カップセット機
【課題】カップをラックにセットする処理能力を高めるために、待機搬送路に待機させるカップの数を増大させるよう待機搬送路を長くするのが、機体を大型化させることなく構成し得るようにする。
【解決手段】放出されるカップを所定の姿勢に整えて整列させる整列装置に接続して、整列したカップを振動により一方向に搬送するよう機体に装架せる待機搬送路の搬送方向の終端側に、下降傾斜しながら前記待機搬送路の搬送方向と逆方向に向け迂回する傾斜誘導路を接続して設け、その傾斜誘導路の下端側に、ラックに対しセットするカップの待機位置を設定する。
【解決手段】放出されるカップを所定の姿勢に整えて整列させる整列装置に接続して、整列したカップを振動により一方向に搬送するよう機体に装架せる待機搬送路の搬送方向の終端側に、下降傾斜しながら前記待機搬送路の搬送方向と逆方向に向け迂回する傾斜誘導路を接続して設け、その傾斜誘導路の下端側に、ラックに対しセットするカップの待機位置を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査及び医療検査分野において、血液や血清等の検体分析に使用するカップ(サンプルカップ)を、ラックに自動でセットするカップセット機についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプルカップといわれるカップは、検体分析を自動化した機械装置で行うときに、その機械装置に適応するよう作られた検体を収容する樹脂製の容器で、試験管の代わりとなる検体容器である。
【0003】
このカップは、図1にあるよう、カップaを落とし込んで保持せしめるセット穴b’が5連にあけられている試験管立て状に成形されたラックbに保持せしめた状態として、このラックbごと、自動化した検査装置に装填することで使用される。
【0004】
このラックbにカップaをセットするカップセット機Wは、従前にあっては、図2に示しているように、台箱状に形成した機体1の上面側に、投入されるカップaを収容するストッカーとなるドラム2と、そのドラム2の回転によりそのドラム2の内周面に設けたひれ状のプレートによりすくい上げられて放出されるカップaを流下させる放出シュート3と、そのシュート3から放出されるカップaを受け入れて、振動により垂直に立った所定の姿勢のカップaと不整な姿勢のカップaとに選り分けるとともに所定の姿勢のカップaを整列させる整列装置4と、その整列装置4により整列したカップaを順次送り出す待機搬送路5と、その待機搬送路5の搬送方向の終端に送られてきたカップaを一個ずつ下方に落下誘導する垂直方向の降下シュートcとを装架する。
【0005】
台箱状に形成した機体1の内部には、前記降下シュートc内を落下してくるカップaを挟み込むように受け止めて一時的に保持し、次いで挟み込みを開放することで、カップaを下方に落とし、下方に配置しておくラックbのセット穴b’に嵌挿せしめるカップセット装置dを配設し、かつ、カップセット装置dの下方位置に、カップaをセットせしめるラックbを載置するラック載置台eを、エンドレスに回動するコンベアベルトなどにより、左右方向に沿い移動自在の移動装置fに支架せしめて配設し、かつ、その移動装置fは、それに設けたラック載置台eを、載置するラックbに設けられるセット穴b’のピッチに対応する距離ずつ移動させる移動手段と、5連のセット穴b’の全てにカップaが装填されてセットが終了した状態のラックbを、機体1の内部に装備せしめておく、収納レーンgのトレーtの受入口に臨む位置に横移動させた状態において、そのトレーt上に積み込ます積込手段と、ラックbの載置がないラック載置台eを、前記収納レーンgに並列して、台箱状の機体1の内部に装備される空のラックbが並列載架してある供給レーンhのトレーtの供給口に臨む位置に横移動させた状態において、トレーt上に並列する空のラックbの後端に位置する1個のラックbを、ラック載置台e上に積み込ます積込手段が装備される。
【0006】
そして、台箱状に形成した機体1の内部に装設される収納レーンgおよび供給レーンhのトレーtは、機体1の前面または後面から引き出しおよび差し込みが行えるよう、収納レーンg及び供給レーンhに対しスライド自在に組み込まれる。
【0007】
このように構成されるカップセット機Wは、落下シュートcを落下してくるカップaを、受け止めて放出するカップセット装置dが、受け止めたカップaを放出する作動を行う動作の繰り返し速度に応じた処理速度でカップaをラックbにセットするセット処理が行われるようになるが、カップセット装置dが保持していたカップaを放出して、次に落下してくるカップaを受け止める状態となったときに、待機搬送路5を順次終端部に向け送り出されるカップaが、まだ、その待機搬送路5の終端部に届いていないときには、届いて落下シュートcを落下するまで待たなければならない。
【0008】
従ってこのカップセット機Wは、処理能力を高めるには、待機搬送路5からカップaが、きれることなく送り出されるようにすること、それには待機搬送路5に待機させるカップaの数を多くすることが必要となり、そのため、待機搬送路5を長くして多数のカップaを待機搬送路5に用意することで対応させるようにしている。このことから、待機搬送路5を長大なものとすることになって、機体を大型化させ、設置面積を大きくする問題がある。
【0009】
