説明

カップ部を有する衣類

【課題】バストの造形性の向上及び良い着用感との両立を可能とするカップ部を有する衣類を提供する。
【解決手段】 ブラジャー1は、左右一対のカップ部2と、カップ部2の下縁に設けられたワイヤ部4と、背側に延在するバック部5と、カップ部2の肌側の下部に設けられワイヤ部4に沿って帯状に延びる帯状部材14とを備える。帯状部材14は、ハリ、コシのある素材により形成されている。帯状部材14は、その下縁14bがワイヤ部4に連結され、着用時にワイヤ部4における着用者のバストを挟む力を補強する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ部を有する衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開2002−115105号公報がある。この公報に記載されたブラジャーは、椀状に形成されたカップ部と、湾曲したワイヤ部と、背側に延びるバック部とを備える。そして、カップ部の表側に伸び抑制布を縫着することで、バストの造形性及び着用感の向上を両立させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−115105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載のブラジャーでは、バストの造形性及び着用感の向上を両立させるのが困難であった。具体的には、上述のブラジャーでは、着用の際に広がったワイヤ部が元に戻ろうとする力を利用して、バストを挟み押し上げることでバストの形を整える(造形する)。バストの造形性を高めるためには、ワイヤ部の挟む力を強くすることが必要である。しかし、ワイヤ部の挟む力を強くすると、ワイヤ部の肌当たりも強くなり、また、これによって脇側からバストのボリュームがはみ出しやすくなるので、ブラジャーの着用感が低下してしまう問題がある。
【0005】
このような問題は、土台部を弱くしたブラジャー(すなわち、アンダーが弱いタイプ)とアンダーフリーとしたブラジャーに特に生じやすい。これらのブラジャーは、窮屈感を軽減させるために、アンダーにかかる力を弱くしている。このため、アンダーが安定しにくく、ワイヤ部がしっかりとバストを挟むことができず、カップ部がバストの重さでずり下がり、ワイヤ部の違和感を感じやすく、着用感及び造形性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、バストの造形性の向上及び良い着用感との両立を可能にするカップ部を有する衣類を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカップ部を有する衣類は、左右一対のカップ部と、カップ部の下縁に沿ってカップ部の前中心側から脇側にかけて設けられた円弧状のワイヤ部と、背側に延在するバック部と、カップ部の肌側の下部に設けられ、ワイヤ部に沿って帯状に延びる帯状部材とを備え、帯状部材は、下縁がワイヤ部に連結され、着用時にワイヤ部における着用者のバストを挟む力を補強することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るカップ部を有する衣類によれば、帯状部材はその下縁がワイヤ部に連結され、着用時にワイヤ部が着用者のバストを挟む力を補強するので、バストの造形性を向上することができる。すなわち、着用時にワイヤ部が元に戻ろうとする力がそれに連結する帯状部材に伝わり、帯状部材がその力を受けて、バスト下部のボリュームを挟んで上方に押し上げる。このようにワイヤ部と帯状部材の協働でワイヤ部の挟む力を効果的にバストに伝えることができ、バストを支える力をアップすることが可能になる。
【0009】
しかも、従来と比べてバストを挟んで押し上げる領域が大きくなるので、バストをサポートする効果を高めることでき、バストの造形性を確実に向上することができる。また、これによって肌に触れる領域も大きくなり、ワイヤ部の肌当たりを和らげることができると共に、脇側からバストのボリュームがはみ出しやすい問題を防止することができる。その結果、良い着用感を維持することができる。
【0010】
本発明に係るカップ部を有する衣類において、帯状部材は、カップ部よりも硬い材料から形成されていることが好適である。このようにすれば、バスト下部のボリュームを挟んで押し上げる効果を高めることができ、バストの造形性の向上を図りやすくなる。
【0011】
