説明

カメラ・ブームを備えたテレプレゼンス・ロボット

モニタを支持するとともに移動プラットホームに結合されたヘッドを有する遠隔制御ロボットを開示する。移動ロボットは、ブームにより移動プラットホームに結合された補助カメラも含む。移動ロボットは、遠隔制御ステーションにより制御される。一例として、ロボットを手術室の周囲で遠隔的に動かすことができる。補助カメラがブームから延びて、室内の患者又はその他のアイテムを比較的近くで見られるようにする。手術室内の助手が、ブーム及びカメラを動かすこともできる。ブームをロボットヘッドに接続して、遠隔制御ステーションがこれを遠隔的に動かすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する主題は、一般にテレプレゼンスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
危険物の遠隔制御から手術実施の支援にまで及ぶ様々な用途でロボットが使用されてきた。例えば、Wang他に付与された米国特許第5,762,458号には、外科医がロボット制御された器具の使用を通じて低侵襲医療処置を実施できるようにするシステムが開示されている。Wangのシステムでは、ロボットアームの1つが、カメラを備えた内視鏡を動かす。このカメラにより、外科医が患者の手術領域を観察できるようになる。
【0003】
本出願の譲受人であるInTouch Technologies社がRP−7という商標で導入した移動ロボットが市販されている。このInTouchロボットは、遠隔ステーションのユーザにより制御される。遠隔ステーションは、ユーザがロボットの動きを遠隔制御できるようにするジョイスティックを備えたパーソナルコンピュータとすることができる。ロボット及び遠隔ステーションの両方は、双方向ビデオ/オーディオ通信を可能にするためのカメラ、モニタ、スピーカ及びマイクを有する。ロボットカメラが遠隔ステーションの画面にビデオ画像を提供して、ユーザがロボットの周囲を見てロボットを適宜動かせるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,925,357号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
InTouchロボットシステムを医師が使用して、患者を遠隔的に観察及び診断することができる。例えば、このロボットを手術室で使用して、遠隔オペレータが処置を支援できるようにすることができる。手術室によっては、ブームに装着されたモニタ及び/又はカメラを含むところもある。カメラは、遠隔の観察者に画像を提供することができる。カメラが手術台から比較的遠くに位置し、又はその位置が望ましくないと、画像が遠隔ユーザにとって満足のいく品質でなくなることがある。例えば、遠隔ユーザが、より高品質な患者の傷口又は手術部位の画像を必要とすることがある。しかも、ブーム装着カメラのない手術室もある。このような部屋にコスト効率のよい方法で遠隔カメラ機能を提供することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
モニタを支持するとともに移動プラットホームに結合されたヘッドを有する遠隔制御ロボット。この移動ロボットは、ブームにより移動プラットホームに結合された補助カメラも含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ロボット・システムを示す図である。
【図2】ロボットの電気システムの概略図である。
【図3】ロボットを示す図である。
【図4】手術室内の移動ロボットを示す図である。
【図5】遠隔ステーションのグラフィカル・ユーザ・インターフェイスである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
モニタを支持するとともに移動プラットホームに結合されたヘッドを有する遠隔制御ロボットを開示する。移動ロボットは、ブームにより移動プラットホームに結合された補助カメラも含む。移動ロボットは、遠隔制御ステーションにより制御される。一例として、ロボットを手術室の周囲で遠隔的に動かすことができる。補助カメラがブームから延びて、室内の患者又はその他のアイテムを比較的近くで見られるようにする。手術室内の助手が、ブーム及びカメラを動かすこともできる。ブームをロボットヘッドに接続して、遠隔制御ステーションがロボットヘッドを動かすことにより、これを遠隔的に動かすことができる。或いは、ブームをロボットの本体に接続して、ロボットを動かすことによりこれを遠隔的に動かすこともできる。
【0009】
