説明

オートバイ用有料駐車システムにおける施錠装置

【課題】駐車感知に対してゲートアームをスムーズで確実に応答させる。
【解決手段】枠体7の上下両端に駆動軸19と従動軸29を回転可能に軸支し、枠体7の一側から突出させた駆動軸19の先端に、駐車基枠の出入口を開閉するゲートアーム21の一端を軸着し、駆動軸19の中央に取付けた係止鍔部に、先端中央にロック孔を有したロック板の後端を取付け、枠体7内に取付けた仕切板11に、ゲートアーム21を垂直方向に回動したアンロック位置のロック板を保持及び解除する支持機構40を取付け、仕切板11の一側で直角方向に取付けた支持板12に、ゲートアーム21を水平方向に回動したロック位置のロック板をロックするロック機構を取付け、枠体7の一側に取付けた駐車感知センサーと支持機構40とロック機構及び感知スイッチと課金装置を電気的に接続してゲートアーム21をロック又はアンロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車、特にオートバイ用の有料駐車システムの施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二輪車、特にオートバイを駐車する無人式の有料駐車システムは、車輪をロックする施錠手段と、駐車した利用時間を計算して料金の支払いや、暗証番号の入力などにより前記施錠装置を電気的にロックまたはアンロックする指令を出す課金手段とから構成されており、その施錠装置の構造や課金手段には多種多様なものがある。
【0003】
特に、駐車した二輪車の車輪を左右水平方向からロックアームで機械的に施錠または解除する駐車システムにおける施錠装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、無断駐車を防止するため、オートバイの車輪をモータで駆動する押圧体を左右から押圧して車輪をロックする駐車装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
さらには、駐車する二輪車のタイヤにチェーンを巻いて該チェーンを繋留装置に差し込んでロックし、該チェーンの開錠はロックキーを駐車課金装置と連動させて行う駐車装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4287661号
【特許文献2】特開2001−1966号
【特許文献3】特開2008−207685号
【特許文献4】実用新案登録第3158391号
【0007】
しかし、特許第4287661号および特開2001−1966号に示す施錠装置は、二輪車の車輪をロックアームで左右から水平方向に回動させて車輪のリム近傍を抱えてロックすると共に、該ロックアームの開閉をモータにより駆動させている。したがって、車輪が傷つきやすく、モータなどの高価な部品を使用し、且つ、電気代などの維持費が高く不経済であり、しかも重量があるオートバイを強引に引張るとロックアームが開いて無断駐車が可能となるなどの問題がある。
【0008】
また、特開2008−207685号は、オートバイの車輪を左右水平方向からモータで駆動する押圧板で圧着してロックまたはアンロックするもので、電気モータの回転力によりウオームギアと歯車とウオームホイールを介して伸縮させることにより押圧板を開閉させるものである。したがって、車輪を左右水平方向から押圧板で圧着しているだけであるため、簡単に脱出することができ、無断駐車が可能となるおそれがある。また、ロック装置に前記文献1と同様に駆動源としてモータなどの高価な部品を使用しているためコストが高く、また、電気代など維持費がかかるため大変不経済であるとの問題がある。
【0009】