本発明に係るカップ部を有する衣類において、帯状部材の材料は、カップ部に隣接する側よりも肌側の方が柔らかいことが好適である。このようにすれば、バスト下部のボリュームを挟んで押し上げる効果を高めることができると共に、肌に優しく触れるので、着用感の向上を図ることができる。
【0012】
本発明に係るカップ部を有する衣類において、カップ部におけるバストトップに対応する位置より下方であって帯状部材までの領域が、肌側に膨らんでいること、もしくは着脱自在に取り付けられたパッドを有することが好適である。このようにすれば、バスト下部のボリュームを効果的に押し上げることで、バストに豊かな膨らみを持たせて自然なシルエットを造形することができる。
【0013】
本発明に係るカップ部を有する衣類において、左右一対のカップ部を連結する土台部を更に備えることが好適である。このようにすれば、カップ部の安定性を高めることができるので、カップ部のズレの発生を防止し、良い着用感を維持することができる。
【0014】
本発明に係るカップ部を有する衣類において、帯状部材は、カップ部の最下点から、それぞれワイヤ部の前中心末端と脇側末端に向けて長さの2/3までの領域に配置されていることが好適である。このようにすれば、バスト下部のボリュームに対応する領域に帯状部材を配置させることで、バストを挟んで上方に押し上げる効果を確保することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、バストの造形性の向上及び良い着用感との両立を可能にするカップ部を有する衣類を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った断面図である。
【図3】帯状部材の変形例を示す正面図である。
【図4】帯状部材の変形例を示す正面図である。
【図5】帯状部材の変形例を示す正面図である。
【図6】第2実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図である。
【図7】第3実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図である。
【図8】第4実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図である。
【図9】図8におけるIX−IX線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係るカップ部を有する衣類の実施形態としてブラジャーの例を詳細に説明する。なお、説明において、上下及び左右方向は着用者から見た方向である。また、ブラシャーの構成は左右対称であるため、一方のみについて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図であり、図2は図1におけるII−II線に沿った断面図である。図2では、左側がカップ部の外側、右側はカップ部の肌側を示す。ブラジャー1は、ワイヤフォーム型のブラジャーであり、着用者のバストを覆うように形成された左右一対のカップ部2(3/4カップ)を備える。カップ部2の上縁2aは凸形状に湾曲して形成され、その下縁2bは、バストのバージスラインに合わせるように湾曲して形成されている。左右のカップ部2同士は、前中心側でカップ連結布3によって連結されている。
【0019】
カップ部2の下縁2bには、ワイヤ部4が取り付けられている。ワイヤ部4は、バージスラインに沿うように脇側から前中心側にかけて円弧状に形成され、ワイヤ4a及びバイアステープ4bから構成されている(図2参照)。ワイヤ4aは、鋼材、形状記憶合金あるいは樹脂等の素材から形成され、バイアステープ4bに包まれて縫い込まれている。バイアステープ4bはナイロンやポリエステル等からなる生地によって形成されている。
【0020】
カップ部2の脇側には、背部に延びるバック部5が取り付けられている。左右のバック部5同士は、伸縮性の素材からなり、その背部の端部に設けられたホック7a,7bにより互いに係脱自在に連結されている。
【0021】
カップ部2の上縁2aには、肩紐部6が取り付けられている。肩紐部6は、伸縮性の織布や編布から紐状に形成され、カップ部2とバック部5とを繋ぐようにカップ部2とバック部5との間に架け渡されている。肩紐部6には長さ調整金具6a,6bが取り付けられ、着用者が調整金具6a,6b間の距離を変更することで肩紐部6の長さを適宜に調整できる。
【0022】