また、カップaをラックbに挿し込みセットするセット位置から取り出すセットし終えたラックbを収納する収納レーンgと、セット位置に順次送給する空のラックbを収容しておく、供給レーンhとが、機体1内に一体型に組み込まれていることで、ラックセット数が固定であり、検査に大量のカップを使用するところと、小量のみで使用するところと、数々あるユーザーの要求に対応し得ない問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明において解決しようとする課題は、カップセット機を、カップをラックにセットする処理能力を高めるために、待機搬送路に待機させるカップの数を増大させるよう待機搬送路を長くするのが、機体を大型化させることなく構成し得るようにすることと、カップセット機に設ける、セット位置から取り出すカップのセットを終えたラックを並列させて収納する収納レーンと、セット位置に供給する空のラックを並列収容しておく供給レーンとからなるラックの供給収納ユニットを、ラックセット数を可変なものとして、カップセット機に装備せしめ得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するための手段として、本発明においては、ストッカーのドラム2内から放出シュート3を経て放出されるカップaを、所定の姿勢に整えて整列させる整列装置4に接続して、整列したカップaを振動により一方向に搬送する待機搬送路5を機体1に装架し、その待機搬送路5の搬送方向の終端側に、下降傾斜しながら前記待機搬送路5の搬送方向と逆方向に戻るよう迂回する傾斜誘導路uを接続して設け、その傾斜誘導路uの下端側に、ラックbに対しセットするカップaの待機位置vを設定することを特徴とするカップセット機を提起するものである。
また、これに併せて、内部に投入されたカップaを放出シュート3に送給するドラム2と、放出シュート3から放出されるカップaを所定の姿勢に整えて整列させる整列装置4と、整列させたカップaを振動により一方向に搬送する待機搬送路5と、その待機搬送路5の終端から、カップaをラックbに対しセットする待機位置vに誘導する傾斜誘導路uと、機体1aを装備せしめて本体ユニットAを構成し、前記機体1aと別体に形成した機体1bに、カップaをセットするラックbを載置するラック載置台eと、そのラック載置台eからカップaのセットを終えたラックbを受け取り並列収納する収納レーンgと、ラック載置台eに対し供給する空のラックbを並列収容さす供給レーンhとを装架して搬送ユニットBを構成し、この搬送ユニットBを本体ユニットAに対し装脱自在に連結してカップセット機に構成することを特徴とするカップセット機を提起するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるカップセット機は、待機搬送路の終端に傾斜下降しながら前記待機搬送路の搬送方向の始端側に向け迂回する傾斜誘導路uを接続させて設け、その傾斜誘導路uの下端側に、ラックbに対しカップaをセットする待機位置vを設定しているのだから、傾斜誘導路uを待機路に利用してカップaに多量に待機させ得ることになり、ラックbに対しカップaをセットする速度をあげても、カップaがきれることなくラックbに対し供給されるようになる。
【0013】
そして、この傾斜誘導路uは下降傾斜しながらUターンして待機搬送路5の始端側に向け戻るように機体に装架してあることで、機体の長さを増大させることなく装備でき、機体の小型化が得られるようになる。また、傾斜誘導路uを待機路に利用することで、振動させる待機搬送路5は、整列装置4で整列させたカップaを送り出すよう作用すれば足りるので、短く形成でき、待機搬送路5の振動の騒音を少なく押さえられる。
【0014】
また、カップaをセットするラックbを載置せしめるラック載置台eと、このラック載置台eに対し供給するラックbを収容しておく供給レーンh及びカップaのセットが終えたラックbを取り出して収容しておく収納レーンgとを、本体ユニットAの機体1aと別体に構成した機体1bに装架して、搬送ユニットBを構成し、これを本体ユニットAに装脱自在に接続してカップセット機Wを構成するようにしたときは、搬送ユニットBを、それに装架するラックの供給レーンhと収納レーンgの、レーン数を異にする多種類に用意しておくことで、ユーザーが要求するレーン数のラック供給収納レーンを装備せるカップセット機を提供し得るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0016】
図3乃至図11は、本発明を実施せるカップセット機を示し、図3はそのカップセット機の全体の斜視図、図4は同上カップセット機の一部破断した斜視図、図5は同上カップセット機の、本体ユニットにラック供給収納レーンの連数を増やした搬送ユニットを連結した状態の斜視図、図6は搬送ユニットを外した状態の本体ユニットの斜視図、図7は同上本体ユニットのカバーを外した状態の斜視図、図8は同上状態の本体ユニットの後面側から見た斜視図、図9はさらにカップ装填装置を外した状態の斜視図、図10は待機搬送路を振動させる振動装置の前面図、図11は同上の平面図、図12は同上の側面図を示す。
【0017】
これらの図において、Aは本体ユニット、Bは搬送ユニット、kは本体ユニットAに被せたカバー、2は本体ユニットAの機体1aに装架せるドラム、3は前記ドラム2の回転によりすくい上げられたカップaを受けるよう同上機体に設けた放出シュート、4は前記放出シュート3から放出されるカップaを振動により正立した姿勢に整えて整列させるよう同上機体に設けた整列装置、5は前記整列装置4で整列させたカップaを搬送させる待機搬送路、uは待機搬送路5の終端側に接続させて同上機体1aに設けた下降傾斜しながら平面視においてUターンするよう迂回する傾斜誘導路、vはその傾斜誘導路uの下端側に位置せしめて同上機体1aに設けた待機位置、dはその待機位置vに位置するカップaを、搬送ユニットBの機体1bに装架せるラック載置台eに載置したラックbにセットするよう同上機体1bに設けたカップ装填装置、hは搬送ユニットBの機体1bに装架した空のラックbを並列収容する供給レーン、tはその供給レーンhに組み付けたトレー、gはカップaのセットが終えたラックbを並列収容するよう搬送ユニットBの機体1bに装架した収納レーン、tはその収納レーンgに設けたトレーを示す。
【0018】
