説明

カテーテル

本発明はカテーテルハンドルを有するカテーテル組立体に関し、カテーテル組立体はカテーテル要素およびカテーテル要素を収容するための容器を含む。第一コンパクト形態において、カテーテル要素およびカテーテルハンドルは分離してカテーテル組立体の長さを縮小する。カテーテル要素は容器内にありかつカテーテルハンドルは容器組立体の外側に取り付けられている。カテーテルハンドルは取り外し可能であると共にカテーテル要素と相互係止して第二形態においてカテーテル装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
導入部
本発明は身体流体を例えば膀胱から排出するためのカテーテルに関する。特に、本発明は容器組立体を含むカテーテル組立体に関し、前記容器組立体は少なくとも一つのカテーテル要素を含む。前記カテーテル要素の近位端において、前記カテーテル要素は尿管内へ挿入できる構成である。前記容器組立体は、更に、前記カテーテル要素の少なくとも近位部を収容できるキャビティを有する容器を含む。前記カテーテル組立体は更に前記カテーテル要素と相互係止するカテーテルハンドルを含み、前記カテーテルハンドルは前記容器の一部を囲繞するスリーブ部を含む。
【背景技術】
【0002】
多数群の人にとって間欠的カテーテル法は日常生活で一日に数回行う処置である。間欠的カテーテル法のための代表的カテーテルは、尿疾患の患者、または自主的排尿を制御できない経産婦または四肢麻痺等の身障者により使用され、かつそのような人々にとってカテーテル法は排尿手段である。間欠的カテーテル法の使用により膀胱は天然尿管または人工尿管から排尿する。
【0003】
既存のカテーテルは、粘膜内の潰瘍の危険を最小にしかつ挿入時に実質的痛みを感じないように設計されている。従って、既知カテーテルは典型的には尿管への安全かつ快適な挿入に最適のスムーズかつ滑らかな表面を有する。
【0004】
尿道感染の危険が間欠的カテーテル法を採用する人にとって大きな問題である。間欠的カテーテルは代表例として無菌包装で提供されかつ使用前の汚染を回避するためにカテーテルは好適には挿入可能部に手で接触することなく取り扱われるべきである。
【0005】
間欠的カテーテルの多くの使用者は不器用であるので、間欠的カテーテルは、カテーテル法処置において容易に開封、準備、かつ取り扱うことのできるものであるべきである。
【0006】
典型例として、カテーテルは一回使用として設計され、かつ従ってカテーテルの製造、包装および滅菌コストは重要な問題である。
【0007】
不器用な人々にとっても使用し易いことに加えて、コンパクトかつ分離運搬でき、かつ塵収集を介して廃棄できるカテーテル組立体の利用性は、多数群の個人の生活の質を大きく改善する。
【0008】
WO03/002179はカテーテルハンドルと尿管へ挿入できる近位端を有するカテーテル要素との間に格納式連結部材を有する折り畳み式カテーテルセットを開示する。このカテーテル要素は親水性コーティング、およびハンドルの内側とカテーテル要素の外側との間に折り畳み位置においてキャビティを有し、親水性コーティングを湿潤するために液体湿潤媒体を含むことができる。簡単に使用できるが、この装置は比較的製造が複雑でありかつ意図された作業に対してデリケートな機械的解決に依存する。
【0009】
WO03/002179は、更に、連結部を有するカテーテル要素およびハンドル要素を特徴とするカテーテルセットを開示し、カテーテル要素およびハンドル要素は分離可能である。ハンドル要素はカテーテル要素を収容できる構成である。使用前に、カテーテル要素はハンドル要素から引き出され、ハンドル要素へ連結されてカテーテル装置を構成する。このカテーテルセットの準備は、カテーテル要素を、カテーテル要素の小部である連結部のみに接触させて操作しなければならないので幾らかの器用さを必要とする。
【0010】
結論として、コンパクトで、製造が簡単、かつ不器用な使用者にとっても使用が簡単なカテーテル組立体に対するニーズがある。
【0011】
【特許文献1】WO03/002179
【発明の開示】
【0012】
発明の概要
