説明

カテーテルシャフトを操作するデバイスおよび方法

血管の管腔における治療部位で手技を行うためのカテーテル。カテーテルは、近位屈曲部と、遠位屈曲部と、ヒンジ要素とを有する、細長い管状シャフトを含む。シャフトの遠位部分は、細長い管状シャフトのヒンジ要素と遠位端との間で、シャフトの側壁を通り延在するウィンドウを含む。作業要素は、細長い管状シャフトの管腔内に配置され、ウィンドウを通して治療部位で手技を行うように構成されている。屈曲部およびヒンジ要素は、治療部位で血管の壁に対してウィンドウを付勢するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願の引用)
本願は、仮出願第61/122,601号(2008年12月15日出願)および仮出願第61/104,836号(2008年10月13日出願)に基づく優先権を主張する。これらの仮出願の各々の開示の全体があらゆる目的において参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0002】
アテローム切除術用カテーテルは、血管から物質を除去し、血管の管腔を広げて血管を通る血流を向上させるために使用される。
【0003】
アテローム切除術用カテーテルは、概して、カテーテルの遠位端またはその付近に位置するカッターを有する。いくつかのアテローム切除術用カテーテルは、それらの遠位周縁部の一部分のみに沿って切除するように設計される。そのような「方向性アテローム切除術」用のカテーテルは、切除される物質にカッターが隣接して位置付けられるように操作されなければならない。そのような操作は、物質が切除され得るように血管の片側にカッターを付勢することを含み、また、カテーテルの遠位領域の回転を生じさせ、それによって、遠位に位置する方向性カッターを切除される物質に隣接して位置付けるように、カテーテルシャフトの近位領域を回転させることを含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、切除される物質にカッターが隣接して位置付けられるように、アテローム切除術用カテーテルの切除要素を操作および付勢するためのデバイスおよび方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、カテーテルを回転させるか、並進させるか、または回転および並進の両方を行うために、アテローム切除術用カテーテルとともに使用されるマニピュレータを提供する。アテローム切除術用カテーテルは、対象となる物質を切除するために、ウィンドウを通して伸張することができる切除要素を有する。マニピュレータは、片手のみを使用して作動させることができる。
【0006】
本発明の別の側面において、アテローム切除術用カテーテルは、前形成された遠位部分を備える。前形成された遠位部分は、アテローム切除術用カテーテルのカッターを付勢して、血管の内壁と接触させる。切除要素が組織に遭遇すると、切除要素を組織から離れるように偏向させる傾向にある力が、カテーテルの前形成された遠位部分によって抵抗を受ける。
【0007】
一側面において、本発明は、血管の管腔における治療部位で手技を行うためのカテーテルであり、血管は治療部位で直径Dを有する。カテーテルは、遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトであって、細長い管状シャフトは、近位屈曲部と、遠位屈曲部と、ヒンジ要素とを有し、近位屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、遠位屈曲部は、第1の角度より大きい第2の角度を画定し、ヒンジ要素は、細長い管状シャフトの遠位端の近位かつ遠位屈曲部の遠位に位置し、遠位屈曲部は、近位屈曲部とヒンジ要素との間に位置し、細長い管状シャフトの遠位部分は、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間に延在し、細長い管状シャフトの中央部分は、ヒンジ要素と近位屈曲部との間に延在し、遠位部分は、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間で側壁を通り延在するウィンドウを含む、細長い管状シャフトを備える。カテーテルは、細長い管状シャフトの管腔内に配置される作業要素であって、作業要素は、ウィンドウを通して治療部位で手技を行うために構成され、第1および第2の角度は、治療部位で血管の壁に対してウィンドウが付勢されるように、近位屈曲部とヒンジ要素との間に、直径Dより大きい細長い管状シャフトの最大偏位を形成するように選択される、作業要素をさらに含む。近位および遠位屈曲部は、第1の平面内に位置するように構成され得、ヒンジ要素は、第1の平面内でのみ、中央部分に対する遠位部分の屈曲を許容するように構成され得る。第1および第2の角度は、約0.05〜0.50ポンドの範囲の力で血管の壁に対してウィンドウを付勢するように選択され得る。第1の角度は、約90°〜150°の範囲であり得、第2の角度は、約100°〜180°の範囲であり得る。近位屈曲部から遠位屈曲部までの長さは、遠位屈曲部からヒンジ要素までの長さよりも長くてもよい。近位屈曲部と遠位屈曲部との間の長さは、約0.5〜2.0インチの範囲であり得、遠位屈曲部とヒンジ要素との間の長さは、約0.375〜0.625インチの範囲であり得る。最大偏位は、約3〜40mmの範囲であり得る。
【0008】
別の側面において、本発明は、血管の管腔における治療部位で手技を行うためのカテーテルである。カテーテルは、遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトであって、細長い管状シャフトは、連続的に減少する曲率半径を有する湾曲した遠位部分を有し、連続的に減少する曲率半径は、細長い管状シャフトの遠位部分の近位端から遠位端まで第1の平面内に配向され、遠位部分は、細長い管状シャフトの遠位端の近位に位置するヒンジ要素を含み、ヒンジ要素は、遠位部分を、細長い管状シャフトのヒンジ要素と遠位端との間の遠位セグメントと、ヒンジ要素と遠位部分の近位端との間の近位セグメントとに分割し、ヒンジ要素は、第1の平面内でのみ、近位セグメントに対して遠位セグメントが屈曲することを許容するように構成され、遠位セグメントは、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間で側壁を通り延在するウィンドウを含む、細長い管状シャフトを含む。カテーテルは、細長い管状シャフトの管腔内に配置される作業要素であって、作業要素は、ウィンドウを通して治療部位で手技を行うために構成され、連続的に減少する曲率半径は、使用中に、治療部位で血管の壁に対してウィンドウを付勢するように選択される、作業要素をさらに含む。湾曲した遠位部分は、約90°〜720°の範囲の連続的な曲線を形成し得る。湾曲した遠位部分の最大曲げ径は、約3mm〜50mmの範囲であり得る。
【0009】