ドラム2は、内部にカップaを投入してストックしておくストッカーの役割と、ストックしたカップaを順次繰り出す繰出装置の役割とを果たすもので、軸線方向を、機体1aの前後方向に沿わせた姿勢として、機体1aに前後に並列する一対のつい立て状に設けた支持板10・11の間に配し、該ドラム2の軸方向の両端部を、前記一対の支持板10・11の各内面側に支持させることで機体1aに装架してある。
【0019】
ドラム2は、軸方向の両端部の外周側に、環状のレール20がそれぞれ設けられ、このレール20を、支持板10・11の各内面側に環状に配設して軸支せる誘導輪12に嵌合させることで、機体1aに対し回転自在に装架してあり、誘導輪12のうちの適宜の誘導輪12を、図8に示しているように、モーターMにより駆動される駆動軸21と伝導連結して駆動することで、図7において時計回りに回転するようにしてある。
【0020】
そして、このドラム2の内周面には、ドラム2の回転によりドラム2内のカップaをすくい上げるひれ状のプレートが設けてあり、これにより、すくい上げたカップaを、機体1aに固定支架してある前述の放出シュート3の基端側の上面に落下させるよう作用する。
【0021】
整列装置4は、前記放出シュート3から放出されるカップaを受けとめるようその放出シュート3の先端の下方に配位して機体1aに装架してある。この整列装置4は、図10乃至図12に示しているよう機体1aに固定装架する振動装置6の機体60の上部に、左右に一対に並列するよう設けた斜めの板状のバネ板61・61を介して支架した左右に長い支持板62の、右端側の端部に組み付け支持してあり、支持板62が振動装置6の機体60の上面側に配設せる電磁石63の間欠的な励磁によるバネ板61・61の作動で、左右方向に往復揺動するよう振動し、正しい姿勢のカップaを当該整列装置4の整列路40内に受け入れ、不正な姿勢のカップaをドラム2内に戻すよう作用し、かつ、整列路40に受け入れた直立する正しい姿勢のカップaを、順次、整列路40に接続している待機搬送路5に送り出すよう作用する。
【0022】
待機搬送路5は、所定の姿勢に整えたカップaを、ラックbに対しカップaをセットするカップセット装置dの手前に、待機させて準備しておくためのもので、前述の整列装置4の整列路40の出口側に、該待機搬送路5の始端側を接続させて、前述の振動装置6の機体60にバネ板61・61を介して支架した支持板61の上面に支持せしめてあり、振動装置6の作動によりカップaを順次終端側に送り出すよう作用する。
【0023】
傾斜誘導路uは、前述の待機搬送路5の終端に送られてきたカップaを、カップセット装置dによりラックbに対しセットせしめる待機位置vに誘導するもので、図2に示している従前のカップセット機Wにおける降下シュートcに対応するものであるが、この例においては、カップaを自重により滑り落とすよう下降傾斜し、かつ、平面視において、待機搬送路5の始端側に向けUターンするように迂回した長い誘導路に構成して、この傾斜誘導路uがカップaを待機させる待機路となるようにし、これにより、機体1aの長さ寸法を増大させずに、待機させるカップaの数を増大させるようにしている。そして、この下降傾斜する傾斜誘導路uの下降端には、ラックbに開設してある5連のセット穴b’に対応して、5個のカップaを並列させて待機させる待機位置vを設定している。
【0024】
カップセット装置dは、待機位置vに位置しているカップaを、ラック載置台e上に載置して準備しておくラックbのセット穴b’に移し換えるように装填していくもので、前述の傾斜誘導路uの下端側に設けた待機位置vの上方に配位して機体1aに装設してある。
【0025】
カップセット装置dは、この例においては、カムにより開閉が制御される真空ポンプPに通ずる引き口70と外気に開放する排気口とを備え、下端側にカップaを吸着する吸着口71を具備するバキュームノズルnを、竪の姿勢に直立させて、5連に並列させ、これを、カム機構により、図7に示しているように機体1aの前面側に突出して下降した状態位置から、直立した姿勢を保持したまま、機体1a側に寄りながら上昇した状態位置を経て、機体1aに装設してある前述の待機位置vに位置しているカップaに向け下降した状態位置の間を、往復動するように制御し、かつ、待機位置vに下降した状態位置において、引き口70が真空ポンプP側に連通してカップaを下端の吸着口71に吸着させ、機体1aの前面側に下降した状態位置において、排気口が開放して吸着口71に吸着して運び出したカップaを放出するように作動する。
【0026】
このカップセット装置dで、待機位置vから取り出されるカップaをセットせしめるラックbを、所定の位置において載置せしめるラック載置台eは、この実施例においては、図4に示しているように、本体ユニットAの機体1aとは別体に形成した搬送ユニットBの機体1bの、本体ユニットAに対し突き合わされる後端部に、左右方向に連続する凹溝13を形成して、それの溝底に、左右方向に長い帯板状の金属板のプレート14を設置し、このプレート14の上面をもって、ラック載置台eを構成するようにし、これにより、載置したラックbが、帯板状のラック載置台eの上面を滑って左右方向に移動可能となるようにしている。
【0027】
そして、この帯板状のラック載置台eの上方には、搬送ユニットBの機体1bの後端部に前記凹溝13の後面側の壁面を形成するように設けた左右に長い機筐15から前方に向けて突出する左右に一対のアーム16・16が、ラックbの左右の巾寸法に対応する間隔をおいて配設してあり、ラックbは、この一対のアーム16・16の間隔内に嵌入することで、ラック載置台eに載置した状態において、この一対のアーム16・16により保持されるようにしてある。
【0028】
