説明

カプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器

【課題】 低年齢の子供が予め揃えられた部品、材料を用いて遊び感覚で簡単に組付けることができるカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器を提供すること。
【解決手段】 セット位置(イ)にて、底蓋75を固定台35に、レンズ体71を供給ホルダー57にセットすると共に所望のイラスト類が表されたシート85を収めたシートホルダー80を差込口20に差し込み、その状態でノブ24を一方向に回転操作して回転盤25をシートカット位置(ロ)に停止させ、その位置にてパンチ用押釦45を押圧することにより打ち抜かれたシート片86を底蓋75上に載置させ、ノブ24を前記方向と逆方向に回転操作して回転盤25をプレス位置(ハ)に停止させ、その位置でプレス用押釦53を押圧して可動部材36上のレンズ体71を下降させることによりレンズ体71を底蓋75に嵌着させてそれらを一体化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イラスト・写真類が切り抜かれたシート片が封入されたカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピンポン球程度の大きさを有する球形状カプセルの中に動物、恐竜、様々なミニチュアフイギュア等を収めたおもちゃは古くから知られている。そのカプセル自体については、ミニチュアフイギュア等の保管、販売及び取扱いに便利な容器として専ら使用されており、カプセルからミニチュアフイギュア等を取り出さなくて収容したままの状態でカプセルを飾ったりすることを目的とするものではない、と言えよう。
【0003】
登録第3000759号登録実用新案公報には、ほぼ球状本体の正面に写真、各種シート状印刷物を取り付け可能とした飾り平面を設け、上面側に小物の収容或は花等の生けこみができる穴を表面から内部に向かって形成した構造の「ボール状飾り容器」が開示されている。
【0004】
ところが、イラスト・写真類のシート片が小形のカプセル状容器に封入されていて、そのイラスト・写真類がレンズ作用により拡大されて表れる子供向けの装飾品については、見当らない。さらには、この種装飾品を予め揃えられた構成部品・材料を用いて低年齢の子供が遊び感覚で素早く組付けることができる器具に関しては、未だ提案されていないようである。
【特許文献1】登録第3000759号登録実用新案公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低年齢の子供が予め揃えられた部品、材料を用いて遊び感覚で簡単に組付けることができると共に作成自体を楽しむことが可能なカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために請求項1に記載した発明は、本体に回転自由に設けられた縦向きの回転軸に回転盤を固定し、その回転盤をカプセル状装飾品の構成部品である底蓋とレンズ体のセット位置(イ)、シートカット位置(ロ)及びプレス位置(ハ)に回転停止可能に設け、その本体の周縁部から回転盤の上方に架設された支持枠に、下端に穴抜き刃を設けたパンチ用押釦と、下端に押圧部を設けたプレス用押釦とを該回転軸を中心としてその両側に同一間隔に配置し、それらパンチ用押釦とプレス用押釦の夫々を上下方向に移動可能に設け、かつ、各押釦内に装着されたバネにより常に上方に付勢されるように設け、その回転盤の所定位置に形成された凹部内に、前記底蓋を落とし込まれた状態で載置する固定台と、前記レンズ体を支持することができるように該固定台を囲むように配置されて出没自在に設けられた可動部材とを設け、レンズ体を所定位置に保持する供給ホルダーを前記回転盤の上面に配置し、かつ、その供給ホルダーを回転盤の回転動作に伴ってセット位置(イ)とプレス位置(ハ)との間を追従可能に設け、前記支持枠の側部に、前記パンチ用押釦の穴抜き刃の大きさよりもやや大きな穴が形成されたシートホルダーを挿入可能な差込口を該穴抜き刃の位置に対応するように設け、