図面を参照番号で詳細に参照すると、図1は、遠隔訪問を行うために使用できるロボット・システム10を示している。ロボット・システム10は、ロボット12、ベース・ステーション14及び遠隔制御ステーション16を含む。遠隔制御ステーション16は、ネットワーク18を介してベース・ステーション14に結合することができる。一例として、ネットワーク18は、インターネットなどのパケット交換ネットワーク、又は公衆交換電話網(PSTN)などの回路交換ネットワーク、或いはその他の広帯域システムのいずれであってもよい。ベース・ステーション14は、モデム20又はその他の広帯域ネットワークインターフェイス装置によりネットワーク18に結合することができる。一例として、ベース・ステーション14を無線ルータとすることができる。或いは、ロボット12が、例えば衛星を介してネットワークに直接接続することもできる。
【0010】
遠隔制御ステーション16は、モニタ24と、カメラ26と、マイク28と、スピーカ30とを有するコンピュータ22を含むことができる。コンピュータ22は、ジョイスティック又はマウスなどの入力装置32を含むこともできる。通常、制御ステーション16は、ロボットから離れた場所に位置する。1つの遠隔制御ステーション16しか示していないが、システム10は複数の遠隔ステーションを含むことができる。一般的には、あらゆる数の遠隔ステーション16又はその他のロボット12により、あらゆる数のロボット12を制御することができる。例えば、1つの遠隔ステーション16を複数のロボット12に結合することができ、或いは1つのロボット12を複数の遠隔ステーション16又は複数のロボット12に結合することができる。
【0011】
個々のロボット12は、ロボット・ハウジング36に取り付けられた移動プラットホーム34を含む。ロボット・ハウジング36には、カメラ38、モニタ40、(単複の)マイク42及び(単複の)スピーカ44も取り付けられる。マイク42及びスピーカ30は、ステレオ音声を作成することができる。ロボット12はまた、ベース・ステーション14のアンテナ48に無線で結合されたアンテナ46を有することもできる。システム10は、遠隔制御ステーション16のユーザが入力装置32の操作を通じてロボット12を動かせるようにする。遠隔ステーション16のユーザが患者などの被験者を観察できるように、ロボットカメラ38が遠隔モニタ24に結合される。同様に、患者がユーザを見ることができるように、ロボット・モニタ40が遠隔カメラ26に結合される。マイク28及び42、並びにスピーカ30及び44が、患者とユーザの間の可聴通信を可能にする。
【0012】
遠隔ステーション・コンピュータ22は、Microsoft OSソフトウェア及びWINDOWS(登録商標) XP又はLINUXなどのその他のオペレーティング・システムを動作させることができる。遠隔コンピュータ22はまた、ビデオ・ドライバ、カメラ・ドライバ、オーディオ・ドライバ及びジョイスティック・ドライバを動作させることもできる。MPEG CODECなどの圧縮ソフトウェアを使用して、ビデオ画像を送受信することもできる。
【0013】
ロボット12は、ブーム52から延びる補助カメラ50を含む。ブーム52は、スリップ、バネ又はラチェット関節などの1又はそれ以上の受動関節を有することができる。カメラ50は、受動的及び/又は能動的移動機構を有することもできる。これにより、誰かがカメラ50の位置をロボット12に対して手動で動かせるようになる。補助カメラ50をロボット12の電気システムに取り付けて、カメラ50が捕らえた画像がロボット12を介して遠隔制御ステーション16へ送信されるようにすることができる。或いは、カメラ50がロボット12へビデオを直接無線で送信して、これをさらにベース・ステーション14へ送信するようにすることもできる。
【0014】
カメラ50は、ブーム52に簡易脱着機構(図示せず)で接続することができる。簡易脱着機構は、カメラ50をブーム52から容易に取り外せるようにする。カメラ50は、手持ちによる使用を可能にするバッテリ及び無線送信機を含むことができる。無線送信機により画像をロボット12へ送信して、これをさらに遠隔ステーション14へ送信するようにすることができる。
【0015】
図2は、ロボット12の実施形態を示している。個々のロボット12は、高レベル制御システム150及び低レベル制御システム152を含むことができる。高レベル制御システム150は、バス156に接続されたプロセッサ154を含むことができる。バス156は、入力/出力(I/O)ポート158によりカメラ38に結合される。モニタ40は、シリアル出力ポート160及びVGAドライバ162によりバス156に結合される。モニタ40は、ユーザがモニタ画面に触れることによって入力を行えるようにするタッチ画面機能を含むことができる。
【0016】
