説明

カバーおよび浸出袋からなる、茶などのための浸出容器

【課題】先行技術の利点を維持しながら、単純な、そして衛生的な状態で、飲料容器にデバイスを設置して、それを使用後に取り除くことができる、改善型のデバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、抽出物、特に茶抽出物から飲料を提供するためのデバイス(1)に関する。このデバイスは、飲料に対して少なくとも部分的に浸透性がある、抽出可能な混合物のための、少なくとも一つの容器(5)、そして容器(5)に結合したカバー(2)からなる。本発明は、また、そのようなデバイス(1)に用いるためのカバー(2)に関する。本発明は、さらに、そのようなデバイスに用いるための容器(5)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出飲料、特に茶抽出物からの飲料を提供するためのデバイスに関する。このデバイスは、飲料に対して少なくとも部分的に浸透性がある、抽出可能な混合物のための、少なくとも一つの容器と、その容器に結合したカバーからなる。本発明は、また、そのようなデバイス内に使用するためのカバーに関する。さらに、本発明は、そのようなデバイス内に使用するための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
茶等の抽出可能な物質のための容器は、例えば、米国のサラ・リーの娘、DEによるティーバッグとして供給されることは、かなり知られている。既知のティーバッグでは、茶を含む容器は、バッグから破ることが可能なラベルを持つ紐からさがる。容器を水に浸し、ポットまたは、例えばマグまたはカップ等の飲料容器の端に紐を掛けることによって、ラベルを飲料容器の外に保持する。抽出飲料から容器を取り除くときは、容器からしたたり落ちる飲料によって、周囲のエリアが汚れる危険がある。このデバイスのもう一つの欠点は、容器が飲料容器の底部へ沈んでしまうと、抽出飲料の品質に悪影響を与える可能性があることである。これは、さらに、不快な乱雑な外観を呈す。さらに、例えば広告等のためのスペースがほとんどない。
【0003】
米国特許第5,318,786号には、例えば液体容器等の外部物体にデバイスを固定するための、フック状の要素からカバーを形成したデバイスが開示されている。カバーが、抽出可能な物質のための容器に結合されているため、容器は、液浸のために容器を液体中に配置する使用位置と、フック状カバーによって容器を部分的に密閉する運搬位置との間で揺動可能である。運搬位置において、占有体積を効果的に最小化可能とするため、概して、デバイスの運搬収納コストを減少させることができる。しかし、この既知のデバイスは、前記利点と共に、欠点をも持つ。既知のデバイスの欠点の一つは、液体内での液浸の後、容器は、使用位置から運搬位置(または収納位置)へ揺動可能である。この場合、例えば、ユーザが、まだ冷えていない液体で火傷をする、および/あるいは容器から抽出物がしたたり落ちて分散する場合に、液体の汚れまたはシミが付くという、比較的大きな危険性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、先行技術の利点を維持しながら、単純な、そして衛生的な状態で、飲料容器にデバイスを設置して、それを使用後に取り除くことができる、改善型のデバイスを提供することである。
【0005】
さらに、本発明の目的は、使用中に心地よい外観を保ち、また、比較的大きな広告面を持つことが可能な、そのようなデバイスを提供することである。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、比較的に製造が容易な、序文で説明したタイプのデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるデバイスは、少なくとも、これらの、そして他の多数の目的および利点を達成する。
【0008】
本発明は、この目的のために、序文で述べたタイプの、次の特徴を持つデバイスを提供する。容器とカバーとの間の相互定位が、容器の実質的な部分がカバーから離れた位置にある活性位置と、容器がカバーによって少なくとも実質的に封入される非活性位置との間で変化可能なように、容器がカバーに結合されている。また、カバーには、飲料容器にカバーを解放可能に結合するための、少なくとも一つの切り込みが設けられている。この切り込みは、カバーの長端から、少なくとも部分的に、活性位置に定位した容器から離れる方向へ延びている。本発明によるデバイスは、次の関連する利点を持つ。デバイスの使用後、すなわち、液体内での一時的な液浸の後、ユーザは、比較的に熱い液体で単純に火傷をすることなく、液体からデバイスを取り除くことができる。また、そのとき、液体内に放散した抽出物によるしみや汚れを受けることはない。