説明

カメラ用ペデスタル

高所からの撮影を狭い場所でも安全に操作可能とする。水平移動自在なキャリア22上で水平旋回自在なポール支持部15に伸縮ポール30を立設する。上段ポール3上部にカメラ固定部9を揺動可能に支持し、下段ポール1にチルト操作用滑車11を回転可能に設け、下段ポール基部に中段と上段のポール2、3及びカメラ18の荷重を相殺する定荷重ばね5を設ける。中段ポール昇降用ワイヤロープ7を下段ポール上部の昇降用滑車6に掛け回し、一端を定荷重ばね5、他端を中段ポール2下部に連結。上段ポール昇降用ワイヤロープ8を中段ポール上部の昇降用滑車10に掛け回し、一端を下段ポール1基部、他端を上段ポール3下部に連結する。チルト用ワイヤロープ14を下段ポール上部のチルト用滑車12と中段ポール下部のチルト用滑車13に掛け回し、一端をチルト操作用滑車11、他端をカメラ固定部9の支軸31の前後に連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報道や番組撮影において高い位置からの撮影を行うことができるようにするカメラ用ペデスタルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高い位置からの撮影を行う場合には、足場を組上げ、人がその上に乗って撮影したり、あるいは撮影用クレーン装置(特開平05−161037号公報参照)を使用して撮影を行っていた。
しかしながら、高所からの撮影を行うための足場の組立作業は、非常に大きな労力を必要とする。また、スタジオ内などでよく使用される撮影用クレーン装置は、大きなスペースが必要で、狭い撮影場所では使用できず、周囲に人がいると危険であり、しかも非常に高価であるという問題がある。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、高所からの撮影を行う場合における上記問題を解決するものであって、容易に操作でき、高所からの撮影を狭い場所でも安全に行うことを可能とする、軽量で安価なカメラ用ペデスタルを提供することを目的とする。
本発明のカメラ用ペデスタルは、水平移動可能なキャリアと、キャリア上に水平旋回可能に支承されたポール支持部と、ポール支持部の旋回中心を軸芯としてポール支持部上に立設された下段ポールと中段ポールと上段ポールとからなる伸縮ポールと、伸縮ポールを伸縮させる伸縮手段と、上段ポールの上部に軸芯に対して垂直な支軸で揺動可能に支持されたカメラ固定部と、下段ポールに軸芯に対して垂直なチルト操作軸で回転可能に取り付けられたチルト操作手段と、下段ポールの上部に設けたチルト用滑車と中段ポールの下部に設けたチルト用滑車とに掛け回され、一端がチルト操作手段に連結され、他端がカメラ固定部の支軸の前後にそれぞれ連結された前後のチルト用ワイヤロープと、を備えることにより上記課題を解決している。
【0004】
本発明のカメラ用ペデスタルは、伸縮ポールを鉛直方向に伸縮させることによりカメラを昇降させるので、狭い場所でも高い位置からの撮影を安全に行うことができる。また、カメラを人の手の届かない高所でまで上昇させても、下段ポールに設けたチルト操作手段でチルト操作できる。ポール支持部がキャリア上で水平旋回自在であるので、伸縮ポールの軸芯を中心とするパン操作が可能であり、キャリアを水平移動させることもできる。
【0005】
このカメラ用ペデスタルは、構造が簡単で軽量且つ安価であり、容易に操作を行うことができる。
伸縮ポールを伸縮させる伸縮手段としては、油圧シリンダ、ボールネジその他の手段を適宜選択できる。また、中段ポールと上段ポールを同時に伸縮させるようにしてもよく、個別に伸縮させるようにしてもよい。
【0006】
なお、伸縮手段を、下段ポールの基部に設けられた、中段ポール、上段ポール、及びカメラの荷重を相殺するための定荷重ばねと、下段ポールの上部に設けた昇降用滑車に掛け回され、一端が定荷重ばねに連結され、他端が中段ポールの下部に連結された中段ポール昇降用ワイヤロープと、中段ポールの上部に設けた昇降用滑車に掛け回され、一端が下段ポールの基部に連結され、他端が上段ポールの下部に連結された上段ポール昇降用ワイヤロープとで構成すると、中段ポール、上段ポール、及びカメラの荷重が定荷重ばねによって相殺されるため、伸縮のために大きな力を要せず、人力で容易に昇降操作することができる。
【0007】
中段ポールに昇降及び旋回用のハンドルを取り付けると、昇降及び旋回の操作がより容易になる。
下段ポールにカメラ用モニターを設けると、カメラを高所に移動させたときも撮影している映像を容易に確認できる。