カップ部2は、カップ状に形成されたカップ本体9と、カップ本体の肌側に着脱自在に取り付けられたパッド10とを有する。カップ本体9は、バストの形にフィットするように立体的に形成され、バストトップより上方の部分を覆うカップ上部9Aと、カップ上部9Aの下方に配置されバストの前中心部分を覆うカップ前中心部9Bと、カップ上部9Aの下方に配置されバストの脇側部分を覆うカップ脇部9Cとから構成されている。カップ上部9A、カップ前中心部9B及びカップ脇部9Cは、左右方向に延びる縫着ラインH1と、上下方向に延びる縫着ラインH2に沿って互いに縫着されている。
【0023】
図2に示すように、カップ本体9は、外側のカップ表布11とカップ本体布12で構成されている。カップ表布11には合成繊維や天然繊維の織布、編布等の素材が用いられ、カップ本体布12には、不織布、発泡ポリウレタンのような一定の厚みと保形性、弾力性を有する素材が用いられる。
【0024】
また、カップ部2の肌側の下部には、ワイヤ部4に沿って帯状に延在する帯状部材14が設けられている。図1に示すように、帯状部材14は、一定の幅を有し、着用者のバストの下部ボリュームにフィットするように、ワイヤ部4の湾曲に倣って前中心側から脇側にかけて配置されている。なお、帯状部材14の幅が1〜4.5cmであることが好ましい。
【0025】
帯状部材14の上縁14aがカップ部2に、下縁14bがワイヤ部4にそれぞれ縫着されている。帯状部材14の前中心側端部14cがカップ部2の上縁2aに、脇側端部14dがカップ部2の脇縁2cにそれぞれ縫着されている。本実施形態において、帯状部材14とカップ部2又はワイヤ部4とは、途切れなく連続に縫着されているが、帯状部材14とカップ部2又はワイヤ部4との縫着は、必ずしも途切れなく連続に行う必要がなく、場所によって途切れ途切れに行ってもよい。また、帯状部材14の上縁14aがカップ部2に連結されなくてもよい。
【0026】
カップ部2の肌側において、カップ部2におけるバストトップに対応する位置より下方であって帯状部材14までの領域2Aには、収納袋8に収納されるパッド10が設けられている。パッド10は、不織布や発泡ポリウレタンからなる中間部材と、この中間部材を包む布材とを貼り合わせることにより形成されている。図1に示すように、収納袋8は脇側に向かって開口されている。そして、パッド10を収納袋8に収納したり、あるいは収納袋8から取り出したりすることで、カップ本体9に対し着脱自在になっている。従って、例えばパッド10を収納袋8に装着することで、バスト下部のボリュームを上方に押し上げて、ボリューム感のあるバストを造形することができる。
【0027】
このように構成されたブラジャー1によれば、帯状部材14はその上縁14aがカップ部2に、下縁14bがワイヤ部4にそれぞれ連結され、着用時にワイヤ部4が着用者のバストを挟む力を補強するので、バストの造形性を向上することができる。すなわち、着用時にワイヤ部4が元に戻ろうとする力がそれに連結する帯状部材14に伝わり、帯状部材14がその力を受けて、バスト下部のボリュームを挟んで上方に押し上げる。このようにワイヤ部4と帯状部材14の協働でワイヤ部4の挟む力を効果的にバストに伝えることができ、バストを支える力をアップすることが可能になる。また、バストを挟む力を補強する帯状部材14を設けることで、ワイヤ部4の位置を安定させることができるので、アンダーが弱いタイプやアンダーフリータイプのブラジャーであっても、ワイヤ部4が確実にバストを挟むことができ、カップ部2のずり下がりを確実に防止することができる。
【0028】
しかも、従来と比べてバストを挟んで押し上げる領域が大きくなるので、バストをサポートする効果を高めることでき、バストの造形性を確実に向上することができる。また、これによって肌に触れる領域も大きくなり、ワイヤ部4の肌当たりを和らげることができると共に、脇側からバストのボリュームがはみ出しやすい問題を防止することができる。その結果、良い着用感を維持することができる。
【0029】
なお、本実施形態において、帯状部材14は、カップ部2よりも硬い材料から形成されることが好適であり、例えば薄くて、ハリ、コシのある素材により形成されている。このようにすれば、バスト下部のボリュームを挟んで押し上げる効果を高めることができ、バストの造形性の向上を図りやすくなる。また、帯状部材14の材料は、カップ部2に隣接する側よりも肌側の方が柔らかいことが好適である。このようにすれば、バスト下部のボリュームを挟んで押し上げる効果を高めることができると共に、肌に優しく触れるので、着用感の向上を図ることができる。なお、帯状部材14は必ずしもカップ部2より硬い材料から形成される必要がなく、柔らかくても一定の厚みやクッション性があるもの、あるいはカップ部2と同素材のものによって形成されてもよい。
