説明

カバー用モジュールおよびアンカーシート

【課題】カーペットまたは他の装飾的なカバーをその下にある基板に対して取り付けるに際し、基板に対する最低限の損傷、基板からの除去の容易性、敷設の容易性をもたらす。
【解決手段】カーペットまたは他の装飾的なカバーの下に、敷設するための比較的薄く、柔軟性のあるアンカーシート21,31と、予め取りつけられる装飾的なカバー19、および、付加的なカバー用モジュール31,29に対して重なるフックおよびループのアタッチメントにより、組み立てられるアンカーシート21とからなり、床に取りつけることなく、カーペット、タイル、石材、または、他の材料の完成した床のカバーを作り出すカバー用モジュールとである。また、フックとループのアタッチメントの時期尚早な取付けを防止するための一時的なフックカバー27が、開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カーペットまたは他の装飾的なカバーの下に用いられる比較的薄く柔軟なアンカーシートに関する。実際に、敷設されるとき、アンカーシートは、機能的なユニットとして装飾的なカバーを一緒に結びつけ、また、質量および安定性を、そのようなユニット、特に、カーぺットのような柔軟な装飾的なカバーを有するユニットに加える作用をする。アンカーシートは、カバーの下面上の相補的なループの係合によって、装飾的なカバーを固定するためのフックで一方側が覆われている。アンカーシート自体は、床または壁のような下にある基板に取り付けられてもよく、または、シートとカバーとが一体となったものが、十分な質量を有する床に自由に置かれ、移動を防止するように配置されても良い。後述されるように、小さなまたは大きなモジュールのようなアンカーシートを予め
取り付けられたカバーに与えることも可能である。
【背景技術】
【0002】
カーペットのような装飾的な柔軟なカバーを木材またはコンクリートで作られた床のような堅い基板に取り付けることは、一般的である。床にカーペットをしっかりと固定することが、しばしば、所望され、またはさらに要求されている。種々の取り付け方法が、長年にわたって開発されている。
【0003】
カーペットは、床に直接的に糊付けされる。これは、しばしば、下にある床が、コンクリートである場合にとられる方法である。液状の糊は、覆われる全コンクリートの領域に渡って供給される。この手法は、カーペットと床との間に供給される接着剤が、完全に維持さえすれば、カーペットは、しわにならないという利点がある。もちろん、そのようなカーペットの調整または取り替えは、以前に供給された糊は、床から剥ぎ取られ、新たな糊が供給される必要があるという認識において困難である。加えて、そのような糊は、しばしば、いくつかの場所で禁止され、または、他の場所において、換気を要求される揮発性の有機物成分を含んでいる。
【0004】
ウォールトゥウォールカーペットの敷設にとられている他の手法は、木製のストリップである"タックレスストリップ'の使用を伴っている。そのストリップは、覆われるべき領域の境界線の回りにしばしば、木製の床に釘付けによって、取り付けられ、カーペットは、鋲によって引っ張られる。この手法は、そのカーペットが、再び引っ張られてしわが除去され、また、カーペットおよびアンダーパッドが、床に対して恒久的に密着されず、破損することなく除去されうる利点がある。しかしながら、引っ張ることは、比較的に高価なこの方法によって、ウォールトゥウォールカーペットを敷設する骨の折れる強力な技術である。この手法は、また、揮発性の有機物の使用を避けるが、コンクリートにタックレススリップを設置することにいくつかの困難がある。
【0005】
ベルクロタイプファスナー(Velcrotype fastener)の使用を含む最近の手法は、特許文献:独国特許第7029524号(8月8日、1970、Velcro France)、米国特許第357019号(4月6日、1971、Girad)、英国特許第1546901号(5月31日、1979、Allid Chemical Corporation)、米国特許第4822658号(4月18日、1989、Pacione)、米国特許第5191692号(3月9日、1993、Pacione)、米国特許第5382462号(1月17日、1995、Pacione)、および、米国特許第5479755号(1月2日、1996、Pacione)に述べられている。これらのすべての特許の明細書は、本出願の一部を構成するものとする。
【0006】
同じ発明者の米国特許658は、部屋の回り、または、カーペットの継ぎ目に粘着材により取りつけられるウォールトウウォールの敷設を説明している。裏面に渡ってループを有するカーペットは、切り取られて、部屋に合わされ、そのループがフックテープに係合する。米国特許692は、米国特許658で説明されるようなカーペットを継ぎあわす方法を説明している。これらの特許明細書の双方は、また、フックテープのカバーの使用により得られる利点を開示している。主な利点は、敷設の間フックとループとの時期尚早な係合を非係合にする必要なしに、適切に配置し、カーペットを調整できるように、時期尚早なフックとループとの係合を防止することである。この先行する手法は、その周囲およびカーペットの継ぎ目にある敷設用ストリップの利点をもたらす。特に、カーペットが破損することなく持ち上げられる、また、揮発性の接着剤を含む合成物の使用を避けることである。
【0007】
カーペットの"ホウリーグレイル'(holy grail)および他の装飾的なカーペットは、システムであり、置かれるとき、多少要求されるのでそのような質量および安定性を有し、また、その下にある基板に取り付けられない。また、既に有るカバーを除去する必要なく、既にある基板上に敷設される。しかしながら、トラックで輸送するために、および、部屋のような場所に物理的にあわせるために、そのようなシステムは、ロールまたは堅いなら、十分な質量および安定性を伴って、本来の位置に隣接した質量を形成するための組み立てられたモジュールの方法により、特に、覆われるべき異なる床、または、床の表面を扱うとき、最低限の分離可能な取付けまたは、多分取りつけられないことにより、所定位置に維持されるように十分な柔軟性をもたらさなければならない。
【0008】
【特許文献1】独国特許第7029524号
【特許文献2】米国特許第357019号
【特許文献3】英国特許第1546901号
【特許文献4】米国特許第4822658号
【特許文献5】米国特許第5191692号
【特許文献6】米国特許第5382462号
【特許文献7】米国特許第5479755号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したように、カーペットまたは他の装飾的なカバーが、少ない別々の取り付け地点だけでその下にある下面に取り付けられ、更に場合によっては、除去を容易にするために全く取りつけられないという利点がある。別々の取りつけ場所でその下にある基板に対して取り付けることは、その下にある基板に対する最低限の損傷、基板からの除去の容易性、敷設の容易性がもたらされる。
【0010】
しかしながら、製造物、方法、およびシステムは、これらの個々の取りつけ場所を、カーペットまたは他の装飾的なカバーの全部の下面にわたって構造的に連結される取付けに対し、その上にあるカーペット、または、他の装飾的なカバーが、人間の通行、車の転動、家具の移動、湿気および温度変化による圧力が発生したとき、大気中の安定性、平面度、および、水平面上の安定性を維持すべく、設計可能とされるように改造することが必要とされる。