本発明は導入部に記載の種類のカテーテル組立体に関し、本発明によるカテーテルハンドルはカテーテル要素および容器から分離できるように構成される。カテーテルハンドルがカテーテル要素および容器から分離可能であるので、カテーテルハンドルは、使用に先立つ組立体の容易運搬および取り扱いのためにコンパクト設計を促進する方法で容器上に配置できる。使用時に、カテーテルハンドルは尿道へ挿入するためにカテーテル要素の容易取り扱いを促進する方法でカテーテル要素上に配置できる。
【0013】
発明の詳細な説明
本発明は、容器組立体を含むカテーテル組立体に関し、前記容器組立体が少なくとも一つのカテーテル要素を含み、前記カテーテル要素が尿管に挿入できる近位端およびその反対の遠位端を有し、前記容器組立体が更に前記カテーテル要素の少なくとも近位部を収容できるキャビティを有する容器を含み、前記カテーテル組立体が更に前記カテーテル要素に相互係止するカテーテルハンドルを含み、前記カテーテルハンドルが前記容器の一部を囲繞できるスリーブ部を含み、前記カテーテルハンドルは前記カテーテル要素および前記容器から分離できる構成である。前記容器組立体は前記カテーテル要素および前記容器に加えて付加的構成要素を含んでよく、かつそのようにして前記カテーテルハンドルは全般的に前記容器組立体から分離できる。
【0014】
前記容器組立体から分離後に前記カテーテルハンドルは前記カテーテル要素と、例えばその遠位端に相互係止でき、それによりその取り扱いを容易にする。
前記カテーテル要素と相互係止する前記カテーテルハンドルを有するカテーテル装置は、天然または人工の尿道を介して膀胱を空にするのに好適である。
【0015】
本発明のカテーテル組立体の要素の第一形態において、前記カテーテルハンドルのスリーブ部は前記容器組立体の一部、例えば前記容器の一部かつ/またはそのカテーテルの一部を囲繞する。本発明の好適形態において、前記カテーテルハンドルのスリーブ部は前記容器の少なくとも一部を囲繞する構成である。前記カテーテルハンドルは、前記容器を全体的に囲繞してよく、例えば前記容器組立体の周りにリングを形成する。選択的に、前記カテーテルハンドルは前記容器を部分的に囲繞してよく、例えばギャップを有するリング形本体を前記容器組立体の周りに形成する。更に、前記カテーテルハンドルは、第二形態において前記容器組立体から分離する構成であり、かつ第三形態において前記カテーテルハンドルおよび前記カテーテル要素は連結手段により相互係止できる構成である。第三形態において、前記カテーテル組立体はカテーテル要素およびカテーテルハンドルを含む尿カテーテル法の装置を提供する。
【0016】
本発明は尿道および上方恥骨カテーテル法を含む尿カテーテル法のいずれの形態にも関係する。尿カテーテル法のための前記装置に含まれるカテーテル要素は個人の天然または人工の尿管内に挿入できる近位端、および反対側の遠位端を有する細長い部材である。前記カテーテル要素は、WO03/002179に開示されたような、いずれのタイプであってもよい。排尿管がカテーテル材料によって拘束される管状カテーテルに加えて、カテーテル組立体は排尿管の一部が尿管によって拘束されるウイング・カテーテルタイプのカテーテル要素を含んでよい。
【0017】
本発明によるカテーテル組立体は、特に、短いカテーテル、例えば女性、人工尿管を付けた子供または人により使用される短いカテーテルに有利である。本発明の一実施形態において、前記カテーテル要素は女性尿道に適合するように構成される。即ち、50−200mmの範囲の長さ、130−180mm、寸法150mm等の長さで提供される。更に第一形態のコンパクトかつ分離可能なカテーテル組立体を提供するために、前記カテーテル要素は50−90mmの範囲の長さ、55−58mmの範囲、60−80mmの範囲、寸法70mmの長さ等で提供される。膀胱の開放を促進するために、前記カテーテル要素および前記カテーテルハンドルはスムーズな移行およびカテーテルハンドルに所定寸法の少なくとも近位部を有するように形成され得る。即ち、取り付け時に前記カテーテルへ向けて平滑に形成され、厚みは使用者がカテーテルハンドルの少なくとも近位部を使用時に尿道へ挿入できるものである。この目的のために、前記カテーテルハンドルは、断面図で見て、前記カテーテル要素の挿入可能部の形状および寸法に対応する形状および寸法で形成されてよい。
【0018】