本発明によるデバイスは、さらに、折り畳んだ位置にあるカバーに対して外部から荷重を加えることによって、容器が取り込んだ液体をしぼり出すことが可能である。このとき、通常、ユーザは、しぼり出した液体に接触することはない。オプションとして、熱水を液体として適用することが好ましい。しかし、オプションとして別の加熱した(アルコールを含まない)飲料を適用することも、等しく考えられる。本発明では、抽出可能な混合物として茶葉を適用することが好ましい。しかし、抽出物から飲料を提供することが可能な、異なる抽出可能な混合物を使用することを構想することも可能である。本発明によるデバイスのもう一つの大きな利点は、折り上げた(または滑り込ませた)非活性位置への容器の変位中および変位後のデバイスの(意図した)比較的衛生的でユーザフレンドリーな作用を損なうことなく、活性位置において、例えば、マグ、カップ等の飲料容器の縁に、カバーを比較的簡単に設置できることである。
【0009】
本発明によるデバイスにおいては、カバー、特に各切り込みを使用することによって、容器を、マグまたはカップ等の飲料容器の縁に吊して、実質的に容器だけを、飲料容器内の飲料中、例えば水中に下げることができる。この場合、容器の大部分を、少なくとも飲料容器の底部から離して保持できるため、容器の浸透可能な領域の最適な部分は、自由な状態で保持される。これは、既知の、折った二つの容器を含む場合に特に有用である。それは、その両部分が、容器自体の重さと、その中で湿った抽出可能な物質によって、相互に押し合うことがほとんど起こらないためである。本発明によるデバイスにおいては、カバーを飲料容器に設置可能な切り込みの位置によって、カバーは、使用中、ほぼ垂直に延びる、あるいは飲料容器の縁から、少なくとも直立になるため、その二つの側面は、ほぼ完全に見えるようになる。したがって、それらの上に、効果的で見栄えのよい状態で、情報、広告等を配置できる。ほぼ完全に飲料の外にカバーを保持できるが、除去の際は、カバー・パーツの間に容器を取り上げることができるため、ユーザは、汚れや火傷を負うことから保護されている。また、本文では、第一の、そして第二の長端は、関連カバーまたはその一部の周辺の部分に対する接線を意味する、と理解すべきである。この場合、角点は、前記カバー・パーツ内に、またはその外側に位置することがあり、その場合は仮想のものとなる。さらに発展させて、各切り込みを第一の、そして第二の部分から構成することによって、それらの部分またはそれらの接線が、相互に角を形成し、容器を容易に設置できるという利点を達成する。この場合、設置の目的のために、切り込み、またはそれが囲む部分は、それ自体、外側へ簡単に曲げることが可能である。本文では、接線は、少なくとも、任意の位置における切り込みへの接線を意味する、と理解すべきである。第二の長端に位置する切り込みの最初が、湾曲した第一の部分である場合、前記接線は、したがって、切り込みの第一の部分と第二の長端との交差点を通る、前記第一の部分への接線とみなすことができる。この場合、第一の部分が長端、特に第一および第二の長端によって形成した角点と切り込みの始点との間の部分と共に角を形成するなら、切り込みの第一の部分が、実質的に第一の長端から離れる方向へ延びるような鈍角であれば、特に有利である。この角度は、例えば、100°から160°であり、より特定すれば120°から150°である。約135°の角度が特に有用であることが分かっている。第一および第二の部分間の角度は、第一の部分の末端から見て、第二の部分が、第二の長端の方向へ、および/あるいは第一の長端から離れる側へ延びるようであることが好ましい。第一および第二の部分が挟む角度は、60°から120°であることが好ましい。さらに、75°から105°であれば、より好ましい。約90°の角度が特に有利であることが分かっている。もちろん、第一および第二の部分を曲げることもできる。完全に曲げても、または特に第二の長端の近くで、および/あるいは第一の部分と第二の部分との間の移行部で曲げてもよい。
【0010】
カバー・パーツは、実質的に長方形であることが好ましい。この場合、カバーは、比較的に製造しやすく、ほとんど無駄がなく、梱包も使用も容易で、さらに、有利な広告面も獲得できる。有利な実施例では、両カバー・パーツには切り込みが設けられ、これらの切り込みは、カバー・パーツを、それらの間から容器を取り除いて相互に重ねた場合、ほとんど重なり合うことが好ましい。これによって、さらにより良い位置決めが可能になり、デバイスを飲料容器に設置した場合に、両カバー・パーツを、さらに有利な状態で、上方へ向けて保持することができる。
【0011】
本発明によるデバイスにおいては、容器を、一方または両方のカバー・パーツに、例えば、それらの第一の長端で結合することができる。また、容器を、一本の紐等の糸要素を介してカバーに結合することもできる。この場合は、紐を使用して、二つのカバー・パーツの間で、容器を引き出すことができることが好ましい。
