説明

カプセル化殺生物剤のブレンド

【課題】カプセル化殺生物剤と遊離殺生物剤とのブレンドを提供する。
【解決手段】本発明は、カプセル化殺生物剤と遊離殺生物剤とのブレンドに関する。特に、本発明はカプセル化4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン(DCOIT)と遊離殺生物剤とのブレンドに関する。本発明は、遊離殺生物剤およびカプセル化DCOITを配合した、海洋防汚コーティングおよび塗料、並びに遊離殺生物剤およびカプセル化DCOITの海洋コーティングおよび塗料における使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセル化殺生物剤の遊離殺生物剤とのブレンドに関する。特に、本発明はカプセル化4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン(DCOIT)の遊離殺生物剤とのブレンドに関する。本発明はさらに、遊離殺生物剤およびカプセル化DCOITを組み入れた海洋防汚コーティングおよび塗料、ならびに海洋防汚コーティングおよび塗料における遊離殺生物剤およびカプセル化DCOITの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋コーティングおよび塗料製造業者らは習慣的に殺生物剤を塗料に添加して、これらの塗料が容器または水中構造物、たとえば、桟橋に適用された場合に、微生物、たとえば、a)軟質汚染生物(soft fouling organism)、たとえば、真菌、たとえば、カビおよび酵母、ならびに細菌、藻類、およびシアノバクテリア、およびb)硬質汚染生物(hard fouling organism)、たとえば、フジツボ、エビ、およびチューブワーム(tubeworms)による塗膜への望ましくない蔓延を防止または抑制する。
【0003】
海中防汚コーティング中の殺生物剤の効果は、コーティングの表面からの殺生物剤の濃度および流れに依存する。理想的には、殺生物剤は、その最小有効レベルを上回るが、殺生物剤が無駄に放出されるほど高くない速度で放出される。実際には、海洋防汚塗料中に配合された殺生物剤は、高い初期速度でフィルムから放出されることが多く、この速度は長時間にわたって有効でないレベルへと徐々に減少する。高い初期放出速度および速度の経時変化は、塗膜に対するある有機殺生物剤の濃度勾配における変化または可塑化効果に起因しうる。放出速度を長時間にわたって制御する方法は、塗膜中の殺生物剤の量および有効な耐用期間を最大にするために望ましい。
【0004】
塗料組成物において用いられるマイクロカプセル化殺生物剤の例が数多くある。たとえば、フィルム形成性ポリマーと組み合わせられた様々なマイクロカプセル化殺生物剤の使用を記載する米国特許第6,365,066号参照。しかしながら、これらの組成物は、微生物の初期制御をもたらすために十分な利用可能な殺生物剤が存在することを確実にする課題を取り扱わない。
【0005】
海洋防汚塗料およびコーティングにおいて使用するために研究されている殺生物剤の一つはDCOITである。DCOITは、水中溶解度が低く、このような塗料においてしばしば用いられる溶媒であるキシレン中の溶解度が高いという利点を有する。残念なことに、低い水溶性のために、フィルムが水中に浸漬された場合にDCOITが塗膜から浸出するのが防止されない。加えて、DCOITは塗膜を可塑化する、すなわち、塗料において用いられる多くのポリマーバインダーのガラス転移温度(Tg)を低下させることが知られている。このような可塑化は、しばしば防汚塗料の乾燥時間を増加させる。これらの特性のために、DCOITを海洋塗料に添加することを望む塗料製造業者らは、浸出並びにTgおよび/または乾燥時間に対する影響を軽減するためにDCOITをカプセル化することを検討してきた。キシレンは海洋塗料用の一般的な溶媒またはベースであるので、DCOITカプセルが本質的にキシレンに対して非透過性でないならば、DCOITはカプセルから漏出し、塗料バインダーと反応し得る。この結果、ある塗料配合物において粘度が増大するか、または塗膜の望ましくない可塑化が起こる。マイクロカプセルが水に対して過度に透過性であるならば、DCOITは塗膜が適用された後、短時間で塗料バインダーから浸出し、前記塗料はその実用寿命の速すぎる段階で微生物により攻撃を受けやすくなりうる。従って、遊離DCOITとカプセル化DCOIT間のバランスが、利用可能な遊離DCOITが汚染生物を制御するのに十分高いが、塗膜の一体性が損なわれるレベルまで塗膜のTgが低減されないことを確実にするために十分低いものである、改善された海洋防汚塗料組成物が必要とされる。
【0006】
架橋したポリマーシェル内に封入することは、殺生物剤、たとえば、DCOITの塗膜中への放出速度を制御するために使用できる。殺生物剤はもはや遊離ではないので、塗膜内でのその濃度は低く、高い初期濃度勾配および可塑化に関する問題は軽減される。放出速度は長時間にわたってより安定している。マイクロカプセルからの殺生物剤の放出速度は、マイクロカプセルシェル壁の化学的性質、粒子サイズ、シェル壁厚さ、シェル壁架橋度、コア中の溶媒の存在などを変えることにより制御できる。カプセル化を利用することに関する困難の一つは、汚染生物に対する長期耐性を有する塗膜を提供するためには、マイクロカプセルからの殺生物剤の放出速度はゆっくりでなければならないことである。残念なことに、この結果、遊離殺生物剤の初期濃度は非常に低くなる。結果として、汚染生物の初期制御は限定される。
【特許文献1】米国特許第6,365,066号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、塗膜中の遊離殺生物剤の全体的な流れを微調整するために、遊離殺生物剤とマイクロカプセルをブレンドすることを使用できることを見いだした。本発明の一態様は、
a キシレンに対して本質的に非透過性の壁材料であり、かつ水が壁材料から殺生物剤を浸出させうる壁材料中に封入されたコア材料としてイソチアゾロン殺生物剤または防汚剤を含むマイクロカプセル化殺生物剤;
b 遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤;
c フィルム形成性ポリマー;および
d 1以上の溶媒:を含むコーティング組成物であって;
遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤の濃度が、組成物の0.25重量%から、示差走査熱量測定法により決定される前記フィルム形成性ポリマーのガラス転移温度を20℃を超えて低減させない濃度までであるコーティング組成物である。
【0008】
本発明のもう一つ別の態様は
a キシレンに対して本質的に非透過性の壁材料であり、かつ水が壁材料から殺生物剤を浸出させうる壁材料中に封入されたコア材料としてイソチアゾロン殺生物剤または防汚剤を含むマイクロカプセル化された殺生物剤;
b 遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤;
c フィルム形成性ポリマー;および
