説明

カメラ、および電子機器

【課題】複数の電池の使用状況を表示すること。
【解決手段】電池情報取得部104aは、複数の電池のうち、どの電池から電力の供給を受けているかを検出し、複数の電池のそれぞれの電池残量を検出する。電池情報表示部104bは、それぞれの検出結果をモニタ106に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影を行うためのカメラ、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
次のような電子カメラが知られている。この電子カメラは、使用中の電池の電池残量を検出してモニタに表示するに当たって、電池の電池種に応じて電池残量の検出レベルを変更して表示結果に反映する(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−46837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子カメラは、使用中の電池残量を検出して表示するようにしていたため、カメラに複数の電池を搭載できる場合に、使用中の電池の残量とともに、使用していない電池の残量を表示することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の電池のうち、どの電池から電力の供給を受けているかを検出し、複数の電池のそれぞれの電池残量を検出し、それぞれの検出結果を表示装置に表示することを特徴とする。
本発明では、複数の電池のそれぞれの電池残量を図形、および数値の少なくともいずれか一方を用いて表示するようにしてもよい。
複数の電池のそれぞれの電池の総容量を検出し、電池残量を図形で表す場合には、複数の電池のそれぞれに対応する複数の領域を表示し、1つの領域の全範囲を対応する電池の総容量とした場合に、その領域内の電池残量に応じた範囲に色を付すことによって、各電池の総容量に対する残量を示すようにしてもよい。
複数の電池のそれぞれに対応する領域の面積が、複数の電池のそれぞれの総容量に比例した面積となるように、各領域を表示するようにしてもよい。
複数の電池のそれぞれに対応する領域、および電池残量を示す数値の少なくともいずれか一方の表示形態を変化させることによって、複数の電池のうち、どの電池から電力の供給を受けているかを示すようにしてもよい。
この場合には、電力の供給を受けている電池に対応する領域内に付す色と該領域外の色とのコントラストより、電力の供給を受けていない電池に対応する領域内に付す色と該領域外の色とのコントラストを低くするようにしてもよく、電力の供給を受けている電池については、その電池に対応する領域を点滅させて表示するようにしてもよい。また、電力の供給を受けている電池については、その電池に対応する領域と電池残量を示す数値とを表示し、電力の供給を受けていない電池については、その電池に対応する領域のみを表示するようにしてもよい。
複数の電池のぞれぞれの種類を検出し、その検出結果に基づいて、電池残量の検出結果の表示方法を変更するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使用中の電池の残量とともに、使用していない電池の残量も表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本実施の形態におけるカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ100は、例えばデジタルカメラであって、操作部材101と、レンズ102と、撮像素子103と、制御装置104と、メモリカードスロット105と、モニタ106と、電池ボックス107と、バッテリーパック接続部108とを備えている。操作部材101は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズスイッチ、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。
【0008】
レンズ102は、複数の光学レンズから構成されるが、図1では代表して1枚のレンズで表している。撮像素子103は、例えばCCDやCMOSであり、レンズ102により結像した被写体像を撮像して画像を取得する。そして、取得した画像データを制御装置104へ出力する。制御装置104は、撮像素子103で取得された画像データを所定の画像形式、例えばJpeg形式に圧縮し、Exif(Exchangeable Image File Format for Digital Still Camera)等の所定の形式の画像ファイルを生成してメモリカードスロット105へ出力する。
【0009】
メモリカードスロット105は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御装置104から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、制御装置104からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。
【0010】