【0011】
加えて、そのシステムによれば、下に敷かれる取り外し可能なアンカーシートを用いることによって、カーペットのピースあるいは他の装飾用カバーを互いに一体化することができる。そして、個々のモジュールは、離れた場所での組み立てに先立って互いに取り付けられている装飾用カバーおよびアンカーシートを有するものとすることができる。かかるモジュールは、修繕や移動、あるいはデザイン上の理由による要望に応じて、容易に取り外しおよび再取り付けが可能である。加えて、かかる個々のモジュールは、隣のモジュールのアンカーシートまたは装飾用カバーとオーバーラップさせることで互いにロックすることができ、これによって、完成した構造に十分な質量と安定性とを与え、基材(substrate)への取り付けの必要を最小限もしくは不要とすることができる。
【0012】
本発明の一形態では、床や壁のような下側の硬い支持体を覆うカーペット、セラミック、タイル、堅木などの装飾用カバーあるいは壁などの取り外し可能なアタッチメントに対するアンカーシートに特徴があり、これは好ましくはプラスチック製である。
【0013】
アンカーシートを好ましくは比較的薄い柔軟な(flexible)シートの形態とすることによって、柔軟なカーペットなどのカバー材料に結合性(integrity)を付与することができる。このカバー材料は、柔軟なシートの上面の相補フックをカーペットまたはカーペットピースの下面の相補ループに係合(matching)させることで、シートの表面に予め、またはその後にアセンブルすることができるものである。そしてこのシートは、コンクリートあるいは木製などの下側支持体上に、離れた何点かの部分で取り付けることができる。アンカーシートによって、石やタイル上にすら装飾用カバーを取り付けることができるようになり、石やタイル製の床を大きく壊すこともない。また、工場その他の場所で装飾用パターンを予め組み立てることもできるようになり、あるいは異なる色もしくは装飾カバーのピースをその場で裁断しアンカーシート上で互いにフィッティングすることで装飾パターンを形成することもできるようにもなる。かかるシステムはエリアラグおよびウォールトゥウォールカバーのいずれにも好適であり、ウォールトゥウォールおよびエリアラグの種類によっては、タイルであってさえ、下側支持体にアンカーシートを取り付ける必要を全くなくすこともできる。カーペットが壁あるいは部屋の境にフィットするよう裁断されていれば、アンカーシートはカーペットに十分な結合性を与え、周囲の壁その他の境による制約がある場合や大きな家具が置かれていたような場合でも、簡単に取りつけることができる。しかしアンカーシートは、Pacioneの5,060,443号特許に開示されたような従来的な意味での構造支持体ではないことを強調しておく。アンカーシートはそれが配置される床や壁を支持するものではないからである。アンカーシートはその上に配置されるカーペットその他の装飾用カバーを安定にし、床を必要とせずにカーペットその他の装飾用カバーの個々のピースを互いに結び付けるための媒介である。実際上、通常アンカーシートの柔軟性をあるレベルに保てば、アンカーシートによって床の欠陥を覆う(ride)ことができる。
【0014】
通常、アンカーシートは、その上にある装飾的カバーに対して、比較的薄く、しかし、場合によっては、例えば、大理石が張られた薄い層があるところでは、アンカーシートは、厚く、その上にある材料より堅い。また、アンカーシートは、金属(アルミニウムまたは鋼)のようなプラスチックのほかの材料で作られても良い。
【0015】
従って、本発明は、一つの特徴において、仕上げられた表面、および、実質的にループで覆われる相対向する表面を有するカーペットのような装飾的なカバーの床のような堅い支持基板に対する分離可能な取付けを覆うための分離可能なアンカーシートからなる。
【0016】
アンカーシートは、前記カバーと前記支持部材との中間に配置され、向かい合う該カバーのループの表面上に、フックで実質的に覆われ、薄く柔軟なシート、好ましくは、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリエチレン、または、ポリプロピレンのようなプラスチックのシートである。この柔軟性のあるアンカーシートまたはシートは、通常はないが、その上にあるシート部品と結合するように正確に同一のサイズである。通常、アンカーシートまたは装飾的なカバーの重複した領域は、一緒に使用されるアンカーシートを結合できるように使用される。アンカーシートは、シート部品の下の面積よりも大であってもよい、また、壁または他の境界に対してその上にあるカーペットを切りそろえる必要がある場合、小さくても良い。アンカーシートおよび装飾的なカバーは、その組み合わせたもの
が堅い支持基板に置かれたとき、床または他の基板上のシート部品に対し作用される水平方向の切断力に対して装飾的な基板を補助するために結合時、十分な剛性を有しなければならない。場合によっては、アンカーシートは、限られた数の個別の場所で、基板に取り付けられ、また、場合によっては、カバーとともに、シートは、剛性および質量を有し部屋の境界内の床に対して比較的自由であってもよい。
【0017】
従って、この発明の他の特徴においては、装飾的な柔軟性のあるアンカーシートを互いに隣接させ敷設することができ、また、アンカーシートのフックカバーと、カーペットのようなその上にある装飾用カバーとを使うことを可能となし、相補的なフックおよびループの技術の使用により、隣接するアンカーシートを一緒に結びつけることができる。ほとんどの場合、その上のカバーは、アンカーシートの継ぎ目に重なり、アンカーシートは、カバーの継ぎ目に重なり、アンカーシートおよびカバーを一緒に結びつける。
【0018】
しかし、すべての場合に要求されないが、その装飾的なカバーは、アンカーシートに対して取外せることが好ましい。小さなモジュールの場合、装飾的なカバーは、通常、仮に設置され、そして、アンカーシートの領域を残している装飾的でないアンカーシート上、または、分離可能な取り付けのための装飾的なカバー上に、隣接するモジュールの重なり合いによって、多分、恒久的に敷設されるだろう。この重複した領域が分離可能な取り付けをもたらし、また、そのモジュールが敷設中正しい並びに調整できるように敷設中の取り付けを防止するための手段をもたらすことが要求される。分離可能な取り付けの手段は、好ましくは、フックおよびループの取り付けシステムであるが、しかし、また、維持する間、多数の開口、閉塞部を有する接着材であってもよい。フックおよびループが、モジ
ュールを繋ぐために用いられる場合、カバーは、フックとループとを結合させない滑らかなプラスチックであっても良い。または、カバーは、特許(Pacione)658に似ている織物または紙のフックカバーを使用してもよい。
【0019】
寄せ木張りの床、タイル、堅い木材、セラミック、または、他の堅い装飾的なカバーのために、柔軟なテープカバーが、予め組み立てられたカバーの下から引き抜かれるプルストリングが設けられるその重複領域で使用される。この全体の手順は、全体的な接着または部分的な接着、および、部分的なフックおよびループを使用して繰り返されても良い。
【0020】
従って、床に対して"フリーフロート(比較的自由)'、即ち、大変少ない別々の場所でのみ連結されるアンカーシートの個々のモジュール、および、カバーの個々のモジュールは、質量を補助した状態で一緒に結びつけられる。
【0021】