【0012】
切り込み、特にその第一の部分は、第一の長端の比較的に近くで、第二の長端と交差することが好ましい。切り込みの始まりと、第一および第二の長端が形成する角点との間の距離が、関連する第二の長端の全長の半分よりも短い場合、そしてより詳しくは4分の1よりも短い場合、特に有利である。これによって、飲料容器の端への有利な設置が、さらに改善される。
【0013】
さらに有利な実施例では、本発明によるデバイスは、次の特徴を持つ。容器の実質的な部分がカバーから離れる、折り広げた活性位置と、容器がカバーによって少なくとも実質的に封入される、折り上げた非活性位置との間でデバイスが揺動可能であるように、容器がカバーに結合される。本発明によるデバイスは、デバイスの使用後、すなわち、液体内への一時的な液浸の後、ユーザが、比較的に熱い液体から、単純に火傷を負うことなく、また、液体内に放散した抽出物から、しみや汚れを受けることなく、デバイスを液体から取り除くことができるという、関連した利点を持つ。容器の非活性位置への、枢軸回転による変位は、概して、比較的単純であり、ユーザフレンドリーである。
【0014】
好適実施例では、各カバー・パーツが、隣接するカバー・パーツから離れた側の少なくとも近くで、隣接する容器パーツから離れた側の少なくとも近くに位置する、例えば第一の長端等の、容器パーツの部分に結合される。この好適実施例の有意な利点は、容器が、折り広げた位置で、最大に折り広げられることである。この場合、容器の第一のピボット軸を形成する部分と、カバーの第二のピボット軸を形成する部分との間の相互距離を最大にできる。したがって、デバイスの使用中におけるユーザと液体との間の接触の危険性を最小にできる。
【0015】
容器は、柔軟な材料から製造することが好ましい。したがって、例えば、織物、紙または柔軟なプラスチックから製造した容器を適用できる。柔軟な材料は、概して、デバイスの使用後、液体を単純に絞り出すことを可能にするため、デバイスの使用後における容器内の液体量を、単純で衛生的なやり方で最小にできる。
【0016】
各容器パーツには、混合物のための、少なくとも一つのコンパートメントが設けられることが好ましい。複数のコンパートメントに渡って抽出可能な混合物の量を分配することによって、概して、混合物の分配量を増加させることができ、液体内への容器の液浸中における、抽出可能な混合物からの抽出物の抽出が、比較的急速に、そして集中的に生じるという利点が得られる。
【0017】
特定な好適実施例では、切り込みは、少なくとも部分的にフック状の形状を持つ。一方、切り込みは、凹部または少なくとも実質的な凹部を全く配置する必要がないため、カバーがその堅固さと本発明の上述の利点を保持するという利点を持つ。他方、切り込みのフック形状は、デバイスの安定な位置決めを可能にする。
【0018】
もう一つの好適実施例では、容器は、抽出可能な混合物に対して、少なくとも実質的に非浸透性である。したがって、概して望まない、混合物の一部が飲料へ入ることを防止することが可能である。しかし、容器は液体に対して浸透性がなければならないため、容器には、混合物(の実質的な部分)を通過させないような寸法を持つ通過開口(またはメッシュ)を設けなければならない。
【0019】
カバーおよび容器は、解放可能に相互に結合することができる。そのような好適実施例は、カバーを耐久性のある形態にすることによって、カバーを何度も再利用できるという長所がある。デバイスの使用後、容器をカバーから取り外して、新しい、未使用の容器で置換することができる。容器には、カバーのカウンター結合手段を形成する部分との共作用のための結合手段を設けることが好ましい。この場合、結合手段を、例えば、二つのストリップとして具現化し、これらのストリップを、分離した容器パーツ上に配置することができる。それから、カウンター結合手段は、例えば、ストリップの一部を受領するための溝を備える、二つのカウンター・ストリップとして形成する。しかし、容器とカバーとの間に、異なる結合を実現することも可能である。例えば、接着性結合、ベルクロ・テープ結合、相互の機械的な結合、そしてクランプ結合を構想することも可能である。
【0020】
もう一つの好適実施例では、容器には、抽出可能な混合物の投入および排出のための、閉口可能な充填開口が設けられる。そのような好適実施例は、容器が、耐久性のある、しかし柔軟な形態をとることができるという長所がある。この場合、デバイスの使用後、抽出した混合物だけを部分的に置換できる。また、そのような実施例を、切り込みなしで、および/あるいは耐久性のある再使用可能な材料を用いて適用することもできる。
【0021】
本発明は、また、そのようなデバイスに用いるためのカバーに関する。この場合、カバーは、耐久性のある形態、あるいは非耐久性の形態をとることができる。カバーには、特定なサービスまたは商品を促進するための、一つ以上の文字が提供されることが好ましい。