モニタ106は、カメラ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ106には、メモリカードに記憶されている画像(再生画像)やカメラ100を設定するための設定メニューなどの種々の情報が表示される。また、制御装置104は、撮像素子103から時系列で画像を取得してモニタ106に出力する。これによって、モニタ106には、各フレームの画像が所定時間間隔で順番に表示される。すなわちモニタ106にはスルー画が表示される。
【0011】
電池ボックス107には、カメラ100を駆動させるための電池107aが挿入される。電池107aは、CPU107a−1、およびバッテリー107a−2を備えている。CPU107a−1は、バッテリー107a−2の総容量、および残量を検出して、それぞれに関する情報を制御装置104へ出力する。本実施の形態では、バッテリー107a−2の総容量を電池107aの総容量と呼び、バッテリー107a−2の残量を電池107aの電池残量と呼ぶ。なお、電池107aの電池残量に関する情報は、バッテリー107a−2の総容量に対する残量の割合(%)で表される。
【0012】
バッテリーパック接続部108は、外付けの外部電源であるバッテリーパック108aを接続するためのインターフェース部である。例えば、バッテリーパック108aは、カメラ100の下部にマウントする形で接続が可能になっている。なお、バッテリーパック108aも、CPU108a−1、およびバッテリー108a−2を備えており、CPU108a−1は、バッテリー108a−2の総容量、および残量を検出して、それぞれに関する情報を制御装置104へ出力する。
【0013】
本実施の形態では、バッテリー108a−2の総容量をバッテリーパック108aの総容量と呼び、バッテリー108a−2の残量をバッテリーパック108aの電池残量と呼ぶ。なお、バッテリーパック108aの電池残量に関する情報は、バッテリー108a−2の総容量に対する残量の割合(%)で表される。
【0014】
また、バッテリー107a−2および108a−2は、例えばリチウムイオン電池等の2次電池が用いられる。なお、ここで電池の総容量とは、バッテリー107a−2または108a−2の満充電容量から、カメラ100が動作不能となる、または動作停止する容量を引いた容量である。つまり、バッテリー自体の容量の内でカメラ100で使用可能な容量がカメラ100に対する電池の総容量である。
【0015】
よって、本実施の形態におけるカメラ100において、バッテリー107a−2または108a−2の電池残量が0(%)と検出されたとしても、これはカメラ100を動作させるために必要な容量がなくなったことを意味するものであり、バッテリー107a−2や108a−2に蓄えられた電池容量が完全に0になったことを意味するものではない。
【0016】
カメラ100は、電池ボックス107に挿入された電池107a、またはバッテリーパック接続部108に接続されたバッテリーパック108aのいずれかから電力の供給を受けることによって駆動する。もし、バッテリーパック接続部108にバッテリーパック108aが接続されておらず、電池ボックス107に電池107aが挿入されている場合には、カメラ100は、電池107aから電力の供給を受けて駆動する。一方、電池ボックス107に電池107aが挿入されておらず、バッテリーパック接続部108にバッテリーパック108aが接続されている場合には、カメラ100は、バッテリーパック108aから電力の供給を受けて駆動する。
【0017】
また、電池ボックス107に電池107aが挿入されており、かつバッテリーパック接続部108にもバッテリーパック108aが接続されている場合には、カメラ100は、電池107aとバッテリーパック108aのいずれか一方から電力の供給を受けて駆動する。このとき、いずれの電池(バッテリー)から電力の供給を受けるかは、使用者が指定するようにしてもよく、制御装置104がより電池残量の多い方を自動的に選択するようにしてもよい。以下、本実施の形態では、電池ボックス107に電池107aが挿入されており、かつバッテリーパック接続部108にもバッテリーパック108aが接続されている場合について説明する。
【0018】
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、電池情報取得部104aと、電池情報表示部104bとを機能的に備えている。なお、制御装置104を構成するメモリには、動作プログラム等を記憶するROM(例えばフラッシュメモリ)や、バッファメモリとして使用されるRAM(例えばSDRAM)等を含む。
【0019】
電池情報取得部104aは、電池ボックス107から出力される電池107aの総容量に関する情報、および電池残量に関する情報を取得する。また、バッテリーパック接続部108から出力されるバッテリーパック108aの総容量に関する情報、および電池残量に関する情報を取得する。すなわち、電池107a、およびバッテリーパック108aと通信してそれぞれの総容量および電池残量に関する情報を電池情報として取得する。
【0020】