さらなる側面において、本発明は、血管の管腔における治療部位で手技を行う方法である。方法は、遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを提供するステップであって、細長い管状シャフトは、近位屈曲部と、遠位屈曲部と、ヒンジ要素とを有し、近位屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、遠位屈曲部は、第1の角度より大きい第2の角度を画定し、近位屈曲部および遠位屈曲部は、第1の方向に配向され、ヒンジ要素は、細長い管状シャフトの遠位端の近位かつ遠位屈曲部の遠位に位置し、遠位屈曲部は、近位屈曲部とヒンジ要素との間に位置し、細長い管状シャフトの遠位部分は、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間に延在し、細長い管状シャフトの中央部分は、ヒンジ要素と近位屈曲部との間に延在し、遠位部分は、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間で側壁を通り延在するウィンドウを含む、ステップを含む。方法は、血管の管腔を通して、細長い管状シャフトを治療部位まで前進させるステップと、治療部位で所望の場所において血管の壁に対してウィンドウを付勢するために、近位屈曲部および遠位屈曲部が、ヒンジ要素で、細長い管状シャフトの中央部分に対して第1の方向の反対である第2の方向に、細長い管状シャフトの遠位部分を屈曲させる位置に、細長い管状シャフトを配向するステップと、ウィンドウが血管の壁に対して付勢されている間に、細長い管状シャフトの管腔内に配置される作業要素を用いて、ウィンドウを通して治療部位で手技を行うステップとをさらに含む。ヒンジ要素は、第1および第2の方向においてのみ、中央部分に対する遠位部分の屈曲を許容するように構成され得る。
【0010】
さらなる側面において、本発明は、血管の管腔における治療部位で手技を行う方法であって、遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを提供するステップであって、細長い管状シャフトは、連続的に減少する曲率半径を有する湾曲した遠位部分を有し、連続的に減少する曲率半径は、細長い管状シャフトの遠位部分の近位端から遠位端まで第1の方向に配向され、遠位部分は、細長い管状シャフトの遠位端の近位に位置するヒンジ要素を含み、ヒンジ要素は、遠位部分を、細長い管状シャフトのヒンジ要素と遠位端との間の遠位セグメントと、ヒンジ要素と遠位部分の近位端との間の近位セグメントとに分割し、ヒンジ要素は、第1の方向および第1の方向の反対である第2の方向にのみ、近位セグメントに対して遠位セグメントが屈曲することを許容するように構成され、遠位セグメントは、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間で側壁を通って延在するウィンドウを含む、ステップを含む。方法は、血管の管腔を通して、細長い管状シャフトを治療部位まで前進させるステップと、治療部位で所望の場所において血管の壁に対してウィンドウを付勢するために、湾曲した遠位部分の連続的に減少する曲率半径が、ヒンジ要素で、近位セグメントに対して第2の方向に遠位セグメントを屈曲させる位置に、細長い管状シャフトを配向するステップと、ウィンドウが血管の壁に対して付勢されている間に、細長い管状シャフトの管腔内に配置される作業要素を用いて、ウィンドウを通して治療部位で手技を行うステップとをさらに含む。
【0011】
別の側面において、本発明は、カテーテルのシャフトを操作するためのデバイスであって、カテーテルのシャフトを受容するようにサイズ決定される管腔を有する、本体部分と、本体部分で囲まれた第1および第2のシャフト係合面を有する、シャフト係合部材であって、第1および第2のシャフト係合面がシャフトに係合し、本体をシャフト上でロックするように構成されるロック位置と、本体が自由に回転し、細長い管状シャフト上を軸方向に並進する、ロック解除位置とを有する、シャフト係合部材とを備えるデバイスである。シャフト係合面は、ロック位置またはロック解除位置のいずれにおいて付勢され得る。
【0012】
さらなる側面において、本発明は、血管の壁の部位にアクセスするためのカテーテルである。カテーテルは、遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを含み、細長い管状シャフトは、第1の屈曲部と、第1の屈曲部の遠位に所定の距離で位置する第2の屈曲部と、側壁を通って延在するウィンドウであって、細長い管状の第2の屈曲部の遠位かつ遠位端の近位に位置する、ウィンドウとを有し、第1の屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、第2の屈曲部は、第1の角度より大きい第2の角度を画定し、第1および第2の角度ならびに所定の距離は、使用中に、血管の壁の部位に対してウィンドウを付勢するように選択される。細長い管状シャフトはさらに、ウィンドウの近位かつ第2の屈曲部の遠位に位置するヒンジ要素を含み得る。さらに、カテーテルは、細長い管状シャフトの管腔内に配置される作業要素をさらに含み得、作業要素は、ウィンドウを通して、血管の壁の部位で手技を行うために構成される。細長い管状シャフトは、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間に遠位部分を含み得、ヒンジ要素は、遠位部分が屈曲するピボット点として構成され得る。さらに、遠位部分は縦軸を有し得、ヒンジ要素は、使用中に、血管の壁の部位に対してウィンドウが付勢されると、遠位部分が、遠位部分の縦軸が血管の縦軸に実質的に平行になるように位置付けられるように構成され得る。
【0013】
別の側面において、本発明は、血管の管腔における治療部位で手技を行うためのカテーテルであって、遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを備え、細長い管状シャフトは、近位屈曲部と、遠位屈曲部と、ヒンジ要素とを有し、近位屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、遠位屈曲部は、第1の角度より大きい第2の角度を画定し、ヒンジ要素は、細長い管状シャフトの遠位端の近位かつ遠位屈曲部の遠位に位置し、遠位屈曲部は、近位屈曲部とヒンジ要素との間に位置し、細長い管状シャフトの遠位部分は、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間に延在し、細長い管状シャフトの中央部分は、ヒンジ要素と近位屈曲部との間に延在し、遠位部分は、ヒンジ要素と細長い管状シャフトの遠位端との間で側壁を通って延在するウィンドウを含み、近位屈曲部、遠位屈曲部、およびヒンジ要素は、治療部位で血管の壁に対してウィンドウを付勢するように構成される、カテーテルである。カテーテルは、細長い管状シャフトの管腔内に配置される作業要素を含み得、作業要素は、使用中に、ウィンドウが血管の壁に対して付勢されると、ウィンドウを通して治療部位で手技を行うように構成される。
【0014】
本発明のこれらおよび他の側面は、以下の好ましい実施形態、図、および特許請求の範囲の説明から明白となるであろう。本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の添付図面および明細書に記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】図1Aは、本発明の原則によるシャフトマニピュレータの一実施形態の概略平面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示すシャフトマニピュレータの等角図である。