【0022】
さらに、本発明は、そのようなデバイスに用いる、抽出可能な混合物のための容器に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を、以下の図面に示す、非限定的な実施例を用いて説明する。
【0024】
この説明において、同じまたは対応するパーツは、同じまたは対応する参照番号を持つ。図示の実施例におけるパーツの組み合わせは、明確に、本発明の概念内にある。
【0025】
図1Aは、本発明によるデバイス1の好適実施例を、折り畳んだ状態で示す斜視図である。デバイス1は、相互に対して枢軸的に結合した二つのカバー・パーツ3、4から構成されるカバー2と、二つのカバー・パーツ3、4に枢軸的に結合した、茶葉のための容器5からなる。容器5には、相互に枢軸的に結合した二つの容器パーツ6、7が設けられており、容器パーツ6、7には、各々、茶葉のためのコンパートメント8、9が設けられている。カバー2は、補強紙またはボール紙から作ることが好ましい。これにより、カバー2は、ユーザのための握り部材として機能する。カバー2には、例えば、特定の商品またはサービスを広告するためのインプリントが設けられている。少なくとも一つのカバー・パーツ4には、例えば、液体容器の縁に、デバイス1を安定に設置するための、フック状の切り込み10が設けられている。フック状の切り込み10は、また、デバイスの安定な位置決めに加えて、デバイス1は、例えば、隣接するもう一つのデバイスに、少なくとも容易に引っかかることはないという利点を持つ。したがって、図1Aに示す(フック状の切り込み10を備える)デバイス1の場合、デバイスのパッケージから、概して単純に、そして問題のない状態で、個々のデバイスを取り出すことが可能である。容器5、あるいは少なくともコンパートメント8、9は、飲料に対して浸透性のある柔軟な材料、例えば、織物、紙または多孔プラスチックから製造する。図1Aに示すデバイス1の折り畳んだ位置は、まず、占有体積が比較的に小さいため、デバイス1の運搬および収納に非常に適している。加えて、デバイス1は、使用後にデバイス1を、図示の折り畳んだ位置へ戻すことができるという長所がある。この場合、ユーザは、容器5内に保持した飲料から火傷を負うことはない、および/あるいはその飲料に接触することは全くない。注目すべきは、茶葉と同様に、他の混合物も、抽出可能な混合物として適用可能であることである。デバイス1を使用することで、飲料へ、茶抽出物の代わりに、例えば、スープ抽出物、コーヒー抽出物またはバニラ抽出物を添加することを構想できる。注目すべきことは、このカバー2が長方形状を持つことである。しかし、カバー2を、他の形状、例えば、楕円形状あるいは円形として設計することも考えられる。カバー2は、図1Aに示す折り畳んだ位置にある容器5を少なくとも実質的に封入することが好ましい。
【0026】
図1Bは、図1Aに示すデバイス1の、移行状態にある斜視図である。移行状態は、図1Aに示す折り畳んだ状態と、図1Cに示す折り広げた状態との間の状態である。
【0027】
図1Cは、図1Aに示すデバイス1の、折り広げた状態にある斜視図である。折り広げた状態では、デバイス1は、飲料内にデバイス1(の一部)を浸すことによって、抽出物の飲料を提供するのに適当である。したがって、容器5を飲料内に配置することによって、コンパートメント8、9を飲料内に浸し、コンパートメント8、9内に封入した混合物からの抽出を生じさせることができる。
【0028】
図2は、図1に示すデバイス1と飲料カップ12とのアセンブリ11の斜視図である。デバイス1は、フック状の切り込み10を利用して、飲料カップ12の縁13上に安定な状態で配置されるため、容器5だけが、飲料カップ12内に存在する飲料に接触することが可能である。したがって、カバー2は、飲料と実質的に接触せず、少なくとも実質的に乾いたままである。これは、デバイス1の使用後のユーザには有利である。
【0029】
図3は、本発明によるデバイス14の、もう一つの有利な実施例を、分解パーツで示す斜視図である。デバイスは、カバー15と、抽出可能な混合物19のための容器とからなる。カバー15は、第一のピボット軸16上で揺動可能に相互に結合した二つのカバー・パーツ17、18からなり、容器19は、第二のピボット軸20上で揺動可能に相互に結合した二つの容器パーツ21、22からなる。各カバー・パーツ17、18における、第一のピボット軸16から遠隔な部分には、ストリップ23、24が設けられており、各ストリップ23、24には溝25、26が設けられている。各容器パーツ21、22には、コンパートメント27、28が設けられており、コンパートメント27、28には、抽出可能な混合物が充填されている。各容器パーツ21、22には、さらに、第二のピボット軸20から遠隔な部分に、カウンター・ストリップ29、30が設けられており、カウンター・ストリップ29、30には、太い外端31、32が設けられている。ストリップ23、24は、カウンター・ストリップ29、30との共作用に適応しているため、カバー15と容器19との間で、解放可能に揺動可能な結合が実現している。この場合、例えば、カバー15を耐久性のある形態にして、使用後、容器19を、未使用の新しい容器で置換することが可能である。