d 1以上の溶媒を含む:コーティング組成物であって;
遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤の濃度が組成物の0.25重量%から、組成物の乾燥時間を増大させない濃度までであるコーティング組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
他に特に記載しない限り、すべてのパーセンテージは重量パーセントであり、すべての範囲は連続し、組み合わせ可能である。
【0010】
カプセル化殺生物剤と遊離殺生物剤とのブレンドの特定の用途は、海洋防汚塗料において使用されるDCOITのカプセル化用である。コーティング組成物の他の潜在的な用途は、建築用コーティング、プラスチック、木材防腐、および物質防腐の他の領域においてである。
【0011】
本発明の一態様において、マイクロカプセルシェルまたは壁材料は、キシレンに対して本質的に非透過性であるように設計される。本発明の目的に関して、「本質的に非透過性」なる用語は、キシレンと45℃で90日間接触させた場合に、カプセル化殺生物剤の20%未満が放出されることを意味する。これは良好な「インキャン(in−can)」安定性をもたらし、DCOITがカプセルから浸出し、乾燥された海洋フィルム中の塗料バインダーと相互作用するか、または可塑化させる傾向を軽減する。マイクロカプセルシェルは水に対して透過性であるべきである。マイクロカプセル化DCOITの良好な放出速度を達成するために、水、さらに詳細には海水の存在下で海洋コーティングの表面へDCOITを徐々に放出させるようにシェル材料は本質的に親水性であるべきである。本発明のもう一つ別の態様において、海水放出を向上させるために、部分的な水溶性、すなわち、25℃で0.1%〜5%の水中溶解度を有する、ある混和性有機溶媒をDCOITとともにカプセル化して、水中でフィルムから放出されるDCOITの速度を向上させる。ある態様において、カプセル化のために混和性DCOITブレンドを形成するために、溶媒、たとえば、二塩基性エステル、ポリグリコールおよびグリコールエーテルアセテート、およびイソブチルイソブチレートを使用することができる。
【0012】
本明細書における議論はDCOITのカプセル化を検討するが、当業者らは、DCOITの他の誘導体および類似体ならびに他の殺生物剤との組み合わせを同様に処理できることを認識するであろう。特に、低い水溶性(たとえば、室温、水中で、2%未満、さらに詳細には1%未満)を有する他の疎水性イソチアゾロン、たとえば、2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロン(OIT)およびベンズイソチアゾロン(BIT)およびそのアルキル誘導体を単独、または互いに、もしくは他の殺生物剤と組み合わせて、本明細書における教示を用いてカプセル化できる。加えて、2%未満の水溶性を有する、防汚剤をはじめとする他の疎水性殺生物剤、たとえば、トリフェニルボロンピリジン、ジクロフルアニド(Diclofluanide)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、イルガロール(Irgarol)、フォルペット(Folpet)、TCMBT、およびジウロンは、本発明における使用に適用可能である。
【0013】
DCOITを多くの壁材料中にカプセル化して、キシレンインキャン安定性を提供し、水にさらされた場合においてDCOITの持続的放出を提供することができる。本発明の特定の態様において、マイクロカプセルは、カプセル化DCOITの放出をキシレン中、室温、90日間で10%未満、好ましくは5%未満に限定することができる。他の態様において、キシレン非透過性は、10%未満、好ましくは5%未満のDCOITが45℃で90日間にわたって放出されるようなものである。さらなる態様において、10%未満のDCOITが45℃で1年にわたって放出される。
【0014】
本発明の一態様によると、加水分解されたポリ酢酸ビニルおよびフェノール系樹脂から形成された壁を有するマイクロカプセルがこの目的のために使用される。本発明の目的に関して、「PVA」なる用語は、部分的または完全に加水分解されたポリ酢酸ビニルを意味する。部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルを使用して形成されるマイクロカプセルの場合において、カプセルシェルの親水性は、壁中に配合された、部分的に加水分解されたPVAの量を変えることにより調節できる。一態様において、PVAおよびフェノール系樹脂成分(たとえば、尿素−レゾルシノール−ホルムアルデヒド)は部分的に加水分解されたPVAの約4〜約8重量部、フェノール系樹脂の約20〜30重量部の量でカプセルシェル中に配合される。これらのマイクロカプセルを製造するためのカプセル化手順は当該分野において周知であり、実施例1において説明する。この実施例において説明するように、DCOITが壁材料と反応するのを防止するために、DCOITは溶媒希釈液、たとえば、Nisseki Chemicalから得られるSAS310などの置換芳香族溶媒と混合される。
【0015】
アミノ−ホルムアルデヒドマイクロカプセル(たとえば、メラミン−ホルムアルデヒド(MF)シェル)は、キシレンに対して非透過性である非常に安定なマイクロカプセルを提供するが、これは、通常の防汚塗料において使用するのに良好な生物有効性を提供するには水中に過度に非透過性である傾向にある。シェルの厚さを最適化することにより、マイクロカプセルの所望の性質のバランスを達成することができることが判明している。本発明の一態様において、粒子サイズ分布およびシェル対コア比によるマイクロカプセルシェル厚さの制御は、拡散特性または持続的放出特性に貢献する。一態様において、マイクロカプセル化DCOITはアミノ−尿素−ホルムアルデヒドシェル系に基づき、目標壁厚は約0.1〜約0.2ミクロンであるか、あるいはシェル対コア比は平均カプセル直径および全体的なカプセルサイズ分布特性に応じて約0.03/1〜0.05/1(重量)である。
【0016】
部分的に加水分解されたPVAはアミノ−尿素ホルムアルデヒド壁においてドーパントとして機能する。本発明の一態様によると、本明細書において「ドーパント」と称する薬剤は、カプセルからDCOITを浸出させる水の能力を向上させるために、マイクロカプセル壁中に組み入れられる。ドーパントの代表例としては、部分的および完全に加水分解されたPVA、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびプロピレングリコールが挙げられる。使用されるドーパントの量は壁の性質および厚さに応じて変化するが、特定の態様において、ドーパントは壁材料の重量基準で約2〜約10重量%の量で壁中に配合される。厚い壁を有するカプセルに関して、必要とされるドーパントの量は、さらに薄い壁のカプセルについて有効な量より多いと予想される。
【0017】
