説明

カッター装置および照明装置

【課題】駆動部の数を削減でき、簡素化および小形化できるカッター装置18を提供する。
【解決手段】カッター38、カッター支持円盤39、カッター動作円盤40で1組のカッターユニット35を構成し、複数組のカッターユニット35を同軸上に回転可能に配置する。各カッターユニット35のカッター支持円盤39およびカッター動作円盤40を個別に回転駆動部57で個別に回転駆動する。カッター支持円盤39とカッター動作円盤40との相対的な回転角度を変化させれば、カッター38を光路に対して進退移動させる。カッター支持円盤39およびカッター動作円盤40を同一方向に同時に回転させれば、カッター38で光路を遮る角度を変化させる。全てのカッターユニット35のカッター支持円盤39およびカッター動作円盤40を同一方向に同時に回転させれば、全てのカッターユニット35のカッター38を光路周りで同一方向に同時に回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な形状の投光像を作るカッター装置、およびこのカッター装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、舞台やスタジオなどの照明に使用される照明装置としてムービングライトやリモコンライトなどのスポットライトでは、光源からの光を受けて光学系内の光路上に配設されたカッター装置で様々な形状に形成した投光像を光学系で投光可能としている。
【0003】
カッター装置は、円盤の中央に光学系の光路となる円形の開口部が形成され、この円盤の一側で開口部の周囲にその開口部内に進退可能な4枚のカッターを配置し、これら4枚のカッターの角度と光路内への差込量との組み合わせによって様々な形状の投光像を形成可能としている。
【0004】
このようなカッター装置では、照明の効率化や演出目的で、モータの駆動によりカッターを制御するように遠隔操作可能としたものもある。4枚全てのカッターの角度と差込量とを制御可能とする場合には、1枚のカッターにつき、カッターの角度を制御するモータとカッターの差込量を制御するモータとの2個が必要であり、4枚のカッターを備えていれば8個のモータが必要となっている。これら8個のモータは円盤に取り付けられる。
【0005】
さらに、投光像を回転させるためには、4枚のカッターを円盤に固定したまま円盤全体を回転させる9個目のモータが必要となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−320501号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のカッター装置では、投光像を回転させるためには4枚のカッターを円盤に固定したまま円盤全体を回転させる9個目のモータが必要であり、しかも、この9個目のモータには8個のモータが取り付けられた円盤全体を回転させるために高トルクのモータを用いる必要となるうえに、そのようなモータは大きくなり、さらに、9個目のモータの駆動制御するドライバやコントローラなども必要となり、カッター装置が大形になる問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、駆動部の数を削減でき、簡素化および小形化できるカッター装置、およびこのカッター装置を用いた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のカッター装置は、光路を遮るカッター、中央部に光路となる開口部が形成され光路に対してカッターを進退移動可能に支持したカッター支持円盤、およびカッター支持円盤と同軸上で回転可能に重ね合わされカッター支持円盤に対する相対的な回転角度に応じてカッターを光路に対して進退移動させるカッター動作円盤を有する複数のカッターユニットと;複数のカッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤をそれぞれ同軸上で回転可能に支持する回転支持部と;各カッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤を個別に回転駆動する回転駆動部と;を具備しているものである。
【0009】
光路は、例えば、光学系内の光が通る部分を示す。
【0010】
カッターは、例えば、カッター支持円盤に揺動可能に軸支され、カッターに設けられたカム溝がカッター動作円盤に突設されたピンなどに係合されることにより、カッター支持円盤とカッター動作円盤との相対的な回転角度の変化に応じて光路に対して進退移動可能となる。
【0011】
カッター支持円盤およびカッター動作円盤は、例えば、カッター動作円盤にカッター支持円盤の開口部より大きい開口部を設けて互いに回転可能に組み合わせることにより、カッター動作円盤の大きい開口部から露出するカッター支持円盤の部分にカッターが支持可能となる。カッター支持円盤およびカッター動作円盤の周辺部に回転駆動部から回転力が伝達されるギヤを設けてもよい。