電池情報表示部104bは、取得した電池107aの電池情報、およびバッテリーパック108aの電池情報を可視化してモニタ106に表示する。なお、モニタ106には、上述したように、各種メニュー、再生画像、およびスルー画などのカメラ100の背面液晶に表示される一般的な情報が表示されるため、電池情報表示部104bは、これらの情報に重ね合わせて電池情報をする。このとき、表示されている情報の視認性を妨げないように、例えば画面の隅、例えば右上隅に電池情報をする。
【0021】
図2は、表示装置106への電池情報の表示例を示す図である。なお、図2においては、「CAMERA」は電池107aを示し、「B.P.」はバッテリーパック108aを示している。電池情報表示部104bは、モニタ106上に電池情報を表示するに当たっては、例えば、図2の各図に示すように、電池107aを模式的に表した図形2a、およびバッテリーパック108bを模式的に表した図形2bをそれぞれ表示し、各図形の内部にバーグラフを表示することでそれぞれの電池残量を表す。
【0022】
すなわち、電池情報取得部104aは、モニタ106上に、電池107aおよびバッテリーパック108bのそれぞれに対応する領域(図形2aおよび図形2b)を表示し、1つの領域の全範囲を対応する電池の総容量とした場合に、その領域内の電池残量に応じた範囲に色を付すことによって、各電池の総容量に対する残量を示す。
【0023】
また、電池107aとバッテリーパック108bのうち、現在、どちらを使用中であるか、すなわちカメラ100がどちらから電力の供給を受けているかを、図形2aおよび図形2bの表示形態を変更することによって示す。例えば、バーグラフの色と背景色とのコントラストを変更することによって明示する。図2の各図では、現在使用中のバッテリーの残量を示すバーグラフの色を背景色に対するコントラストが高くなる色で表示する。例えば、白の背景色に対して黒色で表示する。一方、使用していないバッテリーの残量を示すバーグラフの色を使用中のバッテリー表示の色よりも背景色に対するコントラストが低くなる色で表示する。例えば、白の背景色に対してグレーで表示する。
【0024】
例えば、図2(a)に示す例においては、カメラ100は、バーグラフが高コントラスト色表示されている電池107aから電力の供給を受けていることを示している。すなわち、現在は電池107aを使用中であることを示している。そして、バーグラフの長さ、すなわち図形内の色が付された範囲の大きさから、電池107aの電池残量は約50%であり、バッテリーパック108bの電池残量は約90%であることが判断できる。なお、使用者がさらに電池残量を把握しやすくなるように、図2(b)に示すように、電池残量をバーグラフで表すと共に、数値で併記するようにしてもよい。あるいは、図2(c)に示すように、使用中の電池、例えば電池107aのみ数値を併記するようにしてもよい。
【0025】
また、電池107aとバッテリーパック108aの電池容量が異なる場合には、電池残量がいずれも50%であったとしても、電池容量が大きい方が残量は多くなる。このような場合、図2(a)や図2(b)に示したように、電池107aを模式的に表した図形2a、およびバッテリーパック108bを模式的に表した図形2bの大きさを同じにして、その内部に表示するバーグラフの長さで電池残量を示した場合には、使用者は、どちらが電池容量が多く、実際の残量が多いのかを判断できない。
【0026】
そこで本実施の形態では、電池情報表示部104bは、取得した電池107aの総容量に関する情報、およびバッテリーパック108aの総容量に関する情報に基づいて、図形2aおよび図形2bの横方向の長さを変更する。すなわち、電池情報表示部104bは、電池107aとバッテリーパック108aのそれぞれに対応する領域(図形2aおよび図形2b)の面積が、それぞれの総容量に比例した面積となるように、図形2aおよび図形2bを表示する。これによって、使用者は、電池107aとバッテリーパック108aの電池容量(総容量)の違いを把握することができ、さらに電池107aとバッテリーパック108aの電池残量を相対的に把握することができる。
【0027】
また、電池残量の図形による相対的な表示と共に、各バッテリーパックの残容量をそれぞれパーセント表示する(図3(a)参照)ことにより、2つのバッテリーパックの電池残量の違いを相対的に把握できると共に、各バッテリーパックの残容量も数値で確認できる。
【0028】
例えば、バッテリーパック108aの電池容量(総容量)が、電池107aの電池容量(総容量)の1.5倍である場合には、電池情報表示部104bは、図3(a)に示すように、図形2bの横方向の長さを図形2aの1.5倍の長さにする。そして、それぞれの図形の内部に、電池残量に応じた長さのバーグラフを表示する。図3(a)に示す例では、現在はバッテリーパック108aを使用中であり、例えば、電池107aの電池残量が80%、バッテリーパック108aの電池残量が33%である場合を示している。
【0029】
