説明

カテーテルと共に使用するためのクランプ留めアセンブリ

【課題】快適な患者の経験を提供し得る公知のクランプに対する改善を提供すること。
【解決手段】クランプ留めアセンブリであって、以下:基部と、該基部に固定された弧状の本体部分とを有する本体であって、該弧状の本体部分は、管腔を有する管状部材を受容するような寸法の少なくとも1つの開口部を画定する、本体;および開位置と閉位置との間で該弧状の部分に沿ってスライドするように適合されたスライド部材であって、該スライド部材は、該スライド部材が該閉位置にあるときに、該本体内に受容された該管状部材を該基部に対して圧迫し、該管状部材の該管腔を遮断するように、該弧状の本体部分に沿って可動である、スライド部材を備える、クランプ留めアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は一般に、流体路を通る流れを遮断するためのクランプに関し、特に、カテーテルアセンブリの拡張チューブを通る流体の流れを遮断するためのクランプ留めアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
カテーテルは、身体の腔、管および脈管からの流体の引き出し、ならびに身体の腔、管および脈管への流体の導入を容易にする可撓性の医療デバイスである。カテーテルは、処置のために血管から血液が引き出され、その後、循環のために血管へと戻される血液透析処置において特定の用途を有し得る。公知の血液透析カテーテルは複数の管腔を備え(例えば、2管腔もしくは3管腔カテーテル)、この複数の管腔は、カテーテル内の2方向性の流体の流れを可能にし、それによって、1つの管腔が脈管からの血液の引き出し専用となり、そして、他の管腔が処置した血液を脈管への戻し専用となる。代表的な血液透析処置の間に、多管腔カテーテルが血管内に挿入され、そして、このカテーテルの動脈系管腔を通して血液が引き出される。取り出された血液は、血液を透析または純化して血液から老廃物および毒素を取り除く血液透析ユニットへと方向付けられる。透析された血液は、カテーテルの静脈系管腔を通して患者へと戻される。
【0003】
カテーテルアセンブリはしばしば、1以上の拡張チューブを有する。血液透析および他の医療処置において、臨床家は医療処置の特定の段階において、この拡張チューブをクランプ留めして流れを遮断する。さらに、拡張チューブのクランプ留めは通常、医療処置間に必要とされる。患者の皮膚に対して快適に残される低プロファイルのクランプは、改善されたクオリティ・オブ・ライフを提供する。長年にわたり多数のクランプが開発されてきた。より快適な患者の経験を提供し得る公知のクランプに対する改善が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本開示はクランプ留めアセンブリに関する。このクランプ留めアセンブリは、基部と、この基部に固定された弧状の本体部分とを有する本体を備える。この弧状の本体部分は、管腔を有する管状部材を受容するような寸法の少なくとも1つの開口部を画定する。クランプ留めアセンブリはさらに、開位置と閉位置との間で弧状の部分に沿ってスライドするように適合されたスライド部材を備える。スライド部材は、スライド部材が閉位置にあるときに、本体内に受容された管状部材を基部に対して圧迫し、管状部材の管腔を遮断するように、弧状の本体部分に沿って可動である。
【0005】
一実施形態では、基部は平らであり、かつ、管状部材を支持するように適合される。
【0006】
一実施形態では、弧状の本体部分は、基部の端部に固定される。
【0007】
一実施形態では、平らな基部と弧状の本体部分との間に側方のオープンスペースが画定される。
【0008】
一実施形態では、少なくとも1つの開口部は、管状部材を受容するような寸法の第一の開口部およびアパーチャを備え、このアパーチャは、弧状の本体部分の第一セクションに位置している。
【0009】
一実施形態では、クランプ留めアセンブリはさらに、弧状の本体部分の近位セクションに位置する第二の開口部を備える。
【0010】
一実施形態では、弧状の本体部分は、スライド部材を閉位置に解放可能に固定するようにスライド部材上の対応する特徴と解放可能に係合可能な少なくとも1つの特徴を備える。
【0011】
一実施形態では、弧状の本体部分は、複数の移動止めを備え、各移動止めは、弧状の本体部分に沿って予め定められた固定位置にスライド部材を固定するように適合される。
【0012】
一実施形態では、スライド部材は、複数の移動止めのうちの1つの移動止めを解放可能に係合して、スライド部材を弧状の本体部分に関して保持するように構成された係合部材を備える。
【0013】
一実施形態では、スライド部材は、基部から離れる方向に面する第一の部分と基部に向かって面する第二の部分とを備え、第一の部分が係合部材を備える。
【0014】