【0012】
回転支持部は、例えば、各円盤の周方向の3箇所以上を個別に回転可能に支持することにより各円盤を安定して回転可能に支持でき、各円盤の外周部が回転可能に係合するプーリなどが用いられ、各円盤の外周部がギヤに形成されている場合には各円盤に噛合するギヤ付きプーリが用いられる。
【0013】
回転駆動部は、例えば、モータが用いられ、このモータの回転駆動が円盤外周部に係合する回転伝達部材を介して各円盤に伝達される。各円盤の外周部がギヤに形成されている場合には、回転伝達部材として各円盤に噛合するギヤが用いられる。
【0014】
そして、カッターユニットのカッター支持円盤とカッター動作円盤との相対的な回転角度が変化されることにより、カッターユニットのカッターが光路に対して進退移動され、また、カッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤が同一方向に同時に回転されることにより、カッターユニットのカッターで光路を遮る角度が調整される。さらに、全てのカッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤が同一方向に同時に回転されることにより、全てのカッターユニットのカッターが光路周りで同一方向に同時に回転される。従来は円盤全体を回転させる機構の上に8個のモータが搭載されており、モータの制御線などの影響で回転角が制限されるので、実質的に360°以上エンドレスで回転させることは困難であったが、本機構ではカッターは光路周りで360°以上エンドレスで回転可能であり、このカッター装置を照明装置に組み合わせた場合に光路を遮るカッターで形成される投光像が回転しながら小さくしたり大きくすることが可能で、照明の演出効果が高められる。
【0015】
請求項2記載のカッター装置は、光路を遮るカッター、中央部に光路となる開口部が形成され光路に対してカッターを進退移動可能に支持したカッター支持円盤、およびカッター支持円盤と同軸上で回転可能に重ね合わされカッター支持円盤に対する相対的な回転角度に応じてカッターを光路に対して進退移動させるカッター動作円盤を有する複数のカッターユニットと;複数のカッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤をそれぞれ同軸上で回転可能に支持する回転支持部と;各カッターユニットのカッター動作円盤を回転駆動する回転駆動部と;各カッターユニットのカッターを光路周りで回転させるときにカッター支持円盤とカッター動作円盤とを一体に回転可能に連結し、カッターを光路に対して進退移動させるときにカッター支持円盤とカッター動作円盤との連結を解除してカッター動作円盤のみ回転可能とする連結切換駆動部と;を具備しているものである。
【0016】
連結切換駆動部は、例えば、電磁石やソレノイドなどが用いられる。
【0017】
そして、カッターユニットのカッター支持円盤とカッター動作円盤との連結が解除されて、カッター動作円盤のみが回転されることにより、カッターが光路に対して進退移動され、また、カッターユニットのカッター支持円盤とカッター動作円盤とが連結されて、カッター支持円盤とカッター動作円盤とが一体に回転されることにより、カッターユニットのカッターの光路を遮る角度が調整される。全てのカッターユニットのカッター支持円盤とカッター動作円盤とが同一方向に同時に回転されることにより、全てのカッターユニットのカッターが光路周りで同一方向に同時に回転される。
【0018】
請求項3記載の照明装置は、光源と;光源の光を投光する光学系と;この光学系内の光路上に配設され、光学系で投光する投光像を形成する請求項1または2記載のカッター装置と;を具備しているものである。
【0019】
光源は、例えば、ハロゲンランプやショートアーク放電灯などのランプや発光ダイオードなどが用いられる。
【0020】
光学系は、例えば、反射鏡やレンズなどの光学部品が用いられ、光源の光がカッター装置を通過した投光像を結像して投光する。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載のカッター装置によれば、カッターユニットのカッター支持円盤とカッター動作円盤との相対的な回転角度を変化させることにより、カッターユニットのカッターを光路に対して進退移動させることができ、また、カッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤を同一方向に同時に回転させることにより、カッターユニットのカッターで光路を遮る角度を調整できるとともに、全てのカッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤を同一方向に同時に回転させることにより、全てのカッターユニットのカッターを光路周りで同一方向に同時に回転させることができ、そのため、全てのカッターユニットのカッターを同時に回転させるのに専用の回転駆動部が必要なく、回転駆動部の数を削減でき、簡素化および小形化できる。しかも、カッターを光路周りで360°以上エンドレスで回転させることができ、例えば、このカッター装置を照明装置に組み合わせた場合に光路を遮るカッターで形成される投光像を回転させながら小さくしたり大きくすることができ、照明の演出効果を高めることが可能となる。