セット位置(イ)において、前記底蓋を固定台上に、その底蓋を嵌着可能な開口部が形成されたレンズ体を上向きの姿勢で供給ホルダーに夫々セットすると共に所望のイラスト・写真類が表されたシートを収めたシートホルダーを該差込口に差し込み、その状態にて前記回転軸に固定されたノブを一方向に回転操作して回転盤をシートカット位置(ロ)に停止させ、そのシートカット位置(ロ)にてパンチ用押釦を押圧することにより前記シートから所定の大きさのイラスト・写真類が打ち抜かれたシート片を底蓋上に載置させ、ついで、ノブを前記方向と逆方向に回転操作して回転盤をプレス位置(ハ)に停止させ、そのプレス位置(ハ)にてプレス用押釦を押圧して前記可動部材上のレンズ体を下降させることにより当該レンズ体の開口部を底蓋に嵌着させてレンズ体と該底蓋とを一体化させた後、ノブを再び回転操作して回転盤を元のセット位置(イ)に復帰させた状態にてシート片が封入されたカプセル状装飾品を取り出すことができるように構成したことを特徴とする。
【0007】
同様の目的を達成するために請求項2に記載した発明は、請求項1に記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器において、前記回転盤と前記本体との間に節度機構が介装されていて、その回転盤をセット位置(イ)、シートカット位置(ロ)及びプレス位置(ハ)の夫々の位置に停止保持可能に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
同様の目的を達成するために請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器において、前記シートホルダーは、前記シートを挟んで収めることができるように設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
同様の目的を達成するために請求項4に記載した発明は、請求項1から3の何れかに記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器において、前記レンズ体は、凸レンズ形状であって、その外周縁を円形若しくは多角形に形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
同様の目的を達成するために請求項5に記載した発明は、請求項1から4の何れかに記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器において、前記供給ホルダーは、前記回転軸に外側から嵌められて弾力的に接触可能なアーム部を一体に形成したホルダー本体と、そのホルダー本体の先端部に着脱自由に設けられた駒片とからなり、その駒片に前記レンズ体の外周縁を遊嵌させる係止穴を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
同様の目的を達成するために請求項6に記載した発明は、請求項1から5の何れかに記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器において、両面に接着剤層が設けられて一方の面に保護片が貼着された固定用円形片を前記底蓋に貼着することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
(請求項1の発明)
このカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器は、レンズ体、底蓋を所定箇所に夫々セットし、所望のイラスト・写真類が表されたシートを収めたシートホルダーを差込口に差し込んだ状態として手動で回転盤の回転停止位置を変えつつ、パンチ用押釦やプレス用押釦による各工程作業を施すことにより、封入されたイラスト・写真類がレンズ作用により拡大されて表れるカプセル状装飾品を、低年齢の子供が遊び感覚で楽しみつつ簡単に組付けることができる。加えて、出来上がったカプセル状装飾品を好みの場所に貼り付けて飾ったり、マスコットとして愛用することもできる副次的効果も有する。
【0013】
(請求項2の発明)
このカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器は、回転盤を節度機構によってセット位置(イ)、シートカット位置(ロ)及びプレス位置(ハ)の夫々の位置に停止保持することができるので、レンズ体等のセットや各位置における作業を安定して行なうことができる。
【0014】
(請求項3の発明)
このカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器は、シートをシートホルダーにより挟んで収めることができるので、低年齢の子供でも本器へのセット作業が行ない易い。
【0015】
(請求項4の発明)
このカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器は、レンズ体を凸レンズ形状としており、封入されるイラスト・写真類がレンズ作用により拡大されて表れることから子供に対して興味を惹起させることが可能である。