スピーカ44は、デジタルアナログ・コンバータ164によりバス156に結合される。マイク42は、アナログデジタル・コンバータ166によりバス156に結合される。高レベル・コントローラ150は、ランダム・アクセスメモリ(RAM)装置168、不揮発性RAM装置170及び大容量記憶装置172を含むこともでき、これらは全てバス156に結合される。大容量記憶装置172は、遠隔制御ステーション16のユーザがアクセスできる患者の医療ファイルを含むことができる。例えば、大容量記憶装置172は、患者の写真を含むことができる。ユーザ、特にヘルスケア・プロバイダは、古い写真を呼び出して、これをカメラ38により提供される患者の現在のビデオ画像とモニタ24上で並べて比較することができる。ロボットアンテナ46は、無線トランシーバー174に結合することができる。一例として、トランシーバー174は、IEEE802.11bに基づいて情報を送受信することができる。
【0017】
補助カメラ50は、シリアル出力ポート175によってバス156に結合することができる。シリアルポート175は、汎用非同期送受信回路(「UART」)インターフェイスを含むことができる。
【0018】
コントローラ154は、LINUX OSオペレーティングシステムで動作することができる。コントローラ154はまた、ビデオ、カメラ及びオーディオドライバとともにMS WINDOWSを動作させて遠隔制御ステーション16と通信することもできる。MPEG CODEC圧縮技術を使用してビデオ情報を送受信することもできる。ソフトウェアにより、ユーザから患者への及び患者からユーザへのEメールの送信を可能にすること、或いは患者がインターネットにアクセスできるようにすることもできる。一般に、高レベルコントローラ150は、ロボット12と遠隔制御ステーション16との間の通信を制御するように動作する。
【0019】
遠隔制御ステーション16は、高レベルコントローラ150と同様のコンピュータを含むことができる。このコンピュータは、情報の生成、送信、受信及び処理を行うためのプロセッサ、メモリ、I/O、ソフトウェア、ファームウェアなどを有すると考えられる。
【0020】
高レベル・コントローラ150は、シリアルポート176により低レベル制御回路152に結合することができる。低レベル制御装置152は、ロボット12を機械的に作動させるソフトウェアルーチンを実行する。例えば、低レベル制御装置152は、移動プラットホームを作動させてロボット12を動かすように命令を与える。低レベル制御装置152は、高レベル制御装置150から動き命令を受信することができる。この動き命令を、遠隔制御ステーション又は別のロボットからの動きコマンドとして受信することができる。2つのコントローラを示しているが、個々のロボット12は、高及び低レベル機能を制御するコントローラを1つ有することもでき、或いは2つよりも多くのコントローラを有することもできる。
【0021】
図3は、ロボット12の実施形態を示している。ロボット12は、ロボット・ハウジング202に取り付けられたホロノミック・プラットホーム200を含むことができる。ホロノミック・プラットホーム200は3自由度を提供して、ロボット12があらゆる方向に動けるようにする。
【0022】
ロボット12は、カメラ38と、モニタ40と、ブーム52とを支持するヘッド204を有することができる。ヘッド204は2自由度を有して、カメラ38、モニタ40及び補助カメラ50が、矢印で示すようにともに旋回及び枢動できるようにすることができる。このシステムは、譲受人である米国カリフォルニア州サンタバーバラのInTouch−Health社が提供するRP−7という名称のロボット・システムと同一又は同様のものであってもよい。このシステムはまた、2005年8月2日に取得した米国特許第6,925,357号に開示されるシステムと同一又は同様のものであってもよく、該特許は引用により本明細書に組み入れられる。
【0023】
図4に示すように、手術台252を有する手術室250の周囲でロボット12を操作することができる。部屋250は、ブーム256の端部に位置するモニタ254、及びブーム260により支持されるランプ258を有することもできる。
【0024】
遠隔ステーション(図示せず)のオペレータは、補助カメラ50が手術台252の上部に位置するようにロボット12を動かすことができる。手術室内の人間がロボットブーム52を手動で調整して、カメラ50を通じて所望の視野を得ることができる。遠隔オペレータが、ロボットヘッド204をパン及び/又は傾斜の自由度で作動させることにより補助カメラ50を動かすこともできる。補助カメラをブーム52の端部に装着することにより、カメラ50が、台252の上に位置する患者の写真/ビデオを好ましい地点から撮影できるようになる。
【0025】