本発明の他の特徴は、重なってずれた関係をもった1枚のアンカーシートまたは複数のアンカーシート、および、カバーからなり、一般的な使用において、そのような床のカバーがその下にある床に対しての取り付けを要求されないように、十分な剛性、大気安定性、水平面の安定性(切断力の安定性)、および柔軟性を有した隣接した床のカバーを形成する。取り付けは、滑らかな大理石の床、または、傾斜路または階段、または、激しい通行のある場所において、小さなエリアラッグについて要求されるだろう。
【0022】
この発明の他の特徴においては、装飾的なモジュールは、アンカーシートを含み、装飾的なカバーは、アンカーシート上の装飾的なカバーが所定量でアンカーシートに重なるように、アンカーシートの上面におけるフックを、装飾的カバーの下面上のループに分離可能に取り付けることによって、予めずらして組み立てられても良い。
【0023】
これらの前もって組み立てられたカバーモジュールは、それから、その場所に移送される。また、個々に、隣接する方法で一つのカバーモジュールの装飾的なカバーにおける下面に露出されるループと、隣接するカバーモジュールのアンカーシートの上面に露出されるフックとを係合させるために、その下にある基板上に配置される。その増大するモジュールサーフェースカバーに加えて各カバーモジュールは、横たわる薄く、堅いプラスチックにより、設けられたカバーモジュールのアンカーシートにおける露出されたフック上において、その適正な位置に案内される。定まったモジュールに付加されるべき装飾的なモジュールの適正な調整の後、その薄い、堅いプラスチックは、水平面に平行に、抜け出され、二つのユニットから離れる。それによって、その隣接するユニットが、フックとルー
プとの技術により、係合できるようになる。その薄い、堅いプラスチック部品は、また、モジュールサーフェースカバーの個々のモジュールを取外すために使用されてもよい。その薄く、堅いプラスチックは、隣接するユニットにおけるフックとループの留め具の機械的に結合された部分の間に、水平面に平行に挿入される。それによって、機械的結合を分割し、また、そのフックとループとを互いに接触しないように維持し、そのユニットが取外され、モジュールサーフェイスカバーから除去されるようにする。
【0024】
他の特徴においては、本発明は、覆われるべき表面への輸送、および、装飾的な表面に仕上げられたものを形成するための付加的なモジュールに対する取付けのためのカバー用モジュールからなり、上方の装飾的な表面およびフックおよびループの取付けシステムにおける第1の部分を支持する相対向する下面とを有する少なくとも一つの装飾的なカバーと、上面を有する装飾的でないアンカーシートと、その下面のかなりの部分に渡って、前記装飾的でないアンカーシートに取りつけられる装飾的なカバーとを備え、前記アンカーシートは、前記モジュールの一方の縁にそって、前記装飾的なカバーの前記アンカーシートに対する取付け後、露出されるアンカーシートの上面における重複領域が設けられ、該重複領域が、該隣接するモジュールの装飾的なカバーの下面の重複した露出領域に対する
取付けによって、隣接する前記モジュールに対してそのようなモジュールの分離可能な取付け手段をもたらすように作られている。
【0025】
形状および大きさの種類に制限されることのないカバーモジュールが構成されてもよい。装飾的な模様は、装飾的なカバーの同一形式において、赤および青のカーペットのユニットとの間で取り替えるように、異なる色または模様の組み合わせ、または、ホテル、レストラン、バスルームにおけるカーペットと堅い木材とのような組み合わせ、あるいは、家庭におけるカーペット、堅い木材、セラミック、石材のような装飾的なカバーの異なる形式の組み合わせによって、現場で組み立てられてもよい。一般的な使用においては、そのような隣接しているカバーは、その下にある表面に対して取り付けを要求されないために十分な剛性および質量を有している。場合によっては、アンカーシートの取り付けが、別個の地点において、例えば、覆われる表面が壁であるとき、要求されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施例は、添付図面を参照しつつ、説明されるだろう。
好ましい実施例の説明図面を参照するに、第1実施例のアンカーシート1は、隣接するアンカーシート3および5を含む図1に示されている。各アンカーシートは、図2および3においてよく理解され、一般的なフックとループとの定着システムにおいて従来使用されているフックに似ているプラスチック、または、糸状のフック7で覆われている。好ましくは、布であるカバー用部品9は、フック7を覆っている。そのカバーは、また、フィルムであってもよい。
そのカバーは、図2および3においてよく理解される。フック7を汚れの無いように維持し、また、設置され、上に重ねるべきカバーの時期尚早な取り付けを防止するために、アンカーシートのこの形態は、カバーで完全に覆われている。好ましくは、図2に示されるように、各アンカーシートの縁に沿って前もって切り取られたスリット12を幅Aのカバー内に設ける別個の幅Aのカバー用帯状片11がある。
【0027】
アンカーシートは、後述されるように、巻いたもので設けられてもよいが、図1の実施例においては、それは、例えば、4×8フィートの長方形の単なるシートである。アンカーシートは、ウォールツーウォールの装置の場合、床または他の剛性のある基板の全表面を覆うために他のアンカーシートに対して連なって隣接する関係をもって、床に置かれる。アンカーシートは、カバー9および帯状片11で覆われているので、フック7および相補的なループにおける時期尚早な取り付けがなしに、アンカーシートの上にカーペットを置き、設置することは可能である。その組み立てられたカーペットは、例えば、米国特許4,822,658号(Pacione)に開示されるように、このアンカーシートの上に設置される。
【0028】
しかしながら、アンカーシートにおけるカーペットに対する作業のとき、もし、アンカーシートが、少なくとも、互いに固定され、別個の位置で、予め床に取りつけられるかもしれないならば、それは、好ましいだろう。アンカーシートは、例えば、隣接するアンカーシート1および3の両方における前もって切り取られたフックカバー用帯状片11を除去し、隣接するアンカーシートの間の継ぎ目を覆い、互いにそれらを取りつける例えば、橋渡す一つのフックカバー13で覆われるそのようなフックに取り替えることにより、互いに取り付けられる。帯状片13は、多数のアンカーシートの間の継ぎ目を覆うことができる。例えば、図1において、その帯状片は、また、アンカーシート8および10の隣接する継ぎ目もまた覆っている。
【0029】
アンカーシートは、また、地点14のような別々の位置で床に取り付けられてもよい。アンカーシートは、床に張られ、また、そのアンカーシートの裏地上の相補的なループに取りつけられるフックテープにより、接着されて取り付けられてもよく、または、両面粘着テープにより、取り付けられてもよいが、しかし、大抵の場合、堅い基板に対するアンカーシートの取り付けにおける最も単純な形態は、特に、もし、基板が、例えば、木製であるならば、別々の地点でアンカーシートに釘または鋲の使用により、取り付けられる。そのような別々の地点は、図1において14で示されている。この場合、そのような釘または鋲の頭部がフックカバーシート9をアンカーシート1,3.5などに恒久的に取り付けることなしに、フックカバーシート9を貫通して1,3,5などのようなアンカーシー