【0022】
請求項2記載のカッター装置によれば、カッターユニットのカッター支持円盤とカッター動作円盤との連結を解除して、カッター動作円盤のみを回転させることにより、カッターユニットのカッターを光路に対して進退移動させることができ、また、カッターユニットのカッター支持円盤とカッター動作円盤とを連結して、カッター支持円盤とカッター動作円盤とを一体に回転させることにより、カッターユニットのカッターで光路を遮る角度を調整できるとともに、全てのカッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤を同一方向に同時に回転させることにより、全てのカッターユニットのカッターを光路周りで同一方向に同時に回転させることができ、そのため、全てのカッターユニットのカッターを同時に回転させるのに専用の回転駆動部が必要なく、回転駆動部の数を削減でき、簡素化および小形化できる。
【0023】
請求項3記載の照明装置によれば、請求項1または2記載のカッター装置を用いるため、小形に構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0025】
図1ないし図6に第1の実施の形態を示し、図1はカッター装置のカッターを光路から退避された状態の正面図、図2はカッター装置の一部を切り欠いた平面図、図3はカッター装置の1つのカッターユニットを平面方向から見た分解状態の断面図、図4はカッター装置の1つのカッターユニットの背面図、図5はカッター装置のカッターを光路に進入させた状態の正面図、図6はカッター装置を用いた照明装置の構成図である。
【0026】
図6において、11は例えば舞台やスタジオなどの照明に使用されるムービングライトやリモコンライトを含むスポットライトなどの照明装置であり、この照明装置11は、照明装置本体12を有し、この照明装置本体12の前面には光を投光する投光開口13が形成されている。
【0027】
照明装置本体12内には、白色光を発光する光源15、この光源15の光を投光開口13から外部へ投光する光学系16、光軸16aを中心とする投光円を形成する円形の開口部であるアパーチャ17を有しこのアパーチャ17を通じて光学系16で投光する投光円の形状を任意に可変するカッター装置18、および光学系16で投光する光の色を変換する色変換装置19が配設されている。
【0028】
そして、光源15は、例えば、フィラメントである発光部15aを有するハロゲンランプが用いられ、その発光部15aが光学系16の光軸16a上に配置されている。
【0029】
また、光学系16は、発光部15aを焦点として光源15の光を集光する反射鏡21、光源15の光を光軸16aに平行な概平行光とするレンズ群22、概平行光とした光の光軸16aを投光開口13へ向けて90°変換するとともに赤外線透過機能を有する反射鏡23、および投光用のレンズ群24,25を有している。一般的には発光部15aから直接投光開口13に向けて光を照射するが、赤外線透過機能を有する反射鏡23で、90°変換することにより、熱成分を分離し、カッター装置18のカッター機構部にかかる熱を下げ、ユニット上の電子部品を保護することができる。
【0030】
反射鏡23とレンズ群24との間にカッター装置18が配設され、レンズ群24,25の間に色変換装置19が配設されている。投光用のレンズ群24,25の一部のレンズは光軸方向に移動し、投光円の大きさおよび焦点を調整可能としている。
【0031】
次に、図1および図2に示すように、カッター装置18は、板状の一対のベース31を有し、これらベース31の中央には互いに接近する方向に突出する円形の円盤押え部32が形成され、この円盤押え部32の中央に光路となる円形のアパーチャ17が形成されている。これら一対のベース31は、ベース31の周辺部に配置される複数の連結部材33で互いに連結固定されている。
【0032】
一対のベース31間には、複数であって例えば4組のカッターユニット35が配置されているとともに、これら4組のカッターユニット35を光軸16aを中心として同軸上に重なった状態でそれぞれ回転可能に支持する複数の回転支持部36が配設されている。
【0033】
