説明

カプセル形成

カプセル構成要素がHPMCなどの加熱によってゲル化する材料で形成される、硬質殻のカプセル構成要素を形成する方法および装置。複数の成形用型を加熱するための加熱ステーションが、熱ゲル化材料の溶液中に浸漬する前に設けられる。浸漬後の乾燥条件は、乾燥速度を制御するために細かく調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質殻のカプセル構成要素を形成する方法と装置に関し、カプセル構成要素は加熱によってゲル化する材料で形成される。
【背景技術】
【0002】
多くの硬質殻カプセルはゼラチンで製造される。したがって、市販の硬質殻カプセル製造用装置は、カプセル材料としてゼラチンを使用することを基本としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ゼラチン以外の材料で作られた硬質殻のカプセルに対する必要性が存在する。これらの材料の多くは、熱ゲル化する、すなわち加熱によってゲルを形成する、ポリマーである。これは冷却によってゲル化するゼラチンと対照的である。熱ゲル化するポリマーの例としては、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースポリマーが含まれる。
【0004】
カプセルを形成するためのゼラチンの使用を、熱ゲル化材料に変えることによって、カプセル形成装置の問題が生じる。通常、この装置は加熱されたゼラチン溶液を入れた槽に、低温の成形用型を浸漬するように構成される。次にこの成形用型は、一連の乾燥用オーブンまたはキルンを通して搬送され、溶媒(通常、水、または水/アルコール混合物)を除去し、成形用型の上に硬化されたカプセル構成要素を形成する。乾燥用オーブンは、カプセルの品質が落ちないように、成形されたカプセル構成要素を最適な速度で、乾燥し冷却するように構成される。
【0005】
しかし当業者は、この装置をHPMCなどの熱ゲル化材料でカプセル構成要素を形成するために使用するには、大幅に修正する必要があることを認識している。例えば、成形された構成要素の冷却が速すぎると、それらはゲル状から液状に戻る相変換を起こし、それによって当然、低品質のカプセル構成要素となるか、あるいは成形用型の上にカプセル材料がほとんどまたは全く残らない結果になることが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、ゼラチンカプセル構成要素を成形するために通常使用される装置を、熱ゲル化材料で形成されるカプセル構成要素を形成できるように適合させる問題の少なくともいくつかを、解決または改善することである。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、硬質殻のカプセル構成要素を形成する方法において、カプセル構成要素は加熱によりゲル化する材料で形成され、本方法は、複数の構成要素の成形用型をカプセル材料のゲル化温度より高い温度まで予熱するステップと、予熱された成形用型をカプセル材料の溶液中に浸漬するステップと、成形用型のそれぞれの成形された構成要素と共に成形用型を乾燥ステーションへ搬送するステップと、を含み、乾燥ステーションは、成形用型が相対湿度20〜90%で温度範囲50〜90℃にさらされる第1のセクションを含む、方法が提供される。
【0008】
本発明と既知のゼラチンカプセル構成要素の型成形方法との間の主な違いは、成形用型をゲル化温度を超す温度に予熱する予熱ステップ、および乾燥ステーションの第1のセクションである。成形されたカプセル構成要素がゲル化温度以下に冷えて液化することを防止するために、第1のセクション内を比較的高温に維持することが必要であることが判明している。しかし、この相対的高温によって、成形された構成要素の乾燥が速すぎ、それによって構成要素内に存在するには大きい応力と歪みを起こすことがある。この結果、割れまたは裂け目を含む低品質のカプセル構成要素が生じる。
【0009】
第1のセクション内の温度および相対湿度を上記で規定した範囲に保持することにより、許容し得る品質のカプセル構成要素を得ることができる。
【0010】
本明細書において用語「相対湿度」は、所定の時刻における実際の水蒸気圧の、同じ周囲温度において空気が飽和した場合に発生する蒸気圧に対する比率、という意味で使用される。
【0011】
湿度測定機器に関する多くの技術がある。容量型または誘電型機器は、その誘電特性を変化させその容量を増加する、湿分を吸収する材料を有する。鏡面冷却技術は、湿分が鏡面上で凝縮開始する点まで冷却される鏡面を用いる。この温度が露点である。電気分解技術では、湿分は、乾燥状態からその湿分を電気分解するまでに必要な電流に比例する。抵抗型またはインピーダンス型のセンサでは、材料が湿分を吸収し、湿分は材料の抵抗またはインピーダンスを変化させる。歪みゲージ機器では、材料が水を吸収して膨張し、歪みゲージで測定される。乾湿計は、乾湿球と呼ばれることが多く、1つは湿り1つは乾燥した2つの温度計の間の温度差を測ることにより、相対湿度を測定する。
【0012】
温度および湿度の組合せについての別の定義は、湿球温度によって与えられる。湿球温度は次のように定義される。全潜熱が空気塊から供給されて水が空気塊の中に蒸発することにより、一定圧力で断熱的に飽和状態まで冷却されたときに、空気塊が有する温度。本発明では、乾燥ステーションの第1のセクションは湿球温度35℃以上に保持してよい。