本発明のカテーテル組立体の一つの特徴として、使用者はコンパクトな形でカテーテル組立体を携帯できる。前記カテーテルハンドルのスリーブ部は第一形態のカテーテル組立体の一部を囲繞するように構成され、これは前記カテーテル組立体の保管を意図した第一形態においてカテーテル組立体の寸法を縮小させることができる。
【0019】
前記カテーテルハンドルのスリーブ部は一つまたはそれ以上の、例えば押し出し成形、射出成形、ブロー成形等により形成された管状部材、または事実上管状の部材の長手部を構成する湾曲した、更には筒状部材等の事実上管状の部材を形成するように溶接した一つまたはそれ以上のシート材から形成された管状部材を含んでよい。細長い管状部材の断面をその要素の長軸に対して垂直断面になるように形成することにより、カテーテルハンドルのスリーブ部の断面は事実上筒状になるが、四角形、三角形、多角形等のいずれの断面形状であってもよい。この断面はカテーテルハンドルに沿っていずれの点においても同一であっても、または形状または領域を変化させて例えば円錐部を有する等であってよい。
【0020】
前記カテーテルハンドルは、特に不器用な人用に操作を容易にするために人間工学的形状にすることができる。前記カテーテルハンドルは突出部、溝、ラグ面、指孔等により構成される把持手段を含んでよい。
【0021】
前記カテーテルハンドルは、そのハンドルを身体流体収集バッグへ連結するための連結手段を有してよい。前記連結手段は、例えばカテーテルハンドルの円錐形遠位部を有してよい。
【0022】
特定目的のために、比較的長いハンドル、例えば前記カテーテル要素または前記容器組立体よりも長いハンドルを有するカテーテル組立体を提供することが有利である。
【0023】
前記カテーテルハンドルおよび前記容器組立体は、基本的に一つの長手方向へ伸長してよく、かつ本発明の一実施形態において前記カテーテルハンドルはその長手方向において前記容器組立体よりも短い。第一形態における前記カテーテル組立体の長さは、この場合に、前記容器組立体の長さと同じであってよい。しかし、前記カテーテルハンドルは、また、前記容器の長さを越えて前記容器組立体上方に突出する長さであってよい。前記カテーテルハンドルは、一例として、遠位相互係止部を有し、遠位相互係止部は前記容器組立体を囲繞するには狭い。
【0024】
本発明の他の実施形態において、前記カテーテルハンドルは前記カテーテル要素よりも短い。特に、女性使用者用として、比較的短いハンドルが有利であり、便器にぶつかることなくカテーテル装置の操作を容易にする。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記カテーテルハンドルは、第一形態において前記容器組立体に取り付けることができる構成である。このカテーテルハンドルは、前記容器または前記カテーテル要素に取り付けられてよい。前記容器またはは前記カテーテル要素に取り付けられる場合、前記カテーテルハンドルおよび前記容器組立体は一構成要素を構成する。
【0026】
前記カテーテルハンドルは前記容器組立体に可逆的に取り付ける構成であってよい。可逆取り付けはタイトフィット、クリックロック、スナップロック、ネジ止め等の機械的手段により、または接着剤結合、磁気係止、フック・ループ係止等の表面接触手段により実施できる。可逆取り付けは前記カテーテルハンドルと前記容器組立体間に若干の隙間を設けることによりルーズフィットするものであってよいが、その部分は結合されて一構成要素を構成する。他の実施形態において、前記容器、カテーテル要素およびカテーテルハンドルは、三つの構成要素を封鎖バッグ内に設置することにより結合される。
【0027】
前記カテーテルハンドルは、容器組立体に不可逆的に取り付けるように、例えば不可逆クリックまたはスナップ係止により構成できる。カテーテルハンドルおよび容器組立体の一部は密着ユニットに、例えば型成形または接着剤により、形成できる。前記カテーテルハンドルおよび前記容器組立体は破裂可能連結部材、弱め領域等により不可逆的に分離できる。
【0028】