さらには、実用新案登録第3158391号は、二輪車のタイヤにチェーンを巻き、該チェーンを繋留装置に差し込んでロックし、該チェーンの開錠はロックキーを使用してアンロックするが、車輪が傷つきやすく、またロックキーを紛失したりするおそれがあり不便であるとの問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、二輪車のうち、特に重量があるオートバイを駐車させる無人有料駐車システムの施錠装置において、車両の出し入れを容易にし、且つ、車輪に傷つけることなく施錠すると共に無断駐車を防止し、構造が簡単でコストの安価な施錠装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、枠体7の上下両端に駆動軸19と従動軸29をそれぞれ回転可能に軸支し、前記枠体7の一側から突出させた駆動軸19の先端に、三方をパイプ枠で囲ってオートバイXを駐車させるスペースを有した駐車枠2の出入口4を開閉するゲートアーム21の一端を軸着し、前記駆動軸19の中央に取付けた係止鍔部25に先端中央にロック孔27を有したロック板26の後端を取付け、前記駆動軸19と従動軸29との間に環回したチェーン32に、前記ゲートアーム21をゆっくり傾倒させるダンパー35を取付け、前記枠体7内に取付けた仕切板11に、前記ゲートアーム21を垂直方向に回動したアンロック位置のロック板26を保持及び解除する支持機構40を取付け、前記仕切板11の一側で直角方向に取付けた支持板12に、前記ゲートアーム21を水平方向に回動したロック位置のロック板26をロックするロック機構51を取付け、前記枠体7の一側に取付けた駐車感知センサー57と前記支持機構40に設けたソレノイド48と、ロック機構51に設けたソレノイド54および感知スイッチ59と、課金装置(図示せず)を電気的に接続して前記ゲートアーム21をロックまたはアンロックすることを特徴とする。また、前記支持機構40は、並行に位置した一対の作動板41の一端を前記仕切板11の壁面に支持軸42で枢動可能に軸支し、該作動板を水平位置で係止させる停止板37を他端側の仕切板11に取付け、前記作動板41の中間にロック板26を保持するロック軸43と、作動板41の間隔を維持するスペース軸44と、先端に枢動した作動板を元の位置に復帰させるばね50を取付けると共に、作動板41に設けたピン孔45に挿通した連結ピン46と、該作動板を下方に引張るソレノイド48の可動軸49を連結板47で連結してなり、前記ロック板26の幅方向の一端26aを前記停止板37の側面と当接させ、他端26bを作動板41のロック軸43で圧着して垂直方向を保持し、前記ソレノイド48が励磁して作動板41が下方に引張られると前記他端26bを保持しているロック軸43が下方に外れてアンロックすると、前記ロック板26はロック位置方向に回動を開始し、前記ソレノイド48が消磁されると、作動板41は先端に取付けたばね50の作用により、前記停止板37の下面に当接して水平位置に復帰してなることを特徴とする。さらには、前記ロック機構51は、前記仕切板11の一側に取付けた支持板12の一端をコ字型に形成した凹溝部13を形成し、該凹溝部の外枠部14の下面に前記ロック板26が回動して水平方向のロック位置で停止する停止段部15を設け、該停止段部にロック板26の他端26bが停止すると、該ロック板のロック孔27とソレノイド54の作動軸55とガイド片52の軸孔53と凹溝部13に設けた軸孔16とがそれぞれ同一軸心上に位置すると共に、停止段部(15)の一側に設けた感知スイッチ59がソレノイド54と課金装置にON信号を発信し、前記ソレノイド54が励磁されると、作動軸55がロック板26のロック孔27を貫通して凹溝部13の軸孔16に挿入されてロック板26をロックし、課金精算が終了してOFF信号がソレノイド54に発信されて消磁すると、作動軸55が軸孔16とロック孔27からガイド片52の軸孔53内に戻り、ロック板26のロックを解除することを特徴とする。さらにはまた、前記駆動軸19と従動軸29との間に環回したチェーン32に取付けた留金具33に、ダンパー35の一端を軸支し、他端を従動軸29の軸受部30に軸支して駆動軸19と連動するゲートアーム21の傾倒をゆっくりさせ、且つ、前記チェーン32の留金具33に引張りばね36の一端を軸支し、他端を駆動軸19の軸受部20に軸支して垂直方向に位置したゲートアーム21を傾倒方向に引張ってなることを特徴とする。
【0012】
したがって、オートバイを収容する駐車枠2の出入口4に取付ける施錠装置6に取付けたゲートアーム21の開閉動作を、モーターなどの高価な部品を使用することなく、ゲートアーム21の自重と人の手で行えるように簡単な構造にしたことにより、安価で経済的な施錠装置6を提供することができる。また、オートバイの車輪をロックすることなく、ゲートアーム21を開閉させるだけで施錠するためオートバイの車輪に傷つけるおそれがない。また、ゲート内に収容したオートバイが万一倒れた場合、丈夫なパイプ枠3で囲ってあるため施錠装置6が破壊されるおそれがなく安全である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】駐車基枠にオートバイを駐車させた状態を示す平面図である。