さらに、前後のチルト用ワイヤロープの一端をチルト操作手段に設けたチルト操作用滑車にそれぞれ連結し、チルト操作用滑車と同径のカメラチルト用滑車を支軸を中心として回転可能にカメラ固定部に固定して、チルト用ワイヤロープの他端をカメラが水平となる状態でカメラチルト用滑車の上部にそれぞれ連結すると、チルト操作用滑車とカメラチルト用滑車が同径であることから、チルト操作用滑車の回転角度とカメラのチルト角度が等しくなり、且つカメラのチルト角度に関わらずチルト用ワイヤロープにかかる荷重が一定となり、操作性が向上する。
【0008】
また、カメラ固定部を、重心が支軸の軸線上となる位置でカメラを固定可能な構造とすることで、カメラのチルト角度が変化してもチルト操作手段の操作力は一定にできるのでカウンターウェイトやバランス機構等を設ける必要がなく軽量化が可能となる。
キャリアが移動装置にキャスターを備えていると、平面上の任意の位置へ移動することができる。
【0009】
キャリアが移動装置に軌道走行車輪を備えていると、軌道に沿って所定の経路を正確に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の一形態を示すカメラ用ペデスタルの斜視図である。
【図2】カメラ用ペデスタルの側面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】カメラ用ペデスタルの縮小状態の斜視図である。
【図5】カメラ用ペデスタルのワイヤロープの掛け回し方法の説明図である。
【図6】チルト用ワイヤロープの移動量に対するチルト角度の変化量を示す説明図である。
【図7】チルト用ワイヤロープの移動量に対するチルト角度の変化量を示す説明図である。
【図8】チルト角度によるカメラの重心位置を示す説明図である。
【図9】チルト角度によるカメラの重心位置を示す説明図である。
【図10】チルトハンドルにカウンターウェイトを設けた状態を示すカメラ用ペデスタルの側面図である。
【図11】カメラ固定部にバランス機構を設けた状態を示す説明図である。
【図12】カメラチルト用滑車を設けると共に、重心が支軸の軸線上となる位置でカメラを固定したカメラ固定部の側面図である。
【図13】カメラチルト用滑車を設けると共に、重心が支軸の軸線上となる位置でカメラを固定したカメラ固定部の正面図である。
【図14】カメラチルト用滑車を設けると共に、重心が支軸の軸線上となる位置でカメラを固定したカメラ固定部のチルト状態を示す側面図である。
【図15】カメラ用ペデスタルの移動操作時の力を加える方向と実際の進路との相違を示す底面図である。
【図16】移動装置に軌道走行車輪を備えたカメラ用ペデスタルの斜視図である。
【図17】軌道走行車輪を備えた移動装置の正面図である。
【図18】軌道走行車輪を備えた移動装置の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明の実施の一形態を示すカメラ用ペデスタルの斜視図、図2はカメラ用ペデスタルの側面図、図3は図2のA−A線断面図、図4はカメラ用ペデスタルの縮小状態の斜視図、図5はカメラ用ペデスタルのワイヤロープの掛け回し方法の説明図である。
このカメラ用ペデスタルは、キャスター17とレベル調整機構16とを備えた移動装置43によって水平移動可能なキャリア22上に、ポール支持部15が旋回機構23で水平旋回可能に支承されており、このポール支持部15上にその旋回中心を軸芯Yとして伸縮ポール30が立設されている。ここで、キャリア22には移動装置取付ブラケット42が四方に固設され、この移動装置取付ブラケット42に移動装置43が取付けられているが安定した状態で移動できればその個数や位置は適宜変更しても差し支えない。
【0012】
伸縮ポール30は、互いに摺動可能に嵌挿された下段ポール1と中段ポール2と上段ポール3とからなり、上段ポール3の上部には、軸芯Yに対して垂直な支軸31でカメラ固定部9が揺動可能に支持されている。このカメラ固定部9上には、カメラ18が載置固定される。
下段ポール1には、軸芯Yに対して垂直なチルト操作軸19で、チルト操作用滑車11が回転可能に取り付けられている。チルト操作軸19は図3上で右側方(後方に位置する撮影者側から見ると左手側)に延出しており、その先端部には、チルト操作軸19とチルト操作用滑車11を回転させてチルト操作を行うためのチルトハンドル21が取り付けられている。
【0013】
また、下段ポール1のチルト操作軸19付近には、カメラ用モニター24が設けられている。
中段ポール2には、中段ポール2を昇降、旋回させることにより、カメラ18の高さやカメラ18の方向を変更するための昇降ハンドル20が取り付けられている。
下段ポール1の基部のポール支持部15上には、定荷重ばね5が設けられている。この定荷重ばね5は、中段ポール2、上段ポール3、及びカメラ18の荷重を相殺するためのものであり、例えば、市販のコンストン(登録商標)ばね等が用いられる。
【0014】