前記カテーテルハンドルおよび前記カテーテル要素は第三形態において相互係止手段により相互係止するように構成される。前記相互係止手段は前記カテーテルハンドルと前記カテーテル要素間の連結を確立するように構成され、これは使用者がカテーテルハンドルを操作することによりカテーテル要素を操作できるようにする。相互係止手段は、カテーテル要素とカテーテルハンドルとを連結できる一つまたはそれ以上の付加的カテーテル部を含んでよい。
【0029】
前記相互係止手段は使用者がカテーテルハンドルを使用する以外に延長ホースまたは尿バッグをカテーテル要素へ連結する選択を有するように設計されてよい。
【0030】
前記相互係止手段は不可逆的であってよいが、可逆的にも構成でき、カテーテル要素およびカテーテルハンドルを使用後、即ち第三形態の後に分離可能である。このことは、カテーテル法後の排泄物の廃棄が容易であり、または必要に応じて使用者が運搬できる点で有利である。カテーテル装置は更にコンパクトな形態、即ち実質的第一形態に、分離または分解できる点でも有利である。
【0031】
前記相互係止手段は、例えば、タイトフィット、クリック、錠、スナップ係止等の機械的手段、または接着剤接着または磁気錠等の表面接触手段を含んでよい。
【0032】
本発明の一実施形態において、前記容器は細長い部材であり、この部材は近位端に接近している。前記容器は、押し出し成形、射出成形、ブロー成形等により形成された管状部を含んでよい。前記容器は、また、適宜共に溶接された材料による一つまたはそれ以上のシートを含んでよい。前記管状部材は実質的円形断面を有してよいが、何れの断面形状であってよく、また可撓性であってもよい。確実グリップを促進するために、前記容器は把持手段を有してよい。
【0033】
本発明の好適実施形態において、前記容器は前記キャビティを封鎖する封鎖手段を含む。前記封鎖手段は前記容器の遠位開口部を開閉自在に封鎖するように構成されてよい。前記封鎖手段は手で除去できかつ人間工学的形状であってよく、また除去を促進する把持手段を含んでよい。前記封鎖手段はカテーテル組立体の一要素により破裂または除去できる構成であってよい。例えば、前記容器組立体はフォイルにより封鎖でき、かつ前記カテーテルハンドルは、例えばフォイルに孔を開けるのに適した斜めにカットしたストロウから既知の原理を使用して、そのフォイルへ浸入する構成にできる。
【0034】
前記封鎖手段は溶接、弱め領域、破裂フォイル、引き裂きフラップ、蓋等不可逆的であってよい。プラグ、蓋、ネジキャップ等の可逆的封鎖手段はカテーテル法後の排泄物を容易に封鎖するのに有利である。
【0035】
前記カテーテルハンドルおよび前記カテーテル要素の遠位端を相互係止する方法において、前記カテーテル要素の近位端は代表例として前記容器の近位端に向けて付勢される。従って、前記カテーテルハンドルの前記カテーテル要素の遠位端との相互係止を促進するために前記カテーテル要素を背後で保持する手段を設けることが有利である。更に、前記カテーテル要素が親水性コーティングを有する場合に、前記カテーテル要素の前記容器の近位端へ向かう移動を制限する手段を前記カテーテル組立体に設けることによって、そのカテーテルの遠位端を保護することが望ましい。
【0036】
本発明の好適実施形態において、前記カテーテル要素の遠位部は、少なくとも一つの半径方外方に突出した突出部を有し、かつ前記キャビティの近位区画室は前記カテーテルの近位部を収容でき、前記近位区画室は前記カテーテル要素の遠位部が前記近位区画室へ浸入することを排斥できる排斥手段を有する遠位開口領域を有する。
【0037】
前記カテーテルハンドルを前記カテーテル要素へ付勢することによって前記カテーテル要素に加わる力は前記カテーテルを近位方向へ押す傾向がある。前記容器が使用者によりしっかりと保持される場合に、近位方向へ前記カテーテルを押す力は、前記排斥手段上に担持された前記突出部を介して前記容器から前記カテーテルへ伝達される力に反作用する。
【0038】
安全性から、前記カテーテル要素の遠位部に実質的突出部を設ける他の利点は、仮に使用者が前記カテーテルハンドルと前記カテーテル要素との相互係止を適正にできなくても、前記カテーテルの遠位端が尿道開口部へ逃げてカテーテルハンドルがカテーテル法中にカテーテル要素から不本意に離脱することを阻止する点である。
【0039】