【0030】
図4は、本発明によるデバイス1の、もう一つの代替実施例を概略的に示す。この実施例では、カバー2には、容器5の末端の周りに折った脊柱41を介して、揺動可能に相互に結合したカバー・パーツ3、4が設けられている。このため、この容器は、カバー・パーツの間に固定されている。脊柱41は、容器5に対して、例えば、接着する、ステープルで留める、または他の方法で固定することができる。脊柱41は、両側の関連カバー・パーツ3、4の第一の長端30を形成する。各カバー・パーツ3、4は、実質的に長方形であり、第一および第二の長端30、31の交差によって形成される角点36から、第一の長端30に対しておおよそ直角に延びる第二の長端31を持つ。両カバー・パーツ3、4は、図4Aに示す位置から、図4Bに示す位置を介して、図4Cに示す位置へと、第一の長端30に沿って折ることができる、図4Cに示す位置では、二つのカバー・パーツ3、4が相互に対向して折られており、容器5がそれらの下方へ垂れる。図4Aでは、二つのカバー・パーツ3、4は、容器5を明確に示すために、既にわずかに開いている。しかし、カバー・パーツ3、4は、容器5に対して、例えばそれを圧迫するように、または収納の間、押しつけられている。各カバー・パーツ3、4には、第二の長端31から延びる、第一の部分32と第二の部分33からなる切り込み10が設けられている。図1から図3に示すものとほぼ同様なこの切り込み10を、図6を参照してさらに説明する。
【0031】
図5は、本発明によるデバイス1の、さらにもう一つの代替実施例を示す。この実施例では、カバーは、第一のカバー・パーツ3および第二のカバー・パーツ4からなり、三つの長端が相互に結合しているため、フラットな管状カバー2となっている。このケースでは、二つのカバー・パーツ3、4の第一の長端30が開いているため、そこが取り外し開口42となっている。使用中の上側である反対側43には、糸状要素39が通過する孔44が設けられている。図5Cに明確に示すように、この糸状要素39は、第一端がラベル40へ、そして多端が容器5へ結合している。図5Aに示す位置では、容器5がカバー2内へ引き上げられ、ラベル40は、例えば、カバー・パーツ3の一つの側面に対して固定される。使用前、ラベル40を解放し、それを長端31に対して、図5Dに示す方向Tへ押すことによって、取り外し開口42を開ける。このとき、容器5は、望ましくは重力の影響下で、カバー2から方向Vへ出て、ラベル40が孔44で止まるまで落下する。この状態を概略的に図5に示している。このケースでも、図6により詳細に示すように、二つのカバー・パーツ3、4には切り込み10が設けられている。これによって、図2に示すように、飲料容器12の縁13にカバー2を設置できる。この場合、容器5は、飲料容器12内で、糸状要素39からぶらさがる。オプションとして、容器を全体的に、あるいは部分的に底に置くことができるが、糸状要素39によってその大部分を支持することが好ましい。
【0032】
図6は、本発明によるデバイス1の、二つの実施例を示す側面図であり、切り込み10の、二つの実施例を示す。図6Aは、二つの直線的なカット32、33から形成した切り込み10を示す。各々のカットが、切り込み10の第一および第二の部分を形成し、角点35で相互に結合している。第一の部分32は、交差点34で第二の長端31と交差し、長端31と共に、角α、例えば約135°の角度を形成する。第一および第二の部分32、33は、例えば、約90°の角βを相互に形成する。交差点34は、角点36から距離Dの位置にあり、この距離Dは、第二の長端31の長さLに比べ、比較的に短い。例えば、長さLの約4分の1以下である。第一および第二の部分32、33の交差点35は、中心線Mに関して、交差点34と同じ側に存在することが好ましい。図6Bは、本発明による切り込み10の代替実施例を示す。このケースでは、第一の部分32と第二の部分33は、湾曲部によって相互に結合されている。第一の部分32への第一の接線37は、第二の部分33への第二の接線38と共に角βを形成する。この角βは、図6Aに説明したものに相当する。第一の接線37は、第二の長端31と共に角度αを形成する。角αは、また、図6Aに示して説明したものに相当する。
【0033】