【図2】施錠装置の正面図である。
【図3】施錠装置の平面図である。
【図4】施錠装置の内部を示す説明図である。
【図5】施錠装置の蓋板を外した平面図である。
【図6】駆動軸に取付けたロック板の作動状態を示す正面図である。
【図7】図4のA―A線断面図である。
【図8】ロック板と支持機構とロック機構との関係を示す説明図である。
【図9】図8のB―B線断面図である。
【図10】支持機構の作動状態を示す正面図である。
【図11】図10のC―C線断面図である。
【図12】ロック機構によるロック板のロック状態を示す要部拡大平面図である。
【図13】図12のD―D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面により説明すると、図1は駐車基枠にオートバイを駐車させた状態を示す平面図、図2は施錠装置の正面図、図3は施錠装置の平面図、図4は施錠装置の内部を示す側面図、図5は施錠装置の蓋板を外した平面図、図6は駆動軸に取付けたロック板の作動状態を示す正面図、図7は図4のA―A線断面図、図8はロック板と支持機構とロック機構との関係を示す説明図、図9は図8のB―B線断面図、図10は支持機構の作動状態を示す正面図、図11は図10のC―C線断面図である。駐車システム1は、二輪車(以下、オートバイという)Xを駐車させる駐車枠2と、該駐車基枠の出入口4に取付ける施錠装置6と、該施錠装置をロックまたはアンロックさせる課金装置(図示せず)とを電気的に接続して施錠装置6のゲートアーム21を開閉動可能に形成してある。
【0015】
前記駐車枠2は、図1に示すごとく、オートバイXを駐車させるスペースの周囲三方をパイプ枠3でコ字型に囲い、残りの一方に出入口4を設け、該駐車基枠の床面と路面とを略同一面に設けたことにより、車体重量の重いオートバイXの出し入れを容易にすることができる。また、三方を丈夫なパイプ枠3で囲ってあるため、万一、オートバイが傾いてもパイプ枠3で支持され、転倒するおそれがなく安全である。前記駐車枠2の出入口4の一側に施錠装置6を樹立させ、該施錠装置に取付けたゲートアーム21の回動により前記出入口4を開閉可能に形成してある。
【0016】
施錠装置6は、図2、3、4、5に示すごとく、縦長でコ字型に形成した枠体7と、該基枠の一側面に設けた開口部8を閉口する側板9と、上面を閉口する蓋板10とを取付けてなり、前記枠体7内の上方中央に取付けた仕切板11にゲートアーム21の垂直方向を支持する支持機構40を取付け、該仕切板の一側で直角方向に取付けた支持板12にゲートアーム21の水平方向(ロック)を支持するロック機構51を取付けてある。
【0017】
図4、7に示すごとく、駆動軸19は、前記枠体7内の上方に設けた軸受部20に水平方向で回転可能に軸承され、下方に従動軸29を軸受部30で水平方向に回転可能に軸支してあり、前記駆動軸19と従動軸29にそれぞれスプロケット31、31を軸着して、該スプロケットにチェーン32を環回してある。
【0018】
前記駆動軸19は、図4に示すごとく、前記仕切板11の中央を貫通して一端を前記枠体7の一側壁面から突出させた先端に、該駆動軸の軸心方向と直角方向に前記駐車枠2の出入口4を開閉するゲートアーム21の一端を固着してある。
【0019】
ゲートアーム21は、その垂直方向が駐車枠2の出入口4を開口したロックオフ位置であり、駆動軸19が回動してゲートアーム21を水平方向に位置させて出入口4を閉口した状態がロック位置になるように前記駆動軸19に固着してある。枠体7の外側壁面にロックオフの垂直方向に位置したゲートアーム21が出入り口4を閉口させる方向と反対方向に回転するのを防止するストップ板22を取付け、ゲートアーム21が水平なロック位置のとき、該ゲートアームの上に人が乗って下方に押し下げたりする悪戯による回転を防止する保持板23を枠体7の外側壁面に取付けてある。
【0020】