【0013】
したがって、乾燥ステーションの第1のセクションは、第1のセクション内の湿球温度が35℃以上であれば、カプセル構成要素を、相対湿度20〜90%で温度範囲50〜90℃にさらすことができる。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、温度は55〜85℃で、相対湿度は20〜70%である。本発明のさらなる実施形態では、温度は60〜85℃で、相対湿度は20〜60%である。
【0015】
乾燥条件は、乾燥ステーションの第1のセクション内の環境として、湿球温度が40℃以上、場合によっては45℃以上を実現するものとして、さらにまたは別途、規定されてよい。
【0016】
乾燥ステーションの第1のセクション内の温度および湿度は、加熱され、加湿された空気を第1のセクションに強制的に通過させることによって達成し得る。場合によっては、成形用型は乾燥ステーションの第1のセクションを通して第1の方向に移動してよく、空気流は成形用型の移動方向に垂直に向けられてよい。したがって、乾燥ステーションの第1のセクションが細長く、成形用型が第1のセクションを通って長手方向に搬送される場合、空気流の方向は、移動する方向を横断してよい。
【0017】
乾燥ステーションは、第1のセクション下流に第2セクションを含んでよい。本発明のいくつかの実施形態では第2セクションを含み、第2セクションは成形されたカプセル構成要素を温度30〜60℃、湿度20〜90%にさらす。さらに他の実施形態では、第2セクションは35〜55℃の温度で、20〜70%の湿度を実現する。
【0018】
湿球温度で表現すれば、第2セクションは20〜35℃の湿球温度を実現してよい。
【0019】
熱ゲル化材料は、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース材料であってよい。本発明の1つの実施形態では、熱ゲル化材料はHPMCである。
【0020】
乾燥ステーションの第1のセクション内で、成形されたカプセル構成要素を適切に調整するために、それらは第1のセクション内に60〜600秒間保持されてよい。
【0021】
本発明の1つの実施形態では、第1のセクション内の滞留時間は、90〜480秒、場合によっては120〜300秒、場合によっては120〜240秒である。
【0022】
通常、熱ゲル化材料は溶媒(例えば、水)中に溶解されており、その中に成形用型が浸漬される。本発明の1つの実施形態では、熱ゲル化材料の溶液は温度25〜35℃に保持される。本発明のさらなる実施形態では、溶液は30〜34℃に保持される。
【0023】
取扱いを容易にするために、本方法に使用される成形用型は型搬送器に乗って搬送されてよい。したがって、型搬送器は、搬送器で搬送される全ての成形用型を同一のやり方で取扱い、処理することが可能なように、成形用型の配列(すなわち、2つ以上)を備える。
【0024】
本発明のさらなる実施形態では、成形用型は、予熱ステップの間に55〜95℃の温度に、またはカプセル材料の溶液中に浸漬されるときに成形用型の温度が55〜95℃になる温度に、予熱される。この温度は通常的に使用されることができる、熱ゲル化材料のゲル化温度より高く、予熱ステップと成形ステップとの間でいくらか冷却され得る温度であるが、それでもなお、成形用型の温度を、成形用型に接触する熱ゲル化材料をゲル化にするためには、十分高く維持するものである。
【0025】
本発明の1つの実施形態では、成形用型は60〜90℃、場合によっては70〜80℃の温度に加熱される。
【0026】
本発明のさらなる実施形態では、予熱ステップは、成形用型を所望の温度に加熱するために十分な時間、成形用型をオーブン内に置くステップと、成形用型が所望の温度になっているときに、成形用型をオーブンから取り出すステップと、を含む。
【0027】
オーブンは、成形用型に熱が加えられる加熱ゾーンと成形用型の温度を所望の温度に等しくする浸透ゾーンと、を含んでよく、成形用型は加熱ゾーンから浸透ゾーンへ移動される。加熱ゾーンおよび浸透ゾーンを使用することにより、オーブンから取り出されるときに全ての成形用型の温度が、実質的に一定であるようにすることができる。成形ステップの間に、全ての成形用型の温度を実質的に同じにすることは、一貫した均一な成形条件を達成し、それによってカプセル構成要素が均一な寸法を有するために重要である。
【0028】
上記で規定したオーブンの有利な点は、表面のみではなく、成形用型全体が所望の温度に加熱されることである。加熱ゾーンおよび浸透ゾーンは、成形用型の芯まで熱エネルギーを浸透させる。これは、加熱ステップと浸漬ステップとの間で、成形用型の冷却を最小限にすることに役立つ。
【0029】
本発明の1つの実施形態では、成形用型はオーブン内に60〜300秒、場合によっては60〜200秒、場合によっては60〜150秒保持される。これによって、成形用型が所望の温度に加熱され平衡状態にされるために十分な時間が実現されることが判明している。成形用型がオーブン内にある時間が60秒より少ないと、成形用型がオーブンから出るときに、成形用型の温度が低過ぎるか、または成形用型の断面温度が均一でない恐れがある。
【0030】