図5は、遠隔ステーション16において表示できるディスプレイ・ユーザ・インターフェイス(「DUI」)300を示している。DUI300は、ロボットのカメラにより提供されるビデオ画像を表示するロボット視野302を含むことができる。DUI300はまた、遠隔ステーション16のカメラにより提供されるビデオ画像を表示するステーション視野304を含むこともできる。DUI300はまた、ロボットの補助カメラにより提供される写真/ビデオを表示する補助カメラ視野306を有することもできる。DUIは、補助カメラ画像を視野302内に表示するように選択できるグラフィカル・ボタン(図示せず)を有することができる。補助画像を視野302内に表示した場合、ロボットは、カメラ50の望ましくない動きを引き起こす恐れのある振動及びその他の動揺を最小にするモードで動作することができる。DUI300は、遠隔ステーション16のコンピュータ22に記憶され、このコンピュータにより動作するアプリケーション・プログラムの一部とすることができる。ディスプレイ・ユーザ・インターフェイス及びこのインターフェイスが提供する様々な特徴及び機能は、RP−7システムにより提供されるDUIと同一又は同様のものであってもよい。
【0026】
遠隔ステーション16の入力装置32を操作することにより、手術室などの場所を通じてロボット12を操作することができる。ロボット及び遠隔制御ステーションの両方のカメラ及びモニタにより、患者と(単複の)遠隔ステーションにおける人間との間の電話会議が可能になる。多くの異なるユーザによりロボット10を制御することもできる。これに対応するために、ロボットは調停システムを有することができる。この調停システムを、ロボット12のオペレーティングシステムに組み込むことができる。例えば、高レベル・コントローラ150のオペレーティング・システムに調停技術を組み込むことができる。
【0027】
一例として、ロボット自体、ローカル・ユーザ、介護人、医師、家族、又はサービス・プロバイダを含むクラスにユーザを分割することができる。ロボット12は、ロボットの動作と衝突する入力コマンドを無視することができる。例えば、ロボットが壁に突き当たる場合、システムは、全ての追加コマンドを無視して壁の方向へ進み続けることができる。ローカルユーザとは、物理的にロボットとともに存在する人間のことである。ロボットは、ローカル操作を可能にする入力装置を有することができる。例えば、可聴コマンドを受け取って解釈する音声認識システムをロボットに組み入れることができる。
【0028】
介護人とは、患者を遠隔でモニタする人物のことである。医師は、ロボットを遠隔で制御できるとともにロボットのメモリに含まれる医療ファイルにアクセスすることもできる医療専門家である。家族及びサービス・ユーザは、ロボットに遠隔でアクセスする。サービスユーザは、ソフトウェアをアップグレードしたり、或いは動作パラメータを設定したりすることなどによりシステムを補修することができる。
【0029】
ロボット12は、排他モード又は共有モードという2つの異なるモードの一方で動作することができる。排他モードでは、一人のユーザしかロボットにアクセス制御することができない。排他モードでは、個々の種類のユーザに優先権を割り当てることができる。一例として、ローカル、医師、介護人、家族、そしてサービス・ユーザの順に優先権を定めることができる。共有モードでは、2又はそれ以上のユーザがロボットに共有アクセスすることができる。例えば、介護人がロボットにアクセスすることができ、次に介護人が共有モードに入って、医師もロボットにアクセスできるようにすることができる。介護人及び医師の両方は、患者と同時電話会議を行うことができる。
【0030】
医師が監督を行うためにシステム10を使用することもでき、この場合、遠隔ステーションの医師がロボットの近くに位置する医師に命令及びフィードバックを与える。例えば、遠隔位置の医師が患者を観察して、診断中の患者の側にいる医師を支援することができる。同様に、遠隔の医師が、ロボットの場所における医療処置の実施を支援することもできる。
【0031】
調停スキームは、通知、タイムアウト、キュー及びコールバックという4つの機構のうちの1つを有することができる。通知機構は、現在のユーザ又は要求しているユーザのいずれかに、別のユーザがロボットにアクセスしており、又はロボットへのアクセスを望んでいることを知らせることができる。タイムアウト機構は、所定の種類のユーザに規定の時間を与えてロボットへのアクセスを終わらせる。キュー機構は、ロボットにアクセスするための整然とした順番待ちリストである。コールバック機構は、ロボットにアクセスできることをユーザに知らせる。一例として、家族ユーザは、ロボットを使用できるというEメールメッセージを受け取ることができる。表I及び表IIは、これらの機構が様々なユーザからのアクセス要求をどのようにして解決するかを示すものである。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】


【0034】
ステーション16とロボット12の間で送信される情報は暗号化することができる。また、ユーザは、システム10に入るためにパスワードを入力する必要があり得る。このとき、選択されたロボットが、ステーション16により電子キーを与えられる。ロボット12は、キーを確認してステーション16に別のキーを戻す。このキーは、セッションで送信される情報を暗号化するために使用される。