トを床に釘付けできるようにするためにフックカバーシート9に貫通孔、スリット、または、孔を有することが望ましい。それゆえ、そのようなシートは、上に重なるカーペットが、切断された後、除去され、また、アンカーシートを上に重なるカーペットの取り付けのための場所に固定する。加えて、アンカーシートの厚さまたはもろさに応じてアンカーシートに予めあけられた穴を有することが望ましいだろう。
【0030】
たとえ床に対するアンカーシートの取りつけの形態に依存しているとしても、カーペットを設置する間、橋渡し用のフックカバー13を使用することによって互いにアンカーシートを取り付ける必要はないだろう。
【0031】
通常、フックカバー9に覆われているアンカーシートに対して大きな面積でカーペットの十分な結合がなされるのでカーペットの下にある継ぎ目に応じて、そのアンカーシートに取り付けられる橋渡し用のテープ13を残すこともまた可能であろう。すべての状況において床の下の基板に対してアンカーシートを取り付ける必要はない。その上に重なるカーペット(図1,2、または、3においては図示されていない)は、そのような上に重なるカーペットにより、互いに、しっかりと取りつけられアンカーシートに、付加的な重み(質量)および剛性をもたらす。この場合、カーペットの質量およびアンカーシートの剛性に応じて、その結合したものは、アンカーシートおよびカーペットが設置される壁における取り囲む境界または部屋または領域の他の周囲の側の所定位置に、しっかりと十分に
取り付けられる。
【0032】
場合によっては、カーペットの面積が十分大に与えられる場合においては、下にある床の構造に応じて、カーペットは、実質的な移動なしにその上の所定位置に維持するための十分な重みを有しているので、床の一部に敷く敷物(エリアラッグ)を下にある床に取り付けることすら必要とされないだろう。例えば、エリアラッグ、および、ウォールツーウォールカーペットの双方の場合、それは、また、その結合したカーペットおよびアンカーシート上に設置される家具または他の重いものがあるか否かに依存するだろう。
【0033】
場合によっては、図1に示されるような隣接するアンカーシートは、カーペット15が図4に示されるようなアンカーシートに重ね合わされるように、そのアンカーシートよりも広い幅のカーペットの下に設置されるだろう。カーペットの裏地上のループ17は、そのカバー9が除去されるとき、フック7に係合可能とされる。設置のために、カーペット15は、フックカバー9で全体的に覆われるそのアンカーシート上に広げられる。カーペットは、切断され、合わされ、所定位置に調整される。また、その下にあるアンカーシートに対する取り付けがなされる前に、他のカーペットに対して隣接される。図5においてフックカバー9または13の除去前におけるアンカーシートの横断面が示されている。従って、カーペット15は、隣接するアンカーシート1および3のあいだの継ぎ目に重
なる。アンカーシート1および3は、できる限り、上述したように、床に取り付けられ、また、継ぎ目を橋渡す、フックカバー13により、互いに取り付けられる。カバー9が一旦除去されるとき、アンカーシート1の少なくとも一部、および、アンカーシート3の少なくとも一部が、双方、カーペット15がアンカーシート1および3の間の継ぎ目を橋渡して、そのようなアンカーシートを一緒に連結するように、カーペット15に取り付けられる。好ましいいくつかの状況でさえ、また、橋渡し用のフックカバー13を除去することも可能である。
【0034】
しかしながら、これを行うことは、必ずしも必要ではない。少なくとも、フックカバー9が、一旦除去されたとき、カーペットおよびアンカーシートは、下にある基板に取り付けられるものであろうとなかろうと、床に対する直接的なアタッチメントがない場合でさえ、通常の使用のもとで、しわがよらない比較的大なる強度、重み、および、剛性のある連続した堅い床のカバーを形成する。
【0035】
そのアンカーシート自体は、好ましくは、10/1000(0.254(mm))から20/1000(0.508(mm))までの厚さの薄いポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、ポリエステルで作られている。その厚さは、カバー用の材質、および、カーペットとしての安定した要件に応じて変更してもよい。また、アンカーシートが、薄いシートメタル、カーボン繊維、または、ポリマーのいくつかの形態で作ることは、可能である。アンカーシートは、弾力の有る発泡層を含んでもよい。フックは、いかなる従来の手段でそのシートに取り付けられてもよいが、押し出し成形または共有押し出し成形が、その好ましい手段である。
【0036】
従って、アンカーシートおよびカーペットは、ともに、多くの状況で単一のユニットとして巻かれるのに十分薄く、かつ、十分に柔軟性がある。これは、いくつかの実施例において、カーペットが予め、図6に示されるように、より容易く敷設されるアンカーシートの上に敷設できるようにする。
【0037】
この場合、アンカーシート21上に設置されるカーペット19は(図7において理解されるように)、床の上に巻かれ、切断され、隣接する壁23および24に合わされる。
【0038】
カーペット片19およびアンカーシート21は、壁23に隣接する一部の場合を除いて、カーペット片29およびアンカー31と同様な形式で、その場所に配され、規格外のカーペットは、アンカーシートが壁に隣接する必要性がないので、切り取られるか、または、残される。
【0039】
カーペットは、この場合、フックカバー27で覆われるフック25の露出した領域を残すためにカーペット片19よりも大なるアンカーシート21の上に前もって設置される(図7においてよく理解されるように、)こととなる。
【0040】
この方法で巻かれた大抵のカーペットは、そのカーペットが、アンカーシート31の一方側に重なり合い、また、アンカーシートの他方側自体がカーペット片を超えて延びるように、カーペット片29に対して示されるはみ出しを持って、工場でアンカーシート上に設置されるだろう。それから、カーペット29およびアンカーシート31の結合体29および31が、広げられて、カーペット片19が隣接する。また、結合体29および31は、切断され、所定位置に合わされ、フックカバー27が引き上げられて除去されて、カーペット片29が丸められるが、または、場合によっては、カバー27を継ぎ目を通じて引き上げることによってカバー27が除去される。カーペット片29は、しっかりとアンカーシート21および31双方に、取り付けられ、それらの二つの間の継ぎ目35を橋渡す
ので、二つのアンカーシートを一緒に結びつける。付加された同様なカーペットロールをフックカバー37上に置き、また、そのようなフックカバーを除去し、次に接合するカーペット片をアンカーシート31に取り付けることにより、この手順を繰り返すことも可能であり、また、部屋が連なったカーペットおよびアンカーシートで覆われるまで何度もこの手順を繰り返すことも可能である。
【0041】
アンカーシートを床に取り付けることが必要ならば、アンカーシートのフックおよびフックカバーが、帯状片39または41において前もって設置されたカーペットロールにより、覆われていない露出した領域においてそれが、行われる。
この場合、フックカバー27または37は、そのフックカバーを介して取り付けられるくぎ、または、鋲が、上述したように除去されるフックカバーをその下にあるアンカーシートに取り付けないようにするために、貫通穴、スリット、穴を有している。例えば、帯状片39および41において床に対するアンカーシートの取り付けは、多くの場合、十分な取り付けとなり、多くの場合でなくとも、特に、装飾的なカーペットのカバーが、また、単一のユニットとしてそのアンカーシートを一緒に結びつける事となる結合時、十分な結合となる。