【0030】
以下、図3〜図5を参照して帯状部材の変形例を説明する。図3に示す変形例では、帯状部材15は、その上縁15aが上方に向けて凹形状に湾曲するように形成されている。具体的には、帯状部材15の幅は、帯状部材15の全長にわたって均一せず、カップ部2の最下点Pの付近では最も狭く、前中心側端部15bと脇側端部15cに近づくにつれ徐々に広がっていく。更に、前中心側と比べて脇側の幅が広く形成されている。
【0031】
このように構成された帯状部材15によれば、上述した帯状部材14と同様な効果を得られる。更に、カップ部2の最下点Pの付近よりも前中心側と脇側の幅が大きいため、前中心側と脇側におけるバストを挟む力を大きくすることができる。これによって、前中心側及び脇側に流れがちなバストのボリュームを挟んで押し上げることで、脇側からバストのボリュームがはみ出すのを確実に防止できると共に、バストの形を綺麗に整えることができる。また、脇側の幅が前中心側より広いので、更に脇寄せ効果を高めることができる。
【0032】
図4に示す変形例では、帯状部材16は、カップ部2の最下点Pの付近で上方に突出するように形成されている。具体的には、前中心側端部16bと脇側端部16cからカップ部2の最下点P付近までの領域と比べて、カップ部2の最下点Pの付近では、上縁16aが上方に突出することで帯状部材16の幅が大きくなっている。
【0033】
このように構成された帯状部材16によれば、上述した帯状部材14と同様な効果を得られる。更に、前中心側端部16bと脇側端部16cよりもカップ部2の最下点P付近での幅が大きいため、バストボリュームを下方から押し上げる効果を高めることができ、バストに豊かな膨らみを持たせて綺麗なシルエットを形成することができる。
【0034】
図5に示す変形例では、帯状部材17は、カップ部2の最下点Pから、それぞれワイヤ部4の前中心末端4cと脇側末端4dに向けて長さの2/3までの領域に配置されている。すなわち、ワイヤ部4に沿ってカップ部2の最下点Pから帯状部材17の前中心側端部17aまでの距離が、カップ部2の最下点Pからワイヤ部4の前中心末端4cまでの距離に対して2/3である。同様に、ワイヤ部4に沿ってカップ部2の最下点Pから帯状部材17の脇側端部17bまでの距離が、カップ部2の最下点Pからワイヤ部4の脇側末端4dまでの距離に対して2/3である。このように着用者バスト下部のボリュームに対応する領域に帯状部材17を配置させることで、バストを挟んで上方に押し上げる効果を確保することができる。
【0035】
(第2実施形態)
図6は第2実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図である。第2実施形態に係るブラジャー18は、土台部19を有する点において第1実施形態と相違している。すなわち、左右のカップ部2はそれぞれ土台部19に縫着されている。左右カップ部2同士は、この土台部19によって互いに連結されている。ブラジャー18のその他の構成は、上述したブラジャー1の構成と同様であるため、同一符号を付して重複説明を省略する。このように構成されたブラジャー18は、第1実施形態と同様な効果を得られる。更に、土台部19を備えることにより、カップ部2の安定性を高めることができ、カップ部2のズレの発生を防止し、着用感の向上を図り易くなる。
【0036】
(第3実施形態)
図7は第3実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図である。第3実施形態に係るブラジャー20は、パッド10及びパッド10を収納する収納袋8を備えない点において第1実施形態と相違している。その他の構成は、上述したブラジャー1の構成と同様であるため、同一符号を付して重複説明を省略する。このように構成されたブラジャー20は、第1実施形態と同様な効果を得られる。
【0037】
(第4実施形態)
図8は第4実施形態に係るブラジャーの肌側を示す正面図であり、図9は図8におけるIX−IX線に沿った断面図である。第4実施形態に係るブラジャー21は、カップ部22はモールド成形により一体的に形成される点において第1実施形態と相違している。具体的には、カップ部22は、第1実施形態に係るカップ上部9A、カップ前中心部9B及びカップ脇部9Cに対応する部分が、モールド成形により一体化されている。
【0038】
カップ部22は、外側のカップ表布23と肌側のカップ裏布24を有し、その間に中間部材25を挟んで構成されている。カップ表布23及びカップ裏布24には合成繊維や天然繊維の織布、編布等の素材が用いられ、中間部材25には発泡ポリウレタンのような一定の厚みと保形性、弾力性を有する素材が用いられる。