成形用型が型搬送器に乗って搬送される場合、オーブンは複数の型搬送器を受け入れるように適合されてよい。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、オーブンは円筒状ドラムを含む。そのような実施形態において、円筒状ドラムは、ドラムの内向きの面上に搬送された複数の型搬送器の保持要素を含み、各型搬送器はそれぞれの保持要素内に案内される、型搬送器と共に使用するように適合されてよい。
【0032】
保持要素は、ドラムの内向きの面の周りに、円周状に間隔を置いて並べられてよい。さらに、ドラムはその軸周りに回転するように駆動されてよい。このような実施形態において、オーブンは搬送要素入口ポートおよび搬送要素出口ポートを含んでよく、それによって未加熱の型搬送器は、入口ポートを通してドラム内に押し入れられ、ドラム内で回転するときに加熱され、型搬送器が出口ポートに到着したときに所望の温度でドラムから排出される。
【0033】
予熱ステップを組み込むために、円筒状ドラムを含むオーブンを有し、ドラムの周の周りに軸方向に保持要素を配列することにより、従来のプロセス装置は、ちょうど型搬送器の長さを超すだけ拡大する必要がある。しかし、例えばオーブンへの接近を容易にするために、従来のプロセス装置は、1個の型搬送器の長さよりも多く(例えば、2、3、または4個の型搬送器の長さ)拡大されてよい。このような実施形態において、型搬送器をオーブン内に向け、および外に向けて案内するために、オーブンは入口ガイドと出口ガイドを含んでよい。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、硬質殻のカプセル構成要素を形成するための装置が提供され、カプセル構成要素は加熱によってゲル化する材料で形成され、この装置は、複数の構成要素の成形用型を所望の温度に加熱するように適合された加熱ステーションと、カプセル材料の溶液を入れた容器を備える成形ステーションと、乾燥ステーションと、成形用型を、加熱ステーションから成形ステーションへ、および成形ステーションから乾燥ステーションへ搬送するための搬送システムと、を備え、乾燥ステーションは、20〜90%の相対湿度で50〜90℃の温度を実現するように適合された、第1のセクションを含むことを特徴とする。
【0035】
上記に規定したように、オーブンは60〜90℃の温度、および25〜60%の相対湿度を実現するように適合されてよい。場合によっては、温度は70〜80℃であり相対湿度は30〜50%である。
【0036】
本発明の1つの実施形態では、搬送システムは、乾燥ステーションの第1のセクション内で、成形されたカプセル構成要素に、60〜600秒の滞留時間を実現するように適合されている。
【0037】
本発明の1つの実施形態では、第1のセクション内の滞留時間は90〜480秒であり、場合によっては120〜300秒、場合によっては120〜240秒である。
【0038】
本発明のさらなる実施形態では、加熱ステーションは、成形用型を温度55〜95℃に加熱するように適合される。
【0039】
本発明の1つの実施形態では、成形用型は、温度60〜90℃、場合によっては70〜80℃に加熱される。
【0040】
加熱ステーションはオーブンを備えてよい。オーブンは、場合によっては成形用型が、ゾーンに加えられた熱エネルギーにさらされる加熱ゾーンと、成形用型の温度が所望の温度と平衡するようにされる浸透ゾーンと、成形用型を加熱ゾーンから浸透ゾーンへ運ぶコンベヤと、を設けるように適合されている。
【0041】
直ぐ上で説明した実施形態において、加熱ゾーンは熱エネルギー源として、1つまたは複数の赤外線放射器を備えてよい。赤外線放射器は、場合によっては約10μm未満、場合によっては約2μm未満の波長を有する赤外線を放射する。
【0042】
本発明のさらなる実施形態において、オーブンは円筒状ドラムを含む。場合によってはドラムは、その軸周りに回転するように適合された駆動装置を含む。駆動装置は、第1のインデックス位置から第2のインデックス位置への、円筒状ドラムの回転を制御するように適合された、インデックス機構を含んでよい。ドラムは複数のインデックス位置を含んでよく、インデックス機構は、ドラムの回転を制御して、ドラムが1つのインデックス位置から次のインデックス位置に順次移動するように、適合されてよい。
【0043】
本発明のさらなる実施形態において、円筒状ドラムは、各々がそれぞれの型搬送器を受け入れるように構成された、複数の型搬送器の保持要素を含み、型搬送器はそれぞれ成形用型の配列を搬送する。
【0044】
各保持要素は、ドラムが隣接する保持要素の間を順次回転するように、それぞれのインデックス位置に対応するように構成されてよい。
【0045】
オーブンが円筒状ドラムを含む場合は、受入れ要素は、ドラムの内向きの面の周りに、円周状に間隔を置いて並べられてよい。
【0046】
成形装置は通常、成形用型が浸漬される前に潤滑される注油ステーションを含む。このような実施形態において、加熱ステーションは、注油ステーションと浸漬ステーションとの間に設けられてよい。代替として、加熱ステーションは、成形用型が注油される前に加熱されるように、注油ステーションの前に設けられてよい。この実施形態において、加熱ステーションは、型抜きステーション(ここで成形されたカプセル構成要素を成形用型から抜き出す)と、注油ステーションとの間に設けられる。したがって、空の成形用型(すなわち、成形されたカプセル構成要素がない型)は加熱され、注油されて、次に浸漬されるか、あるいは注油され、加熱されて、次に浸漬されてよい。