【0042】
工場内において、カーペットをアンカーシート上に設置するためのいくつの状況において、利点がある。工場により、装飾的な目的、または、一部品として一体となるカーペット片の輸送の目的の双方のために、切断され、数多くの異なるカーペット片を、アンカーシート上に合わせられる。
【0043】
従って、図6に示されるように、例えば、カーペットロール上において装飾、または、模様が間隔を持って繰り返されるインサート43、および、より小さな幾何学的なインサート45を備えることは、可能である。典型的に、これらのインサートは、好感を与えるカーペット模様を形成するために異なる色、または、異なるデザインまたは模様とされる。
【0044】
図8は、カーペットの設置の付加的な形式を示す。この場合、カーペットおよびアンカーシートは、取り付けられて工場から配送されるが、カーペット47は、アンカーシートのフック49の露出した領域、および、両方の縦方向の端上に図9に示されるように、約幅Cのフックカバー50を残すためにアンカーシート48よりも狭い。この場合、そのカーペットは、広げられ、必要ならば、下にある床に取り付けられる。カーペット52上に設置される他の同様なアンカーシート51は、広げられ、また、アンカーシート48に隣接される(図9に見られる)。アンカーシート5 3も、また、広げられ、アンカーシート51に隣接される。設置におけるこの段階においては、それらの帯状片領域は、カーペットカバーを含んでいないのでアンカーシートは、例えば、帯状片領域55,57、59、
および、61を介して釘打ちにより床に取りつけられてもよい。橋渡し用のカーペットの帯状片63は、カーペット47および52で覆われていないその領域に合わせられる(図9においてDで明示される領域)。合わせた後、カーペット片63がアンカーシートを設置し、橋渡し、しっかりと、アンカーシート48をアンカーシート51に取りつけるためにその下にあるフックカバー50および54は、除去される。それから、同様な手順が、アンカーシート53に対してとられる。
【0045】
通常、この形式の設置は、ここのカーペット領域47および52の周りに装飾的な領域を設けるためにカーペット片47および52と比べて異なる色または模様のカーペットの帯状片63を備えることが望ましいところに使用される。この場合、その模様、即ち、その領域は、また、端65に沿って取り囲まれるだろう。また、これは、アンカーシート48よりも寸法の小さなカーペット片47を設置し、いずれかの所望される厚さの帯状片65をもたらすことにより、容易く適合される。この形式の設置は、また、その領域におけるカーペット片(とりむ)は、設置され、最後に、形が整えられるので部屋の種類を考慮している。
【0046】
さらにまた、アンカーシート48および51が、鋲、または、釘、あるいは、相補的なフックとループとのアタッチメントシステムによって、また、接着、または、両面粘着テープにより(通常好ましくないが)、双方、床に取りつけられることは可能である。
【0047】
図10においては、アンカーシート73上に設置される中央のメダイヨン69およびコーナー部品71を含む模様67の他の形式が示される。この場合、アンカーシートおよびカーペット片は、単に隣接し、通常、上面にフックカバー、フック(図示せず)を有し、また、床に対する取り付けのための下面上に粘着剤77を有している小さなフックテープ75により床に取りつけられる。粘着剤は、通常、剥ぎ取り可能な、ドライ式のカバーを有している。
【0048】
この場合、カーペット67およびアンカーシート73は、隣接するカーペット片に重なるその端における個々のテープ75によって取り付けられる。帯状片は、また、例えば、カーペット片67および79の間の継ぎ目に沿って使用される。しかし、もし、多くの部品が使用される場合、これが所定位置に継ぎ目を保持することにおいて支援し、また、継ぎ目を損ねることとなる異なるカーペット間に存在するであろう標準寸法の異なる問題をついて支援するので通常、図19に示されるようなオーバラッピングモジュールシステムが使用される。もし、モジュールシステムが使用されるならば、下にある床に対する取付箇所は、必要とされないだろう。
【0049】
この同一の模様は、例えば、隣接するアンカーボード73上の重なるカーペット79により後述されるように使用される。この場合、勿論、カーペット67(部品)は、短く作らなければならない。
【0050】
アンカーシートシステムの一つの利点は、もし、異なる色、または、模様が所望され、図6に示されるようなインサート43および45に似て、除去および変更可能ならば、カーペットインサート69および71が、除去され、取り替えられ、または、交換されてもよいことである。いずれかの模様が挿入され、また、もし、標準寸法が使用されるならば、その模様は、例えば、少年の模様から少女の模様に、または、リビングルームの模様から寝室または風呂場の模様に、カーペットを変えるように、互換性があってもよい。
【0051】
他の主な利点は、そのアンカーシートの必要性は、図10に示されるパッド75のような個別の端の領域においての取付けだけにあるが、例えば、カーペット片67,69,71および72は、模様が挿入され、または、いずれかの個所において取り替えられるように、すべて、その全下面に渡ってアンカーシート73上に取り付けられる。
【0052】
図12に示されるように、エリアラッグは、また、図12においてもっとも理解されるように、カーペット片81が、アンカーシート83上に設置されるところにもたらされてもよい。アンカーシート83は、そのカーペットの露出した端87を覆う、上に向けられた、即ち、巻き付けられたリップ85を有している。
【0053】
そのような小カーペット(エリアカーペット)のためのアンカーシートは、釘、または、フックおよびループの技術(もし、アンカーシートの下面がループで覆われ、それから、フックテープに対応して設置されるならば)により取りつけられてもよい。
【0054】
大抵の場合、個々の個所において、そのアンカーシートを下にある床に、床に粘着テープにより、取り付けられる小さなフックテープに対応して組合わされるアンカーシート83の下面に粘着テープにより、取りつけられる小さなループテープによって、単純に取りつけることで足りる。場合によっては、その小カーペット(エリアカーペット)は、十分な重みと安定性を有し、その下にある床に対して取り付けられることは全く必要とされない。例えば、もし、アンカーシート83が、その下面上に滑らない表面を有しているならば、取付の必要性は、減じられる。開示されるアンカーシートを用いて、エリアラッグを、従来、エリアラッグを適用することが困難とされる御影石、大理石、または、石材、床に取りつけることが可能である。加えて、カーペット67および19のように、カーペッ
ト81は、挿入された模様を有していてもよい。先ず、比較的廉価なパターンのラグの使用を許容しつつ、模様を非常に精巧なものとすることができ、多数のカーペットピースが、1単位のアンカーシート83上に組み込まれ、例えば、東洋風のカーペットなどの模造品すら作ることができる。
【0055】
予め成形されたアンカーシート83上に設置されたカーペット片を使用して不規則な模様のキルト、または、自分自身で作ったカーペットを作り出すことは、さらに可能である。
【0056】