【図1C】図1Cおよび1Dは、図1Aに示すシャフトマニピュレータの線A−Aに沿った横断面図である。
【図1D】図1Cおよび1Dは、図1Aに示すシャフトマニピュレータの線A−Aに沿った横断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の原則によるシャフトマニピュレータの別の実施形態の概略平面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに示すシャフトマニピュレータの等角図である。
【図2C】図2Cおよび2Dは、図2Aに示すシャフトマニピュレータの線A−Aに沿った横断面図である。
【図2D】図2Cおよび2Dは、図2Aに示すシャフトマニピュレータの線A−Aに沿った横断面図である。
【図3】図3Aおよび3Bは、本発明の原則によるシャフトマニピュレータの別の実施形態の概略平面図である。
【図4】図4Aおよび4Bは、本発明の原則によるカテーテルのさらに別の実施形態の概略平面図である。
【図5】図5Aから5Cは、本発明の原則によるカテーテルのさらなる実施形態の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1A〜1Dの実施形態を参照すると、本発明は、カテーテルシャフトを操作するためのデバイスを対象とする。本発明は、アテローム切除術用カテーテルに関連して記載されるが、任意の他のカテーテルとともに使用され得る。
【0017】
アテローム切除術用カテーテル20は、切除要素等の作業要素22を有する。切除要素は、カテーテルのシャフト26のウィンドウ24を通って伸張し得る。理解され得るように、作業要素は、RF要素、可視化要素、またはインプラント送達要素等の任意の他の要素であり得る。通常、カテーテル20は、3Fr〜7Frの作業直径および60cm〜180cmの作業長さを有し得る。
【0018】
シャフトが回転する間、ハンドル28が静止状態を維持できるように、シャフト26を回転させることによって作業要素22の配向が操作され得る。シャフトは、徐々に回転可能であり得るか、または任意の角度の配向に調節可能であり得る。いくつかの実施形態において、シャフトは、穏やかなトルクをシャフトに与えたときに、ハンドルに対するシャフトの回転を許容する様式でハンドルに連結される。他の実施形態において、シャフトは、穏やかなトルクをシャフトに与えたときに、ハンドルに対するシャフトの回転を許容しない様式でハンドルに回転可能に固定される。
【0019】
シャフトマニピュレータ10は、回転可能かつ摺動可能にシャフト26に連結され、片手で使用するために構成される。マニピュレータ10は、管腔11、ボタン14、ばね16、およびピボットピン18を有する本体12から構成される。ボタン14は、ピボットピンが摺動可能に嵌まるための孔を有するアーム14から構成される。本体12およびボタン14は、ポリカーボネート、ナイロン、または他の材料で作られてもよく、所望の構成になるように、射出成形され得るか、または他の方法で製造され得る。本体12は、2つの半分体として成形されてもよく、半分体は、ボタン、ピボットピン、およびばねを本体に取り付けた後、超音波、スナップフィット、接着剤、または他の手段によって一緒に結合される。一実施形態において、本体12の2つの半分体は、図1Bの線A−Aによって描写される。ボタン14の面14a、14bは、シャフト26または操作者の指またはその両方に対する摩擦を増加させるために、凹凸があり得る。ばね16およびピボットピン18は、鋼、ばね鋼、もしくは他の金属等の金属、またはポリエステル、液晶ポリマー、ナイロン、もしくは他のポリマー等の工学ポリマーから構成され得る。
【0020】
マニピュレータ10は、通常、ばね16が伸張したロック解除(図1C)位置にあり、ボタン14の面14aをシャフト26から遠ざける。マニピュレータは、ユーザがシャフトに沿って任意の所望の位置にマニピュレータ10を容易に動かすことを許容するように、通常はロックが解除されている。例えば、ユーザは、一方の手でハンドル28を保持しながら、切開付近または導入器シース付近のシャフトの一部分等の、シャフトの露出した遠位部分まで、片手でマニピュレータを移動させることができる。一旦、マニピュレータがシャフトに沿って所望の場所に位置付けられると、シャフト26の回転または並進(またはその両方)は、ユーザが片手でボタン14の面14bを互いに接近するように押し、その後、同じ手でマニピュレータ10を回転または並進させることによって達成され得る(図1D)。
【0021】
次に、図1A〜1Dのカテーテルおよびマニピュレータの使用について説明する。カテーテル20は、任意の既知の様式で患者内に導入される。ユーザがカテーテルを操作することを所望する場合は、ユーザはマニピュレータ10を把持し、カテーテルを操作するために適切な場所まで移動させる。次いで、ユーザは、面14bを押すことによってシャフト上でマニピュレータをロックし、シャフト26と摩擦接触するように、ばね16の力に打ち勝ち、面14aを移動させる。次いで、カッター22の回転、並進、またはその両方を生じさせてアテローム等の組織と接触させるように、マニピュレータを回転させるか、並進させるか、またはその両方が行われる。いくつかの実施形態において、カッター22は、ウィンドウ24の外側に半径方向に伸張され、アテロームを切除するためにカッター22が伸張した状態で、カテーテル20が血管を通して前進させられる。いくつかの実施形態において、アテロームは、カッター22によってカテーテルの内部に方向付けられる。
【0022】
シャフトマニピュレータは、通常はロック解除位置にあると記載してきたが、他の実施形態において、ユーザが顎部に圧力を加えて顎部を閉じるのではなく、顎部を開くように、シャフトマニピュレータが通常ロック位置にあり得る。図2A〜2Dは、通常ロック位置にあるように構成されるシャフトマニピュレータ30を示す。マニピュレータ30は、回転可能かつ摺動可能にシャフト26に連結され、片手で使用するために構成される。マニピュレータ30は、管腔31、アーム34、ばね36、およびピボットピン38を有する本体32から構成される。アーム34は、ピボットピンが摺動可能に嵌まるための孔を有し、面34aを有し、拡張され得る端部34bを有する。本体32、アーム34、面34a、ばね36、およびピボットピン38は、実質的に、本体12、ボタン14、面14
a、ばね16、およびピボットピン38についてそれぞれ上述したような材料からなり、製造され、組み立てられ得る。
【0023】
マニピュレータ30は、通常、ばね36が伸張したロック(図2C)位置にあり、アーム34の面34aをシャフト26と摩擦接触させる。マニピュレータは、ユーザがシャフト26を容易に回転または並進させること(またはその両方)を許容するように、通常はロックされている。面34aをシャフト26と接触させないようにアーム34bを互いに接近するように押し(図2D)、その後、シャフト26上でマニピュレータ30を回転または並進させること(またはその両方)によって、ユーザは、シャフト26に沿って任意の所望の位置まで片手でマニピュレータ30を移動させることができる。例えば、ユーザは、切開付近または導入器シース付近のシャフトの一部分等の、シャフトの露出した遠位部分まで、マニピュレータを移動させることができる。マニピュレータを使用することの利点は、一方の手はハンドル28を保持しながら、シャフトに沿って片手で容易にマニピュレータの位置付けおよび操作ができることである。