この一対のアーム16・16は、それの基端側が、前記機筐15の前面側の機壁に左右方向に長いスリット状のガイド穴17を介し、機筐15内に突入していて、その突入端が、機筐15内に左右方向にエンドレスに回動するコンベアベルト状に張設してある無端ベルト18に固着連結してあって、無端ベルト18を正方向または逆方向に回動するよう作動させることで、長溝状のガイド穴17に沿い左右に移動するようにしてある。
【0029】
この一対のアーム16・16の無端ベルト18による作動で、ラック載置台e上に載置したラックbを、カップセット装置dと対応する位置に動かし、その位置においてカップaの供給を受け、それによりセットが終えたところで、機体1bに装架してある収納レーンgのトレーtの始端部と対面する位置に移動させ、その位置において、前述の機筐15に前方に向け突出と引込が行われるよう組み込んである押込装置lの作動で、収納レーンgのトレーtの始端部に移し換え、次いで、間隔内が空になった一対のアーム16・16を、空のラックbが並列装架してある供給レーンhのトレーtの、供給口となる後端側の端部に対面する位置に移動させ、供給レーンhに前後方向に動くよう組み込まれている押出装置mを作動させて、並列装架してある空のラックbのうちの一つのラックbを押し出し、これを一対のアーム16・16の間隔内に押し込み保持させ、次いで、アーム16・16の横移動により、この保持せしめた空のラックbをカップセット装置dと対応する位置に移動させるようにしてある。
【0030】
収納レーンgおよび供給レーンhは、搬送ユニットBの機体1bの上面に、前後方向に沿う凹溝80を形設して、これにレール81を付設し、凹溝80内にトレーtを前記レール81により摺動自在に嵌挿することで構成している。
【0031】
この収納レーンg及び供給レーンhを装架せる搬送ユニットBは、それの機体1bの後端部の下面に、この後端部が突き合わされる本体ユニットAの機体1aの前端部から、舌片状に突出するように設けたバネ板9の上面に植設してある突起90に対して嵌合する透孔が開設してあって、その透孔を前記バネ板9の上面の突起90に嵌め合わせることで、本体ユニットAに一体的に連結して、カップセット機Wを組み立てるようになる。
【0032】
そして、この搬送ユニットBは、図5に示しているように、装架する収納レーンg、供給レーンhの連数を増やしたものを、何種類か作っておいて、これを交換して本体ユニットAに連結し、組み合わせることで、装架する収納レーンg、供給レーンhの連数を変化させ得るようにしてある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】カップをセットするラックの斜視図である。
【図2】ラックにカップをセットする従前のカップセット機の一部破断した正面図である。
【図3】本発明を実施せるカップセット機の全体の斜視図である。
【図4】同上カップセット機の一部破断した斜視図である。
【図5】同上カップセット機の、本体ユニットに、供給レーン及び収納レーンの連数を増やした搬送ユニットを連結した状態の斜視図である。
【図6】同上カップセット機の、搬送ユニットを外した状態の本体ユニットの斜視図である。
【図7】同上本体ユニットの、カバーを外した状態の斜視図である。
【図8】同上状態の本体ユニットの後面側から見た斜視図である。
【図9】同上状態の本体ユニットから、さらに、カップセット装置を外した状態の斜視図である。
【図10】待機搬送路および整列装置とそれを振動させる振動装置の前面図である。
【図11】同上待機搬送路および整列装置とそれを振動させる振動装置の平面図である。
【図12】同上待機搬送路および整列装置とそれを振動させる振動装置の側面図である。
【符号の説明】
【0034】
A 本体ユニット
B 搬送ユニット
M モーター
P 真空ポンプ
W カップセット機
a カップ
b ラック
b’セット穴
c 降下シュート
d カップセット装置
e ラック載置台
f 移動装置
g 収納レーン
h 供給レーン
k カバー
l 押込装置
m 押出装置
n バキュームノズル
t トレー
u 傾斜誘導路
v 待機位置
1 機体
1a 本体ユニットの機体
1b 搬送ユニットの機体
10・11 支持板
12 誘導輪
13 凹溝
14 プレート
15 機筐
16・16 アーム
17 ガイド穴
18 無端ベルト
2 ドラム
20 レール
21 駆動軸
3 放出シュート
4 整列装置
40 整列路
5 待機搬送路
6 振動装置
60 機体
61・61 バネ板
62 支持板
63 電磁石
70 引き口
71 吸着口
80 凹溝
81 レール
9 バネ板
90 突起
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査及び医療検査分野において、血液や血清等の検体分析に使用するカップ(サンプルカップ)を、ラックに自動でセットするカップセット機についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプルカップといわれるカップは、検体分析を自動化した機械装置で行うときに、その機械装置に適応するよう作られた検体を収容する樹脂製の容器で、試験管の代わりとなる検体容器である。
【0003】
このカップは、図1にあるよう、カップaを落とし込んで保持せしめるセット穴b’が5連にあけられている試験管立て状に成形されたラックbに保持せしめた状態として、このラックbごと、自動化した検査装置に装填することで使用される。
【0004】
このラックbにカップaをセットするカップセット機Wは、従前にあっては、図2に示しているように、台箱状に形成した機体1の上面側に、投入されるカップaを収容するストッカーとなるドラム2と、そのドラム2の回転によりそのドラム2の内周面に設けたひれ状のプレートによりすくい上げられて放出されるカップaを流下させる放出シュート3と、そのシュート3から放出されるカップaを受け入れて、振動により垂直に立った所定の姿勢のカップaと不整な姿勢のカップaとに選り分けるとともに所定の姿勢のカップaを整列させる整列装置4と、その整列装置4により整列したカップaを順次送り出す待機搬送路5と、その待機搬送路5の搬送方向の終端に送られてきたカップaを一個ずつ下方に落下誘導する垂直方向の降下シュートcとを装架する。