【0047】
本発明の第3の態様によれば、複数の成形用型を加熱するためのオーブンであって、オーブン内で成形用型の配列がそれぞれの型搬送器によって搬送され、型搬送器を受入れ、オーブン内に保持するような形状および構成とされた、少なくとも1つの型搬送器保持要素を含むオーブンと、型搬送器をそれぞれの保持要素内に案内するように適合された入口ポートと、加熱された型搬送器をオーブンから排出することが可能な出口ポートと、が設けられる。
【0048】
本発明の1つの実施形態において、オーブンは、加熱ゾーンと、浸透ゾーンと、成形用型を加熱ゾーンから浸透ゾーンへ搬送するための搬送システムまたはコンベヤと、を含む。加熱ゾーンは、熱エネルギーを成形用型に付与するための要素を含む。加熱要素は赤外線放射器または放熱器であってよい。
【0049】
本発明のさらなる実施形態において、加熱要素は10μm以下、場合によっては2μm以下の波長を有する赤外線を放射する、赤外線放射器である。
【0050】
赤外線放射器は個別に制御されてよい。これによって各成形用型が実質的に同一の量の熱エネルギーを受け取り、オーブンを出る成形用型が実質的に同じ温度になることを確保することができる。したがってオーブンは、IR放射器の出力を制御できる、1つまたは複数の制御装置を含んでよい。
【0051】
浸透ゾーンは、成形用型の周りを循環し、成形用型の間の温度平衡化を支援するための、加熱ガス(例えば、空気)の流れを含んでよい。加熱ガスは、浸透ゾーンにおける成形用型の冷却を、防止し、最小化し、または制御してもよい。
【0052】
本発明のさらなる実施形態において、オーブンは円筒状ドラムを含む。この実施形態において、保持要素はドラムの内向きの面上に設けられてよい。さらなる実施形態において、保持要素は、ドラムの長手方向軸に平行になる(すなわち、軸方向に配置される)ように、ドラムの内向きの面上に配置され、円周状に互いに間隔を置いて並べられる。
【0053】
本発明のさらなる実施形態において、円筒状ドラムは、ドラムをその長手方向軸周りに回転させるように構成された駆動機構を含む。駆動機構は、第1のインデックス位置から第2のインデックス位置へのドラムの回転を制御するインデックス機構を含んでよい。
【0054】
本発明のさらなる実施形態において、第1のインデックス位置は、入口ポートと位置合わせされて保持要素に対応し、第2のインデックス位置は、入口ポートと位置合わせされて隣接または近接した保持要素に対応する。
【0055】
オーブンの加熱および冷却期間における、円筒状ドラムの膨張および収縮を補償するために、保持要素はドラムの内向きの面に緩く固定されてよい。換言すれば、保持要素は、ドラムに固定されるときに一定のあそびが付けられてよい。このような実施形態において、オーブンは、保持要素を解放可能にクランプすることができる保持要素クランプを含んでよく、それによって、クランプに対する保持要素要素の相対的な動きを防止する。クランプは、入口ポートと保持要素との間の適切な配置状態を確保するために、入口ポートと位置合わせされた保持要素をクランプするように構成されてよく、それによって、型搬送器が入口ポートからドラム内のそれぞれの保持要素へ移動するときに、詰まるリスクを回避または最小化する。クランプは、ドラムの外側に位置決めされた解放位置と、クランプが保持要素と係合し、クランプを入口ポートに対して相対的に固定された位置に維持するクランプ位置との間で移動可能にされて(すなわち、移動するように適合されて)よい。
【0056】
クランプは、互いに向かって付勢された一対の対向する顎部を含んでよい。この実施形態において、保持要素と係合するときに、クランプの顎部は強制的に分離され、顎部の遠位端は保持要素の接触面上に設けられた窪み部内に位置決めされてよい。顎部の付勢力は、クランプがその解放位置に動かされるまで、保持要素の動きに耐える。
【0057】
型搬送器が直線状配列の成形用型を搬送する実施形態において(例えば、硬質殻カプセル構成要素製造用の従来のピンバーの型式において)、保持要素は、実質的にT字型であってよく、型搬送器がその中に摺動して入り、出ることが可能な、長手方向のチャンネルを含む。
【0058】
本発明の1つの実施形態において、入口ポートおよび出口ポートは位置合わせされる。この実施形態において、搬送器要素内に保持されている加熱された型搬送器は、入口ポートを通ってドラムに入ってくる未加熱の型搬送器によって、ドラムから排出される。換言すれば、入口ポートと位置合わせされる保持要素内に押し入れられる未加熱の型搬送器によって、加熱された型搬送器は出口ポートを通ってドラムの外部に押し出される。
【0059】
熱損失を最小化するために、オーブンはハウジングを含んでよく、ハウジングは断熱されてよい。本発明の1つの実施形態において、円筒状ドラム、入口ポートおよび出口ポートはハウジング内に収納される。
【0060】