そして、図1ないし図4に示すように、各カッターユニット35は、光路を遮るカッター38、光路に対してカッター38を進退移動可能に支持したカッター支持円盤39、およびカッター支持円盤39と同軸上で回転可能に重ね合わされカッター支持円盤39に対する相対的な回転角度に応じてカッター38を光路に対して進退移動させるカッター動作円盤40を有している。
【0034】
カッター支持円盤39は、中央部にアパーチャ17より少し径の大きい円形の開口部41が形成され、カッター動作円盤40に対向する一側面で開口部41の周囲に環状のガイドリング部42が別体または一体に設けられている。このカッター支持円盤39の周辺部近傍には段差部43が形成され、この段差部43より外側でカッター動作円盤40に対向する一側面に対して反対側の他側面に環状のギヤ44が取り付けられている。このギヤ44の歯部はカッター支持円盤39の外周部から突出されている。
【0035】
カッター動作円盤40は、中央部にカッター支持円盤39のガイドリング部42の周囲に回転可能に係合する開口部45が形成されている。このカッター動作円盤40の周辺部近傍には段差部46が形成され、この段差部46より外側でカッター支持円盤39に対向する他側面に環状のギヤ47が取り付けられている。このギヤ47の歯部はカッター動作円盤40の外周部から突出されている。
【0036】
カッター38は、平板状で、一辺には光路を遮る直線状のカッター部48が形成され、このカッター部48の近傍位置がカッター支持円盤39のガイドリング部42の一側面に支軸49で回動可能に軸支されている。そして、カッター38は、カッター支持円盤39に対して支軸49を中心として揺動可能に支持され、その揺動により光路に対して進退移動可能としている。
【0037】
カッター38には、長孔であるカム溝50が形成され、このカム溝50にカッター動作円盤40の一側面から突設されたピン51がカム溝50内を移動可能に係合されている。そして、図1に示すように、カッター支持円盤39に対してカッター動作円盤40が相対的に一方向に回転させることにより、カッター38が光路から退避し、一方、図5に示すように、カッター支持円盤39に対してカッター動作円盤40が相対的に他方向に回転することにより、カッター38が光路内に侵入する。
【0038】
カッター動作円盤40にはカッター38が光路から退避した位置で当接して停止させるストッパ52が突設されている。
【0039】
なお、図1および図5には1つのカッター38のみを破線で示すが、その他に3つのカッター38が同様に配設されている。
【0040】
そして、図2に示すように、4組のカッターユニット35のうち、2組のカッターユニット35が一側面と他側面との向きを互いに異ならせて重ね合わされている。これら4組のカッターユニット35を重ね合わせた状態では、カッターユニット35のカッター38および各円盤39,40の中央域が接近するように配置されているが、各円盤39,40の段差部43,46を介して各円盤39,40の外周部の各ギヤ44,47が重なり方向に互いに間隔をあけて配置されている。
【0041】
また、回転支持部36は、ベース31に取り付けられた軸部54を有し、この軸部54に全てのカッターユニット35の各円盤39,40のギヤ44,47が係合する8個のプーリ55がそれぞれ回転可能に取り付けられている。各プーリ55には各ギヤ44,47の両側に摺動可能に係合するフランジが設けられており、各プーリ55と各ギヤ44,47との係合状態が保持される。
【0042】
回転支持部36は、カッターユニット35の円周方向の3箇所に配置され、これら3点でカッターユニット35を安定した状態で回転可能に支持している。
【0043】
また、一方のベース31には、各カッターユニット35の各円盤39,40をそれぞれ個別に回転駆動する8つの回転駆動部57が配設されている。
【0044】
各回転駆動部57は、対応する各円盤39,40のギヤ44,47に噛合するギヤ58を有し、このギヤ58がベースに取り付けられたモータ59の駆動軸60に取り付けられている。ギヤ58には、各ギヤ44,47の両側に摺動可能に係合するフランジが設けられており、各ギヤ58と各ギヤ44,47との噛合状態が保持される。
【0045】
図1および図2に示すように、ベース31におけるカッターユニット35より一側位置には片側2組のカッターユニット35の各円盤39,40をそれぞれ個別に回転させる4つの回転駆動部57が配設され、他側位置には他の片側2組のカッターユニット35の各円盤39,40をそれぞれ個別に回転させる4つの回転駆動部57が配設されている。
【0046】
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
【0047】