【0039】
図9に示すように、カップ部22におけるバストトップに対応する位置より下方であって帯状部材14までの領域22Aが、肌側に大きく膨らんでいる。この場合には、バスト下部のボリュームを効果的に押し上げることにより、バストに膨らみを持たせて、ボリューム感のある上向きのバストを造形することができる。なお、ブラジャー21のその他の構成は、上述したブラジャー1の構成と同様のため、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0040】
本実施形態に係るブラジャー21を作製する際に、カップ部22をモールド成形した後に、成形されたカップ部22に接着や縫着などで帯状部材14を取り付ければよく、あるいはカップ部22と帯状部材14とを同時にモールド成形することでこれらを一体化してもよい。
【0041】
このように構成されたブラジャー21は、第1実施形態と同様な効果を得られる。更に、カップ部22がモールド成形により一体的に形成されるので、カップ部22を容易に形成することができると共に、複数のパーツを立体的に縫着する手間を省くことができ、作業性の向上を図ることができる。しかも、複数のパーツを縫着する縫い目が生じないため、縫い目による肌への不快感を与えることはなく、快適な着け心地が得られる。
【0042】
本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、カップ部2を3/4カップとしたが、3/4カップに限らず、フルカップや1/2カップのブラジャー等に適用される。また、本発明は前中心を係脱自在のホックで連結するフロントホック型ブラジャー、肩紐部を有しないストラップレスタイプにも適用される。
【0043】
また、上記の実施形態では、帯状部材とワイヤ部との連結方法として縫着又は接着を挙げたが、その他の連結方法を用いてもよい。更に、上記の実施形態では、ブラジャーの例を挙げて説明したが、本発明はブラスリップ、ブラキャミソール、スリーインワン、ボディスーツ、レオタード、水着、ブラドレス等のカップ部を有する衣類にも適用される。
【符号の説明】
【0044】
1,18,20,21…ブラジャー、2,22…カップ部、2b…下縁、4…ワイヤ部、5…バック部、10…パッド、14,15,16,17…帯状部材、19…土台部、P…カップ部の最下点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のカップ部と、
前記カップ部の下縁に沿って前記カップ部の前中心側から脇側にかけて設けられた円弧状のワイヤ部と、
背側に延在するバック部と、
前記カップ部の肌側の下部に設けられ、前記ワイヤ部に沿って帯状に延びる帯状部材とを備え、
前記帯状部材は、下縁が前記ワイヤ部に連結され、着用時に前記ワイヤ部における着用者のバストを挟む力を補強することを特徴とするカップ部を有する衣類。
【請求項2】
前記帯状部材は、前記カップ部よりも硬い材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項3】
前記帯状部材の材料は、前記カップ部に隣接する側よりも肌側の方が柔らかいことを特徴とする請求項1または2に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項4】
前記カップ部におけるバストトップに対応する位置より下方であって前記帯状部材までの領域が、肌側に膨らんでいること、もしくは着脱自在に取り付けられたパッドを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項5】
前記左右一対のカップ部を連結する土台部を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。
【請求項6】
前記帯状部材は、前記カップ部の最下点から、それぞれ前記ワイヤ部の前中心末端と脇側末端に向けて長さの2/3までの領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のカップ部を有する衣類。

【図2】
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【図9】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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