【0024】
次に、図2A〜2Dのカテーテルおよびマニピュレータの使用について説明する。カテーテル20は、任意の既知の様式で患者内に導入される。ユーザがカテーテルを操作することを所望する場合は、ユーザはマニピュレータ30を把持し、端部34bを押すことによってマニピュレータをシャフトからロック解除し、シャフト26と摩擦接触しないように面34aを移動させる。次いで、ユーザは、カテーテルを操作するために適切な場所までマニピュレータ30を移動させる。次いで、端部34b上の圧力が除去され、ばね36が、シャフト26と摩擦接触するように面34aを移動させることが可能となる。次いで、カッター22の回転、並進、またはその両方を生じさせてアテローム等の組織と接触させるように、マニピュレータを回転させるか、並進させるか、またはその両方が行われる。いくつかの実施形態において、カッター22は、ウィンドウ24の外側に半径方向に伸張され、アテロームを切除するためにカッター22が伸張した状態で、カテーテル20が血管を通って前進させられる。いくつかの実施形態において、アテロームは、カッター22によってカテーテルの内部に方向付けられる。
【0025】
図3Aおよび3Bの実施形態を参照すると、マニピュレータ45とともに使用するための別のカテーテル40が示される。カテーテル40は、上述したカテーテル20と同様であり得るが、上述したシャフト26または別のシャフトと同様のシャフト46を有する作業要素を伴う任意の他のカテーテルであり得、いずれの場合にもループ42が追加される。マニピュレータ45は、上述したマニピュレータ10、30から構成され得るか、または別のマニピュレータであり得る。ハンドル48は、上述したハンドル28と同様であり得るが、任意の他のハンドルであり得る。
【0026】
カテーテル40は、マニピュレータとハンドルとの間に位置するループ42を有するシャフト46を含む。ループ42は、シャフトが操作されるとループを形成するように設計される可撓性カテーテル部分でできていてもよいか、または前成形されたループのカテーテル部分であり得、形成されると間隙44から構成される。シャフト46は、ハンドルに対してシャフトが回転または並進しないように、ハンドル48に固定的に連結される。マニピュレータ45を回転または並進させると、ループ42は、ハンドルの配向または位置を変更する必要なく、マニピュレータによってシャフトの遠位部分が回転または並進されるように十分可撓性である。ハンドル48に対してシャフト46を回転または並進させる間、ハンドル48の位置を変化させないよう維持することを可能にしながら、シャフト46の回転または並進に対応するように、ループ42の直径47は大きくなってもまたは小さくなってもよく、間隙44は増加するかまたは減少するかまたはその両方であり得る。
【0027】
次に、図3Aおよび3Bのカテーテルの使用について説明する。カテーテルは、任意の既知の様式で患者内に導入される。ユーザがカテーテルを操作することを所望する場合は、ユーザはマニピュレータ10を把持し、それを、カテーテルを操作するために適切な場所まで移動させる。次いで、ユーザは、シャフト上でマニピュレータをロックする。シャフトが操作されると、ハンドルの位置を変化させずに、シャフトの回転、並進、またはその両方に対応するために、ループは、必要に応じて間隙を縮小、拡張、または変化させる。いくつかの実施形態において、カッター22は、ウィンドウ24の外側に半径方向に伸張され、アテロームを切除するためにカッター22が伸張した状態で、カテーテル20が血管を通って前進させられる。いくつかの実施形態において、アテロームは、カッター22によってカテーテルの内部に方向付けられる。
【0028】
図4Aおよび4Bは、マニピュレータ55とともに使用するための別のカテーテル50を示す。シャフトの遠位部分は、切除要素を血管壁に対して付勢するための並置力(apposition force)を提供するように成形される。カテーテル50は、上述したカテーテル20と同様であり得るが、上述したシャフト56または別のシャフトと同様のシャフト56を有する作業要素を伴う任意の他のカテーテルであり得、いずれの場合にも、ジョグ51jおよび前形成された屈曲部51p、51dが追加される。カテーテル50はまた、それぞれ、作業要素22およびウィンドウ24と構造、材料、および機能において同様であり得る作業要素52およびウィンドウ54から構成される。カテーテルが血管内に位置付けられると作業要素52が血管壁に対して付勢されるように、ウィンドウ54は、シャフト上の半径方向内側の位置に位置する。ジョグ51jおよび前形成された屈曲部51p、51dは、連携して作業要素52を付勢し、血管内の切除される物質と接触させる。マニピュレータ55は、上述したマニピュレータ10、30から構成され得るか、または別のマニピュレータであり得る。マニピュレータ55をカテーテル50とともに使用することは任意的である。ハンドル58は、上述したハンドル28と同様であり得るが、任意の他のハンドルであり得る。
【0029】
カテーテルシャフト56は、ジョグ51jおよび前形成された屈曲部51p、51dを含む。ジョグ51jは、シャフト56の遠位部分56dがシャフト56の中央部分56mに対して急に屈曲することを許容するヒンジ構造から構成される。ジョグを行うことが可能なカテーテル構造は、2004年7月21日に出願され、米国特許第2005/0177068A1として公開された米国特許出願第10/896,741号の段落[0092]〜[0094]、[0100]〜[0102]、[0105]〜[0107]、ならびに図1、1A、2、4A、および4Bにさらに記載される。米国特許公開公報US2005/0177068号の内容すべては、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態において、前形成された屈曲部は、中央部分および中央部分の近位のカテーテルシャフトの部分が第1の平面内に位置するように形成され、ヒンジ要素は、第1の平面内でのみ、中央部分に対する遠位部分の屈曲を許容するように構成される。前形成された屈曲部51p、51dは、カテーテル56に金型の形状を取らせるように、遠位部分56dを金型内に拘束し、その後、過熱することによって形成され得るか、または、当業者に既知である他の手段によって形成され得る。前形成された屈曲部51pは、前形成された屈曲部51dの角度53dよりも小さい角度53pを有する。90〜150度の前形成された屈曲部51pの角度が企図される。一実施形態において、前形成された屈曲部51pの角度は、100〜120度である。他の実施形態において、角度53pは、95、105、110、115、125、130、または140度である。100〜180度の前形成された屈曲部51dの角度53dが企図される。一実施形態において、前形成された屈曲部51dの角度は、120〜140度である。他の実施形態において、角53dは、110、130、150、160、または170度である。前形成された屈曲部51pから前形成された屈曲部51dまでの長さは、概して、前形成された屈曲部51dからジョグ51jまでの長さよりも長い。0.5〜2.0インチの前形成された屈曲部51pから前形成された屈曲部51dまでの長さが企図される。一実施形態において、前形成された屈曲部51pから前形成された屈曲部51dまでの長さは、1.00〜1.25インチである。他の実施形態において、前形成された屈曲部51pから前形成された屈曲部51dまでの長さは、0.75、1.5、または1.75インチである。0.125〜1.0インチの前形成された屈曲部51dからジョグ51jまでの長さが企図される。一実施形態において、前形成された屈曲部51dからジョグ51eまでの長さは、0.375〜0.625インチである。