図5に示すように、下段ポール1の上部には昇降用滑車6が設けられており、この昇降用滑車6には中段ポール昇降用ワイヤロープ7が掛け回され、一端が定荷重ばね5に連結され、他端が中段ポール2の下部に連結されている。
中段ポール2の上部には昇降用滑車10が設けられており、この昇降用滑車10には上段ポール昇降用ワイヤロープ8が掛け回され、その一端が下段ポール1の基部のポール支持部15に連結され、他端が上段ポール1の下部に連結されている。
【0015】
また、下段ポール1の上部の前後にチルト用滑車12、中段ポール2の下部の前後にもチルト用滑車13が設けられており、この前後のチルト用滑車12、13にはそれぞれチルト用ワイヤロープ14が掛け回され、一端がチルト操作用滑車11に連結され、他端がカメラ固定部9の支軸31の前後にそれぞれ連結されている。
このカメラ用ペデスタルを用いて撮影する場合には、撮影者は、まず、レベル調整機構16でキャリア22のレベルを調整して、ポール支持部15が水平に旋回し、伸縮ポール30が鉛直方向に伸縮できるようにする。
【0016】
カメラ18の高さを変更するときには、昇降ハンドル20を手動で昇降させる。中段ポール昇降用ワイヤロープ7が下段ポール1の上部の昇降用滑車6に掛け回されて、一端が定荷重ばね5に連結され、他端が中段ポール2の下部に連結されており、且つ上段ポール昇降用ワイヤロープ8が中段ポール2の上部の昇降用滑車10に掛け回されて、一端が下段ポール1の基部のポール支持部15に連結され、他端が上段ポール1の下部に連結されているので、カメラ18は昇降ハンドル20の移動距離の2倍の距離だけ昇降する。
【0017】
カメラ18、カメラ固定部9、上段ポール3に作用する重力は、上段ポール昇降用ワイヤロープ8に掛かり、その張力が昇降用滑車10で支持されている。この昇降用滑車10で支持される上段ポール昇降用ワイヤロープ8の張力と、昇降ハンドル20を含む中段ポール2に作用する重力は、中段ポール昇降用ワイヤロープ7に掛かるが、この力を相殺するように、中段ポール昇降用ワイヤロープ7には常に一定の張力が定荷重ばね5によって与えられるので、伸縮ポール30を伸縮させるのに大きな力は要しない。
【0018】
下段ポール1にカメラ用モニター24が設けられているので、カメラ18を高所に移動させたときも撮影している映像は容易に確認できる。
カメラ18の方向を変更するときには、昇降ハンドル20を手動で旋回させる。
旋回機構23によって、伸縮ポール30がポール支持部15と共に旋回するので、カメラ18は昇降ハンドル20の旋回角度だけ水平旋回する。
【0019】
カメラ18のチルト角度を変更するときには、チルトハンドル21を手動で操作し、チルト操作軸19でチルト操作用滑車11を回転させる。
チルト用ワイヤロープ14がチルト用滑車12、13に掛け回されて、一端がチルト操作用滑車11に連結され、他端がカメラ固定部9の支軸31の前後にそれぞれ連結されているので、チルト操作用滑車11を回転させると、カメラ18のチルト角度が変わる。
【0020】
例えば、チルト操作軸19を図2上で時計方向に回転させると、カメラ固定部9の支軸31の後側に連結されているチルト用ワイヤロープ14が引張され、カメラ固定部9の後側が下がるように傾動するので、カメラ18は上を向く。
このとき、カメラ固定部9の支軸31の前側に連結されているチルト用ワイヤロープ14は、チルト操作用滑車11の回転で送り出されるため、カメラ固定部9の前側が上がるのに追従できる。
【0021】
チルト操作軸19を図2上で反時計方向に回転させると、カメラ固定部9の支軸31の前側に連結されているチルト用ワイヤロープ14が引張され、カメラ固定部9の前側が下がるように傾動するので、カメラ18は下を向く。
また、図1に示す伸長状態から図4に示す縮小状態へ伸縮ポール30を縮小させたとき、カメラ固定部9から中段ポール2の下部に設けたチルト用滑車13までの距離が移動距離分だけ減少するが、このチルト用滑車13から下段ポール1の上部に設けたチルト用滑車12までの距離が増加するので、チルト用ワイヤロープ14が弛むことはない。従って、縮小状態でも伸長状態の場合と同様に、チルトハンドル21の操作でカメラのチルト角度を変更することができる。
【0022】
カメラ用ペデスタルは、キャリア22がキャスター17を備えた移動装置43で水平移動可能であるので、カメラ18を任意の撮影位置まで水平移動することもできる。
なお、このカメラ用ペデスタルでは、チルト用ワイヤロープ14がカメラ固定部9に直接連結されているので、図6、図7に示すように、チルト角度が大きくなるに従って上段ポール3とチルト用ワイヤロープ14との間の距離が減少し、チルト用ワイヤロープ14の上下方向への移動量hに対するチルト角度の変化量Δθが大きくなる。
【0023】