DCOITの水放出または抽出を向上させるために、本発明の一態様において、DCOITは部分的に水混和性の溶媒と混合される。部分的水混和性溶媒の例としては、たとえば、エステルおよびエーテルならびに、さらに詳細には、二塩基性エステル、たとえば、ジメチルアジペート、またはジイソブチルアジペート、ジイソブチルグルタレートおよびジイソブチルスクシネートのブレンド、ポリグリコールP−1200、およびグリコールエーテルEBアセテートが挙げられる。水中で約0.5〜5%の範囲の部分的水溶性を有する混和性有機溶媒が本発明の一態様において用いられる。水溶性の上限は絶対的限度ではないが、溶媒がさらに水溶性である場合には、それが連続相中へ移動し、DCOITとともに残留せず、その水浸出性を向上させる可能性があることを反映する。高沸点親水性溶媒、たとえば、175℃を超える沸点を有するものが使用に望ましい。この溶媒の沸点が低すぎるならば、カプセル乾燥操作中に溶媒をマイクロカプセル中に維持するのが困難である。特定の態様において、さらに高い沸点の、部分的水混和性溶媒は、DCOITの重量基準で、約5〜約50重量%の量でコア中に組み入れられ、他の態様においては、約10〜約25重量%の量で組み入れられる。
【0018】
本発明のある態様において、二重壁カプセルが使用される。特に、アクリルポリマーの第一界面カプセル壁およびPVA−尿素−レゾルシノール−グルタルアルデヒド(PVA−URG)の第二壁を用いた二重カプセル化法は、実施例3においてさらに詳細に説明されるように使用できる。二重アクリル−PVA−URG系は、ホルムアルデヒドフリーな製品を提供するので有利である。PVA−URGまたはアクリル単独ベースのカプセル化の結果、典型的には、粉末として回収するのが困難な、非常に浸出性のカプセルが得らる。しかしながら、2つの系を組み合わせてハイブリッドカプセルシェルを形成すると、乾燥自由流動性カプセル粉末が得られる。
【0019】
本発明のもう一つ別の態様は、アクリルポリマーの第一界面カプセル壁およびPVA−尿素−レゾルシノール−ホルムアルデヒド(PVA−URF)ポリマーを用いる二重カプセル化法(実施例4において説明する)を使用する。本発明のさらに別の態様において、芳香族ポリイソシアネートの界面反応生成物である第一壁、PVA−URF縮合ポリマーの第二壁を含む二重壁マイクロカプセルが形成される(実施例5において説明される)。本発明の他の態様において使用できる他のマイクロカプセル壁系は、PVA−URFでさらに再カプセル化されたメラミン−ホルムアルデヒド(MF)シェルカプセル(実施例6);PVA−URGポリマーで再カプセル化されたMFシェルカプセル(実施例7);MF法で再カプセル化されたPVA−URFシェルカプセル;第一シェルとしてゼラチン−アラビアゴム、およびMFまたはURF縮合ポリマーの第二シェルを含む親水性シェル(実施例8および9)を包含する。
【0020】
二重壁系に関して、MFはキシレン安定性において著しい改善をもたらし、一方、PVA−URFまたはPVA−URG壁はシェルにおいてさらなる親水性をもたらし、水性環境におけるDCOITの拡散を促進する。二重壁系は、塗料配合物および前記塗料の噴霧適用の間のカプセル損傷を最小限に押さえるためのシェル強度を提供する。マイクロカプセル化DCOITの最終的なシェル特性は、2つの壁材料の厚さを調節して、キシレン安定性と海水中のDCOITの拡散のバランスをもたらすことにより達成される。
【0021】
本発明のもう一つ別の態様において、DCOITはまず薄い(たとえば、約0.1ミクロン未満)のMF壁中に封入され、次いで前記のようなPVA壁中にさらに封入される。この場合において、MF壁は、DCOITが壁成分と反応するのを防止するので、SAS310などの溶媒希釈液の使用は、PVA−URF系を使用するカプセル化に必要ではない場合がある。従って、この二重カプセル化法は、溶媒の効果を弱めることなくDCOITのカプセル化を可能にし、従って、さらに費用効果の高い製品を提供する。もちろん、部分的水混和性溶媒をDCOITとともに引き続き使用して水浸出性を向上させることができる。
【0022】
本発明の一態様において、芳香族ポリイソシアネートの反応を伴う界面第一壁、ゼラチン−アラビアゴムの第二シェル、およびMFの第三オーバーコートカプセル壁を含む多シェルマイクロカプセル(実施例10)。イソシアネート/ゼラチン−アラビアゴム/MFの3壁系は、水性環境におけるカプセル壁透過性を制御するもう一つ別の方法である。イソシアネート−ゼラチン界面はDCOITのキシレン系塗料中への時期尚早な拡散を低減する。ポリイソシアネートのPVA−URFとの界面反応は、DCOITをマイクロカプセル化する別の方法を提供する。イソシアネートのPVAまたはポリアミンとの反応により形成されるポリウレタンまたはポリ尿素の界面膜は、キシレン系MAF塗料におけるカプセル安定性を向上させるためのさらなるバリヤを提供する。
【0023】
本発明の一態様によると、噴霧用途において使用されるために、および塗膜における活性成分のより良好な分布を提供するために、マイクロカプセルは小さくあるべきである。一態様において、カプセルサイズは、約5ミクロンから約40ミクロン、さらに典型的には約5ミクロンから約20ミクロンの範囲である。殺生物剤の分布は10ミクロン未満などのさらに小さなカプセルで向上される。
【0024】
一態様において、マイクロカプセルは塗料配合物中に配合される前に乾燥される。噴霧乾燥をはじめとするマイクロカプセルを乾燥するための任意の通常の方法をこの目的のために使用できる。しかしながら、ある塗料については、乾燥せずにマイクロカプセルを塗料中に配合することが可能である。これは水性塗料の場合に特に当てはまる。
【0025】
本発明の一態様によると、カプセル化殺生物剤をフィルム形成性ポリマーまたはバインダー、たとえば、海洋塗料、ゲルコート、および類似の塗料における使用に関して提案された、フィルム形成性ポリマーおよびバインダー(たとえば、天然または合成樹脂またはロジンバインダー)と組み合わせて、コーティング組成物が提供される。本発明の一態様において、海洋防汚塗料組成物を調製することができる。このような塗料は、遊離殺生物剤および本明細書において記載されるマイクロカプセルを、所望の防汚性を付与するために十分な量で塗料中に組み入れることにより調製できる。このような量は当業者が実験的に容易に決定できる。本発明において有用な、文献において報告されている海洋塗料の例は、5〜50重量%、または他の場合においては10〜25重量%のキシレンまたは別の溶媒ベース、20〜30重量%の樹脂バインダーを可塑化するための亜鉛レジネート、10〜20重量%の樹脂バインダー、任意に0〜50重量%、または他の場合においては約30〜40重量%の酸化第一銅顔料、および4〜6重量%のチキソトロピー粘度調節剤を含有することができる。別の種類の海洋塗料は、15%〜20%のポリマー固形分(バインダー)、任意に5%までのロジン、合計10〜15%の殺生物剤、30〜40%の顔料、1%〜3%の添加剤、および30%〜40%の溶媒、典型的にはキシレンを含有することができる。さらに別の種類の海洋塗料は、15%〜20%のポリマー固形分、任意に5%までのロジン、35%〜50%の酸化銅(II)、5%までの全殺生物剤、10%〜15%の顔料、1%〜3%の添加剤、および20%〜30%の溶媒を含有することができる。