いくつかの実施形態において、前形成された屈曲部51dからジョグ51jまでの長さは、0.25、0.5、0.75、または0.875インチである。組み合わせた屈曲部51d、51pならびに屈曲部間および屈曲部とジョグとの間の距離により、カテーテル56は、カテーテル56の非屈曲部分からジョグ56jまでの最大偏位56eを有する。一般に、本発明のカテーテルは、そのカテーテル50が使用される血管または導管の直径よりも大きい偏位を有するように選択される。3〜40ミリメートルの偏位56eが企図される。一実施形態において、偏位56eは、5〜8mmである。いくつかの実施形態において、偏位56eは、4、5、6、7、8、10、12、15、20、25、30、または35ミリメートルである。
【0030】
カテーテル50が、拘束されない偏位56eよりも小さい直径Dの血管V内に位置付けられると、前形成された屈曲部51pおよび51dは、それらの偏向されていない前形成された角度よりも大きな角度になることを余儀なくされ、その一方で、ジョグ51jは、カテーテル50の最遠位部分が血管Vの内壁に沿って配向されることを可能にする。前形成された屈曲部がそれらの偏向されていない前形成された角度に戻ろうとすると、ジョグ56jと屈曲部51p、51dとの間のこの連携により、ウィンドウ54を押すかまたは付勢して血管Vの内壁と接触させる。前形成された屈曲部51dは、血管径の小さい端部で血管Vの内壁に対するカッター52およびウィンドウ54の並置力を維持する。血管径が増加するにつれて、前形成された屈曲部51pは、最終的にはカテーテルの先端にも並置力を印加し始める。0.05〜0.5lbの付勢力が企図される。一実施形態において、付勢力は、0.1lbである。いくつかの実施形態において、付勢力は、0.075、0.2、0.3、または0.4lbである。カッター等の作業要素52は、アテローム等の切除される物質と接触するように、ウィンドウ54を通して伸張され得る。切除中は、カッターを血管の内部表面から離れるように偏向させる傾向にある切除力が、上述したように生成される付勢力によって抵抗を受ける。シャフト56の遠位部分は、ウィンドウ54が確実に円周方向に配向され、切除される物質と接触するように、マニピュレータ55(使用される場合は)によって回転させられるか、並進させられるか、またはその両方が行われ得る。
【0031】
次に、図4Aおよび4Bのカテーテルの使用について説明する。血管Vの内径よりも大きい偏位56eを有するカテーテル50が選択される。任意で、カテーテルは、物質が除去される血管Vの場所まで、任意の既知の様式で、ガイドワイヤ上で患者内に導入される。ガイドワイヤ上で導入される場合、カテーテルは、ある程度真っ直ぐになる傾向があり、その場所までガイドワイヤに従う。前形成された屈曲部51p、51dは、ジョグ51jと連携して、血管Vの内壁に対してウィンドウ54を付勢する。いくつかの実施形態において、カッター52は、ウィンドウ54の外側に半径方向に伸張され、アテロームを切除するためにカッター52が伸張した状態で、カテーテル50が血管を通って前進させられる。いくつかの実施形態において、アテロームは、カッター52によってカテーテルの内部に方向付けられる。任意で、ユーザがカテーテルを操作することを所望する場合は、ユーザはマニピュレータ55を把持し、カテーテルを操作するために適切な場所まで移動させる。次いで、ユーザは、シャフト56上でマニピュレータをロックし、ハンドル58の位置は変化させずに、シャフトを回転させるか、並進させるか、またはその両方を行う。
【0032】
図5A〜5Cは、マニピュレータ65とともに使用するための別のカテーテル60を示す。シャフトの遠位部分は、血管壁に対して切除要素を付勢するための並置力を提供するように成形される。カテーテル60は、上述したカテーテル20と同様であり得るが、上述したシャフト26または別のシャフトと同様のシャフト66を有する作業要素を伴う任意の他のカテーテルであり得、いずれの場合にも、ジョグ61jおよび連続的に半径が減少する曲線61が追加される。ジョグ61jは、構造、材料、および機能において、ジョグ51jと同様であり得る。カテーテル60はまた、それぞれ、作業要素22およびウィンドウ24と構造、材料、および機能において同様であり得る作業要素62およびウィンドウ64から構成される。カテーテルが血管内に位置付けられたときに作業要素62が血管壁に対して付勢されるように、作業要素62は、シャフト上の半径方向内側の位置に位置する。ジョグ61jおよび連続的に半径が減少する曲線61は、連携して作業要素62を付勢し、血管内の切除される物質と接触させる。マニピュレータ65は、上述したマニピュレータ10、30から構成され得るか、または別のマニピュレータであり得る。マニピュレータ65をカテーテル60と使用することは任意的である。ハンドル68は、上述した28と同様であり得るが、任意の他のハンドルであり得る。
【0033】
カテーテルシャフト66は、ジョグ61jおよび連続的に半径が減少する曲線61を含む。連続的に半径が減少する曲線61は、遠位部分66dに金型の形状を取らせるように、カテーテルシャフト66の遠位部分66dを金型内に拘束し、その後、過熱することによって形成され得るか、または、当業者に既知である他の手段によって形成され得る。遠位部分66dは、少なくとも90度から少なくとも720度まで丸められ得る。図5Aは、約360度丸められたシャフトを示し、図5Bは、約720度丸められたシャフトを示す。他の実施形態において、遠位部分66dは、120、150、180、240、300、480、または600度丸められる。最大曲げ径63は、3mmから50mmまで異なってもよいが、特定の用途によって、最大曲げ径はこの範囲外であり得る。一実施形態において、最大曲げ径は10〜12mmである。他の実施形態において、最大曲げ径は4、6、8、15、20、25、30、または40mmである。
【0034】
別の実施形態において、連続的に半径が減少する曲線61は、多数の個々の前形成された屈曲部(図示せず)から構成され得る。理解され得るように、半径が減少するセクションの数は異なってもよい。例えば、2〜100個のセクションを有するカテーテルが企図される。他の実施形態において、カテーテルは、4、6、8、10、15、20、40、60、75、または100個のセクションを有し得る。さらに別の実施形態において、図5A〜5Cの連続的に変化する実施形態によって開示されるように、カテーテルは無限の数のセクションを有する。連続的に減少する半径は、血管径の範囲にわたって比較的均一な並置力を提供することが意図される。血管のジオメトリおよびサイズは患者ごとにかなり異なるため、当然、使用中の実際の並置力はかなり異なってもよいが、シャフトの形状は、様々な血管のサイズにわたって均一な力を提供する傾向にある。
【0035】