また、カメラ100がACアダプタを接続してAC電源で駆動可能な場合には、カメラ100は、AC電源で駆動中は電池107aおよびバッテリーパック108aのいずれも使用しない。このため、このような場合には、電池情報表示部104bは、図3(b)に示すように、図形2a内のバーグラフ、および図形2b内のバーグラフのいずれも低コントラスト表示する。また、電池情報表示部104bは、電池残量が低い場合には、使用者に充電を促すようにバーグラフの表示形態を変更するようにする。図3(b)に示す図形2b内のバーグラフは、使用者に充電を促すための表示例を示している。使用者に充電を促すに当たっては、バーグラフを点滅させるなどしてもよい。
【0030】
図4は、本実施の形態におけるカメラの処理を示すフローチャートである。図3に示す処理は、カメラ100の電源がオンされると起動するプログラムとして制御装置104によって実行される。
【0031】
ステップS10において、電池情報取得部104aは、電池ボックス107から出力される電池107aの総容量に関する情報、および電池残量に関する情報を取得する。また、バッテリーパック接続部108から出力されるバッテリーパック108aの総容量に関する情報、および電池残量に関する情報を取得する。すなわち電池情報を取得する。その後、ステップS20へ進み、電池情報取得部104aは、カメラ100が電池107aとバッテリーパック108aのどちらから電力の供給を受けて駆動しているかを判定する。すなわち、使用中のバッテリーを判定する。その後、ステップS30へ進む。
【0032】
ステップS30では、電池情報表示部104bは、図2および図3で上述したように、モニタ106に電池情報とバッテリーの使用状況と残量を表示する。その後、ステップS40へ進み、電池情報取得部104aは、取得した各バッテリーの電池残量に関する情報に基づいて、バッテリーの電池残量が少ないか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS50へ進み、電池情報表示部104bは、図3(b)に示したように、バーグラフの表示形態を変更して使用者に充電を促して、ステップS60へ進む。これに対して、否定判断した場合には、そのままステップS60へ進む。
【0033】
ステップS60では、カメラ100の電源がオフされたか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS10へ戻って処理を繰り返す。これによって、モニタ106には、常に最新のバッテリーの状態が表示される。一方、肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0034】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)電池情報取得部104aは、複数の電池のうち、どの電池から電力の供給を受けているかを検出し、複数の電池のそれぞれの電池残量を検出した。そして、電池情報表示部104bは、電池情報取得部104aによるモニタ106に表示するようにした。これによって、複数の電池が使用可能である場合に、使用中の電池の残量とともに、使用していない電池の残量も表示することができる。
【0035】
(2)電池情報表示部104bは、複数の電池のそれぞれの電池残量を図形、および数値の少なくともいずれか一方を用いて表示するようにした。これによって、使用者は図形表示や数値表示によって、それぞれの電池の電池残量を視覚的に把握することができる。
【0036】
(3)電池情報取得部104aは、電池107aおよびバッテリーパック108bのそれぞれの電池の総容量も検出し、電池情報表示部104bは、電池残量を図形で表す場合には、電池107aおよびバッテリーパック108bのそれぞれに対応する領域をモニタ106上に表示し、1つの領域の全範囲を対応する電池の総容量とした場合に、その領域内の電池残量に応じた範囲に色を付すことによってバーグラフを表示して、各電池の総容量に対する残量を示すようにした。これによって、使用者は、各電池の総容量に対する残量を視覚的に把握することができる。
【0037】
(4)電池情報表示部104bは、電池107aおよびバッテリーパック108bのそれぞれに対応する領域の面積が、電池107aおよびバッテリーパック108bのそれぞれの総容量に比例した面積となるように、各領域を表示するようにした。これによって、電池107aの総容量とバッテリーパック108bの総容量が異なる場合でも、使用者は、電池107aとバッテリーパック108aの電池容量(総容量)の違いを把握することができ、さらに電池107aとバッテリーパック108aの電池残量を相対的に把握することができる。
【0038】
(5)電池情報表示部104bは、電池107aの総容量とバッテリーパック108bのそれぞれに対応する領域、および電池残量を示す数値の少なくともいずれか一方の表示形態を変化させることによって、電池107aの総容量とバッテリーパック108bとのいずれから電力の供給を受けているかを示すようにした。これによって、使用者は、現在、どちらのバッテリーを使用中であるかを視覚的に把握することができる。
【0039】
(6)電池情報表示部104bは、電力の供給を受けているバッテリーについては、そのバッテリーに対応するバーグラフの色を背景色に対するコントラストが高くなる色で表示した。また、電力の供給を受けていないバッテリーについては、そのバッテリーに対応するバーグラフの色を使用中のバッテリー表示の色よりも背景色に対するコントラストが低くなる色で表示するようにした。これによって、使用者は、背景色に対するバーグラフの色の違いによって、容易にどちらのバッテリーを使用中であるかを把握することができる。