図13に示されるように、アンカーシート89は、より小さなモジュールで作られている。カーペット片91のような装飾的なカバーは、例えば、カーペットタイルとされてもよい。また、もし、それらが、図13に示されるように、重なり合う関係で置かれたならば、床に対しアタッチメントなしに安定した設置をもたらすために十分な連なった質量がアンカーシート89およびカーペット片91により、形成される。これは、特に、部品91が、カーペットではなく、寄せ木張りの床または他の堅い装飾的なカバーの場合である。しかしながら、もし、アンカーシート89を床に取り付けることが要求されるならば、それは、鋲、または、くぎ、または、従来のフックおよびループの技術を使用することによって、容易くなされる。この場合、さらにまた、いずれのフックカバーの除去以前に、
フックカバーを床に対し取り付けることなしに、アンカーシートが床に取付けされるようにするためにテープカバ−95(もし、テープカバーが使用されるならば)にスリット、貫通孔、または、孔93を有することが望ましい。
【0057】
図13aにおいては、図13と類似の配置が示されているが、例えば、カバー91およびアンカーシート89のユニットが、全表面のカバーを組み立てる以前に、作り出されるように、模様がモジュール手段で造られる。カバーモジュールと呼称するそのようなユニットの形式は、以下に述べられる。
【0058】
図14および15に示されるように、設置における付加的な形式においては、カバーモジュールは、その下面98に任意のクッションとともに、大体においてフック97で覆われている上面とを有しているアンカーシート96と、装飾的に仕上げられた上面100およびループ101で大体において覆われている下面を有するアンカーシート上の配置のための装飾的なカバー99とを含んでいる。カバーモジュールは、図17に示めされるように、表面AAに沿って重ね合わせる方法で、取り外し可能に予め少しずらしてフックの領域が露出したBBに残され、一方、装飾的なカバーの下面上におけるいくらかのループが、露出したCCに残されるように、取り付けられている。好ましくは布で作られるカバー片(図示されていない)は、フック97を覆っているが、しかし、図18および18aにお
いて理解されるように、一時的なカバー106が使用される必要はない。汚れがフックの表面を覆うことを防止するためにカバー部品を使用することが賢明であろう。
【0059】
それから、これらの前もって組み立てられたカバーモジュールは、その場所に移送される。また、図18および図18aに示されるように、個々に、隣接する方法で一つのカバーモジュールの装飾的なカバーにおける下面に露出されるループ101と、隣接するカバーモジュールのアンカーシートの上面に露出されるフック97とを係合させるために、その下にある基板上に配置される。図18に示されるように、その増大するモジュールサーフェースカバーに加えて各カバーモジュールは、横たわる薄く、堅いプラスチック106により、設けられたカバーモジュール107のアンカーシートにおける露出されたフック上において、その適正な位置に案内される。その堅いプラスチックは、設置の間フックとループとの時期尚早な係合なしにそのユニットの配置および調整を可能にする。
【0060】
一つのカバーモジュールの装飾的なカバーの下面上のループと、隣接するカバーモジュールのアンカーシートの上面上のフックとの適正な調整の後、その薄い、堅いプラスチックは、水平面に平行に、抜け出され、二つのユニットから離れる。それによって、その隣接するユニットが、フックとループとの技術により、係合できるようになる。最後に付加されたカバーモジュールにおけるいずれかのフックカバー片(図示されていない)は、それから、次のカバーモジュールの付加のための準備で除去される。この段階を追ったカバーユニットを隣接するカバーユニットに対してフックとループとの技術による機械的な結合によって取りつける工程は、図19に示されるように、連なった表面のカバーを作り出すことを繰り返される。図20は、一緒に取りつけられた二つのカバーモジュールの断面図
を示す。
【0061】
カバーモジュールを使用することの不利な点は、長い距離でそれらを調整することの困難性である。アンカーシートは、好ましくは、隣接したアンカーシートに対して正確に位置決めされるべきである。また、装飾的なカバーは、好ましくは、隣接するカバーモジュールの装飾的なカバーに対して正確に位置決めされるべきである。もし、その長さAA,BB,または、CC(図17に示されるように)画、均一な小さな量で、下回っているならば、多くのモジュール上において増大したこの量は、そのサーフェイスカバーの調整不良の原因となる。従って、そのアンカーシートおよび装飾的なカバーが、カバーモジュール上に正確に調整されていないならば、実際に、個々に開示されるような、オーバラッピングシステムを容易く設置することは不可能となる。実際には、正確な調整のための機械
を使用して、工場で、予め組み立てることにより、好ましくは、図17に示されるような正確な関係で、これらのモジュールを予め取り付ける事が必要である。
【0062】
アンカーシートを伴う装飾的なカバーの均一な調整を維持するために設置箇所で模様を使用し、または、形成することは、また、可能だが、長い時間がかかる。
【0063】
この形式の設置の利点は、制限の内種類の模様が、作り出されることである。もし、異なる色、または、模様の結合が必要ならば、装飾的なカバー、または、全体のカバーモジュールが、除去され、入れ替えられ、交換されてもよい。如何なる模様も挿入されてもよく、もし、標準寸法が、使用されるならば、模様は、互換性が合ってもよい。例えば、異なる色のカーペットのユニットは、カーペットおよび堅い木材、または、セラミックおよび大理石が結合され、また、続いて入れ換えられ、または、交換されて他の独自の配置を形成するように、独自のカーペットデザインを作り出す、または、カバーモジュールの異なる形式の結合を作り出すために設置されてもよい。
【0064】
この手順を促進ために、上述した薄く、固いプラスチックは、また、そのモジュールサーフェイスカバーの個々のユニットを取り外すために使用される。その薄く、堅いプラスチックは、隣接するユニットにおけるフックとループの留め具の機械的に結合された部分の間に、水平面に平行に挿入される。それによって、機械的結合を分割し、また、そのフックとループとを互いに接触しないように維持し、そのユニットが取外され、モジュールサーフェイスカバーから除去されるようにする。
【0065】
他の利点は、大抵の場合、一緒に取り付けられたとき、装飾カバーの質量およびアンカーシートの剛性により、モジュールサーフェイスカバーが、隣接するアンカーシートに対する、隣接するカバーモジュールにおけるフックおよびループのアタッチメントに起因して、その下にある基板に対するアタッチメントの必要無く、しっかりと所定位置に保持されることができる。しかしながら、もし、選択されたカバーモジュールを例えば、壁上と共に、基盤に取り付けることが必要ならば、それは、鋲、くぎ、接着、または、フックおよびループの技術によってなされても良い。続いて付加された隣接するモジュールにフックおよびループの技術により、結合されたカバーモジュールにおけるアンカーシートの露出部分は、その下にある基板のための鋲のために使用されても良い。それから、その露出