以上に規定した本発明の種々の実施形態および特徴は、別途明記しない限り、1つまたは複数の本発明の他の実施形態または特徴と組み合わされてよい。したがって、「本発明の実施形態」という語句は、「上記の任意の態様または実施形態において規定された本発明の実施形態」と解釈されるべきである。同様に、本発明の1つの態様に関連して説明された実施形態は、別途明記しない限り、本発明の他の態様に等しく適用可能である。したがって、本発明の第1の態様に関連して説明された実施形態が、本発明の第2または第3の態様の実施形態を構成してもよい。
【0061】
本発明の実施形態が、例示のみを目的とする添付図面を参照して、以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第3の態様に基づくオーブンの断面図である。
【図2】図1のAで指定された部分の拡大図である。
【図3】カプセル構成要素を製造する方法の詳細な流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
装置
図1は、本発明に基づくオーブンの内部構成要素2を示す。本構成要素は断熱されたハウジング(図示せず)内に収納される。オーブンは、従来の硬質殻カプセル製造ライン内に挿入されることが意図されており、ラインは修正されオーブンを挿入するために十分な長さを延長している。
【0064】
オーブンは、円筒状ドラム4を含んでおり、その中には複数の型搬送器6が保持されており、その各々が直線上に配列された複数の独立した成形用型8を搬送する。
【0065】
型搬送器6は、それぞれの保持要素10によってドラム内に保持される。保持要素10をドラム4に緩やかに固定するために、各保持要素10は、位置決め面12と一対の位置決めタブ14とを、保持要素10の各端部に1つずつ含む。位置決め面12は、ドラムの内向きの面に隣接して位置し、位置決めタブ14は、ドラム4の縁部を包む。これを達成するために、保持タブ14は、軸方向にドラム4を越えて延びる延長部分と、延長部分から半径方向外向きに延び、ドラム4の端面に隣接する垂直部分と、ドラムの外向きの面の一部の上に重なり、延長部分と平行に構成された戻り部分と、を含む。保持要素10の両端の位置決めタブ14の構造は、保持要素10をドラム4に緩やかに固定するものである。これによって、オーブンの加熱および冷却期間における、ドラム4および保持要素10の膨張および収縮に対応できる。
【0066】
保持要素10はT字型のチャンネル16(T−スライドとして知られる)を含み、型搬送器の一端に長手方向の力が加えられ、チャンネル16内で型搬送器が保持要素10に対して摺動させられるまで、型搬送器6はその中に保持される。
【0067】
2列の赤外線放射器18、20がドラム4内に設置される。第1の列18はドラムの第1の四分円22内で成形用型8に向けて赤外線を半径方向に放射するように配置される。第2の列20は第1の列18に対して垂直に配置され、ドラムの第2の四分円24内で成形用型に向けて赤外線を半径方向に放射する。
【0068】
赤外線放射器は約1μmのピーク波長を有する赤外線を放射する。鋼製のバー上に搬送された研磨した鋼製の成形用型を使用するとき、1μmの波長が最も吸収され、したがって最適な加熱効率を実現することが分かっている。
【0069】
図1から分かるように、ドラムの第1および第2の四分円22、24は、成形用型8を直接加熱するための赤外線放射器を含む。すなわち、第1および第2の四分円はオーブンの加熱ゾーンを形成する。第3および第4の四分円26,28はその中に直接加熱要素を有さず、その中で成形用型の温度を平衡化できる、オーブンの浸透ゾーンを形成する。ピン間の温度平衡化を支援するために、加熱空気流がドラム4を通して流される。
【0070】
ドラム4は、一対の転がり軸受け30a、30b上に支持され、駆動ベルト34を介してドラムを回転するように駆動する、駆動システム32を含む。駆動ベルトを介して、円筒状ドラムを回転させるように駆動する概念は、よく知られており、本明細書には詳述しない。
【0071】
駆動システム32は、ドラムの回転を制御するインデックス機構(図示せず)を含む。インデックス機構は、第1のインデックス位置と第2のインデックス位置との間の回転を可能にし、第1と第2のインデックス位置が隣接する保持要素の間の周方向の間隔に対応する。すなわちドラム4は、各ステップが隣接する保持要素間の距離と同等であるように、ステップ状に回転する。
【0072】
オーブンは、既存の硬質殻カプセル製造ライン内にはめ込まれるように設計される。したがって、オーブンに導入する型搬送器ガイド(入口ガイド)と、オーブンから導出する第2の型搬送器ガイド(出口ガイド)とがある。上述したように、型搬送器をドラム内に保持する保持要素は、ドラムに緩く固定されており、それは保持要素がドラムに相対的に制約された距離内を移動可能であることを意味する。この移動が許容されていることにより、保持要素と入口/出口ガイドとの間にずれを起こし、結果として製造ラインを詰まらせる可能性がある。この問題に対処するために、オーブンは位置決め装置36を含む。位置決め装置はクランプと駆動システムを含む(両方とも図示せず)。クランプは、クランプがドラムの外側に配置される解放位置と、クランプが保持要素10を係合し、それを位置決め装置36に対して固定された位置に保持するクランプ位置との間を、駆動システムによって駆動される。
【0073】