【0035】
ロボット12及び遠隔ステーション16は、広帯域ネットワーク18を介してコマンドを送信する。ユーザは、様々な方法でコマンドを生成することができる。例えば、ジョイスティック32(図1を参照)を動かすことにより、ロボットを動かすコマンドを生成することができる。コマンドは、TCP/IPプロトコル基づいてパケット内にアセンブルされることが好ましい。表IIIは、遠隔ステーションで生成され、ネットワークを介してロボットへ送信される制御コマンドのリストを示している。
【0036】
【表3】


【0037】
表IVは、ロボットが生成し、ネットワークを介して遠隔ステーションへ送信される報告コマンドのリストを示している。
【0038】
【表4】


【0039】
ロボットの高レベルコントローラ150のプロセッサ154は、ある時間間隔内にロボット12がロボット制御コマンドを受け取ったかどうかを判定するプログラムを動作させることができる。例えば、ロボット12が2秒内に制御コマンドを受け取らない場合、プロセッサ154は、低レベルコントローラ150にロボット12を停止するように命令する。ソフトウェアの実施形態について説明しているが、この制御コマンドのモニタ機能をハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実施することもできる。ハードウェアとしては、制御コマンドを受け取るたびにリセットされ、ロボットを停止させるコマンド又は信号を生成し又は終了させるタイマを含むことができる。
【0040】
遠隔ステーションコンピュータ22は、ロボットカメラにより提供されるビデオ画像の受信をモニタすることができる。遠隔ステーションが、ある時間間隔内に更新済みのビデオ画像を受信又は送信しない場合、コンピュータ22がSTOPコマンドを生成してロボットへ送信することができる。このSTOPコマンドはロボットを停止させる。一例として、遠隔制御ステーションが2秒以内に新たなビデオ画像を受信しない場合、コンピュータ22がSTOPコマンドを生成することができる。ソフトウェアの実施形態を説明しているが、このビデオ画像のモニタ機能をハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実施することもできる。ハードウェアとしては、新たなビデオ画像を受け取るたびにリセットされ、ロボットSTOPコマンドを生成するためのコマンド又は信号を生成し又は終了させるタイマを含むことができる。
【0041】
ロボットは、内部安全停止機能を有することもできる。例えば、ロボットは、ロボット・コントローラと、プラットホーム・モータを動作させるために使用するロボット・サーボとの間の通信をモニタすることができる。このロボットのモニタにより、ロボットコントローラとモータサーボとの間に通信が無いことを検出した場合、プラットホーム・モータへの電力を打ち切るように継電器を切り替えることができる。
【0042】
遠隔ステーションはまた、入力装置32のための安全機能を有することもできる。例えば、(10秒などの)ある時間間隔にわたってジョイスティックからの入力が無い場合、コンピュータ22は、ユーザが、入力装置を再び作動させる(2秒などの)別の時間間隔にわたってボタンを押さない限りその後の入力を中継することができない。
【0043】
いくつかの例示的な実施形態について説明し添付図面に示したが、当業者には他の様々な修正が思い当たると思われるため、このような実施形態は例示にすぎず、広範な発明を限定するものではないこと、及び図示し説明した特定の構造及び構成に本発明を限定すべきでないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0044】
10 システム; 12 ロボット; 14 ベース・ステーション;
16 遠隔制御ステーション; 18 ネットワーク; 20 モデム;
22 コンピュータ; 24、40 モニタ; 26、38、50 カメラ;
28、42 マイク; 30、44 スピーカ; 32 入力装置;
34 プラットホーム; 36 ロボット・ハウジング; 46、48 アンテナ;
52 ブーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔制御ロボットであって、
移動プラットホームと、
モニタを支持するとともに前記移動プラットホームに結合されたヘッドと、
前記移動プラットホームに結合されたブームと、
前記ブームに結合された補助カメラと、
を備えることを特徴とするロボット。
【請求項2】