【0005】
台箱状に形成した機体1の内部には、前記降下シュートc内を落下してくるカップaを挟み込むように受け止めて一時的に保持し、次いで挟み込みを開放することで、カップaを下方に落とし、下方に配置しておくラックbのセット穴b’に嵌挿せしめるカップセット装置dを配設し、かつ、カップセット装置dの下方位置に、カップaをセットせしめるラックbを載置するラック載置台eを、エンドレスに回動するコンベアベルトなどにより、左右方向に沿い移動自在の移動装置fに支架せしめて配設し、かつ、その移動装置fは、それに設けたラック載置台eを、載置するラックbに設けられるセット穴b’のピッチに対応する距離ずつ移動させる移動手段と、5連のセット穴b’の全てにカップaが装填されてセットが終了した状態のラックbを、機体1の内部に装備せしめておく、収納レーンgのトレーtの受入口に臨む位置に横移動させた状態において、そのトレーt上に積み込ます積込手段と、ラックbの載置がないラック載置台eを、前記収納レーンgに並列して、台箱状の機体1の内部に装備される空のラックbが並列載架してある供給レーンhのトレーtの供給口に臨む位置に横移動させた状態において、トレーt上に並列する空のラックbの後端に位置する1個のラックbを、ラック載置台e上に積み込ます積込手段が装備される。
【0006】
そして、台箱状に形成した機体1の内部に装設される収納レーンgおよび供給レーンhのトレーtは、機体1の前面または後面から引き出しおよび差し込みが行えるよう、収納レーンg及び供給レーンhに対しスライド自在に組み込まれる。
【0007】
このように構成されるカップセット機Wは、落下シュートcを落下してくるカップaを、受け止めて放出するカップセット装置dが、受け止めたカップaを放出する作動を行う動作の繰り返し速度に応じた処理速度でカップaをラックbにセットするセット処理が行われるようになるが、カップセット装置dが保持していたカップaを放出して、次に落下してくるカップaを受け止める状態となったときに、待機搬送路5を順次終端部に向け送り出されるカップaが、まだ、その待機搬送路5の終端部に届いていないときには、届いて落下シュートcを落下するまで待たなければならない。
【0008】
従ってこのカップセット機Wは、処理能力を高めるには、待機搬送路5からカップaが、きれることなく送り出されるようにすること、それには待機搬送路5に待機させるカップaの数を多くすることが必要となり、そのため、待機搬送路5を長くして多数のカップaを待機搬送路5に用意することで対応させるようにしている。このことから、待機搬送路5を長大なものとすることになって、機体を大型化させ、設置面積を大きくする問題がある。
【0009】
また、カップaをラックbに挿し込みセットするセット位置から取り出すセットし終えたラックbを収納する収納レーンgと、セット位置に順次送給する空のラックbを収容しておく、供給レーンhとが、機体1内に一体型に組み込まれていることで、ラックセット数が固定であり、検査に大量のカップを使用するところと、小量のみで使用するところと、数々あるユーザーの要求に対応し得ない問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明において解決しようとする課題は、カップセット機を、カップをラックにセットする処理能力を高めるために、待機搬送路に待機させるカップの数を増大させるよう待機搬送路を長くするのが、機体を大型化させることなく構成し得るようにすることと、カップセット機に設ける、セット位置から取り出すカップのセットを終えたラックを並列させて収納する収納レーンと、セット位置に供給する空のラックを並列収容しておく供給レーンとからなるラックの供給収納ユニットを、ラックセット数を可変なものとして、カップセット機に装備せしめ得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するための手段として、本発明においては、ストッカーのドラム2内から放出シュート3を経て放出されるカップaを、所定の姿勢に整えて整列させる整列装置4に接続して、整列したカップaを振動により一方向に搬送する待機搬送路5を機体1に装架し、その待機搬送路5の搬送方向の終端側に、下降傾斜しながら前記待機搬送路5の搬送方向と逆方向に戻るよう迂回する傾斜誘導路uを接続して設け、その傾斜誘導路uの下端側に、ラックbに対しセットするカップaの待機位置vを設定することを特徴とするカップセット機を提起するものである。
また、これに併せて、内部に投入されたカップaを放出シュート3に送給するドラム2と、放出シュート3から放出されるカップaを所定の姿勢に整えて整列させる整列装置4と、整列させたカップaを振動により一方向に搬送する待機搬送路5と、その待機搬送路5の終端から、カップaをラックbに対しセットする待機位置vに誘導する傾斜誘導路uと、機体1aを装備せしめて本体ユニットAを構成し、前記機体1aと別体に形成した機体1bに、カップaをセットするラックbを載置するラック載置台eと、そのラック載置台eからカップaのセットを終えたラックbを受け取り並列収納する収納レーンgと、ラック載置台eに対し供給する空のラックbを並列収容さす供給レーンhとを装架して搬送ユニットBを構成し、この搬送ユニットBを本体ユニットAに対し装脱自在に連結してカップセット機に構成することを特徴とするカップセット機を提起するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるカップセット機は、待機搬送路の終端に傾斜下降しながら前記待機搬送路の搬送方向の始端側に向け迂回する傾斜誘導路uを接続させて設け、その傾斜誘導路uの下端側に、ラックbに対しカップaをセットする待機位置vを設定しているのだから、傾斜誘導路uを待機路に利用してカップaに多量に待機させ得ることになり、ラックbに対しカップaをセットする速度をあげても、カップaがきれることなくラックbに対し供給されるようになる。