図5、6に示すごとく、前記枠体7内に水平方向に位置した駆動軸19に、該枠体内に設置した仕切板11の壁面寄りに厚みを有する係止鍔部25を固着し、該係止鍔部の側面に前記駆動軸19の軸心方向と直角方向で前記ゲートアーム21の軸心方向と延長線上にロック板26の上端を取付けてある。
【0021】
前記ロック板26は、図6に示すごとく、長手方向、即ち、その先端の中央部にロック孔27を設け、先端部28aの片側隅部を斜めに切断して切欠部28を設け、他端をアール状に湾曲してある。そして前記ゲートアーム21が垂直方向に位置したとき、ロック板26の左右の幅方向を支持機構40で保持し、駆動軸19が回動して該ゲートアームが水平方向に位置したとき、ロック板26のロック孔27を、ロック機構51でロックする。
【0022】
図7に示すごとく、前記駆動軸19と従動軸29との間に環回したチェーン32に取付けた留金具33に一端を軸支したダンパー35の他端を、従動軸29の軸受部30に軸支してゲートアーム21の傾倒により回転する駆動軸19をゆっくり回動させて、ゲートアーム21が駐車者に当たって怪我するのを防止することができる。前記ダンパー35は、公知のオイルダンパーまたはエアーダンパー等を使用する。
【0023】
前記駆動軸19と従動軸29との間に環回したチェーン32に取付けた留金具33に、一端を取付けた引張りばね36の他端を、駆動軸19の軸受部20に取付けてチェーン32に一定方向のテンションを加えてある。そして、支持機構40から解除されたゲートアーム21を水平方向に回動させて、駆動軸19に取付けてあるチェーン32を引張りばね36で傾倒方向に引張る場合、ゲートアーム21の初動回転をスムースに行うことができる。
【0024】
支持機構40は、図8、9に示すごとく、前記駐車枠2の出入口4を開口した状態であるゲートアーム21の垂直位置の保持と解除を行うもので、並行に位置した一対の作動板41の一端を支持軸42で前記仕切板11の壁面に枢動可能に軸支し、作動板41の他端を仕切板11の壁面に取付けた停止板37の下面に係止させて作動板41を水平方向に係止してある。
【0025】
前記停止板37は、図11に示すごとく、断面L字型に形成されて水平方向に張り出した水平部38の下面に前記作動板41の先端上面が当接して水平方向を維持し、水平部38の側面に前記ロック板26の幅方向の一端26aを当接し、他端26bを作動板41のロック軸43に押圧されて保持することによりゲートアーム21を垂直方向に保持している(図6)。
【0026】
前記作動板41は、図8、9に示すごとく、並行に位置した一対の作動板41の一端を前記仕切板11の壁面に支持軸42で枢動可能に軸支し、前記作動板41の中間に前記ロック板26を保持するロック軸43と、作動板41の間隔を維持するスペース軸44と、枢動した作動板を元の位置に復帰させるばね50を先端に取付けてある。
【0027】
前記ばね50は、一端を停止板37に取付け、他端を作動板41の先端に取付けたばね板50aに取付けることにより、ロック板26で下方に枢動した作動板41が、元の水平位置への復帰を容易にすると共に、作動板41が水平位置を保つことにより、ゲートアーム21の垂直方向を保持することができる。
【0028】
前記作動板41の枢動は、作動板41に設けたピン孔45に挿通した連結ピン46と、該連結ピンを下方に引張るソレノイド48の可動軸49とを連結板47で連結し、駐輪基枠2にオートバイが駐車すると感知センサー57が感知して前記ソレノイド48にON、OFF信号を発信することによって操作される。
【0029】
前記作動板41に取付けたロック軸43は、ロック板26の保持と解除をスムーズに行うために回転可能なベアリングを使用し、ゲートアーム21が垂直方向に復帰するとき、ロック板26の切欠部28でロック軸43を押し下げながら摺動して降下するのをスムーズに行うことができる。
【0030】
図10、11に示すごとく、前記作動板41に垂直方向に設けたピン孔45に連結ピン46を挿通したことにより、支持軸42により枢動可能に軸支した作動板41と垂直方向に上下動する可動軸49とのギャップを、前記ピン孔45内に位置する連結ピン46が上下動および回動することにより吸収して作動板41をスムースに枢動可能に形成してある。
【0031】