クランプは、互いに向かって付勢された、一対の対向するばね仕掛けの顎部からなる。顎部の遠位端はそれぞれ、位置決めタブ14の返り部分に設けられたそれぞれの窪み部内に位置決めするように寸法決めされた、案内輪を含む。
【0074】
図3は、オーブンを従来のカプセル製造ライン内にはめ込む方法を概念的に示すものであり、ラインはオーブンが挿入できるように改変されている。
【0075】
成形用型はオーブン40内で温度75℃に加熱され、次に浸漬セクション50に搬送され、加熱された成形用型はそこで、約32℃のHPMCの水溶液に浸漬される。浸漬後、成形用型は乾燥ステーション60に搬送される。乾燥ステーションは6〜8台のキルンからなり、それぞれのキルンは成形用型に向け、下向きにされた空気流を含む。空気流は、所望の温度および所望の湿度に維持されるように制御される。これについては以下でより詳細に検討する。成形されたカプセル構成要素は乾燥されると型抜きステーション70に搬送され、そこで成形用型8から取り外される。成形された構成要素が型から取り外された後、成形用型8は注油ステーション80で、洗浄され、注油され、再びオーブン40に入り75℃まで再加熱された後、サイクルを完成する。型抜きステーション70および注油ステーション80は、従来のカプセル構成要素製造ラインの一部であり、本明細書で詳細に検討する必要は無い。
【0076】
代替の実施形態において、オーブン40は型抜きセクション70と注油セクション80との間に配置され、それにより成形用型8は、型抜きセクション70からオーブン40へ、次いで注油セクション80へと移動し、その後、浸漬セクション50で浸漬される。
【0077】
当業者は、成形用型8がオーブン内で加熱される温度が、IR放射器18、20の出力エネルギー、または成形用型8がオーブン内にある時間の長さの、どちらかを変えることによって細かく調節できることを、当然認めるであろう。
【0078】
直線状配列の成形用型8を収納している型搬送器6は使用時に、位置決め装置36に到着する。インデックス機構はドラム4の回転を止めて、保持要素10を位置決め装置36に隣接させる。位置決め駆動システムは、クランプを前方へ駆動して、位置決めタブ14の戻り部に係合する。案内輪は位置決めタブ14の戻り部と接触し、それによって顎部はそれぞれに付勢されたばねに対抗して強制的に分離されることになる。クランプは、案内輪が位置決めタブ14上に設けられたそれぞれの窪み部内に位置するまで、前進する。顎部の付勢力はクランプされた保持要素10を拘束して、その移動を防止する。
【0079】
保持要素10が所望の位置にクランプされると、型搬送器6は、入口ガイドに沿って押され、保持要素のT字型チャンネル16内に挿入される。そうされる間T字型チャンネル16内に入ってきた型搬送器は、それまでチャンネル16内にあった加熱された型搬送器6に接触して、それをチャンネル外に押し出し、出口ガイド内に入れる。入ってきた型搬送器も保持要素と位置合わせされ、入ってくる未加熱の搬送器6によって、加熱された搬送器6の排出ができるようにする。
【0080】
未加熱の型搬送器6が保持要素10内に保持された後、クランプは保持要素10との係合から解放され、ドラム4はステップ状の方式で回転を継続する。
【0081】
ドラム4に入った型搬送器6は、第1の四分円22を通過し、そこでIR放射器18の第1の列からの熱エネルギーにさらされる。ドラム4が回転することにより、搬送器は次に第2の四分円24内に運ばれることになり、そこで第2の列のIR放射器20からの熱エネルギーにさらされる。型搬送器6は、第1および第2の四分円22、24からなる加熱ゾーンを通過した後、第3および第4の四分円26、28からなる浸透ゾーン内に入る。浸透ゾーンで、成形用型は所望の温度75℃で平衡にされる。
【0082】
保持要素10が位置決め装置に戻り、出口ガイドと位置合わせされると、次いで加熱された型搬送器が排出され、入ってくる型搬送器6によって保持要素10内のT字型のチャンネル16から外へ押し出される。
【0083】
加熱された型搬送器は、次に浸漬セクション50内に入り、そこで成形用型8はHPMC溶液(Dow Chemical Co.から購入されたMETHOCEL)内に浸漬される。成形用型の熱によって、HPMCは成形用型上でゲル化され、ゲル化状態でその上に保持される。
【0084】
型搬送器6は浸漬後、乾燥ステーション60に搬送される。成形されたカプセル構成要素は連続式キルン内で乾燥される。最初の3台のキルンは、乾燥ステーション60の第1のセクションを形成し、キルンの頂部に導入口を、キルンの底部に排気口を有する、加熱され加湿された空気流によって、約80℃で相対湿度40%(湿度測定は、全てTesto 365標準産業湿度プローブを用いて測定されている)に維持され、空気流は、所望の温度および湿度条件をキルン内に実現するように調整されている。残りのキルンは乾燥ステーション70の第2のセクションを形成し、約40℃で相対湿度40%に維持される。第2の乾燥ステーションを出た後に、成形されたカプセル構成要素は十分な乾燥状態にあるため、それぞれの成形用型8から取り外すことができる。
【0085】
当業者は、第1のセクションと第2セクションとの間に、乾燥ステーション60の中間セクションが設けられてよく、中間セクション内の条件は、第1および第2のセクションの間の条件に維持されることを認めるであろう。
【0086】