部分は、隣接するカバーモジュールの装飾的なカバーで覆われている。そのような別個の鋲の地点は、図16,18,19、および21において108で示される。地点108または、なおより少数の地点で基板に対するアンカーの取り付けは、最も多くないにしても、多くの場合、十分であろう。アンカーシートの厚さまたはもろさに応じてそのアンカーシートに、予めあけられた穴を有することは望ましい。さらにこの場合、床に対するフックカバーの取り付けなしに、アンカーシートがいずれのフックカバーの除去前に床に取り付けられるようにテープカバー(図示されていない)上にスリット、貫通穴、または、穴(図示されていない)を備えることは好ましいだろう。
【0066】
図22,23、および、24に示されるものは、付加的なカーペットまたは、図24に示されるようなカバーモジュールを使用するセラミックのタイル模様である。そのようなカバーモジュールは、アンカーシート112と、セラミック、または、カーペット、または、どんな他の適切な材料であっても良いタイル、または、装飾的なカバー114とを含んでなる。通常、タイル、または、装飾的なカバー114と、アンカーシート112とは、示されるような、正確に、予め決定された関係で工場で予め取り付けられる。もし、タイル、または、装飾的なカバーは、その下面にわたってループを含んでおり、そのアンカーシートのフックが、その上面にわたってあるならば、それから、分離および再結合が、現場での要求があるならば、可能となる。恒久的な接着剤は、タイル114とアンカーシ
ーと112との間の恒久的な結合剤に使用されてもよい。また、フックおよびループの特性(即ち、取り付けおよび再結合可能とされ、良好な水平方向の強度)を持つ仮の接着剤が使用されてもよい。
【0067】
フックおよびループが使用されるとすれば、それから、アンカーシート112は、図14および18におけるフック97と同じようなフックで覆われ、そのタイルの下面は、図15および17におけるループ101と同じようなループで覆われるだろう。図22における116のような、タイル、または、装飾的なカバーは、アンカーシート112,118,120および122に重ね、一緒にし、それらのアンカーシートを一緒に結びつけるのに役立つ。それから、そのタイルが、カーペットタイルならば、中央のタイル124を含む114,116および他のあらゆるもののようなタイルは、大きなカーペット片を切断することにより、形成されても良い。この場合、図23に示されるような、間隔に合わせた"グラウド'部品126が形成される。もし、相反する色の他のカーペットが、また、切断されるならば、これらの部品は、そのようなカーペットから切断された他の似たような形状の模様と共に使用されてもよい。この部品126は、タイル114または124を作るために使用されるカーペットから生まれたものならば、他の模様で使用されなくなる。そして、部品126としての同一の形状の新たな部品(図示されていない)が、含まれるだろう(相反する色のカーペットの切断から)。
【0068】
126のような装飾的な模様のセパレータを使用することによって、同系色を合わせる場所が、最小となる。部品126にコントラスト色を用いれば、同系だが、同一でない色合いが合わさっているようないかなる欠陥よりも視線は、むしろ模様にひきつけられる。
【0069】
従って、図22または25の模様において、似た色は、例えば、図23における125、図25における119で出くわすだけである。同じ色が、出くわし、次の調和が困難となる場所を排除するために3色または更にそれ以上の色を設けることも可能である。図25に示されるものは、他の配置を示し、例えば、タイル128は、アンカーシート134上に配される。その模様は、似ているが、タイル間は装飾的なカバーは、アンカーシート134に対して異なる配置である。
この場合、タイル128は、例えば、アンカーシート130および134に重なるが、しかし、アンカシート134および136は、メイダリアン132およびインサートまたは、まだ、図25の配置に設置されていない図23に示めされるような、"グラウド'126によって、取りつけられている。
【0070】
114または128のようなタイルが、セラミックタイルの場合において、例えば、タイル114,116およびメイダリオン124の間の間隙は、図22に示されるものよりも少ないように、そのアンカーシートに対してそれらを所定の大きさに作ることは可能である。また、それから、ゴムの封止材のように弾力のあるグラウトは、実際のグラウトまたはゴムの封止材と類似させたタイルの間隙に摩擦バメで嵌めこまれ、同じ大きさのプラスチックバンドとしてもたらされ、タイル114またはメイダリオン124の周りに合わされる。そのような弾性のあるバンドは、さらに、110のようなカバーモジュールが組み立てられる前にタイル上に予め設置される。加えて、更に、実際のグラウトは、タイルの間の間隙に直接的に使用されてもよい。
【0071】
その種々の実施例におけるこの発明のアンカーシートは、装飾的なカバー、または、米国特許第4822658号に開示されるフックおよびループのシステムのようなループで作り出されるカーペットにおける設置において多様性を増すことを可能にする。その装飾的なカバーおよびアンカーシートが予め取りつけられるカバーモジュールを使用することによって、露出された重なった領域、および、引き離しおよび再結合される接着剤を使用するための、または、そのような露出した領域におけるフックおよびループのための取付用の面積を低減することができる。アンカーシートによって、カーペットおよび他の装飾的なカバーは、容易にほとんどいずれの表面に対してもその表面を破損させることなしに設置され、また、多くの場合、工場であらかじめ組み立てられる。また、そのカーペット
および他の装飾的なカバーは、その下にある表面に対して数少ない個別のところで取りつけられることがともかく必要なだけである。これは、カーペットまた堅材のような下にある基板に移すこと、および、表面から膠のような接着剤をはがすことの必要性を排除する。カーペットのような多量の装飾的なカバーは、それが、簡単に新しい装飾的なカバーで覆われるのでもはや、処分される必要がない。更に、この発明によって、大理石のような高価な床を、カーペットまたはタイルで一時的に覆うことなく、後の使用のために無傷の状態に維持することが可能となる。本発明のある実施例が、開示されているが、添付された請求の範囲に記載されるような、本発明のすべての変形および組み合わせを包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】床に並べて設置された本発明のシステムの第一実施例におけるアンカーシートを、一緒に連結するために隣接する継ぎ目を埋める一時的なフックカバーとともに示す。
【図2】別個に取り外せる幅Aのフックカバー片によりそれぞれ覆われ床の上に設置されたアンカーシートの境目における断面図を示す。
【図3】図1における3−3線に沿った断面図を、連結用フックカバー片とともに示す。
【図4】図1におけるアンカーシート上に設置されるカーペットを示す。
【図5】図4における5−5線に沿った断面図を示す。
【図6】床上に隣接して重ね合わされた関係を持って設置され、プリアッセンブリされたカーペットおよびアンカーシートを一緒に示す。
【図7】図6における7−7線に沿った断面図を示す。
【図8】図8は、隣接するアンカーシートをまたぐ別個のカーペット片とともに、代替実施例を示す。
【図9】図8における9−9線に沿った断面図である。
【図10】装飾的な模様の有るカーペットおよびアンカーシートの他の配置を示す。
【図11】リップを有するアンカーシート上に取りつけられた床の一部に敷く敷物を示す。
【図12】図11における12−12線に沿った断面図である。