【0013】
そして、この傾斜誘導路uは下降傾斜しながらUターンして待機搬送路5の始端側に向け戻るように機体に装架してあることで、機体の長さを増大させることなく装備でき、機体の小型化が得られるようになる。また、傾斜誘導路uを待機路に利用することで、振動させる待機搬送路5は、整列装置4で整列させたカップaを送り出すよう作用すれば足りるので、短く形成でき、待機搬送路5の振動の騒音を少なく押さえられる。
【0014】
また、カップaをセットするラックbを載置せしめるラック載置台eと、このラック載置台eに対し供給するラックbを収容しておく供給レーンh及びカップaのセットが終えたラックbを取り出して収容しておく収納レーンgとを、本体ユニットAの機体1aと別体に構成した機体1bに装架して、搬送ユニットBを構成し、これを本体ユニットAに装脱自在に接続してカップセット機Wを構成するようにしたときは、搬送ユニットBを、それに装架するラックの供給レーンhと収納レーンgの、レーン数を異にする多種類に用意しておくことで、ユーザーが要求するレーン数のラック供給収納レーンを装備せるカップセット機を提供し得るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0016】
図3乃至図11は、本発明を実施せるカップセット機を示し、図3はそのカップセット機の全体の斜視図、図4は同上カップセット機の一部破断した斜視図、図5は同上カップセット機の、本体ユニットにラック供給収納レーンの連数を増やした搬送ユニットを連結した状態の斜視図、図6は搬送ユニットを外した状態の本体ユニットの斜視図、図7は同上本体ユニットのカバーを外した状態の斜視図、図8は同上状態の本体ユニットの後面側から見た斜視図、図9はさらにカップ装填装置を外した状態の斜視図、図10は待機搬送路を振動させる振動装置の前面図、図11は同上の平面図、図12は同上の側面図を示す。
【0017】
これらの図において、Aは本体ユニット、Bは搬送ユニット、kは本体ユニットAに被せたカバー、2は本体ユニットAの機体1aに装架せるドラム、3は前記ドラム2の回転によりすくい上げられたカップaを受けるよう同上機体に設けた放出シュート、4は前記放出シュート3から放出されるカップaを振動により正立した姿勢に整えて整列させるよう同上機体に設けた整列装置、5は前記整列装置4で整列させたカップaを搬送させる待機搬送路、uは待機搬送路5の終端側に接続させて同上機体1aに設けた下降傾斜しながら平面視においてUターンするよう迂回する傾斜誘導路、vはその傾斜誘導路uの下端側に位置せしめて同上機体1aに設けた待機位置、dはその待機位置vに位置するカップaを、搬送ユニットBの機体1bに装架せるラック載置台eに載置したラックbにセットするよう同上機体1bに設けたカップ装填装置、hは搬送ユニットBの機体1bに装架した空のラックbを並列収容する供給レーン、tはその供給レーンhに組み付けたトレー、gはカップaのセットが終えたラックbを並列収容するよう搬送ユニットBの機体1bに装架した収納レーン、tはその収納レーンgに設けたトレーを示す。
【0018】
ドラム2は、内部にカップaを投入してストックしておくストッカーの役割と、ストックしたカップaを順次繰り出す繰出装置の役割とを果たすもので、軸線方向を、機体1aの前後方向に沿わせた姿勢として、機体1aに前後に並列する一対のつい立て状に設けた支持板10・11の間に配し、該ドラム2の軸方向の両端部を、前記一対の支持板10・11の各内面側に支持させることで機体1aに装架してある。
【0019】
ドラム2は、軸方向の両端部の外周側に、環状のレール20がそれぞれ設けられ、このレール20を、支持板10・11の各内面側に環状に配設して軸支せる誘導輪12に嵌合させることで、機体1aに対し回転自在に装架してあり、誘導輪12のうちの適宜の誘導輪12を、図8に示しているように、モーターMにより駆動される駆動軸21と伝導連結して駆動することで、図7において時計回りに回転するようにしてある。
【0020】
そして、このドラム2の内周面には、ドラム2の回転によりドラム2内のカップaをすくい上げるひれ状のプレートが設けてあり、これにより、すくい上げたカップaを、機体1aに固定支架してある前述の放出シュート3の基端側の上面に落下させるよう作用する。
【0021】
整列装置4は、前記放出シュート3から放出されるカップaを受けとめるようその放出シュート3の先端の下方に配位して機体1aに装架してある。この整列装置4は、図10乃至図12に示しているよう機体1aに固定装架する振動装置6の機体60の上部に、左右に一対に並列するよう設けた斜めの板状のバネ板61・61を介して支架した左右に長い支持板62の、右端側の端部に組み付け支持してあり、支持板62が振動装置6の機体60の上面側に配設せる電磁石63の間欠的な励磁によるバネ板61・61の作動で、左右方向に往復揺動するよう振動し、正しい姿勢のカップaを当該整列装置4の整列路40内に受け入れ、不正な姿勢のカップaをドラム2内に戻すよう作用し、かつ、整列路40に受け入れた直立する正しい姿勢のカップaを、順次、整列路40に接続している待機搬送路5に送り出すよう作用する。
【0022】
待機搬送路5は、所定の姿勢に整えたカップaを、ラックbに対しカップaをセットするカップセット装置dの手前に、待機させて準備しておくためのもので、前述の整列装置4の整列路40の出口側に、該待機搬送路5の始端側を接続させて、前述の振動装置6の機体60にバネ板61・61を介して支架した支持板61の上面に支持せしめてあり、振動装置6の作動によりカップaを順次終端側に送り出すよう作用する。