【0016】
(請求項5の発明)
このカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器は、供給ホルダーをホルダー本体と駒片との別体構造としいるので、外周縁の異なる形状とされたレンズ体に対応させることができる。
【0017】
(請求項6の発明)
このカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器は、底蓋の外面となる箇所に固定用円形片を貼着するようにしており、出来上がったカプセル状装飾品を好みの場所に貼り付けて飾るのに便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の最良の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器の斜視図、図2は同、平面図、図3は玩具用組付け器の要部を示す縦断正面図、図4は本体の上部ケースを除いた状態で示す玩具用組付け器の斜視図、図5は駒片の平面図、図6はカプセル状装飾品の平面図、図7はカプセル状装飾品の分解斜視図、図8はシートホルダーの斜視図、図9はシートをシートホルダーに収める様子を示した説明図、図10は他の形態のレンズ体を示す平面図、図11は底蓋外し具をカプセル状装飾品に対応させて示す斜視図、図12はカプセル状装飾品の底蓋を底蓋外し具によって取外す要領を示す説明図である。
【0019】
本発明の「カプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器」Aは、封入されるイラスト・写真類がレンズ作用により拡大されて表れる(図6に示す)カプセル状装飾品を作成するものであり、中央のノブ24を回転操作することにより回転盤25を、カプセル状装飾品70の構成部品であるレンズ体71と底蓋75をセットするセット位置(イ)、イラスト・写真類が印刷等により表されたシート85から所定の大きさのイラスト・写真類を打ち抜くシートカット位置(ロ)及びレンズ体71・シート片86・底蓋75の3つの部品を一体に組付けるプレス位置(ハ)に回転停止可能とし、そのノブ24の両隣で回転盤25の上方にパンチ用押釦45とプレス用押釦53を配置した概要構成とされている。
以下にその構造につき詳しく説明する。
【0020】
なお、この明細書においては、回転盤25(固定台35)がセット位置(イ)にあるときに、便宜上、供給ホルダー57についてもセット位置(イ)にあるとして説明した。
【0021】
この玩具用組付け器Aの合成樹脂製の本体1は、底ケース2と上ケース10の二つに分割して形成されている。
【0022】
その底ケース2は、図3に示すように、外周縁部2aよりも少し高い円柱状の軸受部3が中心部に形成された円形皿形状とされ、その軸受部3の中心に所定深さの軸受穴4が縦向きに設けられると共に当該軸受部3の外周面3aの所定箇所に縦向きの係止溝5が形成されている。その係止溝5は節度機構30の構成要素の一部をなすものである。6は底ケース2の適宜箇所に内方へ突出するように配設されたボスであり、そのボス6は固定用ビスを挿通することができるように設けられている。
【0023】
上ケース10は、図2に示すように、円盤形基部11の周縁から上方に立ち上がって直径方向へ延びてから反対側の周縁に下がるように支持枠12を一体に架設し、その支持枠12の前側部12aと円盤形基部11との間を開放して開口部13を形成すると共に当該支持枠12の後側部12bと円盤形基部11との間を連続するように設けられている。図3に示すように、その支持枠12には、前記底ケース2のボス6に対応する位置にボス14を設け、円盤形基部11の中心位置に相当する位置に段付穴15を設けると共に当該段付穴15の中心を中心として両側に同一間隔に穴16,18を設けている。それら穴16,18の周辺下方には、ボス17,19を設けている。
なお、支持枠12の前側部12aには、後記シートホルダーを挿入可能な横向きの差込口20を設ける。
【0024】
しかして、本体1は上ケース10を底ケース2に合着してから、ボス6に通した固定用ビス21を締め付けることにより両者を一体化するように設けられている。
【0025】
回転軸22は、上記底ケース2の軸受穴4に下端部を遊嵌すると共に鍔22aを上ケース10の段付穴15の大径部15aに遊嵌することにより回転自由に設けられている。この回転軸22の上端部にはノブ24が固定され、その下端部には回転盤25の中心に形成された軸筒25aが挿入されて固定されている。
【0026】