一般に、成分を次のようによく混合する:200mlの塗料組成物を、0.5Lの容積の気密性金属容器中に、100ml(かさ容積)の直径2〜3mmのガラスビーズとともに導入する。容器を次に45分間、メカニカルシェーカー上で振盪する。最終塗料組成物を濾過によりガラスビーズから分離する。遊離DCOIT殺生物剤およびマイクロカプセル化DOCIT殺生物剤を、所望の海洋防汚特性を提供する量(たとえば、合計約1.5重量%〜30重量%)で塗料中に配合する。必要な量は、遊離DCOITが乾燥コーティングフィルムから浸出する速度およびカプセル化DCOITがマイクロカプセルから浸出する速度の関数である。一態様において、カプセルは、乾燥フィルム中約2%のDCOITを提供する量で添加される。一態様において、遊離DCOITは、フィルム形成性ポリマーまたはバインダー固形分の0.25重量%〜15重量%の量で添加される。別の態様において、遊離DCOITは5%〜15%の量で添加される。さらに別の態様において、遊離DCOITは8%〜12%、好ましくは約10%の量で添加される。
【0026】
遊離DCOITは本発明の組成物に任意の通常の形態において添加することができる。これは、溶液として添加することを含み、ここにおいて、DCOITは組成物と適合性の溶媒中に溶解される。一態様において、DCOITは固体物質として添加される。このような固体物質は、たとえば、粉末、フレーク、または溶融物の形態であってよい。通常の一形態は、たとえば、Rohm and Haas Companyから得られるKathon(商標)287T殺微生物剤などの工業グレードの活性成分として物質を添加することである。
【0027】
遊離およびマイクロカプセル化DCOITの組み合わせの他の用途は、ラテックスまたは油性塗料およびコーティング、接着剤、シーラント、コーキング剤、マスチック、およびパッチング材、建築材料、屋根材、たとえばこけら板、プラスチック、高分子複合材料、紙加工、紙コーティング、木材防腐、冷水塔、金属工作液中の殺生物剤として、および一般的防腐剤としての使用を包含しうる。当業者は特定の用途のために組成物を変更するであろう。
【0028】
本発明の別の具体例によると、遊離DCOITと2以上のマイクロカプセルとの組み合わせを用いて、異なる速度で殺生物剤の放出が起こる組成物を提供することができ、例えば、短時間の後または以降に殺生物剤を放出する1つのマイクロカプセルを使用することができ、かつ幾分より長い時間の後または以降に殺生物剤を放出する別のマイクロカプセル(単数または複数)を使用することができる。これらのマイクロカプセルは本発明の他の態様に従って異なる壁材料または異なる壁厚さで作ることができる。
【0029】
本発明を以下の非制限的実施例によりさらに説明する。他に特に記載しない限り、DCOITの供給源はKathon(商標)287T殺生物剤であった。実施例1〜10はDCOITをカプセル化するための多くの技術を記載する。
【実施例】
【0030】
実施例1
溶媒希釈液を含有するDCOITのマイクロカプセル化
それぞれ160グラムの5%強度のPVAの水性溶液(Vinol(商標)540およびVinol(商標)125、どちらもAir Productsにより製造)および300グラムの水からなる水性相を調製する。水性相を40℃に加熱する。
コア材料を、100グラムのDCOIT(97%)および100グラムの置換芳香族溶媒、SAS310(Nisseki Chemicalにより製造)の混合物として調製し、40℃に加熱する。水性相およびコア材料を1クォートのWaring Blenderジャーに添加し、スラリーを中速で約15分間乳化させて、約10〜40ミクロンのサイズ範囲の液滴の水中油エマルジョンを製造する。エマルジョンを1リットルビーカーに移す。温度を約40℃に維持しながら、タービンインペラーを用いてスラリーをゆっくりと混合する。4グラムの尿素および10グラムのレゾルシノールの60グラムの水中溶液をゆっくりとエマルジョンに添加する。2gの硫酸ナトリウムの30グラムの水中溶液を続いてスラリーに滴下様式で添加する。30mlの37%ホルムアルデヒド溶液を滴下添加し、10分後、20mlの10%硫酸溶液を5分間かけて添加する。スラリーを45℃に温め、約1時間後、4グラムの尿素、6グラムのレゾルシノール、50グラムの水および20mlの37%ホルムアルデヒドの溶液の2回目の添加物を滴下添加する。この溶液を分割し、半分を15分で添加し、続いて15分間保持した後、次の半分を添加することができる。1時間後、前記のような別の溶液を同じようにしてスラリーに添加する。スラリーを55℃に加熱し、16時間撹拌する。マイクロカプセルスラリーを周囲温度に冷却し、10%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7.0に調節する。スラリーを次いで水で希釈し、125〜150μmシーブを用いて篩別してカプセル化空気およびデブリスを除去する。スラリーを放置してマイクロカプセルを沈降させる。上澄み液をデカントし、マイクロカプセル濃縮物を水で再スラリー化させる。W.R.Grace Companyから得た少量のSyloid 244シリカをスラリー中に撹拌し;ワットマン4.0濾紙を使用してマイクロカプセルを真空濾過し、トレーを乾燥して、230グラムの乾燥自由流動性粉末を得る。
【0031】
実施例2
ニートDCOIT殺生物剤のマイクロカプセル化
ニートDCOITのマイクロカプセル化は、水性連続相中で行われ、アミノ−ホルムアルデヒドシェルを含むマイクロカプセルが製造される。27.5gの37.5%エチレン無水マレイン酸コポリマー(Zeeland Chemical Companyにより製造)溶液および30.37gの水からなる水性相を調製し、45℃に加熱する。別の容器中、32.5gのDCOIT97%を45℃に加熱して、液体溶融物を形成する。Ika−Worksミキサーおよび高速タービンを用い、主に10〜50μmの範囲のDCOIT液滴を製造するために速度を調節して、溶融DCOITコア材料を水性相中に分散させることによりエマルジョンを調製する。乳化プロセスの間、温度を45℃に維持しながら、5.58グラムのCymel385(Cytecにより製造)を添加して、エマルジョンを安定化させる。約15分後、撹拌速度を減少させ、温度を50℃付近に維持しながら追加の1.79グラムのCymel385樹脂を添加する。数分後、5%PVA(Air Productsにより製造されるVinyl(商標)540)の5グラム溶液を添加し、続いて11グラムのリン酸二水素カリウムの15%塩溶液を10分にわたって滴下添加する。マイクロカプセルスラリーの温度をゆっくりと65℃に上昇させ、塩の添加後約1.5時間に2.06グラムの尿素を添加する。さらに4時間65℃で撹拌後、スラリーを周囲温度に冷却し、45%水酸化カリウム溶液を用いてpHを7.0に調節する。スラリーを水で1:1に希釈し、125μmシーブを用いて篩別して、カプセル化空気およびデブリスを除去する。マイクロカプセルを沈降させ、上澄み液をデカントする。マイクロカプセル濃縮物を水中で再スラリー化させ、デカンテーションプロセスを繰り返す。マイクロカプセルを水で再スラリー化させ;ワットマン4.0濾紙を用いて真空濾過し;トレーを周囲条件で実験室用ベンチ上または温オーブン中のいずれかで乾燥させる。結果として得られるマイクロカプセルは乾燥自由流動性粉末であり、これは、本発明の一態様に従って、容易に海洋塗料配合物中に配合されて海洋コーティングを提供しうる。