前記枠体7の一側に取付けた駐車感知センサー57が、駐車を感知して所定時間(2〜3分)経過後ON信号を前記ソレノイド48に発信して励磁されると、可動軸49が引張られる。可動軸19と連動する連結板47が下方に引かれて作動板41が枢動すると、ロック板26の他端26bを保持しているロック軸43が下方に移動してロック板26の先端から外れる。そして、前記チェーン32に取付けた引張りばね36の作用により、駆動軸19が回動を開始して所定の角度まで回動すると、ゲートアーム21は自重により水平位置まで回動する。
【0032】
ロック板26の保持が解除されてソレノイド48がOFFになると、作動板41の先端に取付けてあるばね50の作用により作動板41が上方に引張られて、停止板37の水平部38の下面に当接し水平位置で停止することにより復帰する。
【0033】
ロック機構51は、図12、13に示すごとく、前記仕切板11の一側で直角方向に取付けた支持板12の壁面に取付けてあり、前記ゲートアーム21が回動して駐車枠2の出入口4を閉口するため水平位置にロック板26を回動してロックするものである。
【0034】
前記支持板12は、図8、12に示すごとく、一端をコ字型に形成した凹溝部13の外枠部14の下面に、前記ロック板26が回動して幅方向の他端26bが当接して停止する水平位置に停止段部15を設け、該停止段部の一側にロックと課金を開始する感知スイッチ59を取付け、該感知スイッチの接触子60とロック板26の他端26bが当接してソレノイド54と課金装置(図示せず)にON信号を発信する。
【0035】
前記ロック板26が停止段部15に係止された水平位置は、図13に示すごとく、ロック板26のロック孔27と、ロック機構51を構成するソレノイド54の作動軸55と、作動軸55を支持するガイド片52の軸孔53と、凹溝部13に設けた軸孔16がそれぞれ同一軸心上に位置されている。
【0036】
したがって、駐車枠2の出入口4をゲートアーム21で閉口すると同時に、停止段部15の一側に取付けた感知スイッチ59の接触子60にロック板26の他端26bが接触して課金装置(図示せず)とソレノイド54にON信号を発信する。ソレノイド54がON信号で励磁されると、ガイド片52内の作動軸55がロック板26のロック孔27を貫通して凹溝部13の軸孔16に挿入してロック板26の回動をロックする。
【0037】
他方、前記ゲートアーム21のアンロックは、課金装置からのOFF信号でソレノイド54が消磁されると、作動軸55の先端は後退してロック孔27からガイド片52の軸孔53内に戻ってロックが解除され、ゲートアーム21を手で軽く垂直位置まで持ち上げると支持機構40にロックされる。
【0038】
このゲートアーム21を上方に回動させると、ゲートアーム21に軸着した駆動軸19を回動させてロック板26の切欠部28が作動板41のロック軸43に当たって摺動しながら作動板41を押し下げる。次いで、ロック軸43がロック板26の切欠部28から先端部28aを摺動してロック板26の一端26aが停止板37に当接する直前に先端部28aから離脱する。
【0039】
ロック板26の先端面28aから離脱したロック軸43は、作動板41が復帰ばね50の引張力で元の水平位置に復帰しながらロック板26の他端26bを押圧して一端26aを停止板37の側面に当接させてゲートアーム21を垂直方向に保持することができる。
【0040】
次いで、本発明に係る施錠装置6の作用について説明すると、図1に示すごとくオートバイXが駐車枠2に駐車すると、施錠装置6の枠体7に取付けた感知センサー57が駐車を感知し、所定時間(2〜3分)の経過後、支持機構40のソレノイド48にON信号を発信する。
【0041】
ソレノイド48がON信号により励磁すると、可動軸49が引張られて該可動軸と連結されている作動板41が下方に枢動することにより、ロック板26の他端26bを保持しているロック軸43がロック板26の他端26bから下方に抜けてゲートアーム21の保持が解除される。
【0042】
ロック板26がアンロックされると、チェーン32に取付けた引張りばね36の作用により駆動軸19が傾倒方向に回転を開始し、所定の角度まで回動するとゲートアーム21は自重により水平位置まで回動する。
【0043】
前記ゲートアーム21の傾倒動作は、ゲートアーム21の自重だけで傾倒させるとゲートアーム21は鉄製で重量があることから早いスピードで回動し、駐車者に思わぬ怪我を生じさせるおそれがあるので、駆動軸19のチェーン32にダンパー35を取付けて該チェーンをゆっくりと回動させることにより怪我を防止している。