30は回転盤25の下部に設けられた節度機構である(図3)。その回転盤25の下部に形成されたバネ室26にはコイルバネ31と鋼球32とを収容し、その鋼球32をコイルバネ31によって上記軸受部3の外周面3aに弾接するように設けられている。また、回転盤25は、前記底ケース2の係止溝5に鋼球32が係合することによりセット位置(イ)、シートカット位置(ロ)及びプレス位置(ハ)に停止保持可能に設けられている。そのシートカット位置(ロ)は上記回転軸22を中心とするセット位置(イ)に対して角度70°、プレス位置(ハ)はセット位置(イ)に対して角度110°に夫々配置されている。
【0027】
回転盤25の所定位置に形成された凹部27内には、前記底蓋75を落とし込まれた状態で載置するための固定台35と、その固定台35を囲むように前記レンズ体71を支持するための可動部材36とが配置されている。そのリング形の可動部材36は、コイルバネ37によって底部36aの内面を固定台35の外周縁下面に当接可能に付勢され、その固定台35に対して出没自在に設けられている。その可動部材36の上面は、上昇端位置にあるときに、回転盤25の上面とほぼ同じ高さに設けられている。
【0028】
41は前記ボス17の下部に固定された案内部材である。その案内部材41には、縦方向に案内穴42を設けると共に前記支持枠12の長手方向に対して水平で、かつ、直交する方向に後記シートホルダー80を挿入するための開口部43を設けている。45は前記穴16から頭部45aを突出させ、下端外周に形成された鍔45bを穴16の下縁に当接可能に設けたパンチ用押釦である。そのパンチ用押釦45の内方には穴抜き刃46を配置し、その穴抜き刃46の上端外周の鍔46aと上記案内部材41との間に装着されるバネ47により当該押釦45を常に上方に付勢するように設けられている。
しかして、パンチ用押釦45は、穴抜き刃46の先端部を案内穴42に嵌合させた状態で上下方向に移動自在に設けられている。
【0029】
51は前記ボス19の下部に固定された案内部材である。その案内部材51には、縦方向に案内穴52を設けている。53は前記穴18から頭部53aを突出させ、下端外周に形成された鍔53bを穴18の下縁に当接可能に設けたプレス用押釦である。そのプレス用押釦53の中心部には、断面十文字形の軸部54を一体に形成し、頭部53aの内下面と上記案内部材51との間に装着されるバネ55により当該押釦53を常に上方に付勢するように設けられている。
しかして、プレス用押釦53は、軸部54の押圧部54a側を案内穴52に嵌合させた状態で上下方向に移動自在に設けられている。
【0030】
57はレンズ体71を所定位置に保持するための供給ホルダーであり、この供給ホルダー57は、ホルダー本体58と当該ホルダー本体に着脱自由に設けられた駒片61とからなる。図4に示すように、そのホルダー本体58は、前記回転軸22に外側から嵌めて弾力的に接触可能なアーム部59を一体に形成すると共に該アーム部59のほぼ反対側の箇所に係合凹部60を設けている。図5に示すように、その駒片61はほぼ台形板形状とされており、円形の外周縁を有するレンズ体71若しくは多角形の外周縁を有する各種レンズ体を遊嵌可能な係止穴62を設けると共に該係止穴62の左右箇所に突部63a,63bを設けている。その駒片61の上底側の周縁部61aは、ホルダー本体58の係合凹部60に嵌合可能に設けられている。
【0031】
また、この供給ホルダー57については、セット位置(イ)にある固定台35に対して角度50°だけプレス位置(ハ)寄りに待機するように設けられ、回転盤25の回転動作に伴ってセット位置(イ)とプレス位置(ハ)との間を追従可能に設けられている。詳しくは、回転盤25を反時計方向へ回転させる場合、回転盤25は、供給ホルダー57の側面57aを支持枠12に設けられたストッパー部12cに当接させることにより、回転を規制されるように設けられている。
【0032】
なお、上記供給ホルダー57は、外周縁の形状の異なるレンズ体に対応させるためにホルダー本体58と駒片61を別体構造としているが、レンズ体の外周縁が特定されたものである場合には係止穴を一定形状とすることができるため、両者を一体化した構造とすることができる。
【0033】
図6に示すカプセル状装飾品70は、レンズ体71と、底蓋75と、イラスト・写真類が印刷等により表されたシート85から所定の大きさのイラスト・写真類を本発明の玩具用組付け器Aを用いて打ち抜かれたシート片86とから構成される。その合成樹脂製の透明なレンズ体71は、外周縁71aを円形に形成された凸レンズ形状であって、平坦な裏面71b側に所定深さの開口部72が形成されている。その合成樹脂製の底蓋75は円板形状で、その中心に小形の長穴76を形成する共に該長穴76から外周縁75aまで延びるスリット77を設けている。その底蓋75の内側となる面75bの中心には、所定深さの穴78を形成している。