カテーテル60が、最大曲げ径63よりも小さい直径Dの血管V内に位置付けられると、連続的に半径が減少する曲線61は直径を増加することを余儀なくされ、その一方で、ジョグ61jは、カテーテル60の最遠位部分が血管Vの内壁に沿って配向されることを可能にする。湾曲部61がその偏向されていない直径に戻ろうとすると、ジョグ56jと湾曲部61との間の連携により、ウィンドウ64を押すかまたは付勢して血管Vの内壁と接触させる。カッター等の作業要素62は、アテローム等の切除される物質と接触するように、ウィンドウ64を通して伸張され得る。切除中は、カッターを血管の内部表面から離れるように偏向させる傾向にある切除力が、上述したように生成される付勢力によって抵抗を受ける。シャフト66の遠位部分は、ウィンドウ64が確実に円周方向に配向され、切除される物質と接触するように、マニピュレータ65(使用される場合は)によって回転させられるか、並進させられるか、またはその両方が行われ得る。
【0036】
次に、図5A〜5Cのカテーテルの使用について説明する。カテーテルは、物質が除去される場所まで、任意の既知の様式で、ガイドワイヤ上で患者内に導入される。ガイドワイヤ上で導入される場合、カテーテルは、ある程度真っ直ぐになる傾向があり、その場所までガイドワイヤに従う。湾曲部61は、ジョグ61jと連携して、血管Vの内壁に対してウィンドウ64を付勢する。いくつかの実施形態において、カッター62は、ウィンドウ64の外側に半径方向に伸張され、アテロームを切除するためにカッター62が伸張した状態で、カテーテル60が血管を通って前進させられる。いくつかの実施形態において、アテロームは、カッター62によってカテーテルの内部に方向付けられる。任意で、ユーザがカテーテルを操作することを所望する場合は、ユーザはマニピュレータ65を把持し、カテーテルを操作するために適切な場所まで移動させる。次いで、ユーザは、シャフト66上でマニピュレータをロックし、ハンドル68の位置は変化させずに、シャフトを回転させるか、並進させるか、またはその両方を行う。
【0037】
本発明は、好ましい実施形態に関連して記載してきたが、当然、上述した例示的な実施形態から離れて実践され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の管腔における治療部位で手技を行うためのカテーテルであって、該血管は、該治療部位で直径Dを有し、該カテーテルは、
遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトであって、該細長い管状シャフトは、近位屈曲部と、遠位屈曲部と、ヒンジ要素とを有し、該近位屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、該遠位屈曲部は、該第1の角度より大きい第2の角度を画定し、該ヒンジ要素は、該細長い管状シャフトの該遠位端の近位かつ該遠位屈曲部の遠位に位置し、該遠位屈曲部は、該近位屈曲部と該ヒンジ要素との間に位置し、該細長い管状シャフトの遠位部分は、該細長い管状シャフトの該ヒンジ要素と該遠位端との間に延在し、該細長い管状シャフトの中央部分は、該ヒンジ要素と該近位屈曲部との間に延在し、該遠位部分は、該細長い管状シャフトの該ヒンジ要素と該遠位端との間で該側壁を通して延在するウィンドウを含む、細長い管状シャフトと、
該細長い管状シャフトの該管腔内に配置される作業要素であって、該作業要素は、該ウィンドウを通して該治療部位で該手技を行うために構成され、該第1および第2の角度は、該治療部位で該血管の壁に対して該ウィンドウが付勢されるように、該近位屈曲部と該ヒンジ要素との間に、直径Dより大きい該細長い管状シャフトの最大偏位を形成するように選択される、作業要素と
を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記近位および遠位屈曲部は、第1の平面内に位置するように構成され、前記ヒンジ要素は、該第1の平面内でのみ、前記中央部分に対する前記遠位部分の屈曲を許容するように構成される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1および第2の角度は、約0.05〜0.50ポンドの範囲の力で前記血管の壁に対して前記ウィンドウを付勢するように選択される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第1の角度は、約90°〜150°の範囲であり、前記第2の角度は、約100°〜180°の範囲である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記近位屈曲部から前記遠位屈曲部までの長さは、該遠位屈曲部から前記ヒンジ要素までの長さよりも長い、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記近位屈曲部と前記遠位屈曲部との間の長さは、約0.5〜2.0インチの範囲である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記遠位屈曲部と前記ヒンジ要素との間の長さは、約0.375〜0.625インチの範囲である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記最大偏位は、約3〜40mmの範囲である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記細長い管状シャフトを受容するようにサイズ決定される管腔を画定する本体を有するシャフト操作部材をさらに備え、
該シャフト操作部材は、対向するシャフト係合要素を該本体内にさらに有し、該シャフト係合要素は、該シャフト係合要素が該細長い管状シャフトに係合し、該細長い管状シャフト上で該本体をロックするロック位置と、該本体が自由に回転し、該細長い管状シャフト上を軸方向に並進するロック解除位置との間で移動可能である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記シャフト係合要素は、前記ロック解除位置において付勢されている、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記作業要素は、アテローム切除術用切除デバイスである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
血管の管腔における治療部位で手技を行うためのカテーテルであって、
遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトであって、該細長い管状シャフトは、連続的に減少する曲率半径を有する湾曲した遠位部分を有し、該連続的に減少する曲率半径は、該細長い管状シャフトの該遠位部分の近位端から該遠位端まで第1の平面内に配向され、該遠位部分は、該細長い管状シャフトの該遠位端の近位に位置するヒンジ要素を含み、該ヒンジ要素は、該遠位部分を、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間の遠位セグメントと、該ヒンジ要素と該遠位部分の該近位端との間の近位セグメントとに分割し、該ヒンジ要素は、該第1の平面内でのみ、該近位セグメントに対して該遠位セグメントが屈曲することを許容するように構成され、該遠位セグメントは、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間で該側壁を通して延在するウィンドウを含む、細長い管状シャフトと、