一実施形態では、スライド部材の第二の部分は、管状部材を圧迫するように構成された先の尖っていない隆起部を備える。
【0015】
一実施形態では、スライド部材の第一の部分および第二の部分は、スライド部材が予め定められた固定位置の間を動くとき、間隔を空けて広がるように構成される。
【0016】
一実施形態では、クランプ留めアセンブリはさらに、弧状の本体部分に沿って位置決めされる軌道を備え、この軌道は、スライド部材の第二の部分をスライド可能に受容して、弧状の本体部分に沿ったスライド部材の動きを容易にするように構成される。
【0017】
一実施形態では、スライド部材は弾性材料から作製される。
【0018】
一実施形態では、スライド部材は実質的にC字形状をとる。
【0019】
一実施形態では、複数の移動止めは、開位置と閉位置との間の中間位置にスライド部材を保持するように位置決めされた移動止めを含む。
【0020】
本開示はさらに、孔を画定するカテーテル、本体およびスライド部材を備えるカテーテルアセンブリに関する。本体は、基部と、この基部に固定された弧状の本体部分とを有する。基部は、カテーテルを支持するように構成される。スライド部材は、弧状の本体部分の上にスライド可能に位置決めされる。スライド部材は、開位置と閉位置との間で弧状の本体部分に沿ってスライドするように適合される。スライド部材は、スライド部材が閉位置にあるときにカテーテルを圧迫して孔を塞ぐように、弧状の本体部分に沿って可動である。
【0021】
一実施形態では、本体は、カテーテルを受容するような寸法の少なくとも1つの開口部を画定する。
【0022】
一実施形態では、弧状の本体部分は、複数の移動止めを備え、各移動止めは、スライド部材を予め定められた固定位置に固定するように適合される。
【0023】
一実施形態では、スライド部材は、複数の移動止めのうちの1つの移動止めをしっかりと係合して、弧状の部分に沿ったスライド部材の位置を予め定められた固定位置に固定するように構成された係合突出部を備える。
【0024】
一実施形態では、スライド部材は実質的にC字形状をとる。
【0025】
本開示はさらに、本体とスライド部材とを備えるクランプ留めアセンブリに関する。本体は、基部と、この基部に固定された弧状の本体部分とを有する。弧状の本体部分は、第一の開口部と、弧状の本体部分の近位セクションに位置する第二の開口部と、管腔を有する管状部材を受容するような寸法のアパーチャとを画定する。アパーチャは、弧状の本体部分の第一のセクションに位置する。弧状の本体部分は、スライド部材を閉位置に解放可能に固定するようにスライド部材上の対応する特徴と解放可能に係合可能な少なくとも1つの特徴を備える。スライド部材は、開位置と閉位置との間で弧状の部分に沿ってスライドするように適合される。スライド部材は、スライド部材が閉位置にあるときに、本体内で受容した管状部材を基部に対して圧迫し、管状部材の管腔を遮断するように、弧状の本体部分に沿って可動である。
【0026】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
【0027】
(項目1) クランプ留めアセンブリであって、以下:
基部と、該基部に固定された弧状の本体部分とを有する本体であって、該弧状の本体部分は、管腔を有する管状部材を受容するような寸法の少なくとも1つの開口部を画定する、本体;および
開位置と閉位置との間で該弧状の部分に沿ってスライドするように適合されたスライド部材であって、該スライド部材は、該スライド部材が該閉位置にあるときに、該本体内に受容された該管状部材を該基部に対して圧迫し、該管状部材の該管腔を遮断するように、該弧状の本体部分に沿って可動である、スライド部材
を備える、クランプ留めアセンブリ。
【0028】
(項目2) 上記基部が平らであり、かつ、上記管状部材を支持するように適合される、上記項目に記載のクランプ留めアセンブリ。
【0029】
(項目3) 上記弧状の本体部分が上記基部の端部に固定される、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0030】
(項目4) 上記平らな基部と上記弧状の本体部分との間に側方のオープンスペースが画定される、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0031】
(項目5) 上記少なくとも1つの開口部が上記管状部材を受容するような寸法の第一の開口部およびアパーチャを備え、該アパーチャは、上記弧状の本体部分の第一セクションに位置している、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0032】
(項目6) 上記弧状の本体部分の近位セクションに位置する第二の開口部をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0033】