明白であるが、請求項によって概説する本発明の範囲内で、本発明による切り込み10の、多様な他の形態を提供することができる。すべての図示および説明した実施例は、図6Aあるいは6Bによる、またはその変形による切り込み10を設けて具現化できる。これらのすべては、図3を参照して説明したように使用することができる。本発明は、決して、図面に示してここに説明した実施例に限定されるものではない。請求項によって概説する本発明の範囲内で、その多くの変形例が可能である。
【0034】
したがって、一つ以上の切り込みを、二つの対向する長端に設けることができる。また、各切り込みは、異なる形状を採ることもできる。例えば、直線的なもの、あるいは三つ以上の部分から形成したものであってもよい。容器をカバーに枢軸的に結合し、一つ以上のカバー・パーツに折り込み線を設けることによって、使用位置において、カバーの軸線が容器の軸線から180°変化する角度を設けることができる。この場合、しかし収納位置においては、両軸線が平行であり、容器はカバー・パーツ間に少なくとも実質的に受容される。カバーは、二つ以上の部分からなっていてもよい。また、分離したパーツから構成することもできる。カバー・パーツの内側および外側の両方に印刷を施してもよい。または広告媒体を設けてもよい。
【0035】
これらの、そして多くの他の変形物は、本発明の範囲内に属すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】本発明によるデバイスの実施例を、折り畳んだ状態で示す斜視図である。
【図1B】移行状態にある、図1Aに示すデバイスの斜視図である。
【図1C】折り広げた状態にある、図1Aに示すデバイスの斜視図である。
【図2】図1に示すデバイスと飲料カップのアセンブリの斜視図である。
【図3】本発明によるデバイスの、もう一つの有利な実施例を、パーツに分解して示す斜視図である。
【図4】本発明によるデバイスの、第三の実施例を示す。
【図5】本発明によるデバイスの、第四の実施例を示す。
【図6】本発明によるデバイスの切り込みに関する、二つの実施例を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出物、特に茶抽出物から飲料を提供するためのデバイスであって、
飲料に対して少なくとも部分的に浸透性のある、抽出可能な混合物のための少なくとも一つの容器、そして
前記容器に結合したカバーからなり、
前記容器と前記カバーとの間の相互定位を、前記容器の実質的な部分が前記カバーから離れて位置する活性位置と、前記容器が前記カバーによって少なくとも実質的に封入される非活動的な位置との間で変えることができるように前記容器が前記カバーに結合されており、前記カバーには、前記カバーを飲料容器に解放可能に結合するための、少なくとも一つの切り込みが設けられており、前記切り込みが、前記カバーの長端から、活性位置に定位した前記容器から離れる方向へ少なくとも部分的に延びることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記抽出可能な物質、特に茶のための、水に対して完全に、または部分的に浸透性がある、少なくとも一つの容器、そして前記容器に結合したカバーからなり、前記カバーが、前記容器を受領可能な、少なくとも二つのカバー・パーツからなり、前記カバー・パーツの少なくとも一つが、角点で交差する第一の、そして第二の長端からなり、そのあるいは各関連カバー・パーツ内に前記第二の長端から切り込みが延び、この切り込みが、角を形成する第一の部分からなる、すなわち前記第二の長端に近い前記第一の部分の接線が、前記第一の部分が前記角点から離れる方向へ延びるように前記第二の長端と共に角を形成することが好ましい、特に請求項1に記載の、茶等の抽出可能な物質のためのデバイス。
【請求項3】
前記切り込みが、前記第二の長端から遠隔な、前記第一の部分の末端に結合する第二の部分からなり、第二の部分またはその中心部に近い接線が、前記第一の部分またはその、前記第二の長端に近い接線と共に角を形成するため、前記第二の部分が、第二の長端の方向へ実質的に延びる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第一および第二のパーツ間、または少なくともそれらの接線間の角度が、60°から120°、より詳しくは75°から105°で、そして約90°であることが好ましい、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記角点と前記切り込みとの間に存在する前記第二の長端の一部と、前記切り込みの前記第一の部分またはその接線との間の角度が、90°を超え、特に110°から160°、より詳しくは120°から150°である、請求項2から4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記カバー・パーツが実質的に長方形であり、前記第一の長端が短い側を、そして前記第二の長端が長い側を形成する、前記請求項2から5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