該細長い管状シャフトの該管腔内に配置される作業要素であって、該作業要素は、該ウィンドウを通して該治療部位で該手技を行うために構成され、該連続的に減少する曲率半径は、使用中に、該治療部位で該血管の壁に対して該ウィンドウを付勢するように選択される、作業要素と
を備える、カテーテル。
【請求項13】
前記湾曲した遠位部分は、約90°〜720°の範囲の連続的な曲線を形成する、請求項12に記載のカテーテル
【請求項14】
前記湾曲した遠位部分の最大曲げ径は、約3mm〜50mmの範囲である、請求項12に記載のカテーテル
【請求項15】
前記細長い管状シャフトを受容するようにサイズ決定される管腔を画定する、本体を有するシャフト操作部材をさらに備え、該シャフト操作部材は、対向するシャフト係合要素をさらに有し、該シャフト係合要素は、該シャフト係合要素が該細長い管状シャフトに係合し、該細長い管状シャフト上で該本体をロックするロック位置と、該本体が自由に回転し、該細長い管状シャフト上を軸方向に並進するロック解除位置との間で移動可能である、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記シャフト係合要素は、前記ロック解除位置において付勢されている、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記作業要素は、アテローム切除術用切除デバイスである、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項18】
血管の管腔における治療部位で手技を行うための方法であって、
遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを提供するステップであって、該細長い管状シャフトは、近位屈曲部と、遠位屈曲部と、ヒンジ要素とを有し、該近位屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、該遠位屈曲部は、該第1の角度より大きい第2の角度を画定し、該近位屈曲部および遠位屈曲部は、第1の方向に配向され、該ヒンジ要素は、該細長い管状シャフトの該遠位端の近位かつ該遠位屈曲部の遠位に位置し、該遠位屈曲部は、該近位屈曲部と該ヒンジ要素との間に位置し、該細長い管状シャフトの遠位部分は、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間に延在し、該細長い管状シャフトの中央部分は、該ヒンジ要素と該近位屈曲部との間に延在し、該遠位部分は、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間で該側壁を通り延在するウィンドウを含む、ステップと、
該血管の該管腔を通して、該細長い管状シャフトを該治療部位まで前進させるステップと、
該治療部位で所望の場所において該血管の壁に対して該ウィンドウを付勢するために、該近位屈曲部および該遠位屈曲部が、該ヒンジ要素で、該細長い管状シャフトの該遠位部分を、該細長い管状シャフトの該中央部分に対して該第1の方向の反対である第2の方向に屈曲させる位置に、該細長い管状シャフトを配向するステップと、
該ウィンドウが該血管の壁に対して付勢されている間に、該細長い管状シャフトの該管腔内に配置される作業要素を用いて、該ウィンドウを通して該治療部位で手技を行うステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記ヒンジ要素は、前記第1および第2の方向においてのみ、前記中央部分に対する前記遠位部分の屈曲を許容するように構成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1および第2の角度は、約0.05〜0.50ポンドの範囲の力で前記血管の壁に対して前記ウィンドウを付勢するように選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の角度は、約90°〜150°の範囲であり、前記第2の角度は、約100°〜180°の範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記近位屈曲部から前記遠位屈曲部までの長さは、該遠位屈曲部から前記ヒンジ要素までの長さよりも長い、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記近位屈曲部と前記遠位屈曲部との間の長さは、約0.5〜2.0インチの範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記遠位屈曲部と前記ヒンジ要素との間の長さは、約0.375〜0.625インチの範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記第1および第2の角度は、前記近位屈曲部と前記ヒンジ要素との間に、前記治療部位の前記血管の直径よりも大きい前記細長い管状シャフトの最大偏位を形成するように選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記作業要素は、アテローム切除術用切除デバイスであり、前記手技は、前記血管の壁から物質を除去することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
血管の管腔における治療部位で手技を行うための方法であって、
遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを提供するステップであって、該細長い管状シャフトは、連続的に減少する曲率半径を有する湾曲した遠位部分を有し、該連続的に減少する曲率半径は、該遠位部分の近位端から該細長い管状シャフトの該遠位端まで第1の方向に配向され、該遠位部分は、該細長い管状シャフトの該遠位端の近位に位置するヒンジ要素を含み、該ヒンジ要素は、該遠位部分を、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間の遠位セグメントと、該ヒンジ要素と該遠位部分の該近位端との間の近位セグメントとに分割し、該ヒンジ要素は、該第1の方向および該第1の方向の反対である第2の方向にのみ、該近位セグメントに対して該遠位セグメントが屈曲することを許容するように構成され、該遠位セグメントは、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間で該側壁を通り延在するウィンドウを含む、ステップと、
該血管の該管腔を通して、該細長い管状シャフトを該治療部位まで前進させるステップと、
該治療部位で所望の場所において該血管の壁に対して該ウィンドウを付勢するために、該湾曲した遠位部分の該連続的に減少する曲率半径が、該ヒンジ要素で、該遠位セグメントを該近位セグメントに対して該第2の方向に屈曲させる位置に、該細長い管状シャフトを配向するステップと、
該ウィンドウが該血管の該壁に対して付勢されている間に、該細長い管状シャフトの該管腔内に配置される作業要素を用いて、該ウィンドウを通して該治療部位で手技を行うステップと
を含む、方法。
【請求項28】
前記湾曲した遠位部分は、約90°〜720°の範囲の連続的な曲線を形成する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記湾曲した遠位部分の最大曲げ径は、約3mm〜50mmの範囲内である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