【図13】アンカーシート、および、上に重なる装飾的なカーペット片(カバー片)であり、モジュールユニットから作り出されたものではないものの更なる他の実施例である。
【図13a】アンカーシート、および、上に重なる装飾的なカーペット片(カバー片)であり、一群のモジュールユニットとしてプリアッセンブリされ、隣接し重ねあわせた方法で設置された更なる他の実施例である。
【図14】フックでかなり覆われた上面、および、下面に任意のクッションを有するアンカーシートを示す。
【図15】装飾的に仕上がった上面、および、ループでかなり覆われた下面を有する装飾的なカバー用モジュールを示す。
【図16】フックおよびループによる手段により、アンカーシートに重ね合わせる方法で、分離可能に正確に取りつけられる装飾的なカーペットを有するモジュールサーフェイスカバーにおける一つのカバー用モジュールを示す。
【図17】図16における17−17線に沿った断面図を示す。
【図18】下に有る基板上に隣接し重ね合わされた関係を持って、設置された二つのプリアッセンブリされたカバー用モジュールを示す。
【図18a】下に有る基板上に隣接し重ね合わされた関係を持って、設置された3つのプリアッセンブリされたカバー用モジュールおよび設置された第4のカバー用モジュールを示す。
【図19】完成したモジュールサーフェイスカバーの部分を示す。
【図20】一緒に取りつけられた二つのカバー用モジュールにおける断面図を示す。
【図21】長方形の大きさおよび形状のカバー用モジュールからなるモジュールサーフェイスカバーの他の配置を示す。
【図22】アートフィシャルグラウトの独立したカーペットタイルとともに、装飾的な模様を表現するモジュールサーフェイスカバーの他の配置を示す。
【図23】図22の配置において使用するための装飾的な模様のセパレータを示す。
【図24】図22に示されるように組み立てられたカバー用モジュールが現場で分配された一部分を示す。
【図25】図22に示される配置のための代替案としてカバー用モジュールにおける他の配置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕上げ装飾面を形成するためのカバー用モジュールにおいて、
上方の装飾的な表面および相対向する下面を有する少なくとも一つの装飾的なカバーと、上面および装飾的でない下面を有する装飾的でないアンカーシートと、を含み、
該装飾的なカバーが該装飾的でないアンカーシートに対して取り外し可能にその下面の大部分にわたり取り付けられ、
前記アンカーシートは、前記装飾的なカバーを該アンカーシートに取り付け後、前記モジュールの少なくともひとつの縁に沿って露出されるアンカーシートの上面における重複領域が設けられ、該重複領域が、隣接するモジュールの装飾的なカバーの下面の重複した露出領域に対する取付けによって隣接するモジュールに対してそのようなモジュールを分離可能に取付けるための手段を備えることを特徴とするカバー用モジュール。
【請求項2】
仕上げ装飾面を形成するためのカバー用モジュールにおいて、
上方の装飾的な表面および相対向する下面を有する少なくとも一つの装飾的なカバーと、上面を有する装飾的でないアンカーシートと、を含み、
該装飾的なカバーが該装飾的でないアンカーシートに対して取り外し可能にその下面の大部分にわたり取り付けられ、
前記アンカーシートは、前記装飾的なカバーを該アンカーシートに取り付け後、前記モジュールのひとつの縁に沿って露出される装飾的なカバーの下面における重複領域が設けられ、該重複領域が、隣接するモジュールのアンカーシートの上面の重複領域に対する取付けにより隣接するモジュールに対しそのようなモジュールを分離可能に取付けるための手段を備えることを特徴とするカバー用モジュール。
【請求項3】
前記アンカーシートおよび前記装飾的なカバーの前記重複領域における分離可能な取付け手段は、前記アンカーシートの重複領域を実質的に覆う相補形のフックおよびループ取付けシステムの一部であり、隣接する装飾的なカバーの重複領域におけるそのようなフックおよびループシステムの相補形の第2の部分に合わされることを特徴とする請求項1または2に記載のカバー用モジュール。
【請求項4】
前記モジュールおよび隣接モジュールが、互いに対し所望される位置となるまでに、前記装飾的でないアンカーシートに対する該装飾的なカバーの取付けを防止するように一時的なカバーが、その場所に設けられることを特徴とする請求項3に記載のカバー用モジュール。
【請求項5】
前記一時的なカバーは、少なくとも実質的に前記重複領域の大きさの薄く、円滑なシートであり、その結果、該重複領域が相補的なフック部またはループ部に結合できないことを特徴とする請求項4に記載のカバー用モジュール。
【請求項6】
前記一時的なカバーは、重複して取り付けられる装飾的カバーおよびアンカーシートの前記相補的なフックおよびループの結合相互間に押し付けられ、そのようなカバーの部分におけるそのような結合を分断し、アンカーシートに対する装飾的カバー、あるいは、他方のモジュールに対する一方のモジュールの再調整を可能とするように、十分に堅く、薄いものであることを特徴とする請求項5記載のカバー用モジュール。
【請求項7】
前記アンカーシートの下面は、弾性のあるアンダークッションを備えることを特徴とする請求項3に記載のカバー用モジュール。
【請求項8】
床に置かれ、十分な質量および剛性のカバーを形成するように隣接した同様なモジュールに取り付けられ、該床に対して取りつけることなく通常の通行にさらされる場合、折れ曲がりなく、または、移動せず、該床の所定位置にとどまることを特徴とする請求項3に記載のカバー用モジュール。
【請求項9】
前記アンカーシートの下面は、滑らないカバーを備えることを特徴とする請求項8に記載のカバー用モジュール。
【請求項10】
第1のモジュールのアンカーシートが、隣接した第2のモジュールに隣接して所定位置に配される場合、該第1のモジュールの装飾的なカバーが、所定量だけ、該第2のモジュールの装飾的カバーに対する所定の関係を保って第2のモジュールに重なるように、前記装飾的なカバーおよび前記装飾的でないアンカーシートは、精密に寸法決めされ、合っている状態でずらして取り付けられ、該アンカーシートおよび該装飾的なカバーにおける所定寸法の重複部分を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のカバー用モジュール。
【請求項11】
前記装飾的なカバーおよび装飾的でないアンカーシートは、該装飾的カバーの下面および該アンカーシートの上面を覆う相補形のフックおよびループ取付システムの手段により取り付けられることを特徴とする請求項10記載のカバー用モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図13a】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図18a】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−28550(P2009−28550A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232716(P2008−232716)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【分割の表示】特願平10−506410の分割
【原出願日】平成9年7月21日(1997.7.21)
【出願人】(500336421)タック ファスト システムズ ソシエテ アノニム (7)
【Fターム(参考)】