両カバー・パーツに切り込みが設けられており、前記カバー・パーツを相互に対向させた場合に前記切り込みがほぼ重なる、請求項2から6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記二つのカバー・パーツが、前記第一の、または第二の長端に望ましくはほぼ平行に、少なくとも一つの折り込み線を介して相互に結合されている、請求項2から7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記容器が、
・前記カバー・パーツの少なくとも一つの第一の長端に結合しているか、
・または糸要素を介してカバーに結合しているため、前記カバー・パーツ間で前記容器を引き出すときに前記容器が、その中で、前記カバー・パーツの少なくとも一つの第一の長端を通過し、
前記または各々の切り込みを使用して、カップまたはマグ等の飲料容器の縁に、前記第一の長端が前記飲料容器の前記縁近くで前記容器の底面にほぼ平行に延びる位置で、前記カバーを配置することができる、請求項2から8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記切り込みの第一の部分が、前記関連する第二の長端の長さの半分よりも短い、特にこの長さの4分の1よりも短い前記角点からの距離で、前記第二の長端と交差する、請求項2から9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記容器が、相互にピボット結合した少なくとも2つの容器パーツからなり、前記カバーが、相互にピボット結合した少なくとも2つのカバー・パーツからなり、各カバー・パーツが、分離した容器パーツにピボット結合されており、前記デバイスが、前記容器の実質的な部分が前記カバーから離れて位置する、折り広げた活性位置と、前記容器が前記カバーによって少なくとも実質的に封入される、折り込んだ非活性位置との間で揺動可能であるように前記容器が前記カバーに結合されている、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
各カバー・パーツが、隣接するカバー・パーツから離れた側に少なくとも近い所で、隣接する容器パーツから離れた側に少なくとも近い前記容器パーツの一部に結合されていることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記容器が柔軟な材料から製造されるため、各容器パーツには、混合物のための、少なくとも一つのコンパートメントが設けられていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
前記容器が、前記混合物に対して、少なくとも実質的に非浸透性であることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項15】
前記カバーおよび前記容器が、解放可能に相互に結合されていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項16】
前記容器には、前記カバーの一部を形成するカウンター結合手段との共作用のための結合手段が設けられていることを特徴とする、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記容器には、混合物の投入および排出のための、閉口可能な充填開口が設けられていることを特徴とする、前述の請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
請求項15および16のいずれかに記載のデバイスに用いるカバー。
【請求項19】
請求項15および16のいずれかに記載のデバイスに用いる抽出可能な混合物のための容器。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−528323(P2007−528323A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510593(P2005−510593)
【出願日】平成15年11月17日(2003.11.17)
【国際出願番号】PCT/NL2003/000805
【国際公開番号】WO2005/047137
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(306028560)デンケンダム ビー.ヴイ. (1)
【氏名又は名称原語表記】DENKENDAM B.V.
【住所又は居所原語表記】Zernikepark 1,NL−9747 AP Groningen,the Netherlands
【Fターム(参考)】