【0032】
実施例3A
アクリルおよびPVA−尿素−レゾルシノール−グルタルアルデヒドの二重シェルを用いたDCOIT殺生物剤のマイクロカプセル化
溶融DCOIT(150g)を50℃付近の温度で、メチルメタクリレート(10g)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(10g)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(10g)と一緒に混合することにより、内相を調製する。乳化の直前に、tertブチルパーピバレート(1g)を内相中に混合する。Waringの1リットルブレンダーを用いて、PVA(DuPontにより製造されるElvanol(商標)50−42)(6g)を含有する水(254g)中で10分間、安定なエマルジョンが形成されるまで内相を均質化させる。エマルジョンを次いで、オーバーヘッド撹拌装置、温度計および窒素供給を備えた1リットルのビーカー中に移し、90℃に加熱しながら1時間窒素で脱酸素化させる。バッチを次いで、窒素の除去後、90℃で1.5時間保持した後、45℃に冷却する。結果として得られたエマルジョンは、それぞれ19ミクロンの平均粒子サイズを有するDCOITを封入するポリマーシェルを含むポリマー粒子を含有する。
【0033】
カプセル化DCOITの粒子を次いで、硫酸アルミニウムTG8.3%(60g)を12分にわたって滴下添加し、10v/v%硫酸(34g)を12分にわたって滴下添加し、尿素(2g)、レゾルシノール(1.5g)、および水(20g)の混合物を12分にわたって滴下添加することを含む45℃での二次処理に付す。次に、25%グルタルアルデヒド(5g)および水(5g)の混合物を非常にゆっくりと20分かけて滴下添加して、凝集を防止する。次に、尿素(2g)、レゾルシノール(1.5g)、および水(20g)の2回目の添加を12分にわたって行い、続いてグルタルアルデヒド(5g)および水(5g)の混合物を12分にわたって滴下添加する。続いて、尿素(2g)、レゾルシノール(1.5g)、および水(20g)の3回目の添加を12分にわたって行い、続いて25%グルタルアルデヒド(5g)および水(5g)の混合物を12分にわたって滴下添加する。すべての添加を行った後、温度を45℃〜50℃に上昇させ、一夜保持して、約16時間硬化させる。冷却およびpH中和後、マイクロカプセルを濾過し、乾燥させて、微細自由流動性粉末を得、これを海洋塗料配合物中に容易に配合して、本発明の一態様の海洋コーティングを得ることができる。
【0034】
実施例3B
硫酸アルミニウムの代わりに水(30g)中に溶解させた硫酸ナトリウム粉末(2g)の溶液を用いて、実施例3Aを繰り返す。硫酸ナトリウム溶液を12分にわたって滴下添加する。再び、海洋塗料処方中に容易に配合できる乾燥自由流動性粉末を得て、本発明の一態様に従って海洋コーティングを得ることができる。
【0035】
実施例4
アクリルポリマーおよびPVA−尿素−レゾルシノール−ホルムアルデヒドポリマーの第一界面カプセル壁を用いた二重カプセル化方法
溶融DCOIT(150g)を50℃付近の温度で、メチルメタクリレート(10g)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(10g)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(10g)と一緒に混合することにより、内相を調製する。乳化の直前に、tertブチルパーピバレート(1g)を内相中に混合する。Waringの1リットルブレンダーを用いて、PVA(Elvanol(商標)50−42)(6g)および(Elvanol(商標)71−30)(6g)を含有する水(453g)中で8分間、安定なエマルジョンが形成されるまで内相を均質化させる。エマルジョンを次いで、オーバーヘッド撹拌装置、温度計および窒素供給を備えた1.5リットルのビーカー中に移し、90℃に加熱しながら1時間窒素で脱酸素化させる。バッチを次いで、窒素の除去後、90℃に1.5時間保持した後、40℃に冷却する。結果として得られたエマルジョンは、それぞれ19ミクロンの平均粒子サイズを有するDCOITを封入するポリマーシェルを含むポリマー粒子を含有する。カプセル化DCOITの粒子を次いで、尿素(3g)、レゾルシノール(7.5g)、および水(45g)の混合物を12分にわたって滴下添加することを含む40℃での二次処理に付す。次に、硫酸ナトリウム粉末(1.5g)および水(22.5g)の溶液を10分にわたって滴下添加する。次に、ホルムアルデヒド(22.5ml)の37%溶液を10分にわたって滴下添加する。10分間40℃で保持した後、10v/v%硫酸を6分にわたって滴下添加する。バッチを次いで撹拌し、1時間かけて45℃にゆっくりと加熱する。次に、尿素(3g)、レゾルシノール(4.5g)、水(37.5g)および37%ホルムアルデヒド(15ml)の溶液の2回目の添加を半分に分割し、12分にわたって添加し、続いて、45℃で15分保持した後、次の半分を添加する。バッチを撹拌し、1時間かけて48℃にゆっくりと加熱する。尿素(3g)、レゾルシノール(4.5g)、水(37.5g)および37%ホルムアルデヒド(15ml)の3回目の添加を12分にわたって添加する。すべての添加を行った後、温度を48℃〜50℃に上昇させ、一夜保持して約16時間硬化させる。冷却およびpH中和後、マイクロカプセルを濾過し、乾燥させて、乾燥生成物を得、これを海洋塗料配合物中に容易に配合して、本発明の一態様に従って海洋コーティングを得ることができる。
【0036】
実施例5
芳香族ポリイソシアネートの反応を伴う界面第一壁、PVA−尿素−レゾルシノール−ホルムアルデヒド縮合ポリマーの第二シェルを含む二重壁マイクロカプセル化
溶融DCOIT(90g)を50℃付近の温度で、Desmodur(商標)L75(Bayer)(10g)と一緒に混合することにより、内相を調製する。Waringの1リットルブレンダーを用いて、PVA(Elvanol(商標)50−42)(4g)および(Elvanol71−30)(4g)を含有する水(302g)中で13分間、安定なエマルジョンが形成されるまで内相を均質化させる。エマルジョンを次いでオーバーヘッド撹拌装置および温度計を備えた1リットルのビーカー中に移す。バッチを次いで50℃に加熱し、トリエチレンジアミン(0.5g)および水(10g)の溶液を滴下添加する。バッチを次いで50℃で一夜保持する。結果として得られるエマルジョンは、それぞれ16ミクロンの平均粒子サイズを有するDCOITを封入するポリマーポリ尿素シェルを含むポリマー粒子を含有する。カプセル化DCOITの粒子を次いで、尿素(2g)、レゾルシノール(5g)、および水(30g)の混合物を12分にわたって滴下添加することを含む40℃での二次処理に付す。次に、硫酸ナトリウム粉末(1g)および水(15g)の溶液を6分にわたって滴下添加する。次に、ホルムアルデヒドの37%溶液(15ml)を7分にわたって滴下添加する。10分間40℃で保持した後、10v/v%硫酸を5分にわたって滴下添加する。バッチを次いで撹拌し、1時間かけて45℃にゆっくりと加熱する。次に、尿素(2g)、レゾルシノール(3g)、水(25g)および37%ホルムアルデヒド(10ml)の2回目の添加を半分に分割して、12分にわたって添加し、続いて45℃で15分間保持した後、次の半分を添加する。バッチを次いで撹拌し、1時間かけて48℃にゆっくりと加熱する。尿素(2g)、レゾルシノール(3g)、水(25g)および37%ホルムアルデヒド(10ml)の3回目の添加を12分にわたって添加する。すべての添加を行った後、温度を48℃〜50℃に上昇させ、一夜保持して約16時間硬化させる。冷却およびpH中和後、マイクロカプセルを濾過し、乾燥させて、凝塊を単離する。