前記排斥手段は、前記カテーテル要素の遠位部の断面よりも小さいか、またはそれと異なる形状または配向を有する断面をキャビティの遠位開口領域に設けることによって近位区画室へ前記カテーテル要素の遠位部が浸入することを排斥するように構成される。前記カテーテル要素が前記容器の遠位部へ向かって移動するときに前記突出部を後方から保持する。前記排斥手段は、そのために、前記容器の内側でショルダの形態に形成されてよい。前記ショルダは前記容器の長手断面の狭い部を構成してよい。前記狭い部は代表例として前記キャビティの遠位端内に、または前記キャビティの近位端よりも少なくとも前記キャビティの遠位端に近い領域に位置決めされる。
【0040】
本発明の一実施形態において、前記排斥手段は内方に延びた突起、例えば前記キャビティの遠位端に、または前記キャビティの近位端よりも少なくとも前記キャビティの遠位端に近い領域にフランジを含む。内方へ延びた突起は前記開口領域内のキャビティを狭くするように構成されてよい。前記キャビティを狭くすることは、前記カテーテル要素の近位部の通過を可能にする寸法および形状の通路を形成するが、前記カテーテル要素の外方突出部を排斥するようなものである。
【0041】
内方へ延びた突起は、前記容器内の外方突出部のための空間を形成するために前記キャビティの遠位端から所定距離で形成されるが、内方へ延びた突起は前記キャビティの遠位端に形成されてよい。代表例として、内方へ延びた突起は前記キャビティの近位端よりも遠位端に接近して設けられる。
【0042】
本発明のこの実施形態による容器は、一つの実質的剛性管状部材から形成されてよく、内方突起は、カテーテル要素の遠位部がキャビティから排斥されるようにキャビティ内に設置される。この実施形態による他の容器に関し、通常のプラスチックバッグと同様の可撓性であってよいが、内方突起は容器の実質的剛性部である。
【0043】
本発明の一実施形態において、前記容器は二つの実質的剛性管状部材を含み、第一管状部材は第一断面を有する近位区画室を形成し、第二管状部材は第二断面を有するキャビティの遠位部を形成し、二つの管状部材は、カテーテル要素の近位端がキャビティの遠位部から近位区画室へ通過するのを阻止するように連結される。第一および第二管状部材の断面は実質的円形であってよく、第一管状部材の直径は第二管状部材の直径よりも小さい。前記容器の外径が狭いことによって、カテーテルハンドルが所定の断面を有することが可能であり、この断面は前記容器の遠位部において前記カテーテル要素の遠位部と係合する十分な狭さであり、かつ前記容器の近位部を囲繞するに十分な幅である。
【0044】
本発明の他の実施形態において、前記開口領域の少なくとも一部は可撓性である。この可撓性は開口領域の断面を指の圧力付加により寸法および形状を変化し、そのようにして前記カテーテル要素の遠位部が開口領域を通過することを阻止する。可撓性容器は指圧力を増進するために従来技術から既知の挟持手段を有してよい。前記開口領域は形状記憶を伴うまたは伴うことなくプラスチック変形可能であるか、または前記開口領域はプラスチックバッグのような可撓性を有する非剛性領域を含んでよい。
【0045】
製造を簡単にするために、前記可撓性は開口領域のみに必要であってよいが、全容器の主要部に同一材料を使用することが有利である。前記容器は指の圧力付加により断面を細長くさせる可撓性を有する管状要素で形成されてよく、そのようにしてその断面の少なくとも一つの直径を縮小するようにする。本発明の他の実施形態において、前記容器は容器のごとき細長いプラスチックバッグを構成するために縁に沿って結合した可撓性材料による少なくとも一つのシートから形成される。
【0046】
前記相互係止手段はスナップ錠を含んでよく、スナップ錠は非常に非力でカテーテルハンドルをカテーテル要素へしっかりと係止する。従って、本発明によるカテーテル組立体は突出部のないカテーテル要素を含んでよく、この場合にカテーテル組立体はスリムである。
【0047】
好適実施形態において、前記容器組立体は前記キャビティを封鎖するための封鎖手段を含む。前記容器組立体はこのように少なくとも一つの封鎖キャビティを含んでよい。従って、前記カテーテル組立体は、前記カテーテル要素の親水性コーティングを活性化するためにゲルまたは水等の潤滑媒体を更に含む。前記潤滑媒体は前記容器と前記カテーテル要素間で前記容器組立体内に収容されてよい。