次いで乾燥されたカプセル構成要素は、型抜きステーション70において既知の方法でその成形用型8から取り外される。次いで成形用型8は、注油ステーション80において、再び既知の方法で洗浄され注油される(すなわち、離型剤で潤滑される)。注油後、このサイクルが繰り返される。
【0087】
カプセルの品質を許容範囲に確保するために、乾燥ステーションの第1のキルンの空気流は細かく調節する必要がある。HPMCをゲル化状態に維持するために、温度は約80℃に維持され、カプセルの乾燥速度を適切に制御するために、相対湿度は約40%に維持される。
オーブン
IR放射器は、研磨されたステンレス鋼製の成形用型のための最適な熱源と考えられるので、熱源として選択される。しかし、それらは光沢のある(研磨された)表面を有するために、大量のIRエネルギーが成形用型から反射される。反射されたエネルギーは、成形用型の加熱には、わずかしか、または全く直接的な寄与をしない。
【0088】
円筒状ドラムを使用することにより、反射されたエネルギーを利用できることが判明している。
【0089】
「黒体」またはプランクの放射体は、全ての波長において全ての入射する放射を全て吸収する、理論的に理想体であることが理解される。したがって、黒体の反射率はゼロである。実際には、等温のハウジング内に収納された、小孔を有する中空の金属球を使用することによって、理想的な黒体の良好な近似体を製作することが可能である。この小孔から球体内に入る放射は、ほぼ全吸収が達成されるまで、内部で複数回の反射および吸収を受ける。
【0090】
この概念を用いて、円筒状ドラムを使用することにより、反射されたIR放射は、ドラム内に広く保持され、IR放射が接触する追加の成形用型を加熱できるので、IR放射を非常に効率的に利用できることが判明した。したがって、ドラム内の成形用型は、放射器から放射されるIR放射による直接加熱と、成形用型に接する反射されたIR放射による間接加熱と、の組合せによって加熱される。
【0091】
オーブンをハウジング内に設置することにより、ほぼ等温封入が可能となる。これがオーブンの効率に加わる。
乾燥条件
出願人が行った実験によって、得られるカプセル構成要素の脆性および割れを回避するには、乾燥ステーションの第1のセクション内の乾燥条件の制御が重要であることが判明した。
【0092】
湿球温度35℃未満においてもたらされる乾燥条件では、所望の物理的性質を有しないカプセル構成要素が得られることが判明した。しかし、湿球温度が35℃以上になるように乾燥ステーションの第1のセクション内の条件が維持されると、満足できるカプセル構成要素が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質殻のカプセル構成要素を形成する方法において、前記カプセル構成要素は加熱によりゲル化する材料で形成され、
複数の構成要素の成形用型をカプセル材料のゲル化温度より高い温度まで予熱するステップと、
予熱された前記成形用型を前記カプセル材料の溶液中に浸漬するステップと、
前記成形用型のそれぞれの成形された構成要素と共に前記成形用型を乾燥ステーションへ搬送するステップと、を含み、
前記乾燥ステーションは、前記成形用型が相対湿度20〜90%で温度範囲50〜90℃にさらされる第1のセクションを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記カプセル材料がセルロース材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記成形されたカプセル構成要素が、前記乾燥ステーションの前記第1のセクション内に60〜600秒間保持される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記カプセル材料の溶液が温度25〜35℃に保持される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記カプセル材料の溶媒が水を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記成形用型が型搬送器に乗って搬送される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記成形用型が前記予熱ステップの間に55〜95℃の温度に予熱される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記成形用型が前記予熱ステップの間に、前記成形用型が前記カプセル材料の前記溶液中に浸漬されるときに、前記成形用型が55〜95℃の温度になるような温度まで予熱される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記予熱ステップが、前記成形用型を前記所望の温度に加熱するために十分な時間、前記成形用型をオーブン内に置くステップと、前記成形用型が前記所望の温度になっているときに、前記成形用型を前記オーブンから取り出すステップと、を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記オーブンが、前記成形用型に熱が加えられる加熱ゾーンと、前記成形用型の温度が前記所望の温度に均一にされる浸透ゾーンと、を含み、前記成形用型は前記加熱ゾーンから前記浸透ゾーンへ移動される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記成形用型が前記オーブン内に60〜300秒間保持される、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