【0040】
(7)電池情報表示部104bは、電力の供給を受けているバッテリーについては、そのバッテリーに対応する領域と電池残量を示す数値とを表示し、電力の供給を受けていないバッテリーについては、そのバッテリーに対応する領域のみを表示するようにした。これによって、使用者は、数値表示の有無を判断するだけで、容易にどちらのバッテリーを使用中であるかを把握することができる。
【0041】
―変形例―
なお、上述した実施の形態のカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、電池情報取得部104aは、電池107a、およびバッテリーパック108aと通信してそれぞれの総容量を取得する例について説明した。しかしながら、電池情報取得部104aは、電池ボックス107に挿入された電池107aの種類、およびバッテリーパック接続部108に接続されたバッテリーパックの種類に基づいて、それぞれの総容量を検出するようにしてもよい。すなわち、電池107aの総容量は、電池ボックス107に挿入される電池の種類ごとに決まっているため、あらかじめ電池の種類ごとの総容量をメモリに記録しておく。そして、例えば電池ボックス107内に電池の種類を検出するためのスイッチを設けておく。具体的には、挿入された電池によって、オンされるスイッチが異なるように、複数のスイッチを設け、電池情報取得部104aは、その中のどのスイッチがオンされたかを検出して、その電池の種類を識別する。電池情報取得部104aは、その電池の種類に応じた電池の総容量をメモリから読み込んで、電池107aの総容量を検出する。また、バッテリーパック108aの総容量も、同様に検出するようにすればよい。
【0042】
(2)上述した実施の形態では、電池107aとバッテリーパック108bのうち、現在、どちらを使用中であるかを、背景色とバーグラフの色とのコントラストを変更することによって明示する例について説明した。しかしながら、他の方法で明示するようにしてもよい。例えば、現在使用中のバッテリーを模式的に示した図形を点滅表示したり強調表示するなどしてもよい。これによって、使用者は、図形の表示内容を見るだけで容易にどちらのバッテリーが使用されているかを把握することができる。また、どのような表示方法にするかを使用者が選択できるようにしてもよい。
【0043】
(3)上述した実施の形態では、バッテリーの電池残量をバーグラフを用いて表示する例について説明した。しかしながら、図3(c)に示すように電池残量を4段階表示するようにしてもよい。すなわち、図形2aおよび図形2b内を3つの領域に分割し、電池残量が0%のときはいずれの領域も表示しない。そして、電池残量が0%より多く、30%未満のときは、1番右側の領域のみを表示する。また、電池残量が30%以上、70%未満のときは、1番右側と中央の領域を表示する。そして、電池残量が70%以上のときは、全ての領域を表示するようにする。
【0044】
また、使用されるバッテリーが単三電池である場合など、バッテリー側に電池情報を制御装置104へ出力する機能がない場合には、電池情報取得部104aが電池側からバッテリーの総容量や残量を取得することができない。この場合には、電池情報取得部104aは、電池から出力される電圧値に基づいて電池残量を判定する。また、電池電圧に基づいて電池残量を検出する場合等、詳細な電池残量の検出が難しい場合には、電池残量を2〜10程度の段階で判定して表示してもよい。4段階表示の場合の表示例を図3(c)に示す。
【0045】
例えば、電池情報表示部104bは、使用されるバッテリーがリチウムイオン電池である場合には、バーグラフを用いて電池残量を表すようにし、使用される電池が単三電池である場合には、4段階表示で電池残量を表示するなど、使用する電池の種類に応じて、電池残量の表示方法を変更するようにしてもよい。これによって、電池の種類に応じた最適な表示方法で電池残量を表示できるようになる。なお、電池の種類を識別する方法としては、上記変形例(1)に示した方法を用いればよい。
【0046】
(4)上述した実施の形態では、カメラ100は、電池ボックス107に挿入される電池107aと、バッテリーパック接続部108に接続されるバッテリーパック108aとの2つのバッテリーを電源として使用できる例について説明した。しかしながら、バッテリーを3つ以上使用できるカメラに対しても本発明は適用可能である。使用可能なバッテリーが3つ以上ある場合には、電池情報表示部104bは、それぞれのバッテリーに対応した図形(図2および図3の図形2aおよび図形2bに相当するもの)をバッテリーの数に応じた数だけモニタ106上に表示し、それぞれの電池残量をバーグラフで表示すればよい。
【0047】
(5)上述した実施の形態では、カメラ100において、使用可能な複数のバッテリーに関する情報をモニタ107に表示する例について説明した。しかしながら、本発明は、複数のバッテリーを搭載可能であり、かつ表示装置としてのモニタを搭載している他の電子機器にも適用可能である。例えば、バッテリーで駆動するノートパソコンやビデオカメラなどに適用することもできる。