【0048】
前記カテーテル組立体は、感染の危険を少なくする抗菌剤または尿路系の局所処置用の活性剤等の一つまたはそれ以上の活性成分を含んでよい。活性成分は、例えば溶液中に入れるかまたは固体として使用される。
【0049】
本発明の一実施形態において、前記カテーテル要素は使用前に、例えば潤滑ゲルまたは親水性コーティングによって潤滑にされ、かつ膨潤媒体によって膨潤化され、かつ前記容器は液体膨潤媒体等の潤滑物質または前記カテーテル要素と組織間の摩擦を減ずるためのゲルを含むように構成される。
【0050】
本発明の好適実施形態において、前記カテーテル要素の少なくとも一部は親水性コーティングを有する。親水性コーティングは、液体膨潤媒体で処理されて前記カテーテル上に滑らかな表面を提供するように構成される。
【0051】
親水性コーティングを施したカテーテル要素は蛇口から水で処理されるかまたは別の液体膨潤媒体により処理され、またはカテーテル組立体の一部として処理される。本発明の一実施形態において、前記容器は液密であり、かつ例えば親水性コーティングを膨潤するための液体膨潤媒体を含む構成であってよい。代表例として、親水性コーティングの膨潤は瞬間的でないので、前膨潤しかつカテーテル要素の少なくとも近位部を容器内の液体膨潤媒体と接触させて保管することにより使用できる状態でカテーテル要素を提供することが有利である。選択的に、親水性表面と組み合わせて前記組立体が潤滑ゲルまたはカテーテル要素を含むポーチを有するか、または少なくともその挿入可能部はゲルにより前潤滑されてよい。
【0052】
本発明の他の特徴は、次の工程を含むカテーテル装置を準備する方法を提供する。即ち、
イ)容器組立体を含むカテーテル組立体を提供する工程、前記容器組立体はカテーテル要素を含み、カテーテル要素は尿管に挿入するための近位端およびその反対の遠位端を有し、前記容器組立体は更に前記カテーテル要素の少なくとも近位部を収容できるキャビティを有する容器、および前記容器の一部を囲繞することのできるスリーブ部を含むカテーテルハンドルを含む、
ロ)前記容器組立体からカテーテルハンドルを取り外す工程、
ハ)前記カテーテル要素に前記カテーテルハンドルを連結する工程、
ニ)前記容器から前記カテーテル要素を除去する工程を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明を本発明の原理を示す図面を参照して更に詳細に開示する(寸法通りに示されていない)。
実施形態の異なる部に関する原理は図面に示されていない他の形態と異なる形態に組み合わせることができる。
【0054】
図1は、カテーテル要素1、容器2、および第一形態のカテーテルハンドル3を備えた本発明の好適実施形態の長手部を示す。前記カテーテル要素は前記容器内にあり、前記容器は引き裂きフラップ4で封鎖され、かつ前記カテーテルハンドルは前記容器の一部を囲繞している。前記カテーテルハンドルは一端に尿バッグに連結され得る円錐形部5を有し、その反対端は前記カテーテル要素の遠位端と相互係止するように構成される。前記カテーテル要素は突出部6を備えた遠位部を有する。前記容器は第一管状部7および第二管状部8を含み、両管状部は実質的円形断面を有する。第二管状部8はカテーテル要素1の突出部6を収容できる直径を有し、かつ第一管状部の直径は前記突出部を収容するには狭すぎて前記カテーテル要素の突出部を排斥できる近位区画室9を形成する。
【0055】
図2は図1のカテーテル組立体を外側から見た図を示し、可視部は円錐形部5を有するカテーテルハンドル3、容器2の第一管状部7および第二管状部8および引き裂きフラップ4である。
【0056】
図3は、カテーテルハンドルが容器組立体から外され、引き裂きフラップ4が除去され、かつカテーテルハンドル3が容器2内でカテーテル要素1と相互係止してカテーテル装置を構成する位置にある図1のカテーテル組立体を示す。
【0057】
図4は、カテーテル装置が容器2から引き出された位置にある図1のカテーテル組立体を示す。
【0058】