図6に示すように、光源15の点灯により、発光部15aから放射された光が、反射鏡21で反射し、レンズ群22に入射し、反射鏡23で反射し、カッター装置18、アパーチャ17、レンズ群24、色変換装置19およびレンズ群25を経て照明装置本体12の投光開口13から投光される。
【0048】
カッター装置18において、カッター38を光学系16の光路から退避させていればアパーチャ17の形状に対応した投光円が投光され、カッター38を光学系16の光路に進入させていれば例えば三角形などの任意の形状とした光が投光される。
【0049】
色変換装置19において、設定された色に変換されて投光される。
【0050】
次に、カッター装置18の動作を説明する。
【0051】
図1の状態において、カッター支持円盤39に対して、カッター動作円盤40を時計回り方向に回転させることにより、図5に示すように、ピン51が時計回り方向に回転するため、このピン51に係合するカム溝50を介してカッター38が光路内へ向かって移動し、光を遮る。
【0052】
図5の状態において、カッター支持円盤39に対して、カッター動作円盤40を反時計回り方向に回転させることにより、図1に示すように、ピン51が反時計回り方向に回転するため、このピン51に係合するカム溝50を介してカッター38が光路外に向かって移動し、光を遮らなくなる。
【0053】
なお、カッター動作円盤40に対して、カッター支持円盤39を回転させることでも、同様に、カッター38を光路に対して進退させることができる。
【0054】
このように、カッターユニット35のカッター支持円盤39とカッター動作円盤40との相対的な回転角度を変化させることにより、カッターユニット35のカッター38を光路に対して進退移動させることができる。
【0055】
また、カッターユニット35のカッター支持円盤39およびカッター動作円盤40を同一方向に同時に回転させることにより、カッター38が光路回りで回転し、カッター38で光路を遮る角度を調整できる。
【0056】
また、全てのカッターユニット35のカッター支持円盤39およびカッター動作円盤40を同一方向に同時に回転させることにより、全てのカッターユニット35のカッター38を光路周りで同一方向に同時に回転させ、投光像を回転させることができる。
【0057】
このとき、カッター38を光路周りで360°以上エンドレスで回転させることができるため、光路を遮るカッター38で形成される投光像を回転させながら、投光像を小さくしたり大きくすることができ、照明の演出効果を高めることができる。
【0058】
このように、全てのカッターユニット35のカッター38を同時に回転させるのに専用の回転駆動部が必要なく、回転駆動部の数を削減でき、簡素化および小形化できる。
【0059】
次に、図7ないし図10に第2の実施の形態を示し、図7はカッター装置のカッターを光路から退避された状態の正面図、図8はカッター装置の1つのカッターユニットの待機状態の平面図、図9はカッター装置の1つのカッターユニットのカッターを光路に対して進退させる状態の平面図、図10はカッター装置の1つのカッターユニット全体を回転させる状態の平面図である。
【0060】
カッターユニット35は、カッター38、カッター支持円盤39およびカッター動作円盤40とともに、カッター支持円盤39のカッター動作円盤40に対向する一側面とは反対の他側面に対向してベース31などに固定的に配置される固定板65を備えている。
【0061】
カッター支持円盤39にはギヤ44が設けられず、カッター動作円盤40のみにギヤ47が設けられている。したがって、回転駆動部57は、カッター動作円盤40用のみで、カッターユニット35毎には1つずつ備えることになる。
【0062】
カッター支持円盤39の一側面および他側面には、連結切換駆動部としての電磁石66,67が取り付けられ、これら電磁石66,67が配線68を介して接続された制御部69でオンオフ制御される。これら電磁石66,67は、オン制御によりカッター動作円盤40や固定板65を吸引して連結し、オフ制御によりカッター動作円盤40や固定板65との連結を解除する。
【0063】
そして、図8には、電磁石66,67をオフしている待機状態を示し、この待機状態では、電磁石66,67がカッター動作円盤40および固定板65に対して離反している。
【0064】
また、図9に示すように、電磁石67をオンしてカッター支持円盤39を固定板65に固定し、モータ59を駆動させることにより、固定状態にあるカッター支持円盤39に対してカッター動作円盤40のみを回転させ、カッター38を光路に対して進退移動させることができる。
【0065】
また、図10に示すように、電磁石66をオンしてカッター支持円盤39とカッター動作円盤40とを固定し、モータ59を駆動させることにより、カッター支持円盤39とカッター動作円盤40とを同一方向に同時に回転させるため、カッター38を光路回りで回転させ、カッター38で光路を遮る角度を調整できる。
【0066】