【0037】
実施例6
PVA−URFポリマーで再カプセル化されたMFシェルカプセル
DCOIT(260g)を50℃付近の温度で融解させることにより、内相を調製する。Waringの1リットルブレンダーを用いて、110.0gの3.75%エチレン無水マレイン酸コポリマー溶液および121.48gの水からなる水性A溶液中に内相を均質化させる。乳化プロセスの間、温度を50℃付近に維持しながら、Cytec製造のCymel(商標)385(22.33g)を添加してエマルジョンを安定化させる。約15分後、撹拌を低下させ、10〜50μm液滴が形成される。エマルジョンを次いで、オーバーヘッド撹拌装置および温度計を備えた1リットルビーカー中に移す。次いで、リン酸二水素カリウムの15%塩溶液(44g)を滴下する。バッチを、1.5時間にわたって65℃に加熱し、4時間保持し、次いで冷却する。結果として得られたエマルジョンは、それぞれ16ミクロンの平均粒子サイズを有するDCOITを封入するポリマーアミノ−ホルムアルデヒドシェルを含むポリマー粒子を含有する。
【0038】
カプセル化DCOITスラリーの粒子を次いで半分に分ける。この(272g)フラクションを、45℃で、尿素(3g)、レゾルシノール(3g)、および水(30g)を10分かけて滴下添加することを含む45℃での二次処理に付す。次に、ホルムアルデヒドの37%溶液(18ml)を7分にわたって滴下添加する。10分間45℃で保持した後、10v/v%硫酸(10ml)を5分かけて滴下添加する。このバッチを次いで45℃で1時間にわたって撹拌する。次に、尿素(3g)、レゾルシノール(7g)、水(30g)および37%ホルムアルデヒド(25ml)の溶液の2回目の添加を半分に分け、12分にわたって添加し、続いて45℃で15分保持した後にもう半分を添加する。バッチを次いで撹拌し、1時間かけてゆっくりと55℃に加熱する。次いで60℃に3時間加熱し、冷却する。冷却およびpH中和後、マイクロカプセルを濾過し、乾燥して、微細自由流動性粉末を得、これは海洋塗料配合物中に容易に組み入れることができ、本発明の一態様の海洋コーティングを得る。
【0039】
実施例7A
PVA−尿素−レゾルシノール−グルタルアルデヒドポリマーで再カプセルかされたMFシェルカプセル
DCOIT(260g)を50℃付近の温度で融解させることにより、内相を調製する。Waringの1リットルブレンダーを用いて、110.0gの3.75%エチレン無水マレイン酸コポリマー溶液および121.48gの水からなる水性溶液中に内相を均質化させる。乳化プロセスの間、温度を50℃付近に維持しながら、Cytec製造のCymel(商標)385(22.33g)を添加してエマルジョンを安定化させる。約15分後、撹拌を減じ、10〜50μm液滴が形成される。エマルジョンを次いでオーバーヘッド撹拌装置および温度計を備えた1リットルビーカー中に移す。次いで、リン酸二水素カリウムの15%塩溶液(44g)を滴下添加する。バッチを、1.5時間にわたって65℃に加熱し、4時間保持し、次いで冷却する。結果として得られるエマルジョンは、16ミクロンの平均粒子サイズを有するDCOITを封入するポリマーアミノ−ホルムアルデヒドシェルをそれぞれ含むポリマー粒子を含有する。カプセル化DCOITスラリーの粒子を次いで半分に分け、半分がろ過されて、80.51%(127.5gの乾燥重量)の湿潤スラリーを得る。湿潤ケーキを次いで、PVA(Elvanol(商標)50−42)(6g)を含有する水(254g)の混合物中に再懸濁させ、硫酸アルミニウムTG8.3%(60g)を12分にわたって滴下し、10v/v%硫酸(34g)を12分にわたって滴下添加し、尿素(2g)、レゾルシノール(1.5g)、および水(20g)の混合物を12分にわたって滴下添加することを含む45℃での二次処理に付す。次に25%グルタルアルデヒド(5g)および水(5g)の混合物を20分かけて非常にゆっくりと滴下添加して、凝集を防止する。次いで、尿素(2g)、レゾルシノール(1.5g)、および水(20g)の2回目の添加を12分にわたって添加し、続いて25%グルタルアルデヒド(5g)および水(5g)の混合物を12分にわたって滴下添加する。続いて尿素(2g)、レゾルシノール(1.5g)、および水(20g)の3回目の添加を12分にわたって添加し、続いて25%グルタルアルデヒド(5g)および水(5g)の混合物を12分にわたって滴下添加する。すべての添加を行った後、温度を45〜50℃に上昇させ、一夜保持して、約16時間硬化させる。冷却およびpH中和後、マイクロカプセルを濾過し、乾燥させて、微細自由流動性粉末を得、これは海洋塗料配合物中に容易に組み入れることができ、本発明の一態様の海洋コーティングを得ることができる。
【0040】
実施例7B
硫酸アルミニウムの代わりに水(30g)中に溶解させた硫酸ナトリウム粉末(2g)の溶液を用いて実施例7Aを繰り返す。硫酸ナトリウム溶液を12分にわたって滴下添加する。ここでも、乾燥自由流動性粉末が製造され、これは海洋塗料配合物中有に容易に配合することができ、本発明の一態様の海洋コーティングを得ることができる。
【0041】
実施例8
第一シェルとしてゼラチン/アラビアゴム、および第二壁としてメラミン樹脂を用いた二重カプセル化
Ika−Worksミキサーおよび4ブレードタービンインペラーを備えた1000mlビーカー中、6グラムの300ブルームゼラチンおよび6グラムの噴霧乾燥されたアラビアゴムを240mlの脱イオン水中に溶解させる。再び、室温での混合を開始し、撹拌しながら80℃に加熱する。10%NaOHでpHを調節して(〜pH7)、溶液を透明にする。10%酢酸でpHを4.1に調節する。40グラムのDCOITを50〜60℃に温めて溶融させる。ゼラチン/アラビアゴム溶液を温ブレンダージャーに写し、DCOIT溶融物を添加する。ゆっくりと(〜10分)乳化させて、所望の液滴サイズ(10〜40ミクロン)を得る。空の水浴中のビーカー−ミキサー装置に戻す。分液漏斗を用いて、約175mlの温(50〜60℃)脱イオン水を滴下添加するする。顕微鏡で調べて、部分的に液滴をおおう流体相の液−液相分離を観察する。脱イオン水の量を調節して、この結果を得る。数個のアイスキューブを水浴に添加することによりビーカーをゆっくりと冷却し始める。35℃で、流体ポリマー相が顕微鏡により観察される。28℃にゆっくりと冷却し続ける。検出可能な壁が形成され、遊離ポリマーがほとんどなく、溶液がほとんど透明であるかどうかを検証するために再び顕微鏡で調べる。25℃にゆっくりと冷却し続ける。実質的な壁が観察され、遊離ポリマーは観察されない。15℃に冷却を続け、この時点で、10グラムの25%グルタルアルデヒドを添加する。さらに氷を添加した後、一夜撹拌し、反応を室温に温める。カプセルを沈降させ、300mlの脱イオン水ですすぐことにより2回デカントする。濾過し、1.5グラムのAerosil 972Rをフィルターケーキに添加し、広口瓶中で振盪してよく混合することにより、カプセルをこの時点で単離することができる。粉末をペーパータオル上に広げて、一夜ベンチ乾燥する。この結果、単一の(液滴)カプセルならびに若干の凝集物を有する自由流動性粉末を得た。