即ち、チルト角度が大きくなるに従って、チルトハンドル21の操作量とカメラ18のチルト角度の変化量とが比例しなくなる。
また、図8、図9に示すように、カメラ18の重心Gが支軸31から離れているため、チルト角度θが大きくなるとカメラ18を水平に戻すため大きな操作力が必要になる。
この操作力を均等にするためには、図10に示すように、チルトハンドル21にカウンターウェイト33を設けたり、図11に示すように、カメラ固定部9の支軸31の前後にスプリング35によるバランス機構34を設けることも考えられるが、カウンターウェイト33を設けると全体質量が増加し、バランス機構34を設けるとカメラ18周辺部の質量が増加して定荷重ばね5の引き込み力を増大させることが必要になる。
【0024】
よって、これらの点に対処するためには、図12〜図14に示すような構成とすることが好ましい。
ここでは、チルト操作用滑車11と同径のカメラチルト用滑車32を支軸31を中心として回転可能にカメラ固定部9に固定し、前後のチルト用ワイヤロープ14の一端をチルト操作用滑車11にそれぞれ連結し、チルト用ワイヤロープ14の他端をカメラ18が水平となる状態でカメラチルト用滑車32の上部にそれぞれ連結している。
【0025】
また、カメラ固定部9を右下側へ屈折させて形成し、カメラ18を上段ポール3の右側方において重心Gが支軸31の軸線上となる位置で固定している。
このように構成すれば、チルト操作用滑車11とカメラチルト用滑車32が同径であることから、チルト操作用滑車11の回転角度とカメラ18のチルト角度が等しくなり、且つチルト角度が変化しても上段ポール3とチルト用ワイヤロープ14との間の距離は変化しないのでカメラ18のチルト角度に関わらずチルト用ワイヤロープ14にかかる荷重が一定となり、操作性が向上する。
【0026】
また、カメラ18を重心Gが支軸31の軸線上となる位置でカメラ固定部9に固定しているので、カメラ18のチルト角度が変化してもチルトハンドル21の操作力は一定であり、カウンターウェイト33やバランス機構34等を設ける必要がなく軽量化が可能となる。
このカメラ用ペデスタルでは、4個のキャスター17を備えているが、キャスター17が移動装置43にそれぞれ転向自在に支承されているため、図15に示すように、キャスター17の方向が揃っていない状態から移動を開始すると、それぞれのキャスター17の方向が撮影者の意図する方向に揃うまでの間、撮影者の意図と異なる方向に進む。
【0027】
従って、移動しながら撮影を行うような場合には、撮影者の意図した通りの映像を撮れないことがある。
このような場合には、図16〜図18に示すように、撮影者の意図する移動経路に合わせて軌道38を敷設し、軌道走行車輪37を備えた移動装置41を用いるとよい。
図16に示すカメラ用ペデスタルのキャリア22には、図1に示すものと同様に移動装置取付ブラケット42が四方に固設されている。そして、移動装置41は、2個の移動装置取付ブラケット42にレベル調整機構16のハンドル39を利用して固定されたアダプタ33と、下部に雄ねじを有し、アダプタ33の前後端部に回転可能に取付けられた垂直な支軸34と、支軸34の雄ねじに螺合する雌ねじを有する車輪用ステー35と、支軸34の雄ねじに雌ねじで螺合された車輪用ステー35の回りをロックするロックハンドル36と、支軸34の上端に取付けられた高さ調整ハンドル40と、車輪用ステー35の前後端部に取付けられた軌道走行車輪37とで構成されている。
【0028】
このカメラ用ペデスタルを用いて撮影する場合には、撮影者は、まず、撮影者の意図する移動経路に合わせて軌道38を敷設し、カメラ用ペデスタルを軌道38上に載置する。次に、車輪用ステー35の高さを揃えるため、高さ調整ハンドル40を握り、ロックハンドル36を平面視で反時計回りに回転させ、支軸34下部の雄ねじを車輪用ステー35に対して回転可能な状態とする。
【0029】
それから、車輪用ステー35の高さを低くするときには、高さ調整ハンドル40を平面視で反時計回りに回転させ、車輪用ステー35の高さを高くするときには、高さ調整ハンドル40を平面視で時計回りに回転させて、4箇所の車輪用ステー35の高さを揃える。その後、高さ調整ハンドル40を握り、ロックハンドル36を平面視で時計回りに回転させ、支軸34と車輪用ステー35を固定する。
【0030】
軌道38上でカメラ用ペデスタルを走行させると、軌道38の方向に従って各車輪用ステー35が支軸34を中心として回転し方向を転換するため、キャリア22は、軌道38に沿って所定の経路を正確に移動する。
従って、移動しながら撮影を行うような場合に、撮影者の意図した通りの映像を撮ることができる。
【0031】