また、両電磁石66,67を同時にオンさせれば、カッター38の位置および角度を固定できる。
【0067】
このカッター装置18の構成では、1つのカッターユニット35に1つのモータ59を用いるだけですみ、モータ59の数を削減できるため、モータ59自体とともにこのモータ59を駆動制御する駆動回路を削減でき、それによって、カッター装置18を小形化でき、照明装置11を小形にできる。
【0068】
1つのモータ59の代わりに用いる電磁石66,67は、モータ59に比べて、安価で小形であり、制御もオンオフだけでよい利点がある。
【0069】
なお、カッター支持円盤39に取り付けられた電磁石66,67と制御部69とを配線68で接続しているため、カッター支持円盤39の回転角度に制限が生じるが、カッター支持円盤39の回転部分にスリップリングとこのスリップリングに電気的に接触するブラシとを用いることにより、カッター支持円盤39の回転角度の制限をなくすことができ、カッター38を光路周りで360°以上エンドレスで回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すカッター装置のカッターを光路から退避された状態の正面図である。
【図2】同上カッター装置の一部を切り欠いた平面図である。
【図3】同上カッター装置の1つのカッターユニットを平面方向から見た分解状態の断面図である。
【図4】同上カッター装置の1つのカッターユニットの背面図である。
【図5】同上カッター装置のカッターを光路に進入させた状態の正面図である。
【図6】同上カッター装置を用いた照明装置の構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示すカッター装置のカッターを光路から退避された状態の正面図である。
【図8】同上カッター装置の1つのカッターユニットの待機状態の平面図である。
【図9】同上カッター装置の1つのカッターユニットのカッターを光路に対して進退させる状態の平面図である。
【図10】同上カッター装置の1つのカッターユニット全体を回転させる状態の平面図である。
【符号の説明】
【0071】
11 照明装置
15 光源
16 光学系
18 カッター装置
35 カッターユニット
36 回転支持部
38 カッター
39 カッター支持円盤
40 カッター動作円盤
41 開口部
57 回転駆動部
66,67 連結切換駆動部としての電磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路を遮るカッター、中央部に光路となる開口部が形成され光路に対してカッターを進退移動可能に支持したカッター支持円盤、およびカッター支持円盤と同軸上で回転可能に重ね合わされカッター支持円盤に対する相対的な回転角度に応じてカッターを光路に対して進退移動させるカッター動作円盤を有する複数のカッターユニットと;
複数のカッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤をそれぞれ同軸上で回転可能に支持する回転支持部と;
各カッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤を個別に回転駆動する回転駆動部と;
を具備していることを特徴とするカッター装置。
【請求項2】
光路を遮るカッター、中央部に光路となる開口部が形成され光路に対してカッターを進退移動可能に支持したカッター支持円盤、およびカッター支持円盤と同軸上で回転可能に重ね合わされカッター支持円盤に対する相対的な回転角度に応じてカッターを光路に対して進退移動させるカッター動作円盤を有する複数のカッターユニットと;
複数のカッターユニットのカッター支持円盤およびカッター動作円盤をそれぞれ同軸上で回転可能に支持する回転支持部と;
各カッターユニットのカッター動作円盤を回転駆動する回転駆動部と;
各カッターユニットのカッターを光路周りで回転させるときにカッター支持円盤とカッター動作円盤とを一体に回転可能に連結し、カッターを光路に対して進退移動させるときにカッター支持円盤とカッター動作円盤との連結を解除してカッター動作円盤のみ回転可能とする連結切換駆動部と;
を具備していることを特徴とするカッター装置。
【請求項3】
光源と;
光源の光を投光する光学系と;
この光学系内の光路上に配設され、光学系で投光する投光像を形成する請求項1または2記載のカッター装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−198366(P2008−198366A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29068(P2007−29068)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】