図5は本発明の他の実施形態の容器組立体を示し、近位区画室9およびキャビティの遠位部は実質的同一断面を有するが、開口領域10は近位区画室9からカテーテル要素の突出部を排斥できるフランジ12を含む。この実施形態において、カテーテルハンドルは容器の近位部を囲繞できる部、および容器から突出した相互係止部を含んでよい。
【0059】
図6は本発明の他の実施形態の容器組立体を示し、フランジ12が容器キャビティの遠位端に設けられている。容器は蓋13により封鎖されている。蓋およびカテーテルハンドルは同一要素であってよく、カテーテル要素と係合する相互係止手段、および適宜長さ、および尿流出のための出口、およびその要素が蓋として使用されるときに前記出口を封鎖するための封鎖手段を有する。
【0060】
図7は本発明の他の実施形態の容器組立体を示し、容器2は一つの管状部で形成され、この管状部はカテーテル要素6の突出部を収容するには狭すぎるものである。容器の開放遠位部はカテーテル要素1およびカテーテル要素1の出口を封鎖する封鎖手段によって封鎖されている。
【0061】
図8は本発明の他の実施形態の容器組立体を示し、容器2は、突出部6を近位区画室9から排斥するために開口領域10を変形することのできる可撓性領域14を含む。容器全体は容器の壁が圧縮してカテーテルハンドルに嵌合するように可撓性であってよい。
【0062】
図9は、カテーテル要素1、容器2および第一形態のカテーテルハンドル3を有する本発明の他の実施形態の長手部を示し、カテーテル要素は容器内にあり、容器は蓋4により封鎖され、かつカテーテルハンドル3は容器組立体の一部を囲繞している。カテーテルハンドルは一端に尿バッグに連結できる円錐形部5を有し、かつ反対端は容器組立体上へ突出し、カテーテル要素の遠位端と相互係止するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態の長手部を示す。
【図2】図1の実施形態の異なる状態を示す。
【図3】図1の実施形態の異なる状態を示す。
【図4】図1の実施形態の異なる状態を示す。
【図5】本発明の他の実施形態による容器組立体の長手部を示す。
【図6】本発明の他の実施形態による容器組立体の長手部を示す。
【図7】本発明の他の実施形態による容器組立体の長手部を示す。
【図8】本発明の他の実施形態による容器組立体の長手部を示す。
【図9】本発明の他の実施形態の長手部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器組立体を含み、前記容器組立体が少なくとも一つのカテーテル要素を含み、前記カテーテル要素が尿管に挿入できる近位端およびその反対の遠位端を有し、前記容器組立体が更に前記カテーテル要素の少なくとも近位部を収容できるキャビティを有する容器を含み、カテーテル組立体が更に前記カテーテル要素に相互係止するカテーテルハンドルを含み、前記カテーテルハンドルが前記容器の一部を囲繞できるスリーブ部を含むカテーテル組立体において、前記カテーテルハンドルは前記カテーテル要素および前記容器から分離できることを特徴とする、カテーテル組立体。
【請求項2】
前記カテーテルハンドルは前記容器組立体に取り付けることができる、請求項1のカテーテル組立体。
【請求項3】
前記カテーテルハンドルは前記容器組立体または前記カテーテル要素よりも短い、請求項1または2のカテーテル組立体。
【請求項4】
前記カテーテル要素の遠位部は少なくとも一つの突出部を有し、かつ前記キャビティの近位区画室は前記カテーテルの近位部を収容でき、前記近位区画室は前記カテーテル要素の遠位部が前記近位区画室へ浸入することを排斥できる排斥手段を有する遠位開口領域を有する、請求項1から3のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項5】
前記排斥手段は前記キャビティにおいて半径方向内方に延びた突起を有する、請求項4のカテーテル組立体。
【請求項6】
前記遠位開口領域の少なくとも一部は可撓性である、請求項4または5のカテーテル組立体。
【請求項7】
潤滑媒体を更に含む、請求項1から6のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項8】
前記カテーテル要素の少なくとも一部は親水性コーティングを有する、請求項1から7のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項9】