【0042】
2回デカントされたスラリーを濾過することにより、第二の壁を添加することができる。湿潤フィルターケーキを25グラムの3.75%EMA溶液および50mlの脱イオン水中に再懸濁させる、12mの脱イオン水中3グラムのCymel385中に滴下しながら50℃に加熱を始める。50℃で、10グラムの15%リン酸二水素溶液を滴下添加する。65℃に加熱し、一夜保持する。室温に冷却し、45%水酸化カリウム溶液でpH7.0に調節する。濾過し、脱イオン水で洗浄する。ペーパータオル上に広げて乾燥させる。この結果、単一(液滴)カプセルならびに若干の凝集物を有する自由流動性粉末を得た。
【0043】
実施例9
第一シェルとしてゼラチン/アラビアゴムおよび第二壁として尿素−レゾルシノール−ホルムアルデヒドポリ縮合物を用いた二重カプセル化
Ika−Worksミキサーおよび4ブレードタービンインペラーを備えた1000mlビーカー中、6グラムの300ブルームゼラチンおよび6グラムの噴霧乾燥されたアラビアゴムを240mlの脱イオン水中に溶解させる。室温での混合を再び開始し、撹拌しながら80℃に加熱する。10%NaOHでpHを調節して(〜pH7)、溶液を透明にする。10%酢酸でpHを4.1に調節する。40グラムのDCOITを50〜60℃に温めて溶融させる。ゼラチン/アラビアゴム溶液を温ブレンダージャーに写し、DCOIT溶融物を添加する。ゆっくりと(〜10分)乳化させて、所望の液滴サイズ(10〜40ミクロン)を達成する。空の水浴中のビーカー−ミキサー装置に戻す。分液漏斗を用いて、約175mlの温(50〜60℃)脱イオン水を滴下添加する。顕微鏡で調べて、部分的に液滴をおおう流体相の液−液相分離を観察する。脱イオン水の量を調節して、この結果を得る。数個のアイスキューブを水浴に添加することによりビーカーをゆっくりと冷却し始める。35℃で、流体ポリマー相が顕微鏡により観察される。28℃にゆっくりと冷却し続ける。検出可能な壁が形成され、遊離ポリマーがほとんどなく、溶液がほとんど透明であるかどうかを確認するために再び顕微鏡で調べる。25℃にゆっくりと冷却し続ける。実質的な壁が観察され、遊離ポリマーは観察されない。15℃に冷却を続け、この時点で、10グラムの25%グルタルアルデヒドを添加する。さらに氷を添加した後、一夜撹拌し、反応を室温に温める。カプセルを沈降させ、300mlの脱イオン水ですすぐことにより2回デカントする。濾過し、1.5グラムのAerosil(商標)972R(Degussa)をフィルターケーキに添加し、広口瓶中で振盪してよく混合することにより、カプセルをこの時点で単離することができる。粉末をペーパータオル上に広げて、一夜ベンチ乾燥する。この結果、単一の(液滴)カプセルならびに若干の凝集物を有する自由流動性粉末を得た。2回デカントされたスラリーを濾過することにより、第二の壁を添加することができる。湿潤フィルターケーキを25グラムの3.75%EMA溶液および50mlの脱イオン水中に再懸濁させる。50℃に加熱し始め、その間、2グラムの尿素および10mlの脱イオン水中0.2グラムのレゾルシノール中に滴下する。50℃で、5グラムの37%ホルムアルデヒド溶液を滴下し、次いで10グラムの15%リン酸二水素溶液を添加する。55℃に加熱し、一夜保持する。室温に冷却し、45%水酸化カリウム溶液でpH7.0に調節する。濾過し、脱イオン水で洗浄する。ペーパータオル上に広げて乾燥させる。この結果、単一(液滴)カプセルならびに若干の凝集物を有する自由流動性粉末を得た。
【0044】
実施例10
ポリウレタン/ポリ尿素、ゼラチン/アラビアゴムおよびメラミン樹脂を含む多シェルマイクロカプセル
Ika−Worksミキサーおよび4ブレードタービンインペラーを備えた1000mlビーカー中、6グラムの300ブルームゼラチンおよび6グラムの噴霧乾燥されたアラビアゴムを240mlの脱イオン水中に溶解させる。室温での混合を再び開始し、撹拌しながら80℃に加熱する。10%NaOHでpHを調節して(〜pH7)、溶液を透明にする。10%酢酸でpHを4.1に調節する。40グラムのDCOITを50〜60℃に温めて、溶融させる。4グラムのDesmondure(商標)CB−75を添加し、よく混合する。ゼラチン/アラビアゴム溶液を温ブレンダージャーに移し、DCOIT溶液を添加する。ゆっくりと(〜10分)乳化させて、所望の液滴サイズ(10〜40ミクロン)を得る。空の水浴中のビーカー−ミキサー装置に戻す。分液漏斗を用いて、約175mlの温(50〜60℃)脱イオン水を滴下添加する。顕微鏡で調べて、部分的に液滴を覆う流体相の液−液相分離を観察する。脱イオン水の量を調節して、この結果を得る。数個のアイスキューブを水浴に添加することによりビーカーをゆっくりと冷却し始める。35℃で、流体ポリマー相が顕微鏡により観察される。28℃にゆっくりと冷却し続ける。検出可能な壁が形成され、遊離ポリマーがほとんどなく、溶液がほとんど透明であるかどうかを検証するために再び顕微鏡で調べる。25℃にゆっくりと冷却し続ける。実質的な壁が観察され、遊離ポリマーは観察されない。15℃に冷却を続け、この時点で、10グラムの25%グルタルアルデヒドを添加する。さらに氷を添加した後、一夜撹拌し、反応を室温に温める。カプセルを沈降させ、300mlの脱イオン水ですすぐことにより2回デカントする。濾過し、1.5グラムのAerosil(商標)972Rをフィルターケーキに添加し、広口瓶中で振盪してよく混合することにより、カプセルをこの時点で単離することができる。粉末をペーパータオル上に広げて、一夜ベンチ乾燥する。この結果、単一の(液滴)カプセルならびに若干の凝集物を有する自由流動性粉末を得た。2回デカントしたスラリーを濾過することにより第三の壁を添加することができる。湿潤フィルターケーキを25グラムの3.75%EMA溶液および50mlの脱イオン水中に再懸濁させる。50℃に加熱し始め、その間、12mlの脱イオン水中3グラムCymel385中に滴下する。50℃で、10グラムの15%リン酸二水素溶液を滴下する。65℃に加熱し、一夜保持する。室温に冷却し、45%水酸化カリウム溶液でpH7.0に調節する。濾過し、脱イオン水で洗浄する。ペーパータオル上に広げて乾燥させる。この結果、単一(液滴)カプセルならびに若干の凝集物を有する自由流動性粉末を得た。