【0023】
傾斜誘導路uは、前述の待機搬送路5の終端に送られてきたカップaを、カップセット装置dによりラックbに対しセットせしめる待機位置vに誘導するもので、図2に示している従前のカップセット機Wにおける降下シュートcに対応するものであるが、この例においては、カップaを自重により滑り落とすよう下降傾斜し、かつ、平面視において、待機搬送路5の始端側に向けUターンするように迂回した長い誘導路に構成して、この傾斜誘導路uがカップaを待機させる待機路となるようにし、これにより、機体1aの長さ寸法を増大させずに、待機させるカップaの数を増大させるようにしている。そして、この下降傾斜する傾斜誘導路uの下降端には、ラックbに開設してある5連のセット穴b’に対応して、5個のカップaを並列させて待機させる待機位置vを設定している。
【0024】
カップセット装置dは、待機位置vに位置しているカップaを、ラック載置台e上に載置して準備しておくラックbのセット穴b’に移し換えるように装填していくもので、前述の傾斜誘導路uの下端側に設けた待機位置vの上方に配位して機体1aに装設してある。
【0025】
カップセット装置dは、この例においては、カムにより開閉が制御される真空ポンプPに通ずる引き口70と外気に開放する排気口とを備え、下端側にカップaを吸着する吸着口71を具備するバキュームノズルnを、竪の姿勢に直立させて、5連に並列させ、これを、カム機構により、図7に示しているように機体1aの前面側に突出して下降した状態位置から、直立した姿勢を保持したまま、機体1a側に寄りながら上昇した状態位置を経て、機体1aに装設してある前述の待機位置vに位置しているカップaに向け下降した状態位置の間を、往復動するように制御し、かつ、待機位置vに下降した状態位置において、引き口70が真空ポンプP側に連通してカップaを下端の吸着口71に吸着させ、機体1aの前面側に下降した状態位置において、排気口が開放して吸着口71に吸着して運び出したカップaを放出するように作動する。
【0026】
このカップセット装置dで、待機位置vから取り出されるカップaをセットせしめるラックbを、所定の位置において載置せしめるラック載置台eは、この実施例においては、図4に示しているように、本体ユニットAの機体1aとは別体に形成した搬送ユニットBの機体1bの、本体ユニットAに対し突き合わされる後端部に、左右方向に連続する凹溝13を形成して、それの溝底に、左右方向に長い帯板状の金属板のプレート14を設置し、このプレート14の上面をもって、ラック載置台eを構成するようにし、これにより、載置したラックbが、帯板状のラック載置台eの上面を滑って左右方向に移動可能となるようにしている。
【0027】
そして、この帯板状のラック載置台eの上方には、搬送ユニットBの機体1bの後端部に前記凹溝13の後面側の壁面を形成するように設けた左右に長い機筐15から前方に向けて突出する左右に一対のアーム16・16が、ラックbの左右の巾寸法に対応する間隔をおいて配設してあり、ラックbは、この一対のアーム16・16の間隔内に嵌入することで、ラック載置台eに載置した状態において、この一対のアーム16・16により保持されるようにしてある。
【0028】
この一対のアーム16・16は、それの基端側が、前記機筐15の前面側の機壁に左右方向に長いスリット状のガイド穴17を介し、機筐15内に突入していて、その突入端が、機筐15内に左右方向にエンドレスに回動するコンベアベルト状に張設してある無端ベルト18に固着連結してあって、無端ベルト18を正方向または逆方向に回動するよう作動させることで、長溝状のガイド穴17に沿い左右に移動するようにしてある。
【0029】
この一対のアーム16・16の無端ベルト18による作動で、ラック載置台e上に載置したラックbを、カップセット装置dと対応する位置に動かし、その位置においてカップaの供給を受け、それによりセットが終えたところで、機体1bに装架してある収納レーンgのトレーtの始端部と対面する位置に移動させ、その位置において、前述の機筐15に前方に向け突出と引込が行われるよう組み込んである押込装置lの作動で、収納レーンgのトレーtの始端部に移し換え、次いで、間隔内が空になった一対のアーム16・16を、空のラックbが並列装架してある供給レーンhのトレーtの、供給口となる後端側の端部に対面する位置に移動させ、供給レーンhに前後方向に動くよう組み込まれている押出装置mを作動させて、並列装架してある空のラックbのうちの一つのラックbを押し出し、これを一対のアーム16・16の間隔内に押し込み保持させ、次いで、アーム16・16の横移動により、この保持せしめた空のラックbをカップセット装置dと対応する位置に移動させるようにしてある。
【0030】
収納レーンgおよび供給レーンhは、搬送ユニットBの機体1bの上面に、前後方向に沿う凹溝80を形設して、これにレール81を付設し、凹溝80内にトレーtを前記レール81により摺動自在に嵌挿することで構成している。
【0031】
この収納レーンg及び供給レーンhを装架せる搬送ユニットBは、それの機体1bの後端部の下面に、この後端部が突き合わされる本体ユニットAの機体1aの前端部から、舌片状に突出するように設けたバネ板9の上面に植設してある突起90に対して嵌合する透孔が開設してあって、その透孔を前記バネ板9の上面の突起90に嵌め合わせることで、本体ユニットAに一体的に連結して、カップセット機Wを組み立てるようになる。
【0032】
そして、この搬送ユニットBは、図5に示しているように、装架する収納レーンg、供給レーンhの連数を増やしたものを、何種類か作っておいて、これを交換して本体ユニットAに連結し、組み合わせることで、装架する収納レーンg、供給レーンhの連数を変化させ得るようにしてある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】カップをセットするラックの斜視図である。