【0034】
この実施形態例では、円形の外周縁を有するレンズ体71を用いているが、これ以外に、例えば図10に示す五角形の外周縁を有するレンズ体73のような形態とすることもできる。また、レンズ部分についても凸レンズ形状に限らず、ダイヤモンドカット形状とすることも可能である。
【0035】
図8において、シートホルダー80は合成樹脂製の薄板を中央で折り、折られた薄板片80a,80aが互に密着するように設けられていて、その折曲部81寄りに前記パンチ用押釦45の穴抜き刃46の大きさよりもやや大きな穴82が夫々形成されている。
【0036】
以上により、本発明の「カプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器」A及びこれに付属する各種部品が構成される。
【0037】
つぎに、上記構成になる本発明の玩具用組付け器Aの使い方について説明する。
(1)まず、セット位置(イ)において、底蓋75を回転盤25の固定台35上にセットし、レンズ体71を上向きの姿勢で供給ホルダー57の係止穴62にセットする(図2)。なお、底蓋75の外面となる箇所には、両面に接着剤層が設けられて一方の面に保護片が貼着された固定用円形片(図示せず)を予め貼着することもある。
(2)ついで、所望のイラスト・写真類が表された適宜な大きさのシート85を穴82の位置に合わせてシートホルダー80に挟んだ状態とし、その状態のままシートホルダー80を差込口20に差し込む。
(3)(2)の状態にて、ノブ24を反時計方向へ回転操作して固定台35をシートカット位置(ロ)に停止させる。
(4)そして、パンチ用押釦45を押圧することによりシート85から打ち抜かれたシート片86を底蓋75上に載置させた状態とする。
(5)ついで、ノブ24を時計方向に180°回転操作して固定台35をプレス位置(ハ)に停止させる。
(6)プレス位置(ハ)にて、プレス用押釦53を押圧して可動部材36上のレンズ体71を下降させることにより、レンズ体71の開口部72を底蓋75に嵌着させてレンズ体71と底蓋75とを一体化させる。
(7)ついで、ノブ24を再び反時計方向に回転操作して回転盤25を元のセット位置(イ)に復帰させる。そこで、封入されたシート片86のイラスト類がレンズ作用により拡大されて表れたカプセル状装飾品70を取り出す。
【0038】
図11に示す底蓋外し具90は、カプセル状装飾品70内のイラスト類を他のものに変更する場合において、底蓋75を取外すために使用する道具である。その底蓋外し具90は、矩形板状の掴み部90aの一端に形成された軸部90bの先端に一文字形の鉤片91を設けている。その鉤片91については、前記底蓋75の長穴76に挿入することができるように設けられている。
【0039】
以上に述べた通り、このカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器は、レンズ体、底蓋を所定箇所に夫々セットし、所望のイラスト類が表されたシートを収めたシートホルダーを差込口に差し込んだ状態として手動で回転盤の回転停止位置を変えつつ、パンチ用押釦やプレス用押釦による各工程作業を施すことにより、封入されたイラスト類がレンズ作用により拡大されて表れるカプセル状装飾品を、低年齢の子供が遊び感覚で楽しみつつ簡単に組付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器の斜視図
【図2】同、平面図
【図3】玩具用組付け器の要部を示す縦断正面図
【図4】本体の上部ケースを除いた状態で示す玩具用組付け器の斜視図
【図5】駒片の平面図
【図6】カプセル状装飾品の平面図
【図7】カプセル状装飾品の分解斜視図
【図8】シートホルダーの斜視図
【図9】シートをシートホルダーに収める状況を示した説明図
【図10】他の形態のレンズ体を示す平面図
【図11】底蓋外し具をカプセル状装飾品に対応させて示した斜視図
【図12】カプセル状装飾品の底蓋を底蓋外し具によって取外す要領を示す説明図
【符号の説明】
【0041】
A…カプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器
1…本体
12…支持枠 20…差込口
22…回転軸 25…回転盤
27…凹部
30…節度機構
35…固定台
36…可動部材
45…パンチ用押釦 46…穴抜き刃
53…プレス用押釦 54…押圧部
47,55…バネ
57…供給ホルダー