(項目7) 上記弧状の本体部分が、上記スライド部材を上記閉位置に解放可能に固定するように該スライド部材上の対応する特徴と解放可能に係合可能な少なくとも1つの特徴を備える、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0034】
(項目8) 上記弧状の本体部分が、複数の移動止めを備え、該移動止めの各々は、該弧状の本体部分に沿って予め定められた固定位置に上記スライド部材を固定するように適合される、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0035】
(項目9) 上記スライド部材が、上記複数の移動止めのうちの1つの移動止めを解放可能に係合して、該スライド部材を上記弧状の本体部分に関して保持するように構成された係合部材を備える、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0036】
(項目10) 上記スライド部材が、上記基部から離れる方向に面する第一の部分と該基部に向かって面する第二の部分とを備え、該第一の部分が上記係合部材を備える、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0037】
(項目11) 上記スライド部材の上記第二の部分が、上記管状部材を圧迫するように構成された先の尖っていない隆起部を備える、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0038】
(項目12) 上記スライド部材の上記第一の部分および上記第二の部分は、該スライド部材が上記予め定められた固定位置の間を動くとき、間隔を空けて広がるように構成される、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0039】
(項目13) 上記弧状の本体部分に沿って位置決めされる軌道をさらに備え、該軌道は、上記スライド部材の上記第二の部分をスライド可能に受容して、該弧状の本体部分に沿った該スライド部材の動きを容易にするように構成される、上記項目のいずれかのいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0040】
(項目14) 上記スライド部材が弾性材料から作製される、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0041】
(項目15) 上記スライド部材が実質的にC字形状をとる、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0042】
(項目16) 上記複数の移動止めが、上記開位置と上記閉位置との間の中間位置に上記スライド部材を保持するように位置決めされた移動止めを含む、上記項目のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【0043】
(摘要)
クランプ留めアセンブリは、基部と、この基部に固定された弧状の本体部分とを有する本体を備える。この弧状の本体部分は、管腔を有する管状部材を受容するような寸法の少なくとも1つの開口部を画定する。クランプ留めアセンブリはさらに、開位置と閉位置との間で弧状の部分に沿ってスライドするように適合されたスライド部材を備える。スライド部材は、スライド部材が閉位置にあるときに、本体内に受容された管状部材を基部に対して圧迫し、管状部材の管腔を遮断するように、弧状の本体部分に沿って可動である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本開示のクランプ留めアセンブリの種々の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書中に記載される。
【図1】図1は、本開示の一実施形態に従うカテーテルのためのクランプ留めアセンブリの斜視図である。
【図2】図2は、スライド部材が開位置にある状態の、図1に示されるクランプ留めアセンブリの側面断面図である。
【図2A】図2Aは、図1に示されるクランプ留めアセンブリの正面から見た断面図である。
【図3】図3は、図2に示される細部の領域を示す、拡大した側面断面図である。
【図4】図4は、スライド部材が中間位置にある状態の、図1に示されるクランプ留めアセンブリの横から見た断面図である。
【図5】図5は、図4に示される細部の領域を示す、拡大した側面断面図である。
【図6】図6は、スライド部材が閉位置にある状態の、図1に示されるクランプ留めアセンブリの側面断面図である。
【図7】図7は、図6に示される細部の領域を示す、拡大した側面断面図である。
【図8】図8は、スライド部材が閉位置にある状態の、図1に示されるクランプ留めアセンブリの側面断面図である。