【0044】
一方、作動板41は、ロック板26の保持が解除されてソレノイド48が消磁されると、先端に取付けたばね50により上方に引張られ、停止板37の下面に当接して元の水平位置に停止することにより復帰する。
【0045】
ゲートアーム21は、水平位置まで回動して駐車枠2の出入口4を塞ぐと、ロック板26の他端26bが停止段部15に係止すると同時に、感知スイッチ59の接触子60に当接して課金装置(図示せず)とロック機構51のソレノイド54を励磁して作動軸55を作動させる。
【0046】
ロック機構51は、支持板12の一端に設けた停止段部15にロック板26の他端26bが係止されると、ロック板26のロック孔27と作動軸55を支持するガイド片52の軸孔53と凹溝部13に設けた軸孔16とをそれぞれ同一軸心上に位置させてあるため、ソレノイド54が励磁されると作動軸55をスムースに前後動させることができる。
【0047】
出入口4を閉鎖したゲートアーム21は、ロック板26が凹溝部13の停止段部15に支持され、ゲートアーム21を枠体7の一側に設けた保持板23によりそれぞれ支持されるため、該ゲートアーム上に人が乗る悪戯で下方に回転するのを防止することができる。
【0048】
オートバイXを駐車枠2から出車させる場合は、課金手段(図示せず)に表示された料金を精算して課金手段からロック機構51のソレノイド54にOFF信号が発信されて消磁すると、作動軸55がロック板26のロック孔27から抜けてガイド片52内に復帰する。次いで、ゲートアーム21を手で軽く持ち上げて回動し、垂直方向に移動させると支持機構40によりロックされ、ゲートアーム21を倒そうとしても降下するおそれはなく、オートバイXを駐車枠2から安全に出すことができる。
【0049】
前記ゲートアーム21は、駆動軸19に環回したチェーン32に引張りばね36とダンパー35を取付けたことにより、ゲートアーム21を手で軽く持ち上げるだけで、スムースに上昇させることができる。
【0050】
支持機構40によるゲートアーム21の保持は、ロック板26が回動して先端部28aの切欠部28が作動板41のロック軸43を押し下げながら摺動し、ロック板26の先端部28aからロック軸43が外れると同時に、作動板41がばね50の引張力で停止板37の下面に当って復帰すると共に、ロック板26の幅方向の他端26bをロック軸43が押圧し、ロック板26の幅方向反対側の一端26aは、停止板37の側面に当接されて保持することにより垂直方向にロックすることができる。
【0051】
ゲートアーム21の保持は、作動板41がばね50の弾発力で停止板37の下面に当接したときに発する「カチッ」という音で、ロック板26の幅方向両端を停止板37の側面と作動板41のロック軸43でロックされ、ゲートアーム21が垂直方向に復帰したことを確認することができるので安全である。
【符号の説明】
【0052】
2 駐車枠
4 出入口
6 施錠装置
7 枠体
11 仕切板
12 支持板
13 凹溝部
14 外枠部
15 係止段部
16 軸孔
19 駆動軸
20 軸受部
21 ゲートアーム
25 係止鍔部
26 ロック板
26a 他端
26b 一端
27 ロック孔
29 従動軸
30 軸受部
32 チェーン
31 留金具
35 ダンパー
36 引張りばね
37 停止板
40 支持機構
41 作動板
42 支持軸
43 ロック軸
44 スペース軸
45 ピン孔
46 連結ピン
47 連結板
48 ソレノイド
49 可動軸
50 復帰ばね
51 ロック機構
52 ガイド片
53 軸孔
54 ソレノイド
55 作動軸
57 感知センサー