成形用型の配列が型搬送器に供給され、前記オーブンは複数の型搬送器を受け入れるように適合された、請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記オーブンが、ドラムの内向きの面上に搬送された複数の型搬送器の保持要素を含む円筒状ドラムを含み、各型搬送器がそれぞれの保持要素内に案内される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記保持要素が、前記円筒状ドラムの前記内向きの面の周りに、円周状に間隔を置いて並べられ、前記ドラムはその軸周りに回転するように駆動され、前記オーブンは搬送要素入口ポートおよび搬送要素出口ポートを含み、それによって未加熱の型搬送器が、前記入口ポートを通して前記ドラムのそれぞれの搬送器要素内に案内され、前記ドラム内で回転するときに加熱され、前記型搬送器が前記出口ポートに到着したときに前記所望の温度で前記ドラムから排出される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
硬質殻のカプセル構成要素を形成するための装置において、前記カプセル構成要素は加熱によってゲル化する材料で形成され、前記装置は、複数の構成要素の成形用型を所望の温度に加熱するように適合された加熱ステーションと、前記カプセル材料の溶液を入れた容器を備える成形ステーションと、乾燥ステーションと、前記カプセルを、前記加熱ステーションから前記成形ステーションへ、および前記成形ステーションから前記乾燥ステーションへ、搬送するように適合された搬送システムと、を備え、前記乾燥ステーションは、50〜90℃の温度および20〜90%の相対湿度を実現するように適合された、第1のセクションを含むことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記カプセル材料がセルロース材料である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記搬送システムが、前記乾燥ステーションの前記第1のセクション内で、前記成形されたカプセル構成要素に60〜600秒の滞留時間を実現する、請求項15または請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記加熱ステーションが、前記成形用型を温度55〜95℃に加熱するように適合された、請求項15から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記加熱ステーションがオーブンを含む、請求項15から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記オーブンが、前記成形用型がそれに加えられた熱エネルギーを受け取る加熱ゾーンと、前記成形用型の温度が前記所望の温度と平衡するようにされる浸透ゾーンと、を設けるように適合された、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記加熱ゾーンが1つまたは複数の赤外線放射加熱要素を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記オーブンが円筒状の部分を含む、請求項19から21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記オーブンの前記円筒状の部分が、その軸周りに前記円筒状の部分を回転するように適合された駆動装置を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記駆動装置が、第1のインデックス位置から第2のインデックス位置への、前記円筒状の部分の前記回転を制御するように適合されたインデックス機構を含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記オーブンが複数の保持要素を含み、各保持要素はそれぞれの型搬送器を保持するように構成され、前記各型搬送器は成形用型の配列を搬送する、請求項19から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記オーブンが円筒状ドラムを含み、前記保持要素が前記ドラムの前記内向きの面の周りに円周状に間隔を置いて並べられる、請求項25に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−507433(P2010−507433A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533973(P2009−533973)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003144
【国際公開番号】WO2008/050205
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】