カテーテルのシャフトを操作するためのデバイスであって、
該カテーテルの該シャフトを受容するようにサイズ決定される管腔を有する本体部分と、
該本体部分で囲まれた第1および第2のシャフト係合面を有するシャフト係合部材であって、該第1および第2のシャフト係合面が該シャフトに係合し、該本体を該シャフト上でロックするように構成されるロック位置と、該本体が自由に回転し、該細長い管状シャフト上を軸方向に並進するロック解除位置とを有するシャフト係合部材と
を備える、デバイス。
【請求項31】
前記シャフト係合面は、前記ロック解除位置において付勢されている、請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
血管の壁の部位にアクセスするためのカテーテルであって、
遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを備え、
該細長い管状シャフトは、第1の屈曲部と、該第1の屈曲部の遠位に所定の距離で位置する第2の屈曲部と、該側壁を通り延在するウィンドウとを有し、該ウィンドウは、該細長い管状の該第2の屈曲部の遠位かつ該遠位端の近位に位置し、該第1の屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、該第2の屈曲部は、該第1の角度より大きい第2の角度を画定し、該第1および第2の角度ならびに該所定の距離は、使用中に、該血管の壁の該部位に対して該ウィンドウを付勢するように選択される、
カテーテル。
【請求項33】
前記細長い管状シャフトは、前記ウィンドウの近位かつ前記第2の屈曲部の遠位に位置するヒンジ要素をさらに含む、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項34】
前記細長い管状シャフトの前記管腔内に配置される作業要素をさらに備え、該作業要素は、前記ウィンドウを通して、前記血管の壁の前記部位で手技を行うために構成されている、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項35】
前記細長い管状シャフトは、前記ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの前記遠位端との間に遠位部分を含み、該ヒンジ要素は、該遠位部分が屈曲するピボット点として構成される、請求項33に記載のカテーテル。
【請求項36】
前記遠位部分は縦軸を有し、前記ヒンジ要素は、使用中に、前記血管の壁の前記部位に対して前記ウィンドウが付勢されると、該遠位部分が、該遠位部分の該縦軸が該血管の縦軸に実質的に平行になるように位置付けられるように構成されている、請求項35に記載のカテーテル。
【請求項37】
前記第1および第2の屈曲部は、第1の平面内に位置するように構成され、前記ヒンジ要素は、該第1の平面内でのみ、該ヒンジ要素の遠位の前記細長い管状部材の屈曲を許容するように構成される、請求項33に記載のカテーテル。
【請求項38】
前記第1および第2の角度は、約0.05〜0.50ポンドの範囲の力で前記血管の壁に対して前記ウィンドウを付勢するように選択される、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項39】
前記第1の角度は、約90°〜150°の範囲であり、前記第2の角度は、約100°〜180°の範囲である、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項40】
前記第1の屈曲部から前記第2の屈曲部までの長さは、該第2の屈曲部から前記ヒンジ要素までの長さよりも長い、請求項33に記載のカテーテル。
【請求項41】
前記第1の屈曲部と前記第2の屈曲部との間の長さは、約0.5〜2.0インチの範囲である、請求項32に記載のカテーテル。
【請求項42】
前記第2の屈曲部と前記ヒンジ要素との間の長さは、約0.375〜0.625インチの範囲である、請求項33に記載のカテーテル。
【請求項43】
前記作業要素は、アテローム切除術用切除デバイスである、請求項34に記載のカテーテル。
【請求項44】
血管の管腔における治療部位で手技を行うためのカテーテルであって、
遠位端および近位端ならびに管腔を画定する側壁を有する、細長い管状シャフトを備え、該細長い管状シャフトは、近位屈曲部と、遠位屈曲部と、ヒンジ要素とを有し、該近位屈曲部は、ゼロより大きい第1の角度を画定し、該遠位屈曲部は、該第1の角度より大きい第2の角度を画定し、該ヒンジ要素は、該細長い管状シャフトの該遠位端の近位かつ該遠位屈曲部の遠位に位置し、該遠位屈曲部は、該近位屈曲部と該ヒンジ要素との間に位置し、該細長い管状シャフトの遠位部分は、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間に延在し、該細長い管状シャフトの中央部分は、該ヒンジ要素と該近位屈曲部との間に延在し、該遠位部分は、該ヒンジ要素と該細長い管状シャフトの該遠位端との間で該側壁を通り延在するウィンドウを含み、該近位屈曲部、該遠位屈曲部、および該ヒンジ要素は、該治療部位で該血管の壁に対して該ウィンドウを付勢するように構成されている、
カテーテル。
【請求項45】
前記細長い管状シャフトの前記管腔内に配置される作業要素をさらに備え、該作業要素は、使用中に、前記ウィンドウが前記血管の前記壁に対して付勢されている場合に、該ウィンドウを通して前記治療部位で前記手技を行うように構成されている、請求項44に記載のカテーテル。
【請求項46】
前記近位屈曲部および遠位屈曲部は、第1の平面内に位置するように構成され、前記ヒンジ要素は、該第1の平面内でのみ、前記中央部分に対する前記遠位部分の屈曲を許容するように構成されている、請求項44に記載のカテーテル。
【請求項47】
前記第1および第2の角度は、約0.05〜0.50ポンドの範囲の力で前記血管の壁に対して前記ウィンドウを付勢するように選択される、請求項44に記載のカテーテル。
【請求項48】
前記第1の角度は、約90°〜150°の範囲であり、前記第2の角度は、約100°〜180°の範囲である、請求項44に記載のカテーテル。
【請求項49】
前記近位屈曲部から前記遠位屈曲部までの長さは、該遠位屈曲部から前記ヒンジ要素までの長さよりも長い、請求項44に記載のカテーテル。
【請求項50】
前記近位屈曲部と前記遠位屈曲部との間の長さは、約0.5〜2.0インチの範囲である、請求項44に記載のカテーテル。
【請求項51】
前記遠位屈曲部と前記ヒンジ要素との間の長さは、約0.375〜0.625インチの範囲である、請求項44に記載のカテーテル。
【請求項52】
前記作業要素は、アテローム切除術用切除デバイスである、請求項45のカテーテル。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2012−505060(P2012−505060A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531255(P2011−531255)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/060496
【国際公開番号】WO2010/045226
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】