前記ヘッドに結合された一次カメラをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記ブームが少なくとも1つの受動関節を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記ブームが前記ヘッドに接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項5】
前記ヘッドが少なくとも2自由度で動く、
ことを特徴とする請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記移動プラットホームに結合されたマイク及びスピーカをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項7】
前記カメラが、簡易脱着機構により前記ブームに結合される、
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項8】
遠隔制御ロボット・システムであって、
移動ロボットと、
遠隔制御ステーションと
を備え、前記移動ロボットには、
移動プラットホームと、
モニタを支持するとともに前記移動プラットホームに結合されたヘッドと、
前記移動プラットホームに結合されたブームと、
前記ブームに結合された補助カメラと、
が備えられている、ことを特徴とする遠隔制御ロボット・システム。
【請求項9】
前記移動ロボットが、前記ヘッドに結合された一次カメラを備える、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ブームが少なくとも1つの受動関節を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記ブームが前記ヘッドに接続される、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記ヘッドが少なくとも2自由度で移動する、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記移動プラットホームに結合されたマイク及びスピーカをさらに備える、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記遠隔制御ステーションが、前記移動ロボットの前記モニタに結合されたカメラを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記遠隔制御ステーションが、ロボット視野と、ステーション視野と、補助カメラ視野とを含むディスプレイ・ユーザ・インターフェイスを表示する、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
前記補助カメラからの画像が、前記ロボット視野内に表示される、
ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記カメラが、簡易脱着機構により前記ブームに結合される、
ことを特徴とする請求項8に記載のロボット。
【請求項18】
前記カメラの動きが前記遠隔制御ステーションを通じて制御される、
ことを特徴とする請求項8に記載のロボット。
【請求項19】
移動ロボットを制御する方法であって、
モニタを有する移動ロボットへ遠隔制御ステーションからコマンドを送信するステップと、
前記コマンドに応答して前記移動ロボットを動かすステップと、
前記移動ロボットのブームに結合された補助カメラから前記遠隔制御ステーションへ画像を送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記ブーム及び補助カメラを動かすステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記遠隔制御ステーションのカメラから前記移動ロボットのモニタへ画像を送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記補助カメラから送信された前記画像が、前記遠隔制御ステーションのディスプレイ・ユーザ・インターフェイス内に表示される、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−506320(P2012−506320A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532109(P2011−532109)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/055491
【国際公開番号】WO2010/047881
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(505029780)インタッチ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】