【図9】図9は、図8に示される細部の領域を示す、拡大した側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(実施形態の詳細な説明)
以下の考察において、用語「近位」または「後端(trailing)」は、臨床家に近い側の構造の部分を指すのに対し、用語「遠位」または「前端(leading)」は、臨床家から遠い側の部分を指す。本明細書において使用される場合、用語「被験体」は、ヒト患者または他の動物を指す。用語「臨床家(clinician)」は、医師、看護士、または、他の医療提供者を指し、支援人員(support personnel)を包含し得る。
【0046】
図1は、孔202を画定する管状部材200(例えば、カテーテル、拡張チューブまたは任意の他の適切な流体路)をクランプ留めするためのクランプ留めアセンブリ100の一実施形態を示す。クランプ留めアセンブリ100は、平らな基部104と、平らな基部104に固定された弧状の本体部分106とを有する本体102を備える。本体102は、クランプ留めアセンブリ100の操作中に管状部材200の可視化を容易にするように、本体102の両側に側方のオープンスペース130を画定する。側方のオープンスペース130は、弧状の本体部分106と平らな基部104との間に画定される。平らな基部104は、その内面に沿って管状部分200の少なくとも一部を支持するように適合される。使用時に、平らな基部104は、臨床家が適切な医療処置を行う間、被験体の皮膚上に留まり得る。弧状の本体部分106は、近位セクション112と遠位セクション114とを有する。弧状の本体部分106の近位セクション112および遠位セクション114のみが、平らな基部104と直接接触する。弧状の部分106はさらに、近位セクション112に位置する開口部108と、遠位セクション114に位置するアパーチャ110とを備える。開口部108およびアパーチャ110は共に、管状部材200を受容するような寸法である。図1に見られるように、開口部108およびアパーチャ110は、一緒になって、クランプ留めアセンブリ100の本体102を通したカテーテル200の通過を可能にする。開口部108およびアパーチャ110は、図1に示されるように平行ではない壁、あるいは平行な壁によって画定され得る。
【0047】
クランプ留めアセンブリ100はさらに、開位置(図2を参照)と閉位置(図8を参照)との間で弧状の部分106に沿ってスライドするように適合されたスライド部材116を備える。開位置では、スライド部材116は、スライド部材116が本体102内に位置決めされた管状部材200を圧迫して、管状部材200の孔202を通る流れを可能としないように、平らな基部104の上に間隔を空けられる。閉位置では、スライド部材116は、管状部材200を圧迫し、そして、管状部材200の孔202を通した流れを妨げる。スライド部材116は、実質的にC字形状を特徴とし、そして、平らな基部104から離れる方向に面する第一(すなわち上側)の部分118と、平らな基部104に面する第二(すなわち下側)の部分120とを備える。一実施形態では、下側の部分120の少なくともあるセクションが、弧状の本体部分106上に画定された軌道132(図2Aを参照)に沿って進み、弧状の本体部分106に沿ったスライド部材116の動きを容易にし得る。
【0048】
スライド部材116および弧状の本体部分106は、スライド部材116を少なくとも閉位置において解放可能に固定するための摩擦もしくは他の機構による係合のための対応する特徴を備える。係合のための特徴の例としては、移動止め、ざらざらした表面、および付勢されたロッキング部材が挙げられる。図1に示されるように、スライド部材116の第一の部分118は、弧状の本体部分106上に形成された停止部材もしくは移動止め124aもしくは124bをしっかりと係合するように構成された下向きに延びる係合突出部122を備える。スライド部材116の第一の部分118は、突出部122の近位に配置された係合部材128を備える。スライド部材116の第二の部分120は、管状部材200を圧迫するように適合された先の尖っていない隆起部126を有する。一実施形態では、スライド部材116は、弾性材料から作製され、そして、第一の部分118と第二の部分120とは、スライド部材116が弧状の本体部分106の移動止め124a、124bの間を動くとき、間隔を空けて広がるか、または、外向きに拡張するように構成される。
【0049】
弧状の本体部分106は、予め定められた固定位置に配置された1以上の停止部材もしくは移動止め124a、124bを備える。各移動止め124a、124bは、スライド部材116の係合突出部122をしっかりと固定し、スライド部材116の位置を弧状の部分106に関して固定するように適合される。移動止め124a、124bは、臨床家が、弧状の部分106に沿った複数の予め定められた固定位置においてスライド部材116をロックすることを可能にする。一実施形態では、開位置において、スライド部材116は、移動止め124a、124bを係合せず、したがって、弧状の部分106に関して固定されない。あるいは、スライド部材116は、開位置に位置したまま、移動止めを係合し得る(図示せず)。