【0048】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】カメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】表示装置106への電池残量に関する情報の表示例を示す第1の図である。
【図3】表示装置106への電池残量に関する情報の表示例を示す第2の図である。
【図4】カメラの処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0050】
100 カメラ、101 操作部材、102 レンズ、103 撮像素子、104 制御装置、104a 電池情報取得部、104b 電池情報表示部、105 メモリカードスロット、106 モニタ、107 電池ボックス、107a 電池、108a バッテリーパック、107a−1、108a−1 CPU、107a−2、108a−2 バッテリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池のうち、どの電池から電力の供給を受けているかを検出する電力供給元検出手段と、
前記複数の電池のそれぞれの電池残量を検出する電池残量検出手段と、
前記電力供給元検出手段による検出結果、および前記電池残量検出結果による検出結果を表示装置に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記複数の電池のそれぞれの電池残量を図形、および数値の少なくともいずれか一方を用いて表示することを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラにおいて、
前記電池残量検出手段は、前記複数の電池のそれぞれの電池の総容量を検出し、
前記表示制御手段は、前記電池残量を図形で表す場合には、前記複数の電池のそれぞれに対応する複数の領域を表示し、1つの領域の全範囲を対応する電池の総容量とした場合に、その領域内の前記電池残量に応じた範囲に色を付すことによって、各電池の総容量に対する残量を示すことを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項3に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記複数の電池のそれぞれに対応する領域の面積が、前記複数の電池のそれぞれの総容量に比例した面積となるように、各領域を表示することを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、前記複数の電池のそれぞれに対応する領域、および前記電池残量を示す数値の少なくともいずれか一方の表示形態を変化させることによって、前記複数の電池のうち、どの電池から電力の供給を受けているかを示すことを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項5に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、電力の供給を受けている電池に対応する前記領域内に付す色と該領域外の色とのコントラストより、電力の供給を受けていない電池に対応する前記領域内に付す色と該領域外の色とのコントラストを低くすることを特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項5に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、電力の供給を受けている電池については、その電池に対応する前記領域を点滅させて表示することを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項5に記載のカメラにおいて、
前記表示制御手段は、電力の供給を受けている電池については、その電池に対応する前記領域と前記電池残量を示す数値とを表示し、電力の供給を受けていない電池については、その電池に対応する前記領域のみを表示することを特徴とするカメラ。
【請求項9】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記複数の電池のぞれぞれの種類を検出する電池種類検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記電池種類検出手段による検出結果に基づいて、前記電池残量検出結果による検出結果の表示方法を変更することを特徴とするカメラ。
【請求項10】
複数の電池のうち、どの電池から電力の供給を受けているかを検出する電力供給元検出手段と、
前記複数の電池のそれぞれの電池残量を検出する電池残量検出手段と、
前記電力供給元検出手段による検出結果、および前記電池残量検出結果による検出結果を表示装置に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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