59 感知スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体(7)の上下両端に駆動軸(19)と従動軸(29)をそれぞれ回転可能に軸支し、前記枠体(7)の一側から突出させた駆動軸(19)の先端に、三方をパイプ枠で囲ってオートバイ(X)を駐車させるスペースを有した駐車枠(2)の出入口(4)を開閉するゲートアーム(21)の一端を軸着し、前記駆動軸(19)の中央に取付けた係止鍔部(25)に先端中央にロック孔(27)を有したロック板(26)の後端を取付け、前記駆動軸(19)と従動軸(29)との間に環回したチェーン(32)に、前記ゲートアーム(21)をゆっくり傾倒させるダンパー(35)を取付け、前記枠体(7)内に取付けた仕切板(11)に、前記ゲートアーム(21)を垂直方向に回動したアンロック位置のロック板(26)を保持及び解除する支持機構(40)を取付け、前記仕切板(11)の一側で直角方向に取付けた支持板(12)に、前記ゲートアーム(21)を水平方向に回動したロック位置のロック板(26)をロックするロック機構(51)を取付け、前記枠体(7)の一側に取付けた駐車感知センサー(57)と前記支持機構(40)に設けたソレノイド(48)と、ロック機構(51)に設けたソレノイド(54)および感知スイッチ(59)と、課金装置を電気的に接続して前記ゲートアーム(21)をロックまたはアンロックすることを特徴とするオートバイ用有料駐車システムにおける施錠装置。
【請求項2】
前記支持機構(40)は、並行に位置した一対の作動板(41)の一端を前記仕切板(11)の壁面に支持軸(42)で枢動可能に軸支し、該作動板を水平位置で係止させる停止板(37)を作動板の他端側の仕切板(11)に取付け、前記作動板(41)の中間にロック板(26)を保持するロック軸(43)と、作動板(41)の間隔を維持するスペース軸(44)と、枢動した作動板(41)を元の位置に復帰させるばね(50)を先端に取付けると共に、作動板(41)設けたピン孔(45)に挿通した連結ピン(46)と、該作動板を下方に引張るソレノイド(48)の可動軸(49)を連結板(47)で連結してなり、前記ロック板(26)の幅方向の一端(26a)を前記停止板(37)の側面と当接させ、他端(26b)を作動板(41)のロック軸(43)で圧着して垂直方向を保持し、前記ソレノイド(48)が励磁して作動板(41)が下方に引張られると、前記他端(26b)を保持しているロック軸(43)が下方に外れてアンロックすると、前記ロック板(26)はロック位置方向に回動を開始し、前記ソレノイド(48)が消磁されると、作動板(41)は先端に取付けたばね(50)の作用により、前記停止板(37)の下面に当接して水平位置に復帰してなることを特徴とする請求項1記載のオートバイ用有料駐車システムにおける施錠装置。
【請求項3】
前記ロック機構(51)は、前記仕切板(11)の一側に取付けた支持板(12)の一端をコ字型に形成した凹溝部(13)を形成し、該凹溝部の外枠部(14)の下面に前記ロック板(26)が回動して水平方向のロック位置で停止する停止段部(15)を設け、該停止段部にロック板(26)の他端(26b)が停止すると、該ロック板のロック孔(27)とソレノイド(54)の作動軸(55)とガイド片(52)の軸孔(53)と凹溝部(13)に設けた軸孔(16)とがそれぞれ同一軸心上に位置すると共に、停止段部(15)の一側に設けた感知スイッチ(59)がソレノイド(54)と課金装置にON信号を発信し、前記ソレノイド(54)が励磁されると、作動軸(55)がロック板(26)のロック孔(27)を貫通して凹溝部(13)の軸孔(16)に挿入されてロック板(26)をロックし、課金精算が終了してOFF信号がソレノイド(54)に発信されて消磁すると、作動軸(55)が軸孔(16)とロック孔(27)からガイド片(52)の軸孔(53)内に戻り、ロック板(26)のロックを解除することを特徴とする請求項1または2記載のオートバイ用有料駐車システムにおける施錠装置。
【請求項4】
前記駆動軸(19)と従動軸(29)との間に環回したチェーン(32)に取付けた留金具(33)に、ダンパー(35)の一端を軸支し、他端を従動軸(29)の軸受部(30)に軸支して駆動軸(19)と連動するゲートアーム(21)の傾倒をゆっくりさせ、且つ、前記チェーン(32)の留金具(33)に引張りばね(36)の一端を軸支し、他端を駆動軸(19)の軸受部(20)に軸支して垂直方向に位置したゲートアーム(21)を傾倒方向に引張ってなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載のオートバイ用有料駐車システムにおける施錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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