なお、このカメラ用ペデスタルでは、キャリア22に図1に示すものと同様の移動装置取付ブラケット42が四方に固設されているので、必要に応じて移動装置41をキャスターを備えた移動装置43と交換すれば、軌道外の床上で使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のカメラ用ペデスタルは、操作が容易で、高所からの撮影を狭い場所でも安全に行うことが可能であり、軽量且つ安価である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平移動可能なキャリアと、キャリア上に水平旋回可能に支承されたポール支持部と、ポール支持部の旋回中心を軸芯としてポール支持部上に立設された下段ポールと中段ポールと上段ポールとからなる伸縮ポールと、伸縮ポールを伸縮させる伸縮手段と、上段ポールの上部に軸芯に対して垂直な支軸で揺動可能に支持されたカメラ固定部と、下段ポールに軸芯に対して垂直なチルト操作軸で回転可能に取り付けられたチルト操作手段と、下段ポールの上部に設けたチルト用滑車と中段ポールの下部に設けたチルト用滑車とに掛け回され、一端がチルト操作手段に連結され、他端がカメラ固定部の支軸の前後にそれぞれ連結された前後のチルト用ワイヤロープと、を備えたカメラ用ペデスタル。
【請求項2】
伸縮手段が、下段ポールの基部に設けられた、中段ポール、上段ポール、及びカメラの荷重を相殺するための定荷重ばねと、下段ポールの上部に設けた昇降用滑車に掛け回され、一端が定荷重ばねに連結され、他端が中段ポールの下部に連結された中段ポール昇降用ワイヤロープと、中段ポールの上部に設けた昇降用滑車に掛け回され、一端が下段ポールの基部に連結され、他端が上段ポールの下部に連結された上段ポール昇降用ワイヤロープと、からなる請求項1記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項3】
前後のチルト用ワイヤロープの一端をチルト操作手段に設けたチルト操作用滑車にそれぞれ連結し、チルト操作用滑車と同径のカメラチルト用滑車を支軸を中心として回転可能にカメラ固定部に固定して前記チルト用ワイヤロープの他端をカメラが水平となる状態でカメラチルト用滑車の上部にそれぞれ連結した請求項1又は請求項2記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項4】
カメラ固定部を、重心が支軸の軸線上となる位置でカメラを固定可能な構造とした請求項1又は請求項2記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項5】
カメラ固定部を、重心が支軸の軸線上となる位置でカメラを固定可能な構造とした請求項3記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項6】
キャリアが移動装置にキャスターを備えた請求項1又は請求項2記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項7】
キャリアが移動装置にキャスターを備えた請求項3記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項8】
キャリアが移動装置にキャスターを備えた請求項4記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項9】
キャリアが移動装置にキャスターを備えた請求項5記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項10】
キャリアが移動装置に軌道走行車輪を備えた請求項1又は請求項2記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項11】
キャリアが移動装置に軌道走行車輪を備えた請求項3記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項12】
キャリアが移動装置に軌道走行車輪を備えた請求項4記載のカメラ用ペデスタル。
【請求項13】
キャリアが移動装置に軌道走行車輪を備えた請求項5記載のカメラ用ペデスタル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【国際公開番号】WO2005/034507
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【発行日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514472(P2005−514472)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014508
【国際出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】