58…ホルダー本体 59…アーム部
61…駒片 62…係止穴
70…カプセル状装飾品
71…レンズ体 72…開口部
75…底蓋
80…シートホルダー
85…シート 86…シート片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に回転自由に設けられた縦向きの回転軸に回転盤を固定し、その回転盤をカプセル状装飾品の構成部品である底蓋とレンズ体のセット位置(イ)、シートカット位置(ロ)及びプレス位置(ハ)に回転停止可能に設け、その本体の周縁部から回転盤の上方に架設された支持枠に、下端に穴抜き刃を設けたパンチ用押釦と、下端に押圧部を設けたプレス用押釦とを該回転軸を中心としてその両側に同一間隔に配置し、それらパンチ用押釦とプレス用押釦の夫々を上下方向に移動可能に設け、かつ、各押釦内に装着されたバネにより常に上方に付勢されるように設け、その回転盤の所定位置に形成された凹部内に、前記底蓋を落とし込まれた状態で載置する固定台と、前記レンズ体を支持することができるように該固定台を囲むように配置されて出没自在に設けられた可動部材とを設け、レンズ体を所定位置に保持する供給ホルダーを前記回転盤の上面に配置し、かつ、その供給ホルダーを回転盤の回転動作に伴ってセット位置(イ)とプレス位置(ハ)との間を追従可能に設け、前記支持枠の側部に、前記パンチ用押釦の穴抜き刃の大きさよりもやや大きな穴が形成されたシートホルダーを挿入可能な差込口を該穴抜き刃の位置に対応するように設け、
セット位置(イ)において、前記固定台上に底蓋を、その底蓋を嵌着可能な開口部が形成されたレンズ体を上向きの姿勢で供給ホルダーに夫々セットすると共に所望のイラスト・写真類が表されたシートを収めたシートホルダーを該差込口に差し込み、その状態にて前記回転軸に固定されたノブを一方向に回転操作して回転盤をシートカット位置(ロ)に停止させ、そのシートカット位置(ロ)にてパンチ用押釦を押圧することにより前記シートから所定の大きさのイラスト・写真類が打ち抜かれたシート片を底蓋上に載置させ、ついで、ノブを前記方向と逆方向に回転操作して回転盤をプレス位置(ハ)に停止させ、そのプレス位置(ハ)にてプレス用押釦を押圧して前記可動部材上のレンズ体を下降させることにより当該レンズ体の開口部を底蓋に嵌着させてレンズ体と該底蓋とを一体化させた後、ノブを再び回転操作して回転盤を元のセット位置(イ)に復帰させた状態にてシート片が封入されたカプセル状装飾品を取り出すことができるように構成したことを特徴とするカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器。
【請求項2】
前記回転盤と前記本体との間に節度機構が介装されていて、その回転盤をセット位置(イ)、シートカット位置(ロ)及びプレス位置(ハ)の夫々の位置に停止保持可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器。
【請求項3】
前記シートホルダーは、前記シートを挟んで収めることができるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器。
【請求項4】
前記レンズ体は、凸レンズ形状であって、その外周縁を円形若しくは多角形に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器。
【請求項5】
前記供給ホルダーは、前記回転軸に外側から嵌められて弾力的に接触可能なアーム部を一体に形成したホルダー本体と、そのホルダー本体の先端部に着脱自由に設けられた駒片とからなり、その駒片に前記レンズ体の外周縁を遊嵌させる係止穴を設けたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器。
【請求項6】
両面に接着剤層が設けられて一方の面に保護片が貼着された固定用円形片を前記底蓋に貼着することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のカプセル状装飾品を作成する玩具用組付け器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−271679(P2006−271679A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94974(P2005−94974)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000116091)ロイヤル工業株式会社 (27)
【Fターム(参考)】