【0045】
実施例11
ポリマーTgに対するDCOITの効果
溶媒キャスティングにより2種の試験ポリマーのフィルムを数枚調製した。フィルムを様々な時間、周囲温度および60℃で乾燥させた。フィルムのTgをDSCにより測定し、GC分析による定量化のために同じ日に残留する溶媒をフィルムから抽出した。様々な乾燥時間後および温度で、残留する溶媒(%)およびTgを試験ポリマーについて測定した。残留溶媒はフィルムのすべてにおいて見られ、測定されたTgは予想されるTgよりも低くなった。結果を表Iに示す。ポリマー1は、トルエンからキャストされるAcryloid(商標)B−72ポリマー(Rohm and Haas Company)であり、ポリマー2はメチルイソブチルケトンからキャストされるVinylite(商標)VYHHポリマーであった。
【0046】
【表1】

【0047】
溶媒キャスティングにより、DCOITを様々な量で含有する2種の試験ポリマーの一連のフィルムを調製した。周囲温度での乾燥期間後、Tg、残留溶媒(%)、およびDCOIT(%)をフィルムにおいて測定した。結果を表IIに示す。
【0048】
【表2】

【0049】
表IIにおける測定されたTg値は、DCOITおよび残留溶媒によるTgの減少を反映する。DCOITのポリマーフィルムに対する影響を定量化できるように、溶媒効果を差し引いた。DCOITおよび残留溶媒を含有する各フィルムについて、フィルムが溶媒のみを含有する場合に予想されるTgを、溶媒対Tg曲線の線形回帰から得られた式から計算した。測定されたTgを次いで予想される溶媒のみのTgから差し引いて、DCOITの存在によるTg変化の程度を得る。この差を次に(Tg対溶媒曲線)の切片から差し引いて、補正されたTgを得た。
【0050】
実施例12
ポリマーフィルムからのDCOITの浸出
配合物重量基準で異なる重量パーセントの遊離およびカプセル化DCOIT活性物質を用いて3種の海洋防汚塗料(浸食型)を調製した。塗料は、(1)2.0%遊離DCOIT、(2)PVAがドーパントとして添加されず、より低い硬化温度が使用され、マイクロカプセルが、より厚いシェル壁を有し、より低い塩レベル(リン酸二水素カリウム)が使用された以外は実施例2の方法を用いて調製された、1.75%のカプセル化DCOITとブレンドされた0.25%の遊離DOIT、および(3)同様の変更を用いて調製された2.0%カプセル化DCOITを含有していた。塗料をポリカーボネート試験シリンダー(約6.4cmの外径を有する)に適用して、200cmの塗膜表面積および100μmの最小乾燥フィルム厚を得た。乾燥後、シリンダーの塗装された表面を合成海水の貯蔵タンク中に浸漬した。表示された時間の後、試験シリンダーの塗装された表面を貯蔵タンクから取り出し、1500mLの新しい合成海水を含有する個々の測定容器中に浸漬し、60回転/分で60分間回転させた。60分後、シリンダーを貯蔵タンクに戻した。HPLCを使用して、測定容器中の海水中のDCOITの濃度を測定し、塗膜表面からのDCOIT浸出(μg/cm/日)速度を計算するために使用した。結果は表IIIである。
【0051】
【表3】

【0052】
これらのデータは、塗膜からの殺生物剤の全体的流出を微調整するために、マイクロカプセル化DCOITを遊離DCOITとブレンドすることを使用できることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a キシレンに対して本質的に非透過性の壁材料であり、かつ水が壁材料から殺生物剤を浸出させうる壁材料中に封入されたコア材料としてイソチアゾロン殺生物剤または防汚剤を含むマイクロカプセル化殺生物剤;
b 遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤;
c フィルム形成性ポリマーまたはバインダー;および
d 1以上の溶媒:
を含むコーティング組成物であって;
遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤の濃度が、組成物の0.25重量%から、前記フィルム形成性ポリマーのガラス転移温度を20℃を超えて低減させない濃度までである、コーティング組成物。
【請求項2】
マイクロカプセル化殺生物剤が、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロンを含む請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項3】
遊離イソチアゾロン殺生物剤が4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロンを含む請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項4】
組成物が2以上のマイクロカプセル化殺生物剤または防汚剤を含む請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項5】
組成物が2以上の遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤を含む請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項6】
a キシレンに対して本質的に非透過性の壁材料であり、かつ水が壁材料から殺生物剤を浸出させうる壁材料中に封入されたコア材料としてイソチアゾロン殺生物剤または防汚剤を含むマイクロカプセル化殺生物剤;
b 遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤;
c フィルム形成性ポリマーまたはバインダー;および
d 1以上の溶媒:
を含むコーティング組成物であって;
遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤の濃度が、組成物の0.25重量%から、組成物の乾燥時間を増大させない濃度までであるコーティング組成物。
【請求項7】
マイクロカプセル化殺生物剤が4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾロンを含む請求項6記載のコーティング組成物。
【請求項8】
遊離イソチアゾロン殺生物剤が4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−(2H)−イソチアゾロンを含む請求項6記載のコーティング組成物。
【請求項9】
組成物が2以上のマイクロカプセル化殺生物剤または防汚剤を含む請求項6記載のコーティング組成物。
【請求項10】
組成物が2以上の遊離イソチアゾロン殺生物剤または防汚剤を含む請求項6記載のコーティング組成物。

【公開番号】特開2007−246527(P2007−246527A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−67141(P2007−67141)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】