【図2】ラックにカップをセットする従前のカップセット機の一部破断した正面図である。
【図3】本発明を実施せるカップセット機の全体の斜視図である。
【図4】同上カップセット機の一部破断した斜視図である。
【図5】同上カップセット機の、本体ユニットに、供給レーン及び収納レーンの連数を増やした搬送ユニットを連結した状態の斜視図である。
【図6】同上カップセット機の、搬送ユニットを外した状態の本体ユニットの斜視図である。
【図7】同上本体ユニットの、カバーを外した状態の斜視図である。
【図8】同上状態の本体ユニットの後面側から見た斜視図である。
【図9】同上状態の本体ユニットから、さらに、カップセット装置を外した状態の斜視図である。
【図10】待機搬送路および整列装置とそれを振動させる振動装置の前面図である。
【図11】同上待機搬送路および整列装置とそれを振動させる振動装置の平面図である。
【図12】同上待機搬送路および整列装置とそれを振動させる振動装置の側面図である。
【符号の説明】
【0034】
A 本体ユニット
B 搬送ユニット
M モーター
P 真空ポンプ
W カップセット機
a カップ
b ラック
b’セット穴
c 降下シュート
d カップセット装置
e ラック載置台
f 移動装置
g 収納レーン
h 供給レーン
k カバー
l 押込装置
m 押出装置
n バキュームノズル
t トレー
u 傾斜誘導路
v 待機位置
1 機体
1a 本体ユニットの機体
1b 搬送ユニットの機体
10・11 支持板
12 誘導輪
13 凹溝
14 プレート
15 機筐
16・16 アーム
17 ガイド穴
18 無端ベルト
2 ドラム
20 レール
21 駆動軸
3 放出シュート
4 整列装置
40 整列路
5 待機搬送路
6 振動装置
60 機体
61・61 バネ板
62 支持板
63 電磁石
70 引き口
71 吸着口
80 凹溝
81 レール
9 バネ板
90 突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放出されるカップを所定の姿勢に整えて整列させる整列装置に接続して、整列したカップを振動により一方向に搬送するよう機体に装架せる待機搬送路の搬送方向の終端側に、下降傾斜しながら前記待機搬送路の搬送方向と逆方向に向け迂回する傾斜誘導路を接続して設け、その傾斜誘導路の下端側に、ラックに対しセットするカップの待機位置を設定することを特徴とするカップセット機。
【請求項2】
機体(1a)に、内部に投入されたカップ(a)を放出シュート(3)に送給するドラム(2)と、放出シュート(3)から放出されるカップ(a)の姿勢を整えて整列させる整列装置(4)と、整列させたカップ(a)を振動により搬送する待機搬送路(5)と、その待機搬送路(5)の終端からカップ(a)をラック(b)に対しセットする待機位置(v)に誘導する傾斜誘導路(u)とを装備せしめて本体ユニット(A)を構成し、前記機体(1a)と別体に形成した機体(1b)に、カップ(a)をセットするラック(b)のラック載置台(e)と、そのラック載置台(e)から取り出されるカップ(a)のセットを終えたラック(b)を並列収容する収納レーン(g)及びラック載置台(e)に対し供給する空のラック(b)を並列収容する供給レーン(h)とを装架して、搬送ユニット(B)を構成し、この搬送ユニット(B)を本体ユニット(A)に対し装脱自在に接続させてカップセット機を構成することを特徴とするカップセット機。
【請求項1】
放出されるカップを所定の姿勢に整えて整列させる整列装置に接続して、整列したカップを振動により一方向に搬送するよう機体に装架せる待機搬送路の搬送方向の終端側に、下降傾斜しながら前記待機搬送路の搬送方向と逆方向に向け迂回する傾斜誘導路を接続して設け、その傾斜誘導路の下端側に、ラックに対しセットするカップの待機位置を設定することを特徴とするカップセット機。
【請求項2】
機体(1a)に、内部に投入されたカップ(a)を放出シュート(3)に送給するドラム(2)と、放出シュート(3)から放出されるカップ(a)の姿勢を整えて整列させる整列装置(4)と、整列させたカップ(a)を振動により搬送する待機搬送路(5)と、その待機搬送路(5)の終端からカップ(a)をラック(b)に対しセットする待機位置(v)に誘導する傾斜誘導路(u)とを装備せしめて本体ユニット(A)を構成し、前記機体(1a)と別体に形成した機体(1b)に、カップ(a)をセットするラック(b)のラック載置台(e)と、そのラック載置台(e)から取り出されるカップ(a)のセットを終えたラック(b)を並列収容する収納レーン(g)及びラック載置台(e)に対し供給する空のラック(b)を並列収容する供給レーン(h)とを装架して、搬送ユニット(B)を構成し、この搬送ユニット(B)を本体ユニット(A)に対し装脱自在に接続させてカップセット機を構成することを特徴とするカップセット機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−31025(P2009−31025A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193032(P2007−193032)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(591058127)メディカテック株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(591058127)メディカテック株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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