【0050】
図2および3は、スライド部材116が開位置に位置し、管状部材200が平らな基部104によって支持された状態のクランプ留めアセンブリ100を示す。スライド部材116が開位置に配置されるとき、係合突出部122は、移動止め124a、124bを係合せず、したがって、スライド部材116は、弧状の部分106に沿って自由にスライドする。スライド部材が開位置にある間、先の尖っていない隆起部126は管状部材200と接触するが、先の尖っていない隆起部126は、管状部材200を平らな基部104に対して押し付けない。結果として、スライド部材116は、管状部材200の孔202を通る流れを遮断しない。
【0051】
図4および5を参照すると、臨床家は、スライド部材116を、弧状の本体部分106に沿って遠位に開位置から中間位置へと動かし、管状部材200の孔202を漸進的に閉じ得る。スライド部材116が開位置から中間位置へと動くと、第一の部分118および第二の部分120は、しばらくの間互いから離れるが、係合突出部122は、移動止め124aを超えて移動止め124aと124bとの間の位置、すなわち、中間位置まで通過する。係合突出部122が中間位置に到達した後、スライド部材116の第一の部分118および第二の部分120はその元の位置に戻り、そして、係合突出部122が移動止め124aをしっかりと係合して、スライド部材116を中間位置にロックする。中間位置において、先の尖っていない隆起部126は、管状部材200を平らな基部104に対して押し付け、管状部材200を部分的に圧迫する。結果として、スライド部材116は、管状部材200の孔202を通る流れを部分的に塞ぐ。
【0052】
図6および7を参照すると、臨床家は、スライド部材116を、弧状の部分106に沿って遠位に中間位置から閉位置へと動かし得る。この動きの間、係合突出部122は、移動止め124bを超えてスライドする。係合突出部122は移動止め124bを超えて動く間、第一の部分118は、図7に示されるように、スライド部材116の第二の部分120から外向きに逸れる。スライド部材116の弾性は、第一の部分118および第二の部分120が互いから外向きに逸れ、そして、スライド部材116が移動止め124bを超えて通過した後にその元の位置に戻ることを可能にする。
【0053】
図8および9を参照すると、係合突出部122が移動止め124bを超えて通過した後、係合突出部122は、移動止め124bをしっかりと係合し、閉位置においてスライド部材116をロックする。スライド部材116が閉位置に位置するとき、先の尖っていない隆起部126は、管状部材200を平らな基部104に対して押し付け、管状部材200の孔202を通る流れを妨げる。図9に見られるように、スライド部材116によって管状部材200に対して発揮される圧力は、管状部材200の一部分を押しつぶして、孔202を通る流れを完全に遮断する。スライド部材を中間位置または閉位置から解放するためには、臨床家は、係合部材128を上向きに逸らせて、スライド部材116の第一の部分118を第二の部分120から分離させ得る。スライド部材116の第一の部分118および第二の部分120がいったん互いから分離されると、臨床家は、スライド部材116を、弧状の本体部分106に沿って開位置または任意の他の所望の位置へと移動させ得る。
【0054】
本開示のクランプ留めアセンブリの実施形態に対して種々の改変がなされ得ることが理解される。例えば、本開示のクランプ留めアセンブリは、ある点から別の点へと流体を移し得るあらゆる管をクランプ留めし得る。したがって、上記明細書は、限定的なものとしてではなく、実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲および趣旨の中で他の改変に想到する。
【符号の説明】
【0055】
100:クランプ留めアセンブリ
102:クランプ留めアセンブリの本体
104:基部
106:弧状の本体部分
108:開口部
110:アパーチャ
112:弧状の本体部分の近位セクション
114:弧状の本体部分の遠位セクション
116:スライド部材
118:スライド部材の第一(上側)の部分
120:スライド部材の第二(下側)の部分
122:係合突出部
124:停止部材または移動止め
126:先の尖っていない隆起部
130:オープンスペース
132:軌道
200:管状部材
202:管状部材の孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ留めアセンブリであって、以下:
基部と、該基部に固定された弧状の本体部分とを有する本体であって、該弧状の本体部分は、管腔を有する管状部材を受容するような寸法の少なくとも1つの開口部を画定する、本体;および
開位置と閉位置との間で該弧状の部分に沿ってスライドするように適合されたスライド部材であって、該スライド部材は、該スライド部材が該閉位置にあるときに、該本体内に受容された該管状部材を該基部に対して圧迫し、該管状部材の該管腔を遮断するように、該弧状の本体部分に沿って可動である、スライド部材
を備える、クランプ留めアセンブリ。
【請求項2】
前記基部が平らであり、かつ、前記管状部材を支持するように適合される、請求項1に記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項3】
前記弧状の本体部分が前記基部の端部に固定される、請求項1〜2のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項4】
前記平らな基部と前記弧状の本体部分との間に側方のオープンスペースが画定される、請求項2〜3のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの開口部が前記管状部材を受容するような寸法の第一の開口部およびアパーチャを備え、該アパーチャは、前記弧状の本体部分の第一セクションに位置している、請求項1〜4のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項6】
前記弧状の本体部分の近位セクションに位置する第二の開口部をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項7】
前記弧状の本体部分が、前記スライド部材を前記閉位置に解放可能に固定するように該スライド部材上の対応する特徴と解放可能に係合可能な少なくとも1つの特徴を備える、請求項1〜6のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項8】
前記弧状の本体部分が、複数の移動止めを備え、該移動止めの各々は、該弧状の本体部分に沿って予め定められた固定位置に前記スライド部材を固定するように適合される、請求項1〜7のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項9】
前記スライド部材が、前記複数の移動止めのうちの1つの移動止めを解放可能に係合して、該スライド部材を前記弧状の本体部分に関して保持するように構成された係合部材を備える、請求項8に記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項10】
前記スライド部材が、前記基部から離れる方向に面する第一の部分と該基部に向かって面する第二の部分とを備え、該第一の部分が前記係合部材を備える、請求項9に記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項11】
前記スライド部材の前記第二の部分が、前記管状部材を圧迫するように構成された先の尖っていない隆起部を備える、請求項10に記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項12】
前記スライド部材の前記第一の部分および前記第二の部分は、該スライド部材が前記予め定められた固定位置の間を動くとき、間隔を空けて広がるように構成される、請求項10〜11のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項13】
前記弧状の本体部分に沿って位置決めされる軌道をさらに備え、該軌道は、前記スライド部材の前記第二の部分をスライド可能に受容して、該弧状の本体部分に沿った該スライド部材の動きを容易にするように構成される、請求項10〜12のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項14】
前記スライド部材が弾性材料から作製される、請求項1〜13のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項15】
前記スライド部材が実質的にC字形状をとる、請求項1〜14のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。
【請求項16】
前記複数の移動止めが、前記開位置と前記閉位置との間の中間位置に前記スライド部材を保持するように位置決めされた移動止めを含む、請求項8〜13のいずれかに記載のクランプ留めアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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