前記容器組立体は前記キャビティを封鎖する封鎖手段を含む、請求項1から8のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項10】
イ)容器組立体を含むカテーテル組立体を提供する工程、前記容器組立体はカテーテル要素を含み、前記カテーテル要素は尿管へ挿入することのできる近位端およびその反対の遠位端を有し、前記容器組立体は更に前記カテーテル要素の少なくとも近位部を収容できるキャビティを有する容器、および前記容器の一部を囲繞するスリーブ部を含むカテーテルハンドルを含む、
ロ)前記容器組立体からカテーテルハンドルを取り外す工程、
ハ)前記カテーテル要素に前記カテーテルハンドルを連結する工程、
ニ)前記容器から前記カテーテル要素を除去する工程を含むカテーテル装置を準備する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器、ならびに尿管に挿入できる近位端およびその反対の遠位端を有する少なくとも一つのカテーテル要素を含み、前記容器が前記カテーテル要素の少なくとも近位部を収容できるキャビティを含み、前記カテーテル要素と相互係止するカテーテルハンドルを含み、前記カテーテルハンドルが前記容器の一部を囲繞できるスリーブ部を含むカテーテル組立体において、前記カテーテルハンドルは前記カテーテル要素および前記容器から分離可能であるとを特徴とする、カテーテル組立体。
【請求項2】
前記カテーテルハンドルは前記容器に取り付けることができる、請求項1のカテーテル組立体。
【請求項3】
前記カテーテルハンドルは前記容器または前記カテーテル要素よりも短い、請求項1または2のカテーテル組立体。
【請求項4】
前記カテーテル要素の遠位部は少なくとも一つの突出部を有し、かつ前記キャビティの近位区画室は前記カテーテルの近位部を収容でき、前記近位区画室は前記カテーテル要素の遠位部が前記近位区画室へ浸入することを排斥できる排斥手段を有する遠位開口領域を有する、請求項1から3のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項5】
前記排斥手段は前記キャビティにおいて半径方向内方に延びた突起を有する、請求項4のカテーテル組立体。
【請求項6】
前記遠位開口領域の少なくとも一部は可撓性である、請求項4または5のカテーテル組立体。
【請求項7】
潤滑媒体を更に含む、請求項1から6のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項8】
前記カテーテル要素の少なくとも一部は親水性コーティングを有する、請求項1から7のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項9】
前記容器は前記キャビティを封鎖する封鎖手段を含む、請求項1から8のいずれか1のカテーテル組立体。
【請求項10】
イ)容器組立体を含むカテーテル組立体を提供する工程、前記容器組立体はカテーテル要素を含み、前記カテーテル要素は尿管へ挿入することのできる近位端およびその反対の遠位端を有し、前記容器組立体は更に前記カテーテル要素の少なくとも近位部を収容できるキャビティを有する容器、および前記容器の一部を囲繞するスリーブ部を含むカテーテルハンドルを含む、
ロ)前記容器組立体からカテーテルハンドルを取り外す工程、
ハ)前記カテーテル要素に前記カテーテルハンドルを連結する工程、
ニ)前記容器から前記カテーテル要素を除去する工程を含むカテーテル装置を準備する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−522624(P2006−522624A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504359(P2006−504359)
【出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000265
【国際公開番号】WO2004/089454
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】