム制御部、5 エンコーダ、6,8 圧縮データバッファ、7 ファイル制御部、9 デコーダ、10 伸張データバッファ、11 オーディオ制御部、12 中間データバッファ、13,15 信号処理部、14 圧縮部、16 伸張部、20 CDデッキ、30 スピーカ、40 記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力した時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データを生成する信号処理部、前記中間データを圧縮して圧縮データを生成する圧縮部、を有するエンコーダと、
前記エンコーダが生成した前記圧縮データを記憶装置へ書き込むように、かつ前記記憶装置に記憶された前記圧縮データを読み出すように制御するファイル制御部と、
前記ファイル制御部により読み出された前記圧縮データを伸張してスペクトル領域の中間データを生成する伸張部、前記伸張部で生成した中間データから時間領域に変換したオーディオデータを生成する信号処理部、を有するデコーダと、
前記エンコーダと前記デコーダ間で前記中間データの送受信を行うバイパス手段と、を備えるオーディオデータ処理装置。
【請求項2】
前記バイパス手段は、
前記エンコーダが生成した前記中間データを保持するバッファと、
前記エンコーダが生成した前記中間データをバッファへ保持するように、かつ前記バッファに記憶された前記中間データを前記デコーダの前記信号処理部へ読み出すように制御するシステム制御部と、を備える請求項1に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項3】
前記ファイル制御部は、前記バッファに保持された前記中間データを前記記憶装置へ書き込むように、かつ前記記憶装置に記憶された前記中間データを前記バッファへ読み出すようにさらに制御する請求項2に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項4】
前記システム制御部は、前記バッファに保持された前記中間データを前記エンコーダの前記圧縮部へ読み出すようにさらに制御する請求項3に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項5】
前記圧縮部は、複数の圧縮率にて圧縮データを生成可能な機能を備え、
前記バイパス手段は、
前記デコーダが生成した前記中間データを保持するバッファと、
前記デコーダが生成した前記中間データをバッファへ保持するように、かつ前記バッファに保持された前記中間データを前記エンコーダの圧縮部へ読み出すように制御するシステム制御部と、を備える請求項1に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項6】
前記ファイル制御部は、前記バッファに保持された前記中間データを前記記憶装置へ書き込むように、かつ前記記憶装置に記憶された前記中間データを前記バッファに読み出すようにさらに制御する請求項5に記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項7】
前記記憶装置は高速メモリである請求項3,4,6のいずれかに記載のオーディオデータ処理装置。
【請求項8】
(a)時間領域のオーディオデータをエンコーダに入力する工程と、
(b)前記エンコーダの信号処理部より、前記入力した時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データを生成する工程と、
(c)前記中間データをデコーダにバイパスする工程と、
(d)前記デコーダの信号処理部より、前記バイパスした中間データから時間領域に変換したオーディオデータを生成する工程と、を備えるオーディオデータ処理方法。
【請求項9】
前記工程(c)は、
(e)前記中間データを記憶装置に書き込む工程と、
(f)前記記憶装置から前記中間データを読み出す工程と、を備える請求項8に記載のオーディオデータ処理方法。
【請求項10】
(g)前記記憶装置に書き込まれた中間データを前記エンコーダにバイパスする工程と、
(h)前記エンコーダの圧縮部より、前記バイパスされた中間データから圧縮された圧縮データを生成する工程と、
(i)前記圧縮データを前記記憶装置に書き込む工程と、をさらに備える請求項9に記載のオーディオデータ処理方法。
【請求項11】
(a)時間領域のオーディオデータをエンコーダに入力する工程と、
(b)前記エンコーダの信号処理部より、前記入力した時間領域のオーディオデータからスペクトル領域に変換した中間データを生成する工程と、
(c)前記エンコーダの圧縮部より、前記中間データから圧縮された圧縮データを生成する工程と、
(d)前記圧縮データをデコーダに入力する工程と、
(e)前記デコーダの伸張部より、前記圧縮データから中間データを生成する工程と、
(f)前記中間データをエンコーダにバイパスする工程と、
(g)前記エンコーダの圧縮部より、前記バイパスした中間データから前記工程(e)と異なった圧縮率の圧縮データを生成する工程と、
(h)前記圧縮データを記憶装置に書き込む工程と、を備えるオーディオデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−140533(P2009−140